JP5414254B2 - 変圧器の励磁突入電流抑制装置および方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献3に示すように、非有効接地系の3相変圧器を、一つの操作機構で3相の遮断器の投入・開極動作を同時に操作するようにした3相一括操作型遮断器によって投入する時の励磁突入電流の抑制方法についても提案されている。
また、このような方法を実現する励磁突入電流抑制装置も本発明の一態様である。
(構成)
図1は、本発明の第1実施形態における変圧器の励磁突入電流抑制装置と変圧器、および遮断器の接続関係を示すブロック図である。図1において、100は電源、200は遮断器、300は遮断器200によって電源100に投入または遮断される単相変圧器である。
第1実施形態における変圧器の励磁突入電流抑制装置の作用について以下に説明する。
単相変圧器300の端子間に結線606を介して直流電圧印加手段605からの直流電圧を印加する。
直流電圧の印加は変圧器鉄心が飽和したと考えるのに十分な時間の間印加する。なお、直流電圧の印加時間は変圧器毎の固有条件である。
例えば、図1に示すように、単相変圧器300の鉄心磁束を約+100%の直流磁束になるように直流電圧印加を実施した場合は、遮断器投入後の課電状態で変圧器300に定常状態で誘起される磁束と、直流電圧印加の結果飽和した直流磁束が略一致するタイミングとして、遮断器の電気的な投入位相を約180°に設定する。なお、遮断器200の投入位相は、都度設定しても良いし、投入位相設定手段602に予め設定した位相を使用しても良い。また、直流電圧印加手段605と連動して、自動的に設定されるようにしても良い。
変圧器の位相制御投入のタイミングチャートを図3に示す。遮断器は「+100%の直流磁束=電源電圧により定常状態で誘起される磁束」のタイミング、すなわち、電源電圧の180°の位相で電気的に投入される。
以上の説明から明らかなように、第1実施形態における変圧器の励磁突入電流抑制装置および方法は、以下の効果を有する。
(構成)
図4は、本発明の第2実施形態における変圧器の励磁突入電流抑制装置と3相変圧器、および3相遮断器の接続関係を示すブロック図である。
410は前記電源母線110の各相(U、V、W)電圧を計測するための計器用変圧器(VT)等で構成された電源電圧計測用機器、610は各相操作型遮断器210の主接点に対して各相個別に閉極位相制御された投入指令を出力する励磁突入電流抑制装置である。
第2実施形態における変圧器の励磁突入電流抑制装置の作用について以下に説明する。本実施形態は、例えば、変圧器の巻線抵抗測定や変流器の極性チェックなど、変圧器巻線への直流電圧印加を伴う現地試験・点検などを実施したことにより、変圧器を遮断した時に生じた残留磁束が変化する、もしくは無くなり、試験・点検終了時には、変圧器鉄心に何らかの直流磁束が残った場合を適用対象としている。
3相変圧器310のΔ結線の端子間に結線616を介して直流電圧印加手段615からの直流電圧を印加する。
直流電圧の印加は、変圧器鉄心(直流電圧印加端子間に対応する相の鉄心)が飽和したと考えるのに十分な時間の間印加する。なお、直流電圧の印加時間は変圧器毎の固有条件である。図4の例では、2次巻線312のu−v端子間に直流電圧印加手段615からの直流電圧を印加する。この場合、図6に示すように、3相変圧器310のU相鉄心の直流磁束1010uは約+100%となり、V相鉄心の直流磁束1010vおよびW相鉄心の直流磁束1010wは各々約−50%になる。
閉極第1相を直流電圧印加端子間に対応する相、すなわち、鉄心を飽和させた相とする。残りの2相は予め設定した時間後に投入する閉極第2相、閉極第3相とする。
閉極第1相の位相制御投入のタイミングチャートは、図3の変圧器の位相制御投入のタイミングチャートと同じである。図4に示すように、2次巻線312のu−v端子間に直流電圧印加した場合は、U相遮断器210Uは「U相の+100%の直流磁束=U相電源電圧により定常状態で誘起されるU相の磁束」のタイミング、すなわち、U相の電源電圧の180°の位相で電気的に投入される。
以上に述べた3相変圧器の励磁突入電流抑制の考え方は、例えば非特許文献1に詳細に述べられているので、ここでの詳細な説明は省略する。
以上の説明から明らかなように、第2実施形態における変圧器の励磁突入電流抑制装置および方法は、以下の効果を有する。
(構成)
図8は、本発明の第3実施形態における変圧器の励磁突入電流抑制装置と3相変圧器、および3相遮断器の接続関係を示すブロック図である。第3実施形態の構成は、以下の点を除き、第2実施形態の構成と同じなので、詳細な説明を省略する。
第3実施形態における変圧器の励磁突入電流抑制装置の作用について以下に説明する。本実施形態は、例えば、変圧器の巻線抵抗測定や変流器の極性チェックなど、変圧器巻線への直流電圧印加を伴う現地試験・点検などを実施したことにより、変圧器を遮断した時に生じた残留磁束が変化する、もしくは無くなり、試験・点検終了時には、変圧器鉄心に何らかの直流磁束が残った場合を適用対象としている。また、その他の何らかの物理的影響により、変圧器鉄心に何らかの直流磁束が残った場合を適用対象としている。
3相変圧器320のΔ結線の端子間に結線626を介して直流電圧印加手段625からの直流電圧を印加する。
直流電圧の印加は変圧器鉄心(直流電圧印加端子間に対応する相の鉄心)が飽和したと考えるのに十分な時間の間印加する。なお、直流電圧の印加時間は変圧器毎の固有条件である。図8の例では、2次巻線322のu−v端子間に直流電圧印加手段625からの直流電圧を印加する。この場合、第2実施形態と同様の直流磁束が残る。すなわち、図6と同様に、3相変圧器320のU相鉄心の直流磁束は約+100%となり、V相鉄心の直流磁束およびW相鉄心の直流磁束は各々約−50%になる。
直流磁束が最大の相は、直流電圧印加端子間に対応する相、すなわち、鉄心を飽和させた相である(この相をX相とする)。したがって、直流電圧印加の結果飽和したX相の磁束と同極性から逆極性へ遷移するX相の電圧零点を電気的な投入目標として、3相の遮断器を同時に投入させる。
以上の説明から明らかなように、第3実施形態における変圧器の励磁突入電流抑制装置および方法は、以下の効果を有する。
(構成)
図11は、本発明の第4実施形態における変圧器の励磁突入電流抑制装置と3相変圧器、および3相遮断器の接続関係を示すブロック図である。
第4実施形態における変圧器の励磁突入電流抑制装置の作用について以下に説明する。本実施形態は、例えば、変圧器の巻線抵抗測定や変流器の極性チェックなど、変圧器巻線への直流電圧印加を伴う現地試験・点検などを実施したことにより、変圧器を遮断した時に生じた残留磁束が変化する、もしくは無くなり、試験・点検終了時には、変圧器鉄心に何らかの直流磁束が残った場合を適用対象としている。
3相変圧器330のY結線の3相の内のいずれか1相の端子と接地端子の間に結線636を介して直流電圧印加手段635からの直流電圧を印加する。
直流電圧の印加は変圧器鉄心(直流電圧印加端子に対応する相の鉄心)が飽和したと考えるのに十分な時間の間印加する。なお、直流電圧の印加時間は変圧器毎の固有条件である。図11の例では、1次巻線331のU相端子−中性点(接地)端子間に直流電圧印加手段635からの直流電圧を印加する。この場合、図13に示すように、3相変圧器330のU相鉄心の直流磁束1030Uは約+100%となり、V相鉄心の直流磁束1030VおよびW相鉄心の直流磁束1030Wは各々約−50%になる。
閉極第1相を直流電圧印加端子に対応する相、すなわち、鉄心を飽和させた相とする。残りの2相は予め設定した時間後に投入する閉極第2相、閉極第3相とする。
閉極第1相の位相制御投入のタイミングチャートは、図3の変圧器の位相制御投入のタイミングチャートと同じである。図11に示すように、1次巻線331のU相端子−中性点(接地)端子間に直流電圧印加した場合は、U相遮断器210Uは「U相の+100%の直流磁束=U相電源電圧により定常状態で誘起されるU相の磁束」のタイミング、すなわち、U相の電源電圧の180°の位相で電気的に投入される。
図7に示すように、U相が閉極第1相であり、位相180°のタイミング(図7のタイミングA)で電気的に投入される。続いて1サイクル後に、残りの2相、すなわちV相とW相がU相の180°のタイミング(図7のタイミングB)で電気的に投入される。
以上の説明から明らかなように、第4実施形態における変圧器の励磁突入電流抑制装置および方法は、以下の効果を有する。
(構成)
図14は、本発明の第5実施形態における変圧器の励磁突入電流抑制装置と3相変圧器、および3相遮断器の接続関係を示すブロック図である。第5実施形態の構成は、以下の点を除き、第4実施形態の構成と同じなので、詳細な説明を省略する。
第5実施形態における変圧器の励磁突入電流抑制装置の作用について以下に説明する。本実施形態は、例えば、変圧器の巻線抵抗測定や変流器の極性チェックなど、変圧器巻線への直流電圧印加を伴う現地試験・点検などを実施したことにより、変圧器を遮断した時に生じた残留磁束が変化する、もしくは無くなり、試験・点検終了時には、変圧器鉄心に何らかの直流磁束が残った場合を適用対象としている。
3相変圧器330のY結線の3相の内のいずれか1相の端子と接地端子の間に結線646を介して直流電圧印加手段645からの直流電圧を印加する。
直流電圧の印加は変圧器鉄心(直流電圧印加端子に対応する相の鉄心)が飽和したと考えるのに十分な時間の間印加する。なお、直流電圧の印加時間は変圧器毎の固有条件である。図14の例では、1次巻線331のU相端子−中性点(接地)端子間に直流電圧印加手段645からの直流電圧を印加する。
直流磁束が最大の相は、直流電圧印加端子に対応する相、すなわち、鉄心を飽和させた相である(この相をX相とする)。したがって、直流電圧印加の結果飽和したX相の磁束と同極性から逆極性へ遷移するX相の電圧零点を電気的な投入目標として、3相の遮断器を同時に投入させる。例えば、図14に示すように、1次巻線331のU相端子−中性点(接地)端子間に直流電圧印加した場合は、第4実施形態と同様に、図13に示すように、3相変圧器330のU相鉄心の直流磁束は約+100%となり、V相鉄心の直流磁束およびW相鉄心の直流磁束は各々約−50%になる。したがって、第3実施形態と同様に、図10に示すように、電圧が正極性から負極性へ遷移するU相電圧の180°(図10のタイミングC)を電気的な投入位相に設定する。
以上の説明から明らかなように、第5実施形態における変圧器の励磁突入電流抑制装置および方法は、以下の効果を有する。変圧器の巻線抵抗測定や変流器の極性チェックなど、変圧器巻線への直流電圧印加を伴う現地試験・点検などを実施した場合においても、抵抗体付き遮断器等の設備を付加せずに、変圧器投入時の励磁突入電流を抑制することができる。
(構成)
図16は、本発明の第6実施形態における変圧器の励磁突入電流抑制装置と3相変圧器、および3相遮断器の接続関係を示すブロック図である。
第6実施形態における変圧器の励磁突入電流抑制装置の作用について以下に説明する。本実施形態は、例えば、変圧器の巻線抵抗測定や変流器の極性チェックなど、変圧器巻線への直流電圧印加を伴う現地試験・点検などを実施したことにより、変圧器を遮断した時に生じた残留磁束が変化する、もしくは無くなり、試験・点検終了時には、変圧器鉄心に何らかの直流磁束が残った場合を適用対象としている。
3相変圧器350のY結線の3相の内のいずれか2相の端子間に結線656を介して直流電圧印加手段655からの直流電圧を印加する。
直流電圧の印加は変圧器鉄心(直流電圧印加端子に対応する相の鉄心)が飽和したと考えるのに十分な時間の間印加する。なお、直流電圧の印加時間は変圧器毎の固有条件である。図16の例では、1次巻線351のU相端子−V相端子間に直流電圧印加手段655からの直流電圧を印加する。この場合、図18に示すように、3相変圧器330のU相鉄心の直流磁束1050Uは約+100%となり、V相鉄心の直流磁束1050Vは約−100%となり、W相鉄心の直流磁束1050Wは約0%になる。
直流磁束の絶対値が最大の相は、直流電圧印加端子間に対応する2相、すなわち、鉄心をそれぞれ正極性と負極性に飽和させた2相である。ここでは磁束が正極性の相を選択し、これをX相とする。したがって、直流電圧印加の結果飽和したX相の磁束と同極性から逆極性へ遷移するX相の電圧零点を電気的な投入目標として、3相の遮断器を同時に投入させる。
以上の説明から明らかなように、第6実施形態における変圧器の励磁突入電流抑制装置および方法は、以下の効果を有する。
(構成)
本発明の第7実施形態の構成は、第6実施形態と同じなので、説明を省略する。
第7実施形態における変圧器の励磁突入電流抑制装置の作用について以下に説明する。第7実施形態の励磁突入電流抑制方法のフローチャートは、ステップ3「3相遮断器の投入位相を3相一括で設定する」を除き、第6実施形態と同じ(図17を参照)なので、ステップ3についてのみ以下に詳細に説明する。
直流電圧を印加していない端子に対応する相(この相をX相とする)のピーク電圧のタイミング(90°又は270°)が投入位相の候補となる。なお、一般には、直流磁束の絶対値が最小の相をX相として選択する。
以上の説明から明らかなように、第7実施形態における変圧器の励磁突入電流抑制装置および方法は、以下の効果を有する。
第6実施形態、第7実施形態では、遮断器が3相一括操作型遮断器である場合について説明した。3相変圧器が非接地系、又は非有効接地系(抵抗接地系)の3相変圧器であり、かつ遮断器が各相操作型遮断器であって各相個別に遮断器を投入する場合においても、第3実施形態と類似の方法により変圧器投入時の励磁突入電流を抑制することができる。この場合は、投入位相の設定方法、投入位相制御の方法として、特許文献2に記載の方法を採用すればよい。
変圧器の残留磁束の状態が不明の場合にも、前述の第1実施形態〜第7実施形態、および変形例1の手法を適用することにより、同様に、抵抗体付き遮断器等の設備を付加せずに、変圧器投入時の励磁突入電流を抑制することができることは明らかである。
300、310、320、330、350…変圧器
311、321、331、351…1次巻線
312、322、332、352…2次巻線
313、323、333、353…3次巻線
400、410…計器用変圧器
600、610、620、630、640、650…励磁突入電流抑制装置
601、611、621、631、641、651…電圧計測手段
602、612、622、632、642、652…投入位相設定手段
603、613、623、633、643、653…投入位相制御手段
605、615、624、634、644、654…直流電圧印加手段
Claims (13)
- Y結線に接続された1次巻線と、△結線された2次巻線または3次巻線を有する3相変圧器と、この3相変圧器を3相電源へ投入および3相電源から遮断する3相遮断器とを備え、前記3相変圧器を励磁させるために前記3相遮断器が投入されたときに、前記3相変圧器に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制方法において、
前記3相遮断器を投入する前に、前記3相変圧器のΔ結線の2端子間に直流電圧を印加して、このΔ結線の直流電圧印加端子に対応した前記3相変圧器の特定相の鉄心の磁束を飽和させ、
前記3相遮断器投入後の課電状態で鉄心を飽和させた前記特定相に定常状態で誘起される磁束と、直流電圧印加の結果飽和した前記特定相の磁束が略一致するタイミングとなる電圧位相0°または180°を電気的な投入目標として、前記3相遮断器を投入させることを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制方法。 - 前記3相遮断器は各相操作型遮断器であり、
鉄心を飽和させた特定相を閉極第1相とし、前記閉極第1相の遮断器投入後の課電状態で前記3相変圧器の前記閉極第1相に定常状態で誘起される磁束と、直流電圧印加の結果飽和した前記閉極第1相の磁束が略一致するタイミングとなる電圧位相0°または180°を電気的な投入目標として、前記3相遮断器の前記閉極第1相を投入させ、
残る2相は、予め設定した時間の後、先に投入された前記閉極第1相の相電圧零点で電気的に投入させることを特徴とする請求項1記載の変圧器の励磁突入電流抑制方法。 - 鉄心を飽和させた特定相の相電圧が、直流電圧印加の結果飽和した当該相の磁束と同極性から逆極性へ遷移する電圧零点を電気的な投入目標として、3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする請求項1記載の変圧器の励磁突入電流抑制方法。
- Y結線に接続された1次巻線を有する3相変圧器と、前記3相変圧器の3相電源への投入および3相電源からの遮断を行う3相遮断器とからなる3相回路で、前記3相変圧器を励磁させるために前記3相遮断器が投入されたときに、前記3相変圧器に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制方法において、
前記3相遮断器を投入する前に、前記3相変圧器の1次巻線であるY結線の3相の内の何れか1相の端子と接地端子の間に直流電圧を印加して、このY結線の直流電圧印加端子に対応した前記3相変圧器の特定相の鉄心の磁束を飽和させ、
前記3相遮断器投入後の課電状態で直流電圧印加時に選択した鉄心を飽和させた前記特定相に定常状態で誘起される磁束と、直流電圧印加の結果飽和した前記特定相の磁束が略一致するタイミングを電気的な投入目標として、前記3相遮断器を投入させることを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制方法。 - 前記3相遮断器は各相操作型遮断器であり、
前記直流電圧印加時に選択した鉄心を飽和させた特定相を閉極第1相とし、前記閉極第1相の遮断器投入後の課電状態で前記3相変圧器の前記閉極第1相に定常状態で誘起される磁束と、直流電圧印加の結果飽和した前記閉極第1相の磁束が略一致するタイミングを電気的な投入目標として、前記3相遮断器の前記閉極第1相を投入させ、
残る2相は、予め設定した時間の後、先に投入された前記閉極第1相の相電圧零点で電気的に投入させることを特徴とする請求項4記載の変圧器の励磁突入電流抑制方法。 - 前記直流電圧印加時に選択した鉄心を飽和させた特定相の相電圧が、直流電圧印加の結果飽和した当該相の磁束と同極性から逆極性へ遷移する電圧零点を電気的な投入目標として、3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする請求項4記載の変圧器の励磁突入電流抑制方法。
- 1次巻線がY結線に接続され、Y結線の中性点が非接地もしくはインピーダンスを有する素子を介して接地された3相変圧器と、前記3相変圧器の3相電源への投入および3相電源からの遮断を行う3相遮断器とからなる3相回路で、前記3相変圧器を励磁させるために前記3相遮断器が投入されたときに、前記3相変圧器に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制方法において、
前記3相遮断器を投入する前に、前記3相変圧器の1次巻線であるY結線の3相の内の何れか2相の端子間に直流電圧を印加して、このY結線の直流電圧印加端子に対応した前記3相変圧器の特定の2相の鉄心の磁束を飽和させ、
前記3相遮断器投入後の課電状態で直流電圧印加時に選択した鉄心を飽和させた前記特定の2相の内いずれか1相の相電圧が、直流電圧印加の結果飽和した当該相の磁束と同極性から逆極性へ遷移する電圧零点を電気的な投入目標として、3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制方法。 - 1次巻線がY結線に接続され、Y結線の中性点が非接地もしくはインピーダンスを有する素子を介して接地された3相変圧器と、前記3相変圧器の3相電源への投入および3相電源からの遮断を行う3相遮断器とからなる3相回路で、前記3相変圧器を励磁させるために前記3相遮断器が投入されたときに、前記3相変圧器に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制方法において、
前記3相遮断器を投入する前に、前記3相変圧器の1次巻線であるY結線の3相の内の何れか2相の端子間に直流電圧を印加して、このY結線の直流電圧印加端子に対応した前記3相変圧器の特定の2相の鉄心の磁束を飽和させ、
直流電圧印加時に選択した鉄心を飽和させた前記特定の2相において、遮断器投入後の課電状態で前記3相変圧器の各々の相に定常状態で誘起される磁束の極性と、直流電圧印加の結果飽和した当該相の磁束の極性が各々同極性となる期間であり、
かつ、前記3相変圧器の直流電圧印加時に選択しなかった残りの1相の相電圧がピークとなるタイミングを電気的な投入目標として、3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制方法。 - 前記3相遮断器は、3相一括操作型遮断器であることを特徴とする請求項3、請求項6、請求項7、又は請求項8記載の変圧器の励磁突入電流抑制方法。
- Y結線に接続された1次巻線と、△結線された2次巻線または3次巻線を有する3相変圧器と、この3相変圧器を3相電源へ投入および3相電源から遮断する3相遮断器とを備え、前記3相変圧器を励磁させるために前記3相遮断器が投入されたときに、前記3相変圧器に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制装置において、
前記3相遮断器を投入する前に、前記3相変圧器のΔ結線の2端子間に直流電圧を印加して、このΔ結線の直流電圧印加端子に対応した前記3相変圧器の特定相の鉄心の磁束を飽和させるための直流電圧印加手段と、
電源電圧と、遮断器の状態量と、遮断器の閉極指令信号とを入力し、当該電源電圧の所望の投入位相で、遮断器を電気的に投入させる制御を行う遮断器の投入制御手段と、
前記所望の投入位相として、前記3相遮断器投入後の課電状態で鉄心を飽和させた前記特定相に定常状態で誘起される磁束と、前記直流電圧印加の結果飽和した前記特定相の磁束が略一致するタイミングとなる電圧位相0°または180°を設定する投入位相設定手段と、
を有することを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制装置。 - Y結線に接続された1次巻線を有する3相変圧器と、前記3相変圧器の3相電源への投入および3相電源からの遮断を行う3相遮断器とからなる3相回路で、前記3相変圧器を励磁させるために前記3相遮断器が投入されたときに、前記3相変圧器に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制装置において、
前記3相遮断器を投入する前に、前記3相変圧器の1次巻線であるY結線の3相の内の何れか1相の端子と接地端子の間に直流電圧を印加して、このY結線の直流電圧印加端子に対応した前記3相変圧器の特定相の鉄心の磁束を飽和させるための直流電圧印加手段と、
電源電圧と、遮断器の状態量と、遮断器の閉極指令信号とを入力し、当該電源電圧の所望の投入位相で、遮断器を電気的に投入させる制御を行う遮断器の投入制御手段と、
前記所望の投入位相として、前記3相遮断器投入後の課電状態で鉄心を飽和させた前記特定相に定常状態で誘起される磁束と、前記直流電圧印加の結果飽和した前記特定相の磁束が略一致するタイミングを設定する投入位相設定手段と、
を有することを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制装置。 - 1次巻線がY結線に接続され、Y結線の中性点が非接地もしくはインピーダンスを有する素子を介して接地された3相変圧器と、前記3相変圧器の3相電源への投入および3相電源からの遮断を行う3相遮断器とからなる3相回路で、前記3相変圧器を励磁させるために前記3相遮断器が投入されたときに、前記3相変圧器に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制装置において、
前記3相遮断器を投入する前に、前記3相変圧器の1次巻線であるY結線の3相の内の何れか2相の端子間に直流電圧を印加して、このY結線の直流電圧印加端子に対応した前記3相変圧器の特定の2相の鉄心の磁束を飽和させるための直流電圧印加手段と、
電源電圧と、遮断器の状態量と、遮断器の閉極指令信号とを入力し、当該電源電圧の所望の投入位相で、3相の遮断器を同時に電気的に投入させる制御を行う遮断器の投入制御手段と、
前記所望の投入位相として、前記3相遮断器投入後の課電状態で直流電圧印加時に選択した鉄心を飽和させた前記特定の2相の内いずれか1相の相電圧が、直流電圧印加の結果飽和した当該相の磁束と同極性から逆極性へ遷移する電圧零点を設定する投入位相設定手段と、
を有することを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制装置。 - 1次巻線がY結線に接続され、Y結線の中性点が非接地もしくはインピーダンスを有する素子を介して接地された3相変圧器と、前記3相変圧器の3相電源への投入および3相電源からの遮断を行う3相遮断器とからなる3相回路で、前記3相変圧器を励磁させるために前記3相遮断器が投入されたときに、前記3相変圧器に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制装置において、
前記3相遮断器を投入する前に、前記3相変圧器の1次巻線であるY結線の3相の内の何れか2相の端子間に直流電圧を印加して、このY結線の直流電圧印加端子に対応した前記3相変圧器の特定の2相の鉄心の磁束を飽和させるための直流電圧印加手段と、
電源電圧と、遮断器の状態量と、遮断器の閉極指令信号とを入力し、当該電源電圧の所望の投入位相で、3相の遮断器を同時に電気的に投入させる制御を行う遮断器の投入制御手段と、
前記所望の投入位相として、直流電圧印加時に選択した鉄心を飽和させた前記特定の2相において、遮断器投入後の課電状態で前記3相変圧器の各々の相に定常状態で誘起される磁束の極性と、直流電圧印加の結果飽和した当該相の磁束の極性が各々同極性となる期間であり、かつ、前記3相変圧器の直流電圧印加時に選択しなかった残りの1相の相電圧がピークとなるタイミングを設定する投入位相設定手段と、
を有することを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制装置。
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