JP4562359B2 - サブマージアーク溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は、優れた低温靭性を有し、両面一層の高速溶接性が優れたサブマージアーク溶接方法に関する。
天然ガス又は石油を輸送するパイプラインに使用されるUOE鋼管は、操業圧力を増加させ、輸送効率の向上を図るため、高強度化と共に、高靭性化が求められている。このため、母材は熱影響部の靭性確保及び溶接性向上を目的として、低炭素当量化が進められている。また、母材と同様に溶接金属も従来より良好な靭性が必要になっている。一般に、UOE鋼管のシーム溶接には多電極サブマージアーク溶接法による両面一層溶接が使用されているが、母材希釈が大きいため、溶接金属の靭性は母材成分の影響を受けやすい。特に、母材の炭素当量が低くなると、溶接金属の炭素当量も低くなるために、ミクロ組織が劣化し、靭性の向上がより困難になる。
低温靭性が優れた溶接材料としては、例えば、特開平10−113791号公報に開示されているが、この公報に記載の技術は両面一層高速溶接ではない。また、特開昭61−147990号公報には、ワイヤの構成元素及び含有率を厳密に規定することによって、強度、低温靭性及び耐割れ性が優れた溶接金属部を得ることができると記載されている。しかし、この公報に記載の技術は、単電極溶接であり、溶接速度も比較的低速である。
一方、多電極サブマージアーク溶接法による両面一層溶接は高速度であるため、スラグ巻き込み及びオーバーラップ等の溶接欠陥が発生しやすい。そこで、これまでにもUOE鋼管の高速溶接に関しては溶接欠陥の軽減法がいくつか提案されている。例えば、特開平9−85440号公報、特開平9−277043号公報、特開平9−239536号公報、特開平10−43859号公報、特開平10−258363号公報及び特開平10−258364号公報には、多電極を使用し、溶接金属に磁気撹拌を与えることにより、溶接欠陥の軽減を図ることができるとしている。しかし、この方法は磁場を形成するような設備が必要となり、コストがかかるうえ、溶接金属の低温靭性までも改善できるものではない。また、特開平4−147770号公報には、6本以上の電極を使用した高速サブマージアーク溶接法が提案されている。しかし、この方法は、電極数を増やすことで高速化は図られるものの、それに伴い、溶接欠陥発生の危険率が増大し、設備費が増大したり、オペレーションが複雑化するために、高速化のメリットが十分に生かされたものとは必ずしも言えないものであった。更に、この公報に記載された技術は、溶接金属の低温靭性を改善できるものではない。
特開平10−113791号公報 特開昭61−147990号公報 特開平9−85440号公報 特開平9−277043号公報 特開平9−239536号公報 特開平10−43859号公報 特開平10−258363号公報 特開平10−258364号公報 特開平4−147770号公報
上述の如く、低炭素当量の高張力鋼又は鋼管のシーム溶接で適用する母材希釈が大きい両面一層溶接の場合でも、優れた低温靭性と高速溶接における優れた品質が得られる最適な溶接方法については、従来存在しなかった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、母材成分系の低炭素当量化においても、優れた低温靭性の溶接金属が得られると共に、両面一層の高速溶接性が優れたサブマージアーク溶接方法を提供することを目的とする。
本発明に係るサブマージアーク溶接方法は、両面一層の2電極乃至4電極の多電極サブマージアーク溶接方法において、下記数式1で示される[M]の値が下記各元素の範囲を満足する溶接ワイヤを使用し、下記範囲の溶接電流比にてサブマージアーク溶接することを特徴とする。
但し、[M]は第1電極乃至第4電極ワイヤに含まれる元素Mにより下記数式1で計算される値を表す。但し、3電極及び2電極サブマージアーク溶接の場合は、夫々第4電極ワイヤの[M]AT3と、第4電極ワイヤの[M]AT3及び第3電極ワイヤの[M]AT2とは0である。なお、[M]の適正範囲は、電極の数によらず、同一である。
Figure 0004562359
但し、
[M]AL:第1電極ワイヤ中のM元素の質量(%)
[M]AT1:第2電極ワイヤ中のM元素の質量(%)
[M]AT2:第3電極ワイヤ中のM元素の質量(%)
[M]AT3:第4電極ワイヤ中のM元素の質量(%)
:第1電極ワイヤの溶接電流(A)
T1:第2電極ワイヤの溶接電流(A)
T2:第3電極ワイヤの溶接電流(A)
T3:第4電極ワイヤの溶接電流(A)
M元素の[M]の値は、下記範囲を満たす。
[C]:0.07乃至0.20質量%
[Mn]:1.45乃至2.70質量%
[Si]:0.10乃至0.70質量%
[Ti]:0.10乃至0.30質量%
[Al]:0.003乃至0.030質量%
[P]:≦0.020質量%
[S]:≦0.020質量%
[V]:≦0.020質量%
[Cu]:≦0.70質量%
[B]:≦0.020質量%
[O]:≦0.010質量%
[N]:≦0.008質量%
[Mo]:≦1.0質量%
[Ni]、[Cr]、[Mo](合計量で);2.0質量%以下
残部はFe及び不可避不純物である。
溶接電流比は下記範囲を満たす。但し、3電極の場合はIT3/Iは0である。また、4電極の場合はIT2/I及びIT3/Iが0である。

T1/I:0.60乃至0.90
T2/I:0.50乃至0.80
T3/I:0.50乃至0.80
以上詳述したように、本発明によれば、優れた低温靭性を有する溶接金属を得ることができ、母材成分系の低炭素等量化に際し両面一層の高速溶接性が優れたサブマージアーク溶接が可能になる。
以下、本発明について、詳細に説明する。前述のとおり、母材の成分系は高品質化及び溶接性を考慮して、低炭素当量化が進められている。これは、溶接による熱影響部の靭性確保のために低C、低Siとし、低炭素当量化にともなう母材強度の低下をNb、Ti、V等の微量添加及び制御圧延による組織の微細化により補い、高強度と高靭性を得るものである。しかし、両面一層溶接の場合、母材希釈が大きいために、溶接金属の化学成分は母材化学成分の影響を受けやすく、母材の低炭素当量化にともない、溶接金属の炭素当量も低くなる。そのため、溶接金属では、初析フェライト析出及び組織の粗大化が起こり、更に母材の低C及び低Si化によって、脱酸成分が不足するために、溶接金属の酸素量が増加する等、複合的な原因によって靭性が劣化してしまうという問題点がある。組織の劣化に対しては、ワイヤ及びフラックス成分の調整により、C、Mn、Ni、Cr、Mo、V、Ti及びB等の合金成分を補填する方法が考えられる。特に、組織改善に有効なC、Mo、V、Ti及びB等の添加は、2番目に溶接する側(裏面側)の溶接金属の熱影響による最初に溶接する側(表面側)の溶接金属の硬化を引き起こすことがあるため、適量に制限しなければならず、従って上記方法は溶接金属の高靭性化を達成できる有効な手段とは言えない。また、脱酸成分の不足を補うために、溶接材料に単純にC及びSiを添加しても靭性向上の効果は少ない。これは、母材の低炭素当量化にともなって添加したTi及びVがCと炭化物を形成したり、Siの酸化物が溶接金属に過剰に残留し、靭性に悪影響を及ぼすためと考えられる。また、脱酸作用のあるMnのみを更に添加しても、脱酸効果が少なく靭性の向上効果は認められなかった。
そこで、本発明者等が鋭意実験研究した結果、C、Si及びMnの適正添加に加えて、Ti及びAlの複合添加が最も有効であることを見出した。これは、Ti酸化物の微細分散による組織の微細化により高靭性を得るものである。この効果を得るためには溶接金属のTi及び酸素量の適正化が重要であるが、低炭素当量の母材では酸素量が過大となりやすい。そこで、Si及びAlの複合添加により溶接金属の酸素量を適正化し、前述の効果を得ている。
一方、母材の低炭素当量化に伴い従来の溶接材料では溶接金属中の脱酸成分が不足することは既に述べた。UOE鋼管のシーム溶接のような多電極高速溶接の場合、アーク雰囲気の領域が大きいため大気が混入しやすく、凝固速度が速いためにガス成分の浮上時間が短く、さらには、脱酸成分が不足している溶接金属では過剰にガスが発生し、ポックマークが発生しやすくなる。このポックマークの発生を抑制するためにも、強脱酸成分であるSi及びAlの添加は有効であり、高速溶接においても優れた内部品質が得られる。
また、多電極高速溶接性に及ぼす電流比の影響は極めて大きい。電流比のバランスが悪いと、ビード形状及び内部品質にも大きく影響を及ぼす。また、電極によってワイヤが異なる場合、ワイヤの組合せが同じであっても、電流比が大きく異なれば、[M]の値も変化し、低温靭性及び高速溶接性に影響を及ぼす。そこで、本発明者等は、鋭意実験研究を行ない、優れた低温靭性と高速溶接性が得られる電流比範囲を見出した。
UOE鋼管のストレートシーム溶接の場合、生産性向上の観点から一般的に多電極溶接を使用している。造管される鋼管は多種多様であり、1種類の溶接材料で全てをカバーすることは困難であるため、種々のワイヤの組合せで溶接されることが多い。本発明においては、組合せるワイヤの種類及び数には何ら制約がなく、いかなる組合せでも[M]の値が本発明の範囲内であれば同じ効果を得ることができる。また、実生産ではワイヤ交換に要する時間が生産性に大きく影響することから、1極のみワイヤ交換を行なうことであらゆる鋼管に対応できるシステムが望ましい。本発明を適用すれば、例えばT1乃至T3極を固定し、L極のみ交換することで所定のワイヤ成分系を得ることが可能であり、ワイヤ交換時間の短縮による生産性向上と、ワイヤ種類の削減によるコストダウンが可能となる。
次に、本発明における組成の数値限定理由について説明する。前述のとおり、UOE鋼管のストレートシーム溶接の場合、生産性向上の観点から一般的に多電極溶接を使用している。本発明においては、1電極溶接の場合は高速溶接性が劣るため、2電極以上とした。一方、高速溶接化を図るためには、電極数の増加は有効であるが、電極数の増加に伴う設備費のアップに対して得られる高速化の効果を考慮し、4電極以下とした。
[C]:0.07乃至0.20質量%
Cは炭素当量式の基本成分であり、溶接金属部の強度及び靭性に大きく影響を与える。[C]が0.07質量%未満であると、溶接金属部のミクロ組織が粗大となり、靭性が劣化する。一方、[C]が多すぎると、強度が高くなり過ぎ、靭性が劣化するうえ、高温割れが発生する虞があるため、0.20質量%以下とする。
[Mn]:1.45乃至2.70質量%
Mnは溶融金属中の酸素と結合して、これを除去する作用を有し、優れた靭性及び強度を得るのに必要な成分である。[Mn]が1.45質量%未満であると、靭性は劣化する。一方、[Mn]が2.70質量%を超えると、過度な焼入れ組織となり、靭性が劣化する。
[Si]:0.10乃至0.70質量%
Siは脱酸成分として効果があり、その作用力も高い。母材の低炭素当量化に伴い、脱酸成分が不足し、溶接金属部の酸素量は高くなる傾向にあり、衝撃値も低値を示す。Siを添加することにより、低炭素当量の母材においても、脱酸成分が不足することなく、溶接金属部の酸素量が抑制されて、靭性が確保される。[Si]が0.10質量%未満であると、脱酸不足となり、靭性が劣化するうえ、ポックマークが発生する。一方、[Si]が0.70質量%を超えると、溶接金属中にSiの酸化物が過剰に残留し、靭性が劣化する。
[Ti]:0.10乃至0.30質量%
Tiも非常に強い脱酸作用を示す。その酸化物は溶接金属中に微細分散し、ミクロ組織を微細化するため靭性を向上させる。[Ti]が0.10質量%未満であると、その効果が得られず、靭性が劣化する。また、両面一層溶接のように、2番目に溶接する側の溶接熱により、最初に溶接する側の溶接金属が熱影響を受ける場合、熱影響部は析出硬化し、衝撃性能が劣化する虞がある。[Ti]が0.30質量%を超えると、前述のとおり、最初に溶接する側の熱影響部が析出硬化し、靭性が劣化する。
[Al]:0.003乃至0.030質量%
Alも極めて強い脱酸作用を示し、溶接金属酸素量の低減により、靭性を向上させる。しかし、酸素との親和力はTiよりも大きく、適正量を超えると、Ti酸化物の生成が抑制されて靭性が劣化する。即ち、靭性確保のためには、Ti酸化物の微細分散による組織の微細化を妨げないようなAlの微量添加が最も有効である。[Al]が0.003質量%未満であると、脱酸不足になり、靭性が劣化するうえ、ポックマークが発生する。[Al]が0.030質量%を超えると、Ti酸化物の生成が抑制され、組織が粗大化して靭性が劣化する。
[P]:≦0.020質量%、[S]:≦0.020質量%
P及びSは、高温割れ、靭性又は曲げ性能等、溶接金属部の品質に悪影響を及ぼすので、[P]及び[S]は0.020質量%以下に規制する。
[V]:≦0.020質量%
Vは2番目に溶接する側の溶接により、最初に溶接する側の熱影響部が硬化し、靭性を劣化させる傾向がある。従って、[V]は0.020質量%以下に規制する。
[Cu]:≦0.70質量%
[Cu]が0.70質量%以下であれば、靭性に影響を及ぼさない。また、Cuは高温割れに悪影響を及ぼす成分であり、低く抑えるのが望ましい。[Cu]が0.70質量%を超えると、高温割れが発生しやすくなる。
[B]:≦0.020質量%
Bは2番目に溶接する側の溶接熱により、最初に溶接する側の熱影響部が硬化し、靭性を著しく劣化させる。従って、[B]は0.020質量%以下に規制する。
[O]:≦0.010質量%
Oは溶接金属の靭性に悪影響を及ぼす成分であり、このため、[O]は0.010質量%以下に規制する。
[N]:≦0.008質量%
Nは溶接金属の靭性に悪影響を及ぼす成分であり、このため、[N]は0.008質量%以下に規制する。
[Mo]:≦1.0質量%
Moは強度を高める効果が大きいうえ、2番目に溶接する側の溶接熱により最初に溶接する側の熱影響部が硬化し、靭性を劣化させる虞があるため、[Mo]は必要最低限にとどめる必要がある。従って[Mo]は1.0質量%以下に規制する。
[Ni]、[Cr]、[Mo]の合計量:≦2.0質量%
Mo同様、Ni及びCrは強度を高める効果が大きく、これらを過度に添加すると、強度が高くなり過ぎ、靭性を劣化させる虞がある。従って、[Ni]、[Cr]及び[Mo]の合計量は2.0質量%以下に規制する必要がある。
次に、溶接電流比の規制理由について説明する。多電極サブマージアーク溶接において、ビード形状及び溶接金属部の内部品質を考慮した場合に、溶接電流比が本発明の電流比範囲外で溶接を行うと、溶込み不良、余盛過大、スラグ巻込み又はオーバーラップが発生する虞がある。
T1/I:0.60乃至0.90
第1及び第2電極の電流は溶込みに大きく影響を及ぼす。IT1/Iの電流比が0.60未満であると、溶込みが不足する。IT1/Iの電流比が0.90を超えると、溶け込みは深くなるものの、ビード幅が狭くなりやすく、余盛過大となる。
T2/I:0.50乃至0.80又はIT3/I:0.50乃至0.80
第3及び第4電極の電流は、溶込みよりも、ビード幅に大きく影響を及ぼす。IT2/I又はIT3/Iの電流比が0.50未満であると、溶融池が十分に撹拌されず、スラグ巻き込みが発生する。IT2/I又はIT3/Iの電流比が0.80を超えると、溶融金属量が過大となり、ビードが広がりすぎてオーバーラップとなる。
以下、本発明の範囲に入る実施例の効果について、本発明の範囲から外れる比較例と比較して説明する。供試鋼板の化学成分組成を下記表1に示す。この供試鋼板を、下記表2に示す組成のフラックスと、表6及び表7に示す種々のワイヤを使用して両面一層溶接を行った。表3及び図1は、4電極の場合の溶接条件、電極配置及び開先形状を示し、表4及び図2は、3電極の場合の溶接条件及び電極配置を示し、表5及び図3は、2電極の場合の溶接条件及び電極配置を示す。
表8乃至表13は、本発明の実施例及び比較例の[M]の値を示す。図4は得られた溶接継手の形状を模式的に示す。この図4に示す位置より試験片を採取し、衝撃試験を実施した。この衝撃値を表9、表11及び表13に併せて示す。なお、衝撃値の判断基準として、−20℃で評価し、3本の平均値が80J以上を良好とした。
Figure 0004562359
Figure 0004562359
塩基度=(CaF+CaO+MgO+NaO+KO+MnO/2+FeO/2)/(SiO+Al/2+ZrO/2+TiO/2)
Figure 0004562359
Figure 0004562359
Figure 0004562359
これらの表3乃至表5において、最初に溶接する側(1st側)の溶接ワイヤ径は4.0mmである。また、2番目に溶接する側の仮付け溶接のワイヤ径は1.2mmであり、ワイヤ種類はJIS Z3312 YGW11である。この2番目に溶接する側の仮付け溶接の溶接条件は260A−32V−50cm/分、シールドガスはCOである。
Figure 0004562359
Figure 0004562359
Figure 0004562359
Figure 0004562359
Figure 0004562359
Figure 0004562359
Figure 0004562359
Figure 0004562359
表8乃至表11中の実施例1乃至40では衝撃値は80J以上であった。一方、比較例41及び59では、[C]が0.07質量%未満であり、靭性が劣化した。比較例No.42では[C]が0.20質量%を超えており靭性が劣化するうえ、高温割れが発生した。比較例43及び61では、[Si]が0.10質量%未満であり、靭性が劣化するうえ、ポックマークが発生した。比較例44では、[Si]が0.70質量%を超えており、靭性が劣化した。比較例45及び63では、[Mn]が1.45質量%未満であり、靭性が劣化した。比較例46では、[Mn]が2.70質量%を超えており、靭性が劣化した。比較例47では、[Cu]が0.70質量%を超えており、高温割れが発生した。比較例48及び62では、[Ti]が0.10質量%未満であり靭性が劣化した。比較例49では、[Ti]が0.30質量%を超えており、靭性が劣化した。比較例50では、[V]が0.020質量%を超えており、靭性が劣化した。比較例51では、[Al]が0.003質量%未満であり、靭性が劣化するうえ、ポックマークが発生した。比較例52では、[Al]が0.030質量%を超えており、靭性が劣化した。比較例53では、[B]が0.020質量%を超えており、靭性が劣化した。比較例54では、[O]が0.010質量%を超えており、靭性が劣化した。比較例55では、[N]が0.008質量%を超えており、靭性が劣化した。比較例56、57及び60では、[Ni]、[Cr]及び[Mo]の合計量が2.0質量%を超えており、靭性が劣化した。比較例58では、[Mo]が1.0質量%を超えており、靭性が劣化した。なお、実施例19乃至38に示すとおり、複数種類のワイヤを用いても[M]が本発明の範囲内であれば、衝撃値は良好な値を示す。
次に、溶接作業性を評価した。ワイヤはW1を用い、表3乃至表5に示す溶接条件において、2nd側(2番目に溶接される側)の溶接を下記表14及び表15に示すように変化させて溶接作業性を確認した。1st側(最初に溶接する側)の溶接は、表3乃至表5に示すとおりである。なお、溶接作業性の評価は試験片長さ1500mmを溶接し、中央部750mm長さで評価した。溶接作業性は、余盛高さが3mm以下の場合を○、3mmを超える場合を×とした。オーバーラップは2mm以下の場合を○、2mmを超える場合を×とした。溶け込み不良は1st側と2nd側の溶接金属が重なっているものを○、ルート部が溶け残っているものを×とした。これらの全ての評価項目が○の場合を溶接作業性が○、いずれかが×の場合を溶接作業性が×であるとした。図5は、余盛高さ、オーバーラップ及び溶け込み不良を示す。表14中のテストNo.Y1乃至No.Y4が本発明実施例で、表15中のテストNo.Y5乃至No.Y10が比較例である。本発明実施例テストNo.Y1乃至No.Y4では溶接作業性は良好で、衝撃値も80J以上であった。テストNo.Y5では第2電極の電流比が0.60未満であり、溶込み不良が発生した。テストNo.Y6では第2電極の電流比が0.90を超えており、余盛過大となった。テストNo.Y7では第3電極の電流比が0.50未満でありスラグ巻き込みが発生した。テストNo.Y8では第3電極の電流比が0.80を超えており、オーバーラップとなった。テストNo.Y9では第4電極の電流比が0.50未満であり、スラグ巻き込みが発生した。テストNo.Y10では第4電極の電流比が0.80を超えており、オーバーラップとなった。
Figure 0004562359
Figure 0004562359
(a)、(b)は4電極の場合の溶接条件を示す図である。 3電極の場合の溶接条件を示す図である。 2電極の場合の条件を示す図である。 試験片採取位置を示す図である。 余盛高さ、オーバーラップ及び溶け込み不良を示す図である。

Claims (3)

  1. 両面一層の4電極サブマージアーク溶接方法において、元素の種類をMとし、[M]を第1電極乃至第4電極の溶接ワイヤに含まれる元素Mにより下記数式で計算される値として、
    [C]:0.07乃至0.20質量%
    [Mn]:1.45乃至2.70質量%
    [Si]:0.10乃至0.70質量%
    [Ti]:0.10乃至0.30質量%
    [Al]:0.003乃至0.030質量%
    [P]:≦0.020質量%
    [S]:≦0.020質量%
    [V]:≦0.020質量%
    [Cu]:≦0.70質量%
    [B]:≦0.020質量%
    [O]:≦0.010質量%
    [N]:≦0.008質量%
    [Mo]:≦1.0質量%
    [Ni]、[Cr]、[Mo]の合計量:2.0質量%以下
    であり、
    上記各元素の他は、Fe及び不可避不純物である組成の溶接ワイヤを使用し、
    を第1電極ワイヤの溶接電流(A)、IT1を第2電極ワイヤの溶接電流(A)、IT2を第3電極ワイヤの溶接電流(A)、IT3を第4電極ワイヤの溶接電流(A)とした場合に、溶接電流比を、IT1/I:0.60乃至0.90、IT2/I:0.50乃至0.80、IT3/I:0.50乃至0.80としてサブマージアーク溶接することを特徴とするサブマージアーク溶接方法。
    [M]=([M]AL+(IT1/I)×[M]AT1+(IT2/I)×[M]AT2+(IT3/I)×[M]AT3)/(1+(IT1/I)+(IT2/I)+(IT3/I))
    [M]AL:第1電極ワイヤ中のM元素の質量(%)
    [M]AT1:第2電極ワイヤ中のM元素の質量(%)
    [M]AT2:第3電極ワイヤ中のM元素の質量(%)
    [M]AT3:第4電極ワイヤ中のM元素の質量(%)
  2. 両面一層の3電極サブマージアーク溶接方法において、元素の種類をMとし、[M]を第1電極乃至第3電極の溶接ワイヤに含まれる元素Mにより下記数式で計算される値として、
    [C]:0.07乃至0.20質量%
    [Mn]:1.45乃至2.70質量%
    [Si]:0.10乃至0.70質量%
    [Ti]:0.10乃至0.30質量%
    [Al]:0.003乃至0.030質量%
    [P]:≦0.020質量%
    [S]:≦0.020質量%
    [V]:≦0.020質量%
    [Cu]:≦0.70質量%
    [B]:≦0.020質量%
    [O]:≦0.010質量%
    [N]:≦0.008質量%
    [Mo]:≦1.0質量%
    [Ni]、[Cr]、[Mo]の合計量:2.0質量%以下
    であり、
    上記各元素の他は、Fe及び不可避不純物である組成の溶接ワイヤを使用し、
    を第1電極ワイヤの溶接電流(A)、IT1を第2電極ワイヤの溶接電流(A)、IT2を第3電極ワイヤの溶接電流(A)とした場合に、溶接電流比を、IT1/I:0.60乃至0.90、IT2/I:0.50乃至0.80としてサブマージアーク溶接することを特徴とするサブマージアーク溶接方法。
    [M]=([M]AL+(IT1/I)×[M]AT1+(IT2/I)×[M]AT2)/(1+(IT1/I)+(IT2/I))
    [M]AL:第1電極ワイヤ中のM元素の質量(%)
    [M]AT1:第2電極ワイヤ中のM元素の質量(%)
    [M]AT2:第3電極ワイヤ中のM元素の質量(%)
  3. 両面一層の2電極サブマージアーク溶接方法において、元素の種類をMとし、[M]を第1電極及び第2電極の溶接ワイヤに含まれる元素Mにより下記数式で計算される値として、
    [C]:0.07乃至0.20質量%
    [Mn]:1.45乃至2.70質量%
    [Si]:0.10乃至0.70質量%
    [Ti]:0.10乃至0.30質量%
    [Al]:0.003乃至0.030質量%
    [P]:≦0.020質量%
    [S]:≦0.020質量%
    [V]:≦0.020質量%
    [Cu]:≦0.70質量%
    [B]:≦0.020質量%
    [O]:≦0.010質量%
    [N]:≦0.008質量%
    [Mo]:≦1.0質量%
    [Ni]、[Cr]、[Mo]の合計量:2.0質量%以下
    であり、
    上記各元素の他は、Fe及び不可避不純物である組成の溶接ワイヤを使用し、
    を第1電極ワイヤの溶接電流(A)、IT1を第2電極ワイヤの溶接電流(A)とした場合に、溶接電流比を、IT1/I:0.60乃至0.90としてサブマージアーク溶接することを特徴とするサブマージアーク溶接方法。
    [M]=([M]AL+(IT1/I)×[M]AT1)/(1+(IT1/I))
    [M]AL:第1電極ワイヤ中のM元素の質量(%)
    [M]AT1:第2電極ワイヤ中のM元素の質量(%)
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