JP4562281B2 - 加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼板及びその製造方法 - Google Patents

加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼板及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4562281B2
JP4562281B2 JP2000392912A JP2000392912A JP4562281B2 JP 4562281 B2 JP4562281 B2 JP 4562281B2 JP 2000392912 A JP2000392912 A JP 2000392912A JP 2000392912 A JP2000392912 A JP 2000392912A JP 4562281 B2 JP4562281 B2 JP 4562281B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
less
stainless steel
workability
ferritic stainless
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2000392912A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002194508A (ja
Inventor
学 奥
佳幸 藤村
芳明 堀
敏郎 名越
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Nisshin Co Ltd filed Critical Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Priority to JP2000392912A priority Critical patent/JP4562281B2/ja
Priority to DE60105955T priority patent/DE60105955T2/de
Priority to EP01129311A priority patent/EP1219719B1/en
Priority to ES01129311T priority patent/ES2230227T3/es
Priority to US10/027,850 priority patent/US6673166B2/en
Priority to KR1020010084112A priority patent/KR100799240B1/ko
Priority to CNB011369132A priority patent/CN1172017C/zh
Publication of JP2002194508A publication Critical patent/JP2002194508A/ja
Priority to US10/695,185 priority patent/US7094295B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP4562281B2 publication Critical patent/JP4562281B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車用鋼板等の各種成形用素材として使用される加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】
Nb,Ti等によりCやNを炭窒化物として固定し、耐食性や耐熱性を改善したフェライト系ステンレス鋼が各種分野で使用されている。たとえば、自動車用鋼板としては、排ガス経路部材に当該フェライト系ステンレス鋼が多用されている。センターパイプやマフラー等の耐食用途では、Nb,Tiの添加によって鋭敏化を抑制し、耐粒界腐食感受性を高めた鋼材として、SUH409L,SUS436L,SUS436J1L等がある。エギゾーストマニホルドやフロントパイプ等の耐熱用途では、C,Nとの化学量論以上の割合でNb,Tiを添加して固溶状態の過剰Nbにより高温高強度化した鋼材として、SUS430LX,SUS430JIL,SUS444等がある。
【0003】
ところで、自動車排ガス経路部材は、省スペースや排気効率向上を狙って一層複雑な構造になりつつある。構造の複雑化に伴って、プレス成形や管成形時の構造が複雑になり、過酷な加工が施される傾向にある。その結果、排ガス経路部材に使用されるフェライト系ステンレス鋼板としても、より高い成形性が要求される。
より高い成形性は、排ガス経路部材以外の各種成形用途でも同様である。たとえば、機能性や意匠性を高めるために複雑形状が採用されるほど、使用鋼材も優れた加工性が要求される。
【0004】
フェライト系ステンレス鋼板の成形性向上に関しては、従来から数多くの研究開発結果が報告されている。成形性向上手段は、成分調整と製造方法の適正化に大別される。
成分調整については、C及びNの低減と比較的多量のTi,Nb等の炭窒化物形成元素の添加を組み合わせた方法(特公昭51−29694号公報,特公昭51−35369号公報等),Al,B,Cu等の元素を添加する方法,Al,B,Cu等の添加と炭窒化物形成元素の添加を併用する方法等が知られている。TiやNbの添加は、自動車排ガス経路部材の耐食性や耐熱性を確保して使用環境中での性能向上させると共に成形性向上をも兼ね備えることから有効な手段であるといえる。
【0005】
製造法の適正化に関しては、製鋼工程から冷延焼鈍工程に至るまでの製造プロセスについて多数の方法が提案されている。たとえば、製鋼段階におけるスラブの鋳造組織の等軸晶化,熱間圧延段階における熱間圧延開始温度の低温化,圧延中の均熱保持,仕上げ温度の低温化,巻取り温度の低温化等がある。また、熱間圧延温度と圧下率との組合せ,熱間圧延時のロールの摩擦係数の適正化等によって加工性を改善することも知られている。熱間圧延段階までのこれらの方法は、何れも再結晶集合組織に悪影響を及ぼす鋳造時の凝固組織を分断することを主目的としている。
【0006】
熱間圧延以降の工程では、冷延率の上昇によって平均塑性歪み比(r−)及び異方性(Δr)の双方が改善されること、更にTi添加鋼では60%以上(好ましくは、70〜90%)の冷延率が有効であることが古くから知られている(ステンレス協会編「ステンレス鋼便覧」(1995)第935頁)。また,2回冷延2回焼鈍を施し、且つ冷延率の組合せや焼鈍条件の制御、或いは大径ワークロールの採用等によって加工性を改善する方法もある。
製造方法の適正化による加工性の改善に関しては、SUS430ステンレス鋼を中心に微量の合金元素を添加した鋼材、特にSUS430にAlやTiを添加した鋼材について種々な提案がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、耐食又は耐熱用途に使用されるTi又はNb添加鋼については製造法の提案は比較的少なく、何れも「Ti又はNbの何れか一方又は双方」といった形で規定されているものが散見される程度である(特公平6−17519号公報、特開平8−311542号公報)。これらの方法は、通常の製造工程以外に何らかの手段を必要とし、或いは製造工程自体の変更を必要とするため製造コストが高くなり、結果として製品のコストアップを招く虞がある。
【0008】
また、加工性改善に関する従来法の大半は、製品板厚0.7〜0.8mmのステンレス鋼板について詳細に検討しているものの、製品板厚が1mm以上のステンレス鋼板の加工性については研究が進んでいない。因みに、自動車排ガス経路部材では比較的多く使用されている板厚2.0mm前後の製品に従来法を適用すると、冷延率70%以上を確保するためには熱延鋼帯の板厚を6mm以上にする必要が生じる。かかる厚肉の熱延鋼帯では、通板性,低温靭性,曲げ性等について十分な考慮が必要であるばかりでなく、冷延負荷が大きくなることから製造コストの上昇が避けられない。
【0009】
以上のように、TiやNbを含むフェライト系ステンレス鋼板において、1.0mm以上の板厚であっても製造プロセスに余分な工程の追加や製造コストの上昇を招くことなく、優れた加工性を呈する鋼材の開発が望まれている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、Nb系析出物を結晶方位の制御に利用することにより、耐食性や耐熱性に有効な合金元素の低減又は特殊な合金元素の添加を必要とせず、製品板厚に起因する制約を大きく受けることなく、加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼板を提供することを目的とする。
【0011】
本発明のフェライト系ステンレス鋼板は、その目的を達成するため、C:0.03質量%以下,N:0.03質量%以下,Si:2.0質量%以下,Mn:2.0質量%以下,Ni:0.6質量%以下,Cr:9〜35質量%,Nb:0.15〜0.80質量%,残部Feおよび不可避的不純物の組成をもち、粒径0.5μm以下の析出物が2質量%以下で、且つ板厚の1/4深さにおける圧延面の結晶方位が次式で定義される積分強度比で1.2以上であることを特徴とする。
積分強度比=[I(211)/I0(211)]/[I(200)/I0(200)]I(211),I(200):供試材のX線回折による(211)面,(200)面の面反射強度I0(211),I0(200):無方向試料のX線回折による(211)面,(200)面の面反射強度
【0012】
フェライト系ステンレス鋼板は、更にTi:0.5質量%以下,Mo:3.0質量%以下,Cu:2.0質量%以下,Al:6.0質量%以下の1種又は2種以上を含むことができる。フェライト系ステンレス鋼板は、熱延鋼帯,熱延鋼板,冷延鋼帯,冷延鋼板,溶接鋼管等の形態で市場に提供されるが、本件明細書ではこれらを「フェライト系ステンレス鋼」で総称している。このフェライト系ステンレス鋼板は、700〜850℃×25時間以下で析出処理した後,1000〜1100℃×1分以下の最終焼鈍を施すことにより製造される。
【0013】
【作用】
本発明者等は、化学量論上C,Nの炭窒化物としての固定に必要な量以上でTi及び/又はNbを添加したフェライト系ステンレス鋼を使用し、一般的には平均塑性歪み比(r−)が大きく上昇しないとされている50〜60%程度の冷延率での冷間圧延で得られたフェライト系ステンレス鋼板について、加工性に及ぼす組成及び製造条件の影響を詳細に検討した。その結果、Nb含有フェライト系ステンレス鋼の熱延鋼帯又は熱延鋼板を最終焼鈍前の何れかの段階で熱処理し、析出物を多量に生成させると、極めて高い加工性を呈するフェライト系ステンレス鋼板が得られることを見出した。
【0014】
本発明は、この知見をベースにして完成されたものであり、特定された合金設計及び製造条件を採用することによって、1.0mm以上の板厚であっても加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼板を提供する。
最終焼鈍前の析出処理で生成した析出物は、その析出量がフェライト系ステンレス鋼板の加工性に大きな影響を及ぼす。具体的には、板厚4.5mmの12Cr−0.8Mn−0.5Si−0.6Nb鋼板を種々の温度で30秒焼鈍することにより析出物を生成させた後、板厚2.0mmまで冷延し、更に1040℃で最終焼鈍することにより製造されたフェライト系ステンレス鋼板では、最終焼鈍前に存在していた粒径2μm以下の析出物総量と加工性との関係が図1のように変わる。すなわち、粒径2μm以下の析出物の総量が1.1質量%以上になると、平均塑性歪み比(r−)が急激に大きくなっている。平均塑性歪み比(r−)の増加に伴って、前掲の式で定義される積分強度比も大きくなっており、良好な加工性を示す領域では積分強度比が1.2以上になっている。
【0015】
析出物の析出総量に応じて加工性が変わる理由は現時点では必ずしも明確でないが、次のように加工性の向上に寄与しているものと推察される。すなわち、熱延鋼帯又は熱延鋼板を再結晶温度未満の低温で焼鈍すると、Nb系析出物が多量に均一分散した組織となる。本発明の成分系では、Fe2Nbを主体とするLaves相及びFe3Nb3Cを主体とする炭窒化物等がNb系析出物となる。最終焼鈍時の再結晶の際に、加工性に悪影響を及ぼす(100)面集合組織の発達を抑制し、加工性の向上に比較的有利な(211)面集合組織を発達させる。その結果、得られるフェライト系ステンレス鋼板の加工性が向上する。
【0016】
図1に示した結果から、良好な加工性、換言すると平均塑性歪み比(r−)が1.5以上のフェライト系ステンレス鋼板を得るためには、前掲の式で定義される積分強度比を1.2以上にする必要がある。1.2以上の積分強度比は、最終焼鈍前に粒径2μm以下の析出物を総量で1.1質量%以上生成させる析出処理によって得られる。なお、析出物が脆性破壊の起点になることを考慮すると、靭性を重視しない用途では最終焼鈍後の析出物総量を規定する必要はないが、汎用性を前提にすると最終焼鈍後の析出物総量は少ないほど好ましい。
【0017】
靭性を確保するためには、再結晶集合組織の制御に利用した析出物を最終焼鈍によってマトリックスに固溶させる。最終焼鈍後に粒径2μm以下の析出物の総量が0.5質量%以下になると、析出物を起点とする脆性破壊が抑えられ、靭性の高いフェライト系ステンレス鋼板となる。
【0018】
以下、本発明フェライト系ステンレス鋼板に含まれる合金成分,含有量等を説明する。
C:0.03質量%以下,N:0.03質量%以下
C及びNは、一般的にはクリープ強度等の高温特性に有効な合金成分とされているが、含有量が多くなると耐食性,耐酸化性,加工性,靭性等が低下する。また、C及びNが多量に含まれていると、C及びNを炭窒化物として固定するために必要なNbの添加量を多くすることが必要になる。そこで、C及びN含有量の上限を共に0.03質量%(好ましくは、0.02質量%)に設定している。
【0019】
Si:2.0質量%以下
高温酸化特性の改善に非常に有効な合金成分である。しかし、Siの過剰添加は、硬さを上昇させ,加工性及び靭性を劣化させる原因となる。したがって、Si含有量の上限を2.0質量%(好ましくは,1.5質量%)に設定した。
Mn:2.0質量%以下
フェライト系ステンレス鋼の高温酸化特性,なかでもスケール剥離性の改善に有効な合金成分である。しかし、過剰量のMn含有は、加工性及び溶接性に悪影響を及ぼす。また、オーステナイト相安定化元素であるため、Mnの過剰添加によってマルテンサイト相が生成すると、加工性が劣化する。したがって、Mn含有量の上限を2.0質量%(好ましくは、1.5質量%)に設定した。
【0020】
Ni:0.6質量%以下
オーステナイト相安定化元素であるため、過剰量のNiをフェライト系ステンレス鋼に添加すると、Mnと同様にマルテンサイト相を生成し、加工性劣化の原因となる。また、高価な元素であることから、Niの過剰添加は鋼材コストを上昇させる。そこで、Ni含有量の上限を0.6質量%(好ましくは、0.5質量%)に設定した。
Cr:9〜35質量%
フェライト相を安定させると共に、高温用途で重視される耐酸化性や耐食用途で重視される耐孔食性,耐候性の改善に不可欠な合金成分である。Cr含有量が多くなるほど耐熱性や耐食性が向上するが、過剰量のCr添加は、鋼材を脆化し、硬質化に起因して加工性も劣化する。したがって、Cr含有量を9〜35質量%(好ましくは、12〜19質量%)の範囲とした。
【0021】
Nb:0.15〜0.80質量%
C,Nを炭窒化物として固定する作用を呈すると共に、炭窒化物を固定した残りの固溶状態にあるNbによって材料の高温強度が改善されることは、すでに知られている技術である。本発明では、このような作用に加えて、更に再結晶集合組織の制御にNbを利用している。微細な析出物を生成させるためには、少なくとも熱延鋼帯又は熱延鋼板に固溶状態のNbが存在する必要がある。
C,Nを炭窒化物として固定しているNbは、熱間圧延後から最終焼鈍までの間Nb(C,N)の状態で存在し、量及び析出状態がほとんど変化しない、他方、熱延鋼帯又は熱延鋼板に固溶しているNbは、最終焼鈍前の何れかの工程における析出処理によってFe3Nb3C,Fe2Nb等の析出物となり、その後の最終焼鈍によって加工性の向上に有効な再結晶集合組織の形成に寄与する。したがって、Nbの添加量は、C及びNを炭窒化物として固定する量以上の添加が必要なことから、下限を0.15質量%(好ましくは、0.20質量%)とした。しかし、過剰量のNb添加は、靭性に有害な析出物を多量に生成させるので、Nb含有量の上限を0.80質量%(好ましくは、0.50質量%)に設定した。
【0022】
Ti:0.5質量%以下
必要に応じて添加される合金成分であり、Nbと同様にC,Nを固定する作用を呈し、鋼材の耐粒界腐食性を改善する。しかし、Tiの過剰添加は、鋼材の靭性や加工性を低下させ、製品の表面性状にも悪影響を及ぼす。そこで、Tiを添加する場合、その上限を0.5質量%(好ましくは、0.3質量%)とする。
Mo:3.0質量%以下
鋼材の耐食性や高温強度,耐高温酸化性等の耐熱性の向上に有効な合金成分であり、耐食性,耐熱性に関してより高い性能が要求される場合に添加される。しかし、過剰量のMo添加は、鋼材コストの上昇を招くばかりでなく,熱間加工性,加工性,靭性等を低下させる原因となる。そのため、Moを添加する場合には、その上限を3.0質量%(好ましくは、2.5質量%)に設定する。
【0023】
Cu:2.0質量%以下
耐食性及び高温強度の改善に有効な合金成分であり、抗菌性付与にも有効であることから、使用環境に応じて適宜添加される。しかし、過剰量のCu添加は、鋼材の熱間加工性を低下させると共に、加工性及び靭性が劣化する原因となる。
したがって、Cuを添加する場合には、その上限を2.0質量%(好ましくは、1.5質量%)に設定する。
【0024】
Al:6.0質量%以下
必要に応じて添加される合金成分であり、Siと同様にフェライト系ステンレス鋼の耐高温酸化特性を改善する作用を呈する。しかし、過剰量のアルミを添加すると硬さが上昇し、加工性及び靭性が低下する。そこで、Alを添加する場合には、その上限を6.0質量%(好ましくは、4.0質量%)に設定する。
【0025】
本発明が対象とするフェライト系ステンレス鋼では、他の合金元素に関しては特段規定されるものではなく、必要に応じて適宜添加される。この種の添加成分としては、高温強度の改善に有効なTa,W,V,Coや、耐高温酸化性の改善に有効なY,REM(希土類金属)や、熱間加工性,靭性の改善に有効なCa,Mg,B,等があり、Ta,W,V,Coは3.0質量%以下,Y,REMは0.5質量%以下,Ca,Mg,Bは0.05質量%以下で添加することが好ましい。
一般的な不純物成分であるP,S,O等は、可能な限り低減するほうが好ましい。具体的には、P:0.04質量%以下,S:0.03質量%以下,O:0.02質量%以下に規制する。また、更に高いレベルの加工性や靭性を確保する上では、P,S,O含有量の上限を更に厳しく規制する。
【0026】
粒径2μm以下の析出物:0.5質量%以下
最終焼鈍を施した製品に多量の析出物が残存すると脆性破壊の起点になる。そこで、十分な靭性を確保するため、最終焼鈍後の粒径2μm以下の析出物の総量を0.5質量%以下とした。
圧延面の結晶方位:積分強度比1.2以上
圧延面の結晶方位のうち、(211)面の積分強度比が大きいほど加工性が向上する。本発明が狙いとする平均塑性歪み比(r−)を1.5以上とするため、前掲の式で表される積分強度比を1.2以上とした。
【0027】
析出処理:700〜850℃×25時間以下
析出処理は、製鋼工程から冷延板焼鈍工程に至る製造プロセスにおける何れかの段階、具体的には連続焼鈍炉やバッチ式焼鈍炉で実施される。析出処理条件は、良好な加工性を得るため、粒径2μm以下の析出物が適正量生成する条件に設定される。
粒径2μm以下の析出物を総量1.1質量%以上の割合で析出させることにより、良好な加工性が発現する。粒径2μm以下の析出物は、700℃以上の析出処理温度で効果的に生成するが、析出処理温度が850℃を超えると粒径2μmを超える析出物が生成しやすくなる。他方、700℃に達しない析出処理温度では、粒径2μm以下の析出物の生成が少なくなる。
【0028】
析出処理時間は、析出処理温度に応じて適正に設定される。具体的には、次式で定義されるλ値が19〜23の範囲にあるように、析出処理温度T(℃)に応じて析出処理時間t(時)が設定される。また、鋼材を長時間加熱することは生産性の低下を招くことは勿論、析出物を粗大に成長させることにもなるので、25時間以内で析出処理を終了する。
λ値=(T+273)×(20+logT)/1000
【0029】
最終焼鈍:1000〜1100℃×1分以下
析出処理で粒径2μm以下の析出物を適正量析出させた鋼帯又は鋼板は、圧延集合組織を再結晶によって解消するため最終焼鈍される。また、析出処理によって生成した析出物をマトリックスに十分固溶させ、製品の靭性(特に二次加工性)を向上させる。再結晶には900℃以上の焼鈍温度が必要であるが、1100℃を超える焼鈍温度では結晶粒の粗大化が進行し、十分な靭性が確保できない。また、生産性,エネルギー消費量を考慮して焼鈍時間を1分以内に設定する。
【0030】
他の製造条件は特段の制約を受けるものではないが,熱延板を再結晶組織とする前に析出物を生成させる析出処理が必要である。たとえば、冷延回数が1回又は複数回の何れであっても、最終焼鈍以外の工程で再結晶温度までの加熱を回避する必要がある。特に複数回に分けて冷延する場合、冷延後の焼き鈍し工程で再結晶組織とならないように、再結晶温度よりも低い温度で歪み除去焼鈍する。また、通常採用されている800〜1250℃の温度域で熱延すると、熱延中に再結晶化が進行しないため、熱延条件に格別の制約が加わることはない。
【0031】
熱延後、熱延鋼帯を直ちに水冷して巻き取ると析出物の新たな生成がないので、その後の析出処理工程で粒径2μm以下の析出物を多量に生成させることができる。他方、熱延後の冷却速度を調整することによって、粒径2μm以下の析出物を熱延後の冷却過程で生成させることも可能である。この場合、改めて析出処理を施す必要がない。
【0032】
熱延後の冷却過程で粒径2μm以下の析出物を適正量析出させる上では、熱延後の冷却条件を上述した析出処理条件となるように空冷又は空冷後水冷すればよい。
このようにして、板厚1.0mm以上であっても、加工性が改善されたフェライト系ステンレス鋼板が得られる。勿論、板厚1.0mm以下のフェライト系ステンレス鋼板でも、優れた加工性を呈する鋼材となる。優れた加工性は、フェライト系ステンレス鋼板を所望形状に加工し、或いは溶接鋼管とした場合でも維持される。
【0033】
【実施例】
表1の組成をもつ各フェライト系ステンレス鋼を、30kg真空溶解炉で溶製し、厚み40mmのスラブに切り出し、1250℃で2時間加熱した後、板厚4.5mmまで熱延し、水冷した。表1中、鋼種番号8はSUS409相当鋼,鋼種番号9はSUS436相当鋼である。
【0034】
Figure 0004562281
【0035】
各熱延鋼板を表2に示す種々の条件下で板厚2.0mmに冷延した。
【0036】
Figure 0004562281
【0037】
得られた冷延鋼板から切り出された試験片を室温引張試験すると共に、仕上げ焼鈍前後の冷延鋼板から切り出された試験片を用いて析出物を定量した。析出物の定量では,析出物以外の母材成分を電解抽出で除去した後、残りの重量を測定することにより析出物の生成量を求めた。また、板厚の1/4まで切削した後で研磨仕上げした試験片をX線回折することにより、(211)面及び(200)面の面反射強度を測定すると共に、粉末から作製した無方向試験片について同様に(211)面及び(200)面の面反射強度を測定した。測定結果を前掲の式に代入して積分強度比を算出し、結晶方位の指標とした。
【0038】
更に、深絞り成形性の指標として平均塑性歪み比(r−)を引張試験で求め、成形性を評価した。破断伸びは、圧延方向、圧延方向に対して45度の方向、圧延方向に直交する方向に沿って各冷延鋼板からJIS 13B号試験片を切り出し、JIS Z2254(薄板金属材料の塑性ひずみ試験方法)に準拠し、15%の単軸引張り予歪みを与えたときの横歪み及び板厚歪みの比から各方向の塑性歪み比を算出し、次式に従って平均塑性歪み比(r−)を算出した。
r−=(rL+2rD+rT)/4 ただし、rL:圧延方向の塑性歪み比
D:圧延方向に対して45度方向の塑性歪み比
T:圧延方向に直交する方向の塑性歪み比
靭性は、JIS Z2242(金属材料衝撃試験方法)に準拠してVノッチシャルピー衝撃試験を−75〜0℃の温度範囲でおこない、シャルピー衝撃値から延性−脆性遷移温度を求めた。
【0039】
表3の調査結果にみられるように、試験番号1〜11(本発明例)のフェライト系ステンレス鋼板では、最終焼鈍前の析出物の析出量及び積分強度比で表される結晶方位が適正範囲にあるため、試験番号15(比較例)よりも平均塑性歪み比(r−)が大きく、加工性に優れていることが判る。製品の靭性も、延性脆性/遷移温度が−50℃以下であり、実用上大きな問題にならないレベルであるといえる。すなわち、析出物を利用して結晶方位を制御することにより、加工性が顕著に改善されていることが確認できる。
他方、試験番号12〜14(比較例)は組成的に異なる鋼材を使用した例であり、試験番号15〜18(比較例)は組成的には本発明で既定する条件を満足する鋼材を異なる製造条件で製造した例である。
【0040】
Nbを多量に含む鋼材を用いた試験番号12は、比較的良好な加工性が得られているものの、靭性に劣っている。Nb無添加の鋼材を用いた試験番号13,14は、良好な靭性を呈するものの、仕上げ焼鈍前に加熱処理を施しても本発明で規定する積分強度比を満足せず、加工性に劣っている。試験番号15は、従来から実施されている一般的な製造法によるものであり、熱延板を再結晶化させていると共に析出処理を施していないため十分な加工性が得られない。1040℃で熱延鋼板を加熱した試験番号16は、熱延鋼板の加熱段階で再結晶組織が生成したため、その後に析出物を生成させる加熱処理を施しても加工性の改善がみられなかった。仕上げ焼鈍時に低い焼鈍温度に加熱された試験番号17は析出物の未固溶のため、焼鈍温度が高すぎる試験番号18は結晶粒粗大化のため、何れも冷延焼鈍板の靭性が劣っていた。
【0041】
Figure 0004562281
【0042】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明においては、各種合金成分の含有量が特定されたフェライト系ステンレス鋼を使用し、最終焼鈍前の段階で生成させた析出物によって結晶方位の異方性を制御することにより加工性を改善している。そのため、耐熱性,耐食性,靭性等の基本的特性を損なうことなく、板厚1〜2mmの比較的厚い板材であっても優れた加工性を呈するフェライト系ステンレス鋼板が得られる。このようにして得られたフェライト系ステンレス鋼板は、優れた加工性,耐食性,耐熱性,靭性を活用し、自動車用排ガス経路部材を始めとして各種成形品用の素材として使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 最終焼鈍前の鋼材に分散している析出物が冷延焼鈍板の加工性に及ぼす影響を表したグラフ

Claims (3)

  1. C:0.03質量%以下,N:0.03質量%以下,Si:2.0質量%以下,Mn:2.0質量%以下,Ni:0.6質量%以下,Cr:9〜35質量%,Nb:0.15〜0.80質量%,残部Feおよび不可避的不純物の組成をもち、粒径2μm以下の析出物が0.5質量%以下で、且つ板厚の1/4深さにおける圧延面の結晶方位が次式で定義される積分強度比で1.2以上であることを特徴とする加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼板。
    積分強度比=[I(211)/I0(211)]/[I(200)/I0(200)]I(211),I(200):供試材のX線回折による(211)面,(200)面の面反射強度I0(211),I0(200):無方向試料のX線回折による(211)面,(200)面の面反射強度
  2. Ti:0.5質量%以下,Mo:3.0質量%以下,Cu:2.0質量%以下,Al:6.0質量%以下の1種又は2種以上を含む請求項1記載のフェライト系ステンレス鋼板。
  3. 請求項1又は2記載の組成をもつフェライト系ステンレス鋼板を700〜850℃×25時間以下で析出処理した後,1000〜1100℃×1分以下の最終焼鈍を施すことを特徴とする、請求項1又は2に記載の加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
JP2000392912A 2000-12-25 2000-12-25 加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼板及びその製造方法 Expired - Lifetime JP4562281B2 (ja)

Priority Applications (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000392912A JP4562281B2 (ja) 2000-12-25 2000-12-25 加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼板及びその製造方法
EP01129311A EP1219719B1 (en) 2000-12-25 2001-12-13 A ferritic stainless steel sheet good of workability and a manufacturing method thereof
ES01129311T ES2230227T3 (es) 2000-12-25 2001-12-13 Lamina de acero inoxidable ferritico con buena trabajabilidad y metodo para su fabricacion.
DE60105955T DE60105955T2 (de) 2000-12-25 2001-12-13 Ferritisches rostfreies Stahlblech mit einer guten Verarbeitbarkeit und Verfahren zu dessen Herstellung
US10/027,850 US6673166B2 (en) 2000-12-25 2001-12-21 Ferritic stainless steel sheet having good workability
KR1020010084112A KR100799240B1 (ko) 2000-12-25 2001-12-24 가공성이 우수한 페라이트계 스테인레스 강판 및 그것의제조 방법
CNB011369132A CN1172017C (zh) 2000-12-25 2001-12-25 一种具有良好加工性能的铁素体不锈钢板及其制造方法
US10/695,185 US7094295B2 (en) 2000-12-25 2003-10-28 Ferritic stainless steel sheet having good workability and manufacturing method thereof

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000392912A JP4562281B2 (ja) 2000-12-25 2000-12-25 加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼板及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002194508A JP2002194508A (ja) 2002-07-10
JP4562281B2 true JP4562281B2 (ja) 2010-10-13

Family

ID=18858825

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000392912A Expired - Lifetime JP4562281B2 (ja) 2000-12-25 2000-12-25 加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼板及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4562281B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE60105955T2 (de) * 2000-12-25 2005-10-06 Nisshin Steel Co., Ltd. Ferritisches rostfreies Stahlblech mit einer guten Verarbeitbarkeit und Verfahren zu dessen Herstellung
DE102009039552B4 (de) * 2009-09-01 2011-05-26 Thyssenkrupp Vdm Gmbh Verfahren zur Herstellung einer Eisen-Chrom-Legierung
JP7468470B2 (ja) 2021-06-28 2024-04-16 Jfeスチール株式会社 フェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08199235A (ja) * 1995-01-19 1996-08-06 Kawasaki Steel Corp Nb含有フェライト鋼板の製造方法
JPH08253818A (ja) * 1995-03-14 1996-10-01 Kawasaki Steel Corp 面内異方性が小さく強度−伸びバランスに優れるフェライト系ステンレス鋼帯の製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08199235A (ja) * 1995-01-19 1996-08-06 Kawasaki Steel Corp Nb含有フェライト鋼板の製造方法
JPH08253818A (ja) * 1995-03-14 1996-10-01 Kawasaki Steel Corp 面内異方性が小さく強度−伸びバランスに優れるフェライト系ステンレス鋼帯の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002194508A (ja) 2002-07-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102267129B1 (ko) Nb함유 페라이트계 스테인리스 열연 강판 및 그 제조 방법과, Nb함유 페라이트계 스테인리스 냉연 강판 및 그 제조 방법
KR100799240B1 (ko) 가공성이 우수한 페라이트계 스테인레스 강판 및 그것의제조 방법
JP6851269B2 (ja) フェライト系ステンレス鋼板、鋼管および排気系部品用フェライト系ステンレス部材ならびにフェライト系ステンレス鋼板の製造方法
JP4528137B2 (ja) 穴拡げ性に優れた高強度高延性薄鋼板の製造方法
JP5396752B2 (ja) 靭性に優れたフェライト系ステンレス鋼およびその製造方法
JP5846950B2 (ja) フェライト系ステンレス鋼熱延鋼板及びその製造方法、並びにフェライト系ステンレス鋼板の製造方法
AU2005227556A1 (en) High-rigidity high-strength thin steel sheet and method for producing same
JP5362582B2 (ja) 耐食性及び張出成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼及びその製造方法
JP7268182B2 (ja) フェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法ならびにフェライト系ステンレス部材
JP4065579B2 (ja) 面内異方性が小さく耐リジング性に優れるフェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法
JP3460659B2 (ja) 軟質で熱処理歪みの小さい高炭素鋼帯とその製造方法
JP4185425B2 (ja) 成形性と高温強度・耐高温酸化性・低温靱性とを同時改善したフェライト系鋼板
JP4562280B2 (ja) 加工性に優れ面内異方性の小さいフェライト系ステンレス鋼及びその製造方法
JP3993831B2 (ja) 熱間成形加工後の硬化能および衝撃特性に優れた鋼板およびその使用方法
JP2005325377A (ja) 加工性に優れた耐熱フェライト系ステンレス鋼板の製造方法
JP4562281B2 (ja) 加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼板及びその製造方法
JP3613387B2 (ja) 成形加工後の耐肌あれ性および高温疲労特性に優れるフェライト系ステンレス熱延鋼板
JP3886864B2 (ja) 二次加工性に優れるフェライト系ステンレス鋼冷延焼鈍材及びその製造方法
JPH08199237A (ja) 低温靭性に優れたフェライト系ステンレス熱延鋼帯の製造方法
JP6986135B2 (ja) フェライト系ステンレス鋼板、およびその製造方法ならびにフェライト系ステンレス部材
JP3290598B2 (ja) 成形性および耐リジング性に優れるフェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法
JP7166878B2 (ja) フェライト系ステンレス鋼板、およびその製造方法ならびにフェライト系ステンレス部材
JP4061213B2 (ja) 熱間成形加工用鋼板
JP2004137554A (ja) 加工性に優れた鋼板及びその製造方法
JP3508685B2 (ja) 打ち抜き性と成形性に優れるフェライト系ステンレス冷延鋼板

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20070313

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071026

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100511

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100709

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100727

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100727

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130806

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4562281

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term