JP4561674B2 - 物体検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば自車両前方の車両を検出するのに用いられる物体検出装置に関する。
従来より、物体の存在を検出する技術分野において、検出範囲の異なる複数種類のセンサを組み合わせてそれぞれ同じ検出対象を検出するように設定することによって、検出精度の向上を図る技術が提案されている。
例えば、特許文献1では、画像を用いた検出結果をレーザーレーダー(LIDAR)を用いた検出と融合することにより検出精度の向上を図っている。
特開2002−99907号公報
ところで、特許文献1では両センサの物体検出可能範囲が重なり合う領域のみを対象とした技術である。したがって、それ以外に物体検出可能範囲があるにもかかわらず、センシング方式の異なる領域に物体がまたがった移動を行った際には、物体を見失ってしまい、同一物体として追跡し続けられない。また、物体を追跡しようとしても、センシング方式が異なるために、物体の位置情報が大きく変化してしまうといった問題があった(図8参照)。
本発明は以上の問題点に鑑みてなされたものであり、複数種類のセンサを組み合わせてそれぞれ同じ物体を検出する物体検出装置において、物体がそれらセンサの検出可能範囲をまたがって移動した場合であっても同一物体として追跡し続けることができ、これにより広範囲に物体を検出することができる物体検出装置を提供することを目的とする。また、異なるセンシング方式を用いたとしても、同様に同一物体として追跡し続けることができるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1の物体検出装置は、第1の検出範囲内に存在する物体及びその移動状態を検出する第1の物体検出手段と、前記第1の検出範囲と物体検出範囲が一部重複する第2の検出範囲内に存在する物体及びその移動状態を検出する第2の物体検出手段と、前記第1の検出範囲の前記第2の検出範囲との境界付近に切り替え用マスクを設定しており、前記第1の物体検出手段が物体を見失った場合に、見失った直前の位置が前記切り替え用マスク内か否かを判定することで、前記物体が前記第2の検出範囲に移り変わったか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が前記第2の検出範囲に物体が移り変わったと判定した場合に、前記第1の物体検出手段が物体を見失う直前の当該物体に関する情報を初期情報として、以後前記第1の物体検出手段が検出していた物体と同一物体として前記第2の物体検出手段により物体を検出させる物体検出制御手段とを備え、前記判定手段は、前記第1の検出範囲と前記第2の検出範囲との重複部分において、当該重複部分と前記第2の検出範囲との境界付近に設定された前記切り替え用マスクを第1切り替え用マスクとし、さらに、前記重複部分において、当該重複部分と前記第1の検出範囲との境界付近に第2切り替え用マスクを設定しており、前記第1の物体検出手段が物体を見失った場合に、見失った直前の位置が前記第1切り替え用マスク内か否かを判定することで、前記物体が前記第2の検出範囲に移り変わったか否かを判定し、前記第2の物体検出手段が物体を見失った場合に、見失った直前の位置が前記第2切り替え用マスク内か否かを判定することで、前記物体が前記第1の検出範囲に移り変わったか否かを判定し、前記物体検出制御手段は、前記判定手段が前記第2の検出範囲に物体が移り変わったと判定した場合に、前記第1の物体検出手段が物体を見失う直前の当該物体に関する情報を初期情報として、以後前記第1の物体検出手段が検出していた物体と同一物体として前記第2の物体検出手段により物体を検出させ、前記判定手段が前記第1の検出範囲に物体が移り変わったと判定した場合に、前記第2の物体検出手段が物体を見失う直前の当該物体に関する情報を初期情報として、以後前記第2の物体検出手段が検出していた物体と同一物体として前記第1の物体検出手段により物体を検出させることを特徴とする。
上記判定手段として具体的には、物体を見失った位置が上記第1の検出範囲と第2の検出範囲との境界付近に設定された切り替え用マスク内である場合には、物体は上記第1の検出範囲から第2の検出範囲にまたがって移動した可能性があると判定することができる。反対に、物体を見失った位置が上記第1の検出範囲と第2の検出範囲との境界付近に設定された切り替え用マスク内でない場合には、当該物体検出装置として、完全に物体を見失ったことになる。
これにより、物体が各センサの検出可能範囲をまたがって移動した場合であっても同一物体として検出し続けることができ、結果的に広範囲にわたって物体を検出することができる。
また、上記判定手段によって、物体が各センサの検出可能範囲をまたがって移動したと判定された場合には、またがう直前の物体に関する情報を参照することによって、異なるセンシング方式を用いたとしても、物体の位置情報が大きく変化してしまうことなく当該物体を同一物体として検出することができる。
さらに、切り替え用マスクとして、第1及び第2切り替え用マスクを設定しているので、頻繁に異なる物体検出手段への切り替えを抑えることができる。その結果、物体の検出精度を向上させることができる。
請求項2に記載の物体検出装置において、前記第1の物体検出手段は、所定の検出波を前記第1の検出範囲内を一定間隔おきにスキャンするように送出し、それら検出波の反射波に基づいて物体の存在及び移動状態を検出することを特徴とする。上記所定の検出波としては、レーザーや超音波などが挙げられる。このように、検出波を送出して物体の存在及び移動状態を検出する場合、狭角かつ遠距離の物体検出に有効である。
請求項に記載の物体検出装置において、前記第2の物体検出手段は、周囲を撮像する撮像手段を備え、当該撮像手段によって撮像された画像情報に基づいて物体の存在及び移動状態を検出することを特徴とする。このように、画像情報に基づいて物体の存在及び移動状態を検出する場合、広角かつ近距離の物体検出に有効である。
請求項に記載の物体検出装置において、前記第2の物体検出手段は、前記画像情報中の画素値の変化を分析し、一定の大きさ以上の変化を示す画素は一定の範囲にわたって分布している場合に物体が存在すると判定することを特徴とする。画素値としては輝度などが考えられる。物体が画像中に現れた場合、その画像において、その物体が占める領域に対応する画素値がそれまでの画素値に対して一定以上変化すると考えられる。また、例えばこの物体検出装置を車両に用いた場合、自車両に影響を及ぼす物体は一定の大きさ以上であると考えられる。これにより、正確に対象物体を検出することができる。
請求項に記載の物体検出装置において、前記第2の物体検出手段は、既に物体が存在すると判定されている画像上の領域をテンプレートとして登録し、現在の画像中において前記テンプレートの位置を探索することによって物体の移動状態を判定することを特徴とする。これによって、物体の移動状態(移動方向、速度など)を判定することができる。
請求項に記載の物体検出装置において、前記判定手段は、前記第1の物体検出手段が見失った直前の物体の移動方向を前記第1の物体検出手段によって算出し、当該物体の位置とともに前記移動方向に基づいて前記第2の検出範囲に移り変わったか否かを判定することを特徴とする。
例えば、第2の検出範囲の境界付近で、第1の物体検出手段が物体を見失ったとしても、その物体の見失う直前の移動方向によっては、その物体が第2の検出範囲に入らない場合があり得る。請求項6のように、見失ったときにその直前の物体の移動方向を考慮することによって、より正確に物体が異なるセンサ領域にまたがって移動したか否かを判定することができる。
請求項に記載の物体検出装置において、前記物体検出制御手段は、前記判定手段が前記第2の検出範囲に物体が移り変わったと判定した場合に、前記第1の物体検出手段が物体を見失う直前の当該物体の位置情報と、前記第2の物体検出手段による当該物体の位置情報との重み付きの和を用いて最終的に前記第2の物体検出手段による物体検出に変更することを特徴とする。
これにより、物体が異なるセンシング方式の検出可能範囲をまたがって移動したとしても、その境界付近において物体の位置情報を緩やかに変化させることができる。すなわち、より自然に物体の検出をし続けることができる。
以下、本発明に係る物体検出装置の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、物体検出装置を車両前方の物体を検出するために用いている。
図1は、本発明に係る物体検出装置100の全体構成を示すブロック図である。同図に示すように、物体検出装置100はレーザーによる物体検出器10(以下、LIDARと言う。)、カメラ20、画像処理器30、及び制御部40から構成される。
LIDAR10は、制御部40の指示に基づいて、レーザーを車両外部に送信部(図示せず)、送信されたレーザーの反射波を受信する受信部(図示せず)、その反射波に基づいて物体の存在及び状態(移動方向、速度など)を算出する算出部(図示せず)から構成される。具体的には、送信部から一定範囲内をスキャンするようにレーザーを送信する。そして、それらレーザーの反射波から物体を検出する。また送信部は、一定間隔おきに、そのレーザーのスキャン送信による物体検出を行う。そして、算出部は、物体の移動状態(移動方向、速度など)を算出する。このLIDAR10は、車両前方の狭角かつ遠距離(図2の実線範囲内)までの物体を検出できるように設置される。
カメラ20は、車両前方の広角かつ近距離(図2の破線範囲内)を撮像するように設置される。そして、画像処理器30は、制御部40の指示に基づいて、カメラ20で撮像された画像情報から、車両前方の物体の存在及び状態(移動方向、速度など)を算出する。具体的には、カメラ20によって車両前方の輝度を画像情報として取り込む。そして、その画像情報中の画素値(輝度)の変化を分析し、一定の大きさ以上の変化を示す画素が一定の範囲にわたって分布している場合に物体が存在すると判定する。例えば、自車両前方の車両を検出物体と考えた場合、自車両前方に他の車両が現れたとすると、その他の車両が占める領域に対応する画素値は、それまで(他の車両が存在しないとき)の画素値に対して一定以上変化すると考えられる。また、自車両に影響に及ぼす物体は一定以上の大きさであると考えられる。以上により、車両前方の物体を正確に検出することができる。
また、既に物体が存在すると判定した場合には、その画像上の領域をテンプレートとして登録し、以後、現在の画像中においてそのテンプレートの位置を探索することによって物体の状態(移動方向、速度など)を算出する。
制御部40は、通常のコンピュータとして構成されており、内部には周知のCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスラインが備えられている。ROMには、制御回路8が実行するためのプログラムが書き込まれており、このプログラムに従ってCPUが上記LIDAR10と画像処理器30を制御して物体の検出を行う。
また、本実施形態では、LIDAR10による物体検出可能範囲と画像処理器30による物体検出可能範囲が重複する部分については、LIDAR10によって物体検出を行うようにプログラムされている。そして、LIDAR10による物体検出処理と画像処理器30による物体検出処理との間で物体検出処理を切り替えるために、上記重複する部分の境界付近の領域に切り替え用のマスク1(図2参照)を設定する。このマスク1を設けることによって、物体がLIDAR10による物体検出可能範囲と画像処理器30による物体検出可能範囲間をまたがって移動した場合であっても、制御装置40は同一物体としてその物体を検出し続けることができる。そのときの具体的な処理を、図3〜図5に示すフローチャートを用いて説明する。ここで、図3に示すフローチャートは、物体がLIDAR10による物体検出可能範囲から画像処理器30による物体検出可能範囲に移動したときの処理を示している(例えば、図2(a)のAからBに物体が移動した場合)。反対に、図4に示すフローチャートは、物体が画像処理器30による物体検出可能範囲からLIDAR10による物体検出可能範囲に移動したときの処理を示している(例えば、図2(a)のCからDに物体が移動した場合)。先ず、図3に示すフローチャートから説明する。
先ず、ステップ10において、LIDAR10によって物体の存在及びその移動状態を検出したとする。この場合、物体が図2(a)の実線の範囲内に存在していることになる。そして、一旦物体の存在を検出した場合には、LIDAR10は以後その物体を検出し続ける。
ステップS11において、LIDAR10によって検出していた物体が消失したか否かを判定する。消失していない場合(否定判定)には、図3に示すフローチャートから抜け、再びステップS10の処理を行い、LIDAR10によって物体の検出をし続ける。この場合、物体は依然として図2(a)の実線の範囲内に存在していることになる。
一方、ステップS11において、物体が消失した場合(肯定判定)には、処理をステップS12に進める。この場合、物体は図2(a)の実線の範囲外に移動したことになる。そして、ステップS12において、その消失した物体が画像処理器30による物体検出可能範囲内(図2(a)の破線の範囲内)に移動したか否かを判定する。具体的には、図5に示すフローチャートに従って判定する。
先ず、ステップS100において、物体が消失したときの直前の位置がマスク1の範囲内か否かを判定する。ここで、その位置がマスク1の範囲内ではない(否定判定)ときは、物体は画像処理器30による物体検出可能範囲外に移動したことになる(図2(b)参照)。この場合、制御部40は、ステップS101において、完全にその物体を見失ったと判定する。
一方、物体が消失したときの直前の位置がマスク1の範囲内である(肯定判定)ときは、処理をステップS102へ進める。そして、ステップS102において、物体が消失したときの直前のその物体の移動方向が、画像処理器30による物体検出可能範囲の方向に向いているか否かを判定する。なお、物体の移動方向は、物体の位置情報の時間変化から算出することができる。ここで、消失した物体の直前の移動方向が、画像処理器30による物体検出可能範囲の方向に向いていない(否定判定)ときは、ステップS101において、制御部40はその物体を完全に見失ったと判定する(図2(c)参照)。これに対し、消失した物体の直前の移動方向が、画像処理器30による物体検出可能範囲の方向に向いている(肯定判定)ときは、制御部40は見失った物体が画像処理器30による物体検出可能範囲内に移動したと判定し、図5に示すフローチャートを抜ける。
再び図3に示すフローチャートの説明に戻り、ステップS13において、上述したステップS12の処理を経て、物体がLIDAR10による物体検出可能範囲から画像処理器30による物体検出可能範囲に移動したか否かを判定する。ここで、物体がLIDAR10による物体検出可能範囲から画像処理器30による物体検出可能範囲に移動していない(否定判定)ときは、このフローチャートを抜ける。この場合、制御部40は、検出していた物体を完全に見失ったことになる。
これに対し、物体がLIDAR10による物体検出可能範囲から画像処理器30による物体検出可能範囲に移動した(肯定判定)ときは、処理をステップS14に進める。そして、ステップS14において、LIDAR10が物体を見失ったときのその物体の直前の位置情報から、画像処理器30による物体検出用のデータ(以下、画像テンプレートと言う)を作成する。その後、ステップS15において、この画像テンプレートを初期情報として、画像処理器30による物体の検出に切り替える(図2(a)において物体がAからBに移動した場合)。なお、画像処理器30による物体の検出に用いられる画像テンプレートは、物体の位置情報から推測される物体の形状のみに対応したデータからなる。
次に、物体が画像処理器30による物体検出可能範囲からLIDAR10による物体検出可能範囲に移動した場合についての処理(図2(a)において物体がCからDに移動した場合)を、図4のフローチャートに従って説明する。
先ず、ステップS20において、画像処理器30によって物体の存在及びその移動状態を検出したとする。この場合、物体が図2(a)の破線の範囲内(実線の範囲内と重複している部分は除く)に存在していることになる。そして、一旦物体の存在を検出した場合には、LIDAR10は以後その物体を検出し続けることになる。
その後、ステップS21において、物体が画像処理器30による物体検出可能範囲から消失したと判定するまでは(否定判定)、ステップS20の処理をし続ける。これに対し、ステップS21において、物体が画像処理器30による物体検出可能範囲から消失したと判定したときは(肯定判定)、処理をステップS22へ進める。そして、ステップS22において、消失した物体がLIDAR10による物体検出可能範囲に移動したか否かの処理を行う。これは、上述したステップ12の処理(図5に示すフローチャートに示す処理)と同様なので、詳細な説明は省略する。
そして、ステップS23において、ステップS22の処理を経て、消失した物体がLIDAR10による物体検出可能範囲に移動したか否かを判定する。ここで、物体が画像処理器30による物体検出可能範囲からLIDAR10による物体検出可能範囲に移動していない(否定判定)ときは、このフローチャートを抜ける。この場合、制御部40は、検出していた物体を完全に見失ったことになる。
これに対し、物体が画像処理器30による物体検出可能範囲からLIDAR10による物体検出可能範囲に移動した(肯定判定)ときは、処理をステップS24に進める。そして、ステップS14において、画像処理器30が物体を見失ったときのその物体の直前のテンプレート情報から位置情報をLIDAR10に送信する。その後、ステップS25において、その位置情報を物体の位置の初期情報として、LIDAR10に物体検出処理を切り替える。
以上本実施形態では、LIDAR10による物体検出可能範囲と画像処理器30による物体検出可能範囲の境界付近にマスク1を設定する。そして、一方の物体検出処理によって検出し続けていた物体が消失した場合には、その物体の消失した位置がマスク1の範囲内か否か及びその物体の移動方向によって、他方の物体検出可能範囲に物体が移動したか否かを判定している。そして、他方の物体検出可能範囲に物体が移動したと判定した場合には、消失した物体の直前の位置情報をその他方の物体検出方式に送信する。これにより、検出可能範囲が異なる複数の物体検出処理を用いて物体を検出する場合において、物体がその異なる検出可能範囲間をまたがって移動したとしても同一物体として検出し続けることができる。その結果、広範囲にわたって物体を検出することができる。
また、物体が両物体検出方式の検出可能範囲をまたがって移動したと判定された場合には、またがう直前の物体に関する情報を初期情報とすることによって、本実施形態のように異なるセンシング方式を用いたとしても、物体の位置情報が大きく変化してしまうことなくその物体を検出し続けることができる。
また、他方の物体検出可能範囲に物体が移動したと判定した場合には、消失した物体の直前の位置情報をその他方の物体検出方式に送信することにより、その他方の物体検出処理方式は、初期情報としてわざわざ物体の検出を行うことなく、その物体の検出を続行することができる。その結果、広範囲かつ迅速に物体を検出することができる。
なお、本発明に係る物体検出装置は、上記実施形態に限定されるわけではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々変形してもよい。例えば、上記実施形態では異なるセンシング方式を用いた場合について説明したが、同一のセンシング方式を用いた場合にも適用してもよい。
また、上記実施形態では、車両前方の物体検出に本発明に係る物体検出装置を用いた場合について説明したが、車両の側方、後方の物体検出に適用したり、施設等の防犯システム(施設内の人間を検出し追従する)に適用してもよい。
また、上記実施形態では、両物体検出方式の物体検出可能範囲が重複する部分については、LIDAR10による物体検出処理を優先していたが、反対に画像処理器30による物体検出処理を優先させてもよい。その場合、物体が消失した場合に他方の物体検出可能範囲に移り変わったか否かを判定するためのマスクの位置を、図に示すように変える必要がある(以下、このマスクをマスク2という)。
また、上記マスク1とマスク2を用い、両物体検出方式の物体検出可能範囲が重複する部分に物体が移動してきた場合には、移動する前に物体を検出していた方式をそのまま用いて物体検出を続行するようにしてもよい(図7参照)。図7を例にとって説明すると、物体がAからBに移動した場合には、マスク1の範囲内にその物体が移動するまではLIDAR10によって物体の検出を行い、マスク1の範囲内に物体が移動した後は画像処理器30による物体検出処理に切り替える。これに対し、物体がCからDに移動した場合には、マスク2の範囲内にその物体が移動するまでは画像処理器30によって物体の検出を行い、マスク2の範囲内に物体が移動した後はLIDAR10による物体検出処理に切り替える。これにより、物体検出処理を切り替える回数を抑えることができるので、物体の検出精度を向上させることができる。
また、上記実施形態では、異なる物体検出方式に切り替えるときには、切り替える前の物体検出方式によって検出した物体の位置情報を初期情報として、切り替えた後の物体検出方式によって物体検出を続行していた。これによって、切り替えた後の物体検出方式による物体の位置の初期情報の検出を省略することができる。しかし、異なる物体検出方式では、物体の検出精度が大きく異なる場合もあり得る。そこで、物体の検出方式が切り替えられた場合には、最初に切り替えた後の物体検出方式でも物体の検出を行って、切り替える前の物体送信方式によって検出された初期情報と整合がとれているか確認をしてもよい。
また、切り替える前の物体送信方式によって検出された初期情報から徐々に切り替えた後の物体検出方式による物体の位置情報に変化させるようにしてもよい。具体的には、時間をパラメータとして各物体検出方式による物体に位置情報の重み付きの和を用いる。自車両の現在地を原点として、ある時点tにおける検出物体の位置(x、y)をObj(t)とする。また、ある時点tにおけるLIDAR10による検出物体の位置をLIDAR(t)、画像処理器30による検出物体の位置をIMG(t)とする。そして、物体がLIDAR10による検出可能範囲から画像処理器30による検出可能範囲に移動したとすると、以下に示す式のように徐々に物体の位置情報を変化させる。
(数1)
Obj(t)= 1.0×LIDAR(t
(数2)
Obj(t)=0.2×IMG(t)+0.8×LIDAR(t
(数3)
Obj(t)=0.4×IMG(t)+0.6×LIDAR(t
(数4)
Obj(t)=0.6×IMG(t)+0.4×LIDAR(t
(数5)
Obj(t)=0.8×IMG(t)+0.2×LIDAR(t
(数6)
Obj(t)=1.0×IMG(t
ここで、上記数1式中のLIDAR(t)は、LIDAR10が物体を見失う直前のその物体の位置を示しており、数2〜数5式中のLIDAR(t)〜LIDAR(t)は、LIDAR10によって検出した物体の状態(移動方向、速度)から求めた予測値、数2〜数6式中のIMG(t)〜IMG(t)は実測値である。すなわち、LIDAR10が時刻tで物体を失った場合、時刻tまでは重み付き和で求めた物体の位置情報を用い、時刻t以降は画像処理器30による物体検出に完全に移行することになる。
これによって、異なる物体検出方式に切り替える場合であっても、物体の位置情報の急激な変化を抑えることができる。なお、物体が画像処理器30による検出可能範囲からLIDAR10による検出可能範囲に移動した場合にも、上記と同様に考えればよい。
本実施形態の物体検出装置100の全体構成を示すブロック図である。 LIDAR10による物体検出と、画像処理器30による物体検出との間で物体検出を切り替えるときの方法を説明するための図である。 LIDAR10による物体検出から画像処理器30による物体検出に切り替えるときの処理を示すフローチャートである。 画像処理器30による物体検出からLIDAR10による物体検出に切り替えるときの処理を示すフローチャートである。 検出物体が消失した場合において、その物体が他の物体検出方式がカバーする検出範囲内に移動したか否かを判定する処理を示すフローチャートである。 LIDAR10がカバーする物体検出範囲と、画像処理器30がカバーする物体検出範囲との重複する部分については、画像処理器30によって物体検出を行うことを説明するための図である。 LIDAR10がカバーする物体検出範囲と、画像処理器30がカバーする物体検出範囲との重複する部分に物体が移動してきた場合には、それまで物体検出を行ってきた方式でその物体検出を続行することを説明するための図である。 特許文献1における物体検出方式を説明するための図である。
符号の説明
100 物体検出装置
1、2 マスク
10 LIDAR
20 カメラ
30 画像処理器
40 制御部

Claims (7)

  1. 第1の検出範囲内に存在する物体及びその移動状態を検出する第1の物体検出手段と、
    前記第1の検出範囲と物体検出範囲が一部重複する第2の検出範囲内に存在する物体及びその移動状態を検出する第2の物体検出手段と、
    前記第1の検出範囲の前記第2の検出範囲との境界付近に切り替え用マスクを設定しており、前記第1の物体検出手段が物体を見失った場合に、見失った直前の位置が前記切り替え用マスク内か否かを判定することで、前記物体が前記第2の検出範囲に移り変わったか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段が前記第2の検出範囲に物体が移り変わったと判定した場合に、前記第1の物体検出手段が物体を見失う直前の当該物体に関する情報を初期情報として、以後前記第1の物体検出手段が検出していた物体と同一物体として前記第2の物体検出手段により物体を検出させる物体検出制御手段とを備え、
    前記判定手段は、前記第1の検出範囲と前記第2の検出範囲との重複部分において、当該重複部分と前記第2の検出範囲との境界付近に設定された前記切り替え用マスクを第1切り替え用マスクとし、さらに、前記重複部分において、当該重複部分と前記第1の検出範囲との境界付近に第2切り替え用マスクを設定しており、前記第1の物体検出手段が物体を見失った場合に、見失った直前の位置が前記第1切り替え用マスク内か否かを判定することで、前記物体が前記第2の検出範囲に移り変わったか否かを判定し、前記第2の物体検出手段が物体を見失った場合に、見失った直前の位置が前記第2切り替え用マスク内か否かを判定することで、前記物体が前記第1の検出範囲に移り変わったか否かを判定し、
    前記物体検出制御手段は、前記判定手段が前記第2の検出範囲に物体が移り変わったと判定した場合に、前記第1の物体検出手段が物体を見失う直前の当該物体に関する情報を初期情報として、以後前記第1の物体検出手段が検出していた物体と同一物体として前記第2の物体検出手段により物体を検出させ、前記判定手段が前記第1の検出範囲に物体が移り変わったと判定した場合に、前記第2の物体検出手段が物体を見失う直前の当該物体に関する情報を初期情報として、以後前記第2の物体検出手段が検出していた物体と同一物体として前記第1の物体検出手段により物体を検出させることを特徴とする物体検出装置。
  2. 前記第1の物体検出手段は、所定の検出波を前記第1の検出範囲内を一定間隔おきにスキャンするように送出し、それら検出波の反射波に基づいて物体の存在及び移動状態を検出することを特徴とする請求項に記載の物体検出装置。
  3. 前記第2の物体検出手段は、周囲を撮像する撮像手段を備え、当該撮像手段によって撮像された画像情報に基づいて物体の存在及び移動状態を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の物体検出装置。
  4. 前記第2の物体検出手段は、前記画像情報中の画素値の変化を分析し、一定の大きさ以上の変化を示す画素が一定の範囲にわたって分布している場合に物体が存在すると判定することを特徴とする請求項に記載の物体検出装置。
  5. 前記第2の物体検出手段は、既に物体が存在すると判定されている画像上の領域をテンプレートとして登録し、現在の画像中において前記テンプレートの位置を探索することによって物体の移動状態を判定することを特徴とする請求項又はに記載の物体検出装置。
  6. 前記判定手段は、前記第1の物体検出手段が見失った直前の物体の移動方向を前記第1の物体検出手段によって算出し、当該物体の位置とともに前記移動方向に基づいて前記第2の検出範囲に移り変わったか否かを判定することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の物体検出装置。
  7. 前記物体検出制御手段は、前記判定手段が前記第2の物体検出手段の検出範囲に物体が移り変わったと判定した場合に、前記第1の物体検出手段が物体を見失う直前の当該物体の位置情報と、前記第2の物体検出手段による当該物体の位置情報との重み付きの和を用いて最終的に前記第2の物体検出手段による物体検出に変更することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の物体検出装置。
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