JP2011086139A - 車両の衝突を回避するための装置 - Google Patents

車両の衝突を回避するための装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011086139A
JP2011086139A JP2009238957A JP2009238957A JP2011086139A JP 2011086139 A JP2011086139 A JP 2011086139A JP 2009238957 A JP2009238957 A JP 2009238957A JP 2009238957 A JP2009238957 A JP 2009238957A JP 2011086139 A JP2011086139 A JP 2011086139A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
moving object
traveling
point
lateral acceleration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009238957A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Ishikawa
啓 石川
Tomoya Komizo
朋哉 小溝
Yoichi Sugimoto
洋一 杉本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2009238957A priority Critical patent/JP2011086139A/ja
Publication of JP2011086139A publication Critical patent/JP2011086139A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】自車両に接近してくる移動物体がカーブ路を走行している場合でも、該移動物体が自車両の進行経路に到達しうる場所をより的確に予測して、衝突回避制御をより的確に行う。
【解決手段】車両の周辺の物体を検出し、該車両の進行経路に向けて接近してくる移動物体を判定し、該移動物体の横加速度GTがカーブ路を走行する際に生成しうる最大値以下である場合に、該車両の進行経路上で該移動物体が最も近くに到達しえる到達地点を算出し、衝突回避制御を行う。一形態では、移動物体が直進したと仮定した場合に車両の進行経路上に到達する地点X0と車両の現在位置Pxとの間の各地点Xについて、該地点Xと、移動物体の現在位置との間に設定された仮のカーブ路63を該移動物体が走行した場合の横加速度GTを算出し、該各地点のうち、該横加速度が上記所定の最大値以下であって、該車両の現在位置から最小の距離となる地点を、到達地点として選択する。
【選択図】図2

Description

この発明は、車両の衝突を回避するための装置に関する。
車両が他の車両等の移動物体と衝突することを回避するための様々な装置が提案されている。下記の特許文献1には、撮影装置により撮影された画像のデータに基づいて、車両の近接物体の将来位置を予測すると共に、該車両の将来位置をも予測し、両予測位置に応じて、車両の物体に対する衝突を予測する。車両の実際の発進が検出され、該衝突が予測されている場合には、運転者に警告がなされたり、車両の発進が禁止される。
特開2001−354089号公報
自車両に接近してくる他の車両等の移動物体の将来の行動について予測するのは困難であるため、上記の技術にあるように、従来は、接近してくる移動物体が現在の進行方向および速度を維持するものとして、該移動物体の将来の行動を予測していた。しかしながら、移動物体がカーブ路を走行している場合に同様の手法を採用すると、該移動物体の進路を正確に予測することができないため、衝突回避のための制御を適切に行うことができないおそれがある。
ここで、一例として図6を参照すると、自車両Aの進行経路101にカーブ路103が交差している。他の車両Bは、カーブ路103を、自車両Aの進行経路101に向かって走行している。自車両Aの前部の右端部に搭載されたセンサ111により車両Bは検知され、この検知結果に基づいて、車両Bの現在の進行方向および速度が、矢印105に示されるようなベクトルとして算出される。センサ111の位置を原点として、車両Aの進行方向にX軸を設定する。車両Bが、ベクトル105で表される走行状態を維持した場合、すなわち車両Bがそのまま直進した場合の経路101に到達する場所が、X軸と、ベクトル105を伸長したライン107との交点X0として算出される。交点X0は、自車両Aから遠方にあるため、必要な衝突回避のための制御も何ら実施されないおそれがある。
しかしながら、実際には、車両Bはカーブ路103を走行しており、車両Bが経路101に到達する場所は、X軸と、カーブ路103を車両Bが走行したときの軌跡109との交点Xtである。交点Xtは自車両Aに近いため、必要な衝突回避のための制御が行われるべきである。
このように、車両Bについて現在検出された速度および進行方向に基づいて到達地点X0を予測しても、車両Bの走行路がカーブしている場合には、該予測した到達地点X0が実際の到達地点Xtと乖離している。そのため、的確な衝突回避のための制御を実施できないおそれがある。
上記の問題を解決するため、自車両周辺の道路情報をナビゲーション装置等から取得することが考えられる。道路情報を用いて、接近してくる他の車両等の移動物体の進路をある程度予測することができる。しかしながら、ナビゲーション装置の地図情報に登録されていない道路もあり、たとえば新規の道路や非幹線道路等については、道路情報を取得できないことが多い。その結果、移動物体が自車両の進行経路に到達する場所を予測することは困難となり、的確な衝突回避のための制御を実施することができない。
したがって、この発明は、自車両に接近してくる移動物体がカーブ路を走行している場合でも、該移動物体が自車両の進行経路に到達しうる場所をより的確に予測して、衝突回避のための制御をより的確に実施できるようにすることを目的とする。
この発明の一つの側面によると、車両に搭載され、衝突を回避するための装置は、前記車両の前部に配置され、該車両の周辺の物体を検出する物体検出手段と、前記検出された物体のうち、該車両の進行経路に向けて接近してくる移動物体を判定する手段と、該判定された移動物体の横加速度が、該移動物体がカーブ路を走行する際に生成しうる所定の最大値以下である場合に、該車両の進行経路上において該移動物体が該車両の最も近くに到達しえる到達地点を算出する到達地点算出手段と、前記到達地点に基づいて、前記車両の前記移動物体に対する衝突を回避するための制御を行う手段と、を備える。
この発明によれば、接近してくる移動物体の横加速度が、該移動物体がカーブ路を走行する際に生成しうる所定の最大値以下である場合に、自車両の進行経路上で移動物体が最も近くに到達しえる地点を算出するので、該移動物体が、想定されうる最もきついカーブ路を走行した場合の到達地点を算出することができる。したがって、到達地点が自車両の遠方に存在すると誤って予測されたがために衝突回避の制御を的確に実施することができないという問題を回避することができる。
この発明の一実施形態によると、前記接近してくる移動物体が直進したと仮定した場合に前記車両の進行経路上に到達する地点と、該車両の現在位置との間の各地点について、該地点と、該移動物体の現在位置との間に設定された仮のカーブ路を該移動物体が走行した場合の横加速度を算出し、該各地点のうち、該横加速度が前記所定の最大値以下であって、該車両の現在位置から最小の距離となる地点を、前記到達地点として選択する。
この発明によれば、実際には存在しえないカーブ路を移動物体が走行する状況を除外して、到達地点を予測するので、実際には存在しえないカーブ路をも含むことに起因して衝突回避のための制御が必要以上に行われるのを防止することができ、よって運転者のわずらわしさを軽減することができる。
本発明のその他の特徴及び利点については、以下の詳細な説明から明らかである。
この発明の一実施例に従う、衝突回避のための装置のブロック図。 この発明の一実施例に従う、到達地点を予測する手法を説明するための図。 この発明の一実施例に従う、到達地点を予測する際に、各地点に対応する横加速度をプロットしたグラフ。 この発明の一実施例に従う、衝突回避のための装置の動作を示すフローチャート。 この発明の他の実施例に従う、衝突回避のための装置の動作を示すフローチャート。 接近してくる車両がカーブ路を走行している状況で起こりうる、該車両の到達地点の予測誤差を説明するための図。
次に図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明の一実施形態に従う、車両に搭載され、該車両の衝突を回避するための装置10を示す。該装置10は、外界センサ11と、車両状態センサ12と、処理装置13と、報知装置15と、ブレーキアクチュエータ17とを備えている。
外界センサ11は、この実施形態では、車両の前部に設けられ、車両の周辺に存在する物体を検出する。好ましくは、外界センサ11は、車両の進行経路に接近してくる移動物体を検出するため、車両の前方の左および(または)右の所定領域を検知するように、車両の前部の左および(または)右端部(たとえば、フロントバンパの左および(または)右端部)、または前端中央部(広角レーザーレーダの場合)に設けられている。外界センサ11は、たとえばミリ波などの電磁波によるレーダ装置あるいは車両の周辺を撮像する撮像装置を備えるよう構成されることができる。
ここで、レーダ装置は、任意の既知の適切なレーダ装置で実現されることができる。レーダ装置は、たとえば、自車両の外界に設定された検出対象領域を、複数の角度領域に分割し、各角度領域を走査するよう電磁波の発信信号を発信する。各発信信号が、自車両の外部の物体(たとえば、他車両や構造物など)によって反射されることで生じた反射信号を受信し、レーダ装置から該物体までの距離および方位を示す信号を生成し、処理装置13に出力する。
また、撮像装置は、任意の既知の適切な撮像装置で実現されることができる。撮像装置は、1または複数のカメラにより撮像された画像を取得し、該画像データを処理装置13に出力する。
車両状態センサ12は、自車両の速度を検出するためのセンサを備えている。該センサ12は、任意の既知の適切な手段により実現されることができ、たとえば、自車両の駆動輪の回転速度(車輪速)を検出する車輪速センサや、自車両の速度を検出する車速センサや、車体に作用する加速度を検知する加速度センサにより実現されることができる。
処理装置13は、中央処理装置(CPU)およびメモリを備えるコンピュータである電子制御装置(ECU)に実現されることができる。図には、処理装置13によって実現される機能がブロックとして表されている。この実施形態では、処理装置13は、物体情報取得部31、自車両情報取得部33、接近移動物体判定部35、到達地点算出部37、減速度算出部39、および衝突回避制御部41を備える。
物体情報取得部31は、外界センサ11の出力信号を所定時間間隔で取得し、該出力信号に基づいて、車両周辺に存在する物体のそれぞれについて、該物体の位置、速度および進行方向を含む物体情報を取得する。外界センサ11がレーダ装置の場合には、レーダ装置から出力される信号に基づいて、該物体の位置を求めることができる。外界センサ11が撮像装置の場合には、該撮像装置から出力される画像データから、撮像されている物体を抽出し、該物体の該画像内における位置に基づいて、該物体の位置を求めることができる。該物体の位置を追跡することにより、該物体の速度および進行方向を求めることができる。たとえば、所定時間における該物体の位置の移動距離を該所定時間で除算することによって、物体の速度を求めることができる。
自車両情報取得部33は、車両状態センサ12の出力信号を、上記の所定時間間隔で取得し、該出力信号に基づいて、自車両の速度を含む自車両情報を取得する。
接近移動物体判定部35は、外界センサ11によって検出された物体のうち、自車両の進行経路に接近してくる移動物体を判定する。たとえば、上記のようにして求めた物体の速度と自車両の速度とに基づいて、移動している物体(移動物体と呼ぶ)を判別する。該判別した移動物体のうち、自車両の進行経路に向かっている物体を、該接近してくる移動物体と判定することができる。
到達地点算出部37は、接近してくると判定された移動物体の横加速度が所定の最大値以下である場合に、自車両の進行経路上において、該移動物体が自車両の最も近くに到達しえる地点X1を算出する。該所定の最大値は、該移動物体が、カーブ路を走行する際に生成しうる横加速度の最大値であるよう設定される。移動物体が車両の場合、一般的なカーブ路を走行するのに発生しうる横加速度の最大値は、予めシミュレーション等によって判明しており、この実施形態では、該所定の最大値は0.4Gに設定される。該所定の最大値は、想定されうる最もきついカーブの道路を車両が走行した場合に発生しうる最大の横加速度値を示す。到達地点X1の具体的な算出手法は、後述される。
減速度算出部39は、到達地点X1において移動物体と衝突を回避するのに必要な自車両の減速度Ga(負の値で表される加速度)を算出する。具体的には、自車両が到達地点X1に達する前に停止するのに必要な減速度Gaを算出する。
衝突回避制御部41は、減速度Gaの大きさに応じて、衝突回避のための制御を実施する。衝突回避のための制御には、任意の適切な制御を含めることができる。一実施形態では、衝突回避のための制御として、報知が行われる。報知は、報知装置15を介して行われる。
報知装置15は、任意の既知の適切な手法で実現されることができ、たとえば、触覚的伝達装置、視覚的伝達装置、聴覚的伝達装置のうち、任意の1つまたは複数の装置を用いて実現することができる。触覚的伝達装置は、たとえばシートベルト装置や操舵制御装置などであって、衝突回避制御部41から出力される制御信号に応じて、たとえばシートベルトに所定の張力を発生させて運転者が触覚的に知覚可能な締め付け力を作用させたり、ステアリングホイールに運転者が触覚的に知覚可能な振動を発生させることにより、運転者に報知する。
視覚的伝達装置は、たとえば表示装置などであって、衝突回避制御部41からの制御信号に応じて、所定の警報情報を表示したり、所定の警告灯を点滅ないし点灯させることによって、運転者に報知する。聴覚的伝達装置は、たとえばスピーカなどであって、衝突回避制御部41からの制御信号に応じて所定の警報音や音声を出力することによって、運転者に報知する。
他の実施形態では、衝突回避のための制御として、ブレーキアクチュエータ17に制御信号を送り、該ブレーキアクチュエータ17を介して車両のブレーキを作動させる。この場合、到達地点X1に達する前に車両が停止するように、必要な減速度Ga以上の減速度が生じるようブレーキを作動させることができる。
なお、上記の報知およびブレーキ制御のいずれか一方を実施してもよいし、両方を実施してもよい。
ここで、到達地点算出部37により実行される、到達地点X1の算出手法について説明する。図2には、自車両Aの前部の右端部に取り付けられた外界センサ11の位置を原点とし、自車両Aの進行方向にX軸をとり、それに垂直にY軸をとるようXY座標系が設定されている。外界センサ11は、自車両Aの前方右の所定の検知エリアに存在する物体を検知する。自車両Aの進行経路(X軸に沿った経路)と交差する経路(図示せず)上には、他の車両Bが存在しており、車両Bは、自車両の進行経路に向かって、左前方に移動している。
この例では、車両Bが、自車両Aに搭載された外界センサ11によって検知され、物体情報取得部31によって、その位置、速度および進行方向が取得され、接近移動物体判定部35によって自車両Aに接近してくると判定された移動物体である。車両Bの進行方向と速度VTは、図にはベクトル51によって表されている。また、車両Bには横加速度GTが発生しており、これはベクトル53によって表されている。
自車両Aの外界センサ11により、車両Bの現在の速度およびその進行方向を取得することができるが、車両Bの走行している道路が、どのようなカーブ形状で自車両Aの進行経路に接続しているかは、自車両Aの処理装置13には不明である。そのため、想定されうる車両Bの走行経路を算出する。
具体的には、車両Bが、現在の進行方向に現在の速度VTで直進走行すると仮定した場合に、該直進走行路が自車両の進行経路に交差する交点X0を算出する。これは、図に示すように、車両Bの現在位置(この実施形態では、車両Bの前部中央の位置で表す)から速度VTのベクトル51を伸長したライン61を算出し、該ライン61がX軸と交差する点を算出することにより求められることができる。
車両Aの現在位置を、外界センサ11の位置で表すと、車両Aの現在位置のX座標Pxはゼロである。車両Bの走行経路は、車両Aの現在位置Px(=0)と、交点X0との間で、車両Aの進行経路に到達すると考えることができる。そこで、PxとX0の間の各地点Xについて、該地点Xと、車両Bの現在位置との間に、仮のカーブ路63を設定する。
ここで、カーブ路63を求めるため、カーブ路63を円弧と考える。車両Bの現在位置から速度ベクトル51に垂直に伸長する線71と、車両Bの現在位置と該地点Xとを結ぶ線(弦となる)の垂直二等分線(図示せず)との交点が、該円の中心Cとして算出される。中心Cと車両Bの現在位置との間の距離が、該円の半径Rとして算出される。車両Bが、カーブ路63を走行した場合の横加速度GTを、車両Bの速度VTと半径Rに基づいて、GT=V/Rにより算出することができる。
地点X、中心Cおよび車両Bの現在位置によって、半径Rおよび中心角θの扇形が定まるので、カーブ路63の長さ(距離)を算出することができる。該カーブ路63の長さと車両Bの速度VTに基づいて、該車両Bが地点Xに到達するまでの時間t2を算出する。他方、自車両Aから地点Xまでの距離(X座標値により表される)と、自車両の速度Vに基づいて、該自車両Aが地点Xに到達するまでの時間t1を算出する。時間t1と時間t2の差の大きさが所定時間以内ならば、自車両Aと車両Bがほぼ同時に地点Xに到達する可能性があるため、衝突可能性があると判定し、地点Xとそれに対応する横加速度GTの値を、有効な値として処理装置13の記憶装置(メモリ等)に保持する。
この演算を、PxとX0の間の各地点Xについて繰り返し行う。図3には、車両Bが自車両の右方向30メートルの位置を、左前方45度の方向に、時速40キロメートルで走行している場合の、上記有効な値として求められた結果がプロットされ、これらのプロットを接続する線81が結果として得られている。横軸は、各地点Xの、自車両A(より正確には、外界センサ11の位置)からの進行経路上の距離(m)を示し、これは、X値で表される。縦軸は、車両Bの横加速度GT(G)を示している。横加速度GTの値が大きいほど、カーブのきつい経路を走行していることを表す。
結果として得られた線81を参照し、横加速度GTが所定の最大値以下であるときの、最小のXを選択し、これを、求めるべき到達地点X1とする。前述したように、該所定の最大値は、移動物体(この実施形態では、車両)がカーブ路を走行した場合に発生しうる最大の横加速度値として予め設定された値であり、この例では0.4Gである。0.4Gの横加速度GTに対応するXは、8.0mである。横加速度GTが、0.4Gから低くなるにつれて、X値は大きくなる。すなわち、横加速度GTが小さくなるにつれて、車両の旋回半径が大きくなるため、自車両Aから遠い地点に到達することとなる。なお、0.4より大きい横加速度GTは、通常のカーブ路の走行ではほぼ発生しない横加速度と考えてよく、よって、0.4より大きい横加速度GTで走行した場合の到達地点は考慮されない。
こうして、横加速度GTが所定の最大値以下である場合に、車両Bが最も自車両Aの近くに到達しうる地点X1は、この例では自車両Aから8メートルの所であり、この地点において、自車両Aと車両Bの衝突の可能性がある。したがって、該到達地点X1に達する前に自車両Aが停止すれば、衝突するおそれはない。前述した減速度算出部39は、こうして算出された到達地点X1に達する前に停止するのに必要な減速度Gaを算出することとなる。たとえば、自車両Aの速度が時速25キロメートルである場合、到達点X1までの距離が8メートルであるから、該8メートルで車両が停止するのに必要な減速度Gaは、Ga=V/(2・X1)の式より、約0.31Gである。
このように、接近してくる車両Bが、想定されうる最もきついカーブで走行してきた場合に、自車両Aの進行経路に到達する地点X1を算出することにより、車両Bが、実際に、想定されうる最もきついカーブで走行してきた場合でも、衝突の起こりうる地点を予測することができる。したがって、前述したように、衝突の起こりうる地点として予測した場所が自車両Aから遠すぎたために衝突回避に遅れが生じる、という問題を回避することができる。
また、上記のような到達地点の算出手法によると、図2に示すように、自車両Aの位置Pxと、車両Bが直進走行したと仮定した場合の到達地点X0との間の各地点について、仮定のカーブ路を設定すると共に、各カーブ路について算出された横加速度GTが所定の最大値より大きい場合の地点Xは、到達地点X1の候補となりえない。したがって、実際に存在しうるカーブ路以外のものを除去することができるので、衝突回避のための制御が必要以上に発動されるのを防止することができる。
図4は、この発明の一実施形態に従う、衝突回避のための装置10の動作のフローチャートである。このプロセスは、所定の時間間隔で実行される。また、到達地点X1の算出手法は、図2を参照して説明した手法を採用している。
ステップS11において、外界センサ11を介して、車両周辺の物体を検出し、該物体の情報(位置、速度、進行方向を含む)を取得すると共に、車両状態センサ12を介して、自車両の情報(速度を含む)を取得し、これらの情報に基づいて、前述したように、自車両の進行経路に接近してくる移動物体を判定する。この実施例では、移動物体が他の車両である場合を説明し、該他の車両を、接近車両と呼ぶ。図2の例では、車両Bが接近車両に該当する。
ステップS12において、前述したように、接近車両が、現在の進行方向に現在の速度で直進すると仮定したときの、該直進経路と、自車両の進行経路との交点X0を算出する。
ステップS13〜S21は、図2を参照して説明したように、自車両の現在位置Px(=0)と交点X0との間の各地点Xについてカーブ路63を設定し、対応する接近車両の横加速度GTを算出するための処理である。
ステップS13において、X値に、初期値であるゼロを設定する。ステップS14において、前述したように、接近車両が自車両の進行経路にX点で交差すると仮定して、該X点と接近車両の現在位置とを接続するカーブ路63を求め、該カーブ路63の半径Rを算出する。
ステップS15において、半径Rおよび接近車両の速度VTに基づいて、接近車両の横加速度GTを算出する。ステップS16において、カーブ路63の長さ(距離)および接近車両の速度VTに基づいて、接近車両がX点に到達するまでの時間すなわち到達時間t2を算出する。ステップS17について、自車両の速度VおよびX点までの距離に基づいて、自車両がX点に到達するまでの時間すなわち到達時間t1を算出する。
ステップS18において、到達時間t2とt1の差の大きさが所定時間内かどうかを判断する。所定時間内ならば、自車両と接近車両が所定時間(たとえば、数秒)内にX点に到達することを示すので、衝突の可能性があると判定し、ステップS19において、今回の計算を有効なものとして、現在のX値と、対応する横加速度GTを、メモリ等の記憶装置に保存する。所定時間内でなければ、衝突の可能性がないと判断し、ステップS20に進む。このように、ステップS16〜S19の処理において、自車両と接近車両の到達時間を比較することにより、衝突の可能性が所定時間内にあるかどうかを、より的確に見極めることができる。
ステップS20において、現在のX値が、X0以上かどうかを判断する。この判断がNoであれば、ステップS21で、X値を所定値α(たとえば、1メートル)だけインクリメントし、ステップS14からの処理を再び繰り返す。こうして、Px(X=0)からX0の間の所定間隔の各地点Xで仮のカーブ路が設定されて接近車両の横加速度GTが算出されると共に、到達時間に基づく衝突可能性が判定される。
ステップS20の判断がYesになったならば、ステップS22に進み、ステップS19で保存された結果(たとえば、図3のような線81)に基づいて、横加速度GTが所定の最大値GTt以下であるときの最小のX値を求める。前述したように、所定の最大値GTtは、一般的なカーブ路を車両が走行した場合に発生しうるとして予め設定された横加速度の最大値(この例では、0.4G)である。図4の例では、最小のX値は、横加速度GTが該所定の最大値GTtである場合のX値(8メートル)として求められている。こうして求めたXを、到達地点X1とする。
ステップS23において、到達地点X1で衝突を回避するのに必要な自車両の減速度Gaを算出する。これは、到達地点X1までの距離(すなわち、値X1)および自車両の速度Vに基づいて、前述したように算出されることができる。
ステップS24において、算出した減速度Gaが、所定値Gth_system以上かどうかを判断する。この判断がYesならば、ステップS25において、衝突回避のための制御を開始する。この判断がNoであれば、到達地点X1までに停止するのに必要な減速度が小さいため、衝突回避の制御を行うことなく、このプロセスを抜ける。
所定値Gth_systemは、ステップS25で実施される制御の種類に応じて設定されるのが好ましい。この実施形態では、衝突回避の制御が、報知装置15を介した運転者に対する報知(警報)である場合には、Gth_systemを、たとえば0.3Gに設定し、ブレーキアクチュエータ17を介した強制的なブレーキ制御である場合には、たとえば0.6Gに設定する。必要な減速度Gaが大きいほど、より強い制動力を発生させる必要があるため、報知に比べてブレーキ制御のための所定値Gth_systemを、より大きな値に設定している。なお、ステップS25で、報知およびブレーキ制御の両方を実施してもよく、この場合、ステップS24で、たとえばGaが0.3以上であって0.6未満であれば、ステップS25で報知を発動し、Gaが0.6以上であれば、ステップS25でブレーキ制御を発動するようにしてもよい。
図5は、この発明の他の実施形態に従う、衝突を回避するための装置の動作のフローチャートである。このプロセスは、所定の時間間隔で実行される。到達地点X1は、図2を参照して説明した手法とは異なる代替手法を採用して算出される。
該プロセスを説明する前に、簡単に図2を再び参照すると、前述した手法では、自車両から交点X0の間の各地点Xに応じて設定したカーブ路毎に接近車両Bの横加速度GTを算出し、横加速度GTが所定の最大値GTt以下となる最小のX値を求めた。当該代替手法では、直接、接近車両Bが、所定の最大値GTtの横加速度で走行した場合に自車両Aの進行経路に到達する地点を算出し、これを、到達地点X1とする。
図5に戻り、当該代替手法を採用したプロセスを説明すると、ステップS31は、ステップS11と同様である。ステップS32において、横加速度の所定の最大値GTtと、接近車両の速度VTに基づいて、接近車両が速度VTかつ横加速度GTtで走行した場合の軌跡すなわちカーブ路の半径Rを、R=V/GTtにより算出する。
ステップS33において、半径Rに基づいて、到達地点X1を算出する。図2の例では、接近車両の現在位置から、速度ベクトル51に垂直な方向にRだけ離れた所が、半径Rの円の中心Cとなるので、該円の円周のX軸との交点を求めることにより、到達地点X1を算出することができる。
図5では、図4のステップS16〜S18に相当する処理を省略しているが、該処理を含めてもよい。その場合、ステップS33の後に、到達地点X1に自車両が到達する時間t1と接近車両が到達する時間t2を算出し、到達時間t1およびt2の差の大きさが所定時間内であれば、衝突の可能性があると判定して、ステップS34に進み、該差の大きさが所定時間内になければ、当該プロセスを抜ける。こうすることにより、到達時間の観点からの衝突可能性を判断することができる。
ステップS34〜S36は、図4のステップS23〜S25と同じであるので、説明を省略する。
図4に示される到達地点算出手法では、自車両の位置Pxから交点X0の間の各地点に対応するカーブ路を仮想的に設定し、該カーブ路を走行した場合の横加速度GTを算出しているので、実際に存在しうるカーブ路のそれぞれについて、横加速度GTを算出することができる。カーブ路の形状によっては、所定値GTtに満たない横加速度GTしか得られないこともあるが、このような場合でも、到達地点X1を算出することができる。図5に示す代替の到達地点算出手法では、図4のプロセスに比べてステップ数が少なく、計算負荷を軽減することができる。しかしながら、接近車両について起こりうる横加速度GTを算出することなく、該接近車両の横加速度が所定の最大値GTtである場合の到達地点X1を直接求めるので、該最大値GTtに満たない横加速度GTで走行するようなカーブ路しか実際には存在しえないような状況では、たとえば自車両の後方に位置する到達地点X1が算出されるおそれもある。したがって、たとえば通常時には計算負荷を軽減するために図5のプロセスを使用して到達地点X1を算出し、こうして算出された到達地点X1の値が自車両の前方を示さない場合(図2の例では、X1が正値でない場合)に、図4のプロセスを使用して到達地点X1を算出するようにしてもよい。
なお、上で述べた実施形態では、図2に示すように、自車両の進行経路に、カーブ路が交差している場合について述べた。自車両の進行経路に、カーブしていない直進経路が垂直方向に交差している場合には、接近車両Bが直進走行したと仮定した場合の交点X0と、自車両Aの現在位置Px(X=0)との間の各地点Xについてカーブ路を想定するのは好ましくない。したがって、このような状況は除外し、図2に示すようなカーブ路が交差している状況を見極める処理を実行してもよい。
たとえば、図4のステップS11や図5のステップS31で、接近車両と判定された車両の進行方向と、自車両の進行方向とを比較し、図2に示すように、接近車両Bの進行方向が、自車両の進行方向に垂直な方向に対して所定角度範囲内で傾いているときに(図2では、たとえば、速度ベクトル51のY軸に対する角度が、たとえば所定値(>0)以上かつ90度以下である場合)、後続の処理を実行するようにしてもよい。
または、接近車両Bの速度ベクトル51を、所定時間にわたり、複数回測定する。測定の結果、速度ベクトル51の方向についての時間変化が、一定量以上であるかどうかを判定する。一定量以上である場合のみ、接近車両Bがカーブ路を走行中であると判定して、後続の処理(図4、図5)を実行し、逆に、該一定量以下であれば、接近車両Bが直進路を走行中であると判定して、該後続の処理を実行しないようにすることもできる。
また、上の実施形態では、外界センサ11が、車両の右前方を検知する形態を例に説明したが、車両の左前方を検知する形態にも、本発明は同様に適用されうる。また、上記の実施形態では、移動物体として他の車両を示しているが、移動物体は、車両に限定されるものではなく、たとえば自転車等の他の移動物体に対しても、本発明は適用されうる。
以上のように、この発明の特定の実施形態について説明したが、本願発明は、これら実施形態に限定されるものではない。
10 衝突回避装置
11 外界センサ
12 車両状態センサ
13 処理装置
15 報知装置
17 ブレーキアクチュエータ

Claims (2)

  1. 車両に搭載され、衝突を回避するための装置であって、
    前記車両の前部に配置され、該車両の周辺の物体を検出する物体検出手段と、
    前記検出された物体のうち、該車両の進行経路に向けて接近してくる移動物体を判定する手段と、
    該判定された移動物体の横加速度が、該移動物体がカーブ路を走行する際に生成しうる所定の最大値以下である場合に、該車両の進行経路上において該移動物体が該車両の最も近くに到達しえる到達地点を算出する到達地点算出手段と、
    前記到達地点に基づいて、前記車両の前記移動物体に対する衝突を回避するための制御を行う手段と、
    を備える、衝突回避装置。
  2. 前記到達地点算出手段は、前記接近してくる移動物体が直進したと仮定した場合に前記車両の進行経路上に到達する地点と、該自車両の現在位置との間の各地点について、該地点と、該移動物体の現在位置との間に設定された仮のカーブ路を該移動物体が走行した場合の横加速度を算出し、該各地点のうち、該横加速度が前記所定の最大値以下であって、該車両の現在位置から最小の距離となる地点を、前記到達地点として選択する、
    請求項1に記載の衝突回避装置。
JP2009238957A 2009-10-16 2009-10-16 車両の衝突を回避するための装置 Pending JP2011086139A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009238957A JP2011086139A (ja) 2009-10-16 2009-10-16 車両の衝突を回避するための装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009238957A JP2011086139A (ja) 2009-10-16 2009-10-16 車両の衝突を回避するための装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011086139A true JP2011086139A (ja) 2011-04-28

Family

ID=44079035

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009238957A Pending JP2011086139A (ja) 2009-10-16 2009-10-16 車両の衝突を回避するための装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011086139A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012137452A1 (en) 2011-04-08 2012-10-11 Canon Kabushiki Kaisha Optical element and multilayer diffractive optical element
CN107408342A (zh) * 2015-03-13 2017-11-28 Jvc 建伍株式会社 车辆监控装置、车辆监控方法以及车辆监控程序
US9827985B2 (en) 2014-11-21 2017-11-28 Hyundai Motor Company System and method for autonomous navigation of vehicle
CN107499272A (zh) * 2016-06-14 2017-12-22 罗伯特·博世有限公司 用于控制车辆的人员保护装置的方法和控制器
JP2020521237A (ja) * 2017-06-09 2020-07-16 ヴィオニア スウェーデン エービー 対向車を検出するための車両システム

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012137452A1 (en) 2011-04-08 2012-10-11 Canon Kabushiki Kaisha Optical element and multilayer diffractive optical element
US9827985B2 (en) 2014-11-21 2017-11-28 Hyundai Motor Company System and method for autonomous navigation of vehicle
CN107408342A (zh) * 2015-03-13 2017-11-28 Jvc 建伍株式会社 车辆监控装置、车辆监控方法以及车辆监控程序
CN107499272A (zh) * 2016-06-14 2017-12-22 罗伯特·博世有限公司 用于控制车辆的人员保护装置的方法和控制器
JP2020521237A (ja) * 2017-06-09 2020-07-16 ヴィオニア スウェーデン エービー 対向車を検出するための車両システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9463796B2 (en) Driving assistance apparatus
JP5641146B2 (ja) 運転支援装置及び運転支援方法
US20150353078A1 (en) Driving assistance apparatus
JP5505427B2 (ja) 衝突位置予測装置
JP5316549B2 (ja) 物体認識装置および物体認識方法
JP4814928B2 (ja) 車両用衝突回避装置
JP5278776B2 (ja) 物体検出装置および物体検出方法
JP6451857B2 (ja) 走行制御装置の制御方法および走行制御装置
KR101470155B1 (ko) 충돌 경고 방법 및 장치
JP4442520B2 (ja) 車両用進路推定装置
JP2008195293A (ja) 衝突予測装置
JP2017120473A (ja) 運転支援装置
JP2011086139A (ja) 車両の衝突を回避するための装置
WO2018110283A1 (ja) 運転支援装置
JP2015058842A (ja) 接触回避制御装置および接触回避制御方法
JP2009186277A (ja) 物体検知装置
JP2008190904A (ja) 移動速度推定装置
JP2012234373A (ja) 運転支援装置
JP2014112348A (ja) 動作解析装置、動作解析システム、および動作解析方法
JP2011118723A (ja) 車両の衝突を回避するための装置
JP2004295620A (ja) 車両衝突可能性検出装置
JP2011018166A (ja) 車両の走行安全装置
JP4976998B2 (ja) 車両の走行安全装置
JP5259542B2 (ja) 車両の走行安全装置
JP2007200074A (ja) 周辺物体追尾装置及び周辺物体位置予測方法