JP4561070B2 - ロックアップ機構付き流体伝達装置 - Google Patents

ロックアップ機構付き流体伝達装置 Download PDF

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    • F16H2045/0273Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type characterised by the type of the friction surface of the lock-up clutch
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Description

本発明は、ロックアップ機構付き流体伝達装置、つまり、ロックアップ機構を備えたトルクコンバータにおいて、ロックアップ機構における動作の改善を図る技術に属す。
従来、ロックアップ機構付きの流体伝達装置を、例えば、自動車などにおいてエンジン出力の変速機として利用することは知られている。これにより、自動車の場合であれば、エンジン回転数が低い低速から高速への加速時等では、作動流体により動力伝達を行う流体伝達状態にして、入力軸から入力されたエンジンの動力を流体伝達により車輪側に接続された出力軸に伝達して動力増幅を図る一方、エンジン回転数が略同一となる定常運転時や入力軸の方が出力軸よりも回転数が低いエンジンブレーキ中などの逆駆動時では、入力と出力とを直結にしたロックアップ締結状態にして、流体伝達装置の入力軸と出力軸とを流体を介さず、直接的に接続させて燃費向上を図ることが行われている。
また、このようなロックアップ機構を動作させるために、入力軸と直結されたフロントカバーとタービライナーの外殻であり出力軸と直結されたタービンシェルとの間に、この間で変位可能なプレート状のロックアップピストンを設けている。具体的には、フロントカバーとロックアップピストンとにより区画される前室内の作動流体を排出させ、前室の流体圧力を低下させることでロックアップピストンをフロントカバー側に変位させ、これによりロックアップピストン外周部とフロントカバー外周部とを直結状態として、入力軸と出力軸とを直結させている。
このようなロックアップ機能付きの流体伝達装置において、下記特許文献1には、流体伝達状態からロックアップ締結状態へ移行させる場合における応答性の改善を図るため、タービンライナーの外殻であるタービンシェルに貫通穴を設けるととともに、こうした貫通穴を、コースト時、つまりエンジン回転数がタービンライナーの回転よりも低い逆駆動時では開ける技術について開示されている。
具体的には、特許文献1によれば、トルクコンバータにおいて、フロントカバー(特許文献1の、コンバータカバーに相当)とロックアップピストンとにより区画される前室(特許文献1のロックアップ制御室に相当)の流体の圧力である流体圧と、ロックアップピストンとタービンシェル(特許文献1のタービンライナーに相当)とにより区画される後室(特許文献1のコンバータ室に相当)において、コースト時に相当する逆駆動時では、タービンライナーの回転数がエンジン側回転数よりも大きくなる。この場合、前室と後室とにおける作動流体帯の流体圧の関係においては、ロックアップ締結状態前では、ロックアップピストンの外周側の流体圧は、前室と後室とが連通状態となるので同圧となる(図4において、圧力FPOと圧力RPOとは略等しい点を参照)。これに対し、ロックアップピストンの内周側の流体圧は、各室内の作動油圧に作用する遠心力の違いから同圧にはならず、上述のようにタービンライナーの回転数の方が高いため、ロックアップピストンからフロントカバー側への作用力の方が、ロックアップピストンからタービンシェル側への作用力よりも大きくなる(図4において、圧力FPICと圧力RPIとは略等しい点を参照)。これにより、逆駆動時ではロックアップの応答性が悪化し、ロックアップピストンが正常に作動し難いといった問題があることが記載されている。
このような問題に対し、特許文献1では、タービンシェルに形成した貫通穴を、逆駆動時のおいて、タービンライナーと後室とを連通可能に開成させることで、タービンライナー内の高い圧力の作動流体を後室内に導入させて、ロックアップピストンからタービンシェル側への作用力を増大させて、ロックアップの応答性を向上することが記載されている。
特開平8−105537号公報
ところで、上述の特許文献1に記載された技術では、タービンライナ内の作動流体を、貫通穴を介して後室に導入する構造であるため、常に貫通穴を開口状態にすると、流体伝達状態において、動力増幅に必要なタービンライナー内の作動流体が減少することになり、動力伝達の効率を悪化させてしまう。
これに対し、特許文献1において他に記載された技術では、流体伝達状態を含む、エンジン回転数がタービンライナーの回転数より高い状態には、貫通穴を閉弁するような弁動作機構を設けることで、こうした問題を解消しているが、このような弁動作機構を設けると、機構自体が複雑となるばかりでなく、流体伝達装置が大掛かりなものになってしまうといった問題がある。
本発明は、以上のような課題に勘案してなされたもので、その目的は、ロックアップ機構付き流体伝達装置において、フロントカバーとロックアップピストンとによる区画される前室内の流体の流れ、あるいはロックアップピストンとタービンシェルとにより区画される後室内の流体の流れについて鋭意検討した結果に基づき、これらの流体を制御することで、簡単な構成により、逆駆動時におけるロックアップ締結動作を確実に実行させることにある。
このような目的を達成するために、本発明の請求項1記載の発明においては、回転入力部に結合されたフロントカバーと、該フロントカバーに結合されたポンプインペラと、回転出力部に結合され該ポンプインペラと対面配置されるとともに、該ポンプインペラとの間で流体伝達を行うタービンランナーと、該タービンランナーの外殻を形成するタービンシェルと、上記フロントカバーと該タービンシェルとの間に設けられ、該フロントカバーと該タービンシェルとの間を変位可能なプレート状のロックアップピストンと、を有していて、該フロントカバーと該ロックアップピストンとにより区画される前室の作動流体の圧力と、該タービンシェルと該ロックアップピストンとにより区画される後室の作動流体の圧力との圧力差を調整することによって、該ロックアップピストンと該フロントカバーとを接続して上記回転入力部と上記回転出力部とを直結させるロックアップ締結状態と、該ロックアップピストンと該フロントカバーとを非接続にして該ポンプインペラと該タービンライナーとによる流体伝達状態とを切換可能とするロックアップ機構を備えたロックアップ機構付き流体伝達装置において、上記ロックアップピストンの内周部に連結されて該ロックアップピストンを上記変位方向に摺動可能に支持すると共に、上記回転出力部に連結される基部と、上記フロントカバーと上記ロックアップピストンとの間に配置され、上記基部に連結されるプレートと、を備え、上記プレートは、上記ロックアップピストンの上記フロントカバー側の表面の少なくとも内周側に対面するように、上記基部から外周側に向かって延設されており、上記プレートの上記フロントカバー側の面には、該フロントカバー側に突出する凸部が形成され、上記凸部における上記プレートの回転方向側面は、上記フロントカバー側から見たときに、径方向の内周側から外周側に向かって該回転方向側に傾斜するように形成されていることを特徴とする。
上述のように、逆駆動時に移行直後、ロックアップ締結前の状態においては、ロックアップピストンの外周側の流体圧は、フロントカバーとロックアップピストンとによる区画される前室と、ロックアップピストンとタービンシェルとにより区画される後室とが連通状態となるので同圧となるが、ロックアップピストンの内周側の流体圧は、各室内の作動油圧に作用する遠心力の違いから同圧にはならい。
具体的には、前室側における内周側の流体圧力の方が、後室側における内周側の流体圧力よりも大きくなっており、これが従来の一般的な流体伝達装置におけるロックアップ締結動作を阻害している。
これに対し、本願発明者らは、更に、このロックアップピストンの内周側における、前室内の作動流体の流れと、後室内の作動流体の流れについて着目した。その結果、逆駆動時においては、前室の作動流体に関し、フロントカバーの回転の方がロックアップピストンの回転よりも遅いことに起因して、ロックアップピストンの表面の作動流体は、回転するロックアップピストン上から見ると、先ずは内周側から外周側に向かって且つ径方向に対してロックアップピストンが回転する方向とは逆方向に傾斜して流れた後、フロントカバーの表面に移動して、外周側から内周側に向かって且つ径方向に対してロックアップピストンが回転する方向に傾斜して流れ、その後、ロックアップピストンの表面に移動するように、循環していることを見出した。
一方で、後室の作動流体に関しては、ロックアップピストンとタービンシェルとの回転は同じであるため、後室の作動流体はこれらの回転に引き連れるよう流れるのみで、このようなロックアップピストンの回転方向への回転を妨げる方向の作動流体の流れはないことを見出した。
つまり、従来のロックアップ機構付き流体伝達装置においては、ロックアップピストンの前室側表面の流体は、ロックアップピストンの回転に連れられて同方向に回転するとともに、この時、回転するロックアップピストン上から見れば、相対的にロックアップピストンが回転する方向とは逆方向に流れる成分を持っていることになる。したがって、その分、このような逆方向の流れを有さないロックアップピストンの後室側表面の流体よりも、流体の回転速度は絶対的において遅くなっている。
これにより、ロックアップピストンの前室側表面の作動流体に作用する遠心力は、この後室側表面の作動流体に作用する遠心力よりも小さくなるため、内周側においては、前室側の流体圧力の方が、後室側の流体圧力よりも大きくなる。従って、従来構造では、前室側の作動流体を排出させても、ロックアップ締結動作を確実に行うことができなかったと考えられる
これに対し、請求項1記載の本発明によれば、フロントカバーの回転よりも速く回転するプレートを、フロントカバーとロックアップピストンの間で、ロックアップピストンの少なくとも内周側に対面するよう設けた。これにより、プレートとロックアップピストンとにより区画された部分内の作動流体には、従来構造において、前室に現れていたようなロックアップピストンの回転とは逆方向に流れる作動流体の成分に対して、同等以上の大きさを持つ作動流体の流れ成分は発生しない。
従って、ロックアップピストンの内周側の前室側表面における作動流体の回転速度を高めることができ、作動流体に作用する遠心力を高めることができるので、ロックアップピストンの内周側における前室側、つまりプレート側の表面の作動流体の流体圧力を低下させることが可能となる。よって、後室側表面の作動流体の流体圧力との差を低減させることで、ロックアップ締結状態の確実な実行が可能となる。
ところで、ロックアップピストンとプレートとにより区画される部分内の作動流体には、従来構造において、前室に現れていたようなロックアップピストンの回転とは逆方向に流れる作動流体の成分に対して同等か、それ以上の大きさを持つ作動流体の流れ成分は発生しない。
また、フロントカバーとプレートとにより区画される部分内の作動流体には、従来構造の前室に現れていたようなロックアップピストンの回転とは逆方向に流れる作動流体の成分を含む流れが発生する。
一方、プレートは、ロックアップピストンの内周部が支持される基部から外周側に延設されているため、このような構成では、フロントカバーとプレートとにより区画される部分と、ロックアップピストンとプレートとにより区画される部分とは、それぞれの外周側において連通状態となっている。
従って、この連通部分を介して、フロントカバーとプレートとにより区画される部分内においてロックアップピストンの回転とは逆方向に流れる作動流体の成分を含む流れの一部が、プレートとロックアップピストンとにより区画される部分内に入り込み、プレートとロックアップピストンとにより区画される部分内の流体の流れを乱し、この部分内の作動流体の回転速度を変化させる可能性がある。
そこで、発明によれば、プレートのフロントカバー側に、内周側から外周側に向かう凸部を延設した。これにより、フロントカバーとプレートとにより区画される部分内のロックアップピストンの回転方向、つまりプレートの回転方向とは逆の方向に流れる成分を含む作動流体の流れを抑制することができる。従って、プレートとロックアップピストンとにより区画される部分内の流体の流れが乱れることを抑制して、この部分内の作動流体における回転速度の変化を低減できる。
以上のように、本発明に係る発明においては、ロックアップ機構付き流体伝達装置において、ロックアップピストンの前室側表面における作動流体の流れ、あるいはロックアップピストンの後室側表面における作動流体の流れを調整することにより、簡単な構成によって、確実に逆駆動時におけるロックアップ締結動作を実行できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態にかかる自動車に搭載されるロックアップ機能付き流体伝達装置の概略断面図であり、特に、中心軸Mを挟んで一方側の断面を図示したものである。
図1によると、流体伝達装置としてのトルクコンバータ1は、円盤状で、図示しないエンジン側に位置するフロントカバー2と、フロントカバー2を覆うように、図示しない変速機側位置で、フロントカバー2に固定されるポンプインペラ3と、ポンプインペラ3に対面しフロントカバー2側に位置するタービンライナー4から構成されている。フロントカバー2には、エンジンの出力軸と接続されるボルト5が形成されて、ポンプインペラ3と同様に出力軸6を中心としてエンジン出力軸と同回転で回転可能であるとともに、タービンライナー4は、その内周側において、基部7を介して出力軸6に固定されている。
ポンプインペラ3内部とタービンライナー4内部には、それぞれ図示しないポンプブレードとタービンブレードとが形成されており、これによりポンプインペラ3内の作動流体である作動油をタービンライナー4内に供給させることで、ポンプインペラ3の回転駆動力をタービンライナー4に流体伝達させ、エンジンから入力されたトルクの増幅を行うことが可能となる。また、このトルク増幅をより高めるために、ポンプインペラ3とタービンライナー4との出力軸側の間に、ステータ8を設けており、ステータ8はワンウェイクラッチ9を介して図示しない変速機ハウジングに支持される。これによりタービンライナー4に供給された作動油を再度、ポンプインペラ3に供給することで、トルク増幅が可能となる。
タービンライナー4のフロントカバー側を覆うタービンシェル4aとフロントカバー2との間には、プレート状のロックアップピストン10が設置されており、ロックアップピストン10の内周側は、基部7に対して出力軸6方向に摺動可能に支持される一方、ロックアップピストン10の外周側には、フロントカバーの内面と所定距離離間した間隙部が形成されている。また、ロックアップピストン10の外周部におけるフロントカバーの外周と対面する表面には、周方向に亘って摩擦材11が周設されている。一方、ロックアップピストン10の外周部におけるタービンシェル4a側の面は、周方向に設けられたトーションダンパ12を介して、タービンシェル4aに固定されており、これによりロックアップピストン10が、摩擦材11を介してフロントカバー2と連結される時に発生する周方向のトルクショックを抑制することが可能となる。
前室13は、フロントカバー2とロックアップピストン10とにより区画されるとともに、後室14は、ロックアップピストン10とタービンシェル4aとによる区画されており、前室13においては、基部7から前室13側に延設されたブラケット7aから外周方向に向けてプレート15が設けられている。これによりプレート15は、ロックアップピストン10の内周側とフロントカバー2との間に位置することになるとともに、プレート15の外周部は、ロックアップピストン10において、フロントカバー2と接触できるよう径方向に摩擦材11が設けられる位置よりも内径となるよう形成されている。
図2に示すように、このプレート15のフロントカバー2と対面する側の面には、周方向において、等間隔に凸部16が形成されている。凸部16は、内周側から外周側に向けて、プレート15の中心を通る径方向に対してプレートの回転方向側に略45°傾斜するよう形成されている。
尚、このような凸部16は、プレート15に対して、リブ状となる部材を溶接等で固定させてもよいし、プレート15をプレス成形する場合に、プレスの鋳型に凸部16が形成されるよう加工を施してもよい。
また、リブ状となる部材をプレート15に固定する場合であれば、リブ状の部材がプレート15の表面から離間するに従って徐々に、プレート15の回転方向に指向するように、プレート15の径方向断面から見て、プレート表面に対して傾斜するよう形成してもよい。これにより、後述するプレート15とフロントカバー2とにより区画される部分の作動油の流れをより確実に抑制することが可能となる。
次に、ロックアップ機構の動作について説明する。
自動車においては、車速や、乗員のアクセル開度などの自動車の実際の走行状態を検出センサなどにより検出しており、これらの実際の走行状態と、予め設定された制御マップとに基づいて、図示しないコントロールユニットが、常時、ロックアップ締結状態を実行するか、あるいは、流体伝達状態を実行するか判断している。
自動車が加速中であったり、あるいは登坂走行中等の負荷の高い状態から、アクセル開度を全閉にして逆駆動状態に移行した場合には、例えば、エンジン回転数は出力軸6の回転数よりも低くなると、コントロールユニットは、フロントカバー2とロックアップピストン10とが締結されていない流体伝達状態から、これらが締結されたロックアップ締結状態への移行を指令する指令信号を、図示しない油圧回路に出力する。この指令信号を受け、油圧回路では、前室13内の作動油をオイル通路17を介してドレイン(排出)することで、ロックアップ締結状態を実現している。この時、同時に油圧回路により作動油を、オイル通路18を介して後室14内へ供給してもよい。
これにより、後室14に対する前室13内の作動油の油圧が低下し、ロックアップピストン10は、フロントカバー側に摺動しながら変位するとともに、ロックアップピストン10の外周部において、摩擦材11を介してフロントカバー2に締結される。
本実施形態においては、この時、ロックアップピストン10とプレート15との間となるロックアップアップピストン10の内周側において、これらにより区画される部分の作動油には、ロックアップピストン10の回転方向とは逆方向の成分を持つ流れが発生しないため、ロックアップピストン10の内周側では、前室13側からロックアップピストン10に作用する作動油の圧力を、後室14側からロックアップピストン10に作用する作動油の圧力よりも確実に小さくすることができる。これにより、ロックアップ締結動作を確実に行わせることが可能となる。
その後、乗員が再度アクセル開度を踏込むなど加速が要求された場合には、コントロールユニットは、ロックアップ締結状態から流体伝達状態への移行を指令する指令信号を油圧回路出力し、油圧回路では、この指令信号を受けて、前室13内へオイル通路17を介して作動油を供給することで、ロックアップ締結状態を解除している。この時、同時に油圧回路により後室14の作動油を、オイル通路18を介してドレインしてもよい。
これにより、前室13に対する後室14内の作動油の油圧が低下し、ロックアップピストン10は、タービンシェル4a側に摺動しながら変位するとともに、ロックアップピストン10の外周部において、ロックアップピストン10とフロントカバー2との締結が解除されて、タービンライナー4とポンプインペラ3とによる流体による動力伝達が実行される。
次に、ロックアップ締結動作におけるプレートによる作用、効果について、図3から図6を参照して、以下、詳細に説明する。
図3は、従来の一般的なロックアップ機構付きトルクコンバータ1を、模式的に示した図である。このような従来のロックアップ機構付きトルクコンバータ1において、逆駆動時に移行直後でロックアップ締結前の状態における、前室13側の作動油からロックアップピストン10へ作用する圧力FPと、後室14側の作動油からロックアップピストン10へ作用する圧力RPを示したのが、図4である。但し、図4において、従来構造における圧力FPの内周側は破線LCで示している。
図4において、逆駆動時に移行直後では、図3に示すように、ロックアップピストン10の外周側における前室側及び後室側への作動油の油圧FPO、RPOは、前室13と、後室14とが連通状態となるので同圧となるが、ロックアップピストン10の内周側の作動油の油圧は、各室内の油圧に作用する遠心力の違いから同圧にはならず、前室13側の作動油による圧力FPICは、後室14側の作動油による圧力RPIよりも大きくなる。
つまり、前室13側における内周側の油圧の方が、後室14側における内周側の油圧よりも大きくなっており、従来構造においては、これがロックアップ締結動作を阻害している。
そこで、各室13、14における作動油の流れについて解析しこれを示したのが図3の矢印FLCと、図5である。但し、図5は、図3において前室13の作動油を紙面上左方向から右方向をみたときの作動油の流れを示す図であり、実線は、前室13においてフロントカバー2の表面の作動油の流れを示し、破線は、前室13のロックアップピストン10の表面の作動油の流れを示す。また、矢印Rは、ロックアップピストン10の回転方向を示しており、これはフロントカバー2、タービンシェル4aの回転方向と同じである。
これらの図によれば、逆駆動時において、フロントカバー2の回転の方がロックアップピストン10の回転よりも遅いことに起因して、前室13の作動油は、回転するロックアップピストン上から見て、ロックアップピストン10の表面の内周側から外周側に向かって且つ径方向に対してロックアップピストン10が回転する方向とは逆方向に傾斜して流れた後、フロントカバー2の表面へ移動し、今度は外周側から内周側に向かって且つ径方向に対してロックアップピストン10が回転する方向に傾斜して流れる。その後、作動油は、ロックアップピストン10の表面へ移動し、再びこのような循環を繰返すことになる。
これに対し、後室14の作動油に関しては、ロックアップピストン10とタービンシェル4aとの回転は同じであるため、後室14の作動油はこれらの回転に引き連れるように、略円周方向に沿って流れるのみで、このようなロックアップピストン10の回転方向とは逆に流れる成分を持たない。
つまり、従来の一般的な構造のロックアップ機構付きトルクコンバータ1においては、ロックアップピストン10の前室13側表面の作動油は、ロックアップピストン10の回転に連れられて同方向に回転するものの、回転するロックアップピストン10上から見れば、ロックアップピストン10が回転する方向とは逆方向に流れる成分を持っていることになる。従って、その分、このような逆方向の流れを有さないロックアップピストン10の後室14側表面の作動油よりも、その回転速度は絶対的に遅くなることになる。
これにより、ロックアップピストン10の前室13側表面の作動油に作用する遠心力は、この後室14側表面の作動油に作用する遠心力よりも小さくなるため、内周側においては、前室13側の作動油の圧力の方が、後室16側の作動油の圧力よりも大きくなる(図4において、FPIC>RPI)。従って、従来では、前室13側の作動油を排出させても、ロックアップ締結動作を確実に行うことができなかった。
そこで、本実施形態によれば、フロントカバー2の回転よりも速く回転するように、基部7に固定されたプレート15を、フロントカバー2とロックアップピストン10の間で、ロックアップピストン10の少なくとも内周側に対面するよう設けている。
これにより、図6に示すように、プレート15とロックアップピストン10とにより区画される部分RMA1内では、プレート15とロックアップピストン10とタービンシェル4aとの回転は同じであるため、区画部分RMA1の作動油はこれらの回転に引き連れらるように、略円周方向に沿って流れるのみで、ロックアップピストン10の回転方向とは逆に流れる成分を持たない。
従って、ロックアップピストン10の内周側の前室13側表面における作動油の回転を高めることができ、この作動油に作用する遠心力を高めることができるので、ロックアップピストン10の内周側における前室13側表面の作動油の圧力を低下させることが可能となる(図4の実線において、圧力FPIが圧力RPIと略同等である点参照)。これにより、後室14側表面の作動油の圧力との差を減少させることができるため、ロックアップ締結状態の確実な実行が可能となり、流体伝達状態からロックアップ締結状態への移行時における応答性の向上や、ロックアップ締結状態における締結力の向上を図ることが可能となる。
ところで、本実施形態のような構成では、プレート15とフロントカバー2とにより区画される部分RMA2内では、図6に示すように、プレート15よりもフロントカバー2の方が回転が速いので、従来構造の前室13と同様に、プレート15の表面側の作動油は内周側から外周側に向かって、且つ径方向に対してプレート15が回転する方向とは逆方向に傾斜して流れる。一方、プレート15の直ぐ表面の作動油は、これとは反対に、外周側から内周側に向かって、且つ径方向に対してプレート15が回転する方向に傾斜して流れている。(流れFL1参照)
一方、プレート15の外周側において、区画部分RMA1と区画部分RMA2とは連通状態となっている。
従って、この連通部分を介して、区画部分RAM2内において、プレート15の回転とは逆方向に流れる作動油の成分を含む流れの一部が、区画部分RMA1内に入り込み、区画部分RMA1内の作動油の流れを乱し、この部分内の作動油の回転速度を変化させる可能性がある。
そこで、本実施形態では、プレート15のフロントカバー2側の面に、内周側から外周側に向かうに連れてプレート15の回転方向に指向した凸部16を延設した。
この凸部16は、作動油の流れFL1の特にプレート15表面側を流れる流れを止めることが可能となるように、FL1の流れに対して略90°で、プレート15の径方向に対して例えば、30°から60°の方向に延設されている。これにより、区画部分RMA2内においてプレート15の回転方向とは逆の方向に流れる成分を含む作動油の流れを抑制することができるので、区画部分RMA1内の作動油における流れの乱れの抑制が可能となる。
従って、この部分内の作動油における回転速度の変化を低減でき、ロックアップピストン10の内周側における前室13側表面の作動油の圧力を確実に低下させることが可能となり、ロックアップ締結状態の確実な実行が可能となる。
尚、凸部16の延設方向は、プレート15の径方向に対して30°から60°の方向に限定されるものではない。
尚、本発明においては、自動車用のトルクコンバータ1に適用したが、自動車以外のトルクコンバータにも適用可能である。
また、上記実施形態では、プレート15は出力軸6と同回転となるよう設置したが、プレート15の回転速度が、フロントカバー2の回転速度よりも高ければ、例えばプレート15と出力軸6との間に変速機構を配してもよい
た、上記実施形態において、凸部16は、プレートに4つとしているが、更に多く配置させてもよい。
本発明の実施形態に係るロックアップ機構付きトルクコンバータ1の概略断面図。 プレート15の概略正面図。 従来のロックアップ機構付きトルクコンバータを模式的に示した模式図。 ロックアップピストンに作用する圧力の径方向における分布を示したグラフ。 前室13内における作動油の流れを正面方向から示した説明図。 実施形態に係るロックアップ機構付きトルクコンバータ1の模式図。
1:トルクコンバータ
2:フロントカバー
3:ポンプインペラ
4:タービンライナー
4a:タービンシェル
6:出力軸
10:ロックアップピストン
13:前室
14:後室
15:プレート
15B:プレート

Claims (1)

  1. 回転入力部に結合されたフロントカバーと、該フロントカバーに結合されたポンプインペラと、回転出力部に結合され該ポンプインペラと対面配置されるとともに、該ポンプインペラとの間で流体伝達を行うタービンランナーと、該タービンランナーの外殻を形成するタービンシェルと、上記フロントカバーと該タービンシェルとの間に設けられ、該フロントカバーと該タービンシェルとの間を変位可能なプレート状のロックアップピストンと、を有していて、該フロントカバーと該ロックアップピストンとにより区画される前室の作動流体の圧力と、該タービンシェルと該ロックアップピストンとにより区画される後室の作動流体の圧力との圧力差を調整することによって、該ロックアップピストンと該フロントカバーとを接続して上記回転入力部と上記回転出力部とを直結させるロックアップ締結状態と、該ロックアップピストンと該フロントカバーとを非接続にして該ポンプインペラと該タービンライナーとによる流体伝達状態とを切換可能とするロックアップ機構を備えたロックアップ機構付き流体伝達装置において、
    上記ロックアップピストンの内周部に連結されて該ロックアップピストンを上記変位方向に摺動可能に支持すると共に、上記回転出力部に連結される基部と、
    上記フロントカバーと上記ロックアップピストンとの間に配置され、上記基部に連結されるプレートと、を備え、
    上記プレートは、上記ロックアップピストンの上記フロントカバー側の表面の少なくとも内周側に対面するように、上記基部から外周側に向かって延設されており、
    上記プレートの上記フロントカバー側の面には、該フロントカバー側に突出する凸部が形成され、
    上記凸部における上記プレートの回転方向側面は、上記フロントカバー側から見たときに、径方向の内周側から外周側に向かって該回転方向側に傾斜するように形成されている
    ことを特徴とするロックアップ機構付き流体伝達装置。
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