JP2010216529A - ロックアップクラッチ - Google Patents

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Kazuaki Nakamura
和明 中村
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Abstract

【課題】良好な摩擦特性を有し、十分な耐熱性を有するロックアップクラッチを提供する。
【解決手段】ロックアップクラッチ11は、フロントカバー14の面52との摩擦面側に位置する第1摩擦材36aと、ピストン30側に位置する第2摩擦材36bと、第1摩擦材36aおよび第2摩擦材36bの間に挟まれた放熱用板材36cとを含む摩擦材36を有し、放熱用板材36cは、第1摩擦材36aおよび第2摩擦材36bよりも径方向に突出する。
【選択図】図3

Description

本発明は、流体伝動装置におけるロックアップのために用いられるロックアップクラッチに関するものであり、特に、該ロックアップクラッチを構成するピストンに設けられる摩擦材に関するものである。
トルクコンバータやフルードカップリングのような流体伝動装置を機械的に連結してトルクを直接伝達することが可能なロックアップクラッチが備えられている車両が知られている。このロックアップクラッチでは、流体伝動装置の入力側回転部材であるフロントカバーと出力側回転部材であるタービン或いはポンプとの間に配置されているため、フロントカバーとタービン或いはポンプとの空間がフロントカバー側の解放側油室とタービン或いはポンプ側の係合側油室とに分割されている。これにより、ロックアップクラッチは係合側油室と解放側油室との差圧(=係合側油室の油圧−解放側油室の油圧)によってフロントカバーとの接触状態すなわちロックアップクラッチの作動状態の切換えが制御されている。たとえば、解放側油室に連通する第1油路から作動油がドレンされて係合側油室に連通する第2油路から作動油が供給されると、解放側油室に比較して係合側油室の油圧が高められすなわち差圧が正領域となってロックアップクラッチは摩擦材を介してフロントカバーに係合させられる。すなわち、ロックアップクラッチの作動において、ロックアップクラッチの係合力が大きくなる側へその作動状態が切り換えられて、その係合状態が完全係合とされることによりロックアップクラッチがロックアップ状態とされる。
このとき解放側油室へも作動油を供給して前記差圧が小さく制御されて係合状態が半係合状態とされると、ロックアップクラッチがスリップ状態とされる。このようにロックアップクラッチをスリップ状態とすることにより流体伝動装置の伝達効率を高めるフレックスロックアップ制御が行なわれている。フレックスロックアップ制御などにおいて、ロックアップクラッチがスリップ状態とされる場合には、ロックアップクラッチにおける摩擦材の摩擦特性によっては、スティックスリップによる自励振動が発生し、シャダーや車両振動が著しく発生することがある。
ここで、良好な摩擦特性を得るためには、低剛性な摩擦材を用い、摺動面に習うようにすることが考えられる。しかしながら、前述のようにフレックスロックアップ制御が行なわれるロックアップクラッチにおいては、その摩擦材はスリップさせられることから、耐熱性が優先して求められる。そして、一般に耐熱性の高い摩擦材は剛性が高い傾向がある。そのため、低剛性な摩擦材を用いることが困難であった。
一方、特許文献1には、ロックアップクラッチの偏あたり等を防止することを目的として、摩擦板を、クッション層と摩擦面層の二層を備える構造とする技術が開示されている。かかる技術によれば、摩擦板が他の部材に圧接されると、例えばゴムなどからなるクッション層が弾性変形し、摩擦材からなる摩擦面層は全面にわたってほぼ均等に前記他の部材に当接することができるものとされている。
特開平10−47454号公報
しかしながら、特許文献1の摩擦材における前記クッション層は、伝熱による放熱性が摩擦材に比べて劣る。そのため、摩擦板は、スリップした際の発熱に対する耐熱性において劣ることとなり、ひいては耐久性が弱くなるおそれがある。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、良好な摩擦特性を有し、十分な耐熱性を有するロックアップクラッチを提供することにある。
かかる目的を達成するための請求項1にかかる発明は、(a)摩擦材を備えるピストンを流体伝動装置のフロントカバーまたはそれに固定された部材に該摩擦材を介して押しつけることにより、該流体伝動装置をロックアップさせるロックアップクラッチであって、(b)前記摩擦材は、摩擦面側の第1摩擦材と、(c)ピストン側の第2摩擦材と、(d)該第1摩擦材および第2摩擦材の間に挟まれた放熱用板材とを含み、(e)該放熱用板材は、前記第1摩擦材および第2摩擦材よりも径方向に突出していること、を特徴とする。
請求項1にかかる発明によれば、前記第1摩擦材においてその摩擦面における摩擦による発熱が前記放熱用板材に、また、その放熱用板材を介して前記第2摩擦材に伝熱される。そして、該第1摩擦材および第2摩擦材からの放熱に加え、該放熱用板材のうち該第1摩擦材および第2摩擦材よりも突出した部分においては、該放熱用板材と作動油とが直接接することにより、該放熱用板材から作動油を介して放熱されるので、効率よく放熱を行なうことができ、特に第1摩擦材の耐久性が向上する。さらに、前記放熱用板材により効率よく放熱を行なうことができるので、前記第1摩擦材あるいは第2摩擦材として低剛性の摩擦材を選択しうることとなり、ロックアップクラッチにおいて良好な摩擦特性が得られる。
好適には、前記第2摩擦材は前記第1摩擦材よりも剛性が低いこと、を特徴とする。このようにすれば、前記第1摩擦材が摩擦面に当接させられる際に、剛性の低い第2摩擦材によるクッション性により、ロックアップクラッチにおいて良好な摩擦特性が得られる。すなわち、第1摩擦材を摩擦面にならうようにさせられ、摩擦面に均一に当接させられるので、トルクの伝達むらを低減することができる。
また好適には、前記ロックアップクラッチは、前記第1摩擦材よりも摩擦面側に、該第1摩擦材よりも剛性が低く摩擦面馴染みのための第3摩擦材を有していること、を特徴とする。このようにすれば、前記ロックアップクラッチがスリップさせられる際に、前記第3摩擦材は当接させられる摩擦面の形状に応じて削られる。そして、前記第1摩擦材は摩擦面に馴染んだ形状の前記第3摩擦材を介して摩擦面に接することとなるので、ロックアップクラッチにおいて良好な摩擦特性が得られる。すなわち、前記第1摩擦材が実質的に摩擦面にならうようにさせられ、速やかに摩擦面に均一に当接させられるので、トルクの伝達むらを低減することができる。
また好適には、前記放熱用板材は、前記第1摩擦材および第2摩擦材よりも熱伝導率が高い材質、例えば銅系合金、鉄系合金、アルミニウム系合金などの金属材料や金属繊維を含む熱伝導率の高い複合材料などが用いられる。
本発明の摩擦材が適用されるトルクコンバータ(流体伝動装置)の一例を説明する図である。 図1のトルクコンバータにおけるフレックスロックアップ制御が実行される走行条件を説明する図である。 本発明の摩擦材の有する構成の一例を説明する図である。 本発明の摩擦材の有する構成の別の例を説明する図である。 図4の摩擦材がフロントカバーの摩擦面と接触することにより摩擦面と馴染む様子を説明する図である。
以下、本発明の一実施例について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態の流体伝動装置であるロックアップクラッチ11を備えたトルクコンバータ10を示す図である。トルクコンバータ10は、図示しないエンジンのクランク軸と一体的に回転する入力側回転部材であるカバー12を有している。前記カバー12は、エンジン側(図1では左側)のカバーであるフロントカバー14と、トランスミッション側(図1では右側)のカバーであるポンプシェル16とが溶接により一体的に結合されて油密に構成されている。フロントカバー14は一方向に開口する有底円柱状の部材であり、その開口部の外周面にポンプシェル16の外周部が結合されている。
カバー12内には作動油が充填されるとともに、互いに対向するように、トルクコンバータ10の入力要素であるそのカバー12と一体のポンプ翼車18および出力要素であるタービン翼車20が収容配置されている。ポンプ翼車18は図示しないクランク軸に結合されており、タービン翼車20は、タービンハブ22を介して被動軸24に結合されており、ポンプ翼車18が回転させられて作動油流が生じ、この作動油流がさらにタービン翼車20に回転トルクを与えることにより、被動軸24が回転させられる。この被動軸24はたとえば図示しない自動変速機の入力軸に相当するものであり、その自動変速機を介してエンジン出力トルクTEが図示しない駆動輪へと伝達される。
ポンプ翼車18とタービン翼車20との間には、ステータ翼車28が一方向クラッチ26を介して一方向に回転可能に設けられている。タービン翼車20を出た作動油はステータ翼車28に沿って流れ、再度、ポンプ翼車18に戻る。
ロックアップクラッチ11はクラッチピストン(以下単に、ピストンともいう。)30、ダンパ32、コイルスプリング34等で構成されている。このクラッチピストン30はタービン翼車20とフロントカバー14との間にフロントカバー14へ接近離隔する方向へ移動可能に設けられている。このクラッチピストン30とポンプシェル16との間の空間たとえばトルクコンバータ10の前記入出力要素間の空間が係合側油室31である。ダンパ32はクラッチピストン30とタービン翼車20との間に設けられており、前記クラッチピストン30とダンパ32とは、外周端においてコイルスプリング34を介して連結させられているので、クラッチピストン30とダンパ32とは所定範囲の相対回転を許容しつつ一体的に回転させられるようになっている。また、ダンパ32は、その内周部においてリベット35によりタービン翼車20およびタービンハブ22に固定されているので、ダンパ32が回転させられると、タービンハブ22およびそのタービンハブ22に結合された被動軸24も回転させられる。
クラッチピストン30には、フロントカバー14と対向する面に摩擦材36が貼り着けられている。この摩擦材36は、たとえばセルロースに樹脂を含浸させた材料などで構成されている。
フロントカバー14とタービンハブ22との間には第1油路38が形成されている。この第1油路38は、被動軸24の軸心に形成されている孔部からフロントカバー14とタービンハブ22との間を経て、フロントカバー14とクラッチピストン30との空間すなわち背圧室である解放側油室44へと連通する油路である。また、ポンプ翼車18とステータ翼車28との間には第2油路40が、タービンハブ22とステータ翼車28との間には第3油路42がそれぞれ形成されている。前記第2油路40と第3油路42とは、前記係合側油室31へ連通する油路であるのでその係合側油室31内で互いに連通させられていることになる。
このように構成されたトルクコンバータ10において、ロックアップクラッチ11は係合側油室31内の油圧と解放側油室44内の油圧との差圧ΔPによりフロントカバー14に摩擦係合させられる油圧式摩擦クラッチであり、それが完全係合させられることにより、ポンプ翼車18およびタービン翼車20は一体回転させられる。また、所定のスリップ状態で係合するように差圧ΔPすなわち係合トルクがフィードバック制御されることにより、車両の低負荷低速の駆動(パワーオン)走行時には例えば50rpm程度の所定のスリップ量でタービン翼車20をポンプ翼車18に対して追従回転させる一方、車両の非駆動(パワーオフ)走行時には例えば−50rpm程度の所定のスリップ量でポンプ翼車18をタービン翼車20に対して追従回転させられる。
トルクコンバータ10が搭載された車両には、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成される電子制御装置が備えられており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、エンジンの出力制御や自動変速機の変速制御、ロックアップクラッチ11のロックアップクラッチ制御などを実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用と油圧制御用とに分けて構成される。
前記電子制御装置は、たとえば図2に示すようにスロットル弁開度θTHおよび車速Vをパラメータ(変数)とする二次元座標において解放領域、スリップ制御領域、係合領域を有する予め記憶されたマップ(関係)に従ってロックアップクラッチ11の作動状態を制御するロックアップクラッチ制御を行なう。具体的には、タービン回転速度NTとエンジン回転速度NEとの回転速度差(スリップ量)NSLP(=NE−NT)を目標回転速度差(目標スリップ量)NSLP *に制御したりロックアップクラッチの解放状態であるロックアップオフ状態或いはロックアップクラッチの完全係合状態であるロックアップ状態への切換えのためにロックアップクラッチ11の前記差圧ΔPを制御するソレノイド弁SLU用の駆動信号として、駆動デューティ比DSLUをロックアップクラッチ11の制御に関する油圧制御回路に出力する。
前記ロックアップ状態に制御されるとエンジンの回転軸と結合されている駆動軸と被動軸24としての自動変速機の入力軸が直結されることになり、エンジントルクTEすなわちトルクコンバータへの入力トルクTINTCはトルクコンバータ10での動力伝達損失が略零で自動変速機に伝達される。この入力トルクTINTC容量はロックアップクラッチ11の係合力が大きいほどすなわち係合側油室31内の油圧がより大きくて前記差圧ΔPがより大きいほどより多く確保される。
また、前記スリップ制御では、運転性を損なうことなく燃費を可及的に良くすることを目的としてエンジン10の回転変動を吸収しつつトルクコンバータ10の動力伝達損失を可及的に抑制するために、ロックアップクラッチ11がスリップ状態に維持される。たとえば、このスリップ制御のうちの減速走行時スリップ制御は、スロットル開度θTHが略零で惰性走行(減速走行)する前進走行時において生じる駆動輪側からの逆入力をエンジン側へ伝達する変速段で行われ、タービン回転速度NTおよびエンジン回転速度NEは、ソレノイド弁SLU用の駆動デューティ比DSLUを用いたフィードバック制御により回転速度差NSLPが目標回転速度差NSLP *たとえば−50rpmに略一致された状態で車両の減速にしたがって緩やかに減少させられる。このようにロックアップクラッチ11がスリップ係合させられると、エンジン回転速度NEがタービン回転速度NT付近まで引き上げられるため、エンジンに対する燃料供給を停止するフューエルカット領域(車速範囲)が拡大されて燃費が向上する。前記フレックスロックアップ制御においては、このスリップ制御が用いられる。
ところで、前記スリップ制御中には、フロントカバー14とロックアップクラッチ11のスリップによる発熱によって摩擦材36の耐久性が損なわれる可能性がある。そのため、従来においては、摩擦材として耐熱性に優れたものが用いられていた。しかしながら一般に耐熱性に優れた摩擦材は、剛性が高いものであることが多く、摩擦材のフロントカバーへの偏あたりなどによってスティックスリップが発生し、車両振動を悪化させる可能性があった。
図3は本実施例におけるロックアップクラッチ11の摩擦材36の一例を説明する図であって、図1のロックアップクラッチ11における摩擦材36の周辺を拡大した図である。図3に示すように、本発明のロックアップクラッチ11においては、摩擦材36は、摩擦面であるフロントカバー14の当接面52側に設けられた第1摩擦材36aと、ピストン30側に設けられた第2摩擦材36bと、それら第1摩擦材36aおよび第2摩擦材36bの間に挟まれた放熱用板材(以下、単に「板材」という。)36cとを含んで構成される。
ロックアップクラッチ11が前述のスリップ状態とされた場合には、第1摩擦材36aとフロントカバー14の接触面52とのスリップにより摩擦熱が発生する。この摩擦熱は、第1摩擦材36aに接する板材36cに伝達される。ここで、図3に示すように、板材36cは、前記第1摩擦材36aおよび第2摩擦材36bよりもロックアップクラッチ11の径方向に突出する形状とされている。そのため、板材36cのうち前記第1摩擦材36aおよび36bよりもロックアップクラッチ11の径方向に突出する部分(以下「突出部」という。)においては、解放側油室44を流れる作動油と直接接するので、伝熱面積が増加する。そのため、作動油を介した放熱を行なうことができる。
ここで、板材36cは、例えば第1摩擦材36aあるいは第2摩擦材36bよりも伝熱性に優れた、熱容量の低い材質が用いられる。具体的には例えば銅、鉄、アルミニウムなどの金属またはそれらの合金が用いられる。このようにすれば、摩擦材36からの放熱をより効率よく行なうことができる。また、板材36cの伝熱性が第1摩擦材36aよりも伝熱性に優れたものとされるので、第1摩擦材36aの摩擦熱を急速に吸収することができる。
また、板材36cは、例えば図1に示すフロントカバー14の外周部のようなロックアップクラッチ11における他の部材との干渉が行なわれない程度において、作動油との伝熱面積が大きくなるように設けられる。このようにすれば、摩擦材36からの放熱量をより大きくすることができる。
さらに板材36cは、後述する第2摩擦材36cが有するクッション性を第1摩擦材36aに伝達するために、適度にたわむことが望ましい。そのため、板材36cの厚さは、必要なたわみを生じさせることができる程度の厚さより薄いものとされる。板材36cは、前述のように、熱容量、大きさ、および厚さなどについての設計条件を充足するように材質、大きさ、厚さなどが選択される。
第1摩擦材36aおよび第2摩擦材36bはそれぞれ、たとえばセルロース(天然パルプ繊維)、アラミド繊維等の基材に、グラファイトシリカ等の充填材、摩擦調整材を配合したフェノールに樹脂を含浸させて混合するとともに、整形、固化させることにより得られるものであり、熱伝導率の比較的小さい材料で構成されている。このうち、第1摩擦材36aは、ロックアップクラッチ11がスリップ状態とされる際に、前述のようにフロントカバー14の摩擦面52と摩擦させられるので、耐熱性に優れた特性を有するように、その材質が選択される。
一方、第2摩擦材36bは、例えば、その配合材料として軟質のものを選択し、あるいは基材に対する樹脂の配合成分の割合を変更することにより、第1摩擦材36aと比べて低剛性の、すなわちクッション性を有するようにされている。このようにすれば、ロックアップクラッチ11がスリップ状態とされ、摩擦材36がフロントカバー14の摩擦面52に押しつけられる場合に、第2摩擦材36bのクッション性により、第1摩擦材36aのフロントカバー14の摩擦面52への偏あたりが低減される。このとき、前述のように、板材36cは第2摩擦材36bの発揮するクッション性を第1摩擦材36aに伝達する程度にしなることができるような厚さとされているので、偏あたりが発生した際の荷重分布が摩擦材36の面方向に分散されるので、より第1摩擦材36aのフロントカバー14の摩擦面52への偏あたりが低減される。
また、第2摩擦材36bはまた、伝熱性に優れた特性を有するように、その材質が選択される。前述のように、ロックアップクラッチ11が前述のスリップ状態とされた場合に、第1摩擦材36aとフロントカバー14の接触面52とのスリップにより発生する摩擦熱は、第1摩擦材36aから板材36cに伝達される。板材36cに伝達された摩擦熱のうち、一部は板材36cの前記突出部から作動油を介して放熱されるが、他の一部は、板材36cから第2摩擦材36bに伝達される。そのため、第2摩擦材36bにおいても放熱を行なうことが望ましいためである。
具体的には例えば、第2摩擦材36bとしては、気孔率すなわち摩擦材の体積に対してその内部に有する気孔の占める容積の割合が高い材質が好適に用いられる。このようにすれば、第2摩擦材36bの内部に存在する気孔を作動油が通過することができ、その際に、第2摩擦材36bから作動油に対し伝熱されるので、第2摩擦材36bからの放熱が行なわれるためである。
摩擦材36は、前述の第1摩擦材36aおよび板材36c、板材36cおよび第2摩擦材36bをそれぞれ、例えばプレス整形や、熱硬化性接着剤により接着することにより、成形して得られる。
前述の実施例によれば、ロックアップクラッチ11は、フロントカバー14の面52との摩擦面側に位置する第1摩擦材36aと、ピストン30側に位置する第2摩擦材36bと、第1摩擦材36aおよび第2摩擦材36bの間に挟まれた板材36cとを含む摩擦材36を有し、板材36cは、第1摩擦材36aおよび第2摩擦材36bよりも径方向に突出するので、第1摩擦材36aにおいてフロントカバー14の摩擦面52との摩擦による発熱が板材36cおよび第2摩擦材36bに伝熱される。そして、第1摩擦材36aおよび第2摩擦材36bからの放熱に加え、板材36cのうち第1摩擦材36aおよび第2摩擦材36bよりも径方向に突出した突出部においては、板材36cと作動油とが直接接することにより、板材36cから作動油を介して放熱されるので、効率よく放熱を行なうことができ、耐熱性が向上する。さらに、板材36cにより効率よく放熱を行なうことができるので、第1摩擦材36aあるいは第2摩擦材36bとして低剛性の摩擦材を選択しうることとなり、ロックアップクラッチ11において良好な摩擦特性が得られる。
また、前述の実施例によれば、第2摩擦材36bは第1摩擦材36aよりも剛性が低いので、第1摩擦材36aがフロントカバー14の摩擦面52に当接させられる際に、剛性の低い第2摩擦材36bによるクッション性により、ロックアップクラッチ11において良好な摩擦特性が得られる。すなわち、第1摩擦材36aをフロントカバー14の摩擦面52にならうようにすることができ、摩擦面52に均一に当接させられるので、スリップ制御時におけるトルクの伝達むらを低減することができる。そのため、トルクの伝達むらに起因する振動、あるいは騒音を低減することができる。
また、前述の実施例によれば、耐熱性に優れた摩擦材36が得られることから、従来においてスリップ制御を実行することのできない程発熱量の大きい走行状態である高車速側の走行状態においても、スリップ制御を実行することができる。また、本実施例の摩擦材36は良好な摩擦特性が得られることから、従来は許容されない程度の振動が発生するとしてスリップ制御が実行できない走行状態である低エンジン回転速度の走行状態、すなわち低車速側の走行状態においても、スリップ制御を行なうことができる。このように、本実施例のロックアップクラッチ11によれば、ロックアップクラッチ11をスリップ制御するフレックスロックアップ制御を実行することのできる走行状態、すなわち図2におけるスリップ制御領域が拡大する。これにより、車両の燃費を向上させることができる。
続いて、本発明の別の実施例について説明する。以下の説明において、実施例相互に共通する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図4は、本発明の別の実施例における摩擦材36を説明する図であって、図3に対応する図である。図4の摩擦材36においては、図3の摩擦材36に比べて、第1摩擦材36aよりもフロントカバー14の摩擦面52側に、更に第3摩擦材36cを有する点において異なる。
この第3摩擦材36cは、ロックアップクラッチ11がスリップ制御させられる際、すなわち摩擦材36がフロントカバー14の当接面52と摩擦させられる際に、摩擦によりその表面が削られる程度に低強度の材質からなる。
図5は、ロックアップクラッチ11がスリップ制御させられる場合の例を説明する図である。図5に示すように、摩擦材36がフロントカバー14の当接面52と摩擦すると、摩擦によりその表面が削られ、当接面52の形状と馴染むように変形させられる。これによって、ロックアップクラッチ11がスリップ制御させられる場合において、摩擦材36と当接面52とが当接することによる荷重が分散されるので、偏あたりが低減され、スティックスリップの発生や、該スティックスリップによるシャダの発生を低減することができる。
前述の実施例2によれば、ロックアップクラッチ11は、第1摩擦材36aよりも摩擦面52側に、摩擦面馴染みのための第3摩擦材36cを有するので、ロックアップクラッチ11がスリップさせられる際に、第3摩擦材36cは当接させられる摩擦面52の形状に応じて削られる。そして、第1摩擦材36aは摩擦面に馴染んだ形状の前記第3摩擦材36cを介して摩擦面52に接するので、ロックアップクラッチ11において良好な摩擦特性が得られる。すなわち、第1摩擦材36aが摩擦面52にならうようにさせられ、摩擦面52に均一に当接させられるので、トルクの伝達むらを低減することができる。
また、第3摩擦材36dは、摩擦材36とフロントカバー14の当接面52と摩擦することにより、当接面52の形状と馴染むように変形させられるので、摩擦材36やフロントカバー14の形状に個体差が生じる場合においても偏あたりを低減することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例においては、第1摩擦材36aと第2摩擦材36bとはそれぞれ異なる材質の摩擦材からなるものとされたが、これに限られない。すなわち、摩擦材36は、同種の2層の摩擦材36aおよび36bによって、板材36cが挟まれた構成とされてもよい。かかる構成においても耐熱性を向上させることができる。
また、前述の実施例においては、板材36cは、前記第1摩擦材36aおよび第2摩擦材36bよりもロックアップクラッチ11の径方向に外周側および内周側の両方に突出する形状とされていたが、これにかぎられず、いずれか一方に突出していてもよい。また、板材36cはロックアップクラッチ11の径方向に突出するのに限られず、例えば、ピストン30上に、複数の摩擦材36が周方向に間隔を介して配設される場合においては、板材36cはその間隔に向かって、すなわち周方向に突出するように設けられてもよい。
また、前述の実施例においては、摩擦材36は、フロントカバー14に設けられた摩擦面52に押しつけられるものとされていたが、これに限られない。例えばフロントカバー14に固定されるなどして一体として移動する部材に設けられた摩擦面に押しつけられるようにしてもよい。
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
10:トルクコンバータ(流体伝動装置)
11:ロックアップクラッチ
14:フロントカバー
30:クラッチピストン(ピストン)
36:摩擦材
36a:第1摩擦材
36b:第2摩擦材
36c:板材
36d:第3摩擦材
52:摩擦面

Claims (3)

  1. 摩擦材を備えるピストンを流体伝動装置のフロントカバーまたはそれに固定された部材に該摩擦材を介して押しつけることにより、該流体伝動装置をロックアップさせるロックアップクラッチであって、
    前記摩擦材は、摩擦面側の第1摩擦材と、
    ピストン側の第2摩擦材と、
    該第1摩擦材および第2摩擦材の間に挟まれた板材とを含み、
    該板材は、前記第1摩擦材および第2摩擦材よりも突出していること、
    を特徴とするロックアップクラッチ。
  2. 前記第2摩擦材は前記第1摩擦材よりも剛性が低いこと、を特徴とする請求項1に記載のロックアップクラッチ。
  3. 前記第1摩擦材よりも摩擦面側に、該第1摩擦材よりも剛性が低く摩擦面馴染みのための第3摩擦材を有していること、を特徴とする請求項1または2に記載のロックアップクラッチ。
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