JP4560526B2 - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は難燃性樹脂組成物に関するものであり、特に、難燃性エポキシ樹脂組成物に関するものである。
エポキシ樹脂は、簡単な加工性や高度な安全性、優れた機械的性質及び化学的性質を具備することで、例えば複合材料の製造や成形材料または半導体材料への使用に広く応用されてきていた。エポキシ樹脂の難燃特性を改善するため、一般にハロゲン含有のエポキシ樹脂の成分または硬化剤成分を使用することに加えて、三酸化アンチモンや他の難燃剤も使用することにより、UL 94 V-0の難燃標準に達する。
しかしながら、三酸化アンチモンは発癌物質として取り上げられた。また、臭素が燃焼のプロセスで腐食性を備える臭素のフリーラジカルと臭化水素を生成するのみならず、臭素を含有する芳香族化合物が毒性の強い臭化フランや臭化ダイオキシンを生成することになり、人体の健康や環境に対して悪影響を及ぼす。したがって、ハロゲンを含まない難燃性エポキシ樹脂組成物が開発されてきており、例えば水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの水酸化物の使用、またはリン含有の難燃剤の添加などが挙げられる。ただし、樹脂組成物の難燃性に対する水酸化物の向上効果が限られ、所望の難燃標準に達するため、多量の水酸化物を添加する必要があり、それで、樹脂組成物の粘度を増加させることでダイキャストには不利になる。また、リン含有の難燃剤は加水分解されやすいことでリン酸が生成され、これにより腐食がなされ製品の信頼性に悪影響を及ぼす。
さらに、環境保護への認識が高まるに従い、世界中の各先進国では高汚染物質の使用が禁止されてきた。半導体パッケージの関連技術には、鉛フリーのはんだ材料が使用されるように開発が進められていく。この種のはんだ材料の材質変化に応じ、半導体パッケージのプロセスでは、より高い温度条件ではんだリフローの工程を行う必要がある。半導体パッケージに用いられるエポキシ樹脂組成物には、難燃特性を具備するのみならず、優れた熱安定性を維持する必要がある。
米国特許第6,242,110号には、半導体パッケージに用いられるエポキシ樹脂組成物が開示されている。この組成物は、ビフェニルおよび/またはナフタレンユニットを有するフェノール樹脂と、ビフェニルおよび/またはナフタレンユニットを有するエポキシ樹脂とを具備し、これによりこの組成物は難燃剤無添加の条件でUL 94 V-0の難燃標準に達することが可能である。しかしながら、この公告では、樹脂組成物の熱安定性に関する記述がなされていない。
一方、米国特許第6,723,452号には、ビフェニルまたはナフタレンユニットを有するエポキシ樹脂と、ビフェニルまたはナフタレンユニットを有するフェノール樹脂とを具備する半導体パッケージ用のエポキシ樹脂組成物が開示されており、このエポキシ樹脂組成物は優良な難燃特性と耐はんだクラック性(Solder Crack Resistance)を備える。また、米国特許出願公開第2004/0214003号には、ビフェニルユニットを有するエポキシ樹脂と、硬化剤としてビフェニルまたはベンゼンユニットを有するフェノール樹脂とを具備する樹脂組成物が開示されており、この樹脂組成物は良好な流動性と成形性を備える。
上記特許または公開公報に開示されている硬化剤としてのフェノール樹脂では、ビフェニル、ナフタレンまたはベンゼンなどの芳香族ユニットがスペーサー基、例えばアルキレン基を介して互いに結合されている。こういった背景技術において、ベンゼン環を直接結合することで形成された骨格を有するフェノール樹脂をエポキシ樹脂の硬化剤として使用することについて、なにも言及されていない。また、こういった背景技術では、エポキシ樹脂組成物のエポキシ樹脂組成物の部分的特性が改善できるが、難燃性、熱安定性、流動性および成形性といった諸特性を同時に具備するエポキシ樹脂組成物を提供することはできなかった。
本発明の主な目的は、難燃剤や水酸化アルミニウム成分を添加せずに優良な難燃特性を具備する樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、良好な熱安定性を維持することができる樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明のもう一つの目的は、成形性および信頼性の更なる改善を達成することができる樹脂組成物を提供することにある。
上記の目的を達成させるため、本発明は、(A)ビフェニルユニットまたはナフタレンユニットを有する少なくとも1種類のエポキシ樹脂と、(B)骨格(Skeleton)がベンゼン環を直接結合することで形成され、各ベンゼン環の間にスペーサー基が挟まれていない、硬化剤として用いる少なくとも1種類のフェノール樹脂と、(C)硬化促進剤と、を含み、前記硬化剤としてのフェノール樹脂の含有量が硬化剤の合計量の30重量%ないし100重量%を占めていることを特徴とする難燃性樹脂組成物を提供する。本発明にかかる樹脂組成物は、難燃剤無添加の条件で優れた難燃効果をもたらすとともに、熱安定性の維持と成形性および信頼性を一層改善することも可能である。
本発明にかかる樹脂組成物は、(A)ビフェニルユニットまたはナフタレンユニットを有する少なくとも1種類のエポキシ樹脂と、(B)骨格がベンゼン環を直接結合することで形成され、各ベンゼン環の間にスペーサー基が挟まれていない、硬化剤として用いる少なくとも1種類のフェノール樹脂と、(C)硬化促進剤と、を含む。
(A)成分として、ビフェニルユニットまたはナフタレンユニットを有するエポキシ樹脂は、好ましくそれぞれ下記式(I)と式(II)に示された構造を有するものである。
Figure 0004560526

式(I)において、R1とR2はそれぞれ1〜6の炭素を有するアルキル基、aは0〜4の整数、bは0〜3の整数、pは1〜10の整数を示し、
Figure 0004560526
式(II)において、R3とR4はそれぞれ1〜6の炭素を有するアルキル基、cは0〜6の整数、dは0〜5の整数、qは1〜10の整数を示す。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s-ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基及びそれらの異性体等があげられる。
本発明にかかる樹脂組成物に用いられるエポキシ樹脂の骨格は、ビフェニルユニットまたはナフタレンユニットを備え、これらのユニットが高い結合力を持つことで、燃焼時に分解困難で難燃特性を有する。
(B)硬化剤としてのフェノール樹脂は、その骨格がベンゼン環を直接結合することで形成され、各ベンゼン環の間にスペーサー基が挟まれていない。このフェノール樹脂は、好ましく下記式(III)に示した構造を有するものである。
Figure 0004560526

式(III)において、R5とR6、R7はそれぞれ1〜6の炭素を有するアルキル基、eとgはそれぞれ0〜4の整数、fは0〜3の整数、rは1〜10の整数を示す。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s-ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基及びそれらの異性体等があげられ、好ましくはメチル基である。
本発明に用いられるフェノール樹脂は、酸化剤(例えば、酸素または過酸化水素)とカップリング触媒(例えば、銅化合物または第四級アンモニウム塩)の存在条件でフェノール系化合物を重合させることにより形成される。
一般のエポキシ樹脂組成物に用いられるノボラックワニス樹脂系の硬化剤である、ベンゼン環などの芳香族ユニットがアルキレン基などのスペーサー基を介して互いに結合されるものと比べ、本発明に用いられるフェノール樹脂は、ベンゼン環などの芳香族ユニットが直接結合され、何らかのスペーサー基も挟まれていないので、相対的に低い溶融粘度特性を具備し、該特性を有するフェノール樹脂を含む本発明の樹脂組成物の粘度が下げられることが可能であり、多量のフィラーが含有されても、優れた流動性を確保することができる。また、このフェノール樹脂は骨格におけるベンゼン環の間に高い結合力を持つことで、フェノール樹脂を含有する本発明の樹脂組成物は、硬化後、より高い耐インパクト強度と強い耐応力クラック能力を備え、また、鉛フリーのはんだ材料を使用する電子製品に応用する際に、高温加工条件下に優れた熱安定性を有する。
本発明における樹脂組成物において、(B)硬化剤として使用されるものは、ベンゼン環を直接結合することで形成された骨格を有するフェノール樹脂の他に、通常エポキシ樹脂組成物に使われる他の硬化剤も使用できる。これらの硬化剤の具体例としては、フェノール性ヒドロキシル基を有する重合物が挙げられるが、これらの重合物に限らず、例えば、フェノール性ノボラックワニス樹脂、クレゾール性ノボラックワニス樹脂、シクロペンタジエニルにより改質されたフェノール樹脂及びその共重合体が挙げられる。
本発明の樹脂組成物において、ベンゼン環を直接結合することで形成された骨格を有するフェノール樹脂は、その含有量が組成物に含まれる硬化剤の合計量を基準に、30重量%から100重量%の範囲にあることが好ましい。その含有量が組成物に含まれる硬化剤の合計量の30重量%未満であれば、組成物がUL 94 V-0レベルの難燃特性を達成することが難しく、また成形材料の流動性を向上させることも困難である。
本発明の樹脂組成物において、(A)成分のエポキシ樹脂と(B)成分の硬化剤の当量比率は、エポキシ樹脂のエポキシ当量と硬化剤の活性水素当量の割合として、1:0.4ないし1:2.5の範囲内であればよく、好ましくは1:0.5ないし1:2.0、より好ましくは1:0.6ないし1:1.5である。
本発明の樹脂組成物における硬化促進剤とは、エポキシ樹脂のエポキシ基と、硬化剤の活性水素官能基、例えばフェノール性ヒドロキシル基との硬化反応を起こすことが可能な成分のことである。硬化促進剤の具体例としては、第三級アミン系化合物、例えばトリエチルアミン、ベンジルジメチルアミンやα-メチルベンジル-ジメチルアミン、第三級ホスフィン系化合物、例えばトリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p-メチルフェニル)ホスフィンやトリ(ノニルフェニル)ホスフィン、第四級アンモニウム塩、例えばテトラメチルアンモニウム塩化物、テトラエチルアンモニウム臭化物やテトラブチルアンモニウムヨウ化物、トリエチルベンジルアンモニウム塩化物、トリエチルベンジルアンモニウム臭化物やトリエチルフェネチルアンモニウムヨウ化物、第四級ホスホニウム塩、例えばテトラブチルホスホニウム塩化物、テトラフェニルホスホニウム臭化物、エチルトリフェニルホスホニウム塩化物、プロピルトリフェニルホスホニウム臭化物、ブチルトリフェニルホスホニウムヨウ化物、テトラブチルホスホニウム酢酸錯体やエチルトリフェニルホスホニウムリン酸錯体、イミダゾール化合物、例えば、2-メチルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、4-エチルイミダゾール、4-ドデシルイミダゾール、2-フェニル-4-ヒドロキシメチルイミダゾール、2-エチル-4-ヒドロキシメチルイミダゾール、1-シアノエチル-4-メチルイミダゾールおよび2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾールなどがあげられるが、それらに限られない。これらの硬化促進剤は、単独で、または二種類やそれ以上の種類の組み合わせる混合物としても使用される。好ましくはイミダゾール化合物と第四級ホスホニウム塩であるが、特に2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、エチルトリフェニルホスホニウムリン酸錯体とそれらの混合物がより好ましい。
この硬化促進剤は、樹脂の固化を有効に促進できるための量が存在する。具体例の一つとして、この硬化促進剤の含有量は、その組成物の総重量を基準に0.01重量%ないし5.0重量%であればよく、好ましくは0.02重量%ないし3.0重量%、より好ましくは0.05重量%ないし2.0重量%である。硬化促進剤の含有量が不足であれば、所望の固化(Curability)特性を獲得することができない。一方、硬化促進剤の含有量が多すぎると、樹脂組成物の流動特性に悪影響を及ぼす。
樹脂組成物の各特性、例えば導電性、耐摩耗性、熱膨張係数、耐引き張り強度、熱伝導性、耐水性、耐薬品性などを調整するため、本発明の樹脂組成物はさらに無機フィラーを含むことが可能である。無機フィラーの具体例は、二酸化ケイ素、例えば溶融した二酸化ケイ素や結晶化した二酸化ケイ素;石英ガラス粉;滑石粉;又は酸化アルミニウム粉、窒化珪素、窒化アルミニウム、二酸化チタンおよび炭酸カルシウム粉などが挙げられるが、これらの化合物に限られていない。この無機フィラーの種類と含有量は特に限定されることなく、樹脂組成物に悪影響を及ぼさないのであればよい。一般に、本発明の樹脂組成物の無機フィラーの含有量は、その組成物の総重量を基準に50重量%ないし95重量%であればよく、好ましくは70重量%ないし90重量%、より好ましくは80重量%ないし90重量%である。
この樹脂組成物は、必要に応じて添加剤を含んでもよい。この添加剤の種類は、特に限定されることなく、エポキシ樹脂や硬化剤との反応を起こさないものが好ましい。添加剤の具体例は、着色剤(Coloring Agent)、例えばカーボンブラック;カップリング剤(Coupling Agent)、例えばγ-グリシドキシプロピル(γ- Glycidoxypropyl)トリメトキシシラン;離型剤、例えばパラフィン、高級脂肪とその金属塩;又は抗酸化剤などがある。
本発明の樹脂組成物は、難燃剤無添加の条件で優れた難燃効果をもたらすとともに、無機フィラーの含有量が高い条件でも、優れた流動性と良好な成形効果を具備し、そのため、複合材料の製造や成形材料または半導体パッケージ材料への使用に応用できる。
以下、具体実施例により本発明の特徴と効果をさらに詳しく説明する。
実施例に使用される成分を下記に詳しく記述する。
エポキシ樹脂一 長春人造樹脂廠(台湾)により生産され、CNE200を商品名として販売されるクレゾール性ノボラックエポキシ樹脂であり、エポキシ当量は200から220g/eqである。

エポキシ樹脂二 長春人造樹脂廠(台湾)により生産され、BEB530A80を商品名として販売されたポリ(テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル)、エポキシ当量は430ないし450g/eqであり、臭素含有量は18.5ないし20.5重量%である。

エポキシ樹脂三 日本化薬株式会社(日本)により生産され、NC3000Pを商品名として販売された式(I)に示した構造を有するエポキシ樹脂であり、その骨格がビフェニルユニットを有し、エポキシ当量は272g/eqである。

エポキシ樹脂四 式(II)に示した構造を有するエポキシ樹脂(cは0、dは0、qは1ないし10の整数)であり、その骨格がナフタレンユニットを有し、エポキシ当量は270g/eqである。

硬化剤一 式(III)に示した構造を有するポリ(o-クレゾール)樹脂であり、活性水素当量は117g/eqである。

硬化剤二 長春人造樹脂廠(台湾)で生産され、PF5080を商品名として販売されたノボラックワニス樹脂であり、活性水素当量は105ないし110g/eqである。

触媒(硬化促進剤) トリフェニルホスフィンである。
その分析方法は、下記のとおりである。
(1)スパイラルフロー:EMMI-1-66に従い、175℃の温度と70Kg/cm2で行う。
(2)難燃性:UL94の規格に従い、長さ5インチ、幅0.5インチ及び厚さ1/16インチのサンプルに対して難燃性を測定する。
(3)吸湿性:径25mm、厚さ5mmの丸形のサンプルを100℃の沸騰水の中に24時間で沸かした後、吸水重量の増加率を測定する。
(4)288℃のスズ炉における熱安定性:長さ5インチ、幅0.5インチ及び厚さ1/16インチのサンプルを288℃のスズ炉に30秒で挿入し、サンプル表面で泡やクラックが出るか否かを観る。
実施例1〜3、比較例1〜3、対照例1
表1に示された成分含有量により、室温で各成分を十分に混合した後、70から110℃の温度条件でツインローラーにて混練し、冷却してから粉砕し、エポキシ樹脂組成物粉末を得た。各サンプルに対しスパイラルフロー、耐燃焼性、吸湿性及び熱安定性をそれぞれ測定した。その結果を下記の表1に示す。
Figure 0004560526
当量比率*:エポキシ樹脂のエポキシ当量と硬化剤の活性水素当量の割合
表1の結果から見ると、実施例1〜3の樹脂組成物は、ビフェニルユニットまたはナフタレンユニットを有するエポキシ樹脂を使用し、また、ベンゼン環を直接結合することで形成された骨格を有するポリ(o-クレゾール)(硬化剤一)を硬化剤としてあわせて使用することで、無機フィラーの含有量が86重量%に高くなっても、一般の臭素含有エポキシ樹脂と同等な難燃効果(対照例1)に達し、UL 94 V-0(厚さ1.6mm)の難燃性レベルに達するとともに、良好な熱安定性も維持することが可能であることがわかった。
また、硬化剤一の含有量が硬化剤の合計量の30重量%よりも低い場合(比較例1)、あるいはビフェニルユニットを有するエポキシ樹脂の代わりにクレゾール性ノボラックエポキシ樹脂が使用される場合(比較例2)、サンプルはUL 94 V-0の難燃性標準に達することはできなかった。
さらに、比較例3の組成物において、難燃剤として、ビフェニルユニットまたはナフタレンユニットを有するエポキシ樹脂の代わりに水酸化アルミニウムが使用されている。その組成物はUL 94 V-0の難燃性標準に達することは可能であるが、水酸化アルミニウム成分が180℃の時クラックが発生開始で水分が放出されるので、テストサンプルが288℃のスズ炉でその表面に泡が出ることで、熱安定性の要求を達成できなかった。
一方、表1の結果から見ると、硬化剤として一般に知られているノボラックワニス樹脂(硬化剤二)と非特定量のポリ(o-クレゾール)(硬化剤一)とを使用する比較例1と比べ、本発明において硬化剤として特定量のポリ(o-クレゾール) (硬化剤一)を使用する実施例1〜3の樹脂組成物が優れた流動性を具備し、無機フィラーの含有量が86重量%に高くなっても、良好な成形性を保持することができる。
以上に述べた実施例は、例示的に本発明の主旨およびその効果を説明することにしかとどまらず、本発明の実施できる範囲を限定的に説明するわけではなく、当技術を熟知する当業者にとって明らかなように、本発明の主旨と内容を離脱しない範囲内で、上記の実施例に対するあらゆる変更や変形を実施することが可能である。それゆえ、本発明の権利範囲は特許請求の範囲により規定されることになる。

Claims (14)

  1. (A)ビフェニルユニットまたはナフタレンユニットを有する少なくとも1種類のエポキシ樹脂と、
    (B)骨格がベンゼン環を直接結合することで形成され、各ベンゼン環の間にスペーサー基が挟まれていない、硬化剤として用いる少なくとも1種類のフェノール樹脂と、
    (C)硬化促進剤と、
    無機フィラーと
    を含み、
    前記(A)成分が、ビフェニルユニットを有するエポキシ樹脂である場合、下記式(I)に示した構造を有し、
    Figure 0004560526
    (式(I)において、R1とR2はそれぞれ1〜6の炭素を有するアルキル基、aは0〜4の整数、bは0〜3の整数、pは1〜10の整数を示す。)
    前記硬化剤としてのフェノール樹脂の含有量が硬化剤の合計量の30重量%ないし100重量%を占めていることを特徴とする、難燃性樹脂組成物であって、
    前記(A)成分のエポキシ樹脂と(B)成分の硬化剤の含有量の割合が、エポキシ樹脂のエポキシ当量と硬化剤の活性水素当量の割合で1:0.4ないし1:2.5であり、
    前記(C)硬化促進剤の含有量が、その組成物の総重量を基準に0.01重量%ないし5.0重量%であり、
    前記無機フィラーの含有量が、その組成物の総重量を基準に70重量%ないし90重量%である、
    難燃性樹脂組成物
  2. 前記R1およびR2で表されるアルキル基が、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s-ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基よりなる群から選ばれたいずれか一つであることを特徴とする、請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  3. 前記(A)成分が、ナフタレンユニットを有するエポキシ樹脂であり、下記式(II)に示した構造を有することを特徴とする、請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
    Figure 0004560526
    (式(II)において、R3とR4はそれぞれ1〜6の炭素を有するアルキル基、cは0〜6の整数、dは0〜5の整数、qは1〜10の整数を示す。)
  4. 前記RおよびRで表されるアルキル基が、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s-ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基よりなる群から選ばれたいずれか一つであることを特徴とする、請求項3記載の難燃性樹脂組成物。
  5. 前記(B)成分としてのフェノール樹脂が、下記式(III)に示した構造を有することを特徴とする、請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
    Figure 0004560526
    (式(III)において、R5、R6、R7はそれぞれ1〜6の炭素を有するアルキル基、eとgはそれぞれ0〜4の整数、fは0〜3の整数、rは1〜10の整数を示す。)
  6. 前記R、RおよびRで表されるアルキル基が、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s-ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基よりなる群から選ばれたいずれか一つであることを特徴とする、請求項5記載の難燃性樹脂組成物。
  7. 前記(A)成分のエポキシ樹脂と(B)成分の硬化剤の含有量の割合が、エポキシ樹脂のエポキシ当量と硬化剤の活性水素当量の割合で1:0.5ないし1:2.0であることを特徴とする、請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  8. 前記(A)成分のエポキシ樹脂と(B)成分の硬化剤の含有量の割合が、エポキシ樹脂のエポキシ当量と硬化剤の活性水素当量の割合で1:0.6ないし1:1.5であることを特徴とする、請求項7記載の難燃性樹脂組成物。
  9. 前記硬化促進剤が、第三級アミン、第三級ホスフィン、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩及びイミダゾール化合物よりなる群から選ばれたものであることを特徴とする、請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  10. 前記硬化促進剤の含有量が、その組成物の総重量を基準に0.02重量%ないし3.0重量%であることを特徴とする、請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  11. 前記硬化促進剤の含有量が、その組成物の総重量を基準に0.05重量%ないし2.0重量%であることを特徴とする、請求項10記載の難燃性樹脂組成物。
  12. 前記無機フィラーが、溶融した二酸化ケイ素、結晶化した二酸化ケイ素、石英ガラス粉、滑石粉、酸化アルミニウム粉および炭酸カルシウム粉よりなる群から選ばれたものであることを特徴とする、請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  13. 添加剤をさらに含んでいることを特徴とする、請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  14. 前記添加剤が、着色剤、カップリング剤、離型剤および抗酸化剤よりなる群から選ばれたものであることを特徴とする、請求項13記載の難燃性樹脂組成物。
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