JP4560255B2 - トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法、又はトナージェット方式記録法の如き画像形成方法に用いられるトナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法は、米国特許第2,297,691号明細書等に記載されている如く、多数の方法が知られており、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段で感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙等の転写部材にトナー画像を転写した後、加熱、圧力、或いは溶剤蒸気等により定着し複写物を得る方法が広く知られている。また、トナーを用いて現像する方法、或いはトナー画像を定着する方法としては、従来各種の方法が提案され、それぞれの画像形成プロセスに適した方法が採用されている。
【0003】
従来、これらの目的に用いるトナーとしては、一般に熱可塑性樹脂中に染・顔料からなる着色剤を溶融混合し、均一に分散した後、溶融混練物を冷却固化させ、微粉砕装置、分級機により所望の粒径を有するトナーを製造する粉砕法が知られている。
【0004】
この製造方法はかなり優れたトナーを製造し得るが、ある種の制限、即ちトナー用材料の選択範囲に制限がある。例えば粉砕法でトナーを製造する場合では、樹脂着色剤分散体が十分に脆く、経済的に可能な製造装置で微粉砕し得るものでなくてはならない。ところがこういった要求を満たすために樹脂着色剤分散体を脆くすると、実際に高速で微粉砕した場合に、形成された粒子の粒径範囲が広くなり易く、特に比較的大きな割合の微粒子がこれに含まれるという問題が生ずる。さらに、このように脆性の高い材料は、複写機等現像用に使用する際、さらなる微粉砕ないしは粉化を受け易い。
【0005】
また、この方法では、着色剤等の固体微粒子を樹脂中へ完全に均一に分散することは困難であり、その分散の度合いによっては、カブリの増大、画像濃度の低下や混色性・透明性の不良の原因となるので、分散に注意を払わなければならない。また、破断面に着色剤が露出することにより、現像特性の変動を引き起こす場合もある。
【0006】
一方、これら粉砕法によるトナーの問題点を克服するため、特公昭36−10231号公報、同43−10799号公報及び同51−14895号公報等により懸濁重合法によるトナーを初めとして、各種重合法トナーやその製造方法が提案されている。例えば、懸濁重合法においては、重合性単量体に着色剤を分散させて微粒状着色剤単量体混合物を得た後、重合開始剤さらに必要に応じて架橋剤、荷電制御剤、その他添加剤を均一に溶解又は分散せしめて単量体組成物とした後、この単量体組成物を分散安定剤を含有する連続相、例えば水相中に適当な撹拌機を用いて分散し、同時に重合反応を行わせ、所望の粒径を有するトナー粒子を得る。
【0007】
この方法では粉砕工程が全く含まれないため、トナーに脆性が必要ではなく、樹脂として軟質の材料を使用することができ、また、粒子表面への着色剤の露出等が生ぜず、均一な摩擦帯電性を有するトナーが得られるという利点がある。また、得られるトナーの粒度分布が比較的シャープなことから、分級工程を省略することができ、又は分級したとしても、高収率でトナーが得られる。また、離型剤として低軟化点物質を多量にトナー中に内包化することができることから、得られるトナーが耐オフセット性に優れるという利点がある。
【0008】
前述した重合法によるトナーの製造においては、粒子状の着色剤を液状の重合性単量体に十分に分散させることが重要であり、重合性単量体を液体媒体として、これに着色剤を分散させる分散工程が一般に行われる。また、このような分散工程に用いられる分散機として種々の装置が知られている。
【0009】
従来、前記の微粒状着色剤単量体混合物を得るには特開平10−207122号公報に記載されている攪拌型メディア型分散機が用いられてきた。しかしながら、このような攪拌型メディア型分散機は、使用し続けるうちに該分散機とメディア(砥粒)が接触する接触面が磨耗し、分散能力が低下したり、磨耗物が微粒状着色剤単量体混合物に混入することにより、トナー品質へ悪影響を及ぼすという問題が生じていた。接触面とはすなわち攪拌型メディア型分散機の攪拌ロータ及び分散機ケーシングの内周面等であり、表面が磨耗すれば交換を余儀なくされていた。
【0010】
特に近年、該攪拌型メディア分散機の効率を向上させるため、小さい粒径のメディア、詳しくは粒径が5mm以下のメディアを使用することが多い。このような小さい粒径を有するメディアを使用すると分散機の効率は格段に向上するが、弊害として前記した接触面の磨耗も早くなる。接触面の磨耗に伴い、磨耗物の製品へのコンタミ防止や微粒状着色剤単量体混合物の安定生産が困難となり、攪拌ロータ及び分散機ケーシングの寿命が短く、交換頻度が増え、製品のコストアップとなっていた。
【0011】
そこで攪拌ロータ及び分散機ケーシングの表面の耐磨耗性を向上させるために、母材を焼入れしたり、浸炭処理、窒化処理したりすることを行ったが、硬化層が薄く、高温で処理するために歪みが生じたりするなどの問題があり、また表面硬さもさほど高くはなく、例えば該攪拌型メディア分散機を使用して重合トナーを製造するための微粒状着色剤単量体混合物を得る際の耐磨耗性としては不十分なものであった。
【0012】
また、攪拌ロータ及び分散機ケーシングの母材表面にセラミックス材料を溶射被膜することも行ったが、被膜層が剥離しやすく、耐磨耗性として不十分であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述のごとき問題を解決した静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することにあり、詳しくは、液体媒体中に少なくとも着色剤を分散させる工程を含む静電荷像現像用トナー製造において、不純物の混入を防止し、着色剤等の分散がより均質で、画像濃度が良好なトナーを効率良く、かつ安定的に製造することにある。
【0014】
また、本発明のさらなる目的は、高温高湿環境下及び低温低湿環境下においても良好な現像性、転写性を有し、カブリや飛び散りの少ないトナーを製造することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記した従来技術の課題を解決すべく鋭意検討の結果、メディア型攪拌分散機内のメディアが接触する接触面への表面処理と耐磨耗性、分散能力、トナーの品質に関連があることを知見して、トナーの製造方法及びこれに用いる分散機を発明するに至った。
【0016】
すなわち本発明は、液体媒体中に少なくとも着色剤を分散させる分散工程を含むトナーの製造方法において、前記分散工程は、供給口及び排出口を有するケーシングに供給口から供給した固体状の着色剤及び重合性単量体を含む混合物と砥粒とを収容し、前記ケーシングに収容された前記混合物及び前記砥粒を前記ケーシング内に回転自在に設けられている攪拌手段により攪拌し、前記ケーシング内で前記混合物と前記砥粒とを分離手段によって分離し、分離した前記混合物を排出口から排出する工程であり、攪拌時に前記砥粒と接触する前記ケーシングの内面、攪拌時に前記砥粒と接触する前記攪拌手段の表面、及び攪拌時に前記砥粒と接触する前記分離手段の表面が、少なくとも炭化クロムを含有するクロム合金のめっきでコーティングされており、攪拌時に前記砥粒と接触する前記ケーシングの前記内面、攪拌時に前記砥粒と接触する前記攪拌手段の前記表面、及び攪拌時に前記砥粒と接触する前記分離手段の前記表面は、表面硬さがビッカース硬さで900乃至1300であることを特徴とするトナーの製造方法である。
【0018】
本発明では、砥粒の直径が0.1mmから5mmであることが好ましく、また、砥粒の材質がジルコニア又はチタニアであることが好ましく、また、クロム合金のめっきの厚さが20乃至300μmであることが好ましい。
【0019】
また本発明におけるトナーの製造方法では、攪拌手段の先端部の周速が3m/sから40m/sであることが好ましく、また、ケーシング内の混合物の温度を10乃至40℃に調整することが好ましい。
【0020】
また本発明におけるトナーの製造方法では、前記ケーシング内から排出口を介して排出された混合物を供給口から再びケーシング内に供給することが好ましい。
【0021】
また本発明における分散機では、混合物の温度を調整する温度調整手段を有することが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明は、砥粒の存在下で着色剤等の固体粒子を重合性単量体等の液体媒体に分散させるにあたり、分散系において砥粒等が接触する面の一部又は全部に、後述するクロム合金めっきを施して耐磨耗性を向上させ、少なくとも前述した課題を解決するものである。
まず本発明における分散機について説明する。
【0023】
本発明の分散機は、砥粒を介在させて固体粒子を液体媒体に分散させる分散機本体と、固体粒子及び液体媒体の混合物を分散機本体に供給する供給系と、混合物を分散機本体から排出する排出系とを有し、より好ましくはさらに、排出系の混合物の一部又は全部を供給系へ供給する循環系とを有する。
【0024】
前記供給系は、少なくとも着色剤等の固体粒子と重合性単量体等の液体媒体とを混合する構成と、これによる混合物を分散機本体へ供給する構成とによって構成することができる。また循環系から供給される混合物を一時的に収容する構成を有することが、分散機本体への混合物の供給速度を制御する上で好ましい。
【0025】
このような供給系としては、固体粒子と液体媒体とを混合する攪拌槽と、ポンプ等の送液手段と、攪拌槽、送液手段及び前記分散機本体を接続する管とを有する構成が好ましくは挙げられる。上記攪拌槽は、固体粒子と液体媒体との混合状態を維持できる程度の攪拌が行えるものであれば良い。また供給系には、混合物の温度を調整するための冷却器等の温度調整手段を有することが好ましい。
【0026】
本発明の分散機では、供給系に限らず、温度調整手段を様々な部分に適用できるが、本発明では分散によって混合物の温度が上昇しやすいこと、及び液体媒体に重合性単量体を用いる場合では温度上昇は好ましくないこと等の観点から、温度調整手段としては通常、冷却手段が用いられる。
【0027】
前記排出系は、分散機本体から排出された混合物を次段に供給する構成によって構成することができる。また前記循環系は、少なくとも排出系から供給系へ混合物の流路を形成する構成によって構成することができる。このような構成としては、排出系と供給系とを接続する管と、排出系、次段への流路、及び供給系への流路を切り換える三方弁等の切り換え手段とを有する構成が挙げられる。
【0028】
前記循環系と供給系との接続は、排出系の混合物を再び分散機本体に供給できる位置であれば特に限定されず、例えば供給系にポンプ等の送液手段を設ける場合では、送液手段の上流側に管を接続することで循環系を構成しても良いが、供給系に前記攪拌槽を設ける場合では、混合物における固体粒子の分散状態を維持する観点から、前記循環系は、排出系と前記攪拌槽とを接続することが好ましい。
【0029】
なお供給系、排出系、及び循環系には、混合物の状態を保つため、あるいは混合物の状態を検出するためなどの種々の手段を任意に設けることができる。このような手段としては、例えば混合物の温度を調整するための冷却器や、温度計、圧力計、安全弁、バルブ等が挙げられる。
【0030】
前記分散機本体は、供給系と接続される供給口及び排出口と接続される排出口とを有し、砥粒及び混合物を収容するケーシングと、このケーシング内に回転自在に設けられケーシング内に収容された砥粒及び混合物を攪拌する攪拌手段と、ケーシング内で混合物を砥粒とを分離する分離手段とを有する。
【0031】
前記ケーシングは、攪拌手段や分離手段の種類や形状等に応じて種々の形態を取り得、その形状については特に限定されないが、所定の軸について回転対称な形状であることが好ましい。なお、供給口及び排出口は、用いられる攪拌手段の種類や分離手段の種類に応じて適当な位置に設けることが好ましい。
【0032】
前記攪拌手段は、ケーシング内の砥粒及び混合物を攪拌するものであれば特に限定されないが、回転によって生じる遠心力によって混合物を流動させ、かつ砥粒同士、及び砥粒とケーシング、あるいは砥粒と分離手段との間に剪断を生じさせるものであることが、攪拌手段の長寿命化や、固体粒子の細密な分散を行う上で好ましい。
【0033】
前記分離手段は、ケーシング内で砥粒と混合物とを分離するものであれば特に限定されない。このような分離手段としては、例えば砥粒の粒径よりも小さな隙間を有し、必要に応じて前記排出口に接続される混合物用通路を有するものが好ましくは用いられる。このような分離手段としては、例えばスペーサーを介して重ねられた複数枚の板状部材で構成される分離手段が挙げられる。
【0034】
前述したケーシング、攪拌手段、及び分離手段を有する分散機本体としては、例えばOBミル(ORIVER BATLLE社製)などがあげられるが、これに特定するものではなく、他の例としてはコボールミル(神鋼パンテック社製)、ダイヤモンドファインミル(三菱重工業社製)、SCミル、ハンディミル、アトライター(三井鉱山社製)、アペックスミル(コトブキ技研社製)、スーパミル(井上製作所社製)、DEFビーズミル(DRAISWERKE、INC製)、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)等を挙げることができる。
【0035】
本発明の分散機は、攪拌時に砥粒と接触するケーシングの内面、攪拌手段の表面、及び分離手段の表面は、その一部又は全部が少なくとも炭化クロムを含有するクロム合金のめっきでコーティングされていることを特徴とする。
【0036】
前記コーティングは、分散機本体の形態等に応じて適当な箇所に行うことができ、例えばケーシングと攪拌手段のみをコーティングしても良いし、攪拌手段と分離手段のみをコーティングしても良いし、又はケーシング、攪拌手段、及び分離手段の表面のうち、攪拌によって砥粒の流れを強く受ける部分のみをコーティングしても良い。
【0037】
一般に分散機本体内の攪拌手段や分散機ケーシング等の母材には、SUS440Cなどが用いられることが多い。これらの母材表面を上記クロム合金でコーティングすることにより、表面硬さが大きく、耐磨耗性が高くなり、長寿命の攪拌ロータや分散機ケーシングになる。ここで、クロム合金に存在する、分子間結合力の強い炭化クロム(Cr23C6)が母材表面との密着性を高め、剥離やクラックといった現象の発生頻度を極力少なくすることができる。
【0038】
また前記クロム合金には他の金属元素等を含有するものであっても良く、このような他元素としては、例えばFe、Ga、Pd、Sb等が挙げられる。
【0039】
本発明において、炭化クロムを含有するクロム合金の母材表面へのコーティングは「めっき」により形成される。めっき処理によれば、焼き入れに見られる熱的影響も受けることがなく、表面を均一かつ滑らかに仕上げ、摩擦係数を小さくして耐磨耗性を向上させることが可能となる。めっき処理した後、攪拌手段やケーシング表面の表面粗さを整えるために、バフ研磨の如き研磨処理やショットブラストの如きブラスト処理を施しても良い。
【0040】
後述するトナーの製造に本発明の分散機を適用する場合では、前記攪拌手段やケーシングの表面硬さは、ビッカース硬さで900乃至1300であることが好ましい。更に好ましい表面硬さはビッカース硬さで950乃至1250であり、特に好ましくはビッカース硬さで970〜1230である。本発明における表面硬さは、例えば島津製作所、ダイナミック微小硬度計DVH−200を用いて測定することができ、荷重0.4903Nを30秒間保持する条件で測定することが好ましい。
【0041】
表面硬さがビッカース硬さで900乃至1300の範囲であることにより、ケーシング内で砥粒と接触する接触面の磨耗量を極力少なくすることができ、攪拌手段やケーシング等の交換頻度を少なくすることができる。上記表面硬さが900未満では耐磨耗性が低下しやすく、上記表面硬さが1300を超える場合には表面が硬すぎて脆くなるため剥離・クラックが生じやすくなり、攪拌手段やケーシングの交換頻度が増加してしまう傾向にある。
【0042】
しかしながら、炭化クロムを含有するクロム合金めっきでコーティングされた攪拌手段やケーシング等を有する分散機によっても、例えば材質がジルコニアの砥粒を用い、カーボンブラックの如き硬い顔料を粉砕、分散を続けるうちに、従来の耐磨耗処理を施した攪拌手段やケーシング等よりは程度が軽いが、砥粒との接触面の微小な磨耗又は剥離が発生する可能性は完全には否定できない。
【0043】
このような事態に対応するために、磨耗又は剥離しためっき成分を除去し、露出した攪拌手段やケーシング等の母材表面に、前記のめっきで再度コーティングして分散に再度用いることが好ましい。このような方法によれば攪拌手段やケーシング等の母体は損傷することなく使用し続けることができ、有効に資源を利用することができる。
【0044】
上記の炭化クロム含有クロム合金めっき層の厚さは20乃至300μmであることが好ましく、30〜200μmであることが更に好ましい。めっき厚が20μm未満では耐磨耗性向上効果が十分に発揮されず、300μmを超える場合にはコーティング処理が困難になり、コーティングコストが増大する。このような炭化クロムを含有するクロム合金めっきとしては、ダイクロン(日本コーティング社等)めっき/コーティングが挙げられる。
【0045】
また、分散の際に発熱を起こすと単量体組成物に影響を与えやすいので、循環システムのライン中に冷却手段として熱交換機を設置して熱交換を行いながら運転してもよい。その際、液体媒体と固体粒子との混合物の温度は、10〜40℃(更に好ましくは15〜35℃)に調整するのが好ましい。
【0046】
また、本発明の分散機において、着色剤等の分散性向上の点、砥粒のハンドリング性から、砥粒の直径は0.1mmから5mmであることが好ましい。砥粒の直径が0.1mmよりも小さいと分離手段による円滑かつ安定した分離が困難であり、5mmより大きな砥粒を使用すると着色剤の分散性が非常に悪化して好ましくない。
【0047】
また、本発明では、着色剤等の分散性や砥粒の磨耗、装置自体の安定的な運転の点で、攪拌手段先端部の周速を5m/sから40m/sの範囲で用いることが好ましく、さらに、7m/sから30m/sの範囲で用いることがより好ましい。なお攪拌手段先端部の周速とは、回転自在な攪拌手段の回転軸から最も離れた部分の回転速度をいう。
【0048】
また本発明では、分散機に使用される砥粒の材質としては、例えば、ガラス、スチール、クロム合金、アルミナ、ジルコニア、ジルコン、チタニア等が挙げられる。上述した砥粒の材質の中でも、耐磨耗性の点からジルコニア、チタニアがより好ましい。
【0049】
以下、本発明の分散機の具体例を示す。
本発明の分散機の一例として、図1乃至図4を示す。図1は本発明の分散機における全体構成の一例を示し、図2は本発明に用いる分散機本体の側面図を示し、図3は図1中のA−A’断面図、図4は分散機本体内部の概略図である。
【0050】
本発明の分散機は、図1に示すように、重合性単量体等の液体媒体及び着色剤の混合物を収容するホールディングタンク8と、循環ポンプ10と、分散機本体と、冷却手段11と、三方バルブ20とを有しており、これらは前記混合物の流路を形成するパイプによって接続されている。三方バルブ20の一方は冷却手段11と接続されており、他の一方はホールディングタンク8と接続されており、さらに他の一方は次段と接続されている。またバルブや温度計、圧力計等が適所に配置されている。
【0051】
なお、ホールディングタンク8から分散機本体までのパイプ及びポンプは本発明でいうところの供給系を形成し、分散機本体から三方バルブ20までのパイプ等は本発明でいうところの排出系を形成し、三方バルブ20からホールディングタンク8までのパイプは本発明でいうところの循環系を形成している。
【0052】
ホールディングタンク8は、液体媒体と着色剤を混合し、これらの分散状態を維持するためのものであり、外側には冷却水導入口16及び冷却水排出口17を有するジャケット18を有し、内側には攪拌モータ13に接続されている攪拌翼を有し、上記混合物の攪拌及び温度調整が可能な構成とされている。
【0053】
分散機本体は、図2に示されるように、分散機本体における攪拌動力や冷却水の生成及び循環を行うための各種手段が収納されている分散機本体用ユニット1と、分散機本体用ユニット1に支持されているケーシング2とを有している。
【0054】
ケーシング2は、図3に示されるように、原料投入口7と排出口9とを有しており、外側には冷却水導入口21と冷却水排出口22とを有するジャケット6が形成されており、攪拌手段である攪拌ロータ3と分離手段であるピラミッドスクリーン4とを収容している。攪拌ロータ3は、冷却水導入口21及び冷却水排出口22を有するジャケット6が内部に形成されている。ピラミッドスクリーン4は、円盤及びリング板状部材を所定の間隔を有して重ねた構成を有しており、円盤は最も径が小さく、リング板状部材は円盤から離れるにしたがい径が大きくなり、リング板状部材の環の内側には、上記間隔を通過した流体を通し排出口9に接続されている通路が形成されている。
【0055】
なおケーシング2の内壁、攪拌ロータ3の表面、及びピラミッドスクリーン4の表面には、炭化クロムを含有するクロム合金のめっきでコーティングされている。
【0056】
まず重合性単量体等の液体媒体と着色剤とをホールディングタンク8に収容し、攪拌によって混合する。得られた液状単量体混合物は、循環ポンプ10を介して原料投入口7より供給される。一方でケーシング2内には砥粒5が予め収容されている。なお三方バルブ20は、次段への流路を塞ぎ、排出系と循環系を接続するようにバルブの向きを調整されている。
【0057】
攪拌ロータ3が回転している状態では、攪拌ローター3の回転による遠心力によって砥粒5同士のせん断力及び砥粒5とケーシング2とのせん断力が生じて砥粒がケーシング内壁側で層を形成し、この状態で、原料投入口7から液状単量体混合物をケーシング2内に投入すると、液状単量体混合物は形成された砥粒層を通過し、液状単量体混合物中の着色剤は確実に微分散される。また、ケーシング2及び攪拌ロータ3に形成されたジャケット6に冷却水を循環させ、液状単量体混合物の発熱を抑制する。
【0058】
液状単量体混合物は、ピラミッドスクリーン4で砥粒5と分離されてから排出口9より排出され、冷却手段11を経由してホールディングタンク8へ戻る。ホールディングタンク8内の単量体混合物は、分散機本体とホールディングタンク8との間の循環を繰り返し、均一にかつ効率よく微粒状着色剤の重合性単量体への分散が行われる。十分な分散が行われたら、循環系を塞ぎ、排出系と次段への流路とを接続するように三方バルブ20の向きを変えて、分散物を次段へ送る。
【0059】
また本発明の分散機としては、例えば図6から図11に示されるような分散機が挙げられる。この分散機は、全体構成としては前述した分散機本体が異なる以外は同じ構造である。
【0060】
この分散機の分散機本体は、図8及び図9に示されるように、液体供給口36及び液体排出口37を有するケーシング32と、駆動軸51に接続されケーシング32内に収容されている攪拌ロータ33と、ケーシング32内に収容され攪拌ロータ33の外周面及びケーシング32の内周面の間に周設されている分離手段であるセパレータ34とを有している。液体供給口36はケーシング32の端面中心部に設けられており、液体排出口37はケーシング32周面に設けられている。
【0061】
攪拌ロータ33は、図10に示されるように、円盤部と、この円盤部の中心に立設し駆動軸51の先端が挿入、固定される円筒状の接続部と、円盤部の外縁部から立設し周面を形成する外周部とを有する。外周部には外向きに複数の突起が設けられており、また円盤部と外周部には複数の貫通口が設けられている。
【0062】
セパレータ34は、図11に示されるように、リング状の板状部材を、スペーサーを介して重ね、板状部材間にスリット34aを形成した構成とされている。
なお攪拌ロータ33の表面及びセパレータ34の表面には、炭化クロムを含有するクロム合金のめっきでコーティングされている。
【0063】
この分散機本体も、攪拌ロータ33が回転している状態では、攪拌ローター3の回転による遠心力によって砥粒がセパレータ34の内周側で層を形成し、また砥粒5同士のせん断力及び砥粒5とセパレータ34とのせん断力が生じる。
【0064】
この状態で、液体供給口36から液状単量体混合物をケーシング32内に投入すると、液状単量体混合物は、攪拌ロータ33の前記外周部に形成された貫通口を通過し、さらに砥粒層を通過し、液状単量体混合物中の着色剤は確実に微分散される。セパレータ34で分離された液状単量体混合物は、遠心力によって液体排出口37より排出される。
【0065】
また本発明の分散機としては、例えば図12に示されるような分散機が挙げられる。この分散機は、全体構成としては前述した分散機本体が異なる以外は、基本的には同様に構成されている。
【0066】
この分散機の分散機本体は、本体ケーシング121と、本体ケーシング121内に収容され回転自在なアジテータシャフト124及びこれに設けられる複数のアジテータディスク128を有する攪拌手段と、図示しない分離手段とを有している。本体ケーシング121には、一端側に原料投入口122が形成されており、他端側に排出口123が形成されている。
【0067】
アジテータディスク128は、円盤形状に形成されており、循環ポンプ126により、本体ケーシング121内に供給された流体を原料投入口122側から排出口123側へ送るように構成されている。なお本体ケーシング121の内壁、アジテータディスク128及びアジテータシャフト124の表面、及び前記分離手段の表面には、炭化クロムを含有するクロム合金のめっきでコーティングされている。
【0068】
この分散機本体も、アジテータシャフト124の回転により、砥粒125同士のせん断力及び砥粒125と本体ケーシング121内壁とのせん断力が生じて砥粒の層が形成され、液状単量体混合物中の着色剤は確実に微分散される。分離手段で分離された液状単量体混合物は排出口123から排出される。
【0069】
本発明のトナーの製造方法は、液体媒体中に少なくとも着色剤を分散させる分散工程を含み、この分散工程は、液体媒体中の混合物を砥粒の存在下で液体媒体中に分散させ、より好ましくはさらに液体媒体と着色剤の混合物を砥粒の存在する分散系に循環させるにあたり、前記分散系において砥粒と接触する面の一部又は全部が、炭化クロムを含有するクロム合金のめっきでコーティングされていることを特徴とする。
【0070】
上記分散工程は、トナーの製造において、重合性単量体中に着色剤を分散させる場合に好適に用いられるが、必要に応じて他の粒子状材料を併せて分散させる工程であっても良い。このような分散工程を適用できるトナーの製造方法としては、例えば特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報に述べられている、懸濁重合方法を用いて直接トナーを生成する方法が挙げられる。本発明においては、一旦得られた粒子に更に単量体を吸着せしめた後、重合開始剤を用い重合せしめる、所謂シード重合方法も本発明に好適に利用することができる。
【0071】
本発明のトナーの製造方法をより具体的に説明する。
液体媒体中(例えば重合性単量体)に着色剤を少なくとも加え、上記の如き分散機により分散せしめた後、低軟化点物質からなる離型剤その他の添加剤等、従来より知られている種々の材料から適当なものを加え、分散安定剤を含有する水相中に、通常の撹拌機又はクリアミキサー、ホモジナイザー、ホモミキサー、フィルミックス、超音波分散機等によって均一に分散せしめる。好ましくは単量体液滴が所望のトナーサイズを有するように攪拌速度、時間を調整し、造粒する。
その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、かつ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。
【0072】
この時の攪拌翼としては容器内全体を均一に攪拌できる装置であれば使用可能であるが、一般的なパドル翼、三枚後退翼、アンカー翼、より好ましくはフルゾーン翼(神鋼パンテック社製)、マックスブレンド翼(住友重機械工業社製)、サンメラー翼(三菱重工業社製)、Hi−Fミキサー翼(総研化学社製)、ベンドリーフ翼(八光産業社製)が用いられる。
【0073】
重合開始剤は分散機により分散せしめた後であればどの時点で加えてもよく、具体的には分散安定剤を含有する水相中で、造粒せしめる直前や、水相中に造粒途中、及び水相中で造粒終了後のいずれでも良い。重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定して重合を行うのが良い。また、重合反応後半に昇温しても良く、更に、トナー定着時の臭いの原因等となる未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・濾過及び乾燥してトナー粒子を製造する。例えば懸濁重合法においては、通常単量体系100質量部に対して水300〜3000質量部を分散媒として使用するのが好ましい。
【0074】
本発明においては、定着性の観点から多量の低軟化点物質をトナーに含有せしめる場合があり、このような場合では、必然的に低軟化点物質を外殻樹脂中に内包化せしめる必要がある。
【0075】
例えば懸濁重合法によりトナー粒子を得る方法において低軟化点物質を内包化せしめる具体的方法としては、水系媒体中での材料の極性を主要単量体より低軟化点物質の方を小さく設定し、更に少量の極性の大きな樹脂又は単量体を添加せしめることで低軟化点物質を外殻樹脂で被覆した、所謂コア−シェル構造を有するトナーを得ることができる。
【0076】
トナーの粒度分布制御や粒径の制御は、難水溶性の無機塩や保護コロイド作用をする分散剤の種類や添加量を変える方法や、用いる装置の機械的条件、例えば重合性単量体組成物粒子を得る分散ローターの周速、パス回数、撹拌羽根形状等の撹拌条件や容器形状、又は水溶液中での固形分濃度等を制御することにより所定の粒度分布を持ったトナーを得ることができる。
【0077】
本発明においてトナーの断層面を測定する具体的方法としては、常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナーを十分分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させ、得られた硬化物を四三酸化ルテニウム、必要により四三酸化オスミウムを併用し染色を施した後、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い薄片状のサンプルを切り出し、透過電子顕微鏡(TEM)を用いトナーの断層形態を測定する方法が挙げられる。
【0078】
上記測定においては、用いる低軟化点物質と外殻を構成する樹脂との、若干の結晶化度の違いを利用して、材料間のコントラストを付けるため四三酸化ルテニウム染色法を用いることが好ましい。代表的な一例を図5に示す。なお、後述する実施例で得られたトナー粒子は、明らかに低軟化点物質が外殻樹脂で内包化されていることが、上記の測定によって観測された。
【0079】
本発明のトナーの製造方法では、液体媒体として重合性単量体を用いる場合があるが、このような場合に使用できる重合性単量体としては、スチレン、o(m−、p−)−メチルスチレン、m(p−)−エチルスチレンの如きスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;ブタジエン、イソプレン、シクロヘキセン、(メタ)アクリロニトリル、アクリル酸アミド等のビニル系単量体が好ましく用いられる。
【0080】
これらは、単独又は一般的には出版物ポリマーハンドブック第2版III−P139〜192(John Wiley&Sons社製)記載の理論ガラス温度(Tg)が、40〜75℃を示すように単量体を適宜混合し用いられる。理論ガラス転移温度が40℃未満の場合には、トナーの保存安定性や現像剤の耐久安定性の面から問題を生じることがあり、一方75℃を超える場合は定着点の上昇をもたらし、特にフルカラートナーの場合においては各色トナーの混色が不十分となり色再現性に乏しく、さらにOHP画像の透明性を著しく低下させやすく、高画質の面から好ましくない。
【0081】
本発明に用いられる低軟化点物質としては、ASTM D3418−8に準拠し測定された主体極大ピーク値が40〜90℃を示す化合物が好ましい。極大ピークが40℃未満であると低軟化点物質の自己凝集力が弱くなり、結果として耐高温オフセット性が弱くなりフルカラー画像形成トナーには好ましくない。一方、極大ピークが、90℃を超えると定着温度が高くなり、定着画像表面を適度に平滑化せしめることが困難となり混色性の点から好ましくない。
【0082】
更に直接重合法によりトナーを得る場合においては、水系で重合性単量体組成物の粒子を得(造粒)、重合を行うため極大ピーク値の温度が高いと、主に造粒中に低軟化点物質が析出してきて懸濁系を阻害するため好ましくない。
【0083】
上記低軟化点物質の、極大ピーク値の温度の測定には、例えばパーキンエルマー社製DSC−7を用いる。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。サンプルは、アルミニウム製パンを用い対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/min.で測定を行う。
【0084】
低融点物質としては、具体的にはパラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、フィッシャートロピッシュワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、エステルワックス及びこれらの誘導体又はこれらのグラフト/ブロック化合物等を利用することができる。
【0085】
また、低軟化点物質はトナー中へ5〜30質量%添加することが好ましい。仮に5質量%未満の添加では十分なトナーの定着性が得られず、30質量%を超える場合は、造粒時にトナー粒子同士の合一が起き易く、粒度分布の広いトナーが生成し易く、本発明には不適当である。
【0086】
本発明においては、外殻樹脂中に低軟化点物質を内包化せしめるため外殻樹脂の他に更に極性樹脂を添加せしめることが特に好ましい。本発明に用いられる極性樹脂としては、スチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体、マレイン酸共重合体、飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂が好ましく用いられる。該極性樹脂は、外殻樹脂又は単量体と反応しうる不飽和基を分子中に含まないものが特に好ましい。不飽和基を有する極性樹脂を含む場合においては、外殻樹脂層を形成する単量体と架橋反応が起きフルカラー用トナーとしては、極めて高分子量になり四色トナーの混色には不利となり好ましくない。
【0087】
本発明に用いられる着色剤は、黒色着色剤としてはカーボンブラック、磁性体等が用いられる。
【0088】
磁性体を着色剤として用いて磁性トナーを製造する場合は、以下に挙げるような磁性体を使用することができる。この場合、磁性トナーに含まれる磁性体としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライトの如き酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe、Co、Niのような金属、或いは、これらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Be、Bi、Cd、Ca、Mn、Se、Ti、W、Vのような金属との合金、及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0089】
具体的には、磁性体としては、四三酸化鉄(Fe3O4)、三二酸化鉄(γ−Fe2O3)、酸化鉄亜鉛(ZnFe2O4)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe5O12)、酸化鉄カドミウム(CdFe2O4)、酸化鉄ガドリニウム(Gd3Fe5O12)、酸化鉄銅(CuFe2O4)、酸化鉄鉛(PbFe12O19)、酸化鉄ニッケル(NiFe2O4)、酸化鉄ニオジム(NdFe2O3)、酸化鉄バリウム(BaFe12O19)、酸化鉄マグネシウム(MgFe2O4)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄粉(Fe)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)等が挙げられる。上述した磁性体を単独で或いは二種以上組み合わせて使用する。
【0090】
これら磁性体の形状としては、八面体、六面体、球状、針状、鱗片状などがあるが、八面体、六面体、球状等の異方性の少ないものが好ましい。
【0091】
黒色着色剤として磁性体を用いた場合には、他の着色剤と異なり、樹脂100質量部に対し40〜150質量部添加して用いられ、磁性体表面が疎水化処理されていることが好ましい。
【0092】
カラー用としては、以下のイエロー、マゼンタ、及びシアン着色剤を用いることができる。
【0093】
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168等が好適に用いられる。
【0094】
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48;2、48;3、48;4、57;1、81;1、122、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254が特に好ましい。
【0095】
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に利用できる。
【0096】
これらの着色剤は、単独又は混合し、さらには固溶体の状態で用いることができる。本発明の着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は、樹脂100質量部に対し1〜20質量部添加して用いられる。
【0097】
本発明では、トナーの帯電性を制御するために荷電制御剤をトナー材料に用いても良い。本発明に用いられる荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、無色でトナーの帯電スピードが速く、かつ一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。更に本発明において直接重合方法を用いる場合には、重合阻害性がなく、水系への可溶化物のない荷電制御剤が特に好ましい。
【0098】
具体的な化合物としては、ネガ系としてサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の金属化合物、スルホン酸、カルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリークスアレーン等が利用でき、ポジ系として四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物等が好ましく用いられる。
【0099】
該荷電制御剤は樹脂100質量部に対し0.5〜10質量部が好ましい。しかしながら、本発明において荷電制御剤の添加は必須ではなく、二成分現像方法を用いた場合においてはキャリヤーとの摩擦帯電を利用することによって、非磁性一成分ブレードコーティング現像方法を用いた場合においてもブレード部材やスリーブ部材との摩擦帯電を積極的に利用することによってトナーの帯電性を制御することが可能であり、トナー中に必ずしも荷電制御剤を含む必要はない。
【0100】
本発明に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルパーオキシルジエチルヘキサネート等の過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
【0101】
該重合開始剤の添加量は、目的とする重合度により変化するが、一般的には単量体に対し0.5〜20質量%添加され用いられる。重合開始剤の種類は、重合方法により若干異なるが、10時間半減期温度を参考に、単独又は混合し利用される。
【0102】
また本発明では、重合度を制御するため公知の架橋剤、連鎖移動剤、重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
【0103】
本発明において、特に分散剤を用いた懸濁重合を利用する場合に用いる分散剤としては、無機化合物として、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等が挙げられる。また有機化合物としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸及びその塩、デンプン等を水相に分散させて使用できる。これら安定化剤は、重合性単量体100質量部に対して0.2〜20質量部を使用することが好ましい。
【0104】
これら安定化剤の中で、無機化合物を用いる場合、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい粒子を得るために、分散媒中にて該無機化合物を生成させても良い。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合すると良い。
【0105】
また、これら安定化剤の微細な分散の為に、0.001〜0.1質量部の界面活性剤を使用してもよい。これは上記分散安定化剤の所期の作用を促進する為のものであり、その具体例としては、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等が挙げられる。
【0106】
本発明においては、長時間連続運転を行っても分散機内の磨耗がごく少なく、またコンタミも少ないことから、安定的に微粒状着色剤が微細にかつ均一に液体媒体中(例えば重合性単量体中)に分散される結果、重量平均流径が4乃至10μm(より好適には4乃至9μm)であり、個数分布における変動係数35%以下(より好適には30%以下)の粒度分布のシャープな小粒径トナーを効率良く、かつ安定的に生成し得る。
【0107】
なお、トナーの粒度分布は種々の方法によって測定できるが、本発明においてはコールターカウンターを用いて行うことが好ましい。
【0108】
測定装置としてはコールターカウンターマルチサイザーI型あるいはII型あるいはIIe型(コールター社製)を用い、個数平均分布、体積平均分布を出力するインターフェイス(日科機製)及び一般的なパーソナルコンピューターを接続し、特級又は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を電解液として調製する。
【0109】
測定法としては前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記コールターカウンターマルチサイザーII型により、アパチャーとして100μmアパチャーを用いて、個数を基準として2〜40μmの粒子の粒度分布を測定して、それから各種値を求める。
【0110】
また上記個数分布における変動係数は下記式から算出される。
【数1】
変動係数(%)=[S/D1]×100
[式中、Sはトナー粒子の個数分布における標準偏差を示し、D1はトナー粒子の個数平均径(μm)を示す。]
【0111】
【実施例】
<実施例1>
図1乃至図4に示す分散機を使用して分散工程を行った。分散工程において、ホールディングタンク8内に、スチレン単量体170質量部、微粒状マゼンタ着色剤(C.I.ピグメントレッド122、個数平均粒径0.05μm以下)10質量部、及び負荷電制御剤(ジアルキルサリチル酸の金属化合物)3質量部を導入し、攪拌モータ13で攪拌羽根を回転し、微粒状マゼンタ着色剤を含有しているスチレン単量体混合物を調製した。
【0112】
その際、ジャケット18に冷却水を冷却水導入口16から導入し、冷却水排出口17から排出することにより、スチレン単量体混合物の液温を約20℃に調整した。
【0113】
調整されたスチレン単量体混合物を循環ポンプ10により、球形の砥粒(直径0.3mmのジルコニア球形粒子)が1.76×10-3m3充填されている分散機本体に導入した。なお分散機本体の攪拌ロータ及びケーシング内面は、炭化クロムを含有したクロム合金めっきでコーティングした(めっき厚150μm、表面硬さ(ビッカース硬度:HV)1050、製品名:ダイクロンメッキ/コーティング)。
【0114】
分散機本体はケーシング2内に攪拌ロータ3を有し(攪拌ロータ径=210mm)、攪拌ロータ3は分散機が有するモーター(図示せず)によって駆動され、周速16m/secで攪拌ロータ3を回転させながら、原料投入口7からスチレン単量体混合物を導入した。スチレン単量体混合物のケーシング2内への導入量を2.4×10-2m3/hとなるように循環ポンプ10によって調整した。その際、ケーシング内の内圧は30kPaであった。
【0115】
原料投入口7から導入されたスチレン単量体混合物は攪拌ロータ3の回転による遠心力によって形成された砥粒層を通過し、砥粒5のせん断力により、微粒状着色剤は微細化され、スチレン単量体混合物に分散された。その後、液状単量体混合物は、ピラミッドスクリーン4で砥粒5と分離されてから排出口9より排出され、バルブ19、温度計12、冷却手段11を経由してホールディングタンク8へ戻る。ホールディングタンク8内の単量体混合物は、分散機本体とホールディングタンク8との間の循環を繰り返しながら、均一にかつ効率よく微粒状着色剤の重合性単量体への分散が行われる。
【0116】
排出口9から排出されたスチレン単量体混合物は、温度計12で測定すると温度30℃なので、冷却水が冷却水導入口14から導入され、冷却水排出口15から排出している冷却手段11及びジャケット6(冷却水導入口21、冷却水排出口22)によりスチレン単量体混合物を温度20℃に調整した。微粒状着色剤をスチレン単量体混合物に60分間かけて分散工程において分散し、微粒状着色剤が微細に均一に分散された微粒状着色剤単量体混合物を、三方バルブ20を操作して次工程に搬送した(これを一回の分散とする)。本実施例の分散条件を表1に示す。
【0117】
また、分散液中の微粒状着色剤の分散状態については、分散液のグロス(光沢度)を測定することにより測定した。分散液のグロスは、分散液をアート紙に均一に塗布し、十分に乾燥した後測定した。すなわち微粒状着色剤が良好に分散すると塗布表面に平滑さとつやが生まれグロス値が高くなる。逆に微粒状着色剤の分散が不良な場合、塗布表面に凹凸が残り、くすむことからグロス値が低くなる。グロス(光沢度)の測定には、日本電色社製VG−10型光沢度計を用いた。
【0118】
測定にあたっては、まず定電圧装置により6Vにセットし、次いで投光角度、受光角度をそれぞれ60°に合わせ、0点調整及び標準板を用い、標準設定の後に試料台の上に白紙を3枚重ね、その上に前記塗布試料を置き、測定を行い、表示部に示される数値を%単位で読みとった。結果を表2に示す。
【0119】
評価基準としてはグロス値が40%以上であると良好な分散性を示し、35%以上40%未満では若干画像に問題があるものの実用上問題がない分散性、35%未満では画像に与える影響がかなり激しく製品上好ましくない分散性を示す。
【0120】
また、上記した分散工程を60回繰り返した後、攪拌ロータ及びケーシングの目視検査を行ったが、磨耗等の異常は認められなかった。
【0121】
次工程においては、上記分散工程で得られた各回ごとの微粒状着色剤単量体混合物に、n−ブチルアクリレート単量体30質量部、極性樹脂(飽和ポリエステル樹脂=テレフタル酸とプロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとの縮重合したポリエステル樹脂、酸価13mgKOH/g、メインピーク分子量7000)20質量部、及びエステルワックス25質量部を添加し、温度60℃で混合し、さらに、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10質量部を添加して、重合性単量体組成物を調製した。
【0122】
一方、各回ごとに高速攪拌装置TK−ホモミキサーを備えた四つ口容器中にイオン交換水710質量部と0.1モル/リットル−Na3PO4水溶液450質量部を添加してTK−ホモミキサーの回転数を200rpsに調整し、加温せしめた。そして各回ごとに1.0モル/リットルCaCl2水溶液68質量部を添加し微小な難水溶性分散剤Ca3(PO4)2を含む分散媒体系を調製した。
【0123】
温度60℃に加温した重合性単量体組成物268質量部を温度60℃に加温した媒体系へ投入し、各回ごとにTK−ホモミキサーを200rpsで回転させながら13分間造粒した。その後高速攪拌器からプロペラ攪拌羽根に攪拌器を変え、60℃で5時間反応させた後、液温80℃とし、10時間反応させた。
【0124】
重合終了後、各毎工程のスラリーを一部分サンプリングし、更に洗浄乾燥せしめ、得られたマゼンタトナーの物性を測定した。前述のように60回の分散工程を行ったうちの、2回目、10回目、30回目、60回目の重合性単量体組成物粒子を用いたマゼンタトナーの重量平均粒径を、コールターカウンターを用い測定してその造粒性を確認した。
【0125】
重合性単量体組成物粒子の安定性の指標となる造粒性については、前記したコールターカウンターで測定された個数変動係数により調べた。すなわち個数変動係数が35%未満であると良好な造粒性を示し、35%以上40%未満では若干画像に問題があるものの実用上問題がない造粒性を示し、40%以上では画像に与える影響がかなり激しく製品上好ましくない造粒性を示す。結果を表2に示す。
【0126】
また上記マゼンタトナーは、TEM観察の結果、図5に示すような低軟化点物質であるエステルワックスが外殻樹脂で覆われた構造を示していた。
【0127】
各回ごとに得られたトナー100質量部に対して、BET法による比表面積が200m2/gである疎水性シリカ0.7質量部を外添してマゼンタトナーを調製した。マゼンタトナー7質量部に対し、アクリルコートされた磁性フェライトキャリア93質量部を混合し、二成分現像剤とした。
【0128】
各回ごとに得られた二成分現像剤の中から2回目、10回目、30回目、60回目に得られた現像剤を、市販の普通紙カラー複写機(カラーレーザー複写機500、キヤノン製)にて、現像コントラストを300Vに設定し、23℃/65%下で画出しを行った。得られた画像はマクベスRD918型でSPIフィルターを使用して反射濃度測定を行った(以後の画像濃度測定方法も同様)。結果を表2に示す。
【0129】
評価基準としてはマクベス濃度値が1.2以上であると良好な画像濃度を示し、1.0以上1.2未満では若干画像に問題があるものの実用上問題がない画像濃度、1.0未満では画像に与える影響がかなり激しく製品上好ましくない画像濃度を示す。
【0130】
<実施例2>
直径0.5mmの砥粒(材質ジルコニア)1.76×10-3m3を充填して用いた以外は、実施例1と全く同様の操作を行った。その際、ケーシング内の内圧は25kPaであった。本実施例の分散条件を表1に示す。また得られたトナーの個数変動係数を表2に示す。この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行った。結果を表2に示す。また、分散液の分散性及び造粒工程における造粒性の評価を実施例1と同様の方法で評価を行った。
結果を表2に示す。
【0131】
また、TEM観察の結果、図5に示すような低軟化点物質であるエステルワックスが外殻樹脂で覆われた構造を示していた。また、60回の分散操作終了後、攪拌ロータ及びケーシングの目視検査を行ったが、磨耗等の異常は認められなかった。
【0132】
<実施例3>
直径2mmの砥粒(材質ジルコニア)1.76×10-3m3を充填して用いた以外は、実施例1と全く同様の操作を行った。その際、ケーシング内の内圧は20kPaであった。本実施例の分散条件を表1に示す。また得られたトナーの個数変動係数を表2に示す。この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行った。結果を表2に示す。また、分散液の分散性及び造粒工程における造粒性の評価を実施例1と同様の方法で評価を行った。結果を表2に示す。
【0133】
また、TEM観察の結果、図5に示すような低軟化点物質であるエステルワックスが外殻樹脂で覆われた構造を示していた。また、60回の分散操作終了後、攪拌ロータ及びケーシングの目視検査を行ったが、磨耗等の異常は認められなかった。
【0134】
<実施例4>
ロータ回転数を周速23m/sとした以外は、実施例1と全く同様の操作を行った。その際、ケーシング内の内圧は40kPaであった。本実施例の分散条件を表1に示す。また得られたトナーの個数変動係数を表2に示す。この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行った。結果を表2に示す。また、分散液の分散性及び造粒工程における造粒性の評価を実施例1と同様の方法で評価を行った。結果を表2に示す。
【0135】
また、TEM観察の結果、図5に示すような低軟化点物質であるエステルワックスが外殻樹脂で覆われた構造を示していた。また、60回の分散操作終了後、攪拌ロータ及びケーシングの目視検査を行ったが、磨耗等の異常は認められなかった。
【0136】
<実施例5>
ロータ回転数を周速10m/sとした以外は、実施例1と全く同様の操作を行った。その際、ケーシング内の内圧は20kPaであった。本実施例の分散条件を表1に示す。また得られたトナーの個数変動係数を表2に示す。この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行った。結果を表2に示す。また、分散液の分散性及び造粒工程における造粒性の評価を実施例1と同様の方法で評価を行った。結果を表2に示す。
【0137】
また、TEM観察の結果、図5に示すような低軟化点物質であるエステルワックスが外殻樹脂で覆われた構造を示していた。また、60回の分散操作終了後、攪拌ロータ及びケーシングの目視検査を行ったが、磨耗等の異常は認められなかった。
【0138】
<実施例6>
砥粒の材質をチタニアに変更した以外は、実施例1と全く同様の操作を行った。その際、ケーシング内の内圧は30kPaであった。本実施例の分散条件を表1に示す。また得られたトナーの個数変動係数を表2に示す。この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行った。結果を表2に示す。また、分散液の分散性及び造粒工程における造粒性の評価を実施例1と同様の方法で評価を行った。結果を表2に示す。
【0139】
また、TEM観察の結果、図5に示すような低軟化点物質であるエステルワックスが外殻樹脂で覆われた構造を示していた。また、60回の分散操作終了後、攪拌ロータ及びケーシングの目視検査を行ったが、磨耗等の異常は認められなかった。
【0140】
<実施例7>
初めに、めっきの厚さを20μmに変更した以外は、実施例1と全く同様の操作を行った。その際、ケーシング内の内圧は29kPaであった。本実施例の分散条件を表1に示す。また得られたトナーの個数変動係数を表2に示す。この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行った。結果を表2に示す。また、分散液の分散性及び造粒工程における造粒性の評価を実施例1と同様の方法で評価を行った。結果を表2に示す。
【0141】
また、TEM観察の結果、図5に示すような低軟化点物質であるエステルワックスが外殻樹脂で覆われた構造を示していた。また、60回の分散操作終了後、攪拌ロータ及びケーシングの目視検査を行ったが、磨耗等の異常は認められなかった。
【0142】
<実施例8>
図6乃至図11に示す分散機を使用して分散工程を行った。
本実施例で用いた分散機は、分散機本体における攪拌ロータ、ケーシング内面及び円筒状セパレータに、炭化クロムを含有したクロム合金めっきでコーティングした(めっき厚150μm、表面硬さHV1050、製品名:ダイクロンメッキ/コーティング)。
【0143】
本実施例の分散機において、ホールディングタンク38内に、実施例1と同様のスチレン単量体混合物を調製した。その際、ジャケット48に冷却水を冷却水導入口46から導入し、冷却水排出口47から排出することにより、スチレン単量体混合物の液温を約20℃に調整した。調整されたスチレン単量体混合物を循環ポンプ40により、球形の砥粒(直径0.3mmのジルコニア球形粒子)が1.6×10-3m3充填されている分散機本体に導入した。
【0144】
分散機本体はケーシング32内に攪拌ロータ33を有し(回転ロータ径A=196mm)、分散機本体が有するモーターによって駆動される駆動軸51によって回転数16.7rps(周速10.3m/s)で攪拌ロータ33を回転させ、この状態で、液体供給口36を中央部に有する第1の壁面からスチレン単量体混合物を導入した。スチレン単量体混合物のケーシング32内への導入量を0.9m3/hとなるように循環ポンプ40によって調整した。その際、ケーシング内の内圧は196.1kPaであった。
【0145】
液体供給口36から導入されたスチレン単量体混合物は、内室の中央部から攪拌ロータ33の回転により生じる遠心力により、内室52の中央部からセパレータ34の方向へ搬送され、攪拌ロータ33の回転、砥粒のせん断力及びセパレータ34上の流動している砥粒の層の間を微粒状着色剤を含有しているスチレン単量体混合物が通過することにより、微粒状着色剤は微細化されスチレン単量体混合物に分散された。そして、スリット34aを通って外室53へ、分散された微粒状着色剤を有するスチレン単量体混合物は搬送され、側壁(第2の壁面)に設けられている液体排出口37からスチレン単量体混合物を排出し、バルブ49及び温度計42を経由して冷却手段41を介してホールディングタンク38へ導入した。
【0146】
液体排出口37から排出されたスチレン単量体混合物は、温度計42で測定すると温度31℃なので、冷却水が冷却水導入口44から導入され、冷却水排出口45から排出している冷却手段41によりスチレン単量体混合物を温度20℃に調整した。微粒状着色剤をスチレン単量体混合物に60分間かけて分散工程において分散した。微粒状着色剤が微細に均一に分散されたスチレン単量体混合物を、三方バルブ50を操作して次工程に搬送した。
【0147】
その後は実施例1と全く同様の操作を行った。本実施例の分散条件を表1に示す。また得られたトナーの個数変動係数を表2に示す。この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行った。結果を表2に示す。また、分散液の分散性及び造粒工程における造粒性の評価を実施例1と同様の方法で評価を行った。結果を表2に示す。
【0148】
また、TEM観察の結果、図5に示すような低軟化点物質であるエステルワックスが外殻樹脂で覆われた構造を示していた。また、60回の分散操作終了後、攪拌ロータ及びケーシングの目視検査を行ったが、磨耗等の異常は認められなかった。
【0149】
<実施例9>
前記分散機を、図12に示すダイノーミルに変更して本実施例を行った。
実施例1と同様のスチレン単量体混合物を調製し、ホールディングタンク127に投入されたスチレン単量体混合物は、循環ポンプ126を介して原料投入口122より供給され、アジテータディスク128の回転力により運動を繰り返す砥粒125の層を通過して分散が行われ、砥粒と分離された後、排出口123より排出されてホールディングタンク127に再び戻るという循環を繰り返すことで分散が行われる。
【0150】
本実施例で用いたダイノーミルは、アジテータディスク及びケーシング内面に、炭化クロムを含有したクロム合金めっきでコーティングを行った(めっき厚150μm、表面硬さHV1050、製品名:ダイクロンメッキ/コーティング)。
【0151】
本実施例の分散機において0.5mmの砥粒(材質ジルコニア)1.23×10-2m3を充填し、ポンプを介して1m3/Hrで供給した。アジテータディスクの周速は、13m/sであり、60分間循環を行った。分散した後は、実施例1と全く同様の操作を行った。本実施例の分散条件を表1に示す。また得られたトナーの個数変動係数を表2に示す。この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行った。結果を表2に示す。また、分散液の分散性及び造粒工程における造粒性の評価を実施例1と同様の方法で評価を行った。結果を表2に示す。
【0152】
また、TEM観察の結果、図5に示すような低軟化点物質であるエステルワックスが外殻樹脂で覆われた構造を示していた。また、60回の分散操作終了後、攪拌ロータ及びケーシングの目視検査を行ったが、磨耗等の異常は認められなかった。
【0153】
<比較例1>
初めに、攪拌ロータ及びケーシング内面を、ニッケルめっきでコーティングしたものを用いた(表面硬さHV500)以外は、実施例1と全く同様の操作を行った。その際、ケーシング内の内圧は30kPaであった。本比較例の分散条件を表1に示す。また得られたトナーの個数変動係数を表2に示す。この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行った。結果を表2に示す。また、分散液の分散性及び造粒工程における造粒性の評価を実施例1と同様の方法で評価を行った。結果を表2に示す。
【0154】
また、攪拌ロータ及びケーシングの目視検査を行ったが30回の分散操作終了後までは、磨耗等の異常は認められなかったが、60回目終了後の目視検査では攪拌ロータ及びケーシングに磨耗が観察された。磨耗部分は製品へコンタミしたものと考えられる。
【0155】
<比較例2>
初めに、攪拌ロータ及びケーシング内面を、セラミックで溶射したものを用いた(表面硬さHV1320)以外は、実施例1と全く同様の操作を行った。その際、ケーシング内の内圧は30kPaであった。本比較例の分散条件を表1に示す。また得られたトナーの個数変動係数を表2に示す。この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行った。結果を表2に示す。また、分散液の分散性及び造粒工程における造粒性の評価を実施例1と同様の方法で評価を行った。結果を表2に示す。
【0156】
また、攪拌ロータ及びケーシングの目視検査を行ったが10回の分散操作終了後までは、磨耗等の異常は認められなかったが、30回目終了後の目視検査では攪拌ロータ及びケーシングに異常が観察され、セラミックで溶射した部分は切削されていた。切削されたセラミックは、製品内にコンタミしたと考えられる。
【0157】
<比較例3>
攪拌ロータ及びケーシング内面にめっきを行わず、SUS440Cのまま用いた以外は、実施例1と全く同様の操作を行った。その際、ケーシング内の内圧は30kPaであった。本比較例の分散条件を表1に示す。また得られたトナーの個数変動係数を表2に示す。この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行った。結果を表2に示す。また、分散液の分散性及び造粒工程における造粒性の評価を実施例1と同様の方法で評価を行った。結果を表2に示す。
【0158】
また、攪拌ロータ及びケーシングの目視検査を行ったが30回の分散操作終了後までは、磨耗等の異常は認められなかったが、60回目終了後の目視検査では攪拌ロータ及びケーシングに磨耗が観察された。磨耗部分は製品へコンタミしたものと考えられる。
【0159】
【表1】
【0160】
【表2】
【0161】
【発明の効果】
本発明によれば、砥粒を用いる分散機において、攪拌時に砥粒と接触するケーシングの内面、攪拌手段の表面、及び分離手段の表面の一部又は全部を、少なくとも炭化クロムを含有するクロム合金のめっきでコーティングすることから、製品へ不純物のコンタミが少なく、安定的に微粒状着色剤を液状単量体混合物へ均一に分散できるので、着色力に優れ、粒度分布のよりシャープな電子写真特性に優れる重合トナーを製造することができる。
【0162】
また本発明では、攪拌時に砥粒と接触するケーシングの内面、攪拌手段の表面、及び分離手段の表面は、表面硬さがビッカース硬さで900乃至1300であると、分散機本体において砥粒と接触する面の磨耗を防止し、このような面を有する部材の長寿命化を実現し、かつ製品への不純物のコンタミを抑制する上でより一層効果的である。
【0163】
また本発明では、砥粒の直径が0.1mmから5mmであると、液体媒体中での着色剤の分散性を向上させる上でより一層効果的である。
【0164】
また本発明では、砥粒の材質がジルコニア又はチタニアであると、液体媒体中での着色剤の分散性を向上させる上でより一層効果的である。
【0165】
また本発明では、クロム合金のめっきの厚さが20乃至300μmであると、耐磨耗性を十分に発現し、かつ容易にコーティング処理を行う上でより一層効果的である。
【0166】
また本発明におけるトナーの製造方法では、攪拌手段の先端部の周速が3m/sから40m/sであると、着色剤の良好な分散性を実現し、砥粒の磨耗を抑制し、かつ分散機の安定した運転を行う上でより一層効果的である。
【0167】
また本発明におけるトナーの製造方法では、液体媒体が重合性単量体であると、トナーを製造する上でより好ましい。
【0168】
また本発明におけるトナーの製造方法では、ケーシング内の混合物の温度を10乃至40℃に調整すると、混合物への熱的影響を抑制する上でより一層効果的である。
【0169】
また本発明における分散機では、混合物の温度を調整する温度調整手段を有すると、混合物への熱的影響を抑制する上でより一層効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分散機における一実施の形態を示す全体概略図である。
【図2】図1中の分散機本体を示す側面図である。
【図3】図1に示すA−A’線に沿うケーシングの断面図である。
【図4】図1に示すケーシングの概略図である。
【図5】トナー粒子の断面を示す模式的説明図である。
【図6】本発明の分散機における他の実施の形態を示す全体概略図である。
【図7】図6中の分散機本体を示す側面図である。
【図8】図6に示すA−A’線に沿うケーシングの断面図である。
【図9】図7に示すB−B’線に沿うケーシングの断面図である。
【図10】図6に示す分散機の攪拌ロータを示す斜視図である。
【図11】図6に示す分散機の分離手段である円筒状セパレータを示す図である。
【図12】本発明の分散機における他の実施の形態を示す全体概略図である。
【符号の説明】
1、31 分散機本体用ユニット
2、32 ケーシング
3、33 攪拌ロータ
4 ピラミッドスクリーン
5、125 砥粒
6、18、48 ジャケット
7、122 原料投入口
8、38、127 ホールディングタンク
9、123 排出口
10、40、126 循環ポンプ
11、41 冷却手段
12、42 温度計
13 攪拌モータ
14、16、21、44、46 冷却水導入口
15、17、22、45、47 冷却水排出口
19、49 バルブ
20、50 三方バルブ
34 セパレータ
34a スリット
36 液体供給口
37 液体排出口
51 駆動軸
52 内室
53 外室
121 本体ケーシング
124 アジテータシャフト
128 アジテータディスク
Claims (7)
- 液体媒体中に少なくとも着色剤を分散させる分散工程を含むトナーの製造方法において、
前記分散工程は、供給口及び排出口を有するケーシングに供給口から供給した固体状の着色剤及び重合性単量体を含む混合物と砥粒とを収容し、前記ケーシングに収容された前記混合物及び前記砥粒を前記ケーシング内に回転自在に設けられている攪拌手段により攪拌し、前記ケーシング内で前記混合物と前記砥粒とを分離手段によって分離し、分離した前記混合物を排出口から排出する工程であり、
攪拌時に前記砥粒と接触する前記ケーシングの内面、攪拌時に前記砥粒と接触する前記攪拌手段の表面、及び攪拌時に前記砥粒と接触する前記分離手段の表面が、少なくとも炭化クロムを含有するクロム合金のめっきでコーティングされており、
攪拌時に前記砥粒と接触する前記ケーシングの前記内面、攪拌時に前記砥粒と接触する前記攪拌手段の前記表面、及び攪拌時に前記砥粒と接触する前記分離手段の前記表面は、表面硬さがビッカース硬さで900乃至1300であることを特徴とするトナーの製造方法。 - 前記砥粒の直径が0.1mmから5mmである請求項1に記載のトナーの製造方法。
- 前記砥粒の材質がジルコニア又はチタニアであることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナーの製造方法。
- 前記攪拌手段の先端部の周速が3m/sから40m/sであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
- 前記クロム合金のめっきの厚さが20乃至300μmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
- 前記ケーシング内の混合物の温度を10乃至40℃に調整することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
- 前記ケーシング内から排出口を介して排出された混合物を供給口から再びケーシング内に供給することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
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