JP4560233B2 - 振れ止め装置及びその取り付け構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、杭の回転圧入施工時に杭芯の振れを防止するための振れ止め装置に関し、特に振れ止めしながら杭に設けられた羽根を通過させることができる振れ止め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
基礎杭を打ち込むための鋼管圧入工法では、杭打機本体に立設したリーダに対してオーガを昇降可能に装着し、そのオーガに連結した鋼管杭に回転を与えることによって圧入が行われる。図12は、そうしたオーガを装着した杭打機を示した側面図である。杭打機200は、立設されたリーダ201に作業機としてオーガ210が装着され、鋼管杭100がそのオーガ210から回転駆動を受けるべく連結されている。そして、リーダ201の下端には、鋼管杭100の芯振れを防止して真っ直ぐに掘進させるための振れ止め装置220が設けられている。
【0003】
振れ止め装置220は、リーダ201の下端に取り付けられ、鋼管杭100を軽くホールドするためのガイド部を有し、そのガイド部は、鋼管杭100をくわえ込めるように左右に開閉可能な構造となっている。そこで、オーガ210の駆動によって鋼管杭100に回転が与えられると、羽根110,110…の推進力によって鋼管杭100が地中へと掘進する。こうした鋼管杭100は、地中へと掘り進んで行く間に硬い石等に当たり、その抵抗によって横に振れるような力が作用するが、リーダ201下端の振れ止め装置220によってガイドされて振れが抑えられるので真っ直ぐに打ち込まれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、鋼管杭100には、掘進時に推進力を得るための羽根を下端にのみ備えるものと、図示するような推進力に加えて打ち込んだ際に基礎杭としてより安定させるための上下に複数の羽根110,110…を備えるものとがある。しかしながら、従来の振れ止め装置220は、そうした複数の羽根110,110…を有する鋼管杭100を打ち込む場合、羽根110が何度も通過することになるため、その度にガイド部を開閉させなければならず非常に面倒であった。また、特に羽根110,110…の数が多い鋼管杭100では、ガイド部が開いて振れ止めできない時間が長くなってしまい、実質的に振れ止め装置として機能させることができなくなるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、杭の振れ止め状態で羽根を通過させることができる振れ止め装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の振れ止め装置は、軸部に複数の羽根が付いた杭をオーガを装着した杭打機によって地盤に回転圧入する際、軸部の振れを規制して当該杭の芯振れを防止するものであって、前記杭打機に立設されたリーダのガイドロッドを摺動可能に把持するガイドギブを備え、前記羽根が通過可能な大きさの径で形成された円筒状の枠体内に、前記軸部の径方向移動を制限するように突設されたガイド部材が、前記羽根のピッチに対応して螺旋状に形成され、そのガイド部材の端部にテーパが形成されたものであることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の振れ止め装置は、揺動自在に軸支された一対の開閉アームを有し、当該開閉アームが閉状態で連結された場合に、前記円筒状の枠体が構成され、前記螺旋状のガイド部材が連続するものであることが望ましい。
また、本発明の振れ止め装置は、前記ガイド部材が、螺旋状にねじられた板材、または螺旋状に配置された複数のブロックであることが望ましい。
【0008】
よって、本発明によれば、回転圧入する杭の羽根が螺旋ガイド部材に沿って螺進するので、そのガイド部材によって杭の軸部を軽くホールドして振れ止めした状態で羽根を通過させることができる。そのため、ガイド部材によって常に軸部をガイドした杭の振れ止めを行うことができ、精度の良い確実な施工ができるようになった。
【0009】
また、振れ止め装置は、軸部に羽根が付いた杭をオーガを装着した杭打機によって地盤に回転圧入する際、軸部の振れを規制して当該杭の芯振れを防止するものであって、前記軸部が通過可能な大きさの径で形成された円筒状の縦孔の回りを上下に抜けるように連続して形成されたガイド溝が、羽根のピッチに対応して螺旋状に形成されたものであってもよい。
また、振れ止め装置は、揺動自在に軸支された一対の開閉アームを有し、当該開閉アームが閉状態で連結された場合に、各開閉アームに形成された縦溝が前記縦孔を構成し、各開閉アームに形成されたガイド溝が螺旋状に連続するように構成されたものであってもよい。
【0010】
前記振れ止め装置によれば、回転圧入する杭の羽根が螺旋ガイド溝に沿って螺進するので、縦孔によって杭の軸部を軽くホールドして芯振れを防止した状態で羽根を通過させることができ、そのため常に軸部をガイドして杭の振れ止めを行うことができ、精度の良い確実な施工ができるようになるからである。
【0011】
また、本発明に係る振れ止め装置の取り付け構造は、軸部に複数の羽根が付いた杭をオーガを装着した杭打機によって地盤に回転圧入する際、軸部の振れを規制して当該杭の芯振れを防止するものであり、前記杭打機に立設されたリーダのガイドロッドを摺動可能に把持するガイドギブを備え、前記羽根が通過可能な大きさの径で形成された円筒状の枠体内に、前記軸部の径方向移動を制限するように突設されたガイド部材が、前記羽根のピッチに対応して螺旋状に形成された振れ止め装置であって、その振れ止め装置をリーダに沿って昇降させて高さ位置を調整すべく、杭打機のリーダ下端に設けられたストッパ上にバネを介して配置させたことを特徴とする。
【0012】
よって、前記取り付け構造の発明によれば、螺進する羽根が突き当たるような場合でも、バネが縮んで振れ止め装置全体が下降することによって逃げることができ、また羽根のピッチどうりに杭が地中に入らない場合にでも、羽根の回転にならって振れ止め装置が上昇して、羽根をスムーズに通過させることができる。
【0013】
また、振れ止め装置の取り付け構造は、前記ガイドギブを備えた振れ止め装置をリーダに沿って昇降させて高さ位置を調整すべく、杭打機のリーダに沿って取り付けられたシリンダに連結し、またはリーダに沿って送られたウインチからのワイヤロープに吊設させたものであってもよい。
杭の回転圧入によって羽根が所定位置まで下降したところで、ウインチやシリンダを駆動して螺進する羽根に合わせて振れ止め装置を上下させ、これにより羽根の突き当たりを回避でき、また羽根のピッチどうりに杭が地中に入らない場合にもスムーズに羽根を通過させることができるからである。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る振れ止め装置の一実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。図1は、本実施形態の振れ止め装置を備えた杭打機の側面図であり、鋼管杭の打ち込み途中の状態を示している。杭打機1は、クローラによって走行可能な走行部11に、操縦席などを備えた操作部12が旋回可能に設けられており、その操作部12の前方にはバックステー13によって起伏可能なリーダ14が設けられている。図示するように起立したリーダ14には、鋼管杭100を回転圧入させる作業装置としてオーガ2が装着されている。オーガ2は、リーダ14と並行なガイドロッド15を摺動可能に挟み込むガイドギブ18を備えており、そのガイドギブ18によってリーダ14に沿った摺動による昇降を可能としている。
【0015】
そのオーガ2には、鋼管杭100が吊されるように連結され、その鋼管杭100は、垂直に起立したリーダ14と並行になるように垂設されている。本例で挙げる鋼管杭100は、図示するように合計4枚の羽根110,110…を有するものである。そして、このように取り付けられた鋼管杭100は、リーダ14の下端に装着された振れ止め装置3によって軸部が軽くホールドされている。ここで図2は、振れ止め装置を示した平面図であるが、軽くホールドされたガイド状態の鋼管杭100は、図示するように軸部120が振れ止め装置3によって直接掴まれるわけではなく、僅かな隙間を空けて周状に囲まれるようにして振れ止め装置3を貫通している。
【0016】
本実施形態の振れ止め装置3は、図2に示すように、オーガ2と同じようにガイドギブ27,37が設けられ、それがガイドロッド15,15を両側から摺動可能に把持してリーダ14に沿った昇降を可能にしている。一方、杭打機1のリーダ14の下端にはストッパ16があり、リーダ14に沿って昇降可能な振れ止め装置3が、ストッパ16上に載せられるようにしてリーダ14下端に配置されている。従って、こうして取り付けられた振れ止め装置3は、上方にのみ移動を可能としている。
【0017】
振れ止め装置3は、鋼管杭100を杭打機1に取り付ける際横からくわえ込めるように、揺動自在な一対の開閉アーム21,31によって構成されている。開閉アーム21,31は、一端が支持体22にピン23,33で軸支され、他端は、互いに重ね合わせたピン孔に固定ピン24を挿入することによって閉状態となるように形成されている。そして、こうした各開閉アーム21,31には半円筒状のカラー25,35が内側に取り付けられ、図示するように閉じた状態で垂直方向に貫通する円筒状の枠体を構成するようになっている。カラー25,35は、閉じた状態で構成する円筒状の枠体が羽根110の外径よりも大きくなる曲率半径で形成されたものである。
【0018】
そして、こうしたカラー25,35には、鋼管杭100の軸部120をガイドしつつも、羽根110,110…の通過を可能とした螺旋ガイド26,36が突設されている。この螺旋ガイド26,36は、図3に示すように螺旋状にねじられた板状のガイド部材であり、両カラー25,35にわたってほぼ一周分の領域(図2参照)に設けられている。ガイド部材を螺旋ガイド26,36としたのは、回転しながら下降(螺進)する羽根110が通り抜けできるようにしたためであり、そのため螺旋ガイド26,36のピッチは羽根110のピッチに対応して形成されている。但し、羽根110が通り抜けできればよいので、螺旋ガイド26,36のピッチは、羽根110のピッチと厳密に一致している必要はない(後述する各形態の螺旋ガイドも同様である)。
【0019】
こうした螺旋ガイド26,36は一定の肉厚があるため、螺進してきた羽根110が螺旋ガイド26の端面に突き当たってしまったのでは鋼管杭100の回転を止めてしまうことになる。一方、本形態では、前述したように振れ止め装置3をストッパ16に載せて上方のみの移動を可能にしている。そこで、羽根110が螺旋ガイド26の端面に突き当たるような場合には、振れ止め装置3全体が上昇して逃げられるように、螺旋ガイド26の端面にテーパ26bが形成されている。
【0020】
続いて、こうした構成の昇降振れ止め装置3についてその作用を説明する。杭打機1は、リーダ14に沿って上昇したオーガ2に鋼管杭100が連結され、そのオーガ2の駆動によって鋼管杭100に回転が与えられる。そして、回転しながら下降する鋼管杭100は、羽根110,110…の推進力によって地中へと掘進する。ところが、こうして鋼管杭100が地盤を掘進してく場合、例えば鋼管杭100の先端が地中に埋まっている石などに当たると、その抵抗によって鋼管杭100に横荷重がかかって振れが生じることがある。しかし、そうした場合でも、鋼管杭100は、その軸部120が螺旋ガイド26,36のガイド面26a,36aに当たって径方向の移動が拘束されるため、鋼管杭100を芯振れすることなく軸芯に沿って真っ直ぐに打ち込むことができる。
【0021】
こうして地中へと打ち込まれる鋼管杭100は、打ち込みに従って羽根110が螺進し、その位置が徐々に下がって振れ止め装置3へと達する。本実施形態では、そうした場合でも開閉アーム21,31を開けることなく閉じたまま鋼管杭100の振れ止めを継続させることができる。この振れ止め装置3によれば、鋼管杭100をガイドする螺旋ガイド26,36を羽根110が通り抜けられるようになっているからである。具体的には、カラー25,35内に進入してきた羽根110は、テーパ26bが形成された螺旋ガイド26の上端面側から入り、図4に示すように螺旋ガイド26,36のねじり、即ちその螺旋形状に沿ってカラー25,35内を進む。そうして螺進した羽根110は、螺旋ガイド26,36に沿って一回転して振れ止め装置3の下側へと抜け出る。
【0022】
一方、螺進する羽根110の進路上に螺旋ガイド26,36が重なってしまうような場合には、羽根110がテーパ26bに当たって螺旋ガイド26の下側に羽根110が潜り込む。このとき、振れ止め装置3がリーダ14に沿って昇降可能なため、羽根110がテーパ26bを滑ることによって螺旋ガイド26,36が羽根110に乗り上げて振れ止め装置3が持ち上がる。そのため、羽根110は、振れ止め装置3を載せ、その螺旋ガイド26,36の下面を滑って回転する。そして、前述した場合と同様に螺旋ガイド26,36に沿って一回転して振れ止め装置3の下側へと抜け出る。羽根110の通り抜けに際し一旦持ち上げられた振れ止め装置3は、羽根の螺進に従って再び下降してストッパ16上に戻される。
【0023】
よって、このような本実施形態の振れ止め装置3によれば、鋼管杭100の軸部120を軽くホールドして芯振れを防止するとともに、開閉アーム21,31を開くことなく羽根110を通過させることができる。そのため、常に軸部120をガイドして鋼管杭100の振れ止めを行うことができ、羽根110の通過時にも振れ止め効果があるので、精度の良い確実な施工ができるようになった。そして、羽根110の通過の度に煩わしい開閉アーム21,31の開閉作業を行う必要もなくなった。
【0024】
ところで、前記第1実施形態では、振れ止め装置3のガイド部材に螺旋状にねじられた板状の螺旋ガイド26,36を使用したが、螺旋状に形成したガイド部材にはこれ以外にも様々なものが考えられる。そこで、次に螺旋ガイドの変形例に基づく振れ止め装置を図5乃至図7に示して説明する。なお、螺旋ガイド以外の構成は図2に示す振れ止め装置3と同様に構成されているため、ほぼ左右対称に構成された片側の開閉アーム部分のみを図示して説明する。
【0025】
図5は、振れ止め装置の第2形態を示した図であり、具体的に図5(a)は一方の開閉アームを示した平面図で、図5(b)はその側面図である。本形態のガイド部材41は、一対の開閉アーム42にそれぞれ丸棒を利用して構成されたものである。具体的には、半円筒状のカラー43に複数のガイド棒44,44…を半径方向に突設させたものであり、一対のカラー43,43のほぼ一周分の範囲において、羽根110のピッチに対応するように螺旋状に並べられている。
【0026】
そこで、本形態では、鋼管杭100が地盤へと打ち込まれていき、羽根110の位置が徐々に下がって振れ止め装置を通過する際、その羽根110は、ガイド部材41を構成するガイド棒44,44…に沿って螺進して下側へと通り抜ける。そして、打ち込まれる間の鋼管杭100に振れが生じても、ガイド棒44,44…によって軸部120が径方向の移動を制限される。
【0027】
従って、本形態の振れ止め装置によれば、前記形態のものと同様に、複数の羽根110,110…をもった鋼管杭100の場合でも開閉アーム42を開く必要がない。それによって、常に軸部120をガイドして鋼管杭100の振れ止めを行うことができ、羽根110の通過時にも振れ止め効果があるので、精度の良い確実な施工ができるようになった。そして、羽根110の通過の度に煩わしい開閉アーム42の開閉作業を行う必要もなくなった。更に、本形態のガイド部材41は、羽根110と接触する場合の接触面が少なくなるので、羽根110の上にガイド部材41が乗り上げるような場合でも鋼管杭100の回転を妨げる摩擦抵抗は小さくなる。
【0028】
次に、図6は、振れ止め装置の第3形態を示した図であり、具体的に図6(a)は一方の開閉アームの平面図で、図6(b)はその側面図である。本形態のガイド部材51は、一対の開閉アーム52にそれぞれ台形のブロックを利用して構成されたものである。具体的には、半円筒状のカラー53に複数のガイドブロック54,54…を半径方向に突設させたものであり、一対のカラー53のほぼ一周分の範囲において、羽根110のピッチに対応して螺旋状に並べられている。そして、羽根110が突き当たる可能性のある進入口のガイドブロック54にはテーパ54aが形成されている。
【0029】
そこで、本形態では、鋼管杭100が地盤へと打ち込まれていき、羽根110の位置が徐々に下がって振れ止め装置を通過する際、その羽根110は、ガイド部材51を構成するガイドブロック54,54…に沿って螺進して下側へと通り抜ける。そして、打ち込まれる間の鋼管杭100に振れが生じても、ガイドブロック54,54…によって軸部120が径方向の移動が制限される。
【0030】
従って、本形態の振れ止め装置によっても複数の羽根110,110…をもった鋼管杭100の場合でも開閉アーム52を開く必要がない。それにより、常に軸部120をガイドして鋼管杭100の振れ止めを行うことができ、羽根110の通過時にも振れ止め効果があるので、精度の良い確実な施工ができるようになった。そして、羽根110の通過の度に煩わしい開閉アーム52の開閉作業を行う必要もなくなった。
【0031】
次に、図7は、振れ止め装置の第4形態を示した図であり、具体的に図7(a)は一方の開閉アームの平面図で、図6(b)はその側面図である。本形態のガイド部材61は、一対の開閉アーム62に羽根110を通すためのガイド溝63が形成されたものである。開閉アーム62には溝ブロック64が一体に形成され、その溝ブロック64には、半円形の縦溝65が鋼管杭100の軸部120の径よりも僅かに大きく円を構成するように形成されている。そして、その溝ブロック64には更に、上から下に抜ける連続した螺旋状のガイド溝63,63が羽根110のピッチに対応して形成されている。なお、図示する溝ブロック64には上下2箇所に螺旋溝63,63が形成され、もう一方の図示しない溝ブロック64に、これら螺旋溝63,63に連続する中間の螺旋溝63が形成されている。
【0032】
そこで、本形態では、鋼管杭100が地盤へと打ち込まれていき、羽根110の位置が徐々に下がって振れ止め装置を通過する際、その羽根110は、ガイド部材61を構成するガイド溝63,63,63内を螺進して下側へと通り抜ける。そして、打ち込まれる間の鋼管杭100に振れが生じても、溝ブロック64,64の縦溝65,65によって軸部120が径方向の移動を制限される。
【0033】
従って、本形態の振れ止め装置によれば、前記形態のものと同様に、複数の羽根110,110…をもった鋼管杭100の場合でも開閉アーム62を開く必要がない。それにより、常に軸部120をガイドして鋼管杭100の振れ止めを行うことができ、羽根110の通過時にも振れ止め効果があるので、精度の良い確実な施工ができるようになった。そして、羽根110の通過の度に煩わしい開閉アーム62の開閉作業を行う必要もなくなった。
【0034】
ところで、振れ止め装置3は、リーダ14に対して昇降可能に取り付けられているため、例えば螺旋ガイド26へ羽根110が突き当たるような場合(図4参照)、螺旋ガイド26を上方へ逃がすことができる。しかしながら、そうした場合、羽根110に振れ止め装置3全体の荷重がかかってしまうため、螺旋ガイド26,36との摩擦抵抗などによって回転が妨げられることが考えられる。また、羽根110のピッチどうりに鋼管杭100が地中に入らない場合に、羽根110が、例えば螺旋ガイド26,36に沿って通り抜けられなくなることが考えられる。そこで、次に振れ止め装置3の高さ位置を任意に調整できるような杭打機への取り付け構造について説明する。
【0035】
図8はその一例であり、振れ止め装置3を不図示のウインチで引っ張り上げるようにしたものである。振れ止め装置3は、リーダ14に沿って垂らされたワイヤロープ71に吊されている。そのワイヤロープ71は、杭打機1或いはオーガ2に設けられている不図示のウインチから送り出されたものであり、そのウインチの駆動によって振れ止め装置3の高さを任意に調整できるようにする。
一方、図9は他の例であり、振れ止め装置3をシリンダ72で引き上げるようにしたものである。振れ止め装置は3、リーダ14に固定されたシリンダ72のピストンロッド73先端に連結されている。シリンダ72は、リーダ14の一側面に軸支され、下降するオーガ2とは干渉しないように配置されている。
【0036】
そこで、羽根110が所定位置まで下降したところでウインチやシリンダ71を駆動し、螺進する羽根110が突き当たる位置から螺旋ガイド26,36(ガイド部材41,51,61の場合も同様、以下同じ)を逃がすように振れ止め装置3の高さを調整する。また、羽根110のピッチどうりに鋼管杭100が地中に入らない場合にも振れ止め装置3の高さを調整して、羽根110が螺旋ガイド26,36を通り抜けられるようにする。
【0037】
更に、他の方法として羽根110の下降に振れ止め装置3を追随させることも考えられる。図10は、そうした振れ止め装置を示した図であり、図11は、羽根110が振れ止め装置3を通過する際の状態を示した図である。これは、羽根110によって螺旋ガイド26,36を押さえ付けるようにしたものであり、振れ止め装置3をストッパ16の上にバネ81で支持し、取り付け位置から下方と上方の両方に自由度をもたせている。そして、螺進する羽根110が螺旋ガイド26に突き当たるような場合には、その螺旋ガイド26が下方へ逃げるように、端面に上方に傾斜したテーパ26dが形成されている。
【0038】
そこで、こうして取り付けられた振れ止め装置3によれば、螺進する羽根110が螺旋ガイド26に突き当たるような場合でも、バネ81が圧縮されて振れ止め装置3全体が下降し、螺旋ガイド26が下方に逃げることができる。また、羽根110のピッチどうりに鋼管杭100が地中に入らない場合にでも、羽根110の回転にならって螺旋ガイド26,36が上昇して、羽根110が螺旋ガイド26,36を通り抜けられる。
【0039】
以上、振れ止め装置の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく様々な変更が可能である。
たとえば、前記実施形態の振れ止め装置は、鋼管杭をくわえ込めるように一対の開閉アームによって構成したが、羽根の通過に際して開閉させる必要がないため、開閉アームとしないで環状にした一体ものとして形成してもよい。
また、前記実施形態では、ガイドギブを設けて振れ止め装置自体をリーダに沿って摺動可能にする構成を示したが、振れ止め装置はリーダの下端に固定し、例えばガイド部材を備えたカラー25,35を開閉アーム21,31に対して上下動できるようにしてもよい。
一方、羽根のピッチどうりに鋼管杭が入らない場合にはオーガを上下動させることで羽根を通過させることができるので、螺旋状のガイド部材を備えるものであればガイドギブなどの構成は必ずしも必要ではなく、振れ止め装置をリーダに固定させるようにしてもよい。
【0040】
【発明の効果】
本発明は、羽根が通過可能な大きさの径で形成された円筒状の枠体内に、軸部の径方向移動を制限するように突設されたガイド部材を、羽根のピッチに対応して螺旋状に形成したので、杭の振れ止め状態で羽根を通過させることができる振れ止め装置を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る振れ止め装置を備える杭打機を示した側面図である。
【図2】振れ止め装置の一実施形態を示した平面図である。
【図3】振れ止め装置を構成する開閉アームを示した側面図である。
【図4】鋼管杭の羽根が振れ止め装置を通過する際の状態を示した図である。
【図5】振れ止め装置の第2形態を示した図である。
【図6】振れ止め装置の第3形態を示した図である。
【図7】振れ止め装置の第4形態を示した図である。
【図8】ウインチを利用した振れ止め装置の取り付け構造を示した図である。
【図9】シリンダを利用した振れ止め装置の取り付け構造を示した図である。
【図10】バネを利用した振れ止め装置の取り付け構造を示した図である。
【図11】鋼管杭の羽根が振れ止め装置を通過する際の状態を示した図である。
【図12】従来の振れ止め装置を備える杭打機を示した側面図である。
【符号の説明】
1 杭打機
2 オーガ
3 振れ止め装置
14 リーダ
15 ガイドロッド
21,31 開閉アーム
25,35 枠体
26,36 螺旋ガイド
27,37 ガイドギブ
100 鋼管杭
110 羽根
120 軸部
Claims (4)
- 軸部に複数の羽根が付いた杭をオーガを装着した杭打機によって地盤に回転圧入する際、軸部の振れを規制して当該杭の芯振れを防止する振れ止め装置において、
前記杭打機に立設されたリーダのガイドロッドを摺動可能に把持するガイドギブを備え、前記羽根が通過可能な大きさの径で形成された円筒状の枠体内に、前記軸部の径方向移動を制限するように突設されたガイド部材が、前記羽根のピッチに対応して螺旋状に形成され、そのガイド部材の端部にテーパが形成されたものであることを特徴とする振れ止め装置。 - 請求項1に記載の振れ止め装置において、
揺動自在に軸支された一対の開閉アームを有し、当該開閉アームが閉状態で連結された場合に、前記円筒状の枠体が構成され、前記螺旋状のガイド部材が連続するものであることを特徴とする振れ止め装置。 - 請求項1に記載の振れ止め装置において、
前記ガイド部材は、螺旋状にねじられた板材、または螺旋状に配置された複数のブロックであることを特徴とする振れ止め装置。 - 軸部に複数の羽根が付いた杭をオーガを装着した杭打機によって地盤に回転圧入する際、軸部の振れを規制して当該杭の芯振れを防止するものであり、前記杭打機に立設されたリーダのガイドロッドを摺動可能に把持するガイドギブを備え、前記羽根が通過可能な大きさの径で形成された円筒状の枠体内に、前記軸部の径方向移動を制限するように突設されたガイド部材が、前記羽根のピッチに対応して螺旋状に形成された振れ止め装置であって、
その振れ止め装置をリーダに沿って昇降させて高さ位置を調整すべく、杭打機のリーダ下端に設けられたストッパ上にバネを介して配置させたことを特徴とする振れ止め装置の取り付け構造。
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