JP6715010B2 - 削孔装置 - Google Patents

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本発明は、地山を削孔しながら鉄筋、鋼管などの鋼製補強材を打設した後、セメントミルクやセメントモルタル等のグラウト材を加圧注入する、例えば小口径鋼管杭工法などの地盤補強工法に用いられる削孔装置に関する。
山岳道路沿いの急傾斜地の崩壊対策工事、山岳部の軽量盛土の基礎支持力対策工事などの狭隘箇所や、トンネルの内部などの空頭制限下での地盤補強工法として、マイクロパイル工法と呼ばれる小口径鋼管杭工法が広く採用されている。小口径鋼管杭は、削孔径φ300mm以下の打ち杭や埋込み杭の総称で、小口径鋼管杭工法は、地山を削孔しながら鉄筋、鋼管などの鋼製補強材を打設した後、グラウト材としてセメントミルクまたはセメントモルタルを加圧注入し、鋼管及びグラウト材により形成した合成杭を地中の支持層まで形成する工法である(特許文献1及び特許文献2等参照)。
小口径鋼管杭工法を行う際に用いる削孔装置は、例えば鋼管を保持するセントライザと、削孔を行うビットを回転させながら、鋼管を打設するドリフタと、セントライザが下端側に固着され、ドリフタをセントライザに近接させる方向又は離間させる方向に移動させるガイドセルとを有している。
特許2592079号公報 特許5695307号公報
上述した小口径鋼管杭工法では、鋼管を継ぎ足しながらの施工方法であることから、施工にかかるコストは、鋼管の長さ及び鋼管を継ぎ足す継ぎ手の数に依存する。したがって、施工にかかるコストを下げるためには、1本あたりの鋼管の全長を長くし、継ぎ手の数を削減する必要がある。削孔装置において使用される鋼管の全長は、削孔装置におけるガイドセルの全長や、施工時におけるドリフタのガイドセルからの突出量によって規定される。例えば2m以下の空頭制限された環境で小口径鋼管杭工法を用いるときには、ガイドセルの全長は例えば1.92mのものが使用され、ドリフタとセントライザ間の距離も当然に短くなる。したがって、使用される鋼管の最大長も例えば0.5mと短くせざるを得ない。その結果、合成杭を地中の支持層まで形成するために使用される鋼管の数や鋼管を連結する管継ぎ手の数は増加し、施工時のコストの低減や、施工期間の短縮を行うことは難しい。
例えば鋼管を打設する施工箇所にピットと呼ばれる凹部を設けた場合、ガイドセルの全長を空頭制限された環境下で使用できるガイドセルの最大長よりも長くでき、使用される鋼管を長くすることは可能である。しかしながら、ガイドセルの全長を、空頭制限された環境下で使用できるガイドセルの最大長よりも長くすると、例えば走行台車を有する削孔装置の場合、セントライザが前方に位置するようにガイドセルを傾斜させた状態で走行台車を施工箇所まで移動させる必要がある。ここで、車長が長いほど旋回時の半径(旋回半径)は大きくなるので、ガイドセルを傾斜させた状態で走行台車を移動させた場合、施工箇所周辺の建築物などにガイドセルの下端側に固定されるセントライザが接触する、又は誘導する作業員がセントライザと周辺の建築物に挟まれる虞がある。
また、鋼管の打設が完了したときには鋼管の頭部(上端部)は直立したガイドセルに設けたセントライザの内部に位置している。例えば空頭制限されていない施工箇所ではガイドセルを上昇させることで鋼管の頭部をセントライザから外すことも可能である。しかしながら、空頭制限された施工箇所では、施工箇所の上方に位置する構造物にガイドセルの上端部が接触してしまうことから、ガイドセルを上方に移動させることができない。その結果、鋼管の頭部をセントライザの内部から退避させて、削孔装置を移動させることはできない。
これら理由から、空頭制限された環境下では、打設される鋼管の全長を長くすることはできず、その結果、小口径鋼管杭工法におけるコストの抑制や施工期間の短縮を困難なものとしている。
本発明は、小口径鋼管杭工法におけるコストの抑制や施工期間の短縮を可能にした削孔装置を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明の削孔装置は、少なくとも延在方向が地上面と直交する直立状態で保持されたときに、前記延在方向における下端部が前記地上面よりも上方に位置するガイドセルと、前記ガイドセルに設けた第1のガイド片に係合する第1の係合溝と、前記ガイドセルの下端部に移動したときに、前記ガイドセルに設けた第2のガイド片に係合する第2の係合溝と、を有する保持枠を含み、前記ガイドセルの延在方向に移動可能なドリフタと、前記ガイドセルに設けられ、前記ガイドセルの延在方向に移動して前記ドリフタとの相対位置を変化可能なセントライザと、を備え、前記ガイドセルは、前記直立状態に保持される前記ガイドセルの上端部の位置が、前記ガイドセルに対して前記ドリフタを最大高さまで移動したときに、前記地上面から前記最大高さまで移動した前記ドリフタの上端面までの高さが空頭制限となる2m以下となるように設定され、前記ガイドセルは、前記第1のガイド片と、前記ガイドセルの延在方向に沿ったガイド突起とを有する主ガイド部材と、前記第2のガイド片と、前記ガイド突起に係合する第3の係合溝と、を有し、前記直立状態に保持された前記ガイドセルの下端部で、且つ底面が前記地上面よりも上方に位置する第1位置と、前記直立状態に保持された前記ガイドセルの下端部から下方に突出して、施工箇所に設けた凹部内に入り込む第2位置との間で移動し、前記第1位置及び前記第2位置の各位置において、少なくとも上端部が前記主ガイド部材の下端部に重畳される、前記セントライザが下端部に固定された副ガイド部材と、を含み、前記主ガイド部材及び前記副ガイド部材の一方にシリンダ本体が、他方にシリンダロッドが軸支され、前記シリンダ本体に対する前記シリンダロッドの伸縮により、前記主ガイド部材と前記副ガイド部材とがなす前記ガイドセルの全長を変化させて、前記副ガイド部材に固定された前記セントライザを、前記第1位置と前記第2位置との間で移動させる油圧シリンダを、さらに備え、前記保持枠は、前記第1のガイド片と前記第1の係合溝との係合により前記ドリフタの移動方向が前記ガイドセルの延在方向に規制され、前記ドリフタの前記セントライザに向けた移動時に、前記主ガイド部材と前記副ガイド部材とが重畳される範囲を移動するときには、前記第1のガイド片と前記第1の係合溝との係合の他に、前記第2のガイド片が前記第2の係合溝に係合されることを特徴とする。
また、前記保持枠は、前記ドリフタを前記セントライザに向けて移動させる過程で、前記主ガイド部材と前記副ガイド部材とが重畳される範囲よりも下方に移動したときに、前記第1のガイド片と前記第1の係合溝との係合が解除され、前記第2のガイド片と前記第2の係合溝との係合により前記保持枠の移動方向が規制されることを特徴とする。
本件開示の削孔装置によれば、従来の鋼管の長さよりも長い鋼管を用いることが可能となることで、使用する鋼管の数や鋼管を連結する管継ぎ手の数を削減し、施工にかかるコストの抑制や、鋼管の連結回数を削減することによる施工期間の短縮を可能とする。また、走行車を有する場合には、ガイドセルを直立させた状態で削孔装置を移動させることができるので、削孔装置を移動させるときにはガイドセルを傾斜させる必要はなく、削孔装置を旋回させたときに、施工箇所周辺の建築物にセントライザを接触させることを防止できる。さらには、空頭制限された施工箇所であっても施工後に容易に削孔装置を施工箇所から移動させることができる利点がある。
本実施形態の削孔装置の一例を示す側面図である。 初期位置に保持されたセントライザ近傍の斜視図である。 施工位置に移動したセントライザ近傍の斜視図である。 セントライザに鋼管及びビットを設置した時の削孔装置の側面図である。 施工時の削孔装置の側面図である。 鋼管及びインナーロッドを連結する際にドリフタを一旦退避させた時の削孔装置の側面図である。 伸縮するガイドセルによりセントライザが初期位置に保持された状態を示す斜視図である。 伸縮するガイドセルによりセントライザが施工位置に保持された状態を示す斜視図である。
以下、本実施形態の削孔装置について、図1を用いて説明する。削孔装置10は、走行台車11、保持機構として機能する回転リングスライドベース12、ガイドセル13、ドリフタ14、セントライザ15を有する。本実施形態では、走行台車11として装軌車両型の走行台車の一例を挙げているが、装輪車両型の走行台車であってもよい。符号16,17は、施工時に走行台車11の姿勢を安定させるアウトリガーである。また、符号18は、削孔装置10の各部を駆動する際に操作される操作部である。
回転リングスライドベース12は、走行台車11に支持された支持ロッド21及び油圧シリンダ22に軸支される基体部25と、基体部に対して回転自在な回転リング部26とを有する。基体部25が走行台車11に支持された支持ロッド21及び油圧シリンダ22に軸支されることで、油圧シリンダ23による支持ロッド21の回動や、油圧シリンダ22により傾動される。
回転リング部26は油圧シリンダ27の駆動により基体部25に対して回転する。回転リング部26は、ガイドセル13に設けた後ガイド部32(図2参照)に係合させることで、回転リング部26とガイドセル13との相対位置が変化可能となっている。また、回転リング部26は、ガイドセル13の上端部に連結される油圧シリンダ28を有する。油圧シリンダ28を設けることで、回転リング部26とガイドセル13との相対位置が変化する。したがって、ガイドセル13は、地上面に対して直立した状態で保持される他、回転リングスライドベース12により傾斜した状態で保持されることが可能となる。
図2及び図3に示すように、ガイドセル13は、ドリフタ14が有する保持枠41の係合溝42,43及びセントライザ15が有する保持枠47の係合溝52,53が各々係合されるガイド片31a,31bからなるガイド部(以下、前ガイド部)31と、回転リングスライドベース21の回転リング部26が係合されるガイド片32a,32bからなるガイド部(以下、後ガイド部)32とを有する。ガイドセル13は、ドリフタ14をガイドセル13の長手方向(図2及び図3中Z方向)に沿ってスライドさせるスライド機構(図示省略)と、セントライザ15をガイドセル13の長手方向(図2及び図3中Z方向)に沿ってスライドさせる油圧シリンダ35,36とを有する。なお、油圧シリンダ35,36は同一の性能を有するものである。なお、油圧シリンダ35、36は、ガイドセルの側面に各々配設される。これら機構を有することで、ガイドセル13が直立した状態では、ドリフタ14及びセントライザ15が昇降可能となる。なお、スライド機構としては、チェーン、スプロケット及びモータなどから構成された機構が挙げられる。また、セントライザ15は、油圧シリンダの駆動によりガイドセル13の長手方向に沿ってスライドするようにしているが、セントライザ15をスライドさせる機構は、ドリフタ14と同様の機構を用いることも可能である。
周知のように、ドリフタ14は、例えば油圧モータで回転駆動されるシャンクロッド40を有し、シャンクロッド40の上端が油圧又は空気圧により駆動されるハンマー(図示省略)により打撃される。これにより、シャンクロッド40に連結された削孔ロッド(インナーロッド)に回転を与え、また、打設する鋼管に対して打撃力を与えることができる。ドリフタ14は、保持枠41を介してガイドセル13に配設される。保持枠41は、背面の幅方向(図2及び図3中Y方向)の両端部に、上下方向(図2及び図3中Z方向)に延出される係合溝42,43を有している。係合溝42は前ガイド部31のガイド片31aを、係合溝43は前ガイド部31のガイド片31bを各々挿入させる。これにより、ドリフタ14がスライドする方向が、ガイドセル13の延在方向(長手方向)に規制される。
セントライザ15は、鋼管を把持するロッドクランプ45と、ロッドクランプ45に保持された鋼管のねじ継ぎ手やビットに連結されるインナーロッドのねじ継ぎ手を把持して、これらねじ継ぎ手を緩めるロッドブレーカー46と、ロッドクランプ45とロッドブレーカー46とを保持する保持枠47とを有する。符号48,49は、ロッドクランプ45により鋼管を把持する際に、図示を省略したインナーピースを鋼管に向けて突出させる油圧シリンダである。また、符号50,51は、ロッドブレーカー46により鋼管のねじ継ぎ手を把持する際に、図示を省略したインナーピースを鋼管に向けて突出させる油圧シリンダである。
セントライザ15が有する保持枠47は、背面の幅方向(図2及び図3中Y方向)の両端部に、上下方向(図2及び図3中Z方向)に延出される係合溝52,53を有している。係合溝52は前ガイド部31のガイド片31aを、係合溝53は前ガイド部31のガイド片31bを各々挿入させる。また、保持枠47は、背面の幅方向(図2及び図3中Y方向)の両端上部に連結片54,55を各々有する。連結片54は油圧シリンダ35のロッド35aに連結され、連結片55は油圧シリンダ36のロッド36aに連結される。これにより、セントライザ15がスライドする方向がガイドセル13の延在方向(長手方向)に規制され、また、油圧シリンダ35,36によりセントライザ15の移動量が規定される。図2に示すように、油圧シリンダ35、36が駆動していない場合、セントライザ15は、保持枠47の下端面がガイドセル13の下端面と同一位置となる位置に保持されている。以下、油圧シリンダ35、36が駆動していないときのセントライザ15の位置を初期位置と称する。また、図3に示すように、油圧シリンダ35、36が駆動すると、セントライザ15は、ガイドセル13の下端面から突出する方向に移動する。以下、油圧シリンダ35、36が駆動したときのセントライザ15の位置を施工位置と称する。
例えば従来の削孔装置では、ガイドセルに対してセントライザは固定されており、また、セントライザの下端面とガイドセルの下端面とは同一平面上に位置している。地上から例えば高さHが2mの位置に建造物などが存在する空頭制限で小口径鋼管工法を施工する場合、従来の削孔装置は、本実施形態の削孔装置10と同様に、全長Hが例えば1920mmのガイドセル13が用いられる。従来の削孔装置では、地上面に対して直立した状態となるガイドセルに対してドリフタを最大高さまで移動したときに、ガイドセルから突出するドリフタの突出量と、ガイドセルの全長との総和である有効機械高さは2060mmである。また、高さHが2mの空頭制限下では、削孔時のドリフタのストロークは0.5m以下で、且つ使用する鋼管の全長は0.5mに設定される。したがって、従来の削孔装置では、0.5mを超過する鋼管を用いることは困難である。
上述したように、本実施形態の削孔装置10においては、セントライザ15はガイドセル13に対してスライド可能である。例えば走行台車11を走行させるときのセントライザ15の位置を初期位置とし、施工を行う際に下降するセントライザ15の位置を施工位置とした場合、初期位置から施工位置までの移動量(図4中高さH)は例えば最大30cmに設定される。
上述したように、使用する鋼管の全長を0.5mではなく、0.75mとした場合、打設完了後の最上部に位置する鋼管の上端面は、地上面と略同一となることが好ましい。したがって、施工箇所に設けられるピット60の深さHは例えば0.5m以上に設定されることが好ましい。
本実施形態の削孔装置10は、ガイドセル13が直立した状態で、且つセントライザ15が初期位置に保持された状態で、走行台車11の走行により施工箇所に設置される。このとき、セントライザ15の下端面は、地上面よりも上方に位置している。削孔装置10を施工箇所に設置した後、アウトリガー16,17を駆動させて、地上面Gに対する走行台車11の姿勢を安定させる。
油圧シリンダ35,36が駆動されると、油圧シリンダ35,36のロッド35a,36aが伸張して、セントライザ15が初期位置から施工位置まで下降する。このとき、セントライザ15は、施工箇所に設けたピット60の内部に移動する。セントライザ15が下降した後、ドリフタ14は所定量上昇される。図4に示すように、作業者がビット61を挿入した鋼管62をセントライザ15にセットした後、ドリフタ14が所定量下降され、ドリフタ14のシャンクロッド40とビット61のインターロッド61aとが固定される。この状態でドリフト23を駆動させる。これにより、ビット61による削孔及び鋼管62の打設が実行される。なお、ビット61としては、例えばオーガーロッド、又はダウンザホールハンマーが連結された切削拡径ビットが用いられる。
一本目の鋼管62が打設されると、ドリフタ14のシャンクロッド40の回転が一旦停止される。ドリフタ14のシャンクロッド40はインターロッド61aから取り外された後、ドリフタ14は、所定量上昇される(図5参照)。新たなインターロッド61a及び鋼管62が継ぎ足された後、ドリフタ14が下降された後、ドリフタ14のシャンクロッド40は、継ぎ足されたインターロッド61aに固定される。
ここで、ドリフタ14が上昇された状態では、ドリフタ14のシャンクロッド40の先端面から、打設した鋼管62の内部に位置するインターロッド61aの上端面までの距離Hとする。本実施形態における削孔装置10では、セントライザ15が施工箇所に設けたピット60の内部に下降することから、従来の削孔装置のセントライザの位置よりも下方に位置している。したがって、本実施形態の削孔装置10においては、打設した鋼管62の内部に位置するインターロッド61aの上端面までの距離Hは、従来の削孔装置よりも長い距離を得ることができる。その結果、従来の削孔装置では、全長0.5mを最大長とした鋼管を使用しているが、本実施形態の削孔装置10では、全長0.75mを最大長とする鋼管62を使用することが可能となった。これにより、小口径鋼管杭工法における鋼管の数や、鋼管を連結する継ぎ手の数を抑制でき、小口径鋼管杭工法におけるコストを抑制することができる。また、従来よりも長い鋼管を使用することで、鋼管を連結するための作業を削減できるので、施工期間を短縮することができる。
この状態でドリフタ14を駆動させることで、ビット61による削孔及び鋼管62の打設が再開される。例えば打設される鋼管62の最下端が、支持層の上面から1m程度入り込んだ位置まで到達すると、ビット61による削孔及び鋼管62の打設が完了する。ビット61による削孔及び鋼管62の打設が完了した後、ドリフタ14に連結されたインターロッド61a及びビット61は回収される。その後、注入管が接続されたパッカー(注入装置)が鋼管62の内部に挿入され、パッカーによるセメントミルクやセメントモルタル等のグラウト材が加圧注入される。
例えばビット61による削孔及び鋼管62の打設が完了し、ドリフタ14に連結されたインターロッド61a及びビット61を回収すると、最上端に位置する鋼管62の上端面は、施工箇所に設けたピット60の底面60aではなく、地上面Gと一致している。油圧シリンダ35,36が再度駆動されると、油圧シリンダ35,36のロッド35a,36aが縮み、セントライザ15が施工位置から初期位置まで上昇する。その結果、セントライザ15は鋼管62の上端部を収納した状態を解除する。したがって、セントライザ15の内部に鋼管62の上端部を収納した状態が、セントライザ15の上昇のみで解除できるので、ガイドセル13を上昇させる必要がなくなる。その結果、施工箇所の上方に位置する構造物にガイドセル13の上端部が接触してしまうことも抑止される。さらに、削孔装置を撤去する場合であっても、ガイドセル24を直立状態に保持したまま、走行台車11は走行される。その結果、走行台車11を旋回させたときの旋回半径はガイドセル13を傾斜させたときの走行台車11を旋回させたときの旋回半径よりも小さくなり、施工箇所周辺の建築物などにガイドセル13に設けたセントライザ22が接触する、又は誘導する作業員がセントライザ15と周辺の建築物に挟まれることも抑止される。
本実施形態では、ガイドセル13に設けた油圧シリンダ35,36の駆動により、直立したガイドセル13に対して、セントライザ15を初期位置と施工位置との間で移動させているが、ガイドセルを伸縮させることでセントライザ15を初期位置と施工位置との間で移動させることも可能である。
以下、ガイドセルを伸縮させることでセントライザを初期位置と施工位置との間で移動させる削孔装置について説明する。削孔装置は、本実施形態の削孔装置と同様にして、回転リングスライドベース、ガイドセル、ドリフタ、セントライザを有する。なお、回転リングスライドベースの構成は本実施形態と同一であることから、以下では、削孔装置を構成するガイドセル、ドリフタ、セントライザについてのみの説明を行う。したがって、図7及び図8においては、回転リングスライドベースの構成を省略し、ガイドセル60、ドリフタ75、セントライザ85のみを記載している。なお、ドリフタ75及びセントライザ85が有する機能は、本実施形態のドリフタ14及びセントライザ15と同一の機能となるので、その説明については省略する。
図7及び図8に示すように、ガイドセル60は、主ガイド部材61と、副ガイド部材62との2つの部材を有する。主ガイド部材61は、2つのガイド片65a,65bから構成された前ガイド部65及び2つのガイド片66a,66bから構成される後ガイド部66の他に、副ガイド部材62の係合溝69,70と係合するガイド突起67,68を有する。前ガイド部65を構成する2つのガイド片65a,65bは、ドリフタ75の保持枠76に設けた係合溝77,78に係合される。後ガイド部66となる2つのガイド片66a,66bは、図示を省略した回転リングスライドベースと係合される。ガイド突起67,68は、主ガイド部材61の長手方向に延出し、また、主ガイド部材61の壁面61a,61bに対峙するように各々設けられる。
副ガイド部材62は、主ガイド部材61の壁面61a及び壁面61bとの間で、且つ、副ガイド部材62の前面と主ガイド部材61の前面とが同一面となるように配設される。副ガイド部材62は、副ガイド部材62の下端部で、且つその前面にセントライザ85が固着される。副ガイド部材62は、対面する側壁の各々から他方の側壁に向けて突出するガイド片71,72を有する。これらガイド片71,72は、ドリフタ75の保持枠76に設けた係合溝79,80が係合する。また、この他に、副ガイド部材62は、主ガイド部材61の壁面61aに設けたガイド突起67に係合する係合溝69、及び主ガイド部材61の壁面61bに設けたガイド突起68に係合する係合溝70を有する。
副ガイド部材62は、主ガイド部材61の側壁61a及び側壁61b間に配設される油圧シリンダ81に連結される。副ガイド部材62が油圧シリンダ81に連結されることで、副ガイド部材62は、副ガイド部材62の下端面が主ガイド部材61の下端面と一致する初期位置と、副ガイド部材62の下端面が主ガイド部材61の下端面よりも下方に位置する施工位置との間でスライド可能である。
この実施形態では、ガイドセル60を主ガイド部材61と副ガイド部材62との2つの部材とし、副ガイド部材62を主ガイド部材61に対して相対的に移動させることで、ガイドセル60が伸縮する。ドリフタ75は、保持枠76に設けられた係合溝77が主ガイド部材61の前ガイド部65を構成するガイド片65aに、保持枠76に設けられた係合溝78が主ガイド部材61の前ガイド部65を構成するガイド片65bに各々係合される。したがって、ドリフタ75は、移動方向が主ガイド部材61の長手方向に沿って移動する。そして、ドリフタ75がセントライザ85に向けて所定量移動すると、係合溝77が主ガイド部材61のガイド片65aに、係合溝が主ガイド部材61のガイド片65bに係合されるだけでなく、ドリフタ75に設けた保持枠76の係合溝79が副ガイド部材62のガイド片71に、保持枠76の係合溝80が副ガイド部材62のガイド片71に係合される。したがって、ドリフタ75は、ガイドセル60の長手方向に沿って移動する過程で、主ガイド部材61だけでなく、副ガイド部材62によって、移動方向が規制される。
図7、図8に示すガイドセル60の構成を削孔装置が有した場合であっても、本実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
なお、図7及び図8においては、ドリフタ75は、主ガイド部材61に移動方向が規制されながら移動する過程で、主ガイド部材61だけでなく、副ガイド部材62にも移動方向が規制されるようになっている。しかしながら、主ガイド部材61によるドリフタ75の移動方向の規制を受けながらドリフタ75が移動する過程で、主ガイド部材61による移動方向の規制から、副ガイド部材62によるドリフタ75の移動方向の規制に切り替えることができるように、主ガイド部材及び副ガイド部材の全長を設定することも可能である。
また、図7及び図8においては、主ガイド部材から下方に向けて伸縮する副ガイド部材にセントライザを固着した場合を説明しているが、本実施形態と同様に副ガイド部材の長手方向に移動できるようにしてもよい。
10…削孔装置、11…走行台車、13,60…ガイドセル、14,75…ドリフタ、15,85…セントライザ、35,36…油圧シリンダ、61…鋼管

Claims (2)

  1. 少なくとも延在方向が地上面と直交する直立状態で保持されたときに、前記延在方向における下端部が前記地上面よりも上方に位置するガイドセルと、
    前記ガイドセルに設けた第1のガイド片に係合する第1の係合溝と、前記ガイドセルの下端部に移動したときに、前記ガイドセルに設けた第2のガイド片に係合する第2の係合溝と、を有する保持枠を含み、前記ガイドセルの延在方向に移動可能なドリフタと、
    前記ガイドセルに設けられ、前記ガイドセルの延在方向に移動して前記ドリフタとの相対位置を変化可能なセントライザと、
    を備え
    前記ガイドセルは、前記直立状態に保持される前記ガイドセルの上端部の位置が、前記ガイドセルに対して前記ドリフタを最大高さまで移動したときに、前記地上面から前記最大高さまで移動した前記ドリフタの上端面までの高さが空頭制限となる2m以下となるように設定され、
    前記ガイドセルは、
    前記第1のガイド片と、前記ガイドセルの延在方向に沿ったガイド突起とを有する主ガイド部材と、
    前記第2のガイド片と、前記ガイド突起に係合する第3の係合溝と、を有し、前記直立状態に保持された前記ガイドセルの下端部で、且つ底面が前記地上面よりも上方に位置する第1位置と、前記直立状態に保持された前記ガイドセルの下端部から下方に突出して、施工箇所に設けた凹部内に入り込む第2位置との間で移動し、前記第1位置及び前記第2位置の各位置において、少なくとも上端部が前記主ガイド部材の下端部に重畳される、前記セントライザが下端部に固定された副ガイド部材と、
    を含み、
    前記主ガイド部材及び前記副ガイド部材の一方にシリンダ本体が、他方にシリンダロッドが軸支され、前記シリンダ本体に対する前記シリンダロッドの伸縮により、前記主ガイド部材と前記副ガイド部材とがなす前記ガイドセルの全長を変化させて、前記副ガイド部材に固定された前記セントライザを、前記第1位置と前記第2位置との間で移動させる油圧シリンダを、さらに備え、
    前記保持枠は、前記第1のガイド片と前記第1の係合溝との係合により前記ドリフタの移動方向が前記ガイドセルの延在方向に規制され、前記ドリフタの前記セントライザに向けた移動時に、前記主ガイド部材と前記副ガイド部材とが重畳される範囲を移動するときには、前記第1のガイド片と前記第1の係合溝との係合の他に、前記第2のガイド片が前記第2の係合溝に係合されることを特徴とする削孔装置。
  2. 請求項1に記載の削孔装置において、
    前記保持枠は、前記ドリフタを前記セントライザに向けて移動させる過程で、前記主ガイド部材と前記副ガイド部材とが重畳される範囲よりも下方に移動したときに、前記第1のガイド片と前記第1の係合溝との係合が解除され、前記第2のガイド片と前記第2の係合溝との係合により前記保持枠の移動方向が規制されることを特徴とする削孔装置。
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