JP4559807B2 - エリア侵入物検知装置、面検知型感圧ユニット及び防犯システム - Google Patents

エリア侵入物検知装置、面検知型感圧ユニット及び防犯システム Download PDF

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Description

本発明は、エリア侵入物検知装置、面検知型感圧ユニット及び防犯システムに係り、更に詳しくは、建物周辺などの検知エリア内に敷設された砂利の振動を検知するエリア侵入物検知装置に関する。
家屋などの建物の周囲に設置され、外部から建物の敷地内へ侵入する不審者などの侵入物を検知する侵入物検知装置には、赤外線による赤外線センサーや、赤外線又は超音波により人の動きを検出する人感センサーが主としてに用いられている。また、特殊なセンサーとしては、テンション検知式センサー、マットセンサー、感圧コードセンサーなどが屋外用センサーとして用いられている。
赤外線センサーは、発光素子から出射された赤外線を受光素子で受光し、その受光量の変化から侵入物の検出を行っている。このような赤外線センサーでは、発光素子及び受光素子間を直線的に結ぶ赤外線が侵入物によって遮断された場合に侵入物が検出されることから、雨、雪、霧などの影響を受け易いという問題があった。また、赤外線が遮断されれば、侵入物とみなされるので、人とそれ以外の侵入物(例えば鳥)との識別が困難であるという問題があった。また、人感センサーは、風などの影響を受け易いことから、屋外では使用しづらいという問題があった。
テンション検知式センサーは、外壁やフェンスなどにワイヤーが張架され、当該ワイヤに加えられた力によって生じる断線状態を検出することで侵入物を検知している。このようなテンション検知式センサーでは、ワイヤーが露出された状態で設置され、当該ワイヤーに接触しなければ検知されないことから、回避され易いという問題があった。
マットセンサーは、マット面上に多数のスイッチが配設され、マット面上の任意の点における押圧力がいずれかのスイッチによって検出される面検知型感圧センサである。これらのスイッチはマット面上に所定間隔をおいて配設されることから、比較的大きな圧力でなければ検出することができず、検出感度が悪いという問題があった。また、マット面の広さに応じて必要なスイッチの数も増大し、検知エリアとして広い範囲をカバーしようとすれば、コストが過大になってしまうという問題があった。
感圧コードセンサーは、地面に埋設されるケーブル(感圧コード)に加えられた圧力によってケーブルの電気抵抗が変化するのを検出することにより、侵入物を検知している。このような感圧コードセンサーでは、ケーブルが侵入物によって押圧された場合に侵入物が検出されることから、エリア内を広範囲にカバーしようとすると、ケーブルの埋設密度を増やさなければならず、コストが過大になってしまうという問題があった。
上述した通り、従来の侵入物検知装置では、天候などの影響を受け易く、誤報が生じ易いという問題があった。また、広い検知エリアをカバーさせたい場合に、コストが著しく増大してしまうという問題があった。さらに、ほとんどの侵入検知装置が視認可能であることから、侵入者に察知され回避され易いという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、天候などの影響を受けにくく、侵入物を適切に検知することができるエリア侵入物検知装置、面検知型感圧ユニット及び防犯システムを提供することを目的とする。特に、広い検知エリアをカバーすることができ、、侵入者に察知されにくいエリア侵入物検知装置を安価に提供することを目的とする。
第1の本発明によるエリア侵入物検知装置は、多数の貫通孔が設けられ、振動を水平方向に伝搬させるシート状の振動伝導体と、上記振動伝導体の振動を検出する振動検出センサーと、上記振動伝導体上に平均粒径が上記貫通孔よりも大きな砂利を敷設して形成される第1の砂利層とを備え、上記振動伝導体が、金属製の網からなり、その網目が上記貫通孔であるように構成される。
この様な構成により、砂利から振動伝導体に伝わり、さらに振動伝導体を伝搬した振動が振動検出センサーによって検出されるので、検知エリア内への侵入物を適切に検知することができる。すなわち、外部から侵入した不審者が、検知エリア内に敷設された砂利を踏むと、第1の砂利層に加えられる圧力の変化が振動となり、この振動が第1の砂利層から振動伝導体に伝わって侵入物として検知される。その際、シート状の振動伝導体を介して振動が水平方向に伝搬されるので、検知エリアとして広い範囲をカバーすることができる。特に、1つの振動検出センサーによって、水平面内の広い範囲をカバーすることができるので、コストを増大させることなく、侵入物を効果的に検知することができる。
また、振動伝導体には多数の貫通孔が設けられており、第1の砂利層の排水性を向上させることができるため、屋外にも設置することができる。さらに、振動伝導体上には、第1の砂利層が形成されているので、振動伝導体が露出するのを防ぐことができる。従って、侵入者に検知装置の存在が察知されにくく、侵入物を効果的に検知することができる。また、砂利が振動伝導体の貫通孔をすり抜けるのを抑制することができるので、施工後に振動伝導体が第1の砂利層上に浮き上がり露出するのを防止し、第1の砂利層を振動伝導体上に保持しておくことができる。従って、侵入物による振動を効果的に振動伝導体に伝え、また、侵入者に当該検知装置の存在を察知されにくい状態を長期間にわたって維持することができる。
また、第2の本発明によるエリア侵入物検知装置は、上記構成に加え、上記振動伝導体の下に形成される第2の砂利層を備えて構成される。この様な構成により、地面などに直接に振動伝導体を設置するのに比べ、振動が振動伝導体を伝わり易くなるので、侵入物を効果的に検出することができる。
また、第4の本発明によるエリア侵入物検知装置は、上記構成に加え、上記砂利が、多孔質のガラスまたはセラミックからなるように構成される。この様な構成によれば、エリア侵入検知装置を軽量化することができるとともに、排水性を向上させることができる。また、侵入物により第1の砂利層に圧力が加えられた際、砂利が擦れあって大きな軋み音が生じるため、防犯性を向上させることができるとともに、振動検出センサーによる振動検出感度を向上させることができる。
また、第5の本発明によるエリア侵入物検知装置は、上記構成に加え、上記振動伝導体が、金属製の網からなり、その網目が上記貫通孔となるように構成される。この様な構成によれば、当該検知装置をより軽量化させ、排水性をさらに向上させることができる。また、振動伝導体が金属製の網からなるので、設置面の形状に合わせて変形させれば、安定性を損ねることなく、起伏のある検知エリアであっても容易に敷設することができる。
また、第6の本発明によるエリア侵入物検知装置は、上記構成に加え、上記振動伝導体が、耐食性を有する金属からなるように構成される。この様な構成によれば、振動伝導体を錆びにくくすることができ、屋内だけでなく屋外にも設置することができる。
また、第7の本発明によるエリア侵入物検知装置は、上記構成に加え、上記振動検出センサーが、振動伝導体を伝わる振動の振幅に応じて電圧レベルが変化する電気信号を生成する圧電素子と、上記圧電素子を収容する箱体とからなるように構成される。この様な構成によれば、振動伝導体を伝わる振動の振幅に応じて電圧レベルが変化する電気信号が生成されるので、電圧レベルの変化量から人と人以外の侵入物とを識別させることができる。
第8の本発明による面検知型感圧ユニットは、シート状の振動伝導体に伝わる砂利の振動を検知するエリア侵入物検知装置に用いられる面検知型感圧ユニットであって、多数の貫通孔が設けられ、振動を水平方向に伝搬させるシート状の振動伝導体と、上記振動伝導体に取り付けられ、振動伝導体を伝わる振動を検出して検出信号を生成する振動検出センサーと、上記検出信号に基づいてエリア内への侵入物を判別して発報を行う報知装置とを備え、上記振動伝導体が、金属製の網からなり、その網目が上記貫通孔であり、上記振動伝導体上に平均粒径が上記貫通孔よりも大きな砂利が敷設されるように構成される。なお、報知装置による発報は、例えば、警告音の出力であってもよいし、電子メールやカメラ撮影画像の送信などであってもよい。
第9の本発明による防犯システムは、建物の周囲に設置され、シート状の振動伝導体に伝わる砂利の振動を検知する2以上のエリア侵入物検知装置と、各エリア侵入物検知装置を制御するコントローラとからなる防犯システムにおいて、上記各エリア侵入物検知装置は、多数の貫通孔が設けられ、振動を水平方向に伝搬させるシート状の振動伝導体と、上記振動伝導体に取り付けられ、振動伝導体を伝わる振動を検出して検出信号を生成する振動検出センサーと、上記振動伝導体上に平均粒径が上記貫通孔よりも大きな砂利を敷設して形成される第1の砂利層と、上記検出信号に基づいてエリア内への侵入物を判別する報知装置とを備え、上記振動伝導体が、金属製の網からなり、その網目が上記貫通孔であり、上記コントローラは、エリア侵入物検知装置ごとに得られる侵入物の判別結果に基づいて、各エリア侵入物検知装置の制御を行うように構成される。

この様な構成によれば、振動伝導体に伝わった砂利の振動が、振動伝導体に取り付けられた振動検出センサーによって検出され、エリア侵入物検知装置ごとにエリア内への侵入物を適切に検知することができる。その際、コントローラが複数のエリア侵入物検知装置により得られた侵入物の検知結果に基づいて各検知装置を制御している。すなわち、1つの検知装置の制御を他の検知装置の検知結果に基づいて行うことができ、誤報の発生を抑制することができる。
例えば、1つのエリア侵入物検知装置において侵入物が検知されると、当該検知装置に隣接するエリア侵入物検知装置における振動検出センサーの検出感度が引き上げられる。従って、侵入物が検知されるまでは各検知装置の検出感度を下げておくことで誤報が生じるのが抑制される一方、侵入物がある検知装置で検知された場合には、その検知装置に隣接する検知装置の検出感度を引き上げることにより、侵入物が検知された検知エリアに隣接する検知エリアを重点的に監視することができる。或いは、上記エリア侵入物検知装置として、出入り口又は窓に隣接する第1エリア内に上記振動伝導体が配置された第1検知装置と、第1エリアに隣接するエリアであって、第1エリアよりも上記出入り口又は窓から遠い第2エリア内に上記振動伝導体が配置された第2検知装置とを含み、上記コントローラが、第1検知装置及び第2検知装置による侵入物の検知順序に基づいて侵入者を判別するように構成しても良い。

本発明によるエリア侵入物検知装置、面検知型感圧ユニット及び防犯システムによれば、シート状の振動伝導体により振動を水平方向に伝搬させているため、振動伝導体を広げることにより、振動検出センサーを増大させることなく、広い検知エリアをカバーすることができる。従って、検知エリアが広い場合でも、コストを著しく増大させることなく、侵入物を効果的に検知することができる。また、エリア侵入検知装置が察知されにくく、侵入者に回避されにくい。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1によるエリア侵入物検知装置の一構成例を示した斜視図であり、「ジャリセンサー」の施工後の様子が示されている。本実施の形態によるエリア侵入物検知装置1は、第1の砂利層2、振動伝導体3、第2の砂利層4及び振動検出センサー5からなり、押圧力により生じた砂利(ジャリ)の振動をシート状の振動伝導体3を介して検出する圧力感応型のセンサー(以下、ジャリセンサーという)である。
振動伝導体3は、加えられた振動を水平方向に伝搬させるためのシート状の部材であり、ここでは、金属製の網(金網)が振動伝導体3として用いられている。シート面内の1点に加えられた振動を振動伝導体3のシート面に沿って十分に拡散させることができるものであれば、金網以外のものであっても良い。金網以外のシート状の部材を振動伝導体3として用いる場合には、排水性を向上させるために、網目に相当する多数の貫通孔またはスリットを当該部材のシート面に設ける必要がある。また、振動伝導体3としては、建物の敷地などに設置する場合、地面などの設置面に起伏があっても、設置面の形状に合わせて変形可能なように可撓性を有することが好ましい。
振動検出センサー5は、振動伝導体3に取り付けられ、振動伝導体3を伝わる振動を検出し、検出信号を出力している。例えば、振動伝導体3を伝わる振動の振幅に応じた電圧レベルからなる電気信号が検出信号として出力される。
第1の砂利層2は、多数の小石からなる砂利(ジャリ)を振動伝導体3上に敷設して形成される。その際、振動伝導体3を覆うように、振動伝導体3の全面に砂利が敷き詰められていることが望ましい。また、上記砂利には、振動伝導体3の貫通孔に比べて、粒の大きなものが用いられる。例えば、振動伝導体3が円形の貫通孔を有する場合であれば、その直径よりも平均粒径の大きなものが用いられる。振動伝導体3が矩形の網目を有する金網であれば、当該網目の一辺の長さ(長辺及び短辺がある場合には短辺)よりも平均粒径の大きな玉砂利が用いられる。
振動伝導体3の網目の粗さを、第1の砂利層2を構成する各小石の平均的なサイズよりも細かくすることによって、砂利が振動伝導体3の網目をすり抜けるのを抑制することができる。従って、施工後に振動伝導体3が第1の砂利層2上に浮き上がって露出するのを防止し、砂利を振動伝導体3上に保持することができる。このため、侵入物による振動を効果的に振動伝導体3に伝えることができる状態を長期間にわたって維持することができる。また、侵入者に当該検知装置の存在を察知されにくい状態を長期間にわたって維持することができる。例えば、平均粒径が15mmを超える玉砂利を用いる場合であれば、振動伝導体3として、一辺が15mm以下(例えば一辺10〜15mm)の矩形からなる網目を有するものが使用される。
また、上記砂利としては、自然界で採掘される天然石の他、人工的に製造されるガラスやセラミックからなる人工石を用いることができる。ここでは、検知装置を軽量化し、排水性を向上させるために、軽石のような多孔質の部材が砂利として用いられるものとする。特に、ガラス材を焼結させて形成される部材(例えば発泡石と呼ばれるもの)を砂利として用いれば、摩擦抵抗が増大するので、振動が砂利層を伝わる際に砂利が擦れあって生じる「ジャリ」という軋み音をより大きな音(例えば通常の砂利と比べれば5倍程度の音)として発生させることができる。
第2の砂利層4は、上述した様な砂利を振動伝導体3の下に敷設して形成される。その際、振動伝導体3の全面に敷き詰められていることが望ましい。振動伝導体3の下側にも砂利層を形成することにより、地面などに直接に振動伝導体3を設置するのに比べ、振動が振動伝導体3を伝わり易くなるので、侵入物を効果的に検出することができる。特に、降雨などにより地面がぬかるむと、地面に直に振動伝導体3を設置する場合、地面と振動伝導体3とが隙間なく密着し、振動伝導体3が振動しにくくなると考えられる。この様な状況下にあっても、地面と振動伝導体3との間に砂利層を設けることで、振動伝導体3が振動しにくくなるのを抑制することができる。なお、第2の砂利層4にも、第1の砂利層2と全く同様にして、振動伝導体3の貫通孔に比べて、粒の大きなものを用いることが望ましい。
この様な「ジャリセンサー」を建物の敷地などに設置する場合、地面などの設置面上の所定エリアを設置領域として、第2の砂利層4、振動伝導体3及び第1の砂利層2が形成される。振動を伝わり易くするという観点から、第2の砂利層4は、設置面が露出しないように設置領域内に均一な厚みで隙間なく敷き詰められていることが望ましい。また、第1の砂利層2も、振動伝導体3が露出しないように均一な厚みで隙間なく敷き詰められていることが望ましい。
具体的には、振伝導動体3の厚みD2は1〜数mmであるのに対し、第1の砂利層2の厚みがD1=40mm以上、第2の砂利層4の厚みがD3=40mm以上とされる。また、このエリア侵入物検知装置を回避しづらくするという観点から、侵入物(不審者)が容易に飛び越え、或いは、跨いで侵入することができないように、ジャリセンサーの設置領域の幅及び長さは1m以上とすることが望ましい。
図2(a)及び(b)は、図1のエリア侵入物検知装置の要部を示した図であり、図2(a)には、振動伝導体3、振動検出センサー5及び報知装置11からなる面検知型感圧ユニットが示され、図2(b)には、そのシート面内の一部分Aを拡大した様子が平面図として示されている。振動伝導体3には、屋外での使用を考慮して、ステンレス製の金網が用いられる。振動伝導体3に用いられる部材としては、ステンレス以外に耐食性を有する金属であれば他のものを用いても良い。また、耐食性を有しない金属(例えば、鉄)であっても、防錆用の塗装や表面処理を施せば振動伝導体3として用いることができる。
振動伝導体3を錆に強くすることにより、当該エリア侵入物検知装置の耐用年数を延ばすことができる。また、金属製の網とすることで、必要な強度を得ることができる。すなわち、人(侵入物)が踏んでも破れない程度以上の強度を容易に得ることができる。網目Bによるメッシュ構造とすることにより、ジャリセンサーの排水性を向上させることができ、屋外設置に適したエリア侵入物検知装置を得ることができる。
振動検出センサー5は、振動伝導体3を伝わる振動の振幅に応じて電圧レベルが変化する電気信号を検出信号として出力する圧電素子と、この圧電素子を収容するケース(箱体)からなる。このケースは屋外にも設置可能な防水構造を有していることが望ましい。圧電素子は、圧電効果によって振動を電気信号に変換するデバイスであり、振幅や振動数(または波長)が一定レベルに達することで、ジャリ特有の振動を検知し、人と人以外の侵入物との識別を可能にしている。
振動検出センサー5は、振動伝導体3のシート面上における端部に一端が固定されるL字型の金属板6を介して振動伝導体3に取り付けられている。従って、振動伝導体3に加えられた振動は、金属板6を伝わって振動検出センサー5に達することになる。なお、振動伝導体3のシート面から振動検出センサー5までの高さD4は、第1の砂利層2の厚みD1を考慮して150mm程度(地面からは200mm程度)となっている。
報知装置11は、上記検出信号に基づいて設置領域内への侵入物を判別し、警告音(アラーム)を生成する動作を行っている。この警告音によってユーザーに不審者の侵入を認識させることができるとともに、当該不審者に対しては威嚇効果が期待できる。これにより、不審者にエリア内への侵入を思いとどまらせることができ、犯罪を未然に防ぐことができる。
図3のステップS101〜S103は、図1のエリア侵入物検知装置の施工手順の一例を示したフローチャートである。まず、設置面上の所定エリア内に砂利を敷き詰めて第2の砂利層4を形成する(ステップS101)。
次に、振動検出センサー5、振動伝導体3(金網)及び報知装置11からなる面検知型感圧ユニットを第2の砂利層4上に設置する(ステップS102)。この感圧ユニットの上に砂利を敷いて第1の砂利層2を形成すれば、このエリア侵入物検知装置の施工が完了する(ステップS103)。
本実施の形態によれば、外部から設置領域内へ侵入した不審者が砂利を踏むことによって第1の砂利層2に加えられる圧力の変化が振動となり、この振動が第1の砂利層2を介して振動伝導体3に伝わって侵入物として検知される。その際、シート状の振動伝導体3によって振動が水平方向に伝搬されるので、設置領域内を広範囲にカバーすることができる。特に、1つの振動検出センサー5によって水平面内の広い範囲がカバーされるので、コストを増大させることなく、侵入物を効果的に検知することができる。
また、振動検出センサー5が取り付けられる振動伝導体3上には、第1の砂利層2が形成されるので、振動伝導体3が露出するのを防ぐことができる。従って、当該エリア侵入物検知装置の存在が察知されにくくなるので、侵入物を効果的に検知することができる。さらに、侵入物により第1の砂利層2に圧力が加えられた際、砂利が擦れあって大きな軋み音が生じるため、防犯性を向上させることができるとともに、振動検出センサーによる振動検出感度を向上させることができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、エリア侵入物検知装置1が独立して設置される場合の例について説明した。これに対し、本実施の形態では、家屋などの建物の周囲に複数のエリア侵入物検知装置1を設置し、これらのエリア侵入検知装置1を侵入物の判別状況に応じてコントロールする場合について説明する。
図4は、本発明の実施の形態2による防犯システムの一構成例を示したブロック図である。本実施の形態による防犯システム10は、2以上のエリア侵入物検知装置1a及び1bと、各エリア侵入物検知装置1a及び1bを制御するコントローラ12と、報知装置13と、ライト14と、監視カメラ15と、モニター16と、通信部17とからなる。
この防犯システム10では、振動検出センサー5及び報知装置11からなる各エリア侵入物検知装置1a及び1bがいずれもコントローラ12によって集約的に監視される。例えば、あるエリア侵入物検知装置11において侵入物が検知されると、エリア侵入物検知装置11から出力される警報信号に基づいて、建物内の報知装置13を作動させてチャイム(警告音)を鳴らせ、ユーザーに報知する。また、このとき、当該エリア侵入物検知装置の設置領域を含むエリアを照明するライト14を点灯させ、監視カメラ15による受信映像をモニター16上に出力させる。
さらに、ユーザーの不在時などには、エリア侵入物検知装置11からの警報信号に基づいて、侵入物検知を知らせるための電子メール又は監視カメラ15により撮影された画像データをユーザー指定の宛先へ通信部17を介して送信させる。
図5は、侵入者を検知する際のセキュリティーレベルを概念的に示した図である。侵入者が侵入目的とする対象物(金庫など)L4が家屋などの建物C内に存在する場合について説明する。建物Cの敷地と外部との境界線(塀など)を第1次警戒線とすると、第1次警戒線よりも内側のエリアが第1次警戒エリアL1となる。そして、建物Cの周囲のエリアを第2次警戒エリアL2とすると、建物C内のエリアが第3次警戒エリアL3となる。
第1次警戒線を突破して建物C内へ侵入しようとする侵入者を第2次警戒エリアL2において検知し、建物Cに接近するのを阻止できれば、鍵などが破壊されるのを防ぐことができ、損害を最小限にとどめることができる。そこで、各エリア侵入物検知装置1a及び1bを第2次警戒エリアL2内に配置し、侵入者に建物C内への侵入を思いとどまらせることにより、防犯効果を向上させることができる。
図6は、図4の防犯システムにおける施工例を示した平面図であり、建物Cの敷地内に設置される4つのエリア侵入物検知装置1a〜1d及びコントローラ12からなるシステムの様子が示されている。家屋に設けられる窓やテラス、通用口の付近に各エリア侵入物検知装置1a〜1dが設置されている。例えば、居間やリビングの出入り口の位置に対応付け、或いは、台所や浴室における窓の位置に対応付けてエリア侵入物検知装置が配置される。
これらのエリア侵入物検知装置1a〜1dをリビングに設けられるコントローラ12によって制御することにより、例えば、誤報を低減させる様々な制御を行わせることができる。
具体的には、1つのエリア侵入物検知装置1aにおいて侵入者が検知されると、当該検知装置1aの近くに配置されている他の検知装置1bまたは1dにおける振動検出センサー5の検出感度が引き上げられる。つまり、侵入者が検知されるまでは各検知装置の検出感度を下げておくことにより誤報の発生を抑制することができる一方、侵入者がある検知装置で検知された場合には、当該検知装置に予め関連付けられている検知装置の検出感度を引き上げることで侵入物が検知されたエリアに近いエリアを重点的に監視することができる。
本実施の形態によれば、砂利を介して振動伝導体3に伝わった振動が振動伝導体3に取り付けられた振動検出センサー5によって検出されるので、エリア侵入物検知装置ごとにエリア内への侵入物を適切に検知することができる。その際、コントローラ12がエリア侵入物検知装置ごとに得られる侵入物の検知結果に基づいて各エリア侵入物検知装置を制御するので、誤報を低減させる様々な制御を行わせることができる。
図7は、図4の防犯システムにおける他の施工例を示した平面図であり、建物Cの敷地内に設置される6つのエリア侵入物検知装置1ax,1ay,1b,1c,1dx,1dy及びコントローラ12からなるシステムの様子が示されている。エリア侵入物検知装置1c,1dは、図6の場合と同様である。
2つのエリア侵入検知装置1ax,1ayは隣接して配置されている。また、2つのエリア侵入検知装置1dx,1dyも隣接して配置されている。より具体的には、居間の出入り口付近に設けられた砂利の敷設エリアを細分化し、エリア侵入検知装置1ayが家屋から遠いエリア、エリア侵入検知装置1axが家屋に近いエリアに配置されている。また、浴室の窓付近に設けられた砂利の敷設エリアを細分化し、エリア侵入検知装置1dxが建物(ここでは窓部分)に接するエリア、エリア侵入検知装置1dyが、エリア侵入検知装置1dxを囲むエリアに配置されている。
コントローラ12は、エリア侵入検知装置1ax,1ayから警報信号が出力される順序に基づいて侵入者の有無を判別し、警告音(チャイム)の出力、監視カメラ15による撮影、電子メールや画像データの送信などの発報を行う。すなわち、エリア侵入検知装置1ayから警報信号が出力された後、予め定められた所定時間が経過する前に、エリア侵入検知装置1axから警報信号が出力された場合、侵入者の侵入経路の順で侵入物が検知されているため、侵入者が存在すると判別される。逆に、エリア侵入検知装置1ayよりも先に、エリア侵入検知装置1axから警報信号が出力された場合には、侵入者ではないと判別し、発報を行わない。
同様にして、コントローラ12は、エリア侵入検知装置1dx,1dyから警報信号が出力される順序に基づいて発報を行う。すなわち、エリア侵入検知装置1dyから警報信号が出力された後、予め定められた所定時間が経過する前に、エリア侵入検知装置1dxから警報信号が出力された場合、侵入者が存在すると判別される。逆に、エリア侵入検知装置1dyよりも先に、エリア侵入検知装置1dxから警報信号が出力された場合には、侵入者ではないと判別し、発報を行わない。
本発明の実施の形態1によるエリア侵入物検知装置の一構成例を示した斜視図であり、「ジャリセンサー」の施工後の様子が示されている。 図1のエリア侵入物検知装置の要部を示した図である。 図1のエリア侵入物検知装置の施工手順の一例を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態2による防犯システムの一構成例を示したブロック図である。 侵入者を検知する際のセキュリティーレベルを概念的に示した図である。 図4の防犯システムにおける施工例を示した平面図である。 図4の防犯システムにおける他の施工例を示した平面図である。
符号の説明
1,1a〜1d エリア侵入物検知装置
2 第1の砂利層
3 振動伝導体(ステンレス製の金網)
4 第2の砂利層
5 振動検出センサー
6 金属板
10 防犯システム
11,13 報知装置
12 コントローラ
14 ライト
15 監視カメラ
16 モニター
17 通信部
B 網目
C 建物

Claims (8)

  1. 多数の貫通孔が設けられ、振動を水平方向に伝搬させるシート状の振動伝導体と、
    上記振動伝導体の振動を検出する振動検出センサーと、
    上記振動伝導体上に平均粒径が上記貫通孔よりも大きな砂利を敷設して形成される第1の砂利層とを備え
    上記振動伝導体は、金属製の網からなり、その網目が上記貫通孔であることを特徴とするエリア侵入物検知装置。
  2. 上記振動伝導体の下に砂利を敷設して形成される第2の砂利層を備えたことを特徴とする請求項1に記載のエリア侵入物検知装置。
  3. 上記砂利は、多孔質のガラスまたはセラミックからなることを特徴とする請求項1又は2に記載のエリア侵入物検知装置。
  4. 上記振動伝導体は、耐食性を有する金属からなることを特徴とする請求項1に記載のエリア侵入物検知装置。
  5. 上記振動検出センサーは、振動伝導体を伝わる振動の振幅に応じて電圧レベルが変化する電気信号を生成する圧電素子と、
    上記圧電素子を収容する箱体とからなることを特徴とする請求項1に記載のエリア侵入物検知装置。
  6. シート状の振動伝導体に伝わる砂利の振動を検知するエリア侵入物検知装置に用いられる面検知型感圧ユニットであって、
    多数の貫通孔が設けられ、振動を水平方向に伝搬させるシート状の振動伝導体と、
    上記振動伝導体に取り付けられ、振動伝導体を伝わる振動を検出して検出信号を生成する振動検出センサーと、
    上記検出信号に基づいてエリア内への侵入物を判別して発報を行う報知装置とを備え、
    上記振動伝導体は、金属製の網からなり、その網目が上記貫通孔であり、
    上記振動伝導体上に平均粒径が上記貫通孔よりも大きな砂利が敷設されることを特徴とする面検知型感圧ユニット。
  7. 建物の周囲に設置され、シート状の振動伝導体に伝わる砂利の振動を検知する2以上のエリア侵入物検知装置と、各エリア侵入物検知装置を制御するコントローラとからなる防犯システムにおいて、
    上記各エリア侵入物検知装置は、多数の貫通孔が設けられ、振動を水平方向に伝搬させるシート状の振動伝導体と、
    上記振動伝導体に取り付けられ、振動伝導体を伝わる振動を検出して検出信号を生成する振動検出センサーと、
    上記振動伝導体上に平均粒径が上記貫通孔よりも大きな砂利を敷設して形成される第1の砂利層と、
    上記検出信号に基づいてエリア内への侵入物を判別する報知装置とを備え、
    上記振動伝導体は、金属製の網からなり、その網目が上記貫通孔であり、
    上記コントローラは、エリア侵入物検知装置ごとに得られる侵入物の判別結果に基づいて、各エリア侵入物検知装置の制御を行うことを特徴とする防犯システム。
  8. 上記エリア侵入物検知装置として、出入り口又は窓に隣接する第1エリア内に上記振動伝導体が配置された第1検知装置と、第1エリアに隣接するエリアであって、第1エリアよりも上記出入り口又は窓から遠い第2エリア内に上記振動伝導体が配置された第2検知装置とを含み、
    上記コントローラが、第1検知装置及び第2検知装置による侵入物の検知順序に基づいて、侵入者を判別することを特徴とする請求項に記載の防犯システム。
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