JP4443710B2 - 施設内監視システム - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、施設内入所者、特に老人福祉施設内入所者の行動を監視し、入所者あるいは監視対象者が危険行動を行ったときに監視者に対して通報するための施設内監視システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
老人福祉施設内入所者の多くは運動能力や視力などがかなり低下しているので、例えば単独で階段を利用させるようなことを避けなければならない場合も多く、少なくとも単独利用を監視者が把握していることはきわめて好ましい。また、入所者の中には徘徊する者も少なくなく、徘徊者が行方不明などにならないようにするための対処も必要となる。したがって、入所者が階段(危険区域)に向かって単独で移動することや倉庫室(立入禁止区域)に入ること、あるいは施設出口(危険区域)から単独で出ようとすることを危険行動として捉え、このような危険行動が行われた場合に監視者が速やかに察知することのできるシステム又は装置が必要となる。老人福祉施設内入所者の行動を監視するシステムとしては、施設内の適当箇所にテレビカメラを設置し、監視者がこのテレビカメラから送られる映像によって入所者の行動を把握して監視するシステムや、入所者に電波発信機を携帯させたり取り付けたりして、施設内に設けられた受信機により電波発信機からの電波を受信し、受信機からの受信報告により監視者が入居者の行動を把握して監視するシステムが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
テレビカメラによる監視システムは入居者の行動を目視することができるので、監視機能は最もすぐれているように考えられるが、監視者が映像モニタから目を離した際に入居者が危険区域などに到達してしまうおそれがあるし、さらに入居者のプライバシーを無視するものともなりかねない。また、システムが非常に高価なものとなってしまう問題もある。入所者に電波発信機を携帯させたり取り付けたりするシステムは、プライバシー保護の面からは好ましい監視システムといえるが、入居者が電波発信機を携帯し忘れたり、取り外してしまうといったおそれがあり、確実な監視機能を果たすものではなく、価格的にも比較的高価なものである。最も廉価な監視システムとしては、危険区域や立入禁止区域の直前又は適当距離離れた位置に人体検知センサを設けておき、この人体検知センサが人体を検知したときに監視者に危険通報するものが考えられるが、このシステムでは例えば危険区域を通過して人体検知センサ側に監視対象者が移動した場合にも監視者への危険通報が行われてしまうし、また、非監視対象者が人体検知センサに検知されたときにも危険通報が行われるので、危険通報の信頼性を確保できない。
【0004】
そこで本発明は、監視対象者のプライバシーを十分に保護することができ、しかも危険通報の信頼性が高い廉価な施設内監視システムの提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明の施設内監視システムは、施設内の監視対象者の行動を監視し、この監視対象者が危険行動を行ったときに監視者に通報するための施設内監視システムであって、前記施設内の通路に沿って所定間隔で複数個設けられた第1人体検知センサと、前記通路が連なる危険区域又は立入禁止区域と前記第1人体検知センサとの間に、危険区域又は立入禁止区域と適当距離離れて設けられた第2人体検知センサと、前記第2人体検知センサが人体を検知したときに、前記第1人体検知センサ及び第2人体検知センサの検知結果の経時的データ(時系列データ)から、例えば前記第1及び第2人体検知センサが危険区域又は立入禁止区域と反対側から順次、所定時間間隔であるいは所定時間内に人体を検知しているか否かを検証し、前記第2人体検知センサが検知した者の移動方向が危険区域又は立入禁止区域方向であるか否か、および前記第2人体検知センサが検知した者が監視対象者であるか否かを判定するための判定手段と、この判定手段により監視対象者が危険区域又は立入禁止区域方向に移動していると判定された場合に監視者に対して通報を行う通報手段と、を備えているものである。本発明のシステムは通常、2m乃至4m程度の間隔で配置された第1及び第2人体検知センサと、判定手段及び通報制御手段(通報手段)とが組み込まれたパソコンと、通報制御手段により制御される通報手段と、から構成される。本発明では、第1人体検知センサ及び第2人体検知センサの検知結果の経時的データ(通常、適当な記憶手段に適当時間分だけ記憶される)から、第2人体検知センサの検知した者の移動方向を予知し、高い確率で危険行動の有無を判定する。例えば、第1人体検知センサ1及び3が危険区域に向かって順次配置され、第2人体検知センサ5が第1人体検知センサ3よりも危険区域側に配置されている場合(第2人体検知センサは第1人体検知センサ、具体的には最も危険区域側の第1人体検知センサと適当間隔で設けられる)、第1及び第2人体検知センサの検知結果の経時的データから、センサ1、3及び5が順次人体を検知したことが検証できれば、第2人体検知センサ5が検知した者は危険区域方向に移動していると判定することが可能である。これに対して、第2人体検知センサ5が人体を検知しても、それ以前の所定時間内に例えば第1人体検知センサ3が人体を検知していなければ、検知された者は危険区域方向から移動してきたと判断して差し支えない。本発明では第1人体検知センサは複数個用いられる。第1人体検知センサを1つ用い(例えばセンサ3のみ)、第1人体検知センサ3と第2人体検知センサ5が順次人体を検知した場合に移動方向が危険区域方向であると判定することは可能ではあるが、危険区域方向から2人が距離を隔てて移動してくる場合に、1人がセンサ5→センサ3と移動した後に、もう1人がセンサ5にさしかかったときには危険方向に移動していると判定されることとなってしまう。本発明のシステムは、比較的人の往来が少ない通路で作動させるべきであるが、それでも2人が前後して移動する場合はあり得る。本発明ではさらに、第2人体検知センサの検知した者が監視対象者であるか否かをも判定する。例えば老人ホームでセンサ1、3及び5が順次人体を検知していたとしても、検知された者が寮母などの監視者あるいはホームを訪れた老人の子供である場合には通報手段を作動させるべきではない。そこで、第2人体検知センサの検知した者の移動速度を把握し、この移動速度が監視対象者の移動速度であるか否かを判断して高い確率で監視対象者か否かを判定する。第1人体検知センサ1が人体を検知してから第2人体検知センサ5が人体を検知するまでの時間間隔が、予め定められている監視対象者の移動時間内であるときに監視対象者と判定するように構成することもできるし、各センサ間に予め設定されている監視対象者の移動時間内の時間間隔でセンサが順次人体を検知しているときに監視対象者と判定するように構成することもできる。後者の構成で第1人体検知センサを3個以上用いる場合には、距離が短い1つのセンサ間でのみ条件を満たさない場合でも検知された者を監視対象者と判定するように構成することができる。
【0006】
監視対象となる施設は老人ホームや盲学校のような大規模施設であるのが普通であるが、老人が居住する住居などにも本発明は適用できる。人体検知センサとしては人体通過検知赤外線センサなどの検知範囲がきわめて狭い又は比較的狭いものを用いることが可能である。本発明では、第2人体検知センサを危険区域又は立入禁止区域から比較的離れて、例えば監視者が危険行動を把握してから危険区域等に到達するまでに監視対象者が危険区域等に達しない程度の距離離れて設ける。
【0007】
ところで、第2人体検知センサが人体を検知して危険行動と判定されたときに、例えば監視室のみに通報して監視者に危険行動を知らせることができれば施設内の通常生活を乱すことなく監視対象者の行動を監視することができる。そこで、第2人体検知センサが危険行動を検出したときに、通報手段は先ず、緊急性あるいは周囲に対する影響性がないか又は少ない警告通報を通知し(例えば監視室への通報)、例えば監視者が監視室に不在で確認がない場合にのみ緊急的なあるいは周囲への影響力が強い、例えば施設内全体を対象とする、あるいは当該危険区域等が属する階全体を対象とする緊急的な警報通報を発するように構成するのが効果的である。警報通報に対して監視者が確認した場合には通報を停止するように構成されるのが普通である。
【0008】
本発明のシステムは、検知された者の移動速度を検証することにより監視対象者と非監視対象者とを区別してより正確な危険行動の判定を可能とする。すなわち、監視対象者は非監視対象者よりもかなり移動速度が遅いということ等を前提としている。しかしながら、監視対象者が寮母などの監視者に導かれて危険区域を通過しようとしている場合や、近くに監視者がいる場合などには通報手段を作動させないほうがよい。したがって、通路に危険区域又は立入禁止区域の近くの監視者を検知するための識別センサを設け、この識別センサが所定時間帯あるいは所定時間域又は所定時刻間、例えば第2人体検知センサ又は第3人体検知センサの人体検知時から所定時間内に監視者を検知しているときは、通報手段を作動させないように(通報が行われないように)構成するのが好ましい。識別センサとしては監視者が携帯する検知対象物を検知するセンサを使用することができ、例えば電波発信機の電波を受信する受信機等、検知範囲が比較的広い又は広いものを用いることができる。この場合には、検知された者の移動速度の検証は実質的には、電波発信機を携帯しない監視者及び訪問者と監視対象者を区別するためのものとなる。
【0009】
監視対象者は第2人体検知センサに検知されてから危険区域等に到達する前に引き返すこともまれではない。したがって、警告通報又は緊急的な警報通報(通常警報)を受けて監視者が危険区域等に駆けつけても、監視対象者は危険行動を行っていないという場合も多いので、監視者が警告通報又は緊急的な警報通報を軽視して迅速に行動しない可能性がある。そこで特に、危険度の高い区域(急な階段や出口など)には直前又は近傍に第3人体検知センサ(第2人体検知センサと2m乃至4m程度の間隔で、あるいは5m以上の間隔で、場合によっては6m乃至10m程度の間隔で設けられる)を設けておき、第3人体検知センサが人体を検知したときに、判定手段によって第1、第2及び第3人体検知センサが危険区域又は立入禁止区域と反対側から順次、所定時間間隔で又は所定時間内に人体を検知しているか否かを判定し、第1、第2及び第3人体検知センサが順次、所定時間間隔で又は所定時間内に人体を検知していると判定された場合に、通報手段が監視者に対して少なくとも緊急的な警報通報と区別できる緊急重大的な警報通報(重大警報)を行うように構成するのが効果的である。また、人体検知センサの検知履歴はディスプレイ又はモニタに表示されるとともに、記録されて適時に呼び出すことができるように構成されるのが普通であり、例えば監視者の不手際により徘徊者が行方不明になったときに、第3人体検知センサの検知履歴を検証することにより徘徊者の行方を高い確率で推測することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0011】
図1は本発明に係る施設内監視システムの構成図である。
【0012】
監視システム10が設置された施設内の通路Aは急な階段B(重要危険区域)に連なり、通路Aに沿って2つの第1人体検知センサ1、3(通過センサ)が配置されている。第1人体検知センサ3の階段B側には第2人体検知センサ5(ターゲットセンサ:通過センサ)が設けられ、第2人体検知センサ5の階段B側には連続して例えば電波受信機である識別検知センサ7(識別センサ:通過センサよりも検知範囲がかなり広い)が設けられている。また、階段Bの直前には第3人体検知センサ9(危険域ターゲットセンサ:通過センサ)が配置されている。施設内の別の通路Cは緩いスロープD(普通危険区域)に連なり、通路Cに沿って2つの第1人体検知センサ11、13(通過センサ)が配置されている。第1人体検知センサ13のスロープD側には第2人体検知センサ15(ターゲットセンサ:通過センサ)が設けられ、第2人体検知センサ15のスロープDと反対側には連続して例えば電波受信機である識別検知センサ17(識別センサ:通過センサよりも検知範囲がかなり広い)が設けられている。
【0013】
各センサ1、3、5、7、9及び11、13、15、17の検知結果又は出力は、中継ユニット19、21及びパソコン23のインターフェースボード25を介してセンサ状態入力部27でポーリングされ1秒間蓄積されて出力状態に変化があるときは、センサ検知記録ファイル29に出力されるとともに、共有メモリ30に出力される。行動予知危険判定部31(判定手段)は共有メモリ30内のセンサ検知情報を順次読み込んで経時的データとして保存し、各センサ1、3、5、7、9又は11、13、15、17の検知結果から危険行動の有無を判定し、危険行動を検出したときには警報連絡ファイル32に危険判定情報を出力して警報発行部33(通報手段)を起動させる。
【0014】
警報発行部33は警報連絡ファイル32に出力された危険判定情報に基づき監視者に対する警告警報処理を行う。警告としては、ディスプレイ35(通報手段)への警告画面の表示、パソコン23に音声ボード37を介して接続されたスピーカ39(通報手段)からの警告音声、出力ユニット41を介しての監視室に対する外部機器(通報手段)を用いたチャイム通知、という方法を用いることができ、またこれらの方法の組み合わせを使用することも可能である。警告画面及び警告音声は、場所及び緊急度を含むものとする(電話通報も同様)。例えば通路Aのセンサ5に対する警告は「階段B注意」、センサ9に対する警告は「階段B危険」としておく。警告に対する監視者の確認はディスプレイ35上に表示された確認ボタンのクリック又はタッチによって行われる。警報発行部33が処理する警報としては、警報灯点灯、サイレン通報、緊急チャイム通報(通常警報)あるいは非常警報灯点灯、非常サイレン通報、非常緊急チャイム通報(重大警報)という監視室以外の施設内に配置された外部機器(通報手段)を用いる方法があり、さらに、電話コントロールボード43を介しての監視者に対する電話通報45も使用することができる。警報に対する監視者の確認は、ディスプレイ35上に表示されている又は表示された確認ボタンのクリック又はタッチ、施設内の適所に設けられた確認ボタン又はスイッチの手動操作、あるいは電話機からの確認トーン信号の送信やリモコン操作などによって行われる。
【0015】
ディスプレイ35上には、監視者の選択に応じて、センサ検知状態表示部47によりセンサ1、3、5、7、9、11、13、15、17、その他の施設内センサの現在の検知状態が施設内概略図とともに表示され、またはセンサ検知経過表示部49により施設内センサのそれぞれの経時的検知結果が表示され、あるいはセンサ状態再生表示部51より施設内センサの特定日時の検知状態が施設内概略図とともに表示される。
【0016】
図2は施設内監視システム10の行動予知危険判定部31の判定動作の一例を示すフローチャートである。
【0017】
行動予知危険判定部31は1秒間隔で共有メモリ30内の情報を読み込んで最新のセンサ検知結果経時データを作成するとともに(ステップ1)、判定条件ファイル(図示せず)を順次読み込む(ステップ2)。判定条件ファイルはターゲットセンサ5、9、15に対応して設けられ、各判定条件ファイルには、例えばセンサ1、3、5の経時的検知時間間隔とセンサ7の非検知時間帯から定められた危険判定条件が格納されている。判定条件ファイルはセンサ9用のもの、センサ5用のもの、そしてセンサ15用のものの順に読み込まれる。判定条件ファイルがすべて読み込まれてファイルが残っていなかったときには行動予知危険判定部31の判定動作は終了し(ステップ3のNO)、次に共有メモリ30の情報を読み込むまで待機する。比較・判定では先ず、最新のセンサ検知結果経時データのセンサ1、3、5、7、9の検知結果と読み込まれたセンサ9用の判定条件ファイルの危険判定条件とが一致するか否かが判定され(ステップ4)、一致する場合には警報連絡ファイル32にセンサ9用の危険判定情報を出力し(ステップ5)、警報発行部33を起動する(ステップ6)。次に、センサ5用の判定条件ファイルを読み込み、同一のセンサ検知結果経時データのセンサ1、3、5、7の検知結果と危険判定条件が一致するか否かを判定し(ステップ4)、一致する場合には警報連絡ファイル32にセンサ5用の危険判定情報を出力し(ステップ5)、警報発行部33を起動する(ステップ6)。そして、センサ15用の判定条件ファイルを読み込み、同一のセンサ検知結果経時データのセンサ11、13、15、17の検知結果と危険判定条件が一致するか否かを判定し(ステップ4)、一致する場合には警報連絡ファイル32にセンサ15用の危険判定情報を出力し(ステップ5)、警報発行部33を起動する(ステップ6)。例えばセンサ検知結果経時データのセンサ1、3、5、7、9の検知結果が図3に示すような場合には(図では便宜上時間経過の間隔を1秒とはしていない)、識別センサ7が非検知でセンサ1、3、5、9が順に所定時間間隔で(移動速度が遅いと判断される)人体検知しているので(白丸は非検知、黒丸は検知)、第3人体検知センサ9に検知された者は監視者に付き添われていない監視対象者であり、かつ階段B方向に向かっていて、監視者が近くにいないと判定される。ここで、例えば識別検知センサ7が時間(6)から(10)で監視者を検知しているときは、第3人体検知センサ9に検知された者は例えば監視者に付き添われているとみなされ、危険判定条件と不一致となるように構成されている。
【0018】
ここでは、ターゲットセンサ5、9又は15が人体を検知したときには、行動予知危険判定部31が判定を行うこととなるので、行動予知危険判定部31は、第2又は第3人体検知センサが人体を検知したときに、検知結果の経時的データから、第2又は第3人体検知センサが検知した者の移動方向が危険区域方向であるか否か、および第2又は第3人体検知センサが検知した者が監視対象者であるか否かを判定することとなるのであるが、ターゲットセンサ5、9及び15が人体を検知していないときにも比較自体は行われている。このような構成に代えて、ターゲットセンサ5、9又は15が人体を検出したときにのみ判定が行われるように構成してもよい。
【0019】
図4は施設内監視システム10の警報発行部33の警報動作の一例を示すフローチャートである。
【0020】
警報連絡ファイル32に危険判定情報が出力されるたびに、警報発行部33はこの危険判定情報を読み込み(ステップ7)、警報ファイル(図示せず)から対応する警報内容を取得する(ステップ8)。すなわち、警報発行部33は危険判定情報の出力に対応して複数の警報動作を並列的に実行する。そして、取得した警報内容と同一の警報内容が発行中であるか否かが判断され(ステップ9)、同一の警報内容が発行中でない場合には警告が行われるが(ステップ10)、同一の警報内容が発行中の場合には警報動作は終了する。ここでは、警告はディスプレイ35への警告表示及びスピーカ39からの警告音声を行うように設定されているが、例えばセンサ9と15に対する警告が同時的に行われる場合には、ディスプレイ35上にはそれぞれの警告表示及び確認ボタンが表示され、また、スピーカ39からはそれぞれの警告音声が連続して出されるように構成されている。次に、警報動作が危険域ターゲットセンサ9を対象とし、警報内容が重大警報を含んでいるか否かが判断され(ステップ11)、警報動作がターゲットセンサ5又は15を対象としていて警報内容が重大警報を含んでいない場合には、監視者からの確認信号が着信しているか否かが判断される(ステップ12)。警報内容が重大警報を含んでいる場合には重大警報が行われて警報動作は終了する(ステップ11のYES)。ターゲットセンサ5又は15を対象としている場合に、確認信号が検出されないまま所定時間経過すると(ステップ13のYES)、通常警報が行われるが(ステップ14)、所定時間内に確認信号が検出されたときは警告が停止されて警報動作が終了する(ステップ15)。ここでは、ターゲットセンサ5に対応した警報は緊急チャイム通報、ターゲットセンサ15に対応した警報は警報灯点灯及び電話通報、そしてターゲットセンサ9に対応した警報は非常サイレン通報及び電話通報として設定されていて、センサ5に対する電話通報とセンサ9に対する電話通報とが同時的に行われる場合には、警報音声が連続して出されるように構成されている。
【0021】
なお、通路AやCに照明センサを取り付けておき(人体検知センサに照明センサ機能をも有するものを用いる場合もある)、この照明センサの検知経過状態及び時刻をも警告の条件とすることができる。例えば、深夜に照明センサが第1人体検知センサ1の人体検知時刻よりも多少前に照明の点灯を検知したときには、検知された者は正常な意識で移動していると判断し、図3に示すような検知経過状態であっても少なくとも重大警報を発行させないように構成することができる。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の施設内監視システムは、監視対象者の映像により監視する者ではないのでプライバシーの侵害のおそれがなく、しかも廉価な人体検知センサを用いて危険行動を高い確率で把握することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る施設内監視システムの構成図である。
【図2】施設内監視システムの行動予知危険判定部の判定動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】警告・警報の条件となるセンサ検知経過の一例を示す図である。
【図4】施設内監視システムの警報発行部の警報動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1、3、11、13 第1人体検知センサ
5、15 第2人体検知センサ
9 第3人体検知センサ
10 施設内監視システム
31 行動予知危険判定部(判定手段)
33 警報発行部(通報手段)
A、C 通路
B 階段(危険区域)
D スロープ(危険区域)

Claims (7)

  1. 施設内に入所している老人等の監視が必要な入所者が、前記施設内の通路に沿って移動し、前記通路が連なる危険区域に出ようとするときに監視者に通報するための施設内監視システムであって、
    前記通路に沿って所定間隔で複数個設けられた第1人体検知センサと、
    前記危険区域と前記第1人体検知センサとの間に、前記危険区域と適当距離離れて設けられた第2人体検知センサと、
    前記第2人体検知センサが人体を検知したときに、前記第1及び第2人体検知センサが前記危険区域と反対側から、設定された所定時間間隔で、順次、人体を検知しているか否かを判定するための判定手段と、
    前記第2人体検知センサが人体を検知し、かつ、前記判定手段により前記第1及び第2人体検知センサが、前記所定時間間隔で、順次、人体を検知していると判定された場合に監視者に対して通報を行う通報手段と、を備えていることを特徴とする施設内監視システム。
  2. 施設内に入所している老人等の監視が必要な入所者が、前記施設内の通路に沿って移動し、前記通路が連なる危険区域に出ようとするときに監視者に通報するための施設内監視システムであって、
    前記通路に沿って所定間隔で複数個設けられた第1人体検知センサと、
    前記危険区域と前記第1人体検知センサとの間に、前記危険区域と適当距離離れて設けられた第2人体検知センサと、
    前記第2人体検知センサが人体を検知したときに、前記第1及び第2人体検知センサが前記危険区域と反対側から順次、最初の人体検知から前記第2人体検知センサによる人体検知までの時間が、設定された所定時間を満たすように、人体を検知しているか否かを判定するための判定手段と、
    前記第2人体検知センサが人体を検知し、かつ、前記判定手段により前記第1及び第2人体検知センサが順次、前記所定時間を満たして、人体を検知していると判定された場合に監視者に対して通報を行う通報手段と、を備えていることを特徴とする施設内監視システム。
  3. 前記通報手段は、監視者に対して確認を求める非緊急的な警告通報と、この警告通報に対して確認がない場合の緊急的な警報通報と、を発し、前記警告通報に対して確認があった場合、及び、発行すべき通報と同一の通報が発行中である場合には、通報動作を終了する、ことを特徴とする請求項1又は2記載の施設内監視システム。
  4. 前記通路には前記危険区域の近くの監視者を検知するための識別センサが設けられ、この識別センサが所定時間帯に監視者を検知しているときは、前記通報手段を作動させない、ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の施設内監視システム。
  5. 前記危険区域の直前又は近傍には第3人体検知センサが設けられ、
    前記判定手段は、前記第3人体検知センサが人体を検知したときに、前記第1、第2及び第3人体検知センサが前記危険区域と反対側から、設定された所定時間間隔で、順次、人体を検知しているか否かを判定し、
    前記通報手段は、前記第3人体検知センサが人体を検知し、かつ、前記判定手段により前記第1、第2及び第3人体検知センサが、前記所定時間間隔で、順次、人体を検知していると判定された場合に監視者に対して緊急重大的な警報通報を行い、
    前記通路には前記危険区域の近くの監視者を検知するための識別センサが設けられ、この識別センサが所定時間帯に監視者を検知しているときは、前記通報手段を作動させない、ことを特徴とする請求項記載の施設内監視システム。
  6. 前記危険区域の直前又は近傍には第3人体検知センサが設けられ、
    前記判定手段は、前記第3人体検知センサが人体を検知したときに、前記第1、第2及び第3人体検知センサが前記危険区域と反対側から順次、最初の人体検知から前記第3人体検知センサによる人体検知までの時間が、設定された所定時間を満たすように、人体を検知しているか否かを判定し、
    前記通報手段は、前記第3人体検知センサが人体を検知し、かつ、前記判定手段により前記第1、第2及び第3人体検知センサが順次、前記所定時間を満たして、人体を検知していると判定された場合に監視者に対して緊急重大的な警報通報を行い、
    前記通路には前記危険区域の近くの監視者を検知するための識別センサが設けられ、この識別センサが所定時間帯に監視者を検知しているときは、前記通報手段を作動させない、ことを特徴とする請求項2記載の施設内監視システム。
  7. 前記通報手段は、前記緊急重大的な警報通報に先立ち、監視者に対して確認を求める通報を行う、ことを特徴とする請求項5又は6記載の施設内監視システム。
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