JP4559694B2 - 構造体の力学的特性予測方法、タイヤの性能予測方法及び構造体の力学的特性予測プログラム並びに入出力装置 - Google Patents

構造体の力学的特性予測方法、タイヤの性能予測方法及び構造体の力学的特性予測プログラム並びに入出力装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、構造体の物理的性質の予測方法に関し、さらに詳しくは、タイヤ、ホース、コンベアベルトのような、ゴムその他の高分子材料を金属ワイヤや有機繊維等の長繊維補強材料によって補強した複合材料で構成される構造体の力学的特性予測方法、タイヤの性能予測方法及び構造体の力学的特性予測プログラム並びに入出力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来タイヤは、試作品を走行試験や搬送試験等に供して得られた結果を元に、さらに改良を加えて試作品を試作するという繰返しによって開発されていた。このような開発手法は、試作と試験との繰返しになるので、開発効率が悪いという問題点があった。この問題点を解決するために、近年では数値解析を用いたコンピュータシミュレーションによって、試作品を作らなくともタイヤの物理的性質を予測することができる手法が提案されている(例えば特許文献1や2)。
【0003】
タイヤは、補強コードによってゴムを補強することによって所定の強度を発揮させるようにしている。タイヤにおいては内圧の負荷により、また、コンベアベルトはベルトの引張りにより、補強コードには引張り応力が作用して、引張りひずみが生ずる。ここで、静的たわみ状態や、タイヤが直進転動する状態においては、補強コードに圧縮ひずみが生ずることはなく、これらの状態におけるタイヤの性能を予測する際には、予測精度の低下といった問題はなかった。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−201874号公報 P2〜6
【特許文献2】
特開2002−7489号公報 P2〜6
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、コンピュータの急速な発達に伴い、近年においては数年前に事実上不可能な計算もできるようになってきた。これにともない、より複雑なコンピュータシミュレーションも可能になってきた。このようなシミュレーションとして、自動車のコーナーリング時におけるタイヤの挙動を予測するものがある。図22は、実測値と従来手法のシミュレーションによるコーナーリング時におけるCP値と荷重との関係を示す説明図である。図中一点鎖線が測定値を、実線が計算値を示す。荷重はタイヤの鉛直方向に向かって作用する荷重である(以下同様)。ここで、CP値とはコーナーリングパワーであり、スリップ角1°におけるコーナーリングフォースCFをいう(以下同様)。図23は、コーナーリングフォースCFの説明図である。コーナーリングフォースは、図23中に示すように、タイヤの進行方向と直角の方向に、タイヤに発生する力である。
【0006】
図22から分かるように、従来手法は低荷重時においては、CP値の変化曲線は測定値の変化曲線と略同様であるが、荷重が大きくなるにしたがって、CP値が大きくなっている。このように、従来手法においては低荷重時よりも高荷重時におけるCP値が相対的に高くなっており、コーナーリング時におけるタイヤの挙動を精度よく再現することはできなかった。そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、タイヤのコーナーリング時のように、補強コードに圧縮ひずみが発生する場合でも、より精度の高いタイヤの性能予測ができる構造体の力学的特性予測方法、タイヤの性能予測方法及び構造体の力学的特性予測プログラム並びに入出力装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究の結果、次の理由によって予測精度の低下が起こることを見出した。すなわち、コーナーリング時においてはタイヤが旋回力を受けて変形し、また、コンベアベルトはキャリアローラー等を通過する際に曲げ応力を受けて変形する結果、補強コードには引張ひずみのみならず圧縮ひずみも作用する。ここで、タイヤやコンベアベルト等の補強コードは撚り線、又はモノフィラメントの長繊維補強材料であり、通常は引張弾性率Etの方が圧縮弾性率Ecよりも大きくなる。ところが、従来の手法では、圧縮ひずみ領域における補強コード弾性率(以下圧縮弾性率という)Ecと、引張ひずみ領域における補強コード弾性率(以下引張弾性率という)Etとが等しいと仮定して、圧縮領域及び引領領域ともに弾性率をEとして計算していた。
【0008】
このように、長繊維補強材料においては引張弾性率Etよりも圧縮弾性率Ecの方が小さいにもかかわらず、圧縮ひずみが作用する場合においても、引張弾性率Etと同じ値によってタイヤの性能を予測していたことが、予測精度を低下させていた原因であることを見出した。
【0009】
そこで、本発明に係る構造体の力学的特性予測方法は、母相を長繊維補強材料で補強した複合材により構成された構造体の力学的特性を有限要素法、境界要素法その他の解析手法によって予測するにあたり、前記長繊維補強材料のひずみが正の場合には引張弾性率を与え、前記長繊維補強材料のひずみが負の場合には前記引張弾性率よりも小さい値の圧縮弾性率を与えて解析することを特徴とする。
【0010】
本発明では、引張弾性率Etと圧縮弾性率Ecとを、Et>Ecとなるようにそれぞれ別個に与えて計算する。これによって、コーナーリング時のように、長繊維補強材料に圧縮ひずみが生ずる場合においても、圧縮側における長繊維補強材料の弾性特性を適切にモデル化できるので、タイヤやコンベアベルト等の長繊維補強材料で補強された構造体の性能を高い精度で予測できる。ここで長繊維補強材料とは、金属繊維補強材料、有機繊維補強材料、無機繊維補強材料をいう(以下同様)。繊維補強材料の形態としては、複数のフィラメントを撚り合わせた撚りコードの他、1本のフィラメントにスパイラル状、あるいは平面状の波付けを施したモノフィラメントコードも含まれるものとする(以下同様)。
【0011】
また、複合材を均質な要素としてモデル化した場合には、次の本発明に係る構造体の力学的特性予測方法のように、長繊維補強材料のひずみが正の場合には等価引張弾性率を与え、長繊維補強材料のひずみが負の場合には前記等価引張弾性率よりも小さい値の等価圧縮弾性率を与えて解析してもよい。ゴム等の高分子材料の母相を長繊維補強材料で補強した複合材を均質な要素としてモデル化した場合には、長繊維補強材料と母相との体積分布に基づいて、複合材層の弾性率を取り扱うことができる。ここで、Vfを長繊維補強材料の体積分率、Vmを母相の体積分率とすれば、等価圧縮弾性率EecはVf×Ec+Vm×Emで、等価引張弾性率EetはVf×Et+Vm×Emで与えられる。ここで、Emは母相の弾性率である。
【0012】
また、次の本発明に係る構造体の力学的特性予測方法のように、上記長繊維補強材料が金属繊維材料の場合には0.05≦Ec/Et≦0.50であり、上記長繊維補強材料が有機繊維材料の場合には0.01≦Ec/Et≦0.20であり、上記長繊維補強材料が無機繊維材料の場合には0.01≦Ec/Et≦0.20とすることが好ましい。ここで、Ecは上記長繊維補強材料の圧縮弾性率を表し、Etは上記長繊維補強材料の引張弾性率を表す。Ec/Etを上記範囲に設定すれば、長繊維補強材料に引張ひずみのみならず圧縮ひずみが作用する場合でも、より実測に近い性能予測ができる。
【0013】
また、次の本発明に係る構造体の力学的特性予測方法は、上記構造体の力学的特性予測方法において、さらに、上記長繊維補強材料の引張と圧縮との境界領域内においては上記長繊維補強材料の弾性率を変化させて解析し、前記境界領域外では上記長繊維補強材料の弾性率を上記引張弾性率と上記圧縮弾性率とを用いて解析することを特徴とする。
【0014】
長繊維補強材料の本来の挙動は、引張と圧縮との境界領域付近ではひずみに対して応力が徐々に変化するものである。すなわち、当該境界領域付近においては、補強コードの弾性率は徐々に変化した後、一定値となる。本発明のように、当該境界領域においては長繊維補強材料の弾性率を変化させて解析するので、長繊維補強材料の実際の弾性特性を近似できる。これによって、タイヤやコンベアベルト等の構造体の性能予測精度をさらに向上させることができる。
【0015】
ここで、次の本発明に係る構造体の力学的特性予測方法のように、上記境界領域においては上記長繊維補強材料の弾性率を直線、2次曲線、3次曲線、指数曲線その他の曲線で近似してもよい。このようにすれば、前記境界領域内における長繊維補強材料の弾性特性を簡単な関数で近似するので、その分だけ計算に要する時間を短縮できる。これによってシミュレーションに要する時間を短縮できる。また、計算を行うハードウェア資源の負担も小さくできるので、ハードウェア資源が乏しい場合には有効である。
【0016】
また、次の本発明に係る構造体の力学的特性予測方法のように、上記境界領域は、上記長繊維補強材料が金属繊維材料の場合には−0.01≦ε≦0.01であり、上記長繊維補強材料が有機繊維材料の場合には−0.10≦ε≦0.10であり、上記長繊維補強材料が無機繊維材料の場合には−0.01≦ε≦0.01とすることが好ましい。ここでεは、上記長繊維補強材料の長手方向におけるひずみを表す。この範囲で長繊維補強材料の弾性特性を関数E=f(ε)やE=a×ε(aは定数)等によって変化させて取り扱えば、タイヤやコンベアベルト等の構造体の性能をより高い精度で予測できる。
【0017】
また、次の本発明に係る構造体の力学的特性予測方法は、上記構造体の力学的特性予測方法において、さらに、上記長繊維補強材料に初期ひずみε0が存在する場合には、予め上記長繊維補強材料に前記初期ひずみε0を与えてから解析することを特徴とする。また、次の本発明に係る構造体の力学的特性予測方法のように、上記長繊維補強材料に初期応力σ0が存在する場合には、予め上記長繊維補強材料に前記初期応力σ0を与えてから解析してもよい。
【0018】
例えばタイヤやコンベアベルト等の構造体を製造する工程上、補強コードである長繊維補強材料に何らかの初期ひずみや初期応力が存在する場合がある。本発明においては、この初期ひずみや初期応力をも考慮して解析するので、さらに物理的性質の予測精度を向上させることができる。
【0019】
また、次の本発明に係る構造体の力学的特性予測方法は、上記構造体の力学的特性予測方法において、さらに、上記複合材のうち粘弾性材料からなる部分には粘弾性材料モデルを用いて解析することを特徴とする。このように、動的解析時に補強コードである長繊維補強材料や母相の粘弾性特性も考慮すると、コンピュータによる数値解析中の発散を抑えることができる。また、より実際の挙動に近い挙動を再現できるので、予測精度がさらに向上する。
【0020】
また、次の本発明に係るタイヤの性能予測方法は、ゴムの母相を金属繊維、有機材料繊維その他の長繊維補強材料である補強コードで補強した構造体であるタイヤに対して、上記構造体の力学的特性予測方法を適用して前記タイヤの性能を予測することを特徴とする。このように、上記構造体の力学的特性予測方法をタイヤの性能予測に適用しているので、圧縮ひずみと引張ひずみとが補強コードに作用するような場合であっても、高い予測精度でタイヤの性能を予測できる。なお、本発明に係るタイヤの性能予測方法は、必要に応じて境界条件を設定したり、流体との関係等を考慮したりすることによって、タイヤの制動・駆動性能、摩耗性能、ウェット性能、騒音性能、乗り心地性能あるいは耐久性能といったタイヤの諸性能を予測する際には、広く適用できる。
【0021】
また、次の本発明に係るタイヤの性能予測方法は、上記タイヤの性能予測方法において、さらに、荷重、スリップ角、速度その他のタイヤのコーナーリング時における条件を境界条件として与えて、コーナーリング時におけるタイヤの動的性能を予測することを特徴とする。特にコーナーリング時においては補強コードに圧縮ひずみと引張ひずみとが作用して正確な性能予測が困難であったが、上記構造体の力学的特性予測方法は引張弾性率と圧縮弾性率とを別個に与えて解析するので、コーナーリング時における性能予測に特に好ましい。
【0022】
また、次の本発明に係る構造体の力学的特性予測プログラムは、母相を長繊維補強材料で補強した複合材により構成された構造体の力学的特性を有限要素法、境界要素法その他の解析手法によってコンピュータに予測させるものであって、計算の際には前記長繊維補強材料のひずみが正の場合には引張弾性率を与え、前記長繊維補強材料のひずみが負の場合には前記引張弾性率よりも小さい値の圧縮弾性率を与える手順を含むことを特徴とする。
【0023】
本発明は、引張弾性率Etと圧縮弾性率Ecとを、Et>Ecとなるようにそれぞれ別個に与える手順を含むプログラムである。これによって、長繊維補強材料に圧縮ひずみが生ずる場合においても、圧縮側における長繊維補強材料の弾性特性を適切にモデル化できるので、タイヤやコンベアベルト等の長繊維補強材料で補強された構造体の性能を高い精度でコンピュータに予測させることができる。
【0024】
また、次の本発明に係る構造体の力学的特性予測プログラムのように、前記複合材を均質な要素としてモデル化した場合には、前記長繊維補強材料のひずみが正の場合には等価引張弾性率を与え、前記長繊維補強材料のひずみが負の場合には前記等価引張弾性率よりも小さい値の圧縮弾性率を与える手順を含むようにしてもよい。これによって、複合材を均質な要素としてモデル化した場合でも、タイヤやコンベアベルト等の長繊維補強材料で補強された構造体の力学的特性を高い精度でコンピュータに予測させることができる。
【0025】
また、次の本発明に係る構造体の力学的特性予測プログラムのように、上記構造体の力学的特性予測プログラムにおいて、さらに上記長繊維補強材料の圧縮弾性率をEc、引張弾性率をEtとしたとき、上記長繊維補強材料が金属繊維材料の場合には0.05≦Ec/Et≦0.50であり、上記長繊維補強材料が有機繊維材料の場合には0.01≦Ec/Et≦0.20であり、上記長繊維補強材料が無機繊維材料の場合には0.01≦Ec/Et≦0.20であることが好ましい。このように、Ec/Etを上記範囲に設定すれば、長繊維補強材料に引張ひずみのみならず圧縮ひずみが作用する場合でも、タイヤやコンベアベルト等の長繊維補強材料で補強された構造体の力学的特性を高い精度でコンピュータに予測させることができる。
【0026】
また、次の本発明に係る構造体の力学的特性予測プログラムは、上記構造体の力学的特性予測プログラムにおいて、さらに、前記長繊維補強材料の圧縮弾性率及び引張弾性率を取得する際には、前記圧縮弾性率及び前記引張弾性率の入力を促す手順を含むことを特徴とする。本発明では、従来と異なり、長繊維補強材料の圧縮弾性率Ecと引張弾性率EtとをEc<Etとなるようにそれぞれ別個に与える。
【0027】
本発明に係るプログラムによれば、前記圧縮弾性率及び前記引張弾性率の入力を促す手順を含むので、入力ミスを極力低減できる。なお、前記圧縮弾性率及び前記引張弾性率の入力を促す手順には、例えば入出力装置に備えられた画像表示手段に入力を促すメッセージを表示したり、あるいはコンピュータからの指令によって音声で入力を促すメッセージを発するようにしたりすることができる。あるいは、画像と音声との両方で入力を促すメッセージを発するようにしてもよい。なお、請求項15に係る構造体の力学的特性予測プログラムにおいては、圧縮弾性率と引張弾性率とに、等価圧縮弾性率と等価引張弾性率とも含まれるものとする。
【0028】
また、次の本発明に係る入出力装置は、上記構造体の力学的特性予測プログラムをコンピュータに実行させる際に使用する入出力装置であって、前記コンピュータに前記長繊維補強材料の圧縮弾性率及び引張弾性率、その他の物性値、境界条件その他のデータを与える入力手段と、入力の際には前記長繊維補強材料の引張弾性率と圧縮弾性率との入力を促す画像を表示して前記引張弾性率と前記圧縮弾性率とを取得し、予測結果を出力する際には前記コンピュータから送られる予測結果を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0029】
本発明では、従来と異なり、長繊維補強材料の圧縮弾性率Ecと引張弾性率EtとをEc<Etとなるようにそれぞれ別個に与える。本発明によれば、前記圧縮弾性率及び前記引張弾性率の入力を促す画像を、画像表示装置に表示させるので、入力ミスを極力低減できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。
【0031】
(実施の形態1)
次の説明においては、本発明に係る構造体の力学的性質の予測方法を、タイヤの力学的性質を予測する場合を例として説明する。図1は、予測対象であるタイヤを、その回転軸を含む子午面で切った断面を示す一部断面図である。同図を用いて、本実施の形態における予測対象構造体であるタイヤ10の構造について、簡単に説明する。キャップトレッド11は、タイヤ10の路面接地部に配置されており、カーカス15、ベルト14又はブレーカの外側を覆うゴム層である。キャップトレッド11は、カット衝撃に対してカーカス15やベルト14を保護する役目を持っている。
【0032】
アンダトレッド12は、キャップトレッド11とベルト14との間に配置されるゴム層で、発熱性、接着性等を向上させる目的で用いられる。サイドトレッド13は、サイドウォール部の最も外側に配置されて外からの傷がカーカス15に達するのを防止するとともに、ラジアルタイヤの場合には、車軸からの駆動力を路面に伝える補助的役割も担っている。
【0033】
ベルト14は、キャップトレッド11とカーカス15との間に配置されたゴム引きコード層である。なお、バイアスタイヤの場合にはブレーカと呼ぶ。ラジアルタイヤにおいて、ベルト14は形状保持及び強度メンバーとして重要な役割を担っている。カーカス15はタイヤ10の骨格をなすゴム引きコード層である。
カーカス15は、タイヤ10に空気を充填した際に圧力容器としての役目を果たす強度メンバーであり、その内圧によって荷重を支え、走行中の動的荷重に耐える構造を持っている。
【0034】
ビード16は、内圧によって発生するカーカス15のコード張力を支えているスチールワイヤの束を、硬質ゴムで固めたリングである。タイヤ10をホイールのリムに固定させる役割を果たす他、カーカス15、ベルト14及びトレッドとともに、タイヤ10の強度部材となる。ビードフィラ17は、カーカス15をビードワイヤの周囲に巻き込む際に生ずる空間へ充填するゴムである。カーカス15をビード16に固定するとともに、その部分の形状を整え、ビード部全体の剛性を高める。
【0035】
このように、タイヤはゴムを長繊維補強材料であるカーカスやベルト等の補強コードによって補強した複合材である。従来の手法においては、静的たわみ状態やタイヤの直進転動状態においては、実用上十分な予測精度が得られていたが、さらにコーナーリングフォースが作用する場合には、実用に耐え得る予測精度は得られていなかった。
【0036】
ここで、タイヤのコーナーリング時においてはタイヤが旋回力を受けて変形する結果、補強コードには引張ひずみのみならず圧縮ひずみも作用する。図2は、本発明において採用する補強コードの応力−ひずみの関係と弾性率の関係とを示した説明図である。また、図24は、従来手法において採用していた補強コードの応力−ひずみの関係と弾性率の関係とを示した説明図である。
【0037】
ベルト14やカーカス15等といったタイヤの補強コードは撚り線、又はモノフィラメントの長繊維補強材料であり、図2(b)に示すように、通常は引張弾性率Etの方が圧縮弾性率Ecよりも大きくなる。従来の手法では、図24に示すように、圧縮ひずみ領域における補強コード弾性率(以下圧縮弾性率という)Ecと、引張ひずみ領域における補強コード弾性率(以下引張弾性率という)Etとが等しいと仮定して、圧縮領域と引領域ともに弾性率をEとして計算していた。
【0038】
ここで、コーナーリング時は内側の補強コードが引張ひずみを受け、外側の補強コードが圧縮ひずみを受ける。このように、補強コードが圧縮ひずみを受けるときにも引張弾性率Etと同じ値を圧縮弾性率Ecに使用したのでは圧縮弾性率Ecが過大となる結果、ベルト層部における面内曲げ剛性が高くなってしまう。
これは、図22に示すように、相対的に高荷重におけるCP値が高くなってしまうことからも裏付けられる。
【0039】
すなわち、長繊維補強材料においては引張弾性率Etよりも圧縮弾性率Ecの方が小さいにもかかわらず、圧縮ひずみが作用する場合においても、引張弾性率Etと同じ値によってタイヤの性能を予測していたことが、予測精度を低下させていた原因である。図2(b)に示すように、本発明に係る予測方法においては、引張弾性率Etと圧縮弾性率Ecとを、Et>Ecとなるようにそれぞれ別個に与えて計算する。これによって、コーナーリング時のように、補強コードに圧縮ひずみが生ずる場合においても、圧縮側における補強コードの弾性特性を適切にモデル化できるので、タイヤの性能を高い精度で予測できる。
【0040】
本発明においては、圧縮弾性率Ecと引張弾性率EtとをEt>Ecとなるようにそれぞれ別個に設定するが、圧縮弾性率Ecと引張弾性率Etとの比Ec/Etが次の範囲となるように与えることが好ましい。Ec/Etは、長繊維補強材料である補強コードの材質や撚り構造、あるいは波付け構造によって異なるが、
金属繊維材料の場合には、0.05≦Ec/Et≦0.50
有機繊維材料の場合には、0.01≦Ec/Et≦0.20
無機繊維材料の場合には、0.01≦Ec/Et≦0.20
の範囲が好ましい。
【0041】
さらに高い予測精度を要する場合には、
金属繊維材料の場合には、0.07≦Ec/Et≦0.35
有機繊維材料の場合には、0.03≦Ec/Et≦0.15
無機繊維材料の場合には、0.03≦Ec/Et≦0.15
の範囲がより好ましい。ここで、金属繊維材料は炭素鋼線、ステンレス鋼線、高張力鋼線等が含まれ、有機繊維材料にはポリアミド系樹脂繊維、ポリエステル系樹脂繊維、アラミド系樹脂繊維、炭素繊維等が含まれ、無機繊維材料にはガラス繊維等が含まれる。
【0042】
図3は、実際の長繊維補強材料における応力−ひずみの関係と弾性率とひずみとの関係とを示した説明図である。同図に示すように、タイヤの補強コードとして使用する長繊維補強材料の本来の挙動は、引張と圧縮との境界領域付近(図3中ε1〜ε2で示す領域)ではひずみに対して応力が徐々に変化するものである。
すなわち、当該境界領域付近においては、補強コードの弾性率は徐々に変化した後、一定値となる。
【0043】
したがって、図3(b)に示すように、引張と圧縮との境界領域近傍においては、引張弾性率Et及び圧縮弾性率Ecを、補強コードの実際の弾性特性を近似した関数E=f(ε)で与えることが好ましい。このようにすれば、補強コードの実際の弾性特性を近似できるので、タイヤの性能予測精度をさらに向上させることができる。また、上記関数E=f(ε)によらなくとも、図3(c)に示すように単純な直線や曲線(例えば2次曲線、3次曲線、指数曲線)によって近似してもよい。この場合には多少予測精度が犠牲になるが、単純に近似した分だけ計算に要する時間を短縮できる。これによって、計算に要する時間を短縮できる。また、計算を行うハードウェア資源の負担も小さくできるので、ハードウェア資源が乏しい場合には有効である。
【0044】
引張と圧縮との境界領域は、補強コード1の種類によって異なるが、これを補強コード1のひずみεで表せば、
金属繊維材料の場合には、−0.01≦ε≦0.01
有機繊維材料の場合には、−0.10≦ε≦0.10
無機繊維材料の場合には、−0.01≦ε≦0.01
の範囲となる。
【0045】
図4は、補強コードに初期ひずみ又は初期応力が存在する場合における応力−ひずみ曲線図である。補強コードに作用する引張又は圧縮応力σの変化量は、引張又は圧縮弾性率Ec又はEcが一定であれば、図2や図3に示したように、ひずみεの変化量のみによって決定される。すなわち、応力σの変化量は、そのときのひずみεによっては左右されない。しかし、図4(a)に示すように、引張と圧縮との境界領域近傍においては、引張弾性率Et及び圧縮弾性率Ecは徐々に変化するので、応力σの変化量はそのときのひずみεの大きさによって変化する。
【0046】
したがって、例えばタイヤの製造工程上、補強コードに何らかの初期ひずみε0が存在する場合には、これを考慮した方が予測精度を向上させることができる。この場合、図4(a)、(b)に示すような応力−ひずみ曲線によってタイヤ性能の予測計算をする。ここで、この応力−ひずみ曲線はその原点を通らない。
同様に、例えばタイヤの製造工程上、補強コードに何らかの初期応力σ0が存在する場合には、これを考慮した方が予測精度を向上させることができるので好ましい。
【0047】
また、タイヤの挙動を動的解析する場合には、補強コードの粘弾性特性を考慮することが好ましい。また、ゴムで構成される部材についても、その粘弾性特性を考慮することが好ましい。このように、動的解析時に補強コードや母相であるゴム材の粘弾性特性も考慮すると、コンピュータによる数値解析中における発散を抑えることができる。また、より実際に近い挙動を再現できるので、予測精度がさらに向上する。
【0048】
補強コードの粘弾性特性を考慮するとは、釣合い方程式(1)における左辺第一項の慣性力及び左辺第三項の弾性力に加え、第二項の減衰力も考慮することを意味する。粘弾性特性を考慮すると、数値解析においては第二項によってひずみ速度に応じた減衰力が付加されて、振動が減衰するようになる。これにより、数値解析中の発散が抑えられるので、より実際の挙動に近い挙動を再現できる。
[M]{u''}+[C]{u'}+[K]{u}={p}・・・(1)
ここで、[M]:質量マトリックス、{u''}:加速度ベクトル、[C]:減衰マトリックス、{u'}:速度ベクトル、[K]:剛性マトリックス、{u}:変位ベクトル、{p}:荷重ベクトルである。
【0049】
次に、本発明に係るシミュレーションの手順について説明する。本発明においては、構造体の特性を予測する解析手法としてFEM(Finite Element Method:有限要素法)を使用する。なお、本発明に係る構造体の物理的特性予測方法に適用できる解析手法はFEMに限られず、BEM(Boundary Element Method:境界要素法)、FDM(Finite Differences Method:有限差分法)等も使用できる。予測対象の構造体や境界条件等によって最も適当な解析手法を選択し、又は複数の解析手法を組み合わせて使用することが好ましい。
【0050】
図5は、予測対象の構造体であるタイヤを微小要素に分割した例を示す斜視図である。同図に示すように、性能予測対象構造体であるタイヤ10は、有限要素法に基づき、有限個の微小要素10a、10b等に分割される。有限要素法に基づく微小要素とは、例えば2次元平面においては四辺形要素、3次元体としては四面体ソリッド要素、五面体ソリッド要素、六面体ソリッド要素等のソリッド要素や、三角形シェル要素、四角形シェル要素等のシェル要素等、コンピュータで用いうる要素とすることが望ましい。このようにして分割された微小要素は、解析の過程においては、3次元座標を用いて逐一特定される。
【0051】
次に、長繊維補強材料である補強コードのモデル化について説明する。図6は、補強コードを断面形状変化がない形状としてモデル化した一例を示す説明図である。補強コード1には、図6(a)に示すような撚り線や、図示しないモノフィラメントにスパイラル状又は平面状の波付けをしたものが使用される。このように、補強コード1の断面形状は、補強コードの長さ方向に対して変化しており、補強コードの形状は複雑である。このため、このまま微小要素に分割すると、計算量が極めて多くなるため現実的ではない。したがって、図6(b)や(c)に示すように、補強コード1の断面形状は補強コード1の長さ方向に対して変化しないものとして、単純化したモデルを作成する。これによって計算量を低減できるので、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)やメモリ等のハードウェア資源の負荷を低減できる。
【0052】
図7は、補強コードを含む複合材であるタイヤを均質な要素としてモデル化した一例を示す説明図である。同図に示すように、母相のゴム2と補強コード1とで構成された複合材層全体を均質な要素としてモデル化してもよい。このように取り扱えば、補強コード1と母相であるゴム2との体積分布に基づいて、複合材層全体の弾性率を等価的に取り扱うことができる。ここで、Vfを補強コード1の体積分率、Vmを母相であるゴム2の体積分率とすれば、等価圧縮弾性率EecはVf×Ec+Vm×Emで、等価引張弾性率EetはVf×Et+Vm×Emで与えられる。ここで、Emは母相であるゴム2の弾性率である。ここで、図7(a)は複合材層をソリッド要素4としてモデル化したものを示し、同図(b)は複合材層をシェル要素4'としてモデル化したものを示す。いずれのモデル化においても、複数の補強コード1に関してそれぞれ計算しなくてもよいので、ハードウェア資源の負担を大幅に低減でき、また、計算に要する時間も大幅に短縮できる。
【0053】
複合材層の厚さ方向における応力が重要になる場合には、複合材層をソリッド要素としてモデル化する必要がある。これは、シェル要素では複合材層の厚さ方向における応力を考慮できないためである。また、複合材層をソリッド要素としてモデル化すれば、補強コード1と母相のゴム2との体積の合計が実際の構造物と等しくなるので、解析対象部分の体積を厳密に取り扱う場合にも効果的である。一方、陽解法のFEMを用いる場合においては、時間増分が大きいとある解析に要するステップ数は少なくなるので計算時間を短くできる。複合材層をシェル要素としてモデル化した場合には、ソリッド要素と比較して要素代表長さが短くならないので、陽解法のFEMを用いる場合においては計算時間の増加を抑えることができる。
【0054】
図8は、この発明の実施の形態1に係る構造体の力学的特性予測装置の一例を示す説明図である。構造体の力学的特性予測装置50は、処理部52と記憶部54とで構成される。また、この構造体の力学的特性予測装置50には、入出力装置51が接続されており、ここに備えられた入力手段53で後述する圧縮弾性率Ecや引張弾性率Et等を処理部52や記憶部54へ入力する。ここで、入力手段53には、キーボード、マウス等の入力デバイスを使用することができる。
【0055】
記憶部54には、本発明に係る構造体の物理的性質予測方法を実現する本発明の予測方法が組み込まれたFEMのプログラムが格納されている。ここで、記憶部54は、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、又はフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ(CD−ROM等のような読み出しのみが可能な記憶媒体)や、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。
【0056】
また、上記プログラムは、コンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせによって、本発明に係る構造体の物理的特性予測方法を実現できるものであってもよい。また、図8における処理部52の機能を実現するための上記プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより本発明に係る予測方法を実行してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器などのハードウェアを含むものとする。
【0057】
処理部52は、メモリ及びCPUにより構成されている。性能予測時においては設定されたタイヤモデル(構造体モデル)及び入力データに基づいて、処理部52が前記プログラムを当該処理部52に組み込まれたメモリに読み込んで演算する。その際に処理部52は、適宜記憶部54へ演算途中の数値を格納し、また格納した数値を取り出して演算を進める。なお、この処理部52は、前記プログラムの代わりに専用のハードウェアにより実現されるものであってもよい。予測結果は、入出力装置の表示手段55に表示される。ここで、表示手段55には、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置等を使用することができる。また、予測結果は、必要に応じて設けられたプリンタ(図示せず)に出力することもできる。また、記憶部54は、処理部52に内蔵されるものであっても、他の装置(データベースサーバ)内にあってもよい。このように、上記構造体の力学的特性予測装置50は、入出力装置51を備えた端末装置(図示せず)から通信により処理部52や記憶部54にアクセスするものであってもよい。
【0058】
次に、本発明に係る構造体の力学的特性予測方法の手順について説明する。図9は、この発明の実施の形態1に係る構造体の力学的特性予測方法の予測手順例を示すフローチャートである。図9に示す予測手順は、補強コード1を断面形状変化がない形状としてモデル化した場合である。また、図10は、この予測手順を実行する際における予測装置の入力画面の一例を示す説明図である。
【0059】
この予測手法を上記構造体の力学的特性予測装置50で実行する場合には、圧縮弾性率Ec等を入力する際に、図10に示すような画面が入出力装置51の表示手段55に表示されて入力を促す。ここで、圧縮弾性率Ec等の文字を点滅させて、入力者の注意を喚起してもよく、また、画面の表示と同時に、音声で圧縮弾性率Ec等の入力を促すようにしてもよい。このように、従来は表示されなかった引張弾性率Etと圧縮弾性率Ecとを表示して入力を促すので、入力ミスを少なくすることができる。このように入力を促す表示や音声案内は、本発明に係る構造体の力学的特性予測プログラム中に予め入力案内プログラムを組み込んでおくことで実現できる。
【0060】
本発明に係る構造体の力学的特性予測方法をタイヤの性能予測に適用する場合には、まず、補強コード1とゴム2とで構成される複合材層を適切にモデル化する必要がある。図8に示す予測方法においては、補強コード1を断面積形状変化がない形状としてモデル化する(ステップS101)。このモデル化については上述した通りであり、図6に示したような形で補強コード1をモデル化する。
【0061】
次に、補強コード1の引張弾性率Etと圧縮弾性率Ecとを入力する(ステップS102、103)。このとき入力する値は、対応する補強コード1の種類によって定まる固有の値であり、さらに、Ec/Etが上述した範囲に入るようにする。このように、引張弾性率Etと圧縮弾性率EcとをEt>Ecとなるように別々の値として与えるので、コーナーリング時のように補強コード1に圧縮ひずみが生ずる場合であっても、高い精度でタイヤ10の性能を予測できる。
【0062】
EtとEcとを入力したら、その他の材料物性値を入力する(ステップS104)。この材料物性値は、例えば補強コード1の密度やせん断弾性係数、あるいは複合材を構成するゴム2の弾性係数等である。次に、タイヤ10の境界条件を入力する(ステップS105)。タイヤ10の境界条件には、タイヤの空気圧、荷重、スリップ角、速度、あるいはホイールのリム幅といった、タイヤ10の使用条件を入力する。ステップS102からステップS105までの条件を入力することにより、タイヤ10の性能予測に必要な条件がすべて入力される。なお、ステップS102からステップS105までの入力順序はこの順序に限られるものではなく、計算に必要な上記入力項目が漏れなく入力されれば足りる。
【0063】
設定した補強コード1のモデル化及び上記入力データに基づいて、FEMやBEM等の解析手法により転動時やコーナーリング時等におけるタイヤ10の挙動を解析し、性能を予測する(ステップS106)。タイヤ10全体は、例えば図5で示したようなメッシュによって有限個数の微小要素10a、10b等に分割されており、計算前には記憶部54に3次元の座標データとして読み込まれている。この微小要素の座標データと上記入力データとから、各時間における各微小要素のひずみや応力等を算出し、タイヤ10全体の挙動を求める。FEMにおいては、各微小要素内における応力やひずみは一定であると仮定し、この仮定に基づいて各微小要素の応力状態を演算する。
【0064】
本発明においては、引張弾性率Etと圧縮弾性率EcとをEc<Etとなるようにそれぞれ別個に与えることにより、コーナーリング時のように引張ひずみの他に圧縮ひずみをも考慮する必要がある現象における予測精度を向上させる。いずれの弾性率を用いて演算するかは、各微小要素のひずみによって判断する。すなわち、ある微小要素のひずみεが引張ひずみ(ε>0)であった場合には、その微小要素の演算には引張弾性率Etを用いる。一方、ある微小要素のひずみεが圧縮ひずみ(ε<0)であった場合には、その微小要素の演算には圧縮弾性率Ecを用いる。
【0065】
また、引張と圧縮との境界領域付近ではひずみに対して応力が徐々に変化するので、上述した手法によってこれを考慮してもよい。すなわち、当該境界領域付近においては、引張弾性率Et及び圧縮弾性率Ecを、補強コードの実際の弾性特性を近似した関数E=f(ε)で与えたり、単純な直線や曲線(例えば2次曲線)によって近似したりする。引張と圧縮との境界領域付近、すなわち各微小要素のひずみεが上述した所定の範囲に入ったときには、この関数E=f(ε)や2次曲線等によって近似した弾性率を使用して、各微小要素のひずみや応力状態を計算する。このようにして、各微小要素のひずみεの符号を判断することによって、使用する弾性率を選択する。このようにして求めた解析結果は、力学的特性予測装置50に接続された入出力装置51の表示手段55に出力されて、評価される(ステップ107)。
【0066】
図11は、この発明の実施の形態1に係る構造体の力学的特性予測方法において、他の複合材層のモデル化を適用した例を示すフローチャートである。図11に示す予測手順は、補強コード1とゴム2とで構成された複合材層全体を均質な要素としてモデル化した場合である。また、図12は、この予測手順を実行する際における予測装置の入力画面の一例を示す説明図である。この予測手法を上記構造体の力学的特性予測装置50で実行する場合には、図12に示すような画面が入出力装置51の表示手段55に表示される。
【0067】
図11に示す手順においては、補強コード1とゴム2とで構成された複合材層全体を均質な要素としてタイヤモデルを作成する(ステップS101')。このモデル化は、図7で示した通りであり、複合材層をソリッド要素4としてもよいし、シェル要素4'としてもよい。次に、等価圧縮弾性率Eecと等価引張弾性率Eetとを入力し(ステップS102'、S103')、全体として均質な要素を計算する場合に使用する。これは、補強コード1とゴム2とで構成された複合材層を、全体として均質な要素として取り扱うためである。ここで、等価圧縮弾性率EecはVf×Ec+Vm×Emで、等価引張弾性率EetはVf×Et+Vm×Emで与えられる。なお、圧縮弾性率Ecと引張弾性率Etとを入力し、この入力値から力学的特性予測装置50の処理部52に等価圧縮弾性率Eec=Vf×Ec+Vm×Em及び等価引張弾性率Eet=Vf×Et+Vm×Emを計算させてもよい。ステップS104'からステップS107'は補強コード1を断面形状変化がない形状としてモデル化した場合と同様なので、説明を省略する。
複合材層全体を均質な要素としてタイヤモデルを作成した場合には、補強コード1を断面形状変化がない形状としてモデル化した場合と比較して計算量を少なくできるので、力学的特性予測装置50の負荷を軽くすることができる。
【0068】
図13及び図14は、この発明の実施の形態1に係る構造体の力学的特性予測方法における他の予測手順例を示すフローチャートである。いずれも補強コード1に初期ひずみ等が存在する場合の取り扱いを示している。図13は、補強コード1を断面形状変化がない形状としてモデル化した場合であり、図14は、補強コード1とゴム2とで構成された複合材層全体を均質な要素としてモデル化した場合である。
【0069】
いずれの手法においても、その他、材料特性値の入力(ステップS204、S204')までは上述した通りであるので説明を省略する。図4(a)に示すように、製造上等何らかの理由で、補強コード1に初期ひずみが発生しているときには、応力が0であってもひずみが残留する。そして、この残留した初期ひずみによって、性能予測精度を低下させてしまうので、初期ひずみがある場合には補強コードの初期ひずみを設定する(ステップS205、S206、S205'、S206')。
【0070】
同様に、何らかの理由で、補強コード1に初期応力が残留している場合には、図4(b)に示すようにひずみが0でも応力が生ずる。このため、補強コード1に初期応力が発生している場合には、初期応力を設定する(ステップS207、S208、S207'、S208')。なお、初期ひずみ又は初期応力が補強コード1に発生していないときには、上記ステップは省略される。このように、初期ひずみ及び初期応力を考慮すれば、性能予測精度をさらに向上させることができる。
【0071】
初期ひずみと初期応力とを設定したら、タイヤの境界条件を入力し(ステップS209、S209')、各微小要素の応力状態やひずみを逐次計算してタイヤの性能を予測する(ステップS210、S210')。なお、この場合には初期ひずみε0や初期応力σ0が存在するので、図4(a)、(b)に示す応力−ひずみ曲線を用いてタイヤ性能の予測計算をする。このときの初期ひずみε0と初期応力σ0とは、ステップS207、S208で設定した初期ひずみと初期応力である。各微小要素の応力状態やひずみは、この応力−ひずみ曲線に基づいて計算される。なお、初期応力や初期ひずみが存在しても、圧縮弾性率及び引張弾性率は変化しないので、これらはそのまま計算される。計算が終了したら、結果が表示手段55に出力されて(ステップS211、211')一連のステップが終了する。
【0072】
なお、実施の形態1に係る本発明の構造体の物理的特性予測方法は、上記構造体の力学的特性予測装置50を使用しなくとも、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。以下の実施の形態においても同様である。
【0073】
(実施例)
ここでは、実施の形態1で説明した性能予測手法のうち一つを用いて、コーナーリング時におけるタイヤの性能を予測した。表1に、性能を予測したタイヤの仕様を示す。
【表1】
Figure 0004559694
表1に示した仕様の試験タイヤを用いて、コーナーリングパワーの荷重依存係数を実測し、本発明に係る予測方法による荷重依存係数と比較した。実測においては、17×8JJのリムに装着した上記試験タイヤを空気圧250kPa、速度100km/hの条件で、室内フラットベルト式試験機で走行させた。このときのコーナーリングパワーCPを測定し、荷重F1及びF2(F1<F2)におけるコーナーリングパワーCPの傾きから、CPの荷重依存係数を求めた。
【0074】
一方、本発明に係る性能予測方法においては、複合材の補強コードを均質なシェル要素4'でモデル化したタイヤモデルを用い、実測に準じた条件でコーナーリングパワーCPの荷重依存係数を求めた。このとき、補強コード1の初期ひずみと初期応力とを考慮する。なお、この手法は図14に示した手法である。図15は、この予測手法による荷重をパラメータとしたコーナーリングパワーCPの予測結果を示す説明図である。同図中、コーナーリングフォースCFが一定となる時間以降におけるCFの平均値から、コーナーリングパワーCPを求める。このようにして求めた荷重計数の実測値と予測値とを評価結果を表2に示す。
【表2】
Figure 0004559694
ここで、荷重依存係数は、実測値を100とする指数で表す。荷重依存係数の値は100に近い程予測精度が高いことを示し、±20%の範囲であれば、実用上問題なくタイヤの設計に使用できる。この評価結果から分かるように、従来手法では荷重依存係数が166であり、タイヤの設計には使用できなかった。本発明に係る手法においては、タイヤ呼び幅が235と大きく、ベルト層部の面内曲げ剛性の影響が大きいにも関わらず、いずれのEc/Etであっても実測値の±20%内に収まっており、タイヤの実設計に十分使用できる。そして、Ec/Etを最適化すれば、極めて高い予測精度を得ることもできる。
【0075】
(実施の形態2)
上記説明においては、タイヤを例によって本発明に係る構造体の力学的特性の予測方法を説明したが、本発明の適用範囲はタイヤに限られるものではない。実施の形態2においては、他の適用例として本発明に係る構造体の力学的特性の予測方法を、コンベアベルトに適用した例について説明する。
【0076】
図16は、コンベアベルトをモデル化した一例を示す説明図である。コンベアベルト20は、図16(a)に示すように、ゴム22に補強コード21が埋め込まれた構造である。そして、図16(b)に示すように、使用時には輪状の構造となって、キャリアローラー25cとリターンローラー25rに掛けられて、荷物26を図16(b)中の矢印方向へ搬送する。コンベアベルト20は搬送中に引張力を受けるが、キャリアローラー25c及びリターンローラー25rを通過するときには曲げられるので、曲がりの内側では引張力と同時に圧縮力も受ける。この点において、コーナーリング時におけるタイヤと同様であるので、本発明に係る予測方法によれば、高い予測精度で挙動を予測でき、それを設計に反映させることができる。
【0077】
図16(a)は、補強コード21とゴム22で構成される複合材のコンベアベルト20をモデル化した一例を表す。これは、図6(b)や(c)に示したように、補強コード21の断面形状は補強コード21の長さ方向に対して変化しないものとして単純化したモデルである。ゴム22については、直方体状の要素に分割する。このモデルによって、本発明に係る予測方法を適用する。なお、図7に示すように、複合材層を均質化したモデルとして取り扱ってもよい。
【0078】
図17は、この発明の実施の形態2に係る構造体の力学的特性予測方法の予測手順例を示すフローチャートである。まず、複合材の補強コード21は断面形状の変化がない形状として、コンベアベルトモデルを作成する(ステップS301)。そして、補強コード21の引張及び圧縮弾性率Ec、Ecを入力し(ステップS302、303)、その他の物性値、コンベアベルト20の境界条件を入力して(ステップS304、305)、FEMによってコンベアベルト20の性能を予測する(ステップS306)。ここで、コンベアベルト20の境界条件には、搬送速度やベルト幅等の、コンベアベルト20の使用条件を入力する。計算が終了したら、結果を出力し(ステップS307)、終了する。なお、上述したように、コンベアベルト20の補強コード21に初期ひずみや初期応力が存在する場合には、これを考慮して計算してもよい(以下同様)。
【0079】
(実施の形態3)
この実施の形態においては、他の適用例として本発明に係る構造体の力学的特性の予測方法を、ホースに適用した例について説明する。図18は、ホース及びこれをモデル化した一例を示す説明図である。図18(a)、(b)に示すように、ホース30は、ゴム32に補強コード31が埋め込まれた構造であり、内部を通過する流体の圧力により、補強コード31は引張力を受ける。さらに、ホース30は曲がった状態で使用される場合もあり、このような場合には、曲がり部の内側において、引張力と同時に圧縮力も受ける。この点において、コーナーリング時におけるタイヤ10や使用時のコンベアベルト20と同様であるので、本発明に係る予測方法によれば、高い予測精度で挙動を予測でき、それを設計に反映させることができる。
【0080】
図18(a)は、補強コード31とゴム32で構成される複合材のホース30をモデル化した一例を表す。これは、図7(a)に示すように、補強コード31とゴム32で構成される複合材層を均質化し、ソリッド要素としてモデル化したものである。ゴム22については、直方体状の要素に分割する。このモデルに対して、本発明に係る予測方法を適用する。なお、図6に示すように、補強コード31の断面形状は補強コード31の長さ方向に対して変化しないものとしてモデル化してもよい(以下同様)。
【0081】
図19は、この発明の実施の形態3に係る構造体の力学的特性予測方法の予測手順例を示すフローチャートである。まず、補強コード31とゴム32とで構成される複合材は均質な要素として、ホースモデルを作成する(ステップS401)。そして、補強コード31の等価引張及び圧縮弾性率Et、Ecを入力し(ステップS402、403)、その他の物性値、ホース30の境界条件を入力して(ステップS404、405)、FEM、BEMその他の解析手法によってコンベアベルト20の性能を予測する(ステップS406)。計算が終了したら、結果を出力し(ステップS407)、終了する。
【0082】
(実施の形態4)
この実施の形態においては、他の適用例として本発明に係る構造体の力学的特性の予測方法を、防舷材に適用した例について説明する。図20は、防舷材及びこれをモデル化した例を示す説明図である。図20(a)、(b)に示すように、防舷材40は、その周方向及び軸Z方向に向かって補強コード(図示せず)が母相であるゴム42に埋め込まれた構造である。そして、内部に充填された高圧空気等の圧力により、補強コードは引張力を受ける。
【0083】
図20に示すように、防舷材40は略円筒状の形状であり、船舶と接岸壁との間に配置されて、船舶が接岸するときにおいて緩衝材の役割を果たす。このため、使用時において防舷材40は、その径方向に大きく変形するので、防舷材40の周方向に埋め込まれた補強コードは大きく曲げ変形を受ける。これによって、曲げの内側には圧縮力と引張力とが作用しながら変形し、またもとの形状に戻る変化を繰り返す。この点において、コーナーリング時におけるタイヤ10や使用時のコンベアベルト20等と同様であるので、本発明に係る予測方法によれば、高い予測精度で使用時における挙動を予測でき、それを設計に反映させることができる。
【0084】
図20(c)は、補強コードとゴム42で構成される複合材の防舷材40をモデル化した一例を表す。これは、図7(b)に示したように、補強コード41とゴム42とで構成される複合材層を均質化し、シェル要素としてモデル化したものである。このモデルに対して、本発明に係る予測方法を適用する。
【0085】
図21は、この発明の実施の形態4に係る構造体の力学的特性予測方法の予測手順例を示すフローチャートである。まず、補強コード41とゴム42とで構成される複合材は均質な要素として、防舷材モデルを作成する(ステップS501)。そして、補強コード41の等価引張及び圧縮弾性率Et、Ecを入力し(ステップS502、503)、その他の物性値、防舷材40の境界条件を入力して(ステップS504、505)、FEM、BEMその他の解析手法によって防舷材40の性能を予測する(ステップS506)。計算が終了したら、結果を出力し(ステップS507)、終了する。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係る構造体の力学的特性予測方法では、引張弾性率Etと圧縮弾性率Ecとを、Et>Ecとなるようにそれぞれ別個に与えて計算するようにした。これによって、コーナーリング時のように、長繊維補強材料に圧縮ひずみが生ずる場合においても、タイヤやコンベアベルト等の長繊維補強材料で補強された構造体の性能を高い精度で予測できる。
【0087】
また、この発明に係る構造体の力学的特性予測方法では、長繊維補強材料の本来の挙動は、引張と圧縮との境界領域付近においては長繊維補強材料の弾性率を変化させて解析するようにした。これによって、タイヤやコンベアベルト等の構造体の性能予測精度をさらに向上させることができる。
【0088】
また、この発明に係る構造体の力学的特性予測方法では、引張と圧縮との境界領域においては上記長繊維補強材料の弾性率を直線、2次曲線、3次曲線、指数曲線その他の曲線で近似するようにした。このように、前記境界領域内における長繊維補強材料の弾性特性を簡単な関数で近似するので、その分だけ計算に要する時間を短縮できる。これによって、計算を行うハードウェア資源の負担も小さくできるので、ハードウェア資源が乏しい場合には有効である。
【0089】
また、この発明に係る構造体の力学的特性予測方法では、構造体を製造する工程上において、長繊維補強材料に生ずる何らかの初期ひずみや初期応力をも考慮して解析するようにしたので、さらに物理的性質の予測精度を向上させることができる。
【0090】
また、この発明に係る構造体の力学的特性予測方法では、解析時に補強コードである長繊維補強材料や母相の粘弾性特性も考慮するようにしたので、FEMやBEMによる解析中における発散を抑えることができる。また、より実際の挙動に近い挙動を再現できるので、予測精度がさらに向上する。
【0091】
また、この発明に係るタイヤの性能予測方法では、上記構造体の力学的特性予測方法をタイヤの性能予測に適用するようにしたので、コーナーリング時のように、圧縮ひずみと引張ひずみとが補強コードに作用するような場合であっても、高い予測精度でタイヤの性能を予測できる。
【0092】
また、この発明に係る構造体の力学的特性予測プログラムでは、引張弾性率Etと圧縮弾性率Ecとを、Et>Ecとなるようにそれぞれ別個に与える手順を含むようにした。これによって、長繊維補強材料に圧縮ひずみが生ずる場合においても、タイヤやコンベアベルト等の長繊維補強材料で補強された構造体の性能を高い精度でコンピュータに予測させることができる。
【0093】
また、この発明に係る構造体の力学的特性予測プログラムでは、圧縮弾性率及び引張弾性率の入力を促す手順を含むようにしたので、入力ミスを極力低減できる。
【0094】
また、この発明に係る入出力装置では、前記圧縮弾性率及び前記引張弾性率の入力を促す画像を、画像表示装置に表示させるようにしたので、入力ミスを極力低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】予測対象であるタイヤを、その回転軸を含む子午面で切った断面を示す一部断面図である。
【図2】本発明において採用する補強コードの応力−ひずみの関係と弾性率の関係とを示した説明図である。
【図3】実際の長繊維補強材料における応力−ひずみの関係と弾性率とひずみとの関係とを示した説明図である。
【図4】補強コードに初期ひずみ又は初期応力が存在する場合における応力−ひずみ曲線図である。
【図5】予測対象の構造体であるタイヤを微小要素に分割した例を示す斜視図である。
【図6】補強コードを断面形状変化がない形状としてモデル化した一例を示す説明図である。
【図7】補強コードを含む複合材であるタイヤを均質な要素としてモデル化した一例を示す説明図である。
【図8】この発明の実施の形態1に係る構造体の力学的特性予測装置の一例を示す説明図である。
【図9】この発明の実施の形態1に係る構造体の力学的特性予測方法の予測手順例を示すフローチャートである。
【図10】この予測手順を実行する際における予測装置の入力画面の一例を示す説明図である。
【図11】この発明の実施の形態1に係る構造体の力学的特性予測方法において、他の複合材層のモデル化を適用した例を示すフローチャートである。
【図12】この予測手順を実行する際における予測装置の入力画面の一例を示す説明図である。
【図13】この発明の実施の形態1に係る構造体の力学的特性予測方法における他の予測手順例を示すフローチャートである。
【図14】この発明の実施の形態1に係る構造体の力学的特性予測方法における他の予測手順例を示すフローチャートである。
【図15】この予測手法による荷重をパラメータとしたコーナーリングパワーCPの予測結果を示す説明図である。
【図16】コンベアベルトをモデル化した一例を示す説明図である。
【図17】この発明の実施の形態2に係る構造体の力学的特性予測方法の予測手順例を示すフローチャートである。
【図18】ホース及びこれをモデル化した一例を示す説明図である。
【図19】この発明の実施の形態3に係る構造体の力学的特性予測方法の予測手順例を示すフローチャートである。
【図20】防舷材及びこれをモデル化した例を示す説明図である。
【図21】この発明の実施の形態4に係る構造体の力学的特性予測方法の予測手順例を示すフローチャートである。
【図22】実測値と従来手法のシミュレーションによるコーナーリング時におけるCP値と荷重との関係を示す説明図である。
【図23】コーナーリングフォースCFの説明図である。
【図24】従来手法において採用していた補強コードの応力−ひずみの関係と弾性率の関係とを示した説明図である。
【符号の説明】
1、21、31、41 補強コード
2、22、32、42 ゴム
4 ソリッド要素
4' シェル要素
10 タイヤ
20 コンベアベルト
30 ホース
40 防舷材
50 力学的特性予測装置
51 入出力装置
52 処理部
53 入力手段
54 記憶部
55 表示手段

Claims (22)

  1. 処理部と記憶部とを備えるコンピュータを用いて母相を長繊維補強材料で補強した複合材により構成された構造体の力学的特性を有限要素法、境界要素法その他の解析手法によって予測するにあたり、
    前記長繊維補強材料のひずみεが正の場合には引張弾性率を与え、前記長繊維補強材料のひずみが負の場合には前記引張弾性率よりも小さい値の圧縮弾性率を与えて解析し、さらに、前記長繊維補強材料が金属繊維材料の場合には−0.01≦ε≦0.01、前記長繊維補強材料が有機繊維材料の場合には−0.10≦ε≦0.10、前記長繊維補強材料が無機繊維材料の場合には−0.01≦ε≦0.01の範囲で、前記長繊維補強材料の弾性率を、前記引張弾性率の値と前記圧縮弾性率の値との間で変化させて解析するコンピュータプロラムを用い、
    前記処理部は、設定されたタイヤモデル及び入力データに基づいて、前記処理部が前記コンピュータプログラムを前記処理部に組み込まれたメモリに読み込んで演算し、その際に、前記処理部は、前記記憶部へ演算途中の数値を格納し、また格納した数値を取り出して演算を進めることを特徴とする構造体の力学的特性予測方法。
  2. 処理部と記憶部とを備えるコンピュータを用いて母相を長繊維補強材料で補強した複合材により構成された構造体の力学的特性を有限要素法、境界要素法その他の解析手法によって予測するにあたり、
    前記複合材を均質な要素としてモデル化し、且つ前記長繊維補強材料のひずみεが正の場合には等価引張弾性率を与え、前記長繊維補強材料のひずみが負の場合には前記等価引張弾性率よりも小さい値の等価圧縮弾性率を与えて解析し、さらに、前記長繊維補強材料が金属繊維材料の場合には−0.01≦ε≦0.01、前記長繊維補強材料が有機繊維材料の場合には−0.10≦ε≦0.10、前記長繊維補強材料が無機繊維材料の場合には−0.01≦ε≦0.01の範囲で、前記長繊維補強材料の弾性率を、前記引張弾性率の値と前記圧縮弾性率の値との間で変化させて解析するコンピュータプロラムを用い、
    前記処理部は、設定されたタイヤモデル及び入力データに基づいて、前記処理部が前記コンピュータプログラムを前記処理部に組み込まれたメモリに読み込んで演算し、その際に、前記処理部は、前記記憶部へ演算途中の数値を格納し、また格納した数値を取り出して演算を進めることを特徴とする構造体の力学的特性予測方法。
  3. 上記長繊維補強材料の圧縮弾性率をEc、引張弾性率をEtとしたとき、上記長繊維補強材料が金属繊維材料の場合には0.05≦Ec/Et≦0.50であり、上記長繊維補強材料が有機繊維材料の場合には0.01≦Ec/Et≦0.20であり、上記長繊維補強材料がガラス繊維材料の場合には0.01≦Ec/Et≦0.20であることを特徴とする請求項1又は2に記載の構造体の力学的特性予測方法。
  4. さらに、上記長繊維補強材料の弾性率を変化させる場合においては上記長繊維補強材料の弾性率を1次関数、2次関数、3次関数、指数関数その他の関数で近似することを特徴とする請求項3に記載の構造体の力学的特性予測方法。
  5. さらに、上記長繊維補強材料に初期ひずみε0が存在する場合には、予め上記長繊維補強材料に前記初期ひずみε0を与えてから解析することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の構造体の力学的特性予測方法。
  6. さらに、上記長繊維補強材料に初期応力σ0が存在する場合には、予め上記長繊維補強材料に前記初期応力σ0を与えてから解析することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の構造体の力学的特性予測方法。
  7. さらに、上記複合材のうち粘弾性材料からなる部分には粘弾性材料モデルを用いて解析することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の構造体の力学的特性予測方法。
  8. ゴムの母相を金属繊維、有機材料繊維その他の長繊維補強材料である補強コードで補強した構造体であるタイヤに対して、請求項1〜7のいずれか1項に記載の構造体の力学的特性予測方法を適用して前記タイヤの性能を予測することを特徴とするタイヤの性能予測方法。
  9. さらに、荷重、スリップ角、速度その他のタイヤのコーナーリング時における条件を境界条件として与えて、コーナーリング時におけるタイヤの動的性能を予測することを特徴とする請求項8に記載のタイヤの性能予測方法。
  10. 母相を長繊維補強材料で補強した複合材により構成された構造体の力学的特性を有限要素法、境界要素法その他の解析手法によって、処理部と記憶部とを備えるコンピュータに予測させるものであって、
    計算の際には前記長繊維補強材料のひずみεが正の場合には引張弾性率を与え、前記長繊維補強材料のひずみが負の場合には前記引張弾性率よりも小さい値の圧縮弾性率を与える手順を含み、さらに、前記長繊維補強材料が金属繊維材料の場合には−0.01≦ε≦0.01、前記長繊維補強材料が有機繊維材料の場合には−0.10≦ε≦0.10、前記長繊維補強材料が無機繊維材料の場合には−0.01≦ε≦0.01の範囲で、前記長繊維補強材料の弾性率を、前記引張弾性率の値と前記圧縮弾性率の値との間で変化させて解析するコンピュータプロラムであり、
    前記処理部は、設定されたタイヤモデル及び入力データに基づいて、前記処理部が前記コンピュータプログラムを前記処理部に組み込まれたメモリに読み込んで演算し、その際に、前記処理部は、前記記憶部へ演算途中の数値を格納し、また格納した数値を取り出して演算を進めることを特徴とする構造体の力学的特性予測プログラム。
  11. 母相を長繊維補強材料で補強した複合材により構成された構造体の力学的特性を有限要素法、境界要素法その他の解析手法によって処理部と記憶部とを備えるコンピュータに予測させるものであって、
    前記複合材を均質な要素としてモデル化し、且つ計算の際には前記長繊維補強材料のひずみが正の場合には等価引張弾性率を与え、前記長繊維補強材料のひずみεが負の場合には前記等価引張弾性率よりも小さい値の圧縮弾性率を与える手順を含み、さらに、前記長繊維補強材料が金属繊維材料の場合には−0.01≦ε≦0.01、前記長繊維補強材料が有機繊維材料の場合には−0.10≦ε≦0.10、前記長繊維補強材料が無機繊維材料の場合には−0.01≦ε≦0.01の範囲で、前記長繊維補強材料の弾性率を、前記引張弾性率の値と前記圧縮弾性率の値との間で変化させて解析するコンピュータプロラムであり、
    前記処理部は、設定されたタイヤモデル及び入力データに基づいて、前記処理部が前記コンピュータプログラムを前記処理部に組み込まれたメモリに読み込んで演算し、その際に、前記処理部は、前記記憶部へ演算途中の数値を格納し、また格納した数値を取り出して演算を進めることを特徴とする構造体の力学的特性予測プログラム。
  12. さらに上記長繊維補強材料の圧縮弾性率をEc、引張弾性率をEtとしたとき、上記長繊維補強材料が金属繊維材料の場合には0.05≦Ec/Et≦0.50であり、上記長繊維補強材料が有機繊維材料の場合には0.01≦Ec/Et≦0.20であり、上記長繊維補強材料がガラス繊維材料の場合には0.01≦Ec/Et≦0.20であることを特徴とする請求項10又は11に記載の構造体の力学的特性予測プログラム。
  13. さらに、前記長繊維補強材料の圧縮弾性率及び引張弾性率を取得する際には、前記圧縮弾性率及び前記引張弾性率の入力を促す手順を含むことを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の構造体の力学的特性予測プログラム。
  14. 母相を長繊維補強材料で補強した複合材により構成された構造体の力学的特性を有限要素法、境界要素法その他の解析手法によって、処理部と記憶部とを備えるコンピュータに予測させる際に使用する入出力装置であって、 前記コンピュータに前記長繊維補強材料の圧縮弾性率及び引張弾性率、その他の物性値、境界条件その他のデータを与える入力手段と、
    入力の際には前記長繊維補強材料の引張弾性率と圧縮弾性率との入力を促す画像を表示して前記引張弾性率と前記圧縮弾性率とを取得し、予測結果を出力する際には前記コンピュータから送られる予測結果を表示する表示手段と、を備え、
    前記処理部は、前記構造体の力学的特性を予測する際には、前記長繊維補強材料のひずみが正の場合には引張弾性率を与え、前記長繊維補強材料のひずみεが負の場合には前記引張弾性率よりも小さい値の圧縮弾性率を与え、さらに、前記長繊維補強材料が金属繊維材料の場合には−0.01≦ε≦0.01、前記長繊維補強材料が有機繊維材料の場合には−0.10≦ε≦0.10、前記長繊維補強材料が無機繊維材料の場合には−0.01≦ε≦0.01の範囲で、前記長繊維補強材料の弾性率を、前記引張弾性率の値と前記圧縮弾性率の値との間で変化させ、さらに、設定されたタイヤモデル及び入力データに基づいて、前記処理部が前記コンピュータプログラムを前記処理部に組み込まれたメモリに読み込んで演算し、その際に、前記処理部は、前記記憶部へ演算途中の数値を格納し、また格納した数値を取り出して演算を進めることを特徴とする入出力装置。
  15. 母相を長繊維補強材料で補強した複合材により構成された構造体の力学的特性を有限要素法、境界要素法その他の解析手法によって処理部と記憶部とを備えるコンピュータに予測させる際に使用する入出力装置であって、
    前記コンピュータに前記長繊維補強材料の圧縮弾性率及び引張弾性率、その他の物性値、境界条件その他のデータを与える入力手段と、
    入力の際には前記長繊維補強材料の引張弾性率と圧縮弾性率との入力を促す画像を表示して前記引張弾性率と前記圧縮弾性率とを取得し、予測結果を出力する際には前記コンピュータから送られる予測結果を表示する表示手段と、を備え、
    前記処理部は、前記複合材が均質な要素としてモデル化された場合、前記構造体の力学的特性を予測する際には、前記長繊維補強材料のひずみεが正の場合には等価引張弾性率を与え、前記長繊維補強材料のひずみが負の場合には前記等価引張弾性率よりも小さい値の圧縮弾性率を与え、さらに、前記長繊維補強材料が金属繊維材料の場合には−0.01≦ε≦0.01、前記長繊維補強材料が有機繊維材料の場合には−0.10≦ε≦0.10、前記長繊維補強材料が無機繊維材料の場合には−0.01≦ε≦0.01の範囲で、前記長繊維補強材料の弾性率を、前記引張弾性率の値と前記圧縮弾性率の値との間で変化させ、さらに、設定されたタイヤモデル及び入力データに基づいて、前記処理部が前記コンピュータプログラムを前記処理部に組み込まれたメモリに読み込んで演算し、その際に、前記処理部は、前記記憶部へ演算途中の数値を格納し、また格納した数値を取り出して演算を進めることを特徴とする入出力装置。
  16. さらに上記長繊維補強材料の圧縮弾性率をEc、引張弾性率をEtとしたとき、上記長繊維補強材料が金属繊維材料の場合には0.05≦Ec/Et≦0.50であり、上記長繊維補強材料が有機繊維材料の場合には0.01≦Ec/Et≦0.20であり、上記長繊維補強材料がガラス繊維材料の場合には0.01≦Ec/Et≦0.20とすることを特徴とする請求項14又は15に記載の入出力装置。
  17. さらに、上記長繊維補強材料の弾性率を変化させる場合においては上記長繊維補強材料の弾性率が1次関数、2次関数、3次関数、指数関数その他の関数で近似することを特徴とする請求項14〜16のいずれか1項に記載の入出力装置。
  18. さらに、上記長繊維補強材料に初期ひずみε0が存在する場合には、予め上記長繊維補強材料に前記初期ひずみε0が与えられてから解析することを特徴とする請求項14〜17のいずれか1項に記載の入出力装置。
  19. さらに、上記長繊維補強材料に初期応力σ0が存在する場合には、予め上記長繊維補強材料に前記初期応力σ0が与えられてから解析することを特徴とする請求項14〜18のいずれか1項に記載の入出力装置。
  20. さらに、上記複合材のうち粘弾性材料からなる部分には粘弾性材料モデルを用いて解析することを特徴とする請求項14〜19のいずれか1項に記載の入出力装置。
  21. ゴムの母相を金属繊維、有機材料繊維その他の長繊維補強材料である補強コードで補強した構造体であるタイヤに対して、請求項14〜20のいずれか1項に記載の構造体の力学的特性予測方法を適用して前記タイヤの性能を予測することを特徴とする入出力装置。
  22. さらに、荷重、スリップ角、速度その他のタイヤのコーナーリング時における条件を境界条件として与えて、コーナーリング時におけるタイヤの動的性能を予測することを特徴とする請求項21に記載の入出力装置。
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