JP4559254B2 - 鋼材の白点性欠陥の評価方法 - Google Patents

鋼材の白点性欠陥の評価方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4559254B2
JP4559254B2 JP2005044979A JP2005044979A JP4559254B2 JP 4559254 B2 JP4559254 B2 JP 4559254B2 JP 2005044979 A JP2005044979 A JP 2005044979A JP 2005044979 A JP2005044979 A JP 2005044979A JP 4559254 B2 JP4559254 B2 JP 4559254B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
white spot
steel
flaw detection
evaluation
test piece
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005044979A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006234387A (ja
Inventor
海広 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Special Steel Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Special Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Special Steel Co Ltd filed Critical Sanyo Special Steel Co Ltd
Priority to JP2005044979A priority Critical patent/JP4559254B2/ja
Publication of JP2006234387A publication Critical patent/JP2006234387A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4559254B2 publication Critical patent/JP4559254B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/02Indexing codes associated with the analysed material
    • G01N2291/028Material parameters
    • G01N2291/0289Internal structure, e.g. defects, grain size, texture

Description

本発明は、鋼材の白点性欠陥の評価方法に関し、特に、高周波超音波探傷法を用いることにより、精密な評価を可能とした鋼材の白点性欠陥の評価方法に関するものである。
白点性欠陥は、鋼材の冷却過程で生ずる変態応力や水素集積にともなう内部歪などで誘発される内部割れであり、合金鋼などで発生しやすい。
特に、SUJ2などの過共析鋼では、白点性欠陥は、Acm変態で析出する網状炭化物中に過飽和な水素の圧力によって、微小亀裂が発生することが素因になる。また、各種応力によっても炭化物に微小亀裂が発生する。
白点性欠陥がある場合には、鋼材の引張・圧縮特性などの機械的特性に悪影響を及ぼすことが多い。しかしながら、生産性との兼ね合いから、必ずしも十分な冷却過程やソーキング過程をとれず、白点性欠陥の完全防止は現実的には困難である。
そこで、鋼材も品質保証というの観点から、白点性欠陥のない正常材と、それ以外の鋼材とを区別するために、鋼片の検査が必要となる。
従来の鋼材の白点性欠陥の評価方法としては、JIS規格(JIS G 0553)に規定されたマクロ組織試験法による評価がある(例えば非特許文献1参照)。
マクロ組織試験法は、鋼の断面を塩酸、塩化銅アンモニウム、王水などを用い、エッチングして樹枝状結晶、インゴットパターン、中心部偏析、多孔質、ピットなどのマクロ組織を試験する方法である。被検面の粗さは原則として、JIS B0601に規定されている30〜3.5μmRa仕上げる。処理方法は、腐食液を70〜80℃程度に加熱し、組織の出現状況を観察しながら適当な時間浸漬する。そして、組織が出現したら液から取り出し、水洗、中和、乾燥して肉眼にて観察を行う。
JIS規格(規格番号:JIS G 0553) 鋼のマクロ組織試験方法
しかしながら、従来のマクロ組織試験法による白点性欠陥の評価には、以下の問題点がある。
従来のマクロ組織試験法による組織の検査は目視にて行う、いわゆる感応検査であるため、検査結果の客観性に乏しい。また、目視にて観察することとなるため検査作業の自動化を図ることも困難である。
一方、白点性欠陥の出方(広がり)は軽微なことが多いので、高周波超音波探傷法などを用いた精密な白点性欠陥の評価方法が必要と考えられる。
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされたもので、より精密な鋼材の白点性欠陥の評価が可能であり、自動化を図ることが可能な鋼材の白点性欠陥の評価方法を提供しようとするものである。
本願請求項1に記載の発明は、超音波探傷試験装置の探傷感度を所定の感度として、評価対象鋼から作成された試験片内の所定の評価範囲について超音波探傷を行い、超音波探傷により検出された検出物毎に、超音波探傷映像による検出物面積指標と、反射波強度との関係を求め、第1の軸を反射波強度とし、第2の軸を検出物面積指標とした直交座標系上に、介在物と白点性欠陥とが混在する所定の混在領域と、混在領域を除いた直交座標系上の領域である白点性欠陥評価領域とを設定し、直交座標系上に、検出物毎の反射波強度と検出物面積指標との関係を座標に示し、白点性欠陥評価領域に存在する検出物の数に基づいて、評価対象鋼を正常材と評価することを特徴とする鋼材の白点性欠陥の評価方法である。
また、本願請求項2に記載の発明は、白点性欠陥評価領域は、評価除外領域をさらに除いた直交座標系上の領域であることを特徴とする鋼材の白点性欠陥の評価方法である。
また、本願請求項3に記載の発明は、評価対象鋼は、圧鍛比6から30で圧延及び/又は鍛伸された鋼であることを特徴とする鋼材の白点性欠陥の評価方法である。
また、本願請求項4に記載の発明は、超音波探傷試験装置の探傷周波数は、5〜25MHzであることを特徴とする鋼材の白点性欠陥の評価方法である。
また、本願請求項5に記載の発明は、超音波探傷試験装置は、試験片中焦点でのビーム径がφ0.5から1.5mmの焦点型探触子を使用することを特徴とする鋼材の白点性欠陥の評価方法である。
また、本願請求項6に記載の発明は、試験片内の所定の評価範囲は、試験片の内部全体の範囲から、ポロシティ存在範囲と周辺部を除外した範囲であることを特徴とする鋼材の白点性欠陥の評価方法である。
また、本願請求項7に記載の発明は、評価対象鋼は、高炭素クロム鋼であることを特徴とする鋼材の白点性欠陥の評価方法である。
また、本願請求項8に記載の発明は、試験片は、焼なまし処理をされたものであることを特徴とする鋼材の白点性欠陥の評価方法である。
本発明によれば、超音波探傷装置により白点性欠陥の検出が可能となるため、軽微な白点性欠陥を効率的かつ客観的に検出することが可能となる。これにより、白点性欠陥の少ない高品質の鋼材の供給が可能となる。
以下、本発明の実施形態である鋼材の白点性欠陥の評価方法について、図を参照して詳細に説明をする。
図1は、本発明の実施形態である鋼材の白点性欠陥の評価方法に使用する試験片の外形を示す図である。
本実施形態の試験片1の作成にあたっては、丸棒鋼のビレットを用いるが、丸棒鋼に限られるものではない。また、本実施形態の白点性欠陥の評価の対象となる鋼材は、高炭素クロム鋼とする。これは、高炭素クロム鋼は、特に白点性欠陥が生じやすいからである。もちろん、評価の対象となる鋼材は、これに限られるものではない。
ここで、ビレットは、ブルームを圧鍛したビレットを用意する。一般に、金属材料においては、鋳造のままではミクロのポロシティ(細かい空洞のこと)が無数に存在し、超音波探傷による検査が困難となる場合がある。これに対し、ブルームを圧鍛したビレットから採取した試験片は、ポロシティが減少し、試験片に入射した超音波の乱反射などの弊害が軽減され、最良の検出能を得ることができ、より精密な超音波探傷による評価が可能となる。
ここで圧鍛比を6以上30以下、好ましくは6以上10以下とする。圧鍛比を6以上とした場合には、ポロシティが圧着されてポロシティが減少し、ポロシティ以外の超音波欠陥の検出精度を高めることが可能となる。また、最終圧鍛比を30より大きくできる鋼材では、白点性欠陥も圧着されて減少するため問題になりにくい。
試験片1は、上記のビレットを軸方向に垂直な平面で切断し、さらに、ビレットの中心軸からほぼ等距離、かつ、ほぼ平行の2平面A・Bを形成する。そして試験片1は、W×D×Hの外形寸法を有するほぼ直方体形状に加工される。その後、焼きなまし等の熱処理を行う。これにより、試験片1内の組織を、微細かつ均質な組織とし、機械的性質を改善する。
最後に、ほぼ平行の2平面の面A及び面Bについて平面研磨を行い、試験片1の表面を平滑なものとする。このように作成した図1に示す試験片1は、超音波入射面である面Aにおける伝達損失が少なく、正確な介在物の検出評価が可能となる。
次に、超音波探傷試験装置の感度校正を行う。例えば、感度校正は、STB−A22試験片における深さ11mmでφ1.5mmの平底孔から得られる最大反射波強度が80%となる感度を基準感度とし、基準感度を20dB増感した値を探傷感度とするように行われる。
次に、上述の如く作製した試験片を水浸超音波探傷法により、超音波探傷を行う。本実施形態の鋼材の白点性欠陥評価方法において超音波探傷を行う装置は、市販の超音波探傷装置を適宜使用するものとする。また、本実施形態においては、超音波探傷探触子として、焦点型探触子を使用する。
図5は、焦点のビーム径の相違によるUT映像の例を示す図である。図5(a)は、ビーム径約φ0.15mmによるUT映像であり、図5(b)は、ビーム径約φ1.0mmによるUT映像である。
ここで、焦点型探触子の鋼材中のビーム径はφ0.5〜2.0mmであることが好ましい。この理由は、白点性欠陥は密集して存在しがちだが、ビーム径φ0.5mmより小さい場合にはそれらが分離して検出され、図5(a)に示すように、個々の欠陥が小さく評価されることがあるので介在物性欠陥との区別が必ずしも適切には行われないためである。ビーム径をφ0.5mm以上とした場合には、図5(b)に示すように白色性欠陥が適切に検出されることとなる。また、ビーム径φ2.0mmより大きい場合には検出能が低下し、適切な白点性欠陥の評価を行うことが困難となるためである。
また、超音波探傷装置の探傷周波数は5〜25MHzであることが好ましい。これは、探傷周波数5MHzより小さい場合には白点性欠陥の検出能が不十分となり、探傷周波数25MHzより大きい場合では探傷体積が少なくなるためである。
図2は、焦点型探触子を備えた超音波探傷装置の概略構成図である。超音波探傷には、焦点型探触子を備えた全没式の水浸超音波探傷装置を用いた。超音波探傷装置は、焦点型探触子11と、超音波探傷ユニット12と、走査ユニット13と、マイクロプロセッサを備えたパーソナルコンピュータ(以下「PC」という)14と、映像化ユニット15からなる。
超音波探傷は、試験片1を水槽にセットした後、PC14に試験片のデータ、測定感度、焦点位置、ゲート位置および探傷ピッチを入力し、焦点型探触子11を作動させ、超音波探傷を開始する。
焦点型探触子11から超音波が発信され、白点性欠陥等の対象物にあたり、その反射波を検出して、その反射波強度および反射波形情報(グラフとして出力された波形、正半波強度、負半波強度など)に基づいて所望の情報を得る。焦点型探触子11による走査は、試験片1の所定の間隔をおいた複数箇所の超音波の発射、反射波の受信を行う(この間隔のことを「探傷走査ピッチ」または、単に「走査ピッチ」という)。
なお、反射波強度は、反射波強度=MAX(正半波強度,負半波強度)、に示す関係式により求められる。
図3は、超音波探傷される試験片内部の範囲を示す図である。
白点性欠陥の評価の対象となる試験片1の内部の範囲は、ゲート部2であり、ポロシティが存在する試験片1の中心付近のポロシティ存在範囲3については、走査終了後に評価対象から除外される。試験片1は、圧鍛処理され、試験片1内のポロシティの多くは圧着されて、ポロシティの存在する範囲は狭められている。しかしながら、試験片1の中心から所定の範囲におけるポロシティは、圧着されることなく依然として存在する。したがって、試験片1の中心から所定の範囲を除外して白点性欠陥の評価を行うことにより、超音波探傷時のポロシティ等の大型介在物の影響を低減することができ、白点性欠陥のより適切な評価が可能となる。
試験片1の中心部のポロシティ存在範囲3は、鋼材に含まれる炭素の濃度によって異なる。そこで、あらかじめ試験片1の中心部のポロシティ存在範囲3を明らかにし、介在物を評価する対象範囲から除外する範囲を定める。ポロシティ存在範囲3は、以下のように定められる。
まず、炭素濃度の異なる試験片について削り込みを行うことにより、ポロシティの存在する位置を確認し、その結果を縦軸がポロシティの存在する径方向の位置すなわちポロシティの分布範囲[%D]([%D]の「D」はDIAMETERの略であり、直径を意味する)、横軸が試験片の炭素濃度であるC%を表すグラフにプロットする。
そして、各炭素濃度の異なる試験片のそれぞれの中心から最も離れた位置に存在するポロシティを示す点を結ぶと、図6に示すグラフとなる。
かかるグラフより介在物評価対象範囲から除外する範囲であるポロシティ存在範囲3を試験片1の炭素濃度に応じて以下の(1)及び(2)に示すように定めることができる。
炭素濃度(C%)≦0.4% 試験片の中心から除外する範囲(%)=30・・・(1)
炭素濃度(C%)>0.4% 試験片の中心から除外する範囲(%)=16.7×(C%)+23.3・・・(2)
すなわち、鋼種ごとに(1)の範囲又は(2)の式より導き出される範囲が介在物評価対象範囲から除外されるポロシティ存在範囲3として明確となり、ポロシティが存在する範囲を除外した範囲において、正確に鋼材の清浄度を測定することができる。本実施形態の方法は、特に危険体積が表面からD/4程度となる材料であれば、素材としてユーザが直接使用する鋼材部位を直接評価できるので有効である。
また、不感帯4と外周部5と端部6とを含む試験片1の周辺部は、ノイズが多い等の理由により白点性欠陥の正確な検出が困難であるため、走査範囲から除外される。なお、試験片の外周部5とは、例えば、試験片1の中心からほぼ90〜100%Dの範囲とする。
図4は、本実施形態の鋼材の白点性欠陥評価方法における、超音波探傷装置の測定結果の一例を示す図である。縦軸(y軸)は、超音波探傷(UT)映像による検出物面積の平方根(√AREA)(mm)を示し、横軸(x軸)は、超音波反射波強度(%)を示す。
なお、本実施形態においては、検出物面積を表す指標(検出物面積指標)として、検出物面積の平方根(√AREA)を用いるが、検出物面積を表す指標はこれに限られるものではない。例えば、検出物の面積を表す指標として、検出物の円換算径を用いることも可能である。
ここで、超音波探傷領域中で白点性欠陥の評価の対象とする領域は図中の線Aと線Bとに挟まれた領域Cとする。
図中の線Aより大きい領域(評価除外領域)を評価の対象としない理由は、強度と白点性欠陥の大きさにはある程度の相関があり、これより上の領域の白点性欠陥はあまり考えられないからである。また、図中の線Bより小さな領域(混在領域)を評価の対象としない理由は、これより下の領域は介在物(図中の黒四角)と白色性欠陥(図中の白丸)とが混在し、識別することが困難であるからである。つまり、図中の領域C(白点性欠陥評価領域)は、白点性欠陥のみを検出する領域であるといえる。
なお、上記線Aと線Bとを求める手法は、まず、あらかじめ、白点性欠陥評価に用いる超音波探傷装置を用いて、超音波探傷試験装置の探傷感度を所定の感度として介在物と白点性欠陥について超音波探傷試験を行い、反射波強度とUT映像による√AREAとの関係図を作成する。
白点性欠陥について、例えばn=10〜20程度のサンプル数で、反射波強度とUT映像による√AREAとの関係をプロットして、それらを包含するエリアを作成し、線Aを決定する。
同様に、白点性欠陥と同程度の反射波強度が得られる(大型)介在物それぞれについて、例えばn=10〜20程度のサンプル数で、反射波強度とUT映像による√AREAとの関係をプロットして、それらを包含するエリアを作成し、線Bを作成する。
白点性欠陥や(大型)介在物のプロットのnの数は、多い方が信頼性の面から好ましい。また、線Aと線Bのy切片、傾き等は、白点性欠陥の検出の厳密性により適宜決定しうるものである。
また、本実施形態では線Aと線Bとを直線としたが、これに限られるものではなく、評価方法により、適宜、曲線等の形態をとることも可能である。
そして、超音波探傷試験の結果を図中にプロットし、領域Cにおける白点性欠陥の個数が0の場合に鋼材を正常材とする。なお、本実施形態では、白点性欠陥の個数が0の鋼材を正常材とするが、これに限られず、白点性欠陥の個数が、所定の数以下の場合を正常材としてもよい。
以上説明したように、本発明の実施形態による鋼材の白点性欠陥の評価方法によれば、感応検査によらず超音波探傷法により白点性欠陥を検出するために、鋼材の白点性欠陥の客観的な評価が可能となる。
次に、本発明の実施形態による鋼材の白点性欠陥の評価方法について、実施例を示し、より詳細に説明する。ただし、本発明の鋼材の白点性欠陥の評価方法は、以下の実施例に限定されるものではない。
まず、SUJ2φ167mmビレット1本1本の端部から80mmの長さの小片を採取し、W167mm×D80mm×H47mmに粗加工で成形し、800℃球状化焼鈍処理を実施し、複数の超音波探傷試験片(図1参照)に仕上げる。試験片の外形は、W167mm×D80mm×H45mmのほぼ直方体に仕上げられる。
そして、探傷周波数15MHzの水浸超音波探傷試験を行う。探傷条件は、鋼中焦点における超音波ビーム径が約1mmの探触子を使用し、探傷感度は、STB−A22試験片(JIS G 2345参照)の深さ11mmでφ1.5mmの平底孔から得られる最大反射波強度が80%となる感度を基準感度とし、基準感度より20dB増感した値を探傷感度とする。また、探傷ピッチを、0.2mm×0.2mmの平面走査とし、鋼中焦点は、深さ22.5mm(評価範囲の中央深さ)とする。そして、超音波探傷試験片の中心部に位置し、不感帯や端部などを除いた範囲であるW(=WT1+WT2)83.5mm×D70mm×H25mmの範囲を評価範囲として設定する(図3参照)。この場合の評価範囲の総重量は、SUJ2の場合は、約1.15kgとなる。
また、S53Cの場合には、超音波探傷試験片の中心部に位置し、不感帯や端部などを除いた範囲であるW(=WT1+WT2)96.5mm×D70mm×H25mmの範囲を評価範囲として設定する。そして、この場合の評価範囲の総重量は約1.33kgとなる。
また、SUS440Cの場合には、SUJ2同様、超音波探傷試験片の中心部に位置し、不感帯や端部などを除いた範囲であるW(=WT1+WT2)83.5mm×D70mm×H25mmの範囲を評価範囲として設定する。そして、この場合の評価範囲の総重量は約1.15kgとなる。
次に、超音波探傷試験の結果から検出物ごとの反射波強度と√AREAとの関係を求め、図4に示す関係図を作成する。本実施例において、√AREAは、反射波強度30%を閾値とした閾値法での値である。また、図4の線Aは、y=0.074x−1.102となり、線Bは、y=0.031x−0.151となる。そして、線Aと線Bとにより挟まれた領域である0.074x−1.102≦y≦0.031x−0.151の領域を領域Cとする。
そして、領域Cは、白点性欠陥のみが検出される領域となる。試験片1の評価範囲内で、図4の領域C範囲の15MHzUT欠陥個数が、0である鋼材を正常材とする。
また、試験条件としては次の2つのケースを設定した。1つ目は、連続的に製造された複数のビレットであって、非定常操業があったビレットから始めて8本のビレットを抜き出し、8本のビレットの末端位置を試験片として切断し超音波探傷試験を行った(図7のcase1)。2つ目は、連続的に製造された複数のビレットであって、定常操業によるビレット4本と非定常操業が生じた後の3本の、計7本のビレットの末端位置を試験片として切断し超音波探傷試験を行った(図7のcase2)。
そして、本実施例の白点性欠陥の検出結果と、マクロ試験による評価結果とを比較した。図8は、本実施例の白点性欠陥の検出結果と、マクロ試験による評価結果とを比較した結果を示す図である。
なお、マクロ試験の評価において、A,B,Cとは、φ167ビレットT面観察による白点性欠陥の個数に関する指数が、Aは、50未満、Bは、50〜200、Cは、200以上(ランクBの平均的なものの評点を100とする)を示すものとする。また、本実施例の白点性欠陥の評価における判定の○、×は、○が正常材を示し、×がそれ以外を示すものとする。
図に示すように、本実施例の白点性欠陥の評価の○と、マクロ試験による白点性欠陥の個数評価であるAとが一致しており、本白点性欠陥の評価方法の妥当性が証明された。
本実施形態の鋼材の白点性欠陥の評価方法に使用する試験片の外形を示す図である。 本実施形態の焦点型探触子を備えた超音波探傷装置の概略構成図である。 本実施形態の超音波探傷される試験片内部の範囲を示す図である 本実施形態の鋼材の白点性欠陥評価方法における超音波探傷装置の測定結果の一例を示す図である。 焦点のビーム径の相違によるUT映像の例を示す図である ポロシティの最大分布範囲と炭素濃度との関係を表したグラフである。 本実施例に使用する試験片の採取法を示す図である。 本実施例の白点性欠陥の検出結果と、マクロ試験による評価結果とを比較した結果を示す図である
符号の説明
1・・試験片
2・・ゲート部
3・・ポロシティ存在範囲
4・・不感帯
5・・外周部
6・・端部
11・・焦点型探触子
12・・超音波探傷ユニット
13・・走査ユニット
14・・PC
15・・映像化ユニット

Claims (8)

  1. 超音波探傷試験装置の探傷感度を所定の感度として、評価対象鋼から作成された試験片内の所定の評価範囲について超音波探傷を行い、
    前記超音波探傷により検出された検出物毎に、
    超音波探傷映像による検出物面積指標と、
    反射波強度と、の関係を求め、
    第1の軸を反射波強度とし、第2の軸を検出物面積指標とした直交座標系上に、
    介在物と白点性欠陥とが混在する所定の混在領域と、
    該混在領域を除いた前記直交座標系上の領域である白点性欠陥評価領域と、を設定し、
    前記直交座標系上に、前記検出物毎の前記反射波強度と前記検出物面積指標との関係を座標に示し、
    前記白点性欠陥評価領域に存在する前記検出物の数に基づいて、前記評価対象鋼を正常材と評価することを特徴とする鋼材の白点性欠陥の評価方法。
  2. 前記白点性欠陥評価領域は、評価除外領域をさらに除いた前記直交座標系上の領域であることを特徴とする請求項1に記載の鋼材の白点性欠陥の評価方法。
  3. 前記評価対象鋼は、圧鍛比6から30で圧延及び/又は鍛伸された鋼であることを特徴とする請求項1または2に記載の鋼材の白点性欠陥の評価方法。
  4. 前記超音波探傷試験装置の探傷周波数は、5〜25MHzであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の鋼材の白点性欠陥の評価方法。
  5. 前記超音波探傷試験装置は、試験片中焦点でのビーム径がφ0.5から2.0mmの焦点型探触子を使用することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の鋼材の白点性欠陥の評価方法。
  6. 前記試験片内の所定の評価範囲は、前記試験片の内部全体の範囲から、ポロシティ存在範囲と周辺部を除外した範囲であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の鋼材の白点性欠陥の評価方法。
  7. 前記評価対象鋼は、高炭素クロム鋼であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の鋼材の白点性欠陥の評価方法。
  8. 前記試験片は、焼なまし処理をされたものであることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の鋼材の白点性欠陥の評価方法。
JP2005044979A 2005-02-22 2005-02-22 鋼材の白点性欠陥の評価方法 Expired - Fee Related JP4559254B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005044979A JP4559254B2 (ja) 2005-02-22 2005-02-22 鋼材の白点性欠陥の評価方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005044979A JP4559254B2 (ja) 2005-02-22 2005-02-22 鋼材の白点性欠陥の評価方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006234387A JP2006234387A (ja) 2006-09-07
JP4559254B2 true JP4559254B2 (ja) 2010-10-06

Family

ID=37042233

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005044979A Expired - Fee Related JP4559254B2 (ja) 2005-02-22 2005-02-22 鋼材の白点性欠陥の評価方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4559254B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113029569B (zh) * 2021-03-11 2022-04-29 北京交通大学 一种基于循环强度指数的列车轴承自主故障识别方法

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10168515A (ja) * 1996-10-11 1998-06-23 Nippon Seiko Kk 熱処理品
JPH1143739A (ja) * 1997-07-22 1999-02-16 Nippon Seiko Kk 転がり軸受
JP2000192192A (ja) * 1998-12-22 2000-07-11 Nippon Koshuha Steel Co Ltd 白点発生防止鋼及びその製造方法
JP2000214142A (ja) * 1999-01-20 2000-08-04 Sanyo Special Steel Co Ltd 超音波探傷による金属材料の清浄度評価方法
JP2001240937A (ja) * 2000-02-29 2001-09-04 Sanyo Special Steel Co Ltd 高清浄度鋼
JP2002286702A (ja) * 2001-03-27 2002-10-03 Sanyo Special Steel Co Ltd 鋼材のマクロ偏析評価方法
WO2003060507A1 (fr) * 2002-01-17 2003-07-24 Nsk Ltd. Acier pour roulements, procede d'evaluation d'inclusions de grandes dimensions dans ledit acier, et roulement
JP2004045095A (ja) * 2002-07-09 2004-02-12 Sanyo Special Steel Co Ltd 水浸超音波探傷法による鋼の清浄度評価方法
JP2004077206A (ja) * 2002-08-13 2004-03-11 Nsk Ltd 転がり軸受及び転動体の超音波探傷検査方法
JP2004177168A (ja) * 2002-11-25 2004-06-24 Sanyo Special Steel Co Ltd 水浸超音波探傷による鋼中介在物検出評価方法
JP2004219086A (ja) * 2003-01-09 2004-08-05 Sanyo Special Steel Co Ltd 水浸超音波探傷法による鋼の清浄度評価方法
JP2006064569A (ja) * 2004-08-27 2006-03-09 Sanyo Special Steel Co Ltd 高信頼性軸受用鋼

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10168515A (ja) * 1996-10-11 1998-06-23 Nippon Seiko Kk 熱処理品
JPH1143739A (ja) * 1997-07-22 1999-02-16 Nippon Seiko Kk 転がり軸受
JP2000192192A (ja) * 1998-12-22 2000-07-11 Nippon Koshuha Steel Co Ltd 白点発生防止鋼及びその製造方法
JP2000214142A (ja) * 1999-01-20 2000-08-04 Sanyo Special Steel Co Ltd 超音波探傷による金属材料の清浄度評価方法
JP2001240937A (ja) * 2000-02-29 2001-09-04 Sanyo Special Steel Co Ltd 高清浄度鋼
JP2002286702A (ja) * 2001-03-27 2002-10-03 Sanyo Special Steel Co Ltd 鋼材のマクロ偏析評価方法
WO2003060507A1 (fr) * 2002-01-17 2003-07-24 Nsk Ltd. Acier pour roulements, procede d'evaluation d'inclusions de grandes dimensions dans ledit acier, et roulement
JP2004045095A (ja) * 2002-07-09 2004-02-12 Sanyo Special Steel Co Ltd 水浸超音波探傷法による鋼の清浄度評価方法
JP2004077206A (ja) * 2002-08-13 2004-03-11 Nsk Ltd 転がり軸受及び転動体の超音波探傷検査方法
JP2004177168A (ja) * 2002-11-25 2004-06-24 Sanyo Special Steel Co Ltd 水浸超音波探傷による鋼中介在物検出評価方法
JP2004219086A (ja) * 2003-01-09 2004-08-05 Sanyo Special Steel Co Ltd 水浸超音波探傷法による鋼の清浄度評価方法
JP2006064569A (ja) * 2004-08-27 2006-03-09 Sanyo Special Steel Co Ltd 高信頼性軸受用鋼

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006234387A (ja) 2006-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006317192A (ja) 鋼の信頼性評価方法
JPWO2003060507A1 (ja) 軸受用鋼及びその大型介在物評価方法、並びに転がり軸受
US20090150095A1 (en) Ultrasonic Method For Detecting Banding In Metals
JP2006349698A (ja) 高清浄度鋼の清浄度の評価方法
JP2006138865A (ja) 高清浄構造用合金鋼の清浄度の評価方法
CN112760461B (zh) 一种钢材高频超声波检测试样的热处理方法
JP4559254B2 (ja) 鋼材の白点性欠陥の評価方法
JP2004045095A (ja) 水浸超音波探傷法による鋼の清浄度評価方法
JP3712254B2 (ja) 金属材料中欠陥径の推定方法
Sakaguchi et al. Multiscale analysis of MnS inclusion distributions in high strength steel
JP4084979B2 (ja) 水浸超音波探傷による鋼中介在物検出方法
JP3505415B2 (ja) 超音波探傷による金属材料の清浄度評価方法
CN102445401A (zh) 一种快速测试金属抵抗交变热应力性能的方法
CN115992303A (zh) 一种轴承钢水浸超声检测用试样的热处理工艺
JP2001240937A (ja) 高清浄度鋼
JP4002842B2 (ja) 水浸超音波探傷法による鋼の清浄度評価方法
JP4015935B2 (ja) 水浸超音波探傷による鋼中介在物検出評価方法
JP2010236886A (ja) 金属材料の結晶粒度分布の測定方法
JP3563313B2 (ja) 超音波探傷による金属材料の清浄度評価方法
JP4559160B2 (ja) 高信頼性軸受用鋼の検査方法
JP2002004005A (ja) 高清浄構造用合金鋼
JP4362194B2 (ja) 金属材料中の介在物検出方法
CN115436083A (zh) 一种泵轴锻件制造工艺评定的取样方法
JPH03108658A (ja) 高炭素鋼中の非金属介在物の検出方法
JP2022138514A (ja) 超音波探傷による鋼材中の介在物評価基準の決定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100630

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100706

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100722

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130730

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees