JP3505415B2 - 超音波探傷による金属材料の清浄度評価方法 - Google Patents
超音波探傷による金属材料の清浄度評価方法Info
- Publication number
- JP3505415B2 JP3505415B2 JP01196999A JP1196999A JP3505415B2 JP 3505415 B2 JP3505415 B2 JP 3505415B2 JP 01196999 A JP01196999 A JP 01196999A JP 1196999 A JP1196999 A JP 1196999A JP 3505415 B2 JP3505415 B2 JP 3505415B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- metallic
- inspection
- ultrasonic
- maximum
- metal material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N2291/00—Indexing codes associated with group G01N29/00
- G01N2291/02—Indexing codes associated with the analysed material
- G01N2291/023—Solids
- G01N2291/0234—Metals, e.g. steel
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N2291/00—Indexing codes associated with group G01N29/00
- G01N2291/04—Wave modes and trajectories
- G01N2291/044—Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects
Landscapes
- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
- Investigating And Analyzing Materials By Characteristic Methods (AREA)
Description
を評価する方法に関するものである。より詳しくは、超
音波探傷法により、検査対象の金属材料の所定の検査部
位を走査して、そこに含まれる非金属介在物のデータを
取り、これらのデータから所定の式により被検対象金属
材料中の推定最大非金属介在物径を算出して被検対象金
属材料の清浄度を評価する方法に関するものである。
属材料の清浄度が大幅に改善され、20ミクロンを越え
る中型〜大型の金属材料中非金属介在物は一段と少なく
なり、かつ、大きさも小さくなっている。このような中
で、偶発的に、あるいはきわめて低い確率で発生する大
型介在物の検出は、非常に困難になっている。
属材料の清浄度を評価し、保証できる技術は開発されて
いない。
検査方法としては、光学顕微鏡による方法が標準であ
る。しかし、この方法では被検面積が約1000mm2
と小さく、上述のような高清浄度の金属材料の清浄度を
評価する方法としては、到底利用することはできない
(JIS G 0555, ASTM E45,ASTM
A295,DIN50602,ISO4967など)。
抽出しその介在物の粒径を顕微鏡で評価する方法やEB
溶解法により金属材料を溶解し浮上した介在物を顕微鏡
により観察する方法が提案されているが(特開平9−1
25199号、特開平9−125200号)、介在物が
酸に溶解したり、介在物自身が融解,凝集したりして、
これらの方法も高清浄度の金属材料の清浄度の評価に利
用することはできなかった。
時間がかかるなど、処理の迅速性に劣り、製品の量産工
程に対応することも困難であった。
最近の冶金技術の向上に対応し、鋼などの金属材料の清
浄度の大幅な改善に対応した、金属材料の清浄度の評価
方法を提供せんとするものである。
対応した、迅速な金属材料の清浄度の評価方法を提供し
ようとするものである。
解決することを目的に、検鏡面積を基準検査面積S0 =
100mm2 とし、試料数n=30〜60個採取し、そ
れぞれの試料において現れた最大介在物径から極値統計
法の手順により、被検対象金属材料中の最大介在物径を
予測する方法を検討してきたが、それでも前記の大型介
在物の予測には信頼性が低かった。そのため、金属材料
の清浄度の評価に利用可能な技術にはなっていなかっ
た。
解消した手段を提供するものであり、その要旨は特許請
求の範囲に記載の通りである。以下、詳述する。
金属材料の所定部分にn個の検査部位を設定し、各検査
部位毎に超音波探傷法により金属中非金属介在物を走査
して最大非金属介在物径aj (j=1,n)を検出し、
次いで、該検出した各検査部位毎の最大非金属介在物径
aj (j=1,n)から下記式(1)および(1’)に
より被検対象金属材料中の推定最大非金属介在物径a
max を算出して被検対象金属材料の清浄度を評価するこ
とを特徴とする金属材料の清浄度評価方法。」である。 [式1] 最大非金属介在物径aj (j=1,i)と基
準化変数yj (j=1,n)の一次回帰式 a=ty+u ・・・・・・・・・・・(1) ただし、 n=検査回数 基準化変数yj =−ln[ −ln{j/(n+1)} ](j=1,
n) t=回帰係数 u=定数 [式1’]被検対象金属中の推定最大非金属介在物径a
max の算出式 amax =t×ymax +u・・・・・・・・・・(1’) Vo =検査基準体積(mm3 ) V =予測を行う体積(mm3 ) T(再帰期間)=(V+Vo )/Vo ymax (基準化変数)=−ln[ −ln{(T−1)/ T}
] まず本発明者は、種々の研究の結果、20ミクロンを越
える金属材料中非金属介在物が一段と少なくなり、か
つ、大きさも小さくなっている状況で、偶発的に、ある
いはきわめて低い確率で発生する大型介在物を検出する
ことは、顕微鏡観察による方法では到底困難であるとの
結論に至った。このような大型介在物は被検面に現れる
とは限らず、むしろ隠れて観察されない場合が多いもの
と考えられた。
ての金属材料の清浄度の評価・品質保証は、実際上不可
能と考えられた。
音波探傷法とくに高周波焦点型装置を利用することに想
到したものである。超音波探傷法は基本的に非破壊検査
法であり、ラフな試料調整大体積検査,迅速検査といっ
た利点が期待できるものであった。
により、従来の1000倍から数万倍の検査ができる効
果を達成することに成功したものである。
材料の所定部分に、超音波探傷するn個の検査部位を設
定する点にある。
うに被検対象の連続鋳造鋼片のトップ、ミドル、ボトム
に設定するなど、被検対象の性質に合わせて大型非金属
介在物の発生しやすい部位に設定する。設定した検査部
位からは同じ形状の試験片を複数個(例えば3個)採取
することが好ましい。これにより、全部位を鋼異的に検
査することができるのである。また、被検対象金属材料
のトップ、ミドル、ボトムの全部位に検査部位(検査試
料)を設定すれば、鋳造の初期、中期、末期に対応する
部位を検査することができる。
り走査する面積は、例えば、最大面積700×700m
m2 から最小面積1.0×1.0mm2 といった範囲が
可能である。また、探傷深さは、0.1mmから5mm
程度が通常である(平均深さ約1mm)。
(20〜100mm)×(20〜100mm)=400
〜10000mm2 /個とし、検査部位(検査試料)数
n=30〜60個とすると、チャージあたりの走査検査
面積は12000〜600000mm2 /チャージ、深
さを考慮して体積換算(×100倍・層)を求めると、
1,200,000〜60,000,000mm3 /チャージとなる。したが
って、従来の光学顕微鏡では多くても検査面積は100
0mm2 /チャージであるが、これに比べて千〜数万倍
の検査を実施したことになるのである。
非金属介在物径aj (j=1,n)を検出する。最大非
金属介在物径aj の検出方法には、個々に異なった部位
からn個検査する方法、1ケの大きい試片を分割する方
法などがある。
属介在物径aj (j=1,n)を求める方法としては、
超音波波高データ同士を比較して超音波波高データの最
大値を求め、この超音波波高データの最大値から換算し
て最大非金属介在物径を求める方法と、超音波波高デー
タを換算して非金属介在物径データDi を算出し、非金
属介在物径データDi 中から最大非金属介在物径を求め
る方法の、いずれの方法でもよい。
毎の最大非金属介在物径aj (j=1,n)から上記式
(1)および(1’)により被検対象金属材料中の推定
最大非金属介在物径amax を算出する。
あるいは削り込んで顕微鏡で観察して寸法を求めたもの
であり、超音波波高と直径を対応させることによって、
被検対象金属材料の一部のデータから被検対象金属材料
全体中の最大非金属介在物径amax を極めて精度良く推
定することに成功したものである。
位毎の最大非金属介在物径aj (j=1,n)の検出に
際し、各検査部位毎に上位複数個の非金属介在物径を求
め、このうちから異常値を除去した後、最大非金属介在
物径aj (j=1,n)を選出することを特徴とする請
求項1に記載の金属材料の清浄度評価方法。」である。
空洞からの反射波、外からの飛び込み乱反射ノイズなど
であり、波形によって正常値と見分けることができる。
このような異常値は、通常程度の寒いときには相当多く
の数が発生するが、通常は、例えば、各検査部位毎に5
個の非金属介在物径データを求めておけば対処できる。
タを省くことができる利点がある。
在物径を、非金属介在物からの超音波反射波高データか
ら換算して求めることを特徴とする請求項1又は2に記
載の金属材料の清浄度評価方法。」である。
an と超音波反射波高値Cとの間には下記の関係式が成
り立つことが分かった。これによってデータの一貫した
コンピュータ処理を可能とし、大容量のデータにも対応
可能とすると共に、金属材料の清浄度評価の高速化・高
精度化を達成したものである。
音波反射波高・非金属介在物径対応の検量線を用いて換
算して求めることを特徴とする請求項3に記載の金属材
料の清浄度評価方法。」である。
金属材料料中介在物の反射波高と、同金属材料料中介在
物を酸溶解などにより抽出し求めた介在物直径の関係を
示す関係式あるいは検量線図のことを言う。図2にその
一例を示す。
を換算するための検量線作成を目指して種々研究の結
果、あらかじめ高周波探触子(20〜150MHZ)を
用いて金属材料料中の介在物の反射波高値を調査し安定
した条件で介在物からの反射波高値を得る条件を把握し
た。同試料について介在物の形態を損なわない酸溶解を
実施し、介在物を抽出して顕微鏡観察により介在物直径
を測定し、反射波高値と介在物径との関係を示す精度の
良い関係式(検量線)を作成することに成功したもので
ある(図2)。
金属介在物径aj (j=1,n)の検出に際し、各検査
部位毎に超音波探傷法により金属中非金属介在物を走査
して各非金属介在物からの超音波反射波高データを得、
該超音波反射波高データ同士を比較して最大値を求め、
該超音波反射波高データ中の最大値から最大非金属介在
物径aj (j=1,n)を換算して求めることを特徴と
する請求項3又は4に記載の金属材料の清浄度評価方
法。」である。
在物からの超音波反射波高データとの間には相関関係が
あるため、非金属介在物からの超音波反射波高データ同
士を比較して最大値を求めれば、この超音波反射波高デ
ータが最大径の非金属介在物からの超音波反射波高デー
タである。そこで、まず非金属介在物からの超音波反射
波高データ同士を比較して最大値を求め、この最大値か
ら最大非金属介在物径aj (j=1,n)を換算して求
める手順としても良いのである。
金属材料の所定部分にn個の検査部位を設定し、各検査
部位毎に超音波探傷法により金属中非金属介在物を走査
して各検査部位における最大非金属介在物からの超音波
反射波高データIj (j=1,n)を検出し、次いで、
該検出した各検査部位毎の最大非金属介在物からの超音
波反射波高データIj (j=1,n)から下記式(2)
および(2’)により被検対象金属材料中の推定最大非
金属介在物からの推定最大超音波反射波高データImax
を算出し、次いで、該推定最大超音波反射波高データI
max から推定最大非金属介在物径を算出して被検対象金
属材料の清浄度を評価することを特徴とする金属材料の
清浄度評価方法。」である。 [式2]最大非金属介在物からの超音波反射波高データ
Ij (j=1,n)と基準化変数yj (j=1,n)の
一次回帰式 I=t×y+u ・・・・・・・・・・・・・・(2) ただし、 n=検査回数 基準化変数yj =−ln[ −ln{j/(n+1)} ](j=1,
n) t=回帰係数 u=定数 [式2’]被検対象金属中の推定最大非金属介在物から
の超音波反射波高データImax の算出式(回帰式) Imax =t×ymax +u・・・・・・・・・・(2’) Vo =検査基準体積(mm3 ) V =予測を行う体積(mm3 ) T(再帰期間)=(V+Vo )/Vo ymax (基準化変数)=−ln[ −ln{(T−1)/ T}
] 同様に、非金属介在物径と非金属介在物からの超音波反
射波高データとの間には相関関係があるため、まず非金
属介在物からの超音波反射波高データから、上記式によ
り被検対象金属中の推定最大非金属介在物からの超音波
反射波高データImax を算出し、次いで、該推定最大超
音波反射波高データImax から推定最大非金属介在物径
を換算して求める手順としても良いのである。
射波高データを下記式(3)により深度距離補正するこ
とを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の金属
材料の清浄度評価方法。」である。 [式3] 反射波波高データB=超音波波高データA×深度補正係数fd・・・・・(3) ただし、fd=1+ad+bd2 d=金属中の焦点位置から介在物までの距離(|d|≦
e) a,bおよびe=定数 本発明の実施において、介在物の位置が焦点位置から前
後にずれている場合に、介在物からの超音波反射強度が
下がってしまうという不都合が起こることが分かった
(図3)。この現象が起きると本発明法の精度を損なう
恐れがある。
方法を開発したものである(図3)。本発明により、本
発明法の精度をさらに向上することができた。
位について、検査部位を切り出して検査試料とした後、
超音波探傷法による金属中非金属介在物の走査を行うこ
とを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の金属
材料の清浄度評価方法。」である。
によって、とくに検査試料をたて×よこ×厚さを同一形
状にすることによりn個の繰り返し連続検査、自動測定
が可能となった。
材料の外周部、中心部、及び両者の中間部を含む全断面
検査を可能とする形状とすることがより好ましい。この
ような形状とすることによって、非金属介在物の最寛部
を効率的に検査することができる。
在物の濃化溶鋼への排出、また介在物の沈降量も多いた
め、これを含む全断面検査をすることによって、大型の
介在物の検出率が格段に向上し、その結果、清浄度評価
の精度を大幅に向上させることができる。
子の特徴(深さ方向の探傷範囲)、表面入射側不感帯
部、有効探傷幅の厚み、反対面近傍(底面側)などを考
慮して試験片厚みを決めれば良い。
位の金属中非金属介在物を超音波探傷法により走査する
前に、被検体を圧鍛することを特徴とする請求項1乃至
8のいずれかに記載の金属材料の清浄度評価方法。」で
ある。
ではミクロ的な空洞が無数にあり乱反射で検査できない
といったことがあり、超音波探傷法により走査する場合
に、これによる無数の乱反射、ノイズが発生する不都合
が生ずる。そこで、超音波走査する前に被検体を圧鍛す
れば、これらが圧着して空洞が消滅することによって、
必要な介在物のみを検査できる効果が得られるものであ
る。
探傷法に用いる探触子を焦点型高周波探触子としたこと
を特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の金属材
料の清浄度評価方法。」である。
ることを目的とするものであるが、焦点型高周波探触子
を用いると、従来フラット型では1/2波長といわれる
検出能が焦点型ではほぼ1/4波長の検出能が得られる
という顕著な効果が得られることが分かった。
焦点位置におけるビーム束の有効直径の1/2以下とす
ることが好ましい。これは、特別な微小の人工欠陥を持
つテストピースにより探触子の焦点ビ−ム束の把握が可
能になったものであるが、ビーム束の1/2とすれば検
出もれが防止できる。
を入射する材料表面の表面粗さRma x を5.0μm以下
とすることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに
記載の金属材料の清浄度評価方法。」である。
て研究を進めた結果、超音波減衰、ノイズ発生防止の点
から、材料表面の表面粗さRmax を5.0μm以下とす
ることが有効であることが判明した。
下とするための方法は特に限定されるものではないが、
例えば、材料表面に湿式研磨を実施すれば良い。
165tの高炭素Cr軸受鋼(棒管用)の第1図に示す
ような丸棒状の鋼片を用い、本発明実施例法によって清
浄度の評価を行った。
分に、それぞれ3か所又は4か所の検査部位を設定し、
圧鍛比9で圧鍛して、各検査部位から70×70×12
mmの試験片計30個を切り出した。次に、各試験片の
表面に湿式研磨を実施し、Rmax≦ 4.0μm 以下とした。
このようにして70×70×12mmの試験片を得、7
0×70mm面を走査面とした。 2.検査データの採取 上記のように処理した各試験片について、走査面の外周
4mmを除く62×62mmの部分を測定部分とし、探
傷試験は深さ約1.5mmの所で深さ方向で約1.0m
mの間に存在する介在物について実施した。探触子が基
準面積相当部を走査するときに超音波探傷を行い、その
反射波高を測定してさらに反射強度距離補正係数により
補正を加え(図3)データとして記録した。超音波探傷
には、焦点型探触子を用い、50〜125MHzの条件
で走査した。図4に、超音波探傷時の模式図を示す。
大きい順に5個まで個別評価し、同時に<介在物反射波
高値(%)、検出位置(x、y、z座標)、反射波特性
(波形反転有無−すなわち 空洞/介在物識別)>の組
合せデータとして求めた。その結果を表1に示す。
タートポイントを指定して走査した。 計算後ワークシー
ト作成し、メモリーに読込んだ。 5個のデータ採取数は
試験後測定値の異常有無を確認し最適値を取捨選択して
解を求めるための予備データを含むものである。
査部位毎の最大反射波高値を選択した。
ら、検量線(介在物反射波高値−介在物直径の関係)に
より最大非金属介在物径aj (j=1,n)を求めた。 3.被検対象金属材料中の最大非金属介在物径の推定 上記のようにして求めた、30個の各試験片(検査部
位)毎の最大非金属介在物径aj (j=1,n)から推
定最大非金属介在物径amax を求めた。
査部位)毎の最適な最大反射波高値と検量線により求め
た最大非金属介在物径aを最小値から順に並べ、小さい
順にa1 、a2 、・・・aj と定義した。
jを対数で2回計算したものが、[式1]但し書きにあ
る基準化変数yj である。このj、aj 、yj の一例が
表2である。介在物径を横軸にとり、この基準化変数を
縦軸とし、介在物径の小さいもの(即ちa1 )から順に
プロットしたものが図5の●印である。そしてこの●を
一次回帰したものが図5の右側の右上がりの直線であ
る。
面積(即ち厚さを考慮すれば事実上の体積)が一定であ
るので縦軸の基準化変数は試料の面積(別の言い方をす
れば体積)を表わしている。表2で言えば、yj =−
1.2337は試料一個分の基準体積であるので62×
62×1.0mm3 (=Vo)(約29.8g)を意味
し、yj =−1.0083は試料2個分の基準体積で2
Vo に相当する。このようにある体積Vに対し、その領
域内に含まれる最大径介在物amax を予測したい場合に
は、その体積Vに相当する縦軸の値から逆算すれば良
い。この換算式が[式1’]で、[式1’]但し書きに
あるT(再帰期間)で予測したいその体積Vに相当する
縦軸の値を求めれば良い。
mm3 に対し、右側の右上がりの直線が示す最大介在物
径は30.3μmとなる。体積27万mm3 は重量に換
算すると2.12kgになる。また超音波探傷で厚さ
1.0mm程度を測定したものとみなすと、520mm
四方の面内に存在する最大介在物径を推定したことにな
る。 4.被検対象金属材料の清浄度の評価 被検対象金属材料の清浄度の評価は、推定最大介在物
径:amax 、検査基準体積:Vo mm3 、予測を行う体
積:Vmm3 として与えることができる。
棒状鋼塊の清浄度の評価は、推定最大介在物径:amax
=30.3μm、検査基準体積:Vo =3,800mm
3 、予測を行う体積:V=270,000mm3 となっ
た。
よる介在物調査結果および酸溶解抽出による介在物調査
結果と比較したところ、本発明方法の精度の高さが実証
された。 〔実施例2〕ばね鋼(JIS鋼種 SUP10)を電気
炉で150ton溶解した。これをRH脱ガス後連続鋳
造で断面が380×450mmの鋳片(ブルーム)に鋳
造した。そして分塊圧延しφ167mmで重量が2to
nのビレットを得た。これを圧延し、φ5の弁バネに加
工した。このバネを使用すると使用中に破断したので破
断部を調査すると60μm介在物が確認された。
ネ加工せず保管しておいた圧延材の残材から試料を切出
し、上述の実施例1と同様にして、試料調整、超音波探
傷、評価を行ったところ、このバネ加工に供した圧延材
約2ton中に存在し得る最大介在物径は63μmであ
ると推定された。このように、本発明は鋼材の清浄度評
価法として、1kg以上の鋼材、特に1ton以上の鋼
材の最大介在物の評価方法として適していることが分か
った。
価を、精度良く、高い信頼性を持って、迅速に行うこと
ができる。
大幅な向上に対応し、一段と要望が強くなっている金属
材料の清浄度の評価・品質保証に寄与するものであり、
当業界のニーズに答える極めて有用な発明である。
例を示す図である。
属介在物径との対比検量線を示す図である。
る、焦点位置からのずれと超音波反射波強度との関係を
示す図である。
示す模式図である。
来法)と本発明法とを比較して示した図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 被検対象金属材料の所定部分にn個の検
査部位を設定し、各検査部位毎に超音波探傷法により金
属中非金属介在物を走査して最大非金属介在物径aj
(j=1,n)を検出し、次いで、該検出した各検査部
位毎の最大非金属介在物径aj (j=1,n)から下記
式(1)および(1’)により被検対象金属材料中の推
定最大非金属介在物径amax を算出して被検対象金属材
料の清浄度を評価することを特徴とする金属材料の清浄
度評価方法。 [式1] 最大非金属介在物径aj (j=1,n)と基
準化変数yj (j=1,n)の一次回帰式 a=ty+u ・・・・・・・・・・・(1) ただし、 n=検査回数 基準化変数yj =−ln[ −ln{j/(n+1)} ](j=1,
n) t=回帰係数 u=定数 [式1’]被検対象金属中の推定最大非金属介在物径a
max の算出式(回帰式) amax =t×ymax +u・・・・・・・・・・(1’) Vo =検査基準体積(mm3 ) V =予測を行う体積(mm3 ) T(再帰期間)=(V+Vo )/Vo ymax (基準化変数)=−ln[ −ln{(T−1)/ T}
] - 【請求項2】 各検査部位毎の最大非金属介在物径aj
(j=1,n)の検出に際し、各検査部位毎に上位複数
個の非金属介在物径を求め、このうちから異常値を除去
した後、最大非金属介在物径aj (j=1,n)を選出
することを特徴とする請求項1に記載の金属材料の清浄
度評価方法。 - 【請求項3】 非金属介在物径を、非金属介在物からの
超音波反射波高データから換算して求めることを特徴と
する請求項1又は2に記載の金属材料の清浄度評価方
法。 - 【請求項4】 非金属介在物径を、超音波反射波高・非
金属介在物径対応の検量線を用いて換算して求めること
を特徴とする請求項3に記載の金属材料の清浄度評価方
法。 - 【請求項5】 各検査部位毎の最大非金属介在物径aj
(j=1,n)の検出に際し、各検査部位毎に超音波探
傷法により金属中非金属介在物を走査して各非金属介在
物からの超音波反射波高データを得、該超音波反射波高
データ同士を比較して最大値を求め、該超音波反射波高
データ中の最大値から最大非金属介在物径aj (j=
1,n)を換算して求めることを特徴とする請求項3又
は4に記載の金属材料の清浄度評価方法。 - 【請求項6】 被検対象金属材料の所定部分にn個の検
査部位を設定し、各検査部位毎に超音波探傷法により金
属中非金属介在物を走査して各検査部位における最大非
金属介在物からの超音波反射波高データIj (j=1,
n)を検出し、次いで、該検出した各検査部位毎の最大
非金属介在物からの超音波反射波高データIj (j=
1,n)から下記式(2)および(2’)により被検対
象金属材料中の推定最大非金属介在物からの推定最大超
音波反射波高データImax を算出し、次いで、該推定最
大超音波反射波高データImax から推定最大非金属介在
物径を算出して被検対象金属材料の清浄度を評価するこ
とを特徴とする金属材料の清浄度評価方法。 [式2]最大非金属介在物からの超音波反射波高データ
Ij (j=1,n)と基準化変数yj (j=1,n)の
一次回帰式 I=ty+u ・・・・・・・・・・・・・・(2) ただし、 n=検査回数 基準化変数yj =−ln[ −ln{j/(n+1)} ](j=1,
n) t=回帰係数 u=定数 [式2’]被検対象金属中の推定最大非金属介在物から
の超音波反射波高データImax の算出式 Imax =t×ymax +u・・・・・・・・・・(2’) Vo =検査基準体積(mm3 ) V =予測を行う体積(mm3 ) T(再帰期間)=(V+Vo )/Vo ymax (基準化変数)=−ln[ −ln{(T−1)/ T}
] - 【請求項7】 超音波反射波高データを下記式(3)に
より深度距離補正することを特徴とする請求項3乃至6
のいずれかに記載の金属材料の清浄度評価方法。 [式3] 補正超音波反射波高データB=超音波反射波高データA÷深度補正係数fd ・・・・・・・(3) ただし、fd=1+ad+bd2 d=金属中の焦点位置から介在物までの距離(|d|≦
e) a,bおよびe=定数 - 【請求項8】 一部又は全部の検査部位について、検査
部位を切り出して検査試料とした後、超音波探傷法によ
る金属中非金属介在物の走査を行うことを特徴とする請
求項1乃至7のいずれかに記載の金属材料の清浄度評価
方法。 - 【請求項9】 各検査部位の金属中非金属介在物を超音
波探傷法により走査する前に、被検体を圧鍛することを
特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の金属材料
の清浄度評価方法。 - 【請求項10】 超音波探傷法に用いる探触子を焦点型
高周波探触子としたことを特徴とする請求項1乃至9の
いずれかに記載の金属材料の清浄度評価方法。 - 【請求項11】 超音波を入射する材料表面の表面粗さ
Rmax を5.0μm以下とすることを特徴とする請求項
1乃至10のいずれかに記載の金属材料の清浄度評価方
法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01196999A JP3505415B2 (ja) | 1999-01-20 | 1999-01-20 | 超音波探傷による金属材料の清浄度評価方法 |
US09/470,993 US6318178B1 (en) | 1999-01-20 | 1999-12-23 | Cleanliness evaluation method for metallic materials based on ultrasonic flaw detection and metallic material affixed with evaluation of cleanliness |
SE0000152A SE517971C2 (sv) | 1999-01-20 | 2000-01-19 | Förfarande för bedömning av renheten hos metalliska material baserat på felbestämning med ultraljud och metalliska material försedda med renhetsbedömning |
DE2000102344 DE10002344B4 (de) | 1999-01-20 | 2000-01-20 | Auf Ultraschallfehlererfassung basierendes Verfahren zum Bestimmen des Reinheitsgrades von Metallmaterialien |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01196999A JP3505415B2 (ja) | 1999-01-20 | 1999-01-20 | 超音波探傷による金属材料の清浄度評価方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000214142A JP2000214142A (ja) | 2000-08-04 |
JP3505415B2 true JP3505415B2 (ja) | 2004-03-08 |
Family
ID=11792456
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01196999A Expired - Fee Related JP3505415B2 (ja) | 1999-01-20 | 1999-01-20 | 超音波探傷による金属材料の清浄度評価方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3505415B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2003060507A1 (ja) * | 2002-01-17 | 2005-05-19 | 日本精工株式会社 | 軸受用鋼及びその大型介在物評価方法、並びに転がり軸受 |
JP2004037242A (ja) * | 2002-07-03 | 2004-02-05 | Sanyo Special Steel Co Ltd | 超音波探傷による鋼の介在物検査方法 |
JP4291552B2 (ja) * | 2002-07-09 | 2009-07-08 | 山陽特殊製鋼株式会社 | 水浸超音波探傷法による鋼の清浄度評価方法 |
JP4015935B2 (ja) * | 2002-11-25 | 2007-11-28 | 山陽特殊製鋼株式会社 | 水浸超音波探傷による鋼中介在物検出評価方法 |
JP4559254B2 (ja) * | 2005-02-22 | 2010-10-06 | 山陽特殊製鋼株式会社 | 鋼材の白点性欠陥の評価方法 |
JP6402054B2 (ja) * | 2015-02-27 | 2018-10-10 | 株式会社神戸製鋼所 | 金属材料の清浄度評価方法 |
-
1999
- 1999-01-20 JP JP01196999A patent/JP3505415B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
竹本省一他,「超音波探傷試験映像化装置」,山陽特殊製鋼技報,山陽特殊製鋼株式会社,1996年 3月31日,第4巻第1号,第88−91頁 |
草野祥昌,「軸受け鋼の検鏡−極値統計法による推定最大介在物粒径に対する基準検鏡面積の影響」,材料とプロセス,社団法人 日本鉄鋼協会,1997年 3月27日,Vol.10,No.3,p.702 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000214142A (ja) | 2000-08-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5085013B2 (ja) | 鋼の信頼性評価方法 | |
US20090150095A1 (en) | Ultrasonic Method For Detecting Banding In Metals | |
JP3505415B2 (ja) | 超音波探傷による金属材料の清浄度評価方法 | |
JP2006349698A (ja) | 高清浄度鋼の清浄度の評価方法 | |
US6318178B1 (en) | Cleanliness evaluation method for metallic materials based on ultrasonic flaw detection and metallic material affixed with evaluation of cleanliness | |
JP2006138865A (ja) | 高清浄構造用合金鋼の清浄度の評価方法 | |
JP4291552B2 (ja) | 水浸超音波探傷法による鋼の清浄度評価方法 | |
JP3563313B2 (ja) | 超音波探傷による金属材料の清浄度評価方法 | |
JP3712254B2 (ja) | 金属材料中欠陥径の推定方法 | |
JP2001240937A (ja) | 高清浄度鋼 | |
JP4084979B2 (ja) | 水浸超音波探傷による鋼中介在物検出方法 | |
JP4015935B2 (ja) | 水浸超音波探傷による鋼中介在物検出評価方法 | |
JP4002842B2 (ja) | 水浸超音波探傷法による鋼の清浄度評価方法 | |
Kato et al. | Recent evaluation procedures of nonmetallic inclusions in bearing steels (statistics of extreme value method and development of higher frequency ultrasonic testing method) | |
JP2000310620A (ja) | 清浄度の評価を付した金属材料 | |
JP4362194B2 (ja) | 金属材料中の介在物検出方法 | |
JP3616463B2 (ja) | 鋼中介在物の迅速判別法 | |
JP2002004005A (ja) | 高清浄構造用合金鋼 | |
JP4559254B2 (ja) | 鋼材の白点性欠陥の評価方法 | |
Palanisamy et al. | Ultrasonic inspection of rough surface aluminium die castings | |
JP4559160B2 (ja) | 高信頼性軸受用鋼の検査方法 | |
Zhu et al. | Local optimal threshold technique for the segmentation of ultrasonic time-of-flight diffraction image | |
JP2008128863A (ja) | 鋼中介在物径の推定方法 | |
JP2012181112A (ja) | 金属材料の清浄度評価方法 | |
JP3358134B2 (ja) | 線材の介在物評価方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20031215 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 3505415 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071219 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081219 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091219 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091219 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101219 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111219 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121219 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121219 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131219 Year of fee payment: 10 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |