JP4559005B2 - 床掃除機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転ブラシ部材を有するタイプの床掃除機に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記回転ブラシ部材は、使用時に略水平方向の軸を中心に回転するように駆動されるものであり、ブラシ毛要素を有し、ハウジング内に回動可能に軸支されている。そして、このブラシ部材の回転時に、上記ブラシ毛要素はその移動範囲の途中で、ハウジングの基板に設けられた開口部から延出するものである。
【0003】
このような掃除機は、典型的には、電気掃除機の一部を形成することができる。この場合、集めた塵やゴミを、ブラシ部材から、ハウジングから離れた位置にある適当な集塵チャンバへ引き込むため、通常はハウジングに吸引力が与えられるだろう。しかし、この掃除機は、ブラシ部材の回転時にブラシ部材から取り込まれる塵やゴミを収集する役割をする容器がハウジング自体に設けられる種類の機械式床清掃具の一部を形成してもよい。
【0004】
このような掃除機には、掃き取り動作がハウジングの領域内、より詳細には、ブラシ毛要素と清掃面が接触する開口部の領域内のみでしか行われないという長年の問題がある。
【0005】
従来、ブラシ部材はその両端部の軸受によってハウジング内に取り付けられる。その結果、ブラシ部材の各端部は、軸受を収容するために十分な距離だけ、ハウジング側面から内側に離れた位置にある。このため、使用者が床の縁部を十分に掃除することは実質的に不可能であり、床又は床被覆物と壁又は壁基部の周辺との間の継ぎ目に、帯状の未清掃部分が残される。
【0006】
このような帯状の未清掃部分の幅を小さくする試みとして、ブラシ部分を支持する軸受を、ブラシ部材の両端部よりも内側の互いに離れた位置に配置する(従って、ハウジング側面から離して配置する)ように設計されることがある。この場合、開口部を完全にハウジング側壁まで形成することができ、それに対応して、ブラシ毛要素をハウジング側面にすぐ隣接して設けることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この設計は、帯状の未清掃部分の幅を小さくする点で改良されているけれども、帯状の未清掃部分を完全に無くしてはいない。そのため、ハウジング側面に隣接する位置に追加の回転ブラシを設けることも提案されている。この追加の回転ブラシは、ブラシ毛がその移動範囲の途中でハウジング側面から延出するように、略垂直方向の軸を中心に回転する構成とされている。しかし、そのような構成では、掃除機がさらに相当複雑な構造となり、これに伴って実施費用が高額になる。
【0008】
【解決を解決するための手段】
本発明によると、回転ブラシ部材を有するタイプの床掃除機が提供される。このブラシ部材は、使用時に略水平方向の軸を中心に回転するように駆動されるもので、ブラシ毛要素を有し、ハウジング内に回動可能に軸支されており、このブラシ部材の回転時に、上記ブラシ毛要素はその移動範囲の途中で、ハウジングの基板に設けられた開口部から延出し、以下、最端部のブラシ毛要素と称する少なくとも1つのブラシ毛要素が、上記ブラシ部材の各端部にすぐ隣接して配されており、上記開口部の各端部には、ブラシ部材の各端部にある上記最端部のブラシ毛要素と協働するための屈曲部材が設けられており、ブラシ部材の回転中に上記最端部のブラシ毛要素が開口部から延出する時に、この屈曲部材が最端部のブラシ毛要素を軸方向外側に屈曲させることを特徴とする。
【0009】
最端部のブラシ毛要素が上述したように屈曲することを容易にするため、ハウジング側壁の下縁部には、上記開口部の端部と整合する凹部が形成されていてもよい。そして、この配置構成では、最端部のブラシ毛要素が開口部の端部から外側に突出するようにされることが好ましい。
【0010】
上記屈曲部材は、上記開口部の端部に隣接し、開口部を横切るように構成された適切な形状のガイドワイヤを備えていてもよい。典型的には、最端部のブラシ毛要素が、開口部から最初に延出した時又はその直後にガイドワイヤと接触し、外側に滑らかに屈曲されて、最も低い位置又はその少し手前にある時に最大屈曲状態となり、その後、ガイドワイヤの残りの部分によって制御される方法で復帰できるように、上記ガイドワイヤは全体的に滑らかに湾曲した形状であってもよい。
【0011】
しかし、他の構成も可能とされる。例えば、最端部の各ブラシ毛要素が開口部から延出している間、その移動の大半において実質的な最大屈曲状態が維持されるように、上記ガイドワイヤには、略直線的な中央部分と、湾曲又は傾斜した端部とが形成されていてもよい。さらに、埃を開口部の外に掃き出す傾向を回避するため、最端部のブラシ毛が外側に移動している最中には清掃面と接触せず、内側への復帰移動時にのみ清掃面と係合するように上記ガイドワイヤの形状を定めて、開口部に埃を取り込み収集するようにすることも望ましいだろう。
【0012】
これに代えて、上記屈曲部材は、ハウジングの基板と一体的に形成されていてもよく、場合によっては、開口部の全幅を横切るように形成されていなくてもよい。
【0013】
最端部のブラシ毛要素を積極的に軸方向内側に復帰させるため、必要な場合、上記ハウジングは、ブラシ毛要素がハウジング内に戻る際に通過する開口部の縁部と隣接する位置にガイドを含んでいてもよい。
【0014】
上記回転ブラシ部材は、その外面と係合する軸受によって、回転ブラシ部材の対向する端部よりも内側の互いに離れた位置で支持されていてもよい。あるいは、上記回転ブラシ部材は、ハウジング側壁からブラシ部材の端部内まで延びる短軸によって担持される内側軸受によって支持されていてもよい。いずれの場合も、ブラシ部材が隣接する側壁まで完全に延長可能となるような配置構成とされるが、隣接する側壁に直接接触しないことが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の上記特徴及び他の特徴について、添付の図面を参照しながら説明する。これらの図面において、
図1及び図2において、本発明による床掃除機9は、側壁11(一方の側壁のみ図示する)とその下側の基板12を有するハウジング10を含んでいる。
【0016】
ハウジング10には、掃除機9の使用時に清掃面の上で略水平方向に伸びる軸を中心に回転する回転ブラシ部材20が取り付けられている。このブラシ部材20は、略円筒状の本体21と、互いに間隔を置いてこの円筒体21から放射状に突出するブラシ毛要素22を備えている。本実施態様において、各ブラシ毛要素22は、房状のブラシ毛群を備えているけれども、他の構成も可能とされる。基板12には、ハウジング10の側壁11の間全体にわたって開口部13が形成されており、これによって、ブラシ部材22が回転される時、ブラシ毛要素22は基板12から突出して清掃面と係合することができる。
【0017】
本実施態様では、図示しない軸受を担持する横断部材14によって、開口部13は側壁11から入り込んだ位置で連絡されている。この軸受は、円筒体21の小径部23の外面と係合することにより、円筒体21を支持するものである。以上のようにして、円筒体21を完全にハウジングの側壁11まで延長することができる。しかし、ハウジング側壁の内面と直接接触することを避けるために、十分な隙間を置くことが好ましい。
【0018】
しかし、これに代えて、図3及び図4(同様の部材には同じ符号が付される)に示すように、円筒体の両端を内側から支持することも可能である。図示されるように、別態様のブラシ部材30は、端部32の直径が相対的に大きな円筒体31を含んでいる。これらの端部32はブラシ毛要素を担持しており、その端面には、外側に突出する短軸34を設置するための凹部33がそれぞれ形成されている。別態様の側壁11には、それぞれ弓形の凹部16が形成されている。各凹部16は、略皿形のエンドキャップ35が、外側に延びる中央の中空軸受カップ36とともに、凹部33に挿入されるように位置決めする役割を果たす。上記軸受カップ36には、対応する短軸34が収容される。以上のようにすれば、円筒体31がその両端で支持されていても、側壁11まで延長することが可能である。
【0019】
本発明によると、円筒体21,31の各端部において、少なくとも1つのブラシ毛要素25が円筒体の端部にすぐ隣接して設けられる。例えば、そのような最端部のブラシ毛要素を、直径方向に対向する位置に2つ設けてもよい。ブラシ部材20,30の対向する端部には屈曲部材26が設けられており、ブラシ部材20,30の回転時に最端部のブラシ毛要素25が開口部13を通過する時に、この屈曲部材26は、最端部のブラシ毛要素25と係合し、これらを軸方向外側に屈曲させる。
【0020】
図1〜図4に示す実施態様において、屈曲部材26は、基板12の下側に固定される湾曲ワイヤを備えている。しかし、必要に応じて、屈曲部材を基板と一体的に形成することも可能とされる。
【0021】
この配置構成では、最端部のブラシ毛要素25が、開口部13から現れる時に、屈曲部材26の外側面と係合することによって、次第に横向きに外方向へ屈曲するようにされており、その結果、図2及び図4に示すように、最端部のブラシ毛要素25が、隣接する側壁11の下に届き、好ましくは側壁11から延出するようにされる。このような屈曲を容易にするため、図1及び図3に最も明確に示すように、側壁11の下側には、開口部13の端部と整合する凹部15を形成してもよい。
【0022】
図示した屈曲部材26により、最端部のブラシ毛要素25は、その回転移動中、最も低い位置にある時に最大屈曲状態となり、さらに移動が続くと内側に引っ込められる。内側への移動中、最端部のブラシ毛要素は、開口部13の中へ積極的に埃を取り込む。
【0023】
しかし、屈曲部材は他の形状であってもよい。例えば、図5に示す屈曲部材26aは、直線的な中央部分を含み、この部分によって、最端部のブラシ毛要素25の最大屈曲状態を、開口部13を横切る移動の実質的な部分にわたって維持する。図6に示す別の代替構成による屈曲部材26bは、不均等な脚部を有する浅い略V字形であり、最端部のブラシ毛要素の外方移動時における屈曲が復帰移動時の屈曲よりも急角度になるようにされている。その結果、最端部のブラシ毛要素は、内側移動時にのみ清掃面と係合する。以上のようにして、埃を外側に掃き出す傾向が回避される。
【0024】
屈曲部材は、開口部13の全幅を横切って設けられることが好ましいが、必要に応じて、最端部のブラシ毛要素25がハウジング10の内部に復帰する位置である開口部13の縁部に届かなくてもよいとされる。また、ブラシ毛要素が固有の弾性をほとんど持たない比較的柔らかい繊維から成る場合に適当であるように、必要に応じて、最端部のブラシ毛要素を積極的に復帰させる役割をする屈曲部材をハウジングに含めることも可能である。
【0025】
ブラシ毛要素は、屈曲部材の形状に追従するために十分な可撓性と弾性を有する比較的硬いブラシ毛群を備えていてもよい。又は、これよりも比較的柔らかい非弾性繊維群や、適度な可撓性を有する材料(例えば、合成ゴム)からなる個々の釘状物であってもよい。
【0026】
本明細書において、「〜を備える」の用語は、「〜を含む、又は、〜から成る」を意味する。
【0027】
以上の説明、後続の請求項又は添付の図面に開示される特徴は、具体的な形態によって、又は開示される機能を遂行するための手段もしくは開示される結果を達成するための方法あるいはプロセスによって示されているが、異なる様々な形態で本発明を実現するために、適宜、これらの特徴を単独又は組み合わせて利用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による床掃除機の第一の実施態様を部分的に示す端面図である。
【図2】 図1の実施態様を部分的に示す下平面図である。
【図3】 本発明による床掃除機の第二の実施態様を部分的に示す端面図である。
【図4】 図3の実施態様を部分的に示す下平面図である。
【図5】 屈曲部材の代替形状を部分的に示す端面図である。
【図6】 屈曲部材の代替形状を部分的に示す端面図である。
【符号の説明】
9 床掃除機
10 ハウジング
13 開口部
20 回転ブラシ部材
22 ブラシ毛要素
25 最端部のブラシ毛要素
26 屈曲部材

Claims (12)

  1. 回転ブラシ部材を有するタイプの床掃除機であって、この回転ブラシ部材は、使用時に略水平方向の軸を中心に回転するように駆動されるもので、ブラシ毛要素を有し、ハウジング内に回動可能に軸支されており、この回転ブラシ部材の回転時に、上記ブラシ毛要素はその移動範囲の途中で、ハウジングの基板に設けられた開口部から延出し、
    端部のブラシ毛要素と称する少なくとも1つのブラシ毛要素が、上記ブラシ部材の各端部に隣接して配されており、
    上記開口部の各端部には、上記回転ブラシ部材の各端部にある上記最端部のブラシ毛要素と協働するための屈曲部材が設けられ、この屈曲部材は、上記回転ブラシ部材の回転中に上記最端部のブラシ毛要素が上記開口部から延出する時に、当該最端部のブラシ毛要素を軸方向外側に屈曲させることを特徴とする床掃除機。
  2. 請求項1に記載の床掃除機において、上記ハウジングの各側壁の下縁部に、上記開口部の端部と整合する凹部が形成されていることを特徴とする床掃除機。
  3. 請求項1又は2に記載の床掃除機において、各屈曲部材が、上記開口部の端部に隣接し、その開口部を横切るように構成された適切な形状のガイドワイヤを備えていることを特徴とする床掃除機。
  4. 請求項3に記載の床掃除機において、最端部の各ブラシ毛要素が、上記開口部から最初に延出した時又はその直後にガイドワイヤと接触し、外側に滑らかに屈曲されて、最も低い位置又はその少し手前にある時に最大屈曲状態となり、その後、ガイドワイヤの残りの部分によって制御される方法で復帰できるように、各ガイドワイヤが全体的に滑らかに湾曲した形状であることを特徴とする床掃除機。
  5. 請求項3に記載の床掃除機において、最端部の各ブラシ毛要素が開口部から延出している間、その移動の大半において実質的な最大屈曲状態が維持されるように、各ガイドワイヤに略直線的な中央部分と、湾曲又は傾斜した端部とが形成されていることを特徴とする床掃除機。
  6. 請求項3に記載の床掃除機において、最端部のブラシ毛要素の外方移動時における屈曲が復帰移動時の屈曲よりも急角度になるように、各ガイドワイヤが不均等な脚部を有する略V字形であることを特徴とする床掃除機。
  7. 請求項1又は2に記載の床掃除機において、上記屈曲部材が上記ハウジングの基板と一体的に形成されていることを特徴とする床掃除機。
  8. 請求項1又は2に記載の床掃除機において、上記屈曲部材が上記開口部の全幅を横切らないことを特徴とする床掃除機。
  9. 請求項1〜8のいずれか一つに記載の床掃除機において、上記最端部のブラシ毛要素を軸方向内側に復帰させるため、上記ハウジングは、ブラシ毛要素がハウジング内に戻る際に通過する開口部の各縁部と隣接する位置に、さらにガイドを含んでいることを特徴とする床掃除機。
  10. 請求項1〜9のいずれか一つに記載の床掃除機において、上記回転ブラシ部材が、その外面と係合する軸受によって、当該回転ブラシ部材の対向する端部よりも内側の互いに離れた位置で支持されていることを特徴とする床掃除機。
  11. 請求項10に記載の床掃除機において、上記開口部が、軸受を担持する横断部材によって、側壁から入り込んだ位置で連絡されていることを特徴とする床掃除機。
  12. 請求項1〜9のいずれか一つに記載の床掃除機において、上記回転ブラシ部材の両端が内部の短軸によって支持されており、この短軸がハウジングの側壁に取り付けられた軸受カップに収容されていることを特徴とする床掃除機。
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