JP2003093288A - 電気掃除機用吸込具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 集塵効率を向上することができる電気掃除機
用吸込具を提供する。 【解決手段】 少なくとも吸込本体ケースの下面に吸込
口が形成され、外周の長手方向に複数の清掃体が設けら
れた回転ブラシが前記吸込本体ケース内部に回転自在に
支持された電気掃除機用吸込具であって、前記清掃体の
少なくとも中央部に、他の部分に比較して回転軌跡の短
い凹所を複数箇所形成している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は電気掃除機用吸込具
に関する。さらに詳しくは、回転ブラシを有する床用吸
込具であって、集塵効率を向上することができる電気掃
除機用吸込具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、タービン式ブラシまたは電動
式ブラシを有する床用吸込具を備えた電気掃除機があ
る。この掃除機では、図８に示されるように、回転ブラ
シ５１を回転させながら、塵やほこりなどをブレード５
２により掻き上げて吸引除去している。

【０００３】前記ブレード５２が長いと、床面との回転
抵抗が大きくなり、タービン式ブラシでは、回転しなく
なる。また、電動式ブラシにおいては、電動機に対する
抵抗が大きくなり、電動機に負荷がかかり、電動機の耐
久性がわるくなったり、回転力の強い大型の電動機が必
要となり、床用吸込具が大型化する問題がある。

【０００４】このため、前記回転ブラシ５１のブレード
５２は、回転ブラシ５１の回転を妨げない程度の回転抵
抗となるようにブラシ軸からの長さを短く調整してい
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ブレー
ド５２の長さが短く調整されているため、被掃除面との
接触が充分ではなく、とくに絨毯などに絡みついた糸く
ずなどを充分に除去することができなかった。

【０００６】本発明は、叙上の事情に鑑み、集塵効率を
向上することができる電気掃除機用吸込具を提供するこ
とを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の電気掃除機用吸
込具は、少なくとも吸込本体ケースの下面に吸込口が形
成され、外周の長手方向に複数の清掃体が設けられた回
転ブラシが前記吸込本体ケース内部に回転自在に支持さ
れた電気掃除機用吸込具であって、前記清掃体の少なく
とも中央部に、他の部分に比較して回転軌跡の短い凹所
を複数箇所形成してなることを特徴とする。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の電気掃除機用吸込具を説明する。

【０００９】本発明の一実施の形態にかかわる電気掃除
機はキャニスター型であって、図１〜２に示されるよう
に、集塵部を収納した掃除機本体と吸込具１を備えてお
り、前記本体に順次ホース、接続管および吸込管を介し
て、該吸込具１が接続されている。なお、本発明の吸込
具を適用する電気掃除機は、キャニスター型の電気掃除
機に限定されるものではなく、把手部を連結する掃除機
本体が吸込具に対して起倒自在に接続されたアップライ
ト型の電気掃除機とすることもできる。

【００１０】前記吸込具１は、下面から前面にかけて広
範囲に開口された吸込口２が形成された吸込本体ケース
３と、該吸込本体ケース３内部の両端に軸受部を介して
回転自在に支持された回転ブラシ４と、前記吸込本体ケ
ース３の後面に回転および揺動自在に接続されるととも
に、前記吸込管に連結されるベンド５と、吸込本体ケー
ス３の吸込口２の前側部分を閉じるための、該吸込口２
の前壁を構成するカバー６とから構成されている。

【００１１】該カバー６は、合成樹脂などで作製された
中空体からなり、両側にアーム部分７が突設され、両側
のアーム部分７が吸込本体ケース３の両端に突設された
軸部８にそれぞれ上下方向に回動自在に支持されてお
り、下方回動位置で前記吸込口２の前側部分を閉塞し、
かつ上方回動位置で前記吸込口２の前側部分を開放する
ような構成である。このカバー６は、図２〜３に示され
るように、建物の壁Ｗ、家具または電化製品などの垂直
に延びる面に押圧されたときに上方向に回転できるよう
に、少なくとも最も前方に位置する前端部分６ａが、カ
バー６の回動中心である前記軸部８（図１参照）よりも
上に位置していれば、いかなる形状であってもよい。本
実施の形態におけるカバー６は、前端部分６ａから下方
へ向かって略円弧状（いわゆるソリ形）を呈する円弧状
部分６ｂが形成されているので、前端部分６ａに壁Ｗが
当接したのち、さらに吸込具１を前進させれば、円弧状
部分６ｂが連続的に壁Ｗに当接しながらせり上がってい
くので、カバー６を確実に上昇させることができる。

【００１２】前記回転ブラシ４は、吸込口２の下側部分
２ａおよび前側部分２ｂの両方から若干突出する位置
に、吸込本体ケース３内部に回転自在に支持されてい
る。

【００１３】この回転ブラシ４は、図４〜５に示される
ように、外周の長手方向に、たとえば４つの溝１０を９
０°間隔おきに、かつ螺旋状に刻設した軸部１１と、前
記溝１０に沿ってそれぞれ埋め込まれたゴム製などのブ
レード１２とを備えている。本実施の形態における回転
ブラシ４は、電動式ブラシであって、吸込本体ケース３
に内蔵された電動モータ（図示せず）の駆動力が伝動ベ
ルト（図示せず）などを介して伝達されることにより回
転させることができる。なお、前記吸込本体ケース３の
回転ブラシ上方位置に外気を取り込む開口３ａを形成
し、開口３ａから吸引される外気を回転ブラシ４のブレ
ード１２で受けて回転ブラシ４を回転させるようにして
もよい。前記ブレード１２は、たとえばアルミニウムの
押出し成型された軸部１１の溝１０にブレード１２の基
部を挿入して装着したのち、軸部１１の端部に軸受１４
を支持する、たとえば合成樹脂製の軸支部１５を装着
し、ついで軸支部１５により抜け止めされている。

【００１４】前記４枚のブレード１２は、長手方向の中
央部に、他の部分（本体）１３ａに比較して回転軌跡の
短い凹所１３ｂが複数箇所形成されている。また、ブレ
ード１２の長さは、吸込口２からある程度突出する長さ
に設定されている。前記凹所１３ｂの形状は矩形に限定
されるものではなく、台形形状などの他の形状であって
もよい。また角部に若干の丸みをつけてもよい。

【００１５】本実施の形態では、吸い込み力の大きいブ
レードの中央部に凹所を形成し、吸い込み力の小さい両
側部を従来どおりの形状にすることにより、ブラシ回転
時の床面との接触抵抗を減らし、回転ブラシの回転効率
を上げることができるため、集塵効率を向上させること
ができる。なお、本発明においては、前記ブレードの凹
所は中央部に限定されるものではなく、全幅に渡って凹
所を形成することができる。また、前記複数のブレード
の配置も本発明においては、限定されるものではなく、
凹所が隣接するブレード間で交互に現出するように互い
違いに配置することもできる。かかる全幅に渡る凹所を
有するブレードおよび互い違いのブレード配置において
も、ブラシ回転時の床面との接触抵抗を減らし、集塵効
率を向上させることができる。

【００１６】一般にブレードの長さを大きくすると、床
面との回転抵抗が大きくなり、タービン式ブラシでは、
回転しなくなり、電動式ブラシにおいては、電動機に対
する抵抗が大きくなり、電動機に負荷がかかり、電動機
の耐久性がわるくなるなどの問題があるが、本実施の形
態では、ブレードの中央部に凹所が形状にされているの
で、ブラシ回転時の床面との接触抵抗を減らし、集塵効
率を向上させることができる。

【００１７】また、図３に示されるように、回転ブラシ
４のブレード１２は、前記カバー６が壁面に当接し、該
カバー６が上方回動位置に回動したときに、その先端が
該壁Ｗの壁面に近接または当接し得る長さにされている
ので、壁際を掃除するときも壁際にたまるごみを効率よ
く除去することができる。

【００１８】つぎに回転ブラシの他の実施の形態を説明
する。図６〜７に示されるように、本実施の形態にかか
わる回転ブラシ２１では、ブレード２２の全幅に渡って
凹所２３ｂが形状され、ブレード２２の本体２３ａに対
する凹所２３ｂの配置が異なる１枚目〜４枚目を互い違
いに配置させている。たとえば１枚目と３枚目のブレー
ドを図７（ａ）に示されるように両端に本体２３ａを残
したブレード２２ａとし、２枚目と４枚目のブレードを
図７（ｂ）に示されるように両端に凹所２３ｂが来るよ
うに形成したブレード２２ｂとすることができる。この
ように、回転ブラシ２１のブレード２２の長さを床面と
の抵抗をあまり大きくすることなく長くしても、集塵効
率を向上させることができる。なお、前記回転ブラシ４
および回転ブラシ２１のブレード１２およびブレード２
２の長さを各ブレードごとに変化させることができる。

【００１９】本実施の形態では、図３に示されるよう
に、前記回転ブラシ４を回転ブラシ２１に取り替えて、
壁Ｗに吸込具１を押しつけると、カバー６の前端部分６
ａが壁Ｗに当接してカバー６が上方へ持ち上げられ、さ
らに、円弧状部分５ｂが壁面を滑りながら、カバー６は
軸部を支点として吸込具１の上方へ回転し、その結果、
吸込口２の前側部分２ｂを開口することができる。これ
により、前記吸込口２の下側部分２ａおよび前側部分２
ｂの両方から壁際のごみを吸い込むことができ、さらに
回転ブラシ２１のブレード２２が壁Ｗに当接して壁際の
ごみをかき取るので、壁際のごみを効率よく除去するこ
ともできる。

【００２０】壁際の掃除を終了して通常の床面の掃除に
戻るときには、吸込具１を壁Ｗから離すだけで、カバー
６はその自重により下方へ回転して吸込口２の前側部分
２ｂをシール性よく閉じるので、再び、通常の床面の掃
除を行なうことができる。

【００２１】なお、通常の床面の掃除の場合において、
段差があるときでも、カバー６の円弧状部分６ｂが段差
の上を滑ることができるので、吸込具１は容易に段差を
乗り越えることができる。また、カバー６は、前述した
ように、自重だけでも下方に回転して吸込口２の前側部
分２ｂをシール性よく閉じることができるが、カバー６
を下方へ回動させる回転バネなどの付勢手段を設けれ
ば、カバー６の軸部に多少のごみが付着しても確実に前
側部分６ｂを閉じることができる。

【００２２】これまでの実施の形態では、外周にブレー
ドが設けられた回転ブラシについて説明しているが、本
発明においては、これに限定されるものではなく、塵埃
を掻き上げることができる、たとえば通常用いられるブ
ラシなどの清掃体を設けた回転ブラシとすることができ
る。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
回転ブラシと床面との抵抗を小さくすることにより、タ
ービン式ブラシでは回転状態を良好にでき、電動式ブラ
シにおいては消費電力が低くできる。その結果、集塵効
率を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の電気掃除機用吸込具の一実施の形態を
示す平面図である。

【図２】図１の吸込具のカバーが閉じている状態を示す
断面説明図である。

【図３】図１の吸込具のカバーが開いた状態を示す断面
説明図である。

【図４】図１の回転ブラシの側面図である。

【図５】図４のブレードの側面図である。

【図６】他の回転ブラシの側面図である。

【図７】図６のブレードの側面図である。

【図８】従来の電気掃除機における吸込具の回転ブラシ
の一例を示す側面図である。

【符号の説明】 １ 吸込具 ２ 吸込口 ２ａ 下側部分 ２ｂ 前側部分 ３ 吸込本体ケース ３ａ 開口 ４、２１ 回転ブラシ ５ ベンド ６ カバー ６ａ 前端部分 ６ｂ 円弧状部分 ７ アーム部分 ８、１１ 軸部 １０ 溝 １２、２２、２２ａ、２２ｂ ブレード １３ａ、２３ａ 他の部分(本体) １３ｂ、２３ｂ 凹所

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 明宏 大阪府守口市京阪本通２丁目５番５号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 森 好弘 大阪府守口市京阪本通２丁目５番５号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 松本 千寿代 大阪府守口市京阪本通２丁目５番５号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 松橋 弘道 大阪府守口市京阪本通２丁目５番５号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 斉藤 和雄 大阪府守口市京阪本通２丁目５番５号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 松本 良昭 大阪府守口市京阪本通２丁目５番５号 三 洋電機株式会社内 Ｆターム(参考） 3B061 AA06 AA25 AA45 AD03 AD13 AE02 AE05

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも吸込本体ケースの下面に吸込
   口が形成され、外周の長手方向に複数の清掃体が設けら
   れた回転ブラシが前記吸込本体ケース内部に回転自在に
   支持された電気掃除機用吸込具であって、前記清掃体の
   少なくとも中央部に、他の部分に比較して回転軌跡の短
   い凹所を複数箇所形成してなる電気掃除機用吸込具。
2. 【請求項２】 前記複数の清掃体が、前記凹所が隣接す
   る清掃体間で交互に現出するように互い違いに配置され
   ている請求項１記載の電気掃除機用吸込具。
3. 【請求項３】 前記吸込口の前壁を構成するカバーを、
   前記吸込本体ケースに上下方向に回動自在に取り付けら
   れており、前記カバーが下方回動位置で吸込口の前側部
   分を閉塞し、かつ上方回動位置で吸込口の前側部分を開
   放するような構成であって、前記カバーが壁面に当接
   し、該カバーが上方回動位置に回動したときに、前記清
   掃体が、その先端が該壁面に近接または当接し得る長さ
   にされている請求項１または２記載の電気掃除機用吸込
   具。