JP4558176B2 - ハロゲン含有ガス処理方法及び処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ハロゲン含有ガスの処理方法及び処理装置に関するものであり、特にハロゲン化合物含有ガス中のハロゲン濃度によらずに高効率にハロゲン含有ガスを処理する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造に用いられるドライエッチング装置では、主としてシリコン系薄膜のエッチングガスとして、CF4,SF6などのハロゲン化合物がドライエッチングガスとして用いられている。また、CVD装置においては、処理室内に堆積した膜をエッチングすることにより処理室内をクリーニングすることを目的として、上記と同様のハロゲン化合物が用いられている。ハロゲン化合物の多くは大気中での寿命が長く、且つ二酸化炭素(CO2)の数千から数万倍の地球温暖化係数を有する地球温暖化物質である。また、分子内に塩素原子を含むハロゲン化合物はオゾン層破壊物質でもある。このため、地球温暖化防止、オゾン層破壊防止を目的として、半導体工場などの排気ガスからこれらのハロゲン化合物を含むハロゲン含有ガスを除去する処理方法の研究が進められている。
【0003】
図11は、特開平11−156156号公報に示されている従来のハロゲン含有ガスの処理装置の構成を説明する図である。図11に従い、従来のハロゲン含有ガスの処理装置について説明する。ハロゲン含有ガスの処理装置はハロゲン含有ガスを排出するドライエッチング装置などのガス排出源1に接続した放電処理部2を備えている。放電処理部2はチャンバー3内に一対の放電電極4,5が対向して設けられており、これらの電極の一方には高周波電源6が接続され、他方は接地されている。また、放電処理部2は処理ガス導入側に水蒸気発生器7が接続されており、水蒸気を放電電極4,5間に導入できるように構成されている。
放電処理部2の排出側は生成物補集器であるバブリング器8に接続されており、バブリング器8内の水9中に放電処理部2から排出されたガスを放出できるように構成されている。
【0004】
従来のハロゲン含有ガスの処理方法においては、放電電極4,5間に、排出されたハロゲン含有ガスと、水蒸気発生器7からの水蒸気とを導入し、大気圧下で気体放電を発生させる。この放電によってCF4及び水が電子のエネルギーによって解離し、フッ化水素(HF)、二酸化炭素(CO2)が生成される。その後これらのガスはバブリング器8に導かれ、水9中でバブリングされ放電により生成したフッ化水素が水に溶解されて補集される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来のハロゲン含有ガスの処理装置においては、排ガス中のCF4の濃度によって、CF4の分解効率が低下するという問題があった。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、特にハロゲン化合物含有ガス中のハロゲン濃度によらずに地球温暖化物質あるいはオゾン層破壊物質であるハロゲン化合物を高効率に分解処理できるハロゲン含有ガスの処理方法及び処理装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るハロゲン含有ガスの処理方法は、真空ポンプを介して、この真空ポンプを保護するパージガスとともに供給されるハロゲン化合物含有ガスに、このガス中のハロゲン原子濃度に対する水分子の濃度比が0.25〜1となるように水蒸気を混合し、この混合ガスを放電処理部へ導入して、上記混合ガス中のハロゲン化合物を分解し、この分解生成物を除去するものである。
【0015】
この発明に係るハロゲン含有ガスの処理装置は、保護するためのパージガス導入部を有する真空ポンプと、上記パージガス導入部から導入されたパージガスとともに上記真空ポンプにより排気されるハロゲン化合物含有ガスにこのガス中のハロゲン原子濃度に対する水分子の濃度比が0.25〜1となるように水蒸気を混入制御する水蒸気供給部と、パージガスとハロゲン化合物含有ガスと水蒸気供給部により混入された水蒸気との混合ガスを放電により分解する放電処理部とを備えるものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1のハロゲン含有ガス処理装置の構成を説明する図である。図1において、11はハロゲン化合物含有ガスの排出源、21は排出源11から排出されたハロゲン化合物含有ガスに水蒸気を混合する水蒸気供給部、31は水蒸気が混合されたハロゲン化合物含有ガスの放電処理部、41はハロゲン化合物が分解して生成する分解生成物の捕集部である。
【0025】
排出源11はドライエッチング装置やCVD装置の反応処理室12と反応処理室12中のガスを排気する真空ポンプとして、例えばターボ分子ポンプ13とドライポンプ14から構成されており、ターボ分子ポンプ13及びドライポンプ14は、各々ポンプを保護するためのパージガス導入部15,16を備えている。
【0026】
水蒸気供給部21は、水媒体23を入れたバブリング容器22を備えており、その水媒体23中に排出源11から排出されたガスを導入しバブリングできるように、排出源11の排出側から配管24が設けられている。水媒体23としては通常水を用いるが、添加物が添加されていてもよい。この配管24の途中にはハロゲン濃度センサ25が設けられている。また、バブリング容器22には、水媒体23の温度を検知する温度センサ26と、検知された温度に基づいて水媒体23を所定の温度に制御する温度調節器27を備えている。バブリング容器22内の水媒体23の上部の空間には、バブリングされたガスを放電処理部31に導く配管28が設けられている。
【0027】
放電処理部31には、チャンバー32内に一対の電極33,34が設けられており、この一対の放電電極33,34の一方には高電圧電源35が接続されており、他方は接地されている。また、放電電極33,34の温度を所定の温度に制御するために、各電極には、液温調整器36と循環ポンプ37により循環液が流される。
【0028】
分解生成物であるハロゲン化水素を捕獲する捕集部41は、水媒体43を入れたバブリング容器42を備えており、その水媒体43中に放電処理部31で分解されたガスを排出しバブリングできるように、放電処理部31のチャンバー32の排出側から配管44が設けられている。水媒体43としては通常水が用いられる。また、バブリング容器42内の水媒体43の上部の空間には、バブリングされたガスを放出する配管45が設けられている。
【0029】
このようなハロゲン含有ガス処理装置を用いて、ハロゲン化合物の分解効率を調べた。図2は、この発明における水蒸気供給部の水媒体に純水を用いたときの純水温度とCF4の分解効率を調べた結果を示す図である。測定条件は、放電電極に印加する放電電力1kW、真空ポンプにパージガスとして1l/分のガス流量の窒素ガスを導入し、CF4のガス濃度を0.5%、1%、2%と変化させたときの結果である。この実験によりCF4のガス濃度により最適な水温が変化することが判明した。CF4のガス濃度が高くなるにつれて、最適な水温は高くなった。CF4濃度が5000ppmのときは、0℃〜20℃、望ましくは6℃〜12℃、10000ppmのときは、15℃〜30℃、望ましくは20℃〜25℃、20000ppmの時は、25℃〜40℃、望ましくは30℃〜35℃が最適であった。
【0030】
さらに実験を重ねた結果、CF4の分解効率はハロゲン含有ガスが放電処理部に持ち込む飽和水分濃度とCF4濃度の関係で一義的に決定されることを発明者らは見い出した。図3は、この発明におけるCF4濃度に対する飽和水分濃度の比率とCF4の分解効率の関係を調べた結果を示す図である。図3に示されるように飽和水分濃度とCF4の比率は、1:1〜4:1の範囲、望ましくは2:1〜3:1の範囲が有効であることが明らかになった。この原因は以下の通りであると考える。すなわち、供給水分量が少ないと分解したCやFが再結合してCF4に戻り分解効率が低下する。一方、供給水分量が多すぎると、水分子との衝突で電子のエネルギーが無効に消費され分解効率が低下する。この発明によれば、CF4の濃度が変化してもバブリングする水媒体の温度を最適化することにより、高い分解効率を達成することができる。
【0031】
また、より詳細に検討を加えた結果、最適な水分量はCF4中のフッ素原子(F)の量で一義的に決定されることが明らかになった。図4は、この発明におけるF原子濃度に対する飽和水分濃度の比率とCF4の分解効率の関係を調べた結果を示す図である。図4より飽和水分濃度とCF4中のFの比率は、0.25:1〜1:1の範囲、望ましくは0.5:1〜0.75:1の範囲が有効であることがわかった。
【0032】
さらに、C2F6やNF3、SF6、CClF3、CHF3、CHClF2、CBrF3、CCl4、CH3CCl3、などの他のハロゲン化合物含有ガスで同様の実験を実施した結果、最適な水分量は水分子濃度とハロゲン原子数に換算した濃度Xとの比率で一義的に決定されることが明らかとなった。図5は、この発明におけるハロゲン原子濃度に対する水分子濃度の比率とCF4の分解効率の関係を調べた結果を示す図である。図5よりハロゲン原子濃度に対する水分子濃度の比率は、0.25:1〜1:1の範囲、望ましくは0.5:1〜0.75:1の範囲が最適であることがわかった。
【0033】
次にこの発明の実施の形態1のハロゲン含有ガス処理方法について説明する。
反応処理室12は、ターボ分子ポンプ13及びドライポンプ14により排気されており、エッチング反応生成物やCF4ガスを含むハロゲン化合物含有ガスはドライポンプ14の出口側より排出される。ターボ分子ポンプ13及びドライポンプ14には排出ガスによる腐食や配管の詰まりを防ぐために、各ポンプに設けられたパージガス導入部15,16よりパージガスとして窒素ガスが導入される。
【0034】
反応処理室12からの排出ガスは、パージガスとともに配管24によってバブリング容器22内の水媒体23中に導かれる。この配管24の途中にはガス中のハロゲン濃度を検出するハロゲン濃度センサ25が設けられており、ガス中のハロゲン濃度を精度よく求めることができる。このハロゲン濃度センサ25で検知された濃度を元に最も分解効率が高くなる水蒸気量を混入できる水媒体23の温度を求める。水媒体23がこの温度となるように、温度センサ26で水媒体23の温度を検知しながら、温度調節器27で水媒体23の温度を調節する。排出ガスを水媒体23中に放出してバブリングすることにより、排出ガスの内、ハロゲン化水素や不安定な反応生成物は水媒体23に溶解し、CF4ガス及びパージガスは、配管28を通って放電処理部31のチャンバー32に導かれる。この時水媒体23中をバブリングすることにより、CF4ガス及びパージガスに水媒体23の温度に対応する飽和水分濃度の水蒸気が混入される。このような方法により、所定量の水蒸気を簡便に供給することができる。
【0035】
チャンバー32に導かれたガスは、一対の電極33,34間を通過する。この時一対の電極33,34間には、高電圧電源35により高電圧が印加され、一対の電極33,34間で放電が発生し、高エネルギー電子が生成される。
CF4のC−F結合の解離エネルギーよりも高いエネルギーの電子がCF4に衝突することによって、下記式(1)のように難分解性のCF4が分解する。ここで水蒸気が添加されることによって下記式(2)に表わされるように分解した炭素やフッ素が除去される。
CF4+e→C+4F+e……(1)
CF4+2H2O+e→CO2+4HF+e……(2)
【0036】
一対の電極33,34は、液温調節器36と循環ポンプ37によって、水媒体23の温度よりも5℃以上、望ましくは10℃以上高い温度に加熱制御される。
これによって、一対の電極33,34の表面への結露による、放電の停止、電極の一部で短絡して破損するという事故を防ぐことができ、安定した処理が可能である。
【0037】
上記式(2)によって生成した二酸化炭素(CO2)とフッ化水素(HF)及びパージガスの窒素は配管44を通って捕集部41に導かれる。放電処理部31から排出されたガスは、バブリング容器42内の水媒体43中に放出され、バブリングされる。フッ化水素(HF)は水媒体43に溶解されてフッ化水素酸として捕集される。二酸化炭素(CO2)やパージガスは大気中に放出される。
【0038】
以上のようなハロゲン含有ガスの処理においては、排ガス中のハロゲン濃度に基づき、ハロゲン化合物の分解効率が最大になるような所定量の水蒸気をハロゲン化合物含有ガスに混合するため、排ガス中のハロゲン濃度によらずに地球温暖化物質あるいはオゾン層破壊物質であるハロゲン化合物を高効率に分解することができ、分解生成物であるハロゲン化水素を捕集し除去することができる。
【0039】
尚、上記の方法では、ハロゲン濃度センサ25を用いてハロゲン濃度を検知し、これを元に水媒体23の設定温度を決めたが、ハロゲン濃度センサ25を用いずに、供給するハロゲン化合物濃度及びパージガス流量からハロゲン濃度を算出し、水媒体23の設定温度を決めてもよい。この場合にはハロゲン濃度センサ25を不要にすることができ、処理装置のコストを低減できる。
【0040】
尚、上記の方法では、放電処理部31の出口側に捕集部41を設けたが、多くの半導体工場では、ハロゲン化水素を酸排気によって工場で一括して処理する方法が採用されている。このような場合には放電処理部31の出口側に捕集部41を設ける必要はなく、放電処理部31の出口側を直接工場の酸排気設備に接続することによりハロゲン化水素を捕集することができる。
【0041】
尚、上記の方法では、捕集部41の水媒体43として水を用いたが、水酸化カルシウム水溶液を用いてもよい。この場合にはフッ化カルシウムとして回収することができるので、後処理が容易である。
【0042】
尚、上記の説明では、ハロゲン化合物としてCF4について説明したが、ハロゲン化合物として、C2F6、NF3、SF6、CClF3、CHF3、CHClF2、CBrF3、CCl4、CH3CCl3などの分子内にハロゲンとして、フッ素(F)、塩素(Cl)を含むものであってもよい。これらのハロゲン化合物を含むハロゲン含有ガスの処理にも用いることができる。
【0043】
実施の形態2.
尚、上記の説明では、真空ポンプのパージガスとして窒素ガスを用いた。しかしながら、この場合には、放電処理部31において窒素ガスが分解されて、排ガス中に酸素が含まれていると酸素ガスと結合して窒素酸化物(NOx)が生成する。特に酸素濃度が低い場合には生成されるNOxの大半はN2Oであった。
本発明の主な目的は地球温暖化ガスであるハロゲン化合物を除去することにあるが、ハロゲン化合物を除去しても新たな地球温暖化ガスとしてNOxを生成してしまってはハロゲン含有ガス処理装置を設ける効果が薄れてしまう。
【0044】
そこで、実施の形態2では、真空ポンプのパージガスとして、窒素ガスの代わりにヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンなどの希ガスを用いる。
図6は、各種パージガスを用いたときのパージガス流量とハロゲン含有ガスの分解効率の関係を調べた結果の例を示す図である。図6においては、ハロゲン化合物としてCF4を0.1l/分の一定流量で流し、パージガス流量を変化させた。パージガスとして窒素(N2)、空気(AIR)、酸素(O2)ガスを用いた場合パージガス流量の増大とともに急激にハロゲン化合物の分解効率が低下した。しかも、窒素及び空気をパージガスを用いた場合には多量のNOxが生成した。
一方、パージガスとして、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)を用いた場合には、パージガス流量が増大してもハロゲン化合物の分解効率の極端な低下はなかった。さらに、NOxの発生もなかった。クリプトン、キセノンなどの他の希ガスを用いる場合も同様であった。
このようにパージガスとして希ガスを用いる場合に分解効率の低下が小さいのは、電子と希ガスとの衝突によって電子エネルギーが無駄に消費されてしまうことがないためと推測される。
【0045】
以上のように、真空ポンプのパージガスとして、希ガスを用いることにより、パージガス流量を増やした場合でもハロゲン化合物の分解効率は低下が小さく、通常用いられている窒素ガスに比べてハロゲン化合物の分解効率が大きい。また、NOxなどの有害な物質を生成しないという点でも優れている。希ガスの中でもアルゴンは最も安価であるという利点がある。
【0046】
実施の形態3.
図7はこの発明の実施の形態3のハロゲン含有ガス処理装置の構成を説明する図である。実施の形態3のハロゲン含有ガス処理装置の構成が実施の形態1の構成と異なるのは、水媒体23の温度を制御する温度センサ26及び温度調節器27を設けずに配管28に温度制御部としてガス温度調節器51を設ける点である。この点を除けば実施の形態1と同じである。実施の形態3では、ガス温度調節器51によりハロゲン化合物含有ガスと水蒸気との混合ガスの温度を水媒体23の温度以下の所定の温度に調温する。ガス温度調節器51としては、通常の熱交換器などが用いられる。
これによって、配管28内を流れる混合ガス中の過剰量の水蒸気がコールドトラップされ、ガス温度調節器51を通過した混合ガスはガス温度調節器51により冷却された温度に対応する飽和水蒸気量を含んでいる。このように本実施の形態においても、ハロゲン化合物含有ガスと水蒸気との混合ガス中の水蒸気量を所定の量に制御できるので、ハロゲン化合物の分解を高効率で行うことができる。
特に、本実施の形態においては、水媒体23は調温していないため通常水媒体23の温度は室温であり、室温の飽和水蒸気量以下の微量な水蒸気量を制御して添加する方法として適している。
【0047】
実施の形態4.
図8はこの発明の実施の形態4のハロゲン含有ガス処理装置の構成を説明する図である。実施の形態4のハロゲン含有ガス処理装置の構成が実施の形態3の構成と異なるのは、水蒸気をバブリングではなく水蒸気発生器52を用いて供給する点である。この点を除けば実施の形態3と同じである。実施の形態4においては、ガス温度調節器51によりハロゲン含有ガスと水蒸気との混合ガスの温度を所定の温度に調温する。これによって、配管28内を流れる混合ガス中の過剰量の水蒸気がコールドトラップされ、ガス温度調節器51を通過した混合ガスはガス温度調節器51により冷却された温度に対応する飽和水蒸気量を含んでいる。
このように本実施の形態においても、ハロゲン含有ガスと水蒸気との混合ガス中の水蒸気量を所定の量に制御できるので、ハロゲン含有ガスの分解を高効率で行うことができる。
【0048】
実施の形態5.
図9はこの発明の実施の形態5のハロゲン含有ガス処理装置の構成を説明する図である。実施の形態5のハロゲン含有ガス処理装置の構成が実施の形態1の構成と異なるのは、配管28に温度制御部としてリボンヒーター53を設ける点である。この点を除けば実施の形態1と同じである。実施の形態5では、リボンヒーター53により、配管28の温度を水媒体23の温度よりも5℃以上、望ましくは10℃以上高くなるように制御する。これにより、配管28内で結露することによって供給する水蒸気量が低下するという問題は回避でき、水媒体23の温度によって決まる水蒸気量を精度よく供給することができるので、供給水蒸気量の低下によるハロゲン化合物の分解効率の低下を防ぐことができる。
【0049】
実施の形態6.
図10は、この発明の実施の形態6のハロゲン含有ガス処理装置の水蒸気供給部の構成を説明する図である。実施の形態1乃至5の水蒸気供給部21は、バブリングによる気液接触により水蒸気を供給するものであるが、この実施の形態6の水蒸気供給部61は、滴下する水媒体との気液接触により水蒸気を供給するものである。水蒸気供給部以外の構成は、実施の形態1乃至5と同じである。
【0050】
実施の形態6のハロゲン含有ガス処理装置の水蒸気供給部61は、水媒体63を入れた容器62と、排出源から排出されたハロゲン化合物含有ガスを容器62内に導入する配管24と、この配管24に設けられたハロゲン濃度センサ25と、放電処理部に向けて排出する配管28と、水媒体63をハロゲン濃度に基づく所定の温度に制御する温度調節器64と、温度制御された水媒体63を配管65を通して容器62の上部に導く循環ポンプ66と、容器62の上部に設けられ配管65に接続された多数の小孔67を有する水媒体滴下部68とを備えている。
【0051】
実施の形態1と同様に、排出源から排出されたハロゲン化合物含有ガスは、配管24を通して水蒸気供給部61に導入される。ハロゲン化合物含有中のハロゲン濃度を配管24に設けられたハロゲン濃度センサ25で検知し、検知されたハロゲン濃度に基づき、最も分解効率が高くなる水蒸気量を混入できる水媒体63の温度を求める。水媒体63がこの温度となるように温度調節器64により水媒体63が調温される。調温された水媒体63は循環ポンプ66により配管65を通して容器62の上部に導かれ、水媒体滴下部68からシャワー状に滴下される。配管24を通して容器62内に導入されたハロゲン化合物含有ガスは、容器62内の水媒体63上の空間にある滴下する水媒体69と気液接触することにより、ハロゲン化合物含有ガスに所定量の水蒸気が混入される。ハロゲン化合物含有ガスと水蒸気との混合ガスは、配管28により実施の形態1と同様に放電処理部に導かれ、同様の処理が施される。
実施の形態6のハロゲン含有ガス処理装置は、上述のような水蒸気供給部61を備えるので、ハロゲン化合物含有ガスが水媒体中を通過しないため、トラブル発生時にも水媒体の逆流を防ぐことができ、安定した処理が可能である。
【0052】
【発明の効果】
この発明に係るハロゲン含有ガス処理方法は、真空ポンプを介して、この真空ポンプを保護するパージガスとともに供給されるハロゲン化合物含有ガスに、このガス中のハロゲン原子濃度に対する水分子の濃度比が0.25〜1となるように水蒸気を混合し、この混合ガスを放電処理部へ導入して、混合ガス中のハロゲン化合物を分解し、この分解生成物を除去するので、真空ポンプの腐食や配管の詰まりが防止できるとともに、ハロゲン化合物の分解効率の制御ができ、ハロゲン化合物含有ガス中のハロゲン濃度によらずに高効率にハロゲン含有ガスを処理することができる。
【0061】
この発明に係るハロゲン含有ガス処理装置は、保護するためのパージガス導入部を有する真空ポンプと、上記パージガス導入部から導入されたパージガスとともに上記真空ポンプにより排気されるハロゲン化合物含有ガスにこのガス中のハロゲン原子濃度に対する水分子の濃度比が0.25〜1となるように水蒸気を混入制御する水蒸気供給部と、パージガスとハロゲン化合物含有ガスと水蒸気供給部により混入された水蒸気との混合ガスを放電により分解する放電処理部とを備えるので、真空ポンプの腐食や配管の詰まりが防止で
きるとともに、ハロゲン化合物の分解効率の制御ができ、ハロゲン化合物含有ガス中のハロゲン濃度によらずに高効率にハロゲン含有ガスを処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1のハロゲン含有ガス処理装置の構成を説明する図である。
【図2】 この発明における水蒸気供給部の水媒体に純水を用いたときの純水温度とCF4の分解効率の関係を調べた結果を示す図である。
【図3】 この発明におけるCF4濃度に対する飽和水分濃度の比率とCF4の分解効率の関係を調べた結果を示す図である。
【図4】 この発明におけるF原子濃度に対する飽和水分濃度の比率とCF4の分解効率の関係を調べた結果を示す図である。
【図5】 この発明におけるハロゲン原子濃度に対する水分子濃度の比率とCF4の分解効率の関係を調べた結果を示す図である。
【図6】 各種パージガスを用いたときのパージガス流量とハロゲン化合物の分解効率の関係を調べた結果の例を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態3のハロゲン含有ガス処理装置の構成を説明する図である。
【図8】 この発明の実施の形態4のハロゲン含有ガス処理装置の構成を説明する図である。
【図9】 この発明の実施の形態5のハロゲン含有ガス処理装置の構成を説明する図である。
【図10】 この発明の実施の形態6のハロゲン含有ガス処理装置の水蒸気供給部の構成を説明する図である。
【図11】 従来のハロゲン含有ガス処理装置の構成を説明する図である。
【符号の説明】
21水蒸気供給部、22 バブリング容器、23 水媒体、24,28配管、25 ハロゲン濃度センサ、26 温度センサ、27 温度調節器、31 放電処理部、 33,34 放電電極、35 高電圧電源、36 液温調節器、37循環ポンプ、41 捕集部、43 水媒体、51 ガス温度調節器、52 水蒸気発生器、53 リボンヒーター、 61水蒸気供給部、68 水媒体滴下部。
Claims (8)
- 真空ポンプを介して、この真空ポンプを保護するパージガスとともに供給されるハロゲン化合物含有ガスに、このガス中のハロゲン原子濃度に対する水分子の濃度比が0.25〜1となるように水蒸気を混合し、この混合ガスを放電処理部へ導入して、上記混合ガス中のハロゲン化合物を分解し、この分解生成物を除去することからなるハロゲン含有ガス処理方法。
- パージガスが窒素ガスであることを特徴とする請求項1記載のハロゲン含有ガス処理方法。
- パージガスが希ガスであることを特徴とする請求項1記載のハロゲン含有ガス処理方法。
- パージガスとハロゲン化合物含有ガスとの混合ガスと所定量の水蒸気との混合が、上記ハロゲン化合物含有ガスと所定の温度に制御された水媒体との気液接触により行われてなる請求項1記載のハロゲン含有ガス処理方法。
- 保護するためのパージガス導入部を有する真空ポンプと、上記パージガス導入部から導入されたパージガスとともに上記真空ポンプにより排気されるハロゲン化合物含有ガスに、このガス中のハロゲン原子濃度に対する水分子の濃度比が0.25〜1となるように水蒸気を混入制御する水蒸気供給部と、上記パージガスと上記ハロゲン化合物含有ガスと上記水蒸気供給部により混入された水蒸気との混合ガスを放電により分解する放電処理部とを備えるハロゲン含有ガス処理装置。
- パージガスが窒素ガスであることを特徴とする請求項5記載のハロゲン含有ガス処理装置。
- パージガスが希ガスであることを特徴とする請求項5記載のハロゲン含有ガス処理装置
- 水蒸気供給部が、パージガスとハロゲン化合物含有ガスとの混合ガスと水媒体とが気液接触する気液接触部と、上記パージガスとハロゲン化合物含有ガスとの混合ガス中のハロゲン濃度に基づき上記水媒体を所定の温度に制御する温度制御部と、を備える請求項5記載のハロゲン含有ガス処理装置。
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Publications (3)
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