JP4557850B2 - 煙突内部の耐火レンガ解体方法 - Google Patents

煙突内部の耐火レンガ解体方法 Download PDF

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Description

本発明は、煙突内部の耐火レンガ解体方法に関し、特に外筒の内側に形成された耐火レンガによる内筒を解体する耐火レンガ解体方法に関する
近年、例えば老朽化したゴミ焼却場を撤去する工事が盛んに行われており、これに伴って、高さの高い中空筒状の塔状構造物である煙突を解体する作業が発生する。煙突は、内部が非常に高温になるので、コンクリート製の外筒の劣化を防止するために、その内側に耐火レンガからなる内筒を形成した構造を備えているものが多い。また外筒と内筒との間に隙間を設けて空気層を形成することにより、断熱効果が得られるようにしたものもある。
例えば煙突を解体した後に、耐火レンガとコンクリートを再資源化する場合、これらを混合した状態で解体すると、後に分別する必要を生じることになり、分別作業に多くの手間を要することから、耐火レンガとコンクリートを予め分別して解体する必要がある。分別解体の方法としては、例えば内筒を構成する耐火レンガを先行して上部から破砕し、煙突内の下部に落として撤去した後に、コンクリート製の外筒を上部から破砕して撤去するといった作業手順で行われることになる。
煙突内部の内筒を構成する耐火レンガを解体する場合、人手によって行おうとすると、煙突の内部に吊り下げた作業台の上での解体作業となり、狭隘な空間での高所作業となるため、作業効率が劣ることになる。また耐火レンガの表面はダイオキシンによって汚染されているので、作業員に対して特別の対策を講じる必要がある。
このように、耐火レンガの解体を人力作業によって行うことは一般に困難であることから、機械を遠隔操作することによって耐火レンガを解体する方法が種々提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。ここで、特許文献1の耐火レンガを除去する方法は、コンクリート製の外筒と耐火レンガによる内筒との間の隙間に上方から楔を挿入し、この楔に下方への荷重を負荷して、耐火レンガを外筒から引き剥がすように内側へ分離させつつ煙突内の下方に落下させるものである。また、特許文献2の煙突内壁の解体方法は、煙突の内部に配置したシリンダ部を有する棒状部材を径方向外側に伸張させることにより、内筒を構成する耐火レンガを、外筒と内筒との間の隙間を利用して外側に押し出すようにしながら壊してゆくものである。
特開2003−329236号公報 特開2004−286237号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の耐火レンガの解体方法では、外筒と内筒との間の隙間に挿入される楔によって削り取るようにしながら、或いは伸縮可能な棒状部材によって耐火レンガを外側に押し出すようにしながら、耐火レンガを一個ずつ或いは一層ずつ解体してゆくものであるため、作業能率が悪く、特に高さの高い煙突の場合には、その全長に亘って耐火レンガを撤去するのに多くの時間を要することになる。また例えば煙突の下方に来るのにしたがって、耐火レンガの厚さが厚くなってくると、楔を下方へ移動させる力や耐火レンガを外側に押し出す力が不足して、さらに解体作業の施工効率が劣ることになる。
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたものであり、耐火レンガを積み上げて構成される内筒の構造上弱い部分を利用すると共に、構造上の特性を 利用して、耐火レンガを効率良くスムーズに解体してゆことを可能にする煙突内部の耐火レンガ解体方法を提供することを目的とする。
本発明は、外筒の内側に形成された耐火レンガによる内筒を解体する煙突内部の耐火レンガ解体方法であって、前記耐火レンガは、上下に隣接する層間において各レンガの端面を周方向に半個分づつずらした状態で積み上げられており、先端に目地挿入用の楔部を備える伸縮可能な伸縮棒状部材を、前記内筒の上端から複数層の前記耐火レンガを挟んだ下方に配置して径方向に延設させ、該伸縮棒状部材を伸張して前記楔部を前記耐火レンガの上下に隣接する層間の横方向の目地部に食い込ませることにより、該楔部が食い込んだ目地部よりも上層の複数層の耐火レンガを、当該楔部が食い込んだ目地部の両側部分を目地部を介して階段状に分離させつつレンガ塊として持ち上げる工程を含む煙突内部の耐火レンガ解体方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
また、本発明の煙突内部の耐火レンガ解体方法は、前記伸縮棒状部材を伸張して前記楔部を前記耐火レンガの目地部に食い込ませて当該楔部が食い込んだ目地部の両側部分を階段状に分離させたら、前記伸縮棒状部材をそのまま上方に引き上げる工程を含んでいることが好ましい。
さらに、本発明の煙突内部の耐火レンガ解体方法は、前記伸縮棒状部材を伸張して前記楔部を前記耐火レンガの目地部に食い込ませて当該楔部が食い込んだ目地部の両側部分を階段状に分離させたら、前記伸縮棒状部材を収縮して前記楔部を前記内筒の内側に引き離す工程を含んでいることが好ましい。
さらにまた、本発明の煙突内部の耐火レンガ解体方法は、前記伸縮棒状部材として、吊下げ基台から径方向に背向して伸縮すると共に、先端に耐火レンガの目地部に食い込ませるための楔部を備える少なくとも一対の伸縮棒状部材を使用し、該一対の伸縮棒状部材を径方向に背向して伸縮させながら内筒を解体することが好ましい
また、本発明の煙突内部の耐火レンガ解体方法は、前記伸縮棒状部材として、平面視十字形状に配置される、径方向に背向して伸縮するニ対の伸縮棒状部材を使用し、内筒を周方向に4分割したレンガ塊毎に前記耐火レンガを解体することが好ましい。
さらに、本発明の煙突内部の耐火レンガ解体方法は、前記ニ対の伸縮棒状部材が、分離されるレンガ塊の設計高さに応じた異なる高さに配置されており、上方の一対の伸縮棒状部材を伸ばした後に、下方の一対の伸縮棒状部材を伸ばすことにより、各レンガ塊を上方に押し上げるようにすることが好ましい。
さらにまた、本発明の煙突内部の耐火レンガ解体方法は、前記楔部の先端の角度が20〜30度であることが好ましい。
本発明の煙突内部の耐火レンガ解体方法によれば、耐火レンガを積み上げて構成される内筒の構造上弱い部分を利用すると共に、構造上の特性を利用して、耐火レンガを効率良くスムーズに解体してゆくことができる。
本発明の好ましい一実施形態に係る煙突内部の耐火レンガ解体方法は、例えば老朽化したゴミ焼却場において解体される煙突として、図1(a)に示すような例えば高さが55m程度の中空筒状の塔状構造物である煙突10を撤去する際に、当該煙突10の耐火レンガ11からなる内筒12を、効率良く分別解体できるようにするために採用されたものである。すなわち、煙突10は、図1(b),(c)にも示すように、鉄筋コンクリート製の外筒13の内側に、空気層を形成する隙間14を介在させて、耐火レンガ11を積み上げることにより構成される内筒12を設けた二重構造を備えており、内筒12及び隙間14によって、煙突10の内部が高温になることによる外筒13の劣化を効果的に防止できるようになっている。また、本実施形態では、煙突10は、下部から上部に向かってその外径を僅かに減少させてゆく形状を有しており、例えばその下端部分の外径が4740mm、上端部分の外径が2920mm程度の大きさとなっている。これに伴なって、外筒13は、例えばその下端部分の厚さT1が331mm、上端部分の厚さT2が120mmとなっており、内筒12は、例えばその下端部分の厚さt1が440mm、上端部分の厚さt2が180mmとなっている。
このような煙突10は、鉄筋コンクリート製の外筒13と耐火レンガ11からなる内筒12とを同時に解体すると、これらを再資源化する際に、分別作業に多くの手間を要することから、本実施形態の耐火レンガ解体方法は、内筒12を煙突10の内部で外筒13の解体作業に先行して撤去することにより、後の分別作業を不要とすると共に、耐火レンガ11を効率良く解体するための方法として採用されたものである。
そして、本実施形態の煙突内部の耐火レンガ解体方法は、外筒13の内側に形成された耐火レンガ11による内筒12を解体するための解体方法であって、図2〜図4に示すように、耐火レンガ11は、上下に隣接する層15間において各レンガ11の端面を周方向に半個分づつずらした状態で積み上げられており、先端に目地挿入用の楔部16を備える伸縮可能な伸縮棒状部材17を、内筒12の上端12aから複数層挟んだ下方に配置して径方向に延設させ、この伸縮棒状部材17を伸張して楔部16を耐火レンガ11の目地部18に食い込ませることにより(図4(c)参照)、楔部16が食い込んだ目地部18a(以下、「食込み目地部」とする。)よりも上層の耐火レンガ11を、当該食込み目地部18aの両側部分を目地部18を介して階段状に分離させつつレンガ塊19として持ち上げる工程を含んでいる。このような工程を、煙突10の内部で伸縮棒状部材17を所定の複数層15毎に下方に移動させながら繰り返すことにより、積み上げられた耐火レンガ11をブロック状のレンガ塊19として上方から下方に向けて順次解体してゆくものである。
また、本実施形体では、伸縮棒状部材17を伸張して楔部16を食込み目地部18aに食い込ませて当該食込み目地部18aの両側部分を階段状に分離させたら、伸縮棒状部材17をそのまま上方に引き上げる工程((図4(d)参照))や、伸縮棒状部材17を収縮して楔部17を内筒12の内側に引き離す工程(図4(e)参照)を含んでおり、これらによって分離したレンガ塊19を、煙突10の内部の下方にスムーズに落下させると共に、落下に伴なってレンガ塊19の一部又は全部を、個々の耐火レンガ11としてバラバラに分解させるようになっている。
本実施形態によれば、耐火レンガ11は、図3に示すように、一般のレンガ積みの方法と同様に、上下に隣接する層15間において各レンガ11の端面を周方向に半個分づつずらした状態で、いわゆる千鳥状に積み上げられており、これによって、耐火レンガ11を周方向に連設させる縦方向の目地部18もまた、上下に隣接する層15間において各レンガ11を半個分づつずらした位置に配置されることになる。また、耐火レンガ11をレンガ積みした内筒12は、目地部18がこれの周囲よりも強度が小さい構造上弱い部分となっており、また上下に隣接する層15間を連設させる横方向目地部18は、これを上下に分離させると、その分離状態が横方向に波及するのではなく、耐火レンガ11による上方からの荷重が小さくなるように斜め上方に階段状に連続してゆく傾向にある。本実施形態の解体方法は、耐火レンガ11をレンガ積みした内筒12の構造上弱い部分である目地部18を利用すると共に、目地部18が階段状に分離してゆく構造上の特性を利用して、耐火レンガ11を効率良くスムーズに解体してゆものである。
また、本実施形態では、耐火レンガ11による内筒12を解体する解体装置として、例えば図2に示すような耐火レンガ解体装置20を用いることができる。すなわち、耐火レンガ解体装置20は、クレーン等の吊上げ重機からワイヤーロープ22等を介して吊り下げられる吊下げ基台21と、吊下げ基台21から径方向に背向して伸縮すると共に、先端に耐火レンガ11の目地部18に食い込ませるための楔部16を備える少なくとも一対(本実施形態では一対)の伸縮棒状部材17とからなり、伸縮棒状部材17は、例えば油圧シリンダ23を介してその伸縮を駆動制御されるようになっている。また、本実施形態では、耐火レンガ解体装置20には、例えば伸縮棒状部材17の長手方向に沿ってストローク計24が取り付けられており、これによって、一対の伸縮棒状部材17の楔部16による先端間の距離を計測できるようになっている。さらに、耐火レンガ解体装置20には、解体作業の映像が撮れる位置に、例えば防塵ワイパー付きの監視用カメラが、周辺を照らす照明機器と共に適宜取り付けられており、これによって解体作業を監視できるようになっている。監視用カメラによる画像データは、有線で送ると配線が多くなることから、無線LAN等を使用して画像データを送るようにすることが好ましい。
なお、本発明では、伸縮棒状部材は、互いに背向する方向に伸縮するように少なくとも一対設ける必要は必ずしもなく、油圧シリンダ等を一箇所のみ備える一本の伸縮棒状部材を用いた場合であっても、反力の作用によって両端の楔部を各々目地部に貫入させることができるが、一本の伸縮棒状部材の場合には、伸縮すると吊っている位置がずれるので、それぞれの楔部に対応させて一対の伸縮棒状部材を備える解体装置を用いることが好ましい。また、ストローク計を取り付けることなく、例えばストロークを計測する機能が装備されているシリンダを用い、このシリンダによって計測されるデータを利用しても良い。
そして、本実施形態の耐火レンガ解体方法において、食込み目地部18aの両側部分を目地部18を介して階段状に分離させつつレンガ塊19として持ち上げる工程では、まず、ワイヤーロープ22等を介して耐火レンガ解体装置20を煙突10の内部に吊り下げ、これの伸縮棒状部材17を、内筒12の上端12aから複数層挟んだ下方に配置して径方向に延設させ(図4(a)参照)、しかる後に伸縮棒状部材17を伸張して楔部16を耐火レンガ11の食込み目地部18aに食い込ませる(図2,図4(b),(c)参照)。
ここで、内筒12の上端12aは、解体前の内筒12の上端12aの他、本実施形態の解体方法により上方から耐火レンガ11が順次撤去されて下方に移動する解体途中の内筒12の上端12aをも含むものである。また、伸縮棒状部材17が配置される、内筒12の上端12aから複数の耐火レンガ11の層15を挟んだ下方は、本実施形態の解体方法により複数の耐火レンガ11をブロック状のレンガ塊19として上方に分離するのに適した高さとなるように、予め設定されたレンガ塊19の高さに相当する内筒12の上端12aからの位置であり、内筒12の上端12aから1m程度の位置とすることが好ましい。伸縮棒状部材17が配置される位置が、内筒12の上端12aからあまり高すぎると、レンガ塊19を構成する耐火レンガ11の数が少なくなり過ぎて効率良く内筒12を解体できなくなり、内筒12の上端12aからあまり低すぎるとレンガ塊19を構成する耐火レンガ11の数が多くなり過ぎて、伸縮棒状部材17の楔部16を食込み目地部18aに食い込ませることが困難になる。
径方向に延設して配置された伸縮棒状部材17を食込み目地部18aに食い込ませるには、径方向両端の楔部16の先端が耐火レンガ11の内面に当接している状態から(図2,図4(b)参照)、一対の伸縮棒状部材17を、これらの伸び量を好ましくは耐火レンガ11の厚さの2倍までとして、食込み目地部18aに向けて伸張させる。
ここで、両端の楔部16の先端を耐火レンガ11の内面に当接させる方法としては、楔部16の先端間の長さを、伸縮棒状部材17の設置高さにおける内筒12の既知の内径設計値に合わせて調整する方法や、伸縮棒状部材17を、油圧シリンダ23に負荷がかって油圧が上昇するまで伸張する方法(例えば、無負荷状態で3N/mm2、負荷状態で6N/mm2)等を用いることができる。なお、後者の方法では、耐火レンガ11による内筒12の内径を実測したことになる。
また、本実施形態では、楔部16は、好ましくは鉛直断面がV字形状を備えており、その先端の角度θは20〜30度であることが好ましい。楔部16の先端の角度が小さすぎると、目地部18が切れる耐火レンガ11の範囲が狭くなり、楔部16の先端の角度が大きすぎると、例えば5mm程度の幅の食込み目地部18aに楔部16を食い込ませることが困難になる。なお、楔部16の先端は、例えば200mm程度の横幅を備えていることが好ましい。
そして、本実施形態では、食込み目地部18aに向けて楔部16の先端を内筒12の内周面に当接させてから、伸縮棒状部材17をさらに伸張させることにより、楔部16を食込み目地部18aに貫入させるように食い込ませ(図4(c)参照)、食込み目地部18aよりも上層の耐火レンガ11を、図3に示すように、食込み目地部18aの両側部分を目地部18を介して階段状に分離させつつレンガ塊19として持ち上げる。なお、楔部16は、食込み目地部18aの位置から上下にずれて、先端が耐火レンガ11自体に当接している状態となっている場合があるが、楔部16の先端が耐火レンガ11に貫入されるのに従って、楔部16は上方或いは下方に位置する食込み目地部18aに食い込むように誘導されてゆくことになる。
このようにして、階段状に分離されたレンガ塊19が押し上げられるように持ち上げられて多少上部に動いた状態で、レンガ塊19の全体のバランスが崩れ、煙突10の内側へと転倒した場合には、レンガ塊19は個々の耐火レンガ11に分離されながら下方へ落下する。このように耐火レンガ11が下方に落下したときは、両端の楔部16の先端間の距離が内筒12の内径よりも小さくなるまで油圧シリンダ23を縮ませた後に、食込み目地部18aに楔部16を食い込ませる複数層挟んだ次ぎの位置まで、耐火レンガ解体装置20を下方に移動させる。
また、レンガ塊19が多少上部に動いた状態でも全体のバランスがくずれない場合がある。またレンガ塊19の全体のバランスがくずれても、レンガ塊19が外側に傾く場合には、外筒13にもたれかかってレンガ塊19は転倒しないことがある。このような場合には、伸縮棒状部材17と共に耐火レンガ解体装置20を上方に引き上げる(図4(d)参照)。耐火レンガ11のレンガ塊19を上方に引き上げることで、レンガ塊19のバランスがくずれて下方へ落下したら、両端の楔部16の先端間の距離が内筒12の内径よりも小さくなるまで油圧シリンダ23を縮ませた後に、複数層挟んだ次ぎの食込み目地部18aの位置まで、耐火レンガ解体装置20を下方に移動させる。
さらに、耐火レンガ11のレンガ塊19を引き上げてもレンガ塊19が下方へ落下しないときは、引き上げたままの状態で楔部16の先端間の距離が内筒12の内径よりも小さくなるまで油圧シリンダ23を縮ませる(図4(d)参照)。これによって、レンガ塊19は、下方に残置された内筒12の上端12aに衝突した後、レンガ塊19は個々の耐火レンガ11に分離されながら下方へ落下する。
そして、本実施形態によれば、これらによって、耐火レンガ11を積み上げて構成される内筒12の構造上弱い部分である目地部18を利用すると共に、目地部18が階段状に分離してゆく構造上の特性を利用して、耐火レンガ11をブロック状のレンガ塊19として効率良くスムーズに解体してゆことができると共に、楔部16によって耐火レンガ11を押し上げて目地部18を確実に切ることができるので、内筒10の厚さが厚い煙突10の下部においても、耐火レンガ11を効率良く解体してゆくことが可能になる。
図5(a),(b)は、本発明の他の実施形態に係る耐火レンガ解体装置30を示すものである。図5(a),(b)に示す耐火レンガ解体装置30は、クレーン等の吊上げ重機からワイヤーロープ22等を介して吊り下げられる吊下げ基台としての円環スリーブ形状の外部フレーム31と、外部フレーム31から径方向に背向して伸縮すると共に、先端に耐火レンガ11の目地部18に食い込ませるための楔部32を備えるニ対の伸縮棒状部材33とからなり、伸縮棒状部材33は、例えばストローク計測機能を備える油圧シリンダ34を介してその伸縮が駆動制御されるようになっている。また、耐火レンガ解体装置30には、監視用カメラや照明機器等が適宜取り付けられていると共に、径方向に背向して伸縮するニ対の伸縮棒状部材33が、平面視十字形状に配置されている。
径方向に背向して伸縮するニ対の伸縮棒状部材33を平面視十字形状に配置することにより、内筒12を周方向に4分割したレンガ塊19毎に耐火レンガ11を解体することが可能になるので、さらに確実且つ効率良く耐火レンガ11を解体してゆくことが可能になる。なお、例えば煙突の径が大きい場合には、伸縮棒状部材を4本以上使用し、所定の水平角度づつずらして吊下げ基台に取り付けて、本発明に用いる耐火レンガ解体装置とすることもできる。
図6(a),(b)は、本発明のさらに他の実施形態に係る耐火レンガ解体装置40を示すものである。図6(a),(b)に示す耐火レンガ解体装置40は、図5(a),(b)に示す耐火レンガ解体装置30の構成に加えて、各対の伸縮棒状部材33が、分離される複数層のレンガ塊19の設定高さに応じて、柱部材35を介して例えば1m程度の異なる高さに配設された状態で、吊下げ基台としての円環スリーブ形状の外部フレーム36に取り付けられている。
図6(a),(b)に示す耐火レンガ解体装置40によれば、図7に示すように、上方の伸縮棒状部材33の楔部32を耐火レンガ11の食込み目地部18aに貫入して、左右斜め上方に向けて階投状に目地部18を切ってブロック状のレンガ塊19として押し上げた後に、耐火レンガ解体装置40をそのままの位置に保持しつつ、下方の伸縮棒状部材33の楔部32を耐火レンガ11の食込み目地部18aに貫入すると、上方の楔部32による食込み目地部18aより上方の耐火レンガの目地部18は切れているので、この部分の目地部18も切れやすくなる。これによって耐火レンガ解体装置40の移動を少なくしつつ、さらに効率良く耐火レンガ11を解体してゆくことが可能になる。
すなわち、例えば図6(a),(b)に示す耐火レンガ解体装置40を煙突10内の所定高さに吊り下ろし、楔部32の先端間の距離を内筒12の内径とした状態から、上方の伸縮棒状部材33を各々内筒12の厚さに相当する長さだけ伸ばした後に、下方の伸縮棒状部材33を各々内筒12の厚さに相当する長さだけ伸ばすことにより、各レンガ塊19を上方に押し上げる。このような操作によっても、各レンガ塊19が煙突10の内側へ転倒せず、下方に落下しない場合には、耐火レンガ解体装置40をそのまま上方に引き上げることにより、各レンガ塊19のバランスをくずし、煙突10の内側へ転倒させて落下させる。耐火レンガ解体装置40を上方に引き上げても各レンガ塊19が落下しない場合には、さらに引き続いて、各伸縮棒状部材33を内筒12の厚さの相当する長さだけ縮めて楔部17を内筒12の内側に引き離すことにより、各レンガ塊19を確実に下方に落下させることが可能になる。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、伸縮棒状部材の先端の楔部は、V字形状の鉛直断面を備えている必要は必ずしも無く、耐火レンガの目地部に挿入されてこれを押し広げることが可能な種々の形状のものを用いることができる。また伸縮棒状部材を伸縮させる伸縮機構として、油圧シリンダ以外のその他の種々の伸縮機構を用いることができる。
(a)は、本発明の好ましい一実施形態に係る煙突内部の耐火レンガ解体方法によって耐火レンガが解体される煙突を例示する斜視図、(b)は(a)のA−Aに沿った上部断面図、(c)は(a)のB−Bに沿った下部断面図である。 耐火レンガ解体装置を用いて耐火レンガを解体してゆく状況を説明する要部断面図である。 耐火レンガを解体してゆく状況を説明する内筒を内側から見た正面図である。 (a)〜(e)は、耐火レンガを解体してゆく作業手順を説明する要部断面図である。 (a)は本発明の他の実施形態に係る耐火レンガ解体装置の上面図、(b)は断面図である。 (a)は本発明のさらに他の実施形態に係る耐火レンガ解体装置の上面図、(b)は断面図である。 図6(a),(b)に示す耐火レンガ解体装置によって耐火レンガを解体してゆく状況を説明する斜視図である。
符号の説明
10 煙突
11 耐火レンガ
12 内筒
12a 内筒の上端
13 外筒
14 隙間(空気層)
15 耐火レンガの上下方向の層
16,32 楔部
17,33 伸縮棒状部材
18 目地部
18a 食込み目地部(楔部が食い込んだ目地部)
19 レンガ塊
20,30,40 耐火レンガ解体装置
21 吊下げ基台
22 ワイヤーロープ
23,34 油圧シリンダ
24 ストローク計
31,36 外部フレーム(吊下げ基台)
35 柱部材

Claims (7)

  1. 外筒の内側に形成された耐火レンガによる内筒を解体する煙突内部の耐火レンガ解体方法であって、
    前記耐火レンガは、上下に隣接する層間において各レンガの端面を周方向に半個分づつずらした状態で積み上げられており、
    先端に目地挿入用の楔部を備える伸縮可能な伸縮棒状部材を、前記内筒の上端から複数層の前記耐火レンガを挟んだ下方に配置して径方向に延設させ、該伸縮棒状部材を伸張して前記楔部を前記耐火レンガの上下に隣接する層間の横方向の目地部に食い込ませることにより、該楔部が食い込んだ目地部よりも上層の複数層の耐火レンガを、当該楔部が食い込んだ目地部の両側部分を目地部を介して階段状に分離させつつレンガ塊として持ち上げる工程を含む煙突内部の耐火レンガ解体方法。
  2. 前記伸縮棒状部材を伸張して前記楔部を前記耐火レンガの目地部に食い込ませて当該楔部が食い込んだ目地部の両側部分を階段状に分離させたら、前記伸縮棒状部材をそのまま上方に引き上げる工程を含む請求項1に記載の煙突内部の耐火レンガ解体方法。
  3. 前記伸縮棒状部材を伸張して前記楔部を前記耐火レンガの目地部に食い込ませて当該楔部が食い込んだ目地部の両側部分を階段状に分離させたら、前記伸縮棒状部材を収縮して前記楔部を前記内筒の内側に引き離す工程を含む請求項1又は2に記載の煙突内部の耐火レンガ解体方法。
  4. 前記伸縮棒状部材として、吊下げ基台から径方向に背向して伸縮すると共に、先端に耐火レンガの目地部に食い込ませるための楔部を備える少なくとも一対の伸縮棒状部材を使用し、該一対の伸縮棒状部材を径方向に背向して伸縮させながら内筒を解体する請求項1〜3のいずれかに記載の煙突内部の耐火レンガ解体方法
  5. 前記伸縮棒状部材として、平面視十字形状に配置される、径方向に背向して伸縮するニ対の伸縮棒状部材を使用し、内筒を周方向に4分割したレンガ塊毎に前記耐火レンガを解体する請求項4に記載の煙突内部の耐火レンガ解体方法
  6. 前記ニ対の伸縮棒状部材が、分離されるレンガ塊の設計高さに応じた異なる高さに配置されており、上方の一対の伸縮棒状部材を伸ばした後に、下方の一対の伸縮棒状部材を伸ばすことにより、各レンガ塊を上方に押し上げる請求項5に記載の煙突内部の耐火レンガ解体方法
  7. 前記楔部の先端の角度が20〜30度である請求項1〜6のいずれかに記載の煙突内部の耐火レンガ解体方法
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