JP4557420B2 - ビードコアの無いタイヤビード - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、2つのサイドウォールにより2つのビードに結合された少なくとも1つのトレッド及びカーカス補強部を有し、別個独立の内側チューブの有無にかかわらず用いることができ、しかも標準型リムへの取付け後であって膨らまし後、横揺れ可能な車両であればどれにでも装着されるようになったタイヤに関する。
【0002】
タイヤは数種類のタイプの標準型リムに取付け可能である。かかるリムは、回転軸線に対して傾斜していて、回転軸線と4°〜16°の角度をなす切頭円錐形受座を有する場合がある。これらリムの中には、中空リム、半中空リムるたはドロップセンターリムと呼ばれる一体リム又は一時的又は「新型」リムと呼ばれる数個の部分から成るリムがある。問題のリムは又、回転軸線に平行であって、一般にフラットベース式と呼ばれるリム受座を有する場合がある。
【0003】
最も普及しているリムは、中空又はドロップセンターリムと呼ばれていて、取付け溝を有し、この取付け溝の直径は、リムの呼び直径よりも明らかに小さい。このリム溝の直径は、ユーザにより小さすぎると考えられているが、これを用いると、益々強力になっている車両の効果的なブレーキ作用に適した寸法のブレーキドラムを選択することはできない。
【0004】
理由がなんであれ(理由についてほんの幾つかの例を挙げると、タイヤにより接地面に及ぼされる圧力の減少、タイヤの横方向剛性の増強、リムの利用可能な内部スペースの増加、或る特定の形式の機械の低重心化)、H/S形状比(偏平比ともいう)の小さなタイヤを製造することが一段と強く望まれている。なお、Hは、リムに取り付けた場合のタイヤの高さ、Sは、その最大軸方向幅である。
【0005】
特に大型車タイプの車両、例えばトラック、バス、地下鉄、トレーラユニット、又は超大型車タイプの車両、例えば建設の際に用いられる荷積み機械、輸送機械及び地ならし機又は飛行機に装着されるようになった形状比の小さなタイヤの開発には極めて細心の注意が必要であり、特に、ビードの耐久性は、H/S比の減少につれて著しく低下し、耐久性の不足は、タイヤのビード内に位置したカーカス補強部の折返し部の端部又は補強プライの端部に見られ、ビードの構造は各ビード内にカーカス補強部折返し部及び補強プライが設けられた従来構造であり、その子午線プロフィールは、ビード領域内のカーカス補強部の子午線プロフィールに実質的に平行である。さらに、このような形状比を用いると、タイヤ空気圧を減少させることができるにもかかわらず、乗り心地が著しく悪くなり、これは、比較的凸凹した道路上を長距離走行するタイヤの場合、極めて耐えがたい場合がある。
【0006】
かかる欠点を解決すると共にタイヤの製造を容易にするため、仏国特許出願第94/14688号は、受座が回転軸線に対して4°〜16°の角度だけ傾斜している中空リム又はドロップセンターリムに装着されるようになった形状比が0.8未満のタイヤを提案している。かかるタイヤは、クラウン補強部の半径方向下に位置したカーカス補強部を有し、カーカス補強部は、コード又はケーブルから成る少なくとも1つのプライで構成されていて、折返し部を形成するよう外側から内側に延びる定着用ビードワイヤの周りに各ビード内において上に折り曲げられており、折返し部は、円周方向に対して0°〜20°(0°を含む)の角度に差し向けられた金属ケーブルから成る少なくとも1つの追加の補強プライによって補強され、補強された折返し部の子午線プロフィールは、リムに装着されていない状態のタイヤでは、上記リム受座上のビードワイヤの外接円の中心の投射図の内側に向かって軸方向に配置された受座の少なくとも一部の子午線プロフィールに実質的に平行である。
【0007】
タイヤの製造方法の開発は現在非常に高度に行われているが、ビードワイヤの使用にあたっては、ビードワイヤの別個の製造及び加工(例えば、コーティング)、ーワイヤの輸送及び成型ドラムへの取付け又はビードの製造のための所与の支持体への取付けが必要であり、これら全ての作業は時間を要すると共に及び多数の注意事項を必要とし、従ってコスト高になる。さらに、現行タイプは常時増大する駆動トルクを受けるので、不適当な回転を回避するのに必要なリムへのクランプ力とリムへの取付けを可能にする最大クランプ力との妥協点を見いだすことはカーカス補強部が巻き付けられるビードワイヤを備えたタイヤの現行型構造の当業者には困難である。
【0008】
本出願人は意外にも、リムとビード受座の高さ位置でのリムとタイヤとの間の接触圧の分布を非常に簡単且つ再現性のある仕方で制御できると共にできるだけ規則正しくすることができ、他方、ビードの加熱度が高い場合でもカーカス補強部の解けにくさを向上させることができることに気づいた。
【0009】
かくして、丸いフック付きのフランジを備えた軸方向幅Lの標準型リムに装着されるようになっていて、2つのサイドウォールによって2つのビードに結合されたトレッド及び少なくとも1つの補強要素から成るプライで作られた少なくとも1つのカーカス補強部を有する本発明のタイヤは、各ビードにはビードワイヤが設けられておらず、カーカス補強部は各ビード内に湾曲した子午線プロフィールを有し、子午線プロフィールは、軸方向及び半径方向において外側から内側に向かって少なくとも1つの凸状円弧BCで形成され、該凸状円弧BCは、場合によっては直線セグメントCDにより接線方向に延長されてビード内にカーカス補強部の縁部が形成され、該カーカス補強部の縁部は、軸方向及び半径方向内側に開いたせいぜい25°の値の鋭角αの範囲内に位置し、該鋭角αの頂点Sは、前記凸状円弧BC上にあり、該鋭角αを構成する辺のうち一方は、回転軸線に平行であり、カーカス補強部は、各ビード内で少なくとも半径方向外側及び軸方向内側において、ビード内のカーカス補強部の子午線プロフィールに実質的に平行な子午線プロフィールの少なくとも1つの連続した追加の層によって補強され、該追加の層は、円周方向と−2.5°〜+2.5°の角度をなす非伸長性補強要素の少なくとも1つのプライで構成された少なくとも1つの第1の部分を有し、追加の層の半径方向上端部は、回転軸線と回転軸線から最も遠くに位置した取付けリムの対応のフランジの点との間の距離の少なくとも0.96倍に等しい距離だけ回転軸線から離れて位置し、追加の層の軸方向内端部は、取付けリムの幅Lのせいぜい0.43倍の距離だけ赤道面から離れて位置していることを特徴とする。
【0010】
リムフランジ」とは、以下のようにして形成された集成体を意味するものとして理解されるべきであり、即ち、かかる集成体は、回転軸線に実質的に垂直な部分を先ず最初に、リムフックと呼ばれる場合のあるものを形成する円形部分によって半径方向外側に延長し、次にリムの軸方向外端部を上記集成体に連結する円弧によって半径方向内側に延長させることによって形成されたものである。
【0011】
「ビード内におけるカーカス補強部の子午線プロフィール」とは、子午線断面で見たカーカス補強部の幾何学的中心線の子午線プロフィールを意味するものと理解されるべきであり、この子午線プロフィールは、取付けリム及びタイヤの回転軸線に平行であって、カーカス補強部が配置されたビードに対応していて、回転軸線から最も遠くに位置したリムフックの点を通る直線XX′の半径方向内側にあると考えられる。
【0012】
「非伸長性補強要素」とは、引張強さの20%の力でせいぜい1.5%の相対伸び率を有するケーブル又はモノフィラメントを意味していると理解されるべきである。追加の層は好ましくは、金属ケーブル又はモノフィラメント、「大型車」又は「建設用」タイプのタイヤの場合、好ましくは鋼であるが、例えば飛行機、農業用トラクタ又は乗用車用のタイヤの場合、有利には織編(又はテキスタイル)要素、好ましくは芳香族ポリアミドで作られる。
【0013】
本発明の範囲には多数のリム及びタイヤが含まれ、カーカス補強部及び第1の追加の層により形成された集成体の子午線プロフィール(これは、カーカス補強部の子午線プロフィールに非常に密接に関連している)は、ビード内においてこのビードが取り付けられるリムの側の子午線プロフィールに適応すると有利であろう。追加のプライの子午線プロフィールは、変形例として2つのプライ相互間にゴムデカップリング層が存在する場合があることを除き、実際にはカーカス補強部の子午線プロフィールとは異ならない(2つの子午線プロフィールが実質的に平行であると言われるのはこのためである)。
【0014】
カーカス補強部の子午線プロフィールは、半径方向及び軸方向外側において第1の凹状円弧を更に有し、この円弧は、第2の円弧によって延長され、第2の円弧は場合によっては、直線セグメントにより接線方向に延長される。
【0015】
第1の凹状円弧の半径方向外端部は、回転軸線から最も遠くに位置したリムフランジの点の幾何学的軌跡である円弧の半径に等しい距離だけ回転軸線から半径方向に離れている。第1の凹状円弧の半径方向外端部は、円弧とサイドウォール内のカーカス補強部の凸状子午線プロフィールとの接点である。回転軸線と垂直な直線である子午線断面における赤道面の跡及び回転軸線からなる2つの軸線に対する第1の凹状円弧の曲率中心は、リムフックの曲率中心と同一の座標を有している。カーカス補強部の子午線プロフィールの第1の円弧の長さに関し、これは少なくとも0であり、ビード内におけるカーカス補強部の子午線プロフィールは、直接、第2の凸状円弧で始まり、半径方向下端部が回転軸線に垂直な線との接点となる円弧の長さにせいぜい等しい長さを有している。
【0016】
第1の円弧は、第2の円弧によって半径方向及び軸方向内側において接線方向に延長され、第2の円弧の曲率半径の値の範囲は、最小が5mm、最大がカーカス補強部の子午線プロフィールと第1の円弧ABとの間の接点で測定したサイドウォール内のカーカス補強部の子午線プロフィールの曲率半径に等しい値であり、該最大値は、第1の円弧の長さが0である場合に用いられる半径の値である。
【0017】
内側に向かって第2の円弧は、直線セグメントによって第2の円弧の半径方向及び軸方向内側において該第2の円弧の端点における接線方向に延長される場合があり、この直線セグメントの軸方向内端部は又、カーカス補強部の子午線プロフィールの端である。直線セグメントが付け加えられた第2の円弧の部分で構成されるカーカス補強部の子午線プロフィールの軸方向内縁部は、第2の円弧の接線をなし且つ回転軸線と25°の角度をなした半直線と回転軸線に平行な半直線のなす角度内に位置した子午線プロフィールの部分であり、前記角度の頂点は、第2の円弧と25°に差し向けられた半直線との丁度接点である。
【0018】
追加の層は、カーカス補強部の軸方向内端部よりも赤道面に近く又はこれから離れて遠くに位置した軸方向内端部を有する。軸方向内端部とカーカス補強部の縁部の位置する角度の頂点との間の追加の層は、ゴム配合物の最小厚さだけカーカス補強部から離されており、この最小厚さは、隣り合うカーカス補強部プライ及び追加の層のプライに面した圧延層(calendering layers)の厚さの合計であり、上記頂点と半径方向上端部との間のデカップリング(分離)厚さは、上記最小厚さの1.0〜1.8倍である。
【0019】
上述したように、タイヤの中には、織編要素で作られたカーカス補強部を有するものがある。この場合、カーカス補強部の子午線プロフィールの端部は織編要素製のカーカス補強部の端部に合体されず、この織編要素製カーカス補強部の端部を第1の追加の層上に折り返すことができる。
【0020】
推奨タイヤ空気圧の高いタイヤの場合、第1の追加の層を、互いに重ねられ、互いに長さが同一であっても同一でなくてもよい非伸長性補強要素の数枚の追加のプライから成る、前記第1の部分と第2の部分とからなる2つの部分で形成するのがよい。非伸長性要素を設けることが、回転軸線と平行で、且つ回転軸線から、回転軸線と回転軸線から見て最も遠くに位置した取付けリムの対応のフランジの点との間の距離の0.96倍に等しい距離にある直線の半径方向内側に配置されている追加の層の第1の部分全体にとって必要であれば、第1の部分の延長部をなしていて、上記直線の半径方向外側に、従ってタイヤのビード内及びサイドウォール内に位置した追加の層の第2の部分を、非伸長性又は或る程度の伸長性を有し、又は少なくとも上記部分を伸長可能にする補強要素で作るのがよく、かくして、好ましくは金属製であって、弾性があると言われている、即ち、引張強さの20%に等しい引張力を受けた場合に少なくとも1.5%の相対伸び率を有する連続要素を上記部分に使用でき、或いは、上記層を形成する又は円周方向に不連続な要素でできた一又は複数のプライの平面内に波形又はジグザグの補強要素が用いられ、各不連続要素は、プライの円周方向長さの0.1〜1倍の円周方向長さを有し、補強要素相互間の隙間は、軸方向に隣り合う列の隙間に対して子午線方向にずれている。
【0021】
高いタイヤ空気圧の場合、連続した第2の追加の補強層が存在していることも又、非常に有利であることが判明した。この第2の追加の補強層も又、カーカス補強部の少なくとも半径方向最も内側且つ軸方向最も外側のプライの軸方向外側且つ半径方向内側において、実質的にビード内のカーカス補強部の子午線プロフィールに平行な子午線プロフィールを有している。この層は、補強要素から成る少なくとも1つのプライで作られている。この層は連続していると共にこの層は、リムの回転軸線に平行であって、第2の追加の層が配置されたビードに対応していて、回転軸線から最も遠くに位置したリムフランジの点を通る直線の半径方向外側に位置していてもよいが、好ましくは半径方向内側に位置したその半径方向上端部から赤道面に最も近いその軸方向内端部までその長さ全体にわたって均質である。この場合、この層を円周方向と−2.5°〜+2.5°の角度をなす非伸長性ケーブル、好ましくは金属製のケーブルで作ると有利である。第2の追加の層は又、連続であるがその幅全体にわたって非均質であるのがよく、この場合、かかる追加の層は2つの部分又は3つの部分で作られる。
【0022】
上記第2の層は、その半径方向上端部が回転軸線に平行であって、回転軸線から最も遠くに位置したリムフランジの点を通る直線の内側に向かって半径方向であるような場合、2つの部分、即ち、半径方向上端部と、円弧の中心とカーカス補強部の縁部の位置した角度αの頂点とのほぼ間に位置した点との間の第1の部分と、第1の部分を内側に向かって軸方向に且つ内側に向かって半径方向に延長させていて、上記点と赤道面に軸方向に最も近いその半径方向下端部との間に位置した第2の部分とで形成されている。第1の部分は、非伸長性ケーブルから成る少なくとも1つのプライで作られ、第2の部分は、有利には補強要素から成る少なくとも1つのプライで作られ、上記プライは、横方向においてほんの僅かな圧縮性を有し、有利には円周方向において伸長性を有するという性質を備え、それにより第1に、ビード受座によりリム受座に及ぼされる圧力の簡単且つ再現性のある制御が可能になり(本発明者は以外にも、かかる圧力が第2の追加の層の第2の部分の一又は複数のプライを構成する補強要素の引張抵抗の関数であることに気づいた)、第2に、上記追加の層の製造中における布設が容易になる。
【0023】
第2の追加の層の半径方向上端部が回転軸線に平行であって、回転軸線から最も遠くに位置したリムフランジの点を通る直線の外側に向かって半径方向である場合、上述の第1及び第2の部分に加えて、回転軸線に平行であって、回転軸線から最も遠くに位置した対応のリムフランジの点を通る直線の実質的に半径方向上方に位置すると第3の部分を有するのがよい。
【0024】
第1の部分は、円周方向と−2.5°〜+2.5°の角度をなす非伸長性ケーブル、好ましくは鋼製の金属ケーブルで作られる。第2の部分は、有利には、補強要素から成る少なくとも1つのプライで作られ、このプライは、横方向においてほんの僅かな圧縮性を有し、有利には円周方向において伸長性を有するという性質を備え、それにより第1に、ビード受座によりリム受座に及ぼされる圧力の簡単且つ再現性のある制御が可能になり(本発明者は以外にも、かかる圧力が第2の追加の層の第2の部分の一又は複数のプライを構成する補強要素の引張抵抗の関数であることに気づいた)、第2に、上記追加の層の製造中における布設が容易になる。第3の部分に関しては、これは有利には補強要素から成る少なくとも1つのプライで作られ、プライは円周方向において伸長性を有するという性質を備えている。
【0025】
かくして、第2の追加の層の第2及び第3の部分のプライは、円周方向に差し向けられた弾性連続の直線状補強要素で作られるのがよく、補強要素は好ましくは、第1の追加の層の第2の部分に用いられる上述した要素と同一の金属又は織編要素である。これら補強要素は、上述した性質と同一の性質をもつ平均的に円周方向の向きの波形又はジグザグの補強要素又は不連続補強要素の列で作られるのがよいが、この場合の補強要素又は不連続要素は、互いに平行であって補強要素を横断する方向に互いに隣接している。上記第2の部分の一又は複数のプライは又、円周方向に対して少なくとも80°の角度に差し向けられた金属補強要素であり、かかる補強要素は、互いに少なくとも0.2mmだけ円周方向に離されている。この後者の場合、上記一又は複数のプライの一つ(又は幾つかの)幅を、かかるプライをカーカス補強部の端部の上に折り返すことができるほどの大きさにすると有利である。さらに、もし上記部分の一又は複数のプライを幾つかの円周方向補強要素から成るストリップで形成すれば、第2の層の第2の部分の付設が一段と容易になり、これらストリップは、円周方向に不連続であり、ストリップ相互間の不連続の隙間は、円周方向と、カーカス補強部の補強要素が該円周方向となす角度とは異なる角度をなし、これらの角度の差は、少なくとも10°である。
【0026】
カーカス補強部がせいぜい3つのプライで形成される場合、第2の追加の層は、プライの枚数が幾つであっても、また補強要素の性質がどのようなものであっても、その全体がカーカス補強部の半径方向最も内側且つ軸方向最も外側のカーカスプライの軸方向外側且つ半径方向内側に配置されている。カーカス補強部か少なくとも4つのプライで形成される場合、第2の追加の層を形成するプライは有利には、これらのうち2つが少なくとも1つのカーカス補強部プライで形成されるカーカスプライ群を、このカーカスプライ群の両側でぴったりと包囲する。
【0027】
本発明の特徴及び利点は、添付の図面を参照して以下の説明を読むと一層よく理解されよう。
【0028】
農業用トラクタ用のサイズが540/65R26のタイヤは、0.65のH/S形状比を有している。このタイヤのトレッド(図示せず)は、2つのサイドウォール2によってビード3に結合されている。このタイヤは、クラウン補強部(図示せず)の下に設けられたラジアルカーカス補強部1によって補強されており、このカーカス補強部は、140×2ナイロン製ケーブル11,12から成る2枚のラジアル織編(テキスタイル)プライで構成されている。子午線断面で見てカーカス補強部の幾何学的中心線(破線で示す)の子午線プロフィール(このプロフィールは、取付けリム及びタイヤの回転軸線に平行であって、このカーカス補強部が配置されているビードに対応していて回転軸線から最も遠くに位置したリムフランジの点を通る直線XX′の半径方向内側にあると考えられる)は、第1の凹状円弧ABが、Aのところでサイドウォール2内のカーカス補強部の子午線プロフィールと接線の関係をなすと共にBのところで第2の凸状円弧BC(これはそれ自体、直線セグメント(線分)CDによって内側に向かって接線方向且つ軸方向に延ばされている)と接することによって形成され、Dは、カーカス補強部1の端であって、赤道面のリム幅Lの0.4倍のところに軸方向に位置している。このタイヤは寸法DW15のリムに取り付けられるようになっているので(リムの標準幅は381mmであり、回転軸線から最も遠くのそのリムフランジの点は、半径が356mmの円上に位置している)、点Aは、回転軸線から345mmの距離のところに位置すると共に赤道面(図示せず)から軸方向に183mmに等しい距離だけ離れて位置している。点B(これは、第2の円弧BCとの接点である)は又、回転軸線に垂直な直線との接点であり、かくして、円弧ABは最大長さを有している。したがって、子午線プロフィールは、半径方向及び軸方向内側に開いた角度αの範囲内に位置する軸方向内縁部SDを形成するよう軸方向及び半径方向外側から内側に延びた状態で湾曲しており、回転軸線と25°の角度をなす角αを構成する辺のうちの一方は、第2の円弧BCとSのところで接しており、Sから始まる他方の辺は、回転軸線に平行である。
【0029】
ビード3内のカーカス補強部1は、直径が2.8mm、引張強さが少なくとも700daNであって、周囲方向に対して0°に差し向けられた非伸長性鋼の68×23ケーブルで構成された追加のプライ6によって、軸方向内側且つ半径方向外側において補強されている。プライ6は、直線XX′の上に位置した1つの半径方向上端部及びカーカス補強部の端に近い1つの半径方向下端部を有している。この追加のプライ6は、ゴム製デカップリング層8によってカーカス補強部から分離されており、このゴム製デカップリング層8は、カーカス補強部と追加のプライからなる集成体の疑似垂直方向断面において厚く、他方、疑似水平方向断面ではカーカスプライ及び追加のプライのケーブルの2つの圧延厚さ(calendering thicknesses)の合計に等しい厚さであるに過ぎない特別な構造的特徴を有している。ゴム層8は、相対伸び率が10%である場合において少なくとも30の引張弾性率(割線モジュラス)を有している。
【0030】
半径方向内側且つ軸方向外側に、第2の追加のプライ7が設けられており、この第2の追加のプライ7は、その第1の部分70が連続鋼68×23ケーブルで作られており、これらのケーブルは、非伸長性であり、円周方向に対してせいぜい2.5°の角度をなしている。この第2の追加のプライ7の第1の部分70は、この第2の追加のプライ7が配置されているビード3内のカーカス補強部1の子午線プロフィールに平行である。第2の追加のプライ7の半径方向上端部は、回転軸線から見て最も遠くのリムフックの点を通る回転軸線に平行な直線XX′の内側僅か手前のところに位置しているが、第2の追加のプライ7の第1の部分70は、カーカス補強部1の子午線プロフィールの点Sと同一の回転軸線に垂直な線上に位置した半径方向下端部を有している。第2の追加のプライ7の第1の部分70は、カーカス補強部1の子午線プロフィールに平行であって、9×28ケーブルで構成されると共に、円周方向に対して90°の角度をなしている第2の部分71によって軸方向に延長されている。第2の部分71は、カーカス補強部1及び第1の追加のプライ6の端部上に上方に折り返されていて、上方折返し部72を形成している。プライは全て、取付けリムと接触するようになった従来型保護ゴム層5により半径方向外側で被覆されている。ビード全体は、追加の層6の軸方向内側且つ半径方向外側で1つ(又は2以上)のゴムフィラー4によって構成されている。
【0031】
図2に示す寸法175/70R13のタイヤは、乗用車用のタイヤである。同一の要素を示すために図1の符号と同一の符号が用いられており、このタイヤは、ポリエステル製ケーブルの単一織編プライ1で形成されたカーカス補強部1を有している。上述したように、ビード3内のカーカスプライ1の子午線プロフィールは、円弧ABで構成され、この円弧ABは円弧BCに接しており、直線セグメントCDが円弧BCの接線をなすと共にその延長部をなしている。カーカス補強部は、ビード内において、先ず最初に半径方向外側及び軸方向内側で、円周方向に差し向けられた鋼製の9×28金属ケーブルで作られている第1の追加のプライ6によって補強されると共に、第2に、半径方向内側且つ軸方向外側で、第2の追加のプライ7によって補強されており、第2の追加のプライ7の2つの部分は、これ又円周方向に差し向けられた同一の9×28ケーブルで形成されている。2つの追加のプライ6,7の半径方向上端部が上述した条件を満足していれば、これらの半径方向下端部は、カーカスプライの端よりも赤道面の方に近いという特別な構造的特徴を備え、追加のプライの2つの縁部は隣り合うようになる。
【0032】
リムシートが15°の角度に傾斜したドロップセンターリムに取り付けられるようになった寸法385/65R22.5の「大型車」タイヤ(図3)は、上述したのと同一の符号が用いられており、2つのサイドウォール2によって2つのビード3に結合されたトレッドを有している。鋼製の金属ケーブルから成る単一のプライ1で作られたカーカス補強部は、このタイヤを補強している。カーカスプライ1の子午線プロフィールはこれ又、2つの円弧AB,BCで構成されており、円弧BCは回転軸線と20°の角度をなす直線セグメントCDによって延長されている。点Aは、赤道面から、149mmに等しい長さ、即ちタイヤが取り付けられるリム11.75の幅の0.5倍の長さだけ離れたところに位置し、これに対してDは、この赤道面から、このリムの幅の0.3倍に等しい長さだけ離れたところに位置している。円弧ABは、図3で分かるように、シート傾斜角が15°のリムのフランジの子午線プロフィールが特別な形状になっているので最大可能長さを有しておらず、点Bは、回転軸線に垂直な直線の接点である。半径方向外側且つ軸方向内側の追加の層6は、円周方向に差し向けられた鋼製の68×23金属ケーブルから成る2つのプライ61 ,62 で作られていて、その引張強さは、少なくとも700daNである。2つのプライの半径方向下端部は、カーカスプライの端部よりも赤道面から遠くに位置し、半径方向上端部は、直線XX′の半径方向外側にある。第2の追加の層に関していえば、これは以下の3つの部分から成っている。
【0033】
1つは、半径方向上端部から、回転軸線に平行であって点Aを通る線まで延びていて、鋼で作られた金属ケーブルのプライでできた第3の部分73である。なお、これら金属ケーブルは、プライの平面内で波形になっていて、平均的に円周方向に向いたものであり、しかも波の振幅aと波長λの比a/λが0.03〜0.1である。
【0034】
2つ目は、点Aから、カーカス補強部の子午線プロフィールの点Cを通り、下の回転軸線に垂直な線まで延びていて、円周方向に差し向けられると共に直径が2.8mmの鋼製の非伸長性金属68×23ケーブルのプライで作られた第1の部分70である。
【0035】
3つ目は、点Cから始まり軸方向内側に延びていて、鋼製金属ケーブルのプライでできた第2の部分71であり、これらケーブルは、このプライの平面において波形になっていて、第3の部分を形成するプライと同一構成のプライで作られ、即ち、比a/λが同一であり、直径が1.4mmなので、第1の部分70のケーブルの直径よりも小さな直径のものである。
【0036】
図4は、標準幅が495mmであり、シートが回転軸線に対して5°の角度をなして傾斜したリムに取り付けられるようになっていて、組立て現場の機械に装着されるようになった寸法26.5R25のタイヤを示している。このタイヤのカーカス補強部は、上述の実施形態の場合と同様、鋼製の金属ケーブルで作られた単一プライ1で構成されている。カーカスプライ1の子午線プロフィールは、単一の円弧ADだけで作られているという特別な構造的特徴を有しており、この場合、円弧ABの長さは0であり、直線セグメントCDは存在しない。円弧ADは、サイドウォール2内のカーカス補強部1の子午線プロフィールに対してAのところで接しており、その曲率半径は、Aのところでのカーカス補強部の子午線プロフィールの半径に等しく、長さAD全体にわたって一定である。点Aは、赤道面から、237mmに等しい距離、即ち、問題のタイヤが取り付けられるリムの幅の0.48倍の長さだけ離れて位置し、点Dは、この赤道面からこのリムの幅の0.36倍に等しい距離だけ離れて位置している。ビード内のカーカス補強部1は、軸方向内側及び半径方向外側において、円周方向に差し向けられた鋼製の非伸長性金属68×23FRケーブルの3つの追加のプライ61 ,62 ,63 からなる集成体6によって補強されており、ケーブルの直径は2.8mmに等しく、その引張強さは700daN以上である。幅が半径方向外側に向かって減少している3つのプライは、直線XX′の外側に、半径方向上端部を有すると共にカーカス補強部1の端部よりも赤道面から僅かに遠くに位置した半径方向下端部を有している。3つのプライは、点Sの上方で半径方向にゴム層8によってカーカス補強部から離されており(なお、点Sは、第1に回転軸線と25°の角度をなす円弧BCの接線及び第2に回転軸線に平行な線によって定まる角度の頂点である)、ゴム層の厚さは2mmであり、相対伸び率が10%の場合におけるその引張弾性率は40MPaである。2つの部分70,71で構成された第2の追加の層は、問題のビード内の構造部材を構成している。第1の部分70は、軸方向外側において、鋼製の非伸長性金属27×23NFケーブルの少なくとも1つのプライで作られ、これに対して第2の部分71は、円周方向に不連続の鋼製非伸長性金属ケーブルの列で構成された少なくとも1つのプライで作られ、ケーブル相互間の隙間は、子午線方向にずれていて、このように作られたプライは、或る程度の円周方向伸長性を有するが、ケーブルを横断する方向における圧縮性はほんの僅かである。第2の部分71の軸方向内端部は、カーカス補強部1の半径方向下端部の軸方向外側に位置しており、第2の部分の幅は好ましくは、ビード3の切頭円錐形シートの幅の0.7〜0.9倍であり、この第2の部分の延長部をなす第1の部分70の半径方向上端部は、直線XX′の半径方向外側に位置し、次の特別な構造的特徴を有している。即ち、直線XX′の半径方向内側に位置した部分は、カーカス補強部1に隣接して位置しており、2つのプライのそれぞれのケーブルは、プライの従来の圧延厚さだけ互いに離れており、直線XX′の半径方向外側に位置した部分は、厚さが少なくとも2.5mmであって、層8を形成するゴム配合物の引張弾性率(割線モジュラス)と同一の引張弾性率(割線モジュラス)のゴム配合物の層9によってカーカス補強部1から大幅に引き離されている。カーカス補強部及び追加の層によって形成された集成体の子午線プロフィールは、取付けリムとの結合部を構成するゴム保護層5が、シートとビードの垂直方向部分を結合するビードの丸み部分の高さ位置において著しく厚くなっているようなものである。この場合、図4に示すように、層5を2つの部分、即ち、リムとの結合部をなす実質的に一定厚さの第1の外側部分51及び三角形の形をしていて、部分51を形成するゴム配合物の引張弾性率と比べて高い引張弾性率のゴム配合物で作られている第2の内側部分52に分割すると有利であり、例えば、10%の相対伸び率における部分52の引張弾性率は少なくとも30MPaであり、部分51の場合のこの引張弾性率は6MPaに等しい。
【0037】
図5A及び図5Bに記載された例は、軸方向幅が241mmであって、シートの傾斜が5°である9.5×19リムに取り付けられるようになった寸法40×14.19の飛行機用タイヤに関している。問題のタイヤは、複数の、即ち数が6のカーカスプライで作られたラジアルカーカス補強部1を備えたタイヤである。カーカス補強部1の幾何学的中心線のプロフィール(破線で示されている)は、これまた円弧AB及び円弧BCで形成されており、円弧BCは、直線セグメントCDにより軸方向内側で延長されており、Dは赤道面のリム幅の0.15倍に等しい距離のところに位置したカーカス補強部1の端である。第1の追加の層6は、直径が2.8mm、引張強さが少なくとも700daNの鋼で作られた非伸長性金属68×23FRケーブルの3つのプライ61 ,62 ,63 で作られている。第2の追加の層7は、第1に、それぞれが2つのカーカス補強部プライの2つの群相互間に挿入された2つのプライ7a,7b及び第2に2つのカーカスプライの半径方向最も内側及び軸方向最も外側の群の半径方向内側且つ軸方向外側に位置した第3の追加のプライ7Cで作られている。3つのプライ7A,7B,7Cは各々、鋼製の非伸長性円周方向金属68×23FRケーブルで作られた第1の部分70A,70B,70C及び鋼製の10本の金属27×23NFケーブルから成るストリップで構成された第2の部分71A,71B,71Cで1できており、これらストリップは円周方向に不連続であり、かかる不連続線は円周方向に対し角度τをなし、この角度τは、ラジアルカーカス補強部のケーブルのなす角度に等しいような場合はなく、好ましくはこれから少なくとも10°の差がある。ストリップは、第2の部分のプライの各々の望ましい軸方向幅(図5B)が得られるよう所望の数軸方向に配置されており、これらストリップを端と端を突き合わせて配置してもよく、或いは或る程度オーバーラップした状態で配置してもよい。
【0038】
図5Cに記載された第2の例は、これまた上述した寸法と同一寸法の飛行機用タイヤに関している。問題のタイヤは、この場合クロスプライタイヤ1である、かかるクロスプライタイヤは、一プライから次のプライまで交差した状態のナイロン製ケーブルから成る12という偶数枚の複数のカーカスプライで作られている。上述した場合とは対照的に、カーカスプライの数が多いことにより、その結果として、カーカス補強部1の幾何学的中心線のプロフィール(破線で示されている)は、円弧ABがなく、点Bは点Aと合致し、円弧BCは直線セグメントCDによって軸方向内側で向かって延長され、Dは、カーカス補強部1の上記中心線の端である。第1の追加の層6は、半径方向外側且つ軸方向内側で、鋼製の非円周方向非伸長性金属68×23FRケーブルの単一のプライ61 で作られ、1つのカーカスプライの半径方向最も外側且つ軸方向最も内側のグループの半径方向内側且つ軸方向外側で、第2の追加の層7は、第1に、各々が2つのカーカスプライの2つの群相互間に緊密に保持されている5枚のプライ(7A,7B,7C,7D,7E)及び第2に、2つのカーカスプライの半径方向最も内側且つ軸方向最も外側の群の軸方向外側且つ半径方向内側で6枚目のプライ7Fにより作られている。これらプライ7は全て鋼製の非伸長性円周方向金属68×23ケーブルで作られている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の農業用トラクタ用のタイヤのビードの子午線断面図である。
【図2】本発明の乗用車用のタイヤのビードの子午線断面図である。
【図3】「大型車」タイプ用のタイヤのビードの子午線断面図である。
【図4】本発明の建設機械用のタイヤのビードの子午線断面図である。
【図5A】飛行機用タイヤのビードに関し、ラジアルタイプのビードの第1の変形例の略図である。
【図5B】飛行機用タイヤのビードに関し、図5Aの場合に用いられる第2の追加の層の平面図である。
【図5C】飛行機用タイヤのビードに関し、クロスプライタイプのビードの第2の変形例の略図である。
【符号の説明】
1 カーカス補強部
2 サイドウォール
3 ビード
4 ゴムフィラー
5 保護ゴム層
6,7 追加のプライ

Claims (24)

  1. 丸いフック付きのフランジを備えた軸方向幅Lの標準型リムに装着されるようになっていて、2つのサイドウォール(2)によって2つのビード(3)に結合されたトレッド及び少なくとも1つの補強要素から成るプライで作られた少なくとも1つのカーカス補強部を有するタイヤにおいて、各ビード(3)にはビードワイヤが設けられておらず、カーカス補強部(1)は各ビード(3)内に湾曲した子午線プロフィールを有し、子午線プロフィールは、軸方向及び半径方向において外側から内側に向かって少なくとも1つの凸状円弧BCで形成され、該凸状円弧BCは、延長されてビード(3)内にカーカス補強部の縁部が形成され、該カーカス補強部の縁部は、軸方向及び半径方向内側に向かって開いたせいぜい25°の値の鋭角αの範囲内に位置し、該鋭角αの頂点Sは、前記凸状円弧BC上にあり、該鋭角αを構成する辺のうち一方は、回転軸線に平行であり、カーカス補強部(1)は、各ビード(3)内で少なくとも半径方向外側且つ軸方向内側において、ビード(3)内のカーカス補強部(1)の子午線プロフィールに実質的に平行な子午線プロフィールの少なくとも1つの連続した追加の層(6)によって補強され、該追加の層(6)は、円周方向と−2.5°〜+2.5°の角度をなす非伸長性補強要素の少なくとも1つのプライ(61 ,62 ,63 )で構成された少なくとも1つの第1の部分を有し、追加の層(6)の半径方向上端部は、前記回転軸線と前記回転軸線から最も遠くに位置した取付けリムの対応のフランジの点との間の距離の少なくとも0.96倍に等しい距離だけ回転軸線から離れて位置し、追加の層(6)の軸方向内端部は、取付けリムの幅Lのせいぜい0.43倍の距離だけ赤道面から離れて位置していることを特徴とするタイヤ。
  2. 前記凸状円弧BCは、直線セグメントCDにより該凸状円弧BCの端点Cにおける接線方向に延長されてビード(3)内にカーカス補強部の縁部が形成されることを特徴とする請求項1記載のタイヤ。
  3. カーカス補強部(1)の子午線プロフィールは、半径方向及び軸方向外側において第1の凹状円弧ABを更に有し、該凹状円弧ABは、前記凸状円弧BCによって延長され、前記凹状円弧ABは、半径方向下端部Bが回転軸線に垂直な線との接点となる円弧の長さにせいぜい等しい長さを有していることを特徴とする請求項1又は2記載のタイヤ。
  4. 第1の凹状円弧ABの半径方向外端部Aは、該凹状円弧ABとサイドウォール(2)内のカーカス補強部の子午線プロフィールとの接点であり、回転軸線から最も遠くに位置したリムフランジの点の集合である円弧の半径に等しい距離だけ回転軸線から半径方向に離れており、回転軸線と垂直な直線である子午線断面における赤道面の跡及び回転軸線からなる2つの軸線に対する前記円弧ABの曲率中心は、リムフックの曲率中心と同一の座標を有していることを特徴とする請求項3記載のタイヤ。
  5. Bのところで第1の円弧ABと接している第2の円弧BCの曲率半径の値の範囲は、最小が5mm、最大がカーカス補強部(1)の子午線プロフィールと第1の円弧ABとの間の接点Aで測定したサイドウォール(2)内のカーカス補強部(1)の子午線プロフィールの曲率半径に等しい値であり、該最大値は、第1の円弧ABの長さが0である場合に用いられる半径の値であることを特徴とする請求項3記載のタイヤ。
  6. 直線セグメントCDが付け加えられた第2の円弧BCの部分で構成されるカーカス補強部の子午線プロフィールの軸方向内縁部は、Sのところで第2の円弧BCの接線をなし且つ回転軸線と25°の角度をなした半直線と回転軸線に平行な半直線のなす角度α内に位置した子午線プロフィールの部分であり、前記角度αの頂点Sは、第2の円弧BCと25°に差し向けられた半直線との丁度接点であることを特徴とする請求項2〜5のうち何れか一に記載のタイヤ。
  7. 前記追加の層(6)は、前記第1の部分と、第2の部分とからなる2つの部分で構成され、前記追加の層(6)の第2の部分は、回転軸線と平行で、且つ回転軸線から、回転軸線と回転軸線から見て最も遠くに位置した取付けリムの対応のフランジの点との間の距離の0.96倍に等しい距離にある直線の半径方向外側に配置されていることを特徴とする請求項1〜6のうち何れか一に記載のタイヤ。
  8. 互いに重ねられ、互いに長さが同一であっても同一でなくてもよい前記追加の層(6)のプライのうち2つの部分は、非伸長性円周方向金属補強要素で作られていることを特徴とする請求項7記載のタイヤ。
  9. 前記追加の層(6)の第2の部分は、円周方向要素で作られ、前記第2の部分は、円周方向に伸長でき、前記円周方向要素は、それ自体伸長性又は非伸長性であるが、前記第2の部分内に配置されて前記第2の部分が伸長できるようになっていることを特徴とする請求項7記載のタイヤ。
  10. 前記追加の層(6)の軸方向内端部とカーカス補強部(1)の縁部の位置する角度αの頂点Sとの間の前記追加の層(6)は、ゴム配合物の最小厚さだけ前記カーカス補強部から離されており、前記最小厚さは、隣り合うカーカス補強部のプライ(1)及び追加の層のプライ(61 )に面した圧延層の厚さの合計であり、頂点Sと前記追加の層の半径方向上端部との間のデカップリング厚さは、前記最小厚さの1.00〜1.80倍であることカーカス補強部(1)を特徴とする請求項1〜9のうち何れか一に記載のタイヤ。
  11. カーカス補強部(1)は、その少なくとも半径方向最も内側且つ軸方向最も外側のプライの軸方向外側且つ半径方向内側において、少なくとも1つの補強要素から成るプライの少なくとも1つの第1の部分で構成された連続した第2の追加の層(7)によって補強され、前記第2の追加の連続層(7)の第1の部分は、ビード(3)内のカーカス補強部(1)の子午線プロフィールに実質的に平行な子午線プロフィールを有し、非伸長性円周方向補強要素で作られていることを特徴とする請求項1〜10のうち何れか一に記載のタイヤ。
  12. 第2の追加の層(7)の半径方向上端部は、リムの回転軸線に平行であって、該第2の追加の層(7)が配置されているビードに対応していて、回転軸線から最も遠くに位置したリムフランジの点を通る直線XX′の半径方向内側にあることを特徴とする請求項11記載のタイヤ。
  13. 第2の追加の層(7)は、全体が円周方向に対して同じ角度をなす非伸長性ケーブルで作られた均質組成のものであり、前記ケーブルは、円周方向と−2.5°〜+2.5°の角度をなしていることを特徴とする請求項12記載のタイヤ。
  14. 第2の追加の層(7)は、2つの部分、即ち、該第2の追加の層(7)の半径方向上端部と、円弧BCの中央とカーカス補強部(1)の縁部の位置した角度αの頂点Sとのほぼ間に位置した点との間の第1の部分(70)と、前記点と該第2の追加の層(7)の軸方向内端部との間の第2の部分(71)とで形成され、第1の部分(70)は、円周方向非伸長性補強要素から成る少なくとも1つのプライで作られ、第2の部分(71)は、補強要素から成る少なくとも1つのプライで作られ、前記第2の部分(71)のプライが、補強要素を横断する方向においてほんの僅かな圧縮性を有し、円周方向において伸長性を有するという性質を備えるようになっていることを特徴とする請求項12記載のタイヤ。
  15. 第2の追加の層(7)の半径方向上端部は、リムの回転軸線に平行であって、該第2の追加の層(7)が配置されているビードに対応していて、回転軸線から最も遠くに位置したリムフランジの点を通る直線XX′の半径方向外側にあることを特徴とする請求項11記載のタイヤ。
  16. 第2の追加の層(7)は、3つの部分、即ち、該第2の追加の層(7)の半径方向上端部と、円弧BCの中央とカーカス補強部(1)の縁部の位置した角度αの頂点Sとのほぼ間に位置した点との間に位置した第1の部分(70)と、前記点と該第2の追加の層(7)の軸方向内端部との間の第2の部分(71)と、回転軸線に平行であって、回転軸線から最も遠くに位置した対応のリムフランジの点を通る直線の実質的に半径方向上方に位置すると共に第1の部分(70)を半径方向外側に延長させる第3の部分(73)とで形成され、第2の部分(71)及び第3の部分(73)は、補強要素から成る少なくとも1つのプライで作られ、前記第2の部分(71)及び第3の部分(73)のプライが、補強要素を横断する方向においてほんの僅かな圧縮性を有し、円周方向において伸長性を有するという性質を備えるようになっていることを特徴とする請求項15記載のタイヤ。
  17. 第1の追加の層(6)の第2の部分及び第2の追加の層(7)の第2の部分(71)を形成する補強要素は、円周方向に差し向けられた弾性の連続した直線状補強要素であり、前記補強要素は、互いに平行であって補強要素を横断する方向に互いに隣接していることを特徴とする請求項9、14又は16記載のタイヤ。
  18. 第1の追加の層(6)の第2の部分及び第2の追加の層(7)の第2の部分(71)を形成する補強要素は、一又は複数のプライの平面内において円周方向の向きの波形又はジグザグの補強要素であり、該補強要素は、波の振幅aと波長の比が0.03〜0.1であり、前記補強要素は、互いに平行であって補強要素を横断する方向に互いに隣接していることを特徴とする請求項9、14又は16記載のタイヤ。
  19. 第1の追加の層(6)の第2の部分及び第2の追加の層(7)の第2の部分(71)を形成する一又は複数のプライは、不連続補強要素の列で形成され、各補強要素は、補強要素により形成されるプライの円周方向長さの0.1〜1倍の円周方向長さを有し、補強要素相互間の隙間は、軸方向に隣り合う列の隙間に対してずれており、前記補強要素の列は、互いに平行であって補強要素を横断する方向に互いに隣接していることを特徴とする請求項9、14又は16記載のタイヤ。
  20. 第2の追加の層(7)の第2の部分(71)を形成する補強要素は、円周方向に対して少なくとも80°の角度に差し向けられた金属補強要素であり、前記補強要素は、互いに少なくとも0.2mmだけ円周方向に離されていることを特徴とする請求項14又は16記載のタイヤ。
  21. 第2の追加の層(7)の第2の部分(71)の一又は複数のプライは、幾つかの円周方向補強要素から成るストリップで形成され、該ストリップは、円周方向に不連続であり、ストリップ相互間の不連続の隙間は、円周方向に対して、カーカス補強部の補強要素が該円周方向に対してなす角度とは異なる角度をなし、この異なる角度の差は、少なくとも10°であることを特徴とする請求項14又は16記載のタイヤ。
  22. カーカス補強部(1)はせいぜい3つのプライで形成され、第2の追加の層(7)は、その全体がカーカス補強部(1)の半径方向最も内側且つ軸方向最も外側のカーカスプライの軸方向外側且つ半径方向内側に配置されていることを特徴とする請求項11記載のタイヤ。
  23. カーカス補強部(1)は、少なくとも4つのプライで形成され、第2の追加の層(7)を形成するプライは、これらのうち2つが少なくとも1つのカーカス補強部プライで形成されるカーカスプライ群をこのカーカスプライ群の両側でぴったりと包囲することを特徴とする請求項11記載のタイヤ。
  24. 取付けリムへの結合となる保護ゴム層(5)が、ビードの丸み部分の高さ位置で2つの部分、即ち、実質的に一定厚さの第1の部分(51)及びゴム配合物で形成された三角形の第2の部分(52)に分割され、ゴム配合物の10%相対伸び率における引張弾性率は少なくとも30MPaであり、第1の部分を形成するゴム配合物の10%相対伸び率における引張弾性率よりも極めて大きいことを特徴とする請求項1記載のタイヤ。
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