JP4556701B2 - 流路切換装置 - Google Patents
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Description
このような流路切換装置として、複数の分岐部を有する本体部と、当該本体部の中空室に回転可能に挿入され、その回転位置によって各分岐部間の連通状態を切り換える切換部とを備えた活栓が知られており、その中でも三つの分岐部を有する三方活栓が広く用いられている。
同図に示すように、三方活栓300は、本体部310と切換部320とを備える。切換部320の軸部306(図14(a)参照)が、本体部310の軸受部305内に回転自在に挿入されており、この軸部306をレバー304で回転させることにより流路が切り換えられるように構成されている。
分岐部301には、点滴袋や輸血袋などの輸液源につながるチューブ(不図示)が接続され、分岐部303には患者につながるチューブ(不図示)が接続される。
また、分岐部302は、シリンジ(注射器)のルアーを接続して、外部から薬液などを混注するためのものである。
同図に示すように軸受部305に内挿された軸部306には、各分岐部301〜303と連通可能なT字状に交差する内部流路307が形成されており、軸部306を回動させることによって各分岐部301〜303の連通状態を切り換えることができるようになっている。
すなわち、まず、左手に三方活栓300の本体部310を把持して、右手でレバー304を回転させて図14(a)の状態にした後、左手で三方活栓300本体とシリンジ本体(もしくは、シリンジ本体のみ)を保持し、右手でシリンジのピストンを手前に引いて輸血用血液を吸引し、その後、右手を三方活栓300のレバーまで移動させて回転させて、図14(b)の連通状態に切り換えた後、右手をピストンに戻し、これを押し込んでシリンダ内の血液を患者に供給する。そして、また、輸血用血液を吸引すべくレバー304ーを右手で回転させた後、上記動作を繰り返すことになる。
本発明は、上記課題に鑑み、特に医療現場における実使用に適した取扱いの容易な流路切換装置を提供することを目的とする。
さらに、前記固定部材は、前記隔壁部材の、前記軸部の開口部と反対側の表面を覆うように設けられたカバー部を有し、当該カバー部の前記隔壁部材のスリットに対応する位置には貫通孔が穿設されると共に、当該貫通孔の径が、挿入されたルアーと嵌合する大きさに設定されている。これにより、当該固定部材が前記係合部材として作用するので、他に特別な係合手段を設ける必要がなくなる。
また、前記軸部内部の、前記隔壁部材と対向する内壁面における少なくとも前記軸部の連通孔付近の部位は、当該連通孔の内周面の一部と面一になるように形成すれば、より滞留部分を少なくすることができる。
そして、上記構成の流路切換装置を医療用として使用すれば、薬液等の急速供給操作を迅速かつ容易に行うことができ、最も効果的な使用が可能となる。
また、本発明は、上記流路切換装置において、前記滑動体が、外周に張り出すことのない把持部を備えていることを特徴とする。
分岐部の数は、使用目的に合わせて設定されるが、後述の実施例で説明するように典型例としては2つである。軸部の形状は、特に限定されないが、望ましくは円柱状の軸体である。典型的には、円柱状の軸部を、その回転軸回りに回転させることにより流路が切り換えられるように構成されるのが望ましい。この方が、組立てが容易で、かつ、切換操作も容易であるからである。
このようにすることにより、切換部の軸部内の連通路に外部のポンプ器具の管状の挿入体を連通させることができ、しかも、係合部によりポンプ器具本体もしくは当該ポンプ器具の挿入体が軸部に係合しているので、ポンプ器具本体を軸部の回転方向に回転もしくは移動させることにより、流路を切り換えることができる。
ここで使用されるポンプ器具は、特に限定されないが、医療用としては、ピストンとシリンダからなるシリンジ(注射器)が一般的であり、この場合、管状の挿入体はルアーもしくはルアーに取り付けられた針管(注射針)となる。なお、ポンプ器具として、シリンジではなく、弾性材料で形成された容器を圧縮させるような形態のものでも適用可能である。
もっとも、係合部の構成は、上記のものだけに限らない。例えば、ルアーの根元にねじ山を形成して、これと螺合する雌ねじを固定部材の貫通孔に形成し、両者をしっかりと螺合させてもよい。この場合には、ポンプ器具本体を常にねじを締める方向に回転させて流路を切り換えることが望ましい。また、ポンプ器具本体と直接係合する別の係合部を設けてももちろん構わない。
なお、軸部内部の連通路の形状は、軸部を回転することにより分岐部と連通して流路を切り換えることができるものであれば、どのような形状でも差し支えないが、本実施の形態では、軸部内に中空部を設け、軸部の側面(周面)に当該中空部と連通する連通孔を複数設けるようにして構成される。このようにすることにより、軸部内部の連通路の形成が容易になると共に挿入体受付部からのルアーの挿入を許容することができるからである。
軸部内に中空部を設ける場合には、当該中空部の、とりわけ隔壁部材付近において滞留が生じやすくなるので、当該中空部を流れる液体(薬液、輸血用血液など)が、当該隔壁部材方向に迂回して流れるように流路規制部材を設けることが望ましい。この流路規制部材は、上記迂回の目的を達成できるものであれば、その形状や材質は限定されないが、軸部が円柱状であるため、その周面に複数個の連通孔が設けられることになるので、どの連通孔から液体が流入しても効果的に液体を迂回させるため、上記流路規制部材も当該円柱状の軸部と同軸上に形成された円筒状もしくは円柱状など、軸部の回転軸に直交する平面で切断した断面の輪郭形状が、円もしくは楕円である形状が選択されることが望ましい。
<実施例1>
(1)流路切換装置100の構成
図1は、実施例1に係る流路切換装置100の外観図である。
同図に示すように流路切換装置100は、本体部10および切換部20からなり、切換部20の軸部(滑動体)が、本体部10の軸受部11に回転可能かつ液密に挿入され、この切換部20を回転させることにより流路の切換えができるようになっている。このような本体部10、切換部20の各部品は、主に樹脂材料からなるが、これに限定されるものではない。
第1分岐部12には、点滴袋や輸血袋(以下、「輸液袋」と総称する。)にオスコネクターが接続され、第2分岐部13には、静脈針に接続されたメスコネクターが接続される。
なお、軸受部11の外周面には、矢印14が付されており、この矢印14を、切換部20を回転させて固定部材21の周面に表記された所定の文字15と合わせることにより流路の連通状態が操作者に把握できるようになっている。この矢印14と文字15は、それぞれ軸受部11、固定部材21の向こう側の周面にも形成されており、操作者がどちらから見ても流路切換装置100の連通状態を確認できる。これらの矢印14や文字15は、印刷やシールの貼付や、表面の凹凸加工などによって表記される。
同図に示すように流路切換装置100は、有底円筒状の軸部22の上部開口部に、挿入体受付手段としての円板状の隔壁部材23を当て、これを固定部材21で当該開口部に押圧するようにして軸部材22に取り付けて切換部20を形成し、その軸部材22を、本体部10の軸受部11内の中空部に内挿することにより組み立てられる。
もっとも、軸部材22と軸受部11との係止手段は、これに限らず、例えば、軸部材22の外周面の方にリング状の溝を形成し、軸受部11の内周面にリング状の突状部を設けるようにしても構わないし、その他の方法であってもよい。
図3は、組立後の流路切換装置100の内部の構成を示すための正面断面図である。
同図に示すように固定部材21は、軸部材22の上部に形成されたつば部221に、例えば接着剤により取着されており、隔壁部材23は、当該固定部材21により、軸部材22の開口縁部に押さえ付けられるようにして取着される。もっとも、固定部材21の隔壁部材23への取り付け方法は、接着剤のみに限定されず、例えば、後述の実施例2の場合と同様にして、一方に係止爪、他方に係止穴を設けて、両者を係合させることにより取り付けるようにしても構わず、随時変更可能である。
隔壁部材23を構成する材質としてはゴム状の弾性材料であれば良いが、より限定するなら硬度JIS−Aにおいて、20〜55のものが好ましい。具体的な材質として、シリコーンゴム、天然ゴム、ブチルゴムやニトリルゴム等の合成ゴム、あるいは熱可塑性エラストマー等が挙げられる。なお、挿入孔は上述のように一本の直線のスリット状のものであっても良いし、その他、例えば、中心で交わる3本の直線の切れ込みであっても良い。
ルアーを隔壁部材23に挿入しただけの場合には、当該ルアーを安定して保持できないだけでなく、長時間挿入されたルアーが、弾性を有する隔壁部材23により押し戻され、抜去するおそれがある。しかしながら、本実施例の構成によれば、ルアーが確実に保持され、抜去の危険性が回避できると共に、後述するように流路切換操作を容易にできるという優れた効果が得られる。
また、通常、ルアーは先に行くほど細くなるテーパー形状であるので、これに合わせて嵌合孔211の内周面をテーパー状に形成しても良い。
また、固定部材21の表側面には、嵌合孔211に向かって緩やかなテーパー(傾斜)213が設けられており、これによりルアーが挿入しやすくなるように構成されている。
これにより、ルアーが隔壁部材23に挿入された場合に、スリット231から突状部212までの隔壁部材23が伸長するが、突状部212よりも外側の部分では逆に隔壁部材23が圧縮するように構成できる。その結果、ルアーの挿入時にスリット231部分が過剰にめり込んだり、反対にルアーを引き抜いたときに外側にまくれた状態になることがなくなり、スリット部231部分の汚染や、液密性の劣化等の問題を可及的に防止することができる。
本体部10の第1分岐部12、第2分岐部13の内部にはそれぞれ流路123、132が形成されると共に、円筒状の軸部材22の周壁には、図4の流路切換装置100の平面断面図に示されるように、軸部材22の回転位置に応じて上記流路123、132と軸部材22の内部の中空部25とを連通させるための3つの連通孔241〜243が穿設されている。
各連通孔241〜243の径は、流路123.132の軸受部11の中空部に臨んだ部分における径と同じであり、また、各連通孔241〜243の軸方向における位置も、軸部材22の回転位置に応じて、流路123、132の中空部に臨んだ部分と合わさるような位置に設けられている。
図5は、急速輸血時において、本実施例に係る流路切換装置100の使用状態を説明するための図である。不図示の点滴用スタンドのハンガー部41に輸血袋40が吊り下げられ、この輸血袋40と流路切換装置100の第1分岐部12がチューブ42を介して接続される。
通常の輸血では、流路切換装置100の切換部20の回転位置は、「通常」の位置にあり(図1参照)、このとき連通孔241と連通孔243がそれぞれ、第1分岐部12の流路123、第2分岐部13の流路132と繋がって、第1分岐部12と第2分岐部13が連通状態となる(図4参照)。
この状態で、軸部材22は、図7(a)の流路切換装置100の要部断面図に示すように連通孔242が第1分岐部12の流路123の位置にくると共に、第2分岐部13の流路132は、軸部材22の周面で塞がれるため、第1分岐部12の流路123のみがルアー32内部の流路321と連通状態になる。
このように本実施例に係る流路切換装置100よれば、切換部20にルアー32の挿入を受け付ける受付部を設け、シリンジ30を回転させるだけで流路を簡単に切り換えるように構成したので、従来のように右手をシリンジとレバーの位置に交互に移動させて行う必要が全くなくなり、急速輸血操作が極めて容易になる。
なお、本実施例に係る流路切換装置100によれば、上述のように特に急速輸血時など、シリンジ30を接続する場合における、流路切換操作が極めて容易になるばかりでなく、従来の流路切換用のレバーやこれに類する突出部分(以下、レバーや突出部分を「張り出し部」と総称する。)が不要になったので、従来当該張り出し部が寝具や衣類などに引っ掛かって流路が不用意に切り換わるような事態も一切生じないという利点もある。
また、流入側と流出側の分岐路のそれぞれ逆止弁を設け、輸液源から患者の方向に向けて一方向に流れるように流路を形成すると共に、装置本体にルアーの接続を可能とした医療用混注ポートが従来からあり、これによっても急速輸血の操作を行うことは可能であるが、このような一方向混注ポートにおいては2個の逆止弁を配設する必要があるため、構成が複雑になって製造コストが増加するだけでなく、流路切換が自由にできないため汎用性に乏しかった。しかしながら、本実施例に係る流路切換装置によれば、逆止弁を設ける必要がない上、流路切換が可能なので汎用性が高く、さまざまな医療場面における使用が可能である。
上記実施例1において、ルアー32を挿入するため、軸部材22内に中空部25が設けられている(図3参照)。そのため、第1分岐部12と第2分岐部13のみを連通させて使用する通常の輸液の場合には、第1分岐部12から第2分岐部13に向けて、ほぼ直線的に流れるため、中空部25の、連通孔241、243を結ぶ直線から、軸部材22の回転軸に沿った方向に離れた領域、特に、軸部材22内の隔壁部材23付近の領域部分に薬液が滞留してしまい、もし、薬液が細菌の培地に適した高カロリーのものであった場合、当該滞留領域において、細菌増殖の温床となるおそれがある。
図8は、本実施例2に係る流路切換装置110の正面断面図である。図2と同じ符号を付したものは同じ構成要素であることを示しているので、その説明は省略する(他の実施例においても同様)。
このように軸部材28内に薬液の迂回路を形成することにより、隔壁部材23付近の薬液が、常に第1分岐部12から流入してきた新しい薬液に置き換えられるため、滞留が生ぜず、この部分での細菌の増殖を阻止する。
同図に示すように、迂回路を形成するための障壁部材282は、本実施例においてはほぼ円筒状に形成されている。もちろん、障壁部材282は、このような形状に限定されず、第1連通孔241から流入した薬液が、隔壁部材23方向に迂回できるような迂回路が形成されれば、どのような形状でも構わない。しかし、板状のようなものを立設すれば、その裏側に薬液が回り込んで淀むおそれもあるので、できるだけ障害部材282の横断面(軸部材22の回転軸と直交する平面での切断面)の輪郭の形状は、円形や楕円形などであるほうが望ましいであろう。また、図9では、障壁部材282の上面は平坦になっているが、この部分も上方に膨らむような曲面で形成されてもよい。
また、本実施例では、キャップ部材27の側面から下方に一対の舌状部271が延設されており、この舌状部271に穿設された係止穴272に、軸部材28の上部外周に突設された係止爪281を嵌め込んで係合させることにより、固定部材27が軸部材28に取着され、これにより隔壁部材23を軸部材28の上部開口部に押し付けた状態で保持するように構成されているため、切換部20の組立てが容易である。
<実施例3>
上記実施例1,2では、固定部材21の開口穴221にシリンジ30のルアー32を嵌合せることにより、当該開口穴221が、ルアー32に摩擦により係合し、シリンジ30を回転させたときに切換部20が回動するように構成したが、さらに固定部材21とルアー32の係合性を向上させるため、本実施例では、ルアー32と固定部材21が螺合する部分を設けている点に特徴がある。
<実施例4>
本実施例4では、固定部材21がルアー32のみならず、シリンダ31とも係合するように構成されている。
なお、シリンジ30の中でも、ルアー32がシリンダ31と同軸上の位置にないものを使用する場合には、その形状に合わせてシリンダ嵌合部214の形状が形成される。この場合には、シリンダ31をルアー32を軸として回転させた場合、シリンダ31の側面によりシリンダ嵌合部の内側面を押すようにして、回動させることになるので、シリンダ嵌合部214との嵌合性をそれほど高くしなくても、容易に切換部20を回動させることができる。
<実施例5>
上記各実施例においては、スリット231が設けられている隔壁部材23にシリンジ30のルアー32を挿入して、シリンダ31と軸部材22内部と連通するように構成したが、本実施例においては、ルアー32に取り付けた注射針を隔壁部材に挿入することにより、同様の作用効果を得られるようにしている。
同図に示すように固定部材21には、その上方に延びるように円筒状のシリンダ受け部材215が設けられており、シリンダ31を固定するための固定用ねじ216が、ねじ穴217に螺合されている。
隔壁部材29にはスリットは形成されておらず、操作者は、ルアー32の先端に注射針のアタッチメント35を装着し、当該注射針34を隔壁部材29に刺して、シリンダ31が、シリンダ受け部材215の段部218に当接するまで押し込む。そして固定用ねじ216でシリンダ31を締め付けることにより、シリンダ31が固定部材21にしっかりと固定され、シリンダ31の回転に追随して軸部材22を確実に回動させて流路を的確に切り換えることができる。
もちろん、本実施例においても、図11に示したように、シリンダ受け入れ部材215の内径を、シリンダ31と嵌合するような大きさに設定すれば、固定用ねじ216は、特に必要ではない。反対に図11に示す実施例において、固定用ねじを設けて、シリンダ31を固定するようにしてもよい。
実施例1では、軸部材22の回転位置に応じて本体部10の流路123、132と軸部材22の内部の中空部25とを連通させるため、円筒状の軸部材22の周壁に、3つの連通孔241〜243を穿設したが、本実施例においては、図13(a)の流路切換装置120の要部断面図に示されるように4つの連通孔261〜264が穿設されている。
各連通孔261〜264の径は、流路123、132の軸受部11の中空部に臨んだ部分における径と同じであり、また、各連通孔261〜264の軸方向における位置も、軸部材22の回転位置に応じて、流路123、132の中空部に臨んだ部分と合わさるような位置に設けられている。その他、連通孔が4個設けられている以外は、実施例1とほぼ同じ構成である。
流路切換装置120は、図5と同様にして、輸血袋40および輸血針44と、それぞれチューブ42、チューブ43を介して接続されて使用される。
通常の輸血では、流路切換装置100の切換部20の回転位置は、「通常」の位置にあり(図1参照)、このとき第1連通孔261と第4連通孔264がそれぞれ、第1分岐部12の流路123、第2分岐部13の流路132と繋がって、第1分岐部12と第2分岐部13が連通状態となる。
11 軸受部
12 第1分岐部
13 第2分岐部
20 切換部
21,27 固定部材
22,28 軸部材
23,29 隔壁部材
25 中空部
30 シリンジ
31 シリンダ
32 ルアー
33 ピストン
34 注射針
100、110、120 流路切換装置
211 嵌合孔
213 雌ねじ部
214 シリンダ嵌合部
215 シリンダ受け入れ部
216 固定用ねじ
231 スリット
241〜243、261〜264 連通孔
322 雄ねじ部
Claims (12)
- 円筒状の軸受用中空部を有する軸部保持部(11)の外周に、前記軸受用中空部に連通する流路(123、132)を有する分岐部(12、13)が複数立設されてなる装置本体(10)と、前記軸受用中空部に回転可能に内挿された円柱状の軸部(22、28)とからなり、当該軸部の内部には連通路(241、242、243)が形成され、当該軸部を軸受用中空部内で回転させることにより、一または二以上の分岐部の流路と前記連通路とを選択的に連通させて流路を切り換える流路切換装置であって、
前記軸部には、
ポンプ器具本体(30)と連通した管状の挿入体(32)の挿入を受け付けて、軸部内部の連通路と挿入体とを連通させる挿入体受付部材(23、29)と
前記挿入体もしくはポンプ器具本体と係合する係合部材(21)とが、
一体的に取り付けられている
ことを特徴とする流路切換装置。 - 前記軸部(22、28)の一方の端面に、前記内部の連通路と連通する開口部が形成されており、
前記挿入体受付部材は、
前記管状の挿入体が貫通されることにより当該挿入体と前記開口部内部とを連通させる隔壁部材(23、29)と、
前記隔壁部材を前記開口部に液密に固定する固定部材と
からなることを特徴とする請求項1に記載の流路切換装置。 - 前記挿入体は、ルアー(32)であると共に、前記隔壁部材(23)の前記開口部に対応する領域には、前記ルアーの挿入を受け付けるスリット(231)が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の流路切換装置。
- 前記固定部材は、前記隔壁部材(23)の、前記軸部の開口部と反対側の表面を覆うように設けられたカバー部を有し、
当該カバー部の前記隔壁部材のスリット(231)に対応する位置には貫通孔(211)が穿設されると共に、当該貫通孔の径が、挿入されたルアー(32)と嵌合する大きさに設定されており、当該固定部材の貫通孔が前記係合部材として作用することを特徴とする請求項3に記載の流路切換装置。 - 前記複数の分岐部は第1と第2の2個の分岐部(12、13)であると共に、前記軸部(22)内の連通路は、軸部内部に設けられた中空部(25)と、軸部の周面に設けられ前記中空部と連通する少なくとも3個の連通孔(241、242、243)からなり、
そのうち2つの連通孔(241、243)は、軸部の第1の回転位置において、それぞれ前記第1と第2の分岐部(12、13)と前記中空部を連通する位置に設けられ、
他の連通孔(242)は、軸部の第2の回転位置において、前記第1の分岐部(12)と前記中空部を連通し、軸部の第3の回転位置において、前記第2の分岐部(13)と前記中空部を連通する位置に設けられることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の流路切換装置。 - 前記第1と第2の分岐部(12、13)は、前記軸部保持部(11)の中心軸に対して、180°の角度をなして形成されると共に、
前記軸部(22)の周面に設けられた複数の連通孔は、第1から第4までの4個の連通孔(261、262、263、264)であって、そのうち第1と第2の連通孔(261、264)が、軸部の中心軸に対して180°の角度をなして配されると共に、第3と第4の連通孔(262、263)は、第3の連通孔(262)が第1の分岐部(12)に連通しているときに、第4の連通孔(263)が第2の分岐部(13)に連通しないような角度をなして配されていることを特徴とする請求項5に記載の流路切換装置。 - 前記軸部(28)の中空部には、内部を流れる液体が、前記隔壁部材(23)方向に迂回して流れるように規制する流路規制部材(282)が形成されてなることを特徴とする請求項5または6のいずれかに記載の流路切換装置。
- 前記軸部(28)内部の、前記隔壁部材(23)と対向する内壁面(284)における少なくとも前記軸部の連通孔(241、242、243)付近の部位は、当該連通孔の内周面の一部と面一になるように形成されていることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の流路切換装置。
- 前記ポンプ器具は、シリンジ(30)であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の流路切換装置。
- 医療用であることを特徴する請求項1から9のいずれかに記載の流路切換装置。
- 前記軸部(22、28)は、
外周に張り出すことのない把持部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の流路切換装置。 - 前記把持部は、前記軸部に当該軸部と同軸上に設けられたほぼ円筒状の部材であることを特徴とする請求項11に記載の流路切換装置。
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