JP4099679B2 - 医療用活栓 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、輸液ラインに薬液を一時的または長期的に混注したり、動脈ラインから採血をする場合などに用いられ、主薬液の注入や側注など注入ルートを切り換える機能を有し、例えば薬液の側注を行う注射筒などの側注部品が接続されかつ外部とを遮断するセプタムを備えた医療用活栓に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
中心静脈栄養療法をはじめとする各種の輸液中において、他の薬液等を注入する場合は、輸液と並行してあるいは一時中断して行われており、これらの場合、輸液ルートの途中に別ルートの輸液ラインが接続された混注部をあらかじめ備えておき、この混注部を介して薬液を注入する方法が通常用いられている。この混注部に用いられる部品としては、混注用ゴム管(独楽ゴム)、Y型などの液体混注具(ト字管ともいう)または三方活栓が知られている。
【0003】
また、継続的動脈圧モニタリング等を目的とする動脈ラインにおいても、あらかじめラインの途中に混注部とほぼ同じ作用を有する分岐部を設け、必要の都度、分岐部より採血等を行う方法が用いられている。この分岐部に用いられる部品としては、三方活栓が一般的である。なお、三方活栓の分岐管を増やした多方活栓もあるが、ここでは代表的な三方活栓を例示して説明する。
【0004】
混注部または分岐部に用いられる三方活栓は、三方活栓に設けられたコックを捻って(回動して)主薬液の上流側のルートを遮断し、側注用の分岐管に接続された注射筒のプランジャーを任意の力と速度で押して下流側のルート、つまり患者の体内に側薬液を注入するなど、注入ルートの切り換えが便利であるため、現在最も多用されている。
【0005】
図11は従来の代表的な三方活栓の平面図およびその断面図である。図において、31は側壁に3方向に分岐した分岐管32,33,34が一体に形成された有底円筒状の本体で、分岐管32,33はそれぞれの内腔が本体31を介して一直線上になるように設けられており、分岐管32の端部は注入口32aが形成され、分岐管33の端部は排出口33aが形成されている。また、分岐管34はその内腔が分岐管32,33の間でほぼ90゜に等配した位置になるように設けられており、端部は混注口34aが形成されている。そして、分岐管32,34の注入口32aと混注口34aの外壁は、不使用時において各口32a,34aを閉塞するためのキャップ35が取り付けられるねじ部32b,34bが形成されており、分岐管33の排出口33aの外壁は例えば患者の体内の血管などに連通するチューブ(図示せず)が連結されるようにテーパー状に形成されている。
【0006】
36は注入ルート切換用のコックで、本体1内に回動可能に嵌合された円柱状の軸部37と、その一方の端部に一体に形成され各分岐管32,33,34の軸方向に対してそれぞれ水平に延出されたつまみ38a,38b,38cを有する頭部38とから構成されており、軸部37には、図11(a)に示すように、頭部38のつまみ38a,38b,38cが各分岐管32,33,34と同一方向にあるときに、各分岐管32,33,34を連通させるほぼT字状の連通孔37aが設けられている。
【0007】
そして、分岐管32の注入口32aにチューブ(図示せず)を連結し、分岐管33の排出口33aに患者の体内の血管などに連通されたチューブを連結して、分岐管32,33のみが連通孔37aを介して連通するようにコック36を回動してこれをメインルートとし、主薬液をメインルートを介して血管に投与する。この時、分岐管34の混注口34aにはキャップ35が装着されている。また、側注を行う場合は、分岐管34のキャップ35を取り外して例えば注射筒のルアーチップ(図示せず)を混注口34aに嵌入して連結し、分岐管33,34のみが連通孔37aを介して連通するようにコック36を回動してこれを側注ルートとし、高濃度少量薬液等の側注液を側注ルートを介して血管にワンショット側注する。側注終了後、コック36を回動してメインルートによる主薬液の投与を行い、混注口34aから注射筒のルアーチップを外してキャップ35を装着する。さらに、主薬液を投与しつつ側注を行う場合は、分岐管34のキャップ35を取り外して注射筒のルアーチップを混注口34aに嵌入して連結し、分岐管32,33,34が連通孔37aを介して連通するようにコック36を回動して主薬液および側注液の投与を行う。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の三方活栓は、コック36を回動するだけで任意の注入ルートに切り換えられるため、便利であり多用されている。しかしながら、例えば分岐管32,33によるメインルートでの主薬液の投与を行う場合に、分岐管34は不使用となり、その閉塞は分岐管34のねじ部34bにキャップ35を装着するだけであって、外部とを遮断するセプタムを持たないため細菌の侵入を防止できず、細菌汚染の可能性が高いものとなってしまっているとともに、側注部品の1つである注射筒のルアーチップが嵌入して連結される混注口34aの内腔に残存する薬液の滞留部が細菌の増殖の温床になってしまうことがあるなど、大きな問題があった。
【0009】
すなわち、薬液の中には、中心静脈栄養療法で用いられる高カロリー輸液のように細菌にとって絶好の培地になるものがあり、また、三方活栓の分岐管34の内腔は、注射筒のルアーチップの着脱の都度外気に触れたり、汚染されたベッドシーツ等に接触する危険性を常にはらんでいるとともに、分岐管34は断面ほぼ凹状で奥まった形状をしているため、残存した薬液の拭き取りや消毒が困難であるので、一旦侵入した細菌の内腔での増殖を阻止することは難しかった。
【0010】
また、実際の臨床治療においては、多くの薬液を投与する必要があるため、頻繁に注入ルートの切り換えすなわち注射筒のルアーチップの脱着等が行われるので、ある時の脱着において一旦侵入した細菌は分岐管34の内腔で増殖し、次回の薬液投与時には注射筒のルアーチップの着脱や薬液等によって三方活栓の奥へと入り込み、最終的には患者の体内に流れ込んでしまうおそれがあった。
【0011】
そこで、このような問題を解決するために、図12に示すように、キャップ35に代えて、一方の端部に外部とを遮断するセプタムであるゴム状弾性体39aを有し、他方の端部に分岐管34のねじ部34bに螺合されるねじ部39bを備えたインフュージョンプラグ39が装着される三方活栓、あるいは、図13に示すように、分岐管34のねじ部34bおよび内腔を省略して、混注口34aにゴム状弾性体40を嵌装した三方活栓が考えられ、両者とも分岐管34の不使用時においては両ゴム状弾性体39a,40により細菌の外部からの侵入が防止され、分岐管34使用時においては注射筒の針部を穿刺することによって側注が行われる。
【0012】
しかしながら、図12に示した三方活栓は、そのインフュージョンプラグ39により分岐管34の内腔およびインフュージョンプラグ39の内腔に形成される薬液の滞留するスペース(以下、デッドスペースSという)が大きくなってしまうため、高濃度少量の薬液をワンショット側注した場合、この薬液がデッドスペースSで滞留してしまって患者の体内に投与されないことがある。そして、患者が薬液に対応せず、さらに薬液を追加投与した場合は、今度はデッドスペースSで滞留している薬液とともに多量の薬液が患者の体内に入ってしまうという問題がある。
【0013】
また、患者の血液採取が必要となりこの三方活栓を用いて採血する場合は、血液が輸液で希釈されている状態で採取しても意味がないので、一旦分岐管34およびインフュージョンプラグ39の上流まで血液を逆流させてゴム状弾性体39a付近まで希釈されていない患者の血液で満たした状態にしてから血液を採取し、その後輸液を流すことで逆流させた血液を血管内に戻すという手順が踏まれるのが一般的である。しかしながら、デッドスペースSがあるために相当多量に血液を逆流させないと輸液による希釈が解消されず、採血終了後も相当多量の輸液でインフュージョンプラグ39および分岐管34の内腔の血液を洗い流さなくてはならないなど不都合があった。特に動脈ラインにおいては頻回に血液採取を行う必要があるため、このような不都合は致命的である。また、輸液ラインの途中で生じた気泡の除去が難しかったり、輸液ラインを最初に輸液で満たす際のエアー抜きに手間がかかるという問題もデッドスペースSがあることによって生じている。さらに、デッドスペースSが大きいことにより、誤って侵入した細菌の菌増殖のための温床になるおそれもある。
【0014】
図13に示した三方活栓は、デッドスペースSがほとんどないため、上述したような問題は発生しないが、側注を行おうとすると、分岐管34の内腔が省略されているため、分岐管34の混注口34a側をコック36の軸部37で閉塞した状態では注射筒41の針部41aの穿刺スペースが極めて小さくなって、穿刺が困難であり、図13に示すように、連通孔37aを用いて針部41aを穿刺してもこの針部41aが邪魔になって穿刺した状態のままコック36を回動することができず、注入ルートを任意に切り換えられるという三方活栓の特長を得ることができないなど、問題があった。また、このような三方活栓を用いて側注を行うと、側注を行う毎に針部41aの抜き差しをその都度行わなければならないので操作性が悪く、場合によっては細菌の侵入を防止することができないなどの問題もあった。
【0015】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、注入ルートを任意に切り換えられ、外部との遮断性を有して細菌汚染の可能性を抑え、側注による薬液等が滞留せずに確実に投与できる操作性のよい医療用活栓を提供することを目的としたものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る医療用活栓は、円筒状の本体と、本体の軸線と交差するように本体の側壁に設けられて本体内のチャンバー部を通過する流路を形成可能な少なくとも2つの分岐管と、接液面がチャンバー部の流路に沿うようにこの流路に近設配置されて本体の軸線方向の一方の端部に嵌装され側注部品または混注部品の針部等が穿刺されるゴム状弾性体と、本体の軸線方向の他方の端部に液密かつ回動可能に嵌合され、一端に本体の軸線方向の他方の端部から外部に露呈したハンドル部を有し、他端にハンドル部の回動操作に基づいて分岐管の内腔への流れを閉塞または開放する切換部を備えたコックとからなるものである。
【0017】
また、本発明に係る医療用活栓は、コックを、本体の軸線方向の他方の端部に液密かつ回動可能に嵌合された円柱状の軸部と、軸部の一端に本体の軸線方向の他方の端部から外部に露呈し軸部を回動させるハンドル部と、軸部の他端縁部に設けられ、かつ分岐管のそれぞれの内腔に連通する本体のチャンバー部に位置し、ハンドル部の回動操作に基づいて分岐管の内腔への流れを閉塞または開放する切換部とにより構成し、ハンドル部を回動したときに、切換部が分岐管のいずれかの内腔を閉塞し、または両内腔を開放するようにしたものである。
【0020】
また、本発明に係る医療用活栓は、切換部を、コックの他端縁部から突出し、少なくとも外壁が本体のチャンバー部の周壁に沿うように円弧状に形成された突出部により構成したものである。
【0021】
さらに、本発明に係る医療用活栓は、切換部を、コックの他端周縁部から突出し、突出端がゴム状弾性体に当接または近傍に位置する高さで、外径が本体の内径とほぼ等しく形成され、側壁にハンドル部の回動操作に基づいて分岐管の内腔および本体のチャンバー部に連通する複数の連通孔を有する円筒部により構成したものである。
【0023】
本発明に係る医療用活栓は、ゴム状弾性体のほぼ中心部にほぼ垂直なスリットを設けたものである。
【0024】
本発明に係る医療用活栓は、本体の側壁に、ゴム状弾性体に穿刺される鈍針、および鈍針の内腔に連通する内腔を有し側注部品または混注部品が連結または結合される連結部を備えた接続具が係止される係止部を設けたものである。
【0025】
また、本発明に係る医療用活栓は、接続具を前記本体の係止部に係止したときに、前記係止部が前記接続具の鈍針の位置決め機能を有するものである。
【0026】
さらに、本発明に係る医療用活栓は、接続具の鈍針の先端部側壁に、接続具を本体の係止部に係止してこの係止部の位置決め機能により鈍針の先端部がコックの他端に当接したときに、鈍針の内腔と分岐管の内腔とを連通する少なくとも1つの側孔を設けたものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1の上面図、平面図、下面図および上面図のA−A断面図、図2は図1の平面図のB−B断面で示した作用説明図である。図1及び図2に示されているように、本実施の形態1の医療用活栓は、円筒状の本体1と、本体1の軸線と交差するように本体1の側壁に設けられて本体1内のチャンバー部1aを通過する流路を形成可能な2つの分岐管2,3と、接液面がチャンバー部1aの流路に沿うようにこの流路に近設配置されて本体1の軸線方向の一方の端部(以下これを「本体の上端部」という場合もある)に嵌装され側注部品または混注部品の針部等が穿刺されるゴム状弾性体5と、本体1の軸線方向の他方の端部(以下これを「本体の下端部」という場合もある)に液密かつ回動可能に嵌合され、一端に本体1の軸線方向の他方の端部から外部に露呈したハンドル部8を有し、他端にハンドル部8の回動操作に基づいて分岐管2,3の内腔への流れを閉塞または開放する切換部すなわち突出部9を備えたコック6とから構成されている。
これを更に詳述すると、本体1は、例えばポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはPET/PCアロイ等の透明なプラスチック材料により構成され、側壁の対向する位置に分岐管2,3が一体に形成され、分岐管2,3はそれぞれの内腔が本体1のチャンバー部1aを介して連通されていて、主薬液(輸液)が流れるメインルートを形成している。そして、分岐管2の端部は注入口2aが形成され、分岐管3の端部3aは排出口3aが形成されており、分岐管2の注入口2a部分はメスルアー状に形成され、外壁には不使用時において注入口2aを閉塞するキャップ(図示せず)が取り付けられるねじ部2bを有し、分岐管3の排出口3a部分はオスルアー状に形成されて、延長チューブ(図示せず)はもちろんのこと、注入口2aに注射筒のルアーチップ(図示せず)あるいは同形状の他の医療用活栓の排出口などが連結され、排出口3aに同形状の他の医療用活栓の注入口などが連結されて、1本の輸液ラインに複数の混注ラインが接続されるようになっている。また、本体1の下端部近傍の内壁には環状の凹部4が形成されている。
【0028】
ゴム状弾性体5は、例えば天然ゴムまたはイソプロピレンゴム等の合成ゴム材料からなり、ほぼ中心部にほぼ垂直にスリット5aが設けられ、本体1の上端部に形成された混注口1bに嵌装されており、外部とを遮断するセプタムであるとともに、側注等を行う側注ルートを形成している。そして、ゴム状弾性体5の下面5bつまり接液面は、繰り返し穿刺耐久性を持たせ、例えば注射筒の針部の挿入抵抗を低減し、輸液等の液体の流れをスムーズにするために断面円弧状に形成されて、既述したようにチャンバー部1aの流路に沿うようにこの流路に近設配置されている(図1)。
【0029】
コック6は、例えばポリエチレンまたはポリプロピレンなどの着色されたプラスチック材料により構成され、メインルートまたは側注ルートなど注入ルートを任意に切り換える機能を有し、本体1内の下部に液密かつ回動可能に嵌合された軸部7と、本体1の下端部から外部に露呈するように軸部7の下部側壁に一体に形成され例えば分岐管3の軸方向に対してほぼ水平に延出し軸部7を回動させるハンドル部8と、軸部7の上面縁部から上方に突出し、少なくとも外壁が本体1のチェンバー部1aの周壁に沿うように円弧状に形成され、ハンドル部8の回動操作に基づいて分岐管2または分岐管3の内腔への流れを閉塞または開放する切換部である突出部9とによって構成されている。また、軸部7の外壁には本体1の凹部4に嵌合され、軸部7が本体1内から抜けたりせず回動自在になるように複数または環状の突起部7aが形成されている。そして、ハンドル部8が分岐管3側に位置しているときは、突出部9が分岐管3の内腔への流れを閉塞しており、メインルートの閉塞、OFF状態となっている。
【0030】
このように構成されたこの実施の形態1において、主薬液の輸液を行う場合、まず、延長チューブ(図示せず)を分岐管2,3にそれぞれ連結し、分岐管3に連結された延長チューブの先端部を患者の血管に留置した留置針の基部に連結する。この時、コック6のハンドル部8は、分岐管3側のOFF状態に位置しており、図2(a)に示すように、コック6の突出部9は分岐管3の内腔への流れを閉塞している。ついで、図2(b)に示すように、コック6をそのハンドル部8が分岐管2,3に対してほぼ直交するように回動して突出部9による分岐管3の内腔の閉塞を解除し、主薬液を分岐管2に連結した延長チューブから注入口2aに送って、メインルートである分岐管2の内腔から本体1のチャンバー部1aを介して分岐管3の内腔に送り、さらに排出口3aおよび分岐管3に連結された延長チューブを通って患者の体内(血管)に投与する。輸液中、本体1の混注口1bに設けられた外部とを遮断するゴム状弾性体5によって、輸液ラインへの細菌の侵入が防止される。
【0031】
また、高濃度少量薬液である側注液をワンショット側注する場合、まず、図2(a)に示すように、コック6のハンドル部8をOFF状態に位置させて突出部9により分岐管3の内腔への流れを閉塞する。ついで、ゴム状弾性体5に注射筒(図示せず)の針部をスリット5aに沿って穿刺し、針部の先端部が本体1のチャンバー部1aのほぼ中心部に位置するように挿入する。そして、図2(c)に示すように、コック6をそのハンドル部8が分岐管2側に位置し、突出部9が分岐管3の閉塞を解除しかつ分岐管2の内腔からの流れを閉塞するように回動する。ついで、注射筒内の側注液を注射筒のプランジャーを押して針部から側注ルートである本体1のチャンバー部1aを介して分岐管3の内腔に送り、さらに排出口3aおよび分岐管3に連結された延長チューブを通って患者の体内(血管)にワンショット側注する。この時、本体1内にデッドスペースが形成されることなく、側注液はスムーズに側注される。側注終了後、コック6をハンドル部8が分岐管3側のOFF状態に位置し、突出部9が分岐管2の内腔の閉塞を解除しかつ分岐管3の内腔への流れを閉塞するように回動して、ゴム状弾性体5から注射筒の針部を抜去して側注を完了させる。
【0032】
ここで、ワンショット側注を行う場合、図3に示すように、先端部の外壁の外径が先端部に向かうにしたがって縮径された鈍針11と、鈍針11の内腔11aに連通する内腔12aを有しメスルアー状に形成された連結部12とからなる接続具10などを用いてもよい。この場合、接続具10の鈍針11がゴム状弾性体5にスリット5aに沿って穿刺され、連結部12に注射筒のルアーチップが連結されて、注射筒内の側注液が注射筒のプランジャーを押すことによって鈍針11の内腔11aから本体1のチャンバー部1aを介して分岐管3の内腔に送られ、さらに排出口3aおよび分岐管3に連結された延長チューブを通って患者の体内(血管)にワンショット側注される。
【0033】
次に、主薬液の輸液中において、他の薬液を持続的に混注する場合は、図3に示した接続具10に本体1に対して固定機能を有する接続具(図示せず)を用いる。そして、主薬液の輸液中、一旦コック6のハンドル部8をOFF状態に位置させて突出部9により分岐管3の内腔への流れを閉塞し、ゴム状弾性体5に接続具の鈍針をスリット5aに沿って穿刺して鈍針の先端部が本体1のチャンバー部1aのほぼ中心部に位置するように挿入する。ついで、接続具の連結部に延長チューブの先端部を連結し、コック6をそのハンドル部8が分岐管2,3に対してほぼ直交するように回動して突出部9による分岐管3の内腔の閉塞を解除し、接続具の連結部に連結された延長チューブからの他の薬液を、延長チューブの先端部から接続具の鈍針の内腔を介して本体1のチャンバー部1aに送り、メインルートを流れる主薬液と混合させつつ分岐管3の内腔に送って、排出口3aおよび分岐管3に連結された延長チューブから患者の体内(血管)に持続的に混注する。この時、本体1内にデッドスペースが形成されることなく、他の薬液は主薬液とともに混注される。
【0034】
また、主薬液の輸液中において、他の薬液を間欠的に側注または混注する場合は、他の薬液を持続的に混注する場合と同様に固定機能を有する接続具などを用い、接続具の鈍針をゴム状弾性体に挿入した状態のまま、接続具の連結部に連結された延長チューブをクランプ等で閉塞または開放して行う。この時、コック6のハンドル部8は、図2(b)に示すように、分岐管2,3に対してほぼ直交する位置にあり、突出部9による分岐管2,3の内腔の閉塞は解除されている。そして、側注の場合は、接続具の連結部に連結された延長チューブをクランプ等で閉塞または開放するとともに、コック6を回動して突出部9による分岐管2,3の内腔の閉塞または解除も行う。
【0035】
さらに、血液採取を行う場合は、上述したワンショット側注の場合と同様に、コック6のハンドル部8をOFF状態に位置させて突出部9により分岐管3の内腔への流れを閉塞し、ゴム状弾性体5に注射筒の針部をスリット5aに沿って穿刺して針部の先端部が本体1のチャンバー部1aのほぼ中心部に位置するように挿入する。ついで、コック6をそのハンドル部8が分岐管2側に位置し、突出部9が分岐管3の閉塞を解除しかつ分岐管2の内腔から流れを閉塞するように回動した後、注射筒のプランジャーを引き、分岐管3の内腔および本体1のチャンバー部1aまで血液を逆流させ、希釈されていない血液を注射筒で採取する。採取後、注射筒より輸液を流して逆流させた血液を血管内に戻す。この時、突出部9によって本体1のチャンバー部1aまで逆流している血液の分岐管2の内腔への流れおよび分岐管2の内腔からの輸液などの流れが遮断されるとともに、本体1内にデッドスペースが形成されないので、必要最小限の血液を本体1側に逆流させれば採血が可能であり、採血終了後も最小限の輸液で本体1および分岐管3の血液が洗い流せる。
【0036】
このように、本体1の側壁の対向する位置に分岐管2,3を設け、本体1の上端部に形成された混注口1bにゴム状弾性体5を嵌装し、分岐管2,3の内腔への流れを閉塞または開放する突出部9を有し回動操作に基づいて注入ルートを切り換えられるコック6を本体1内の下部に液密かつ回動可能に嵌合したので、メインルートでの主薬液の輸液においては、ゴム状弾性体5によって輸液ラインへの細菌の侵入を確実に防止することができる。また、ワンショット側注においては、側注部品である注射筒の針部または接続具10の鈍針11をゴム状弾性体5に挿入した状態のまま注入ルートを側注ルートに切り換えられ、本体1内にデッドスペースが形成されないので、側注液を確実に側注することができ、患者が側注液に対して反応せず側注液を追加投与した際にデッドスペースで滞留している側注液とともにたくさんの側注液が患者に側注されるおそれもない。そして、採血においてもデッドスペースが形成されないために必要最小限の血液を逆流させれば採取が可能であり、採取後の最小限の輸液で本体1および分岐管3等を洗い流すことができる。これにより、頻回に血液採取を行う必要がある動脈ラインにおいて非常に便利である。また、気泡の除去またはエアー抜き等においても同様の効果を奏する。
【0037】
さらに、間欠的に混注または側注を行う場合においては、例えば接続具の鈍針をゴム状弾性体5に挿入した状態のまま、コック6を回動して突出部9による分岐管2,3の内腔の閉塞または開放を行うことができるので、取り扱いの容易な医療用活栓を得ることができる。
【0038】
なお、上述の実施の形態1では分岐管2,3を本体1の側壁の対向する位置に設けた場合を示したが、これに限定するものではなく、分岐管2,3を対向させずに傾けた位置に設けてもよく、また分岐管を複数設けてもよい。
【0039】
実施の形態2.
図4は本発明の実施の形態2の一部を断面で示した側面図およびそのC−C断面図である。この実施の形態2は、実施の形態1に係るコック6において、突出部9に代えて、図4のように軸部7の上面周縁部から突出し、突出端がゴム状弾性体5の下面5bに当接または近傍に位置する高さを有し、外径が本体1の内径とほぼ等しくなるように形成された円筒部13を設け、円筒部13の側壁に複数の連通孔13a,13b,13cを設けたものである。そして、図4に示すように、コック6のハンドル部8が分岐管3側つまりOFF状態にあるとき、連通孔13cにより分岐管2の内腔が本体1のチャンバー部1aに連通し、図5に示すように、コック6のハンドル部8が分岐管2,3に対してほぼ直交する位置にあるとき、連通孔13a,13bにより分岐管2,3の内腔が本体1のチャンバー部1aを介して連通し、また、図6に示すように、コック6のハンドル部8が分岐管2側にあるとき、連通孔13cにより分岐管3の内腔が本体1のチャンバー部1aに連通するように構成されている。
【0040】
このように構成したことにより、実施の形態1とほぼ同じ作用および効果が得られ、ゴム状弾性体5によって輸液ラインへの細菌の侵入を確実に防止し、本体1内にデッドスペースを形成することなく側注等を確実に行うことができるとともに、円筒部13によって分岐管2,3の内腔の閉塞を確実に行うことができる。
【0041】
実施の形態3.
図7は実施の形態3の縦断面図で、この実施の形態3は、実施の形態2に係る本体1において、混注口1bを省略するとともに、実施の形態2に係るコック6において、軸部7を円筒部13の外壁の外径より大径の円筒状に形成して下端部に混注口14を設け、混注口14でかつ軸部7の内腔にほぼ中心部にスリット5aを有するゴム状弾性体5を嵌装したものである。なお、ゴム状弾性体5の上面5cは、繰り返し穿刺耐久性を持たせ挿入抵抗を低減し輸液等の液体の流れをスムーズにするために断面円弧状に形成されている。
【0042】
このように構成したことにより、実施の形態2とほぼ同じ作用および効果が得られ、ゴム状弾性体5によって輸液ラインへの細菌の侵入を確実に防止し、本体1内にデッドスペースを形成することなく側注等を確実に行うことができるとともに、円筒部13によって分岐管2,3の内腔の閉塞を確実に行うことができる。また、本体1の上端部の混注口1bは省略されているので、外部との遮断性を高め細菌汚染の可能性を抑えた医療用活栓を得ることができる。
【0043】
実施の形態4.
図8は実施の形態4の縦断面図で、この実施の形態4は、実施の形態3に係るコック6において、円筒部13を有蓋円筒状に形成するとともに、実施の形態3に係る本体1の上面部に円筒部13の蓋部13dが嵌合する嵌合穴1cを設けたものである。
【0044】
このように構成したことにより、実施の形態3とほぼ同じ作用および効果が得られ、ゴム状弾性体5によって輸液ラインへの細菌の侵入を確実に防止し、本体1内にデッドスペースを形成することなく側注等を確実に行うことができ、円筒部13によって分岐管2,3の内腔の閉塞を確実に行うことができる。
【0045】
実施の形態5.
図9は本発明の実施の形態5の側面図、そのD−D断面図およびそのE−E断面図である。この実施の形態5は、実施の形態1に係る本体1において、分岐管2,3とほぼ直交する側壁の下部に係止部15を設け、他の薬液を持続的に混注する場合などに用いられる後述する接続具16を着脱可能に取り付けられるように構成したものである。
【0046】
そして、接続具16は、一対の側板17a,17bと、両側板17a,17bを連結する連結板17cとにより平面ほぼH状に形成され、両側板17a,17bの間隔が下部になるにしたがって幅狭で、かつ上部外面に複数の滑り止め用突起17dが設けられ、また下端部に互いに内側に突出し本体1の係止部15に係止する係止爪17eが設けられた接続部17と、連結板17cのほぼ中心部に設けられメスルアー状に形成された連結部18と、先端部の外壁の外径が先端部に向かうにしたがって縮径され、連結部18の下面のほぼ中心部に連結部18の内腔18aに連通する内腔19aを有する鈍針19とによって構成されている。また、本体1の係止部15は接続具16の鈍針19の位置決め機能を有しており、図9(c)に示すように、接続具16の係止爪17eを本体1の係止部15に係止させつつ鈍針19をゴム状弾性体5に穿刺して挿入すると、鈍針19の先端部19bはコック6の軸部7上面との間に間隙Gが形成されるように位置決めされる。
【0047】
このように構成したこの実施の形態5においては、主薬液の輸液中に他の薬液を持続的に混注する場合、まず、コック6のハンドル部8をOFF状態に位置させて突出部9により分岐管3の内腔への流れを閉塞し、ゴム状弾性体5に接続具16の鈍針19をスリット5aに沿って穿刺し、さらに鈍針19を挿入しつつ接続具16の係止爪17eを本体1の係止部15に係止させる。ついで、接続具16の連結部18に延長チューブの先端部を連結し、コック6をそのハンドル部8が分岐管2,3に対してほぼ直交するように回動して突出部9による分岐管3の内腔の閉塞を解除し、接続具16の連結部18に連結された延長チューブからの他の薬液を、延長チューブの先端部から接続具16の鈍針19の内腔19aを介して本体1のチャンバー部1aに送り、メインルートを流れる主薬液と混合させつつ分岐管3の内腔に送って、排出口3aおよび分岐管3に連結された延長チューブから患者の体内(血管)に持続的に混注する。この時、本体1内にデッドスペースが形成されることなく、他の薬液は主薬液とともに混注される。なお、主薬液の輸液中において他の薬液を間欠的に側注または混注する場合もこの接続具16を用いて同様に行い、ワンショット側注を行う場合は、注射筒のルアーチップから針部を外して注射筒のルアーチップを接続具16の連結部18に連結して行う。
【0048】
このように、本体1の側壁下部に係止部15を設け、この係止部15に接続具16の係止爪17eを係止して確実に接続具16を接続できるようにしたので、長時間の側注または混注における固定性が高く、操作性のよい取り扱いの容易な医療用活栓を得ることができる。また、注射筒の針部を用いることなくワンショット側注等を行うことができるので、針部がゴム状弾性体5を穿刺通過する場合に生じるゴム状弾性体5の損傷や、針部を穿刺挿入した場合に発生する針部の曲がり、針部がコック6の軸部7上面に接触することによって発生する軸部7の損傷、ゴム状弾性体5等の損傷によって発生するゴム状弾性体5および軸部7の欠片の患者の体内への搬送などを防ぐことができる。さらに、ゴム状弾性体5によって輸液ラインへの細菌の侵入を確実に防止し、本体1内にデッドスペースを形成することなく側注等を確実に行うことができる。
【0049】
なお、上述の実施の形態5では本体1の係止部15に接続具16の鈍針19の位置決め機能を設け、接続具16を本体1に取り付けたときに鈍針19の先端部19bがコック6の軸部7上面との間に間隙Gが形成されるようにした場合を示したが、図10に示すように、接続具16を本体1に取り付けたときに鈍針19の先端部19bがコック6の軸部7上面に当接するようにしてもよい。この場合、鈍針19の先端部側壁に、本体1のチャンバー部1aおよび分岐管2,3の内腔に連通する側孔19cを少なくとも1つ設ける。
【0050】
また、係止部15を分岐管2,3とほぼ直交する側壁の下部に設けた場合を示したが、これに限定するものではなく、分岐管2,3の取付位置により適宜変更することができる。
【0051】
さらに、上述の実施の形態5では実施の形態1にこの発明を実施した場合を示したが、実施の形態2,3および4においてもこの発明を実施することができ、これらの場合も同様の効果を奏する。
【0052】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る医療用活栓は、円筒状の本体と、本体の軸線と交差するように本体の側壁に設けられて本体内のチャンバー部を通過する流路を形成可能な少なくとも2つの分岐管と、接液面がチャンバー部の流路に沿うようにこの流路に近設配置されて本体の軸線方向の一方の端部に嵌装され側注部品または混注部品の針部等が穿刺されるゴム状弾性体と、本体の軸線方向の他方の端部に液密かつ回動可能に嵌合され、一端に本体の軸線方向の他方の端部から外部に露呈したハンドル部を有し、他端にハンドル部の回動操作に基づいて分岐管の内腔への流れを閉塞または開放する切換部を備えたコックとからなり、コックを、本体の軸線方向の他方の端部に液密かつ回動可能に嵌合された円柱状の軸部と、軸部の一端に本体の軸線方向の他方の端部から外部に露呈し軸部を回動させるハンドル部と、軸部の他端縁部に設けられ、かつ分岐管のそれぞれの内腔に連通する本体のチャンバー部に位置し、ハンドル部の回動操作に基づいて分岐管の内腔への流れを閉塞または開放する切換部とにより構成し、ハンドル部を回動したときに、切換部が分岐管のいずれかの内腔を閉塞し、または両内腔を開放するようにしたので、本体側にゴム状弾性体が配置されているものにおいて、穿刺した状態のままコックを回動することができて、注入ルートを任意に切り換えられることが可能となる。また、ゴム状弾性体によって輸液ラインへの細菌の侵入を確実に防止することができるとともに、本体内にデッドスペースが形成されないので、側注等を確実に行うことができる。
【0055】
本発明に係る医療用活栓は、切換部を、コックの他端縁部から突出し、少なくとも外壁が本体のチャンバー部の周壁に沿うように円弧状に形成された突出部により構成した、または、切換部を、コックの他端周縁部に上端部がゴム状弾性体に当接または近傍に位置する高さで、外径が本体の内径とほぼ等しく形成され、側壁にハンドル部の回動操作に基づいて分岐管の内腔および本体のチャンバー部に連通する複数の連通孔を有する円筒部により構成したので、分岐管の内腔の閉塞を確実に行うことができる。
【0056】
本発明に係る医療用活栓は、ゴム状弾性体のほぼ中心部にほぼ垂直なスリットを設けたので、側注部品または混注部品の針部等の穿刺を容易に行うことができ、取り扱いの便利な医療用活栓を得ることができる。
【0057】
本発明に係る医療用活栓は、本体の側壁に、ゴム状弾性体に穿刺される鈍針、および鈍針の内腔に連通する内腔を有し側注部品または混注部品が連結または結合される連結部を備えた接続具が係止される係止部を設けたので、長時間の側注または混注における固定性が高く、また操作性のよい取り扱いの容易な医療用活栓を得ることができる。
【0058】
また、本発明に係る医療用活栓は、接続具を前記本体の係止部に係止したときに、前記係止部が前記接続具の鈍針の位置決め機能を有するので、側注や混注等を行う場合に適した位置に鈍針を設置させることができ、操作性のよい医療用活栓を得ることができる。
【0059】
さらに、本発明に係る医療用活栓は、接続具の鈍針の先端部側壁に、接続具を本体の係止部に係止してこの係止部の位置決め機能により鈍針の先端部がコックの他端に当接したときに、鈍針の内腔と前記分岐管の内腔とを連通する少なくとも1つの側孔を設けたので、注射筒の針部を用いることなくワンショット側注等を行うことができ、針部がゴム状弾性体を穿刺通過する場合に生じるゴム状弾性体の損傷や、針部を穿刺挿入した場合に発生する針部の曲がり、針部がコックに接触することによって発生するコックの損傷、ゴム状弾性体等の損傷によって発生するゴム状弾性体等の欠片の患者の体内への搬送などを防ぐことができ、操作性がよい取り扱いの容易な医療用活栓を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の上面図、平面図、下面図および上面図のA−A断面図である。
【図2】 図1の平面図のB−B断面で示した作用説明図である。
【図3】 本発明の実施の形態1に用いられる接続具の平面図および断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態2の一部を断面で示した側面図およびそのC−C断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態2の作用を示す一部を断面で示した側面図およびそのC−C断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態2の他の作用を示す一部を断面で示した側面図およびそのC−C断面図である。
【図7】 実施の形態3の縦断面図である。
【図8】 実施の形態4の縦断面図である。
【図9】 本発明の実施の形態5の側面図、そのD−D断面図およびそのE−E断面図である。
【図10】 本発明の実施の形態5の変形例である一部を断面で示した側面図である。
【図11】 従来の代表的な三方活栓の平面図およびその断面図である。
【図12】 従来の他の三方活栓の断面図である。
【図13】 従来のさらに他の三方活栓の断面図および作用説明図である。

Claims (8)

  1. 円筒状の本体と、該本体の軸線と交差するように該本体の側壁に設けられて該本体内のチャンバー部を通過する流路を形成可能な少なくとも2つの分岐管と、接液面が前記チャンバー部の流路に沿うように該流路に近設配置されて該本体の軸線方向の一方の端部に嵌装され側注部品または混注部品の針部等が穿刺されるゴム状弾性体と、前記本体の軸線方向の他方の端部に液密かつ回動可能に嵌合され、一端に前記本体の軸線方向の他方の端部から外部に露呈したハンドル部を有し、他端に前記ハンドル部の回動操作に基づいて前記分岐管の内腔への流れを閉塞または開放する切換部を備えたコックとからなる医療用活栓。
  2. コックを、前記本体の軸線方向の他方の端部に液密かつ回動可能に嵌合された円柱状の軸部と、該軸部の一端に前記本体の軸線方向の他方の端部から外部に露呈し前記軸部を回動させる前記ハンドル部と、前記軸部の他端縁部に設けられ、かつ前記分岐管のそれぞれの内腔に連通する前記本体のチャンバー部に位置し、前記ハンドル部の回動操作に基づいて前記分岐管の内腔への流れを閉塞または開放する前記切換部とにより構成し、前記ハンドル部を回動したときに、前記切換部が前記分岐管のいずれかの内腔を閉塞し、または両内腔を開放するようにしたことを特徴とする請求項1記載の医療用活栓。
  3. 切換部を、前記コックの他端縁部から突出し、少なくとも外壁が前記本体のチャンバー部の周壁に沿うように円弧状に形成された突出部により構成したことを特徴とする請求項1または2記載の医療用活栓。
  4. 切換部を、前記コックの他端周縁部から突出し、突出端が前記ゴム状弾性体に当接または近傍に位置する高さで、外径が前記本体の内径とほぼ等しく形成され、側壁に前記ハンドル部の回動操作に基づいて前記分岐管の内腔および本体のチャンバー部に連通する複数の連通孔を有する円筒部により構成したことを特徴とする請求項1または2記載の医療用活栓。
  5. ゴム状弾性体のほぼ中心部にほぼ垂直なスリットを設けたことを特徴とする請求項1乃至のいずれか記載の医療用活栓。
  6. 本体の側壁に、前記ゴム状弾性体に穿刺される鈍針、および該鈍針の内腔に連通する内腔を有し側注部品または混注部品が連結または結合される連結部を備えた接続具が係止される係止部を設けたことを特徴とする請求項1乃至のいずれか記載の医療用活栓。
  7. 接続具を前記本体の係止部に係止したときに、前記係止部が前記接続具の鈍針の位置決め機能を有することを特徴とする請求項記載の医療用活栓。
  8. 接続具の鈍針の先端部側壁に、前記接続具を前記本体の係止部に係止して該係止部の位置決め機能により前記鈍針の先端部が前記コックの他端に当接したときに、前記鈍針の内腔と前記分岐管の内腔とを連通する少なくとも1つの側孔を設けたことを特徴とする請求項記載の医療用活栓。
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