JP4555764B2 - 転炉精錬方法 - Google Patents

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Description

本発明は,脱P,脱C等の精錬処理を転炉で行う転炉精錬方法と設備に関する。
高炉で生産される溶銑は主要な不純物としてCやP,Sなどを含んでいる。そこで,転炉中で溶銑に酸素を吹き込み,CやP,Sなどの不純物をスラグとして取り除く転炉法が行われている。また近年では,鋼材の品質に対する要求にこたえるべく,脱P処理でP,Sなどを予め除去してから転炉で脱C処理する精錬法が採用され,その一つとして,転炉精錬設備に備えられた2つの転炉のうち,一方を主に脱Pを行う脱P炉,他方を主に脱Cを行う脱C炉として精錬を行なう方法が提案されている。
一方,このように溶銑の精錬を行う転炉については,高温に晒されて劣化した耐火物ライニングを張り替えて修理する作業が定期的に実施される。そこで,特許文献1では,修理直後のまだ耐火物ライニングが厚い状態の転炉を,比較的高温に晒される脱C用の転炉として先に使用し,脱C処理に使用されて耐火物ライニングの厚さが薄くなった転炉を次に比較的低温に晒される脱P用の転炉として使用する方法が開示されている。
特開平6−73425号公報
しかしながら,従来の方法のように2つの転炉の一方を脱P用として使用し,他方を脱C用の転炉として使用した場合,一方の転炉について劣化した耐火物ライニングを張り替えて修理する作業を行っている間,他方の転炉の精錬をどのように継続させるかが問題であった。かかる場合,低P鋼を溶製する際に,一方の転炉が修理中のときは例えば別の場所(トーピードカーなど)で脱P処理することも考えられるが,そのための別の設備が必要になるといった不具合を生ずる。加えて従来の方法では,複数の転炉と3つの転炉を効率良く用いて精錬を行う方法は何ら案出されていなかった。
ここで,例えば図6は,転炉が3基の場合において,前記従来の方法を適用しようとした場合の転炉の操業スケジュールの1例である。3基の転炉a,b,cあり,そのうち転炉a,bに前記特許文献1に記載の所謂専用炉タイプの溶銑予備処理方法を適用し,転炉cは,脱C脱P兼用炉を適用したケースを表している。
タイミングt1では,転炉aが脱C,転炉bが脱P,転炉cが同一炉タイプの溶銑予備処理を実施している。
次にタイミングt2では,転炉bが耐火物が薄くなり修理を行う。このとき転炉aは1基操業となる。例えばその期間は,転炉aは同一炉タイプの溶銑予備処理を行う。その場合,専用炉タイプよりも脱C脱P兼用炉なので,ライニングあるいは耐火物への脱P時に含浸したPが脱C時に溶出し,脱P能を低下させるので,極低P鋼の溶製が困難という問題がある。
一方,その対応策として,転炉cと併せて専用炉タイプの溶銑予備処理方法を行うということも考えられる。しかしながら,例えば,転炉cを脱C炉として転炉aを脱P炉とした場合,それまで転炉cは脱C脱P兼用炉として使用されてきているので,耐火物に含浸したPや炉内に付着したライニング中のPが脱C中に溶鋼中に溶出し,やはり脱P能が低下するとの問題が発生する。あるいは,逆に転炉Pを脱C炉,転炉cを脱P炉とした場合,転炉bの修理が完了して立ち上がったときに転炉cはまた同一炉タイプの精錬に戻るので,その際に先の脱P炉としての精錬時の炉内付着ライニング中Pや耐火物に含浸したPが,以降の脱C脱P兼用炉としての精錬時に溶鋼中に溶出し,低P鋼溶製の障害となるとの問題が発生する。
また,転炉a,bと転炉cとは,耐火物への負荷や1回の精錬のサイクルタイムが異なるため,両者の修理サイクルは異なる。その結果,図中の時期t3のように,転炉a,bのいずれかと転炉cとが同時期に修理となるタイミングが発生する。その際は,極低P鋼の溶製もできず,転炉の生産能力も著しく低下する。あるいは,このような状況となることを回避するために,いずれかの転炉について寿命前に強制的に修理を行うということも考えられる。しかし,この場合,耐火物コストを著しく悪化させるとの問題が発生する。
本発明の目的は,3つの転炉を用いて溶銑を精錬処理するに際し,それらを効率良く稼動できる転炉精錬方法と転炉精錬設備を提供することにある。
かかる課題を解決するために,本発明によれば,3つの転炉を用いて溶銑を精錬処理する転炉精錬方法であって,前記3つの転炉は,いずれも,脱C用の転炉,脱Cと脱P兼用の転炉,脱P用の転炉の順で使用され,その後修理されて,再び,同様の順で使用および修理され,前記3つの転炉のいずれか一つが脱C用の転炉として使用されているときは,他の一つは脱P用の転炉として使用され,残りの一つは脱Cと脱P兼用の転炉として使用され,前記3つの転炉のいずれか一つが修理されているときは,他の二つは脱Cと脱P兼用の転炉として使用されることを特徴とする,転炉精錬方法が提供される。
この転炉精錬方法は,前記3つの転炉のいずれか一つの修理開始時期に,他の一つが脱C用の転炉から脱Cと脱P兼用の転炉に変更され,修理終了時期に,残りの一つが脱Cと脱P兼用の転炉から脱P用の転炉に変更されるようにしても良い。また,前記脱Cと脱P兼用の転炉で行う精錬方法を,精錬する鋼種に応じて適宜選択するようにしても良い。更にまた,前記脱Cと脱P兼用の転炉は,転炉以外の場所で脱Pされた溶銑の脱Cに使用することもできる。また,前記3つの転炉のいずれか一つが修理されている時に,他の二つが,脱C用の転炉と脱P用の転炉として使用されるようにしても良い。
なお,溶銑を精錬処理するための転炉を3つ備えた転炉精錬設備であって,前記3つの転炉は,いずれも,脱C用の転炉,脱Cと脱P兼用の転炉および脱P用の転炉として使用可能であることを特徴とする,転炉精錬設備が提供される。
本発明によれば,3つの転炉がそれぞれが溶銑予備処理方法を行いながら同じ周期で修理を行うことができるので,寿命前に転炉を強制的に修理を行うことなしに,順次,各転炉を修理でき,一度に複数の転炉を修理する事態には陥らない。また,常に複数の転炉で溶銑予備処理精錬ができ,且つ,以降の炉の切り替え後の操業に悪影響を与えることがなく,必要に応じて極低P鋼などの溶製も可能であり,生産上の制約条件も少ない。
以下,本発明の好ましい実施の形態を図面を参照にして説明する。なお,本明細書および図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1は,本発明の実施の形態にかかる転炉精錬設備1の説明図である。図2は,この転炉精錬設備1に備えられた3つの転炉2a,2b,2cの構造を説明するための縦断面図である。
転炉精錬設備1に備えられた3つの転炉2a,2b,2cは,いずれも同様の構成を有している。そこで代表して転炉2aについて説明すると,図2に示すように,転炉2aは,鋼製の転炉容器3の内面に煉瓦などからなる耐火物ライニング4を貼り付けた構造を有している。後述するように,転炉2aで溶銑の精錬を行うと,転炉容器3内面に張られた耐火物ライニング4が高温に晒されて溶損し,次第に薄くなっていく。転炉2aでは,そのように溶損した耐火物ライニング4を新しい耐火物ライニング4に張り替えて修理する作業が定期的に実施される。
転炉2aの上端は開口部5となっており,後述するように,この開口部5を通じて転炉2a内に溶銑やスクラップ,スラグ原料などが入れられ,また,この開口部5を通じて転炉2a内からスラグが排出される。転炉2aの側面には,開口部5よりも下方に位置する出鋼口6が形成されている。後述するように,この出鋼口6を通じて転炉2a内から溶湯(溶銑または精錬された溶鋼)が排出される。
なお,代表して転炉2aについて説明したが,他の転炉2b,2cもいずれも同様の構成を有している。図1に示すように,転炉精錬設備1には,これら3つの転炉2a,2b,2cが並べて配置され,各転炉2a,2b,2cに対して,溶銑やスクラップ,スラグ原料などが適宜選択的に入れられるようになっている。
各転炉2a,2b,2cは,いずれも,脱C用の転炉,脱Cと脱P兼用の転炉および脱P用の転炉として3通りに使用することができる。そこでまた,代表して転炉2aについて説明する。
先ず,転炉2aを脱C用の転炉として使用する場合は,別の転炉2b(または2c)で脱Pした溶銑を,転炉2aに入れて脱C処理することにより,転炉2aと別の転炉2b(または2c)との組み合わせによっていわゆる専用炉タイプの溶銑予備処理方法が行われる。
一般に,脱C処理を行う際には,転炉2aに入れられた溶銑の温度は1600℃以上に上昇する。また,転炉2a内の溶湯の攪拌力も比較的強いので,転炉2aにかかる負担が大きい。そこで,このように転炉2aを脱C用の転炉として使用する場合は,転炉容器3内面の耐火物ライニング4を新しく張り替えた修理直後の状態の転炉2aを使用する。これにより,耐火物ライニング4がまだ厚い状態なので,溶銑の温度が低下しにくく,1600℃以上の高温に保ちやすい。また,修理直後の耐火物ライニング4がまだ綺麗な状態の転炉2aを使用することにより,脱C中に耐火物ライニング4中からPなどの不純物が溶湯に混合する問題も回避でき,高品質な製鋼ができるようになる。
また,転炉2aを脱P用の転炉として使用する場合も,転炉2aで脱Pした溶銑を,その後,別の転炉2b(または2c)に移して脱C処理することにより,転炉2aと別の転炉2b(または2c)との組み合わせによっていわゆる専用炉タイプの溶銑予備処理が行われる。
一般に,脱Pを行う際には,転炉2aに入れられた溶銑の温度は例えば1300〜1400℃程度に保たれる。また,転炉2a内の溶銑の攪拌力も比較的弱いので,脱C処理をする場合に比べて転炉2aの耐火物にかかる負担は小さい。そこで,このように転炉2aを脱P用の転炉として使用する場合は,修理直後の状態の転炉2aではなく,修理直前の,既に耐火物ライニング4が薄くなった状態の転炉2aを使用することができる。
一方,転炉2aを脱Cと脱P兼用の転炉として使用する場合は,転炉2aで脱Pと脱C処理の両方を行ういわゆる同一炉精錬法が行われる。この同一炉精錬法として,例えば次のような精錬方法が例示される。
その一つは,転炉2a内で脱Pと脱C処理を一気に行ってしまう方法であり,従来から伝統的に行われている方法である。この伝統的精錬法は,高品質な製鋼がしにくいが,脱Pと脱C処理を同時進行的にできるため処理時間が短いといった利点がある。
また,転炉2a内で先ず脱Pした後,図3に示すように,出鋼口6を上にした状態で転炉2aを傾けて開口部5からスラグ10を捨て(中間排滓),転炉2a内に残した脱P済みの溶銑11を更に脱C処理する方法が知られている。このような精錬法は,MURC(Multi−Refining Converter)法と呼ばれている。このMURC法は,スラグの発生量を抑制でき,高品質な鋼を溶製できるといった利点がある。
更にまた,転炉2a内で先ず脱Pした後,図4(a)に示すように,転炉2aを傾けて出鋼口6を下に向けることにより,転炉2a内の溶銑11を溶鋼出鋼口6から排出して一旦取鍋12に移し,次に,図4(b)に示すように,転炉2aを逆さまにして転炉2a内に残っていたスラグ10を完全に排出し,その後,取鍋12に移した溶銑11を空になった転炉2a内に戻して脱C処理する方法が知られている。このような精錬法は,同一炉LD−ORP法と呼ばれている。この同一炉タイプの溶銑予備処理方法は,燐等の不純物を非常に少なくでき,より高品質な鋼を溶製できるといった利点がある。
このような伝統的精錬法やMURC法,同一炉タイプの溶銑予備処理方法といった各精錬方法は,処理時間を短くすると高品質な鋼を溶製できにくくなり,また逆に,高品質な製鋼を得ようとすると処理時間が長くなるといった相反する性格を備えている。したがって,転炉2aを脱Cと脱P兼用の転炉として使用する場合は,精錬する鋼種に応じて,処理時間の短縮と品質の向上のどちらを優先させるかを判断し,いずれの精錬方法を行うかを適宜選択すれば良い。
また,このように転炉2aを脱Cと脱P兼用の転炉として使用する場合,脱C処理する際には,転炉2aに入れられた溶銑の温度は1600℃以上に上昇し,転炉2a内の溶銑の攪拌力も比較的強いので,転炉2aにかかる負担が大きくなる。一方,脱Pを行う際には,転炉2aに入れられた溶銑の温度は例えば1300〜1400℃程度に保たれ,転炉2a内の溶銑の攪拌力も比較的弱いので,転炉2aにかかる負担は小さくなる。このため,転炉2aを脱Cと脱P兼用の転炉として使用する場合の転炉2aにかかる負担は,転炉2aを脱C用の転炉として使用する場合よりは小さいが,転炉2aを脱P用の転炉として使用する場合よりは大きい。
そこで,転炉容器3内面の耐火物ライニング4を新しく張り替える修理を行った転炉2aを,最も負担の大きい脱C用の転炉,次に負担の大きい脱Cと脱P兼用の転炉,最も負担の小さい脱P用の転炉の順で使用していく。このような順序で使用することにより,転炉2aを脱C用の転炉として使用する際には,転炉容器3内面の耐火物ライニング4がまだ厚い状態なので,溶銑の温度を1600℃以上の高温に保ちやすく,比較的強い攪拌にも耐えることができ,また,修理直後の耐火物ライニング4がまだ綺麗な状態で精錬することにより,高品質な鋼の溶製ができるようになる。
また次に,転炉2aを脱Cと脱P兼用の転炉として使用する際には,修理直後の状態よりは耐火物ライニング4が劣化しているものの,脱C用の転炉として使用する場合よりは転炉2aにかかる負担が小さいので,一つの転炉2aにおいて,脱Pと脱C処理の両方を行うことが可能である。なお,このように転炉2aを脱Cと脱P兼用の転炉として使用する場合は,精錬する鋼種に応じて,処理時間の短縮と品質の向上のどちらを優先させるかを判断し,伝統的精錬法やMURC法,同一炉タイプの溶銑予備処理方法といった各精錬方法のいずれを行うかを適宜選択すれば良い。
また次に,転炉2aを脱Pの転炉として使用する際には,既に脱C用の転炉および脱Cと脱P兼用の転炉として使用されているので,転炉容器3内面の耐火物ライニング4が劣化しているものの,転炉2aに入れられる溶銑の温度は例えば1300〜1400℃程度と比較的低く,攪拌力も比較的弱いので,転炉2aにかかる負担は小さい。そのため,修理直前まで脱Pを行うことが可能である。
こうして,転炉容器3内面の耐火物ライニング4が劣化して薄くなり,転炉2aが脱Pの転炉としても使用できないようになったら,転炉2aにおける精錬を中止する。そして,転炉容器3内面の耐火物ライニング4を新しく張り替える修理を行う。そして,修理後,再び同様の順序で転炉2aを使用し,修理していく。なお,転炉2aを,脱C用の転炉から脱Cと脱P兼用の転炉に切り替える時期,脱Cと脱P兼用の転炉に切り替える時期から脱P用の転炉に切り替える時期,転炉2aにおける精錬を中止して修理を行う時期は,転炉2aのチャージ回数などを目安に,当業者が経験的に設定すれば良い。
なお,代表して転炉2aについて説明したが,他の転炉2b,2cも同様に,脱C用の転炉,脱Cと脱P兼用の転炉および脱P用の転炉として3通りに使用することができる。また転炉2aと同様に,他の転炉2b,2cも,脱C用の転炉,脱Cと脱P兼用の転炉,脱P用の転炉の順で使用される。そして,脱Pの転炉としても使用できないようになったら,精錬を中止して,転炉容器3内面の耐火物ライニング4を新しく張り替える修理が行われ,修理後,再び同様の順序で使用され,修理されていく。
次に,このような3つの転炉2a,2b,2cを備えた転炉精錬設備1における操業スケジュールの一例を,図5を参照にして説明する。なお,以下では,理解を容易にするために,3つの転炉2a,2b,2cについて,転炉2aを第1の転炉2a,転炉2bを第2の転炉2b,転炉2cを第3の転炉2cと呼んで互いに区別して説明する。
図5は,各転炉2a,2b,2cにおける操業状態を同時進行的に示しており,操業時間が右向きに進行している。また,図中の上段に,第1の転炉2aの状態を示す棒グラフを示し,中段に,第2の転炉2bの状態を示す棒グラフを示し,下段に,第3の転炉2cの状態を示す棒グラフを示している。
先ず,時期t1においては,第1の転炉2aは脱C用の転炉Cとして使用されており,第2の転炉2bは脱Cと脱P兼用の転炉Mとして使用されており,第3の転炉2cは脱P用の転炉Pとして使用されている。これにより,第1の転炉2aと第3の転炉2cでは,両者の組み合わせによっていわゆる専用炉タイプの溶銑予備処理方法による精錬が行われている。また,第2の転炉2bでは,同一炉精錬法による製鋼が行われている。この場合,第2の転炉2bで行われる精錬法は,精錬する鋼種に応じて,処理時間の短縮と品質の向上のバランスを考慮して適宜同一炉タイプ,MVRC,普通精錬の中から選択された方法が採用される。
次に時期t2になると,今まで脱P用の転炉Pとして使用されていた第3の転炉2cは,転炉容器3内面の耐火物ライニング4が溶損して薄くなることにより,脱Pの転炉Pとしても使用できない状態となる。そこで,時刻t2において,第3の転炉2cにおける脱Pを中止する。そして,第3の転炉2cについては,転炉容器3内面の耐火物ライニング4を新しく張り替える修理Sを開始する。
また,このように第3の転炉2cの修理Sが開始された時期t2には,今まで脱C用の転炉Cとして使用されていた第1の転炉2aが,脱Cと脱P兼用の転炉Mに変更される。こうして,第3の転炉2cについて修理Sが行われている間,第1の転炉2aおよび第2の転炉2bでは,いずれも同一炉精錬法による精錬が行われる。この場合,第1の転炉2aおよび第2の転炉2bで行われる精錬法は,精錬する鋼種に応じて,処理時間の短縮と品質の向上のバランスを考慮してそれぞれ適宜選択された方法が採用される。第1の転炉2aおよび第2の転炉2bで行われる精錬法は,互いに同じでも相違していても良い。
次に時期t3になると,第3の転炉2cについて,転炉容器3内面の耐火物ライニング4を新しく張り替える修理Sが終了する。この場合,修理Sに要する時間(即ち時期t2から時期t3までの期間)は,例えば10日程度である。
そして時期t3において,このように転炉容器3内面の耐火物ライニング4を新しく張り替えた修理直後の状態の第3の転炉2cを脱C用の転炉として使用することにより,第3の転炉2cにおける精錬を再開する。また,このように第3の転炉2cの修理Sが終了した時期t3には,今まで脱Cと脱P兼用の転炉Mとして使用されていた第2の転炉2bが,脱P用の転炉Pに変更される。こうして,第2の転炉2bと第3の転炉2cでは,両者の組み合わせによっていわゆる専用炉タイプの溶銑予備処理方法による精錬が行われる。また,第1の転炉2aでは,同一炉精錬法による溶製が行われる。この場合,第1の転炉2aで行われる精錬法は,精錬する鋼種に応じて,処理時間の短縮と品質の向上のバランスを考慮して適宜選択された方法が採用される。
以下同様に,時期t4において,第2の転炉2bにおける脱Pを中止し,転炉容器3内面の耐火物ライニング4を新しく張り替える修理Sを開始する。また,第3の転炉2cが,脱C用の転炉Cから脱Cと脱P兼用の転炉Mに変更される。そして,時期t5になると,第2の転炉2bについての修理Sが終了し,第2の転炉2bは脱C用の転炉として精錬を再開する。また,第1の転炉2aが,脱Cと脱P兼用の転炉Mから脱P用の転炉Pに変更される。
次に,時期t6において,第1の転炉2aにおける脱Pを中止し,転炉容器3内面の耐火物ライニング4を新しく張り替える修理Sを開始する。また,第2の転炉2bが,脱C用の転炉Cから脱Cと脱P兼用の転炉Mに変更される。そして,時期t7になると,第1の転炉2aについての修理Sが終了し,第1の転炉2aは脱C用の転炉として精錬を再開する。また,第3の転炉2cが,脱Cと脱P兼用の転炉Mから脱P用の転炉Pに変更される。
次に,時期t8において,第3の転炉2cにおける脱Pを中止し,転炉容器3内面の耐火物ライニング4を新しく張り替える修理Sを開始する。また,第1の転炉2aが,脱C用の転炉Cから脱Cと脱P兼用の転炉Mに変更される。そして,時期t9になると,第3の転炉2cについての修理Sが終了し,第3の転炉2cは脱C用の転炉として精錬を再開する。また,第2の転炉2bが,脱Cと脱P兼用の転炉Mから脱P用の転炉Pに変更される。
以上のように,3つの転炉2a,2b,2cを,いずれも,脱C用の転炉,脱Cと脱P兼用の転炉,脱P用の転炉の順で使用し,修理した後,再び同様の順で使用および修理することにより,3つの転炉2a,2b,2cを,同じ修理サイクルで稼働することができ,一度に複数の転炉が修理となる事態を無理なく回避することができ,且つ,耐火物ライニング4の状態に応じて効率良く稼動させることが可能となる。また,3つの転炉2a,2b,2cの操業状態を適宜変更しながら組み合わせて行くことにより,精錬処理を中断させることなく,高炉から出銑された溶銑の全部あるいはそのほとんどを転炉設備1で製鋼できるようになる。
以上,本発明の好ましい実施の形態を例示したが,本発明は図示の形態に限定されず,当業者において自明な種々の形態を採択できることはもちろんである。例えば,上記実施の形態では,いずれか一つの転炉の修理開始時期に,他の一つの転炉が脱C用の転炉から脱Cと脱P兼用の転炉に変更される例を示したが,その場合,両者のタイミングは厳密に一致していなくても良く,種々の要因を考慮した上で実質的に同じ時期とみなせる範囲のものであれば足りる。また,修理終了時期に,残りの一つが脱Cと脱P兼用の転炉から脱P用の転炉に変更される例を示したが,その場合も同様である。
また,脱Cと脱P兼用の転炉について,伝統的精錬法やMURC法,同一炉タイプの溶銑予備処理方法といった各精錬方法を例示したが,例えばトーピードカーや取鍋などのような転炉以外の場所で予め脱Pされた溶銑を,脱Cと脱P兼用の転炉において脱C処理する場合にも,本願発明は適用することができる。
図1で説明した転炉精錬設備1において図5に示した操業スケジュールにしたがって溶銑を精錬した。各転炉2a,2b,2cを,前期1500チャージを脱C用の転炉,中期2000チャージを脱Cと脱P兼用の転炉,後期1500チャージを脱P用の転炉として使用し,その後,250チャージ分の精錬時間に相当する期間(約10日間)で炉の修理を行った。修理後は再度,脱C用の転炉,脱Cと脱P兼用の転炉,脱P用の転炉の順で使用した。このことにより,3基の転炉2a,2b,2cを無駄なく効率よく使用でき,生産性が良く,また,脱P用の転炉として使用した後に耐火物ライニングを張り替えるので,次の脱C用の転炉として使用する際に耐火物ライニングに付着していた,あるいは,含浸したP等の不純物の影響を受けることがなくなるため,脱C時にP等の不純物が溶湯に戻ることなく,効率の良い精錬が可能となり,3基の転炉2a,2b,2cを使用して最も効率の良い操業方法が確立できた。また,3基の転炉の寿命が同じで,修理タイミングが一定周期で行われ,一度に2基の修理が重なることはなく,常に安定した生産形態を維持できた。
本発明は,溶銑の転炉精錬に利用できる。
本発明の実施の形態にかかる転炉精錬設備の説明図である。 転炉の構造を説明するための縦断面図である。 MURC法の説明図である。 同一炉LD−ORP法の説明図である。 本発明の実施の形態にかかる操業スケジュールの説明図である。 従来技術にかかる操業スケジュールの説明図である。
符号の説明
1 転炉精錬設備
2a,2b,2c 転炉
3 転炉容器
4 耐火物ライニング
5 開口部
6 出鋼口
10 スラグ
11 溶銑
12 取鍋

Claims (3)

  1. 3つの転炉を用いて溶銑を精錬処理する転炉精錬方法であって,
    前記3つの転炉は,いずれも,脱C用の転炉,脱Cと脱P兼用の転炉,脱P用の転炉の順で使用され,その後修理されて,再び,同様の順で使用および修理され,
    前記3つの転炉のいずれか一つが脱C用の転炉として使用されているときは,他の一つは脱P用の転炉として使用され,残りの一つは脱Cと脱P兼用の転炉として使用され,
    前記3つの転炉のいずれか一つが修理されているときは,他の二つは脱Cと脱P兼用の転炉として使用されることを特徴とする,転炉精錬方法。
  2. 前記3つの転炉のいずれか一つの修理開始時期に,他の一つが脱C用の転炉から脱Cと脱P兼用の転炉に変更され,修理終了時期に,残りの一つが脱Cと脱P兼用の転炉から脱P用の転炉に変更されることを特徴とする,請求項1に記載の転炉精錬方法。
  3. 前記脱Cと脱P兼用の転炉で行う精錬方法を,精錬する鋼種に応じて適宜選択することを特徴とする,請求項1または2に記載の転炉精錬方法。
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