JP3770076B2 - 脱燐専用炉のスラグコーティング方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱燐専用炉のスラグコーティング方法に関し、例えば、溶銑予備処理における脱燐吹錬を専用に行う脱燐専用炉の炉体寿命の延長を図ることができるスラグコーティング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
同一の転炉を用いて脱燐吹錬と脱炭吹錬とをともに行ったり、或いは、転炉に収容された溶銑予備処理溶銑に対して脱炭吹錬を行うといった転炉を用いた一般的な操業では、この転炉のレンガの損耗は、スラグ塩基度(CaO/SiO2 )が高い程、MgO濃度が高い程、若しくはTFeが低い程、抑制されることが知られている。そこで、転炉の炉寿命を延長させるために、これまでにも、吹錬中のスラグ塩基度(CaO/SiO2 )およびMgO濃度をいずれも高めてスラグを転炉の内張りの表面にコーティングする、いわゆるスラグコーティングが、行われてきた。
【0003】
例えば、特開昭61−157610号公報や同61−56223号公報には、スラグコーティングを行った後に強制冷却を行うことによりスラグを炉壁に付着させる発明が、特公昭61−59364号公報には、転炉内に残留させたスラグ100質量部に対し、100〜200mmの大きさの塊状塩基性耐火物を5〜20質量部投入した後に鎮静・保持することによってスラグ組成を制御する方法が、特開平3−68712号公報には、出鋼後において炉内に固化材やレンガ屑を投入する発明が、それぞれ開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、精錬コストの低減を図るために溶銑脱燐を脱燐専用転炉により行う場合がある。図6は、脱燐専用転炉11を用いて溶銑脱燐を行う状況を模式的に示す説明図である。
【0005】
図6に示すように、脱燐専用転炉11を用いて溶銑脱燐を行う場合、脱燐操業を優先するために溶銑12の処理温度が低く、かつ、スラグ13の塩基度が低塩基度であるため、スラグ13を脱燐専用転炉11の内張りの表面に付着させることができない。したがって、損傷した内張りを補修して転炉炉寿命の延長を図るためには、定期的に焼付け材等を用いた補修を行う必要がある。このため、補修費用が増加するとともに補修された焼付け材の耐用性が不足するといった課題があった。
【0006】
また、溶銑を低温で処理するために脱燐専用転炉11の内面に低塩基度スラグおよび地金14が多量に付着するため、引き続いて脱炭吹錬を行うと、多量に付着した低塩基度スラグおよび地金14が溶解してスラグ量が増加する。このため、スロッピング等の異常反応が発生してしまい、吹錬続行が困難となったり出鋼作業自体も不可能になってしまう。
【0007】
本発明の目的は、溶銑脱燐を行う脱燐専用転炉等の脱燐専用炉を、補修費用の増加や補修部の耐用性の不足を伴うことなく、確実に補修することができる脱燐専用炉のスラグコーティング方法を提供し、これにより、脱燐専用炉の炉体寿命の延長を図るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、脱燐専用炉に対してスラグコーティングを行うことができない原因を詳細に検討した結果、下記(1)〜(3)項に起因することが判明した。
【0009】
(1)脱燐吹錬時のスラグ塩基度(CaO/SiO2 )が、通常操業時でも例えば2.0以下程度と著しく低下していること。
【0010】
(2)脱燐吹錬時の溶銑の処理温度が、脱燐操業を優先することから、低下していること。
【0011】
(3)脱燐吹錬を行った後に脱炭吹錬を行うと、脱燐専用転炉の内面に多量に付着した低塩基度スラグが溶解し、スラグ塩基度(CaO/SiO2 )がさらに低下してしまうこと。
【0012】
したがって、脱燐専用炉の内張りに確実にスラグコーティングを行うためには、高スラグ塩基度かつ高温度操業で脱燐吹錬を行うとともに、炉内に付着した低塩基度スラグの影響を受けないように脱炭吹錬を行う必要がある。
【0013】
そこで、本発明者はさらに検討を重ねた結果、脱燐専用炉に、処理すべき溶銑の全装入量のうちの一部の量を注銑して脱燐処理を行ってからこの脱燐処理を行われた溶銑を出湯した後、全装入量のうちの残りの量をこの脱燐専用炉に注銑して脱炭吹錬を行うという、いわば2段階注銑を行うことによって、吹錬時の脱燐専用炉の反応領域を通常位置よりも低下させることができ、また吹き抜け等の操業トラブルを生じることなく、脱燐専用炉内に付着した低塩基度スラグの溶解を効果的に抑制することが可能となり、これにより、この脱燐専用炉を用いて脱炭吹錬を行ってスラグコーティングを行うことができることを、知見した。
【0014】
また、本発明者は、スラグ塩基度およびMgO濃度についても、脱燐専用炉を用いた場合には低温で脱燐操業を行うため、通常の脱炭吹錬を行うほどに高塩基度化および高MgO濃度化する必要はなく、充分に耐用性を確保できることを、知見した。
【0015】
さらに、本発明者は、このようにして脱炭吹錬を終了した溶鋼を、脱燐処理を行われて出湯された溶銑の上に出鋼することにより、この溶銑を次のチャージにおける脱炭炉用溶銑として用いることができ、これにより、成分調整や操業阻害なく脱炭吹錬を行うことができることを知見した。
【0016】
本発明は、これらの新規かつ重要な知見に基づいてなされたものである。
【0017】
本発明は、溶銑予備処理における脱燐処理を脱燐専用炉を用いて行う際に、この脱燐専用炉に、処理すべき溶銑の全装入量Vのうち(1/2)V以上(2/3)V以下の量V1を注銑して脱燐処理を行ってから該脱燐処理を行われた溶銑を出湯した後に、溶銑を出湯した脱燐専用炉に、全装入量Vの(1/3)V以上(1/2)V以下であって、かつ脱燐専用炉の炉口から炉床までの距離をH 0 (mm)とした場合に溶鋼バス深さが500(mm)以上(H 0 /2)(mm)以下となるように残りの量V2を注銑して脱炭吹錬を行い、脱炭吹錬後に炉内に残留するスラグを固化することによって、脱燐専用炉に対するスラグコーティングを行うことを特徴とする脱燐専用炉のスラグコーティング方法である。
【0018】
この本発明にかかる脱燐専用炉のスラグコーティング方法においては、脱燐専用炉が転炉であることが、例示される。
【0020】
また、これらの本発明にかかる脱燐専用炉のスラグコーティング方法においては、脱炭吹錬におけるスラグが、塩基度(CaO/SiO2 )が2.5以上3.5以下であるとともに、MgO濃度が3〜5質量%であることが、望ましい。
【0021】
また、これらの本発明にかかる脱燐専用炉のスラグコーティング方法においては、脱炭吹錬の終点温度が、1640℃以下であることが、望ましい。
【0022】
また、これらの本発明にかかる脱燐専用炉のスラグコーティング方法においては、スラグコーティングが、脱炭吹錬後に炉内に残留する溶融スラグに冷材を10(kg/T)以上投入することによってスラグを急冷し、これにより、この溶融スラグを固化することによって行われることが、望ましい。
【0023】
また、これらの本発明にかかる脱燐専用炉のスラグコーティング方法においては、冷材がレンガ屑であることが、望ましい。
【0024】
また、これらの本発明にかかる脱燐専用炉のスラグコーティング方法においては、冷材を投入した後、10分間以上240分間以下の養生を行うことが、望ましい。
【0025】
また、これらの本発明にかかる脱燐専用炉のスラグコーティング方法においては、脱燐処理を行われて出湯された溶銑の上に、脱炭処理を行われた溶銑を出湯することが、望ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる脱燐専用炉のスラグコーティング方法の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以降の実施の形態の説明では、脱燐専用炉が脱燐専用転炉である場合を例にとる。
【0028】
図1は、本実施の形態のスラグコーティング法を模式的に示す説明図である。同図に示すように、本実施形態では、脱燐専用転炉1を用いて溶銑予備処理における脱燐処理を行う際に、処理すべき溶銑2の全装入量Vのうちの一部の量V1 の溶銑2aを注銑して脱燐処理を行った後にこの脱燐処理を行われた溶銑2aを出湯する第1の工程と、この第1の工程の後全装入量Vのうちの残りの量V2 の溶銑2bを注銑して脱炭吹錬を行う第2の工程とを行うという、いわば2段階注銑を行う。そこで、これら第1の工程および第2の工程について、順次説明する。
【0029】
(第1の工程)
第1の工程として、この脱燐専用転炉1に、取鍋3に収容された処理すべき溶銑2の全装入量Vのうちの一部の量V1 を注銑して脱燐処理を行った後、この脱燐処理を行われた溶銑を、脱燐専用転炉1から取鍋4へ出湯する。
【0030】
ここで、全装入量Vのうちの一部の量V1 とは、(1/2)V以上(2/3)V以下を満足することが、望ましい。すなわち、この一部の量V1 が(1/2)V未満であると脱燐専用転炉1を用いた脱燐吹錬を行うことができなくなり、一方、この一部の量V1 が(2/3)Vを超えると、次チャージで普通銑のスラグコーティングを行うことができなくなるからである。
【0031】
脱燐専用転炉1への注銑手段や、脱燐専用転炉1からの出湯手段等のその他の条件は、この種の脱燐専用転炉1の操業の際の周知慣用の手段によればよいため、ここでは説明を省略する。
【0032】
なお、取鍋4に出湯された溶銑2aは、このままの状態で取鍋5に出湯されるまで待機する。
本実施形態では、このようにして第1の工程が行われる。
【0033】
(第2の工程)
第2の工程として、この第1の工程の終了後、すなわちこのようにして脱燐処理を行われた溶銑2aを出湯して空となった脱燐専用転炉1に、全装入量Vのうちの残りの量V2 の溶銑2bを注銑して脱炭吹錬を行うことによって、脱燐専用転炉1に対するスラグコーティングを行う。
【0034】
ここで、全装入量Vのうちの残りの量V2 とは、前述したように一部の量V1 が(1/2)V以上(2/3)V以下であることから、(1/3)V以上(1/2)V以下である。
【0035】
また、この残りの量V2 は、脱燐専用転炉1の炉口から炉床までの距離をH0 (mm)とした場合に溶鋼バス深さHX (mm)が500(mm)以上(H0 /2)(mm)以下を満足することが、望ましい。溶鋼バス深さHX が500(mm)未満であると吹き抜け等の操業阻害要因を生じ、操業できなくなる。一方、溶鋼バス深さHX は、残りの量V2 が(1/3)V以上(1/2)V以下である場合には、当然に(H0 /2)(mm)以下となる。
【0036】
ここで、脱燐専用転炉1の炉口から炉床までの距離H0 は、通常、2500(mm)以上15000(mm)以下である。
【0037】
また、この脱燐専用転炉1に対するスラグコーティングは、脱炭吹錬後に炉内に残留するスラグを固化することにより、行われる。このスラグの固化は、スラグに、例えば、スクラップ、レンガ屑および型銑のうち少なくとも1種からなる冷材を10(kg/T)以上投入してスラグを急冷することにより、行うことが、スラグコーティングのための養生時間を短縮するために望ましい。このスラグコーティングのための養生時間は、冷材を投入した後、例えば、約10分間以上240分間以下程度が例示される。
【0038】
スラグコーティングは、脱燐専用転炉1の装入側、出鋼側および炉床のいずれの部位においても行われ、脱燐専用転炉1の略全域において充分に行われる。
【0039】
このように、第1の工程における注銑量V1 および第2の工程における注銑量V2 をそれぞれ最適な値に制御することによって、吹錬中の脱燐専用転炉1における反応領域を通常位置よりも低下させることができるとともに、吹き抜け等の操業トラブルを伴うことなく脱燐専用転炉1に付着しているスラグの過剰な溶解を抑制することが可能となる。
【0040】
このため、本実施形態によれば、吹き抜け等の操業トラブルを生じることなく、脱燐吹錬後の脱燐専用転炉1を用いて脱炭吹錬を行うことが可能となり、脱燐専用転炉1の内張りにスラグコーティングを確実に行うことが可能となる。
【0041】
また、脱燐専用転炉1を用いたこの脱炭吹錬におけるスラグ塩基度(CaO/SiO2 )は2.5以上3.5以下であるとともに、MgO濃度は3質量%以上5質量%以下であることが望ましい。すなわち、スラグ塩基度(CaO/SiO2 )およびMgO濃度についても、低温の脱燐操業であるため、通常の脱炭吹錬を行うほどの高塩基度化および高MgO濃度化を図る必要がなく、スラグ塩基度(CaO/SiO2 ):2.5以上3.5以下およびMgO濃度:3質量%以上5質量%以下であっても、脱燐専用転炉1に形成されるスラグコーティングの耐用性を十分に確保することができる。
【0042】
また、この脱炭吹錬の終点温度は1640℃以下であれば、脱燐専用転炉1内に付着した低塩基度スラグの溶解による塩基度低下を抑制できるため、望ましい。同様の観点から、脱炭吹錬の終点温度は、1600℃以上1620℃以下であることがさらに望ましい。
【0043】
本実施形態では、このようにして、脱燐専用転炉1を用いて、高塩基度および高温度操業を行って脱炭吹錬を行い、さらに炉内付着スラグの影響を受けない脱炭吹錬を行うことができ、脱燐専用転炉1の内張りにスラグコーティングを行うことが可能となる。
【0044】
本実施形態では、このようにして第2の工程が行われる。
本実施形態では、このようにして、脱燐専用転炉を用いて脱炭吹錬を終了した後、脱燐処理を行われた溶銑2aを、取鍋4から取鍋5へ出湯した後、取鍋5に受銑された溶銑2aの上に、脱炭処理を行われた溶銑2bを出鋼する。
【0045】
取鍋5に収容された溶銑2a、2bは、次工程の脱炭炉6へ供給する。
【0046】
いずれにしても、本実施の形態により、操業阻害なく、脱炭吹錬を行うことが可能となる。
【0047】
溶銑の脱燐反応は低温であるほど有利であるが、本実施形態では、脱燐専用転炉1を用いて溶銑の脱燐を行うために低温出銑操業が可能であるために、脱燐特性が向上し、媒溶剤の使用量を削減することができる。
【0048】
また、本実施形態では、媒溶剤の使用量を削減できることから、溶鋼の清浄度の低下を抑制することもできる。
【0049】
また、本実施形態では、脱燐吹錬と脱炭吹錬とを同時に行わないため、同時に行うことにより誘発されるスロッピング等の操業阻害や、耐火物溶損等を解消できる。
【0050】
このように、本実施形態にかかる脱燐専用転炉1のスラグコーティング方法により、溶銑脱燐を行う脱燐専用転炉1を、補修費用の増加や補修部の耐用性の不足を伴うことなく、確実に補修することができる。
【0051】
【実施例】
さらに、本発明にかかる脱燐専用転炉のスラグコーティング方法を、実施例を参照しながらより具体的に説明する。
【0052】
図1に示す本発明にかかる方法により脱燐専用転炉1の装入側にスラグコーティングを行った場合(本発明例)と、焼き付け材等を用いた補修を行った場合とについて、耐用性およびレンガ厚み推移を調査した。耐用性の調査結果を、図2に指数化してグラフで示すとともに、レンガ厚み推移を図3にグラフで示す。なお、図2において、(C/S)はスラグ塩基度(CaO/SiO2 )を示す。また、表1には、図2における二つの本発明例のスラグコーティング組成を示す。
【0053】
【表1】
【0054】
図2および図3のグラフから、本発明例のスラグコーティングの耐用性は、従来例の焼き付け材を用いた補修の約3倍強に達しており、本発明により脱燐専用転炉1の炉体寿命の改善が図れたことがわかる。
【0055】
また、図2に示すグラフから、スラグ塩基度(CaO/SiO2 )およびMgO濃度は、いずれも、高濃度であっても耐用指数の向上は認められず、本発明の範囲(スラグ塩基度(CaO/SiO2 ):2.5以上3.5以下、MgO濃度:3質量%以上5質量%以下)で十分に耐用性を向上できることがわかる。
【0056】
また、出鋼温度の影響を図4にグラフで示す。図4に示すグラフから、出鋼温度の上昇とともにスラグ塩基度が低下し、これにより、炉内付着スラグの溶解量が増加することがわかる。このため、出鋼温度、すなわち脱炭吹錬の終点温度は、1640℃以下であることが望ましいことがわかる。
【0057】
さらに、図5には、本発明例および従来例の双方についての耐火物コストを指数化して示す。
【0058】
図5にグラフで示すように、本発明例によれば、脱燐専用転炉1において脱炭吹錬スラグによるコーティングを行うため、耐火物溶損が従来例よりも著しく抑制され、耐火物寿命の延長による補修費用の40%弱の削減を図ることができた。
【0059】
また、本発明例により脱燐専用転炉1の寿命が改善されて長期間にわたって操炉が可能となったため、予備処理比率の向上が図られ、スラグの低減を図ることもできた。
【0060】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明により、溶銑脱燐を行う脱燐専用転炉等の脱燐専用炉を、補修費用の増加や補修部の耐用性の不足を伴うことなく、確実に補修することができる脱燐専用炉のスラグコーティング方法を提供することができ、これにより、脱燐専用炉の炉体寿命の延長を図ることができた。
かかる効果を有する本発明の意義は、極めて著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態のスラグコーティング法を模式的に示す説明図である。
【図2】実施例における耐用性の調査結果を指数化して示すグラフである。
【図3】実施例におけるレンガ厚み推移を示すグラフである。
【図4】実施例における出鋼温度の影響を示すグラフである。
【図5】本発明例および従来例の双方についての耐火物コストを指数化して示すグラフである。
【図6】脱燐専用転炉を用いて溶銑脱燐を行う状況を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 脱燐専用転炉
2 処理すべき溶銑
2a 量V1 の溶銑
2b 量V2 の溶銑2b
3、4、5 取鍋
6 脱炭炉
Claims (8)
- 溶銑予備処理における脱燐処理を脱燐専用炉を用いて行う際に、
該脱燐専用炉に、処理すべき溶銑の全装入量(V)のうち(1/2)V以上(2/3)V以下の量(V1)を注銑して脱燐処理を行ってから該脱燐処理を行われた溶銑を出湯した後に、当該溶銑を出湯した前記脱燐専用炉に、前記全装入量(V)の(1/3)V以上(1/2)V以下であって、かつ前記脱燐専用炉の炉口から炉床までの距離をH 0 (mm)とした場合に溶鋼バス深さが500(mm)以上(H 0 /2)(mm)以下となるように残りの量(V2)を注銑して脱炭吹錬を行い、脱炭吹錬後に炉内に残留するスラグを固化することによって、該脱燐専用炉に対するスラグコーティングを行うこと
を特徴とする脱燐専用炉のスラグコーティング方法。 - 前記脱燐専用炉は転炉である請求項1に記載された脱燐専用炉のスラグコーティング方法。
- 前記脱炭吹錬におけるスラグは、スラグ塩基度(CaO/SiO 2 )が2.5以上3.5以下であるとともに、MgO濃度が3〜5質量%である請求項1または請求項2に記載された脱燐専用炉のスラグコーティング方法。
- 前記脱炭吹錬の終点温度は、1640℃以下である請求項3に記載された脱燐専用炉のスラグコーティング方法。
- 前記スラグコーティングは、前記脱炭吹錬後に炉内に残留するスラグに冷材を10(kg/T)以上投入することによって該スラグを固化することにより、行われる請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された脱燐専用炉のスラグコーティング方法。
- 前記冷材はレンガ屑である請求項5に記載された脱燐専用炉のスラグコーティング方法。
- 前記冷材を投入した後、10分間以上240分間以下の養生を行う請求項5または請求項6に記載された脱燐専用炉のスラグコーティング方法。
- 前記脱燐処理を行われて出湯された溶銑の上に、前記脱炭処理を行われた溶銑を出湯する請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載された脱燐専用炉のスラグコーティング方法。
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