JP4555485B2 - チエーンガイド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸気カム軸と排気カム軸とを連動駆動するチェーンの走行を安定化させるためのチエーンガイドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、DOHC型直列多気筒エンジンのシリンダヘッドには、図3に示すように、吸気カム軸1と、該カム軸1で駆動される吸気弁2と、排気カム軸3と、該カム軸3で駆動される排気弁4とが設けられている。そして吸気カム軸1と排気カム軸3とは、コネクティングロッド7を介して各気筒のピストン8と連結されたクランク軸9に対し、チェーン5とスプロケット6a・6bとからなる同期機構10を介して連結されており、クランク軸9の1/2の回転速度で両カム軸1・3が同期駆動されるようになっている。
【0003】
さて、このような同期機構10においては、遠心力でチェーン5が外側に広がったり、経時変化でチェーン5が伸びたりすると、バルブタイミングを狂わせる要因となるので、チェーン5の両カム軸間に掛け渡された部分に適宜な手段をもって押圧力Tを作用させ、踊りや振れがチェーン5に生じないようにしている。
この押圧手段として、鋼板製のチェーンガイドをカムホルダに固定し、これをチェーンの両カム軸間に掛け渡された部分に摺接させるようにした構造が、例えば特開平9−273429号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記従来の技術にあっては、チェーンガイドは断面形状がI字状やクランク状をなし、一端が固定された片持ち梁の構造を採っている。従って、チェーンからの反力を受けるとチェーンガイドの遊端が上向きに撓み、チェーンガイドのチェーン接触面がチェーンピンの軸線(チェーンの走行面)に対して傾斜してしまう。その結果、チェーンに対するチェーンガイドの押圧力分布がチェーンピンの軸線方向について不均一になり、チェーンにねじれが生ずるおそれがあった。チェーンガイドの剛性を高めてチェーンガイドのチェーン接触面が撓まないようにすることも考えられるが、このようにすると、チェーンの反力がチェーンガイドを介してカムホルダに伝わるので、カム軸の軸受部に偏摩耗を生ずることが懸念される。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点を解消すべく案出されたものであり、その主な目的は、チェーンに対する押圧力分布がチェーンピンの軸線方向について不均一にならないようにすると共に、カム軸の軸受部に偏摩耗を生じさせるおそれの無いように改良されたチェーンガイドを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的を果たすために、本発明によるチェーンガイドは、吸気カム軸(1)と排気カム軸(3)とを連動させるチェーン(5)の走行を安定化させるためのチエーンガイド(11)の構成を、カムホルダに固定されるブラケット(14)と、チェーン延在方向の両端に設けられた支持部(15a)でブラケットに支持されたチェーン接触シュー(15)とを有するものとし、前記チェーン接触シューを、チェーン延在方向およびチェーンピンの軸線方向に対して直交する向きについて撓曲可能なものとした。これによれば、チェーン接触シューのチェーン接触面がチェーンピンの軸線に対して傾斜することが抑制される。しかもチェーンの反力がカムホルダに伝わることが抑制されるので、カム軸受に偏摩耗を生じる心配もない。
【0007】
また、本発明によるチェーンガイドは、前記ブラケットを、カム軸の軸受(12)が設けられたカムホルダ(13)に強固に結合される金属材からなるものとした。これにより、カムホルダの剛性向上に寄与すると共に、ブラケット自体の剛性も高まる。
【0008】
そして、前記チェーン接触シューを、そのチェーン接触面と支持部との間に金属製の板ばね(18)の両端部を支持した合成樹脂材からなるものとした。これにより、チェーン接触シューの弾発力の設定が容易となり、しかもチェーンガイドとチェーンとが金属接触しないので、騒音の低減や潤滑に有利である。
【0009】
さらに、本発明によるチェーンガイドは、、チェーン接触シューの支持部をブラケットに対してピン(19)をもって支持させると共に、ブラケットに対するピンの結合部をカムホルダ側に設けるものとした。これにより、チェーン接触シューの結合部がチェーンケース側へ突出しないのでチェーンケースの小型化に有利である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面を参照して本発明について詳細に説明する。
【0011】
図1並びに図2は、本発明に基づき構成されたチェーンガイドを示している。
このチェーンガイド11は、吸気カム軸1と排気カム軸3とを連動させるチェーン5の走行を安定化させるためのものであり、吸気カム軸1並びに排気カム軸3のスプロケット取り付け側の軸端を支持する軸受12が設けられたカムホルダ13に固定されるブラケット14と、チェーン延在方向の両端に設けられた支持部15aで該ブラケット14の前面に取り付けられるチェーン接触シュー15とからなっている。
【0012】
ブラケット14は、鋼板からなり、基本的な断面形状がL字状をなし、その水平部14hが、カムホルダ締結ボルト16を用いてカムホルダ13の上面にカムホルダ13と共締めにて固定されている。これにより部品点数の増加を抑制している。なお、このブラケット14は、適宜にリブ17を設けることで剛性が高められている。
【0013】
チェーン接触シュー15は、合成樹脂材からなり、その中央が下向きに凸となるように湾曲させられると共に、チェーン接触面と両端の支持部15aとの間に、金属製の板ばね18の両端部を支持してなるものであり、ブラケット14の垂直部14vにピン19をもって両端の支持部15aが支持されている。そして、吸・排気両カム軸1・3間に掛け渡されたチェーン5の上面にチェーン接触シュー15の下面が摺接するようにされている。これによると、金属製の板ばね18を介在させているので、チェーン接触シュー15の弾発力の設定が容易となり、しかもチェーンガイド11がチェーン5と金属接触しないので、騒音の低減や潤滑に有利である。
【0014】
ここでピン19は、ブラケット14の垂直部14vに対し、カムホルダ13側から螺着したナット22をもって片持ち式に固定されているが、ピン19の頭部とブラケット14の垂直部14vの前面との間に挟まれたチェーン接触シュー15の支持部15aに対して締め付け力が作用しないように各部の寸法が定められている。つまり、ピン19に対して支持部15aの回転が許容されるようになっており、チェーン接触シュー15の撓み変形が阻害されないようになっている。
また、上記構造によると、ブラケット14に対するピン19の結合部(ナット22の締め付け位置)がカムホルダ13側に位置しており、チェーン接触シュー15が図示されていないチェーンケース側へ突出しないので、チェーンケースの小型化に寄与している。
【0015】
さて、従来のカム間チェーンガイドは、カムホルダ等のようにシリンダヘッドと一体をなす部分に単純な板材の一端を固定し、その遊端に設けたシューをチェーンに摺接させたものであった。これに対し、本発明は、チェーンピン21の軸線方向から見て、その中央部が下向きに凸となる湾曲形状をなす板ばね18を支持したチェーン接触シュー15をチェーン5に摺接させるものとしている。
【0016】
これによると、チェーン接触シュー15の下向きに凸とされた湾曲面15rがチェーン5に摺接しており、チェーン5の走行による発生する上向きの力は、チェーン接触シュー15の板ばね18の弾発力により受け止められる。この弾発力によってチェーン5の張力が適正に保たれ、チェーン5に踊りや振れが生ずることが防止される。しかもチェーン5の反力がカムホルダ13に伝わることも抑制されるので、カム軸の軸受12に偏摩耗が生じる心配もない。
【0017】
ここでチェーン接触シュー15は、両端がピン19で単純支持された梁の形を取っているので、チェーン5からの反力がその中央部に作用すると、チェーン接触シュー15がチェーン延在方向およびチェーンピン21の軸線方向に対して直交する向きについて撓み、チェーン5との接触面が上下に平行移動する。従って、チェーン5上でのチェーンピン21の軸線方向についての押圧力分布が常に均一となるので、チェーン5にねじれを生ずることがない。
【0018】
なお、上記実施例においては、チェーンガイド11のチェーン5との接触面に合成樹脂製部材を介在させるものとしたが、これは金属製の板ばね18が直接チェーン5に接触するようにしても良い。また、金属製の板ばね18を介設せずに合成樹脂材の弾発力だけがチェーン5に作用するように構成しても良い。さらに、板ばね18の支持構造としては、上記の如くチェーン接触シュー15のチェーン接触面と両端の支持部15aとの間に挟み込んだ構造のみならず、チェーン接触シュー15にインサートモールドしたものであっても良い。
【0019】
【発明の効果】
以上詳述した通り本願請求項1の発明によれば、チェーン接触シューがチェーンを押圧した場合、チェーンからの反力はチェーン接触シューの上下方向の撓みで吸収されるため、ブラケット部分に作用する曲げモーメントを極めて小さくすることができる。従って、チェーンピンの軸線に対してチェーン接触シューが傾くことに基因するねじれがチェーンに生ずることを皆無にする上に大きな効果を奏することができる。しかもチェーンの反力がカムホルダに伝わることを抑制し、カム軸の軸受に偏摩耗が生じることを防止する上にも効果的である。
【0020】
また請求項2の発明によれば、カムホルダの剛性向上並びにカムホルダ自体の剛性向上に寄与するところ大であることはもとより、板ばねの弾性を利用することで走行中に発生するチェーンの振動をより一層高効率に吸収し得るので、従来の構成に比してチェーン張力を積極的に加えることができ、しかもチェーンと金属接触しないので、騒音の低減や潤滑に有利である。
【0021】
さらに請求項3の発明によれば、チェーン接触シューのチェーンケース側への突出量を最低限に抑えられるので、チェーンケースを小型化する上に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたカム軸同期機構の要部正面図
【図2】図1中のII−II線に沿う断面図
【図3】本発明が適用されるべきエンジンの要部斜視図
【符号の説明】
1 吸気カム軸
3 排気カム軸
5 チェーン
6 スプロケット
11 チェーンガイド
13 カムホルダ
14 ブラケット
15 チェーン接触シュー
18 板ばね
21 チェーンピン
Claims (2)
- 吸気カム軸と排気カム軸とを連動させるチェーンの走行を安定化させるためのチエーンガイドであって、
断面形状がL字をなし、カムホルダに片持ち式に固定されたブラケットと、チェーン延在方向の両端に設けられた支持部で前記ブラケットに支持されたチェーン接触シューとを有し、
前記チェーン接触シューは、チェーン延在方向およびチェーンピンの軸線方向に対して直交する向きについて撓曲可能なものであり、
前記チェーン接触シューの前記支持部が、前記ブラケットに対してピンをもって支持されていると共に、前記ピンは、前記ブラケットに対し、前記カムホルダ側から螺着したナットをもって固定され、前記ピンに対して前記支持部の回動が許容されることを特徴とするチェーンガイド。 - 前記ブラケットは、前記カム軸の軸受が設けられたカムホルダに強固に結合される金属材からなるものであり、前記チェーン接触シューは、そのチェーン接触面と前記支持部との間に金属製の板ばねの両端部を支持した合成樹脂材からなるものであることを特徴とする請求項1に記載のチェーンガイド。
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- 2001-01-17 JP JP2001008568A patent/JP4555485B2/ja not_active Expired - Fee Related
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