JP4554966B2 - 水素ガス充填方法及び水素ガス充填装置 - Google Patents

水素ガス充填方法及び水素ガス充填装置 Download PDF

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Description

本発明は、水素ガス充填方法及び水素ガス充填装置に係り、詳しくは水素自動車に搭載される水素タンクのような小型の水素タンクに、大型の水素タンクから水素ガスを充填するのに好適な水素ガス充填方法及び水素ガス充填装置に関する。
近年、地球温暖化を抑制する意識が高まり、特に車両から排出される二酸化炭素の低減を目的として燃料電池電気自動車や水素エンジン自動車等の水素を燃料とした水素自動車の開発が盛んである。水素自動車としては、水素供給源として水素ガスが充填された水素タンク(水素ボンベ)を搭載するものが一般的である。
水素自動車は、現状ではガソリン車やLPガス車等と比較すると、燃料タンクの体積及び重量が大きく、満タン状態からの走行距離が短い。そのため、水素タンクへの水素充填率を高めることにより、水素タンクの体積当たりの走行距離を延ばすことが求められている。
水素タンクへの水素ガスの充填は、水素ステーションと呼ばれるガソリンスタンドやLPガススタンドに対応する設備で行われる。図8に示すように、水素ステーションは、複数本のボンベ41aからなる水素カードル41と、一端が水素カードル41に連結され、他端にカプラ42を備えた配管43と、配管43の中間部に設けられたバルブ44とを備えている。そして、カプラ42を車両45に搭載された水素タンク46への充填口に連結した状態でバルブ44を開放して、水素カードル41と水素タンク46の圧力差により、水素タンク46に水素ガスを充填する。
ところが、水素タンク46に水素ガスを充填する場合、断熱圧縮により水素タンク46内の水素ガスの温度が上昇する。水素タンク46の容量は一定であるため、気体の状態方程式PV=zGRT(P:水素タンク46の充填圧力,V:水素タンクの内容積,z:圧縮係数,G:水素のモル数,R:気体定数)が成り立つと、PVが一定で水素タンク46内温度Tが高くなり、水素充填量(水素のモル数G)が減る。
水素ガスの充填時、水素カードル41では水素ガスが断熱膨張されることにより温度が降下するが、水素カードル41の熱容量が大きいため、温度降下は小さい。また、水素ガスが配管43を流れる間に外部の空気により暖められて車両側で水素タンク46内に入る水素ガスの温度は外気温近くに戻ってしまう。
また、高圧ガスをエアバック用インフレータのガスカートリッジ(容器)に充填する際、要求される充填圧力が数十MPaに達し、コンプレッサーの吐出口から直接充填する方法ではコストが極めて高くなるという問題を解消するため、高圧ガスをバッファ容器を介して間接的に充填する方法が提案されている(特許文献1参照。)。この方法では、バッファ容器が調温、調圧手段を備え、バッファ容器で調温、調圧された高圧ガスを、バッファ容器内の圧力と容器内の圧力との差を利用して容器内に注入する。そのため、コンプレッサーの吐出性能に直接左右されることなく、高圧ガスを短時間で充填できると述べられている。
特開2003−148693号公報(明細書の段落[0017]、[0018]、図1)
ところが、特許文献1に記載の方法では、コンプレッサーから吐出された高圧ガスをバッファ容器内で調温、調圧した後、容器とバッファ容器の圧力差により高圧ガスを容器内に充填する。従って、容器の内容積とバッファ容器の内容積が同じであれば、1度の調温、調圧で充填するためには、バッファ容器の圧力を容器に充填すべき圧力の2倍以上にする必要があり、バッファ容器として耐圧性が容器の2倍以上高いものが必要になる。バッファ容器の耐圧性を容器と同程度にすると、バッファ容器の容積を容器のn倍にすれば圧力は(n+1)/n倍となる。例えば、圧力が1.2倍では、バッファ容器の内容積は容器の5倍以上のものが必要になる。エアバッグ用のインフレーターのように小型の容器では問題は少ないが、燃料電池自動車で用いられる高圧水素容器ではバッファ容器の圧力を高くすれば高圧化のためのエネルギー消費が大きく、トータルの燃料効率が下がってしまう。そのため、バッファ容器の圧力は充填に必要な差圧を確保するにとどまり、例えば35MPaの容器に充填するには40MPa程度の最低圧力を確保するよう41〜45MPaにバッファ圧力が設定されている。そのためにバッファ容器の容積は大きく、調温・調圧手段の設置が困難である。また、一般にバッファ容器は細長いタンクを集合したカードル方式が採用されており、表面積が大きく外気から容易に熱が進入するため調温・調圧手段を設置しても意味をなさない。即ち、バッファ容器として容器と同程度の内容積、耐圧性のものを使用する場合は、バッファ容器内での調温、調圧を何度も行う必要があり、充填の制御が面倒になる。
また、特許文献1の方法では、充填前にバッファ容器に高圧ガスを充填する際に断熱圧縮が行われることにより温度上昇した分だけ余分に調温手段で冷却する必要があり、調温手段として外気を利用した簡単な冷却手段では短時間での調温が難しいという問題もある。
本発明は前記の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、水素ガスを充填すべき水素タンク側に冷却装置を設けることなく、該水素タンクの温度上昇を従来の充填方法より抑制でき、水素充填量を多くすることができる水素ガス充填方法及び水素ガス充填装置を提供することにある。
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、水素ガスが充填されたメインタンクと、前記メインタンク内の水素ガスを充填すべき水素タンクとの間に予備タンクを設ける。そして、先ず前記予備タンクから前記水素タンクに予備タンクと水素タンクとの圧力差によって水素ガスを充填し、次に前記予備タンク内の水素ガスの断熱膨張により冷却された冷熱を利用してメインタンクから水素ガスを冷却して前記水素タンクに充填する。
この発明では、メインタンクから水素ガスを充填すべき水素タンクへ直接水素ガスを充填するのではなく、予め予備タンクに充填された水素ガスが、先ず予備タンクと水素タンクとの圧力差によって水素タンクに充填される。この充填時に、水素タンク内では水素ガスの断熱圧縮により温度が上昇する。一方、予備タンク内では水素ガスが断熱膨張することにより、水素ガス及び予備タンクが冷却される。次に、メインタンクから水素ガスが、前記冷却された予備タンクの冷熱により冷却されて水素タンクに充填される。従って、メインタンクから直接水素タンクに水素ガスを充填する方法に比較して、所定の充填圧力まで水素ガスが充填された際の温度上昇が抑制され、水素充填量を多くすることができる。
請求項2に記載の発明は、水素ガスが充填されたメインタンクと、前記メインタンクに第1の配管を介して連結された予備タンクと、前記予備タンク水素ガスを充填すべき水素タンクとの圧力差によって前記予備タンクから前記水素タンクに水素ガスを導く第2の配管と、前記予備タンクに装備され、予備タンク内の水素ガスを熱交換により冷却する第1の冷却手段と、前記予備タンクに装備され、前記メインタンクから前記水素タンクに供給される水素ガスを、前記予備タンクから前記水素タンクへの水素ガスの充填に伴って冷却された予備タンク自身及び予備タンク内に存在する物質の少なくとも一方との熱交換により冷却する第2の冷却手段とを備えた。ここで、「予備タンク内に存在する物質」とは、一般に水素ガスを意味するが、予備タンクが水素吸蔵合金を内蔵している場合は水素吸蔵合金も含む。
この発明では、第1の配管を介してメインタンクから予備タンク内に予め水素ガスが充填される。その際、水素ガスの断熱圧縮により予備タンク内の水素ガスの温度が上昇するため、第1の冷却手段により冷却される。水素タンクに水素ガスを充填する場合は、第2の配管を水素タンクと連通させ、予備タンクと水素タンクとの圧力差によって、第2の配管を介して水素タンクに水素ガスが充填される。この充填時に、予備タンク内では水素ガスが断熱膨張することにより、水素ガス及び予備タンクが冷却される。次に、メインタンクから水素ガスが、第2の冷却手段により、予備タンク自身及び予備タンク内に存在する物質の少なくとも一方との熱交換により冷却されて水素タンクに供給される。従って、メインタンクから直接水素タンクに水素ガスを充填する装置に比較して、所定の充填圧力まで水素ガスが充填された際の温度上昇が抑制され、水素充填量を多くすることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記予備タンクは断熱されている。従って、この発明では、予備タンクが断熱されていない場合に比較して、水素タンクへの水素充填量を多くすることが可能となる。なぜならば、予備タンクが断熱されていない場合には、予備タンクと水素タンクとの圧力差によって水素タンクに水素ガスを充填する際、予備タンク内の水素ガスの断熱膨張により予備タンク及び予備タンク内の水素ガスが冷却されるが、外気により暖められて、冷却効果が低くなる。しかし、予備タンクが断熱されている場合は、断熱膨張により冷却された分が、その後にメインタンクから水素ガスを水素タンクに供給する際に有効に利用されるからである。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記予備タンク内には水素吸蔵合金が収容されている。この発明では、予備タンクと水素タンクとの圧力差によって水素タンクに水素ガスを充填する際、予備タンク内に充填された水素吸蔵合金から水素の放出が行われる。従って、予備タンク内での水素ガスの断熱膨張による冷却に加えて、水素吸蔵合金の水素放出時の吸熱反応による冷却が行われる。その結果、メインタンクから水素タンクへの水素ガスの供給を開始する際の水素温度を低くすることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記第1の冷却手段は、外気との熱交換を行うラジエータを備えている。この発明では、第1の冷却手段は冷媒を循環させるだけで、冷媒の冷却は外気により行われる。従って、冷媒を積極的に冷却する冷凍手段を設ける場合に比較して構成が簡単になる。
本発明によれば、水素ガスを充填すべき水素タンク側に冷却装置を設けることなく、該水素タンクの温度上昇を従来の充填方法より抑制でき、水素充填量を多くすることができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を水素自動車の燃料タンクに水素ガスを充填する水素ガス充填装置に具体化した第1の実施の形態を図1〜図4に従って説明する。図1は水素ガス充填装置の概略構成図であり、図2及び図3(a),(b)は作用を説明する模式図である。図4は水素ガス充填時の温度及び圧力の変化を示すグラフである。
図1に示すように、水素ガス充填装置11は、水素ガスが充填されたメインタンクとしての水素カードル12と、予備タンク13とを備えている。水素カードル12は複数のボンベ12aを配管(図示せず)で連結された構成となっている。図1では便宜上ボンベ12aを3本図示しているが、ボンベ12aの本数は例えば10本以上である。各ボンベ12aには満充填状態において所定圧力(例えば、44MPa)に水素ガスが充填されている。
予備タンク13は第1の配管14を介して水素カードル12に連結されている。第1の配管14には第1バルブV1が設けられている。予備タンク13は、水素自動車15の燃料タンクとしての水素タンク16に水素ガスを導く第2の配管17に連結されている。第2の配管17の先端にはカプラ18が設けられ、第2の配管17の途中には第2バルブV2が設けられている。
水素自動車15には水素タンク16が複数(例えば3本)搭載されている。各水素タンク16は、カプラ18を介して第2の配管17に連結される配管19から分岐された分岐配管(図示せず)に連結され、配管19から各水素タンク16に同時に水素ガスの充填が可能になっている。各水素タンク16には満充填状態において所定圧力(例えば、35MPa)に水素ガスが充填されるようになっている。
予備タンク13は、金属製容器で構成され、周囲が断熱材20で被覆されて断熱されている。予備タンク13には予備タンク13内の水素ガスを熱交換により冷却する第1の冷却手段21が設けられている。第1の冷却手段21は、冷媒が予備タンク13内を流れる部分と、予備タンク13の外部を流れる部分とからなる管路22と、管路22の断熱材20より外側部分に設けられたラジエータ23及びウォータポンプ24とを備えている。冷媒としては、例えば不凍液が混合された水(LLC(ロングライフクーラント))が使用されている。
第1の配管14の第1バルブV1より上流側と、第2の配管17の第2バルブV2より下流側との間には、水素カードル12内の水素ガスを水素タンク16へ供給する水素供給管路25が、予備タンク13を貫通する状態で設けられている。水素供給管路25は、水素カードル12から水素タンク16に供給される水素ガスを予備タンク13自身及び予備タンク13内に存在する水素の少なくとも一方との熱交換により冷却する第2の冷却手段を構成する。水素供給管路25の予備タンク13より上流側には第3バルブV3が設けられている。水素供給管路25の予備タンク13内に配置される部分には、板状のフィン26a(図3(b)にのみ図示)が固着されて熱交換器26が構成されている。第2の配管17は、少なくとも水素供給管路25との分岐部より下流側(カプラ18側)が可撓性を有するように形成されている。
第1バルブV1、第2バルブV2及び第3バルブV3には電磁弁が使用されている。各バルブV1,V2,V3及びウォータポンプ24は、図示しない制御装置からの指令で開閉あるいは駆動されるようになっている。
次に前記のように構成された水素ガス充填装置11の作用を説明する。
水素ガス充填装置11では、先ず、水素カードル12から予備タンク13へと水素ガスが充填される。充填は、第2バルブV2及び第3バルブV3が閉じられ、第1バルブV1が開放されることにより行われ、予備タンク13内の圧力が所定の圧力(例えば35MPa)になるまで行われる。このとき予備タンク13では水素ガスの断熱圧縮が行われるため、予備タンク13内の水素ガスの温度が上昇する。その温度上昇を抑制するためにウォータポンプ24が運転され、第1の冷却手段21により温度上昇した水素ガスが冷却される。冷媒の冷却は、ラジエータ23において外気との熱交換により行われ、水素ガスは外気温まで冷却される。この冷却は、水素タンク16への水素ガスの充填時までに完了して、水素ガス充填装置11は、予備タンク13内の水素ガスの温度が外気と同じ状態で、各バルブV1,V2,V3が閉じた状態で待機する。
水素タンク16が空に近づくと(例えば、内圧が0.1MPa程度になると)、水素タンク16への水素ガスの充填が行われる。水素充填時には、図1に示すように、カプラ18が水素自動車15の配管19に結合され、第2の配管17と配管19とが連結される。その状態から、第2バルブV2が開かれて、予備タンク13内の水素ガスが予備タンク13と水素タンク16との圧力差によって、第2の配管17及び配管19を介して水素タンク16に充填される(第1充填)。このとき、ウォータポンプ24は停止されている。
水素ガスが予備タンク13から水素タンク16へ圧力差によって充填される際、予備タンク13内では水素ガスの断熱膨張により水素ガスの温度が下がり、低温の水素ガスが水素タンク16に充填される。水素タンク16では断熱圧縮により水素ガスの温度が上昇するが、前記冷却された水素が予備タンク13から供給されるため、水素ガスの温度上昇が抑制される。水素タンク16へは予備タンク13と水素タンク16との圧力差によって水素ガスが充填されるため、圧力が釣り合った状態で充填が止まる(第1充填終了)。第1充填終了段階で、予備タンク13内には断熱膨張により冷えた水素ガスが存在し、予備タンク13も冷却された状態にある。
次に第2バルブV2が閉じられた後、第3バルブV3が開かれて、水素カードル12内の水素ガスが水素供給管路25を介して水素タンク16へ供給(充填)される(第2充填)。水素供給管路25は予備タンク13の内部を通過し、当該部分に熱交換器26が存在するため、水素ガスは予備タンク13内の水素ガスとの熱交換で冷却されて水素タンク16に充填されるため、水素タンク16に充填される水素ガスの温度上昇が抑制される。水素タンク16内の圧力が所定の圧力(例えば、35MPa)に達した時点で、第3バルブV3が閉じられて第2充填が終了する。そして、カプラ18と配管19との結合が解除される。
水素ガスの充填終了後、次の充填に備えて、第1バルブV1が開かれて水素カードル12から予備タンク13へ水素ガスが充填される。このとき、予備タンク13内に断熱圧縮による熱が発生するが、前記のようにウォータポンプ24を運転することで、次の水素タンク16への充填時までにラジエータ23を介して外気温まで冷却される。
次に理想気体をモデルにして、予備タンク13が存在せず水素カードル12から水素タンク16へ直接充填する従来技術に相当する場合(以下、比較例と言う。)の水素タンク16の温度変化及び圧力変化と、第1充填及び第2充填の場合の水素タンク16の温度変化及び圧力変化とを説明する。
モデルとして、水素カードル12、予備タンク13及び水素タンク16は、熱容量ゼロの完全に断熱された円筒形圧力容器とする。
先ず、比較例の場合について説明する。図2に示すように、水素カードル12及び水素タンク16のシリンダの内側には熱容量ゼロの断熱性の仮想的なピストン12b,16aがあり、充填時にピストン12b,16aは図2において右側へ移動する。水素タンク16ではピストン16aの右側にあるガスを圧縮し、その背後は真空にする。一方、水素カードル12側では水素タンク16の真空部分にガスを送り込み、その背後のガスが膨張する。水素カードル12と水素タンク16との間には、水素ガスを水素タンク16に送るための配管27とバルブVとが存在する。
水素タンク16側では、断熱圧縮により残存水素が圧縮される。従って、PVγ=一定(圧縮係数γ=1.41)である。例えば、1/2に圧縮した場合は、以下のようになる。
γ=P’(V/2)γ・・・(1)
但し、Pは水素タンク16の初期の圧力、P’は水素タンク16の圧縮後の圧力、Vは水素タンク16の容積である。
’=P’V/(nR)であることから圧縮後の温度T’を求めることができる。同様にして、水素カードル12側についても断熱膨張により膨張後の温度T’が求められる。バルブVを開けて、水素カードル12から冷えたガスをピストン16aの背後の真空部分に流し込む。ピストン16aはシリンダの2つの部分が同一の圧力になるまで移動した後、実際の状況に合うように取り除かれ、温度が平均化される。水素ガスの熱容量から最終温度T”を求め、さらにP=nRT/Vを解いて最終圧力P”を求める。この時の圧縮熱Qは、次式から求められる。
=C(T−T)・・・(2)
但し、Cは水素熱容量、Gは水素充填量、Tは圧縮後の温度、Tは圧縮前の温度である。
このステップに従い、既に温まった水素タンク16内の水素ガスを圧縮してより高い圧力と温度にし、次に水素カードル12からの冷たい水素ガスと熱平衡させることを繰り返し、水素タンク16内のガス温度を求めた。
計算条件は次のとおりである。
水素カードル12の初期圧力Pは44MPa
水素タンク16の圧力Pは0.1MPaから15.4MPaに変化
水素カードル12の容積Vは320L
水素タンク16の容積Vは32L
水素カードル12の初期温度T及び水素タンク16の初期温度Tは共に20℃
繰り返し単位は1000NL/min
次に第1充填について説明する。この場合、図3(a)に示すように、予備タンク13から第2の配管17を介して水素ガスが水素タンク16へ充填される。この場合、水素カードル12が予備タンク13に変更され、計算条件が異なるだけで前記比較例の場合と同様にして計算できる。予備タンク13のシリンダの内側には熱容量ゼロの断熱性のピストン13aがあり、充填時にピストン13aは図3(a)において右側へ移動する。そして、充填時には予備タンク13側では水素タンク16の真空部分にガスを送り込み、その背後のガスが膨張する。
圧縮熱及び膨張熱の計算条件は次のとおりである。
予備タンク13の圧力Pは35MPaから15.4MPaに変化
水素タンク16の圧力Pは0.1MPaから15.4MPaに変化
予備タンク13の容積V及び水素タンク16の容積Vは共に32L
予備タンク13の初期温度T及び水素タンク16の初期温度Tは共に20℃
繰り返し単位は1000NL/min
次に第2充填について説明する。第2充填では図3(b)に示すように、水素カードル12から水素供給管路25を介して水素ガスが水素タンク16へ充填される。このとき、水素タンク16側は第1充填の場合と同じで、断熱圧縮により残存水素が圧縮される。一方、水素カードル12側では、ピストン12bは図3(b)において右側へ移動する。水素カードル12側では水素タンク16の真空部分にガスを送り込み、その背後のガスが断熱膨張する。圧縮熱及び膨張熱の計算は前記比較例の場合と条件が少し違うだけで同様に行われる。
第2充填時には、予備タンク13内での熱交換量が加わる。熱交換量の計算は、熱交換器の総合熱コンダクタンスKAを10[W/K]と仮定して、以下の式より求めた。
=KA(TtH−TYH)・・・(3)
CH=TBH+C(Q−Q)・・・(4)
但し、Qは熱交換で得られる熱量、TtHは通過水素ガスの平均温度、TYHは予備タンク13内の水素ガスの平均温度、TCHは水素タンク16内の水素ガスの温度、TBHは圧縮前の水素温度、Cは水素熱容量、Qは圧縮熱である。
圧縮熱及び膨張熱の計算条件は次のとおりである。
水素カードル12の圧力Pは44MPaから35MPaに変化
水素タンク16の圧力Pは15.4MPaから35MPaに変化
水素カードル12の容積Vは320L
水素タンク16の容積Vは32L
水素カードル12の初期温度Tは20℃
繰り返し単位は1000NL/min
以上の計算結果を図4に示す。なお、図4において実線がこの実施形態の充填方法の場合を示し、鎖線が比較例の場合を示す。
充填完了時の水素タンク16の温度は、比較例の場合が141℃、この実施形態の場合が83℃となった。また、水素充填量は、比較例の場合が6750NLとなり、この実施形態の場合が7700NLとなった。即ち、水素充填量は比較例の場合に比較して14%増加した。
この実施形態では以下の効果を有する。
(1) 第1充填において、水素ガスが充填された水素カードル12から予め予備タンク13に充填された水素ガスが、先ず予備タンク13と水素タンク16との圧力差によって水素タンク16に充填される。そして、第2充填において、水素カードル12からの水素ガスが、前記第1充填時に冷却された予備タンク13の冷熱により冷却されて、水素タンクに充填される。従って、水素カードル12から直接水素タンク16に水素ガスを充填する方法に比較して、所定の充填圧力まで水素ガスが充填された際の温度上昇が抑制され、水素充填量を多くすることができる。
(2) 予備タンク13には、予備タンク13内の水素ガスを熱交換により冷却する第1の冷却手段21と、水素カードル12から水素タンク16に供給される水素ガスを予備タンク13内に存在する水素ガスとの熱交換により冷却する第2の冷却手段(熱交換器26)とを備えた。従って、水素カードル12から直接水素タンク16に水素ガスを充填する装置に比較して、所定の充填圧力まで水素ガスが充填された際の温度上昇が抑制され、水素充填量を多くすることができる。
(3) 予備タンク13は断熱されているため、予備タンク13が断熱されていない場合に比較して、水素タンク16への水素充填量を多くすることが可能となる。なぜならば、予備タンク13が断熱されていない場合には、予備タンク13と水素タンク16との圧力差によって水素タンク16に水素ガスを充填する際、予備タンク13内の水素ガスの断熱膨張により予備タンク13及び予備タンク13内の水素ガスが冷却されるが、外気により暖められて、冷却効果が低くなる。しかし、予備タンク13が断熱されている場合は、断熱膨張により冷却された分が、その後に水素カードル12から水素ガスを水素タンク16に供給す際に有効に利用されるからである。
(4) 第1の冷却手段21は、外気との熱交換を行うラジエータ23を備えているため、冷媒を循環させるだけで、冷媒の冷却は外気により行われる。従って、冷媒を積極的に冷却する冷凍手段を設ける場合に比較して構成が簡単になる。
(5) 予備タンク13は金属製容器で構成されているため、内部に熱交換器26を収容する構成であっても、CFRP製のタンクに比較して製造が容易である。CFRP製のタンクに比較して重量は大きいが、車載用の水素タンク16と異なり移動させる必要がないため、重量が大きくても支障はない。
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態を図5〜図7に従って説明する。この実施形態では、予備タンク13内に水素吸蔵合金(MH)が収容されている点が、前記第1の実施形態と異なっており、その他の構成は基本的に第1の実施形態と同様である。第1の実施形態と同様な部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。
図5に示すように、水素供給管路25の途中には熱交換器26に代えて熱交換ユニット28が設けられている。熱交換ユニット28は多数のフィン28a(図6(b)にのみ図示)を備えるとともに各フィン28aの間に粉末状の水素吸蔵合金(MH粉末)が充填されている。各フィン28a間に充填されたMH粉末が脱落しないようにフィン28aの径方向端部には全てのフィン28aを覆う状態で、MH粉末の通過を阻止し、かつ水素を透過可能なフィルタ(図示せず)が設けられている。
この実施形態においても、水素タンク16への水素ガスの充填手順は、前記第1の実施形態と基本的に同じである。充填時には、カプラ18が配管19と連結された状態で先ず第2バルブV2が開かれて、予備タンク13内の水素ガスが予備タンク13と水素タンク16との圧力差によって、第2の配管17及び配管19を介して水素タンク16に充填される(第1充填)。そして、予備タンク13及び水素タンク16の圧力が釣り合った時点で第1充填が完了する。
第1充填の際、第1の実施形態と同様に予備タンク13側では水素ガスの断熱膨張が行われ、水素タンク16側では水素ガスの断熱圧縮が行われる。また、第1の実施形態と異なり、予備タンク13内では、水素吸蔵合金から吸熱反応により水素ガスが放出される。従って、予備タンク13の水素ガス及び予備タンク13は、水素ガスの断熱膨張と、水素吸蔵合金の吸熱反応との両者によって冷却される。
次に第2バルブV2が閉じられた後、第3バルブV3が開かれて、水素カードル12内の水素ガスが水素供給管路25を介して水素タンク16へ供給(充填)される(第2充填)。水素供給管路25を流れる水素ガスは熱交換ユニット28でMH粉末と熱交換されて冷却された後、水素タンク16に充填される。水素タンク16内の圧力が所定の圧力(例えば、35MPa)に達した時点で、第3バルブV3が閉じられて第2充填が終了する。その後、次の充填時までに、第1の実施形態と同様に予備タンク13内に外気温と同じ温度の水素ガスが充填された状態にされる。
次に理想気体をモデルにして、第1充填及び第2充填の場合の水素タンク16の温度変化及び圧力変化とを説明する。
先ず第1充填について説明する。図6(a)に示すように、予備タンク13から第2の配管17を介して水素ガスが水素タンク16へ充填される。この場合、圧縮熱及び膨張熱に関しては、計算条件が異なるだけで第1の実施形態と同様にして計算できる。この実施形態では予備タンク13の内容積の全部を水素ガスが占有することはできず、MH粉末が占める体積を差し引いた値が膨張熱の計算に使用する予備タンク13の容積Vとなる。予備タンク13の内容積を10L、MH粉末がその半分を占めると仮定して、予備タンク13の容積Vを5Lとした。
圧縮熱及び膨張熱の計算条件は次のとおりである。
予備タンク13の圧力Pは35MPaから4.3MPaに変化
水素タンク16の圧力Pは0.1MPaから4.3MPaに変化
予備タンク13の容積Vは5L、水素タンク16の容積Vは32L
予備タンク13の初期温度T及び水素タンク16の初期温度Tは共に20℃
繰り返し単位は1000NL/min
また、水素吸蔵合金が水素を放出する際の吸熱反応熱は20kJ/molとした。
次に第2充填について説明する。第2充填では図6(b)に示すように、水素カードル12から水素供給管路25を介して水素ガスが水素タンク16へ充填される。この場合、圧縮熱及び膨張熱と、予備タンク13内での熱交換量とも、計算条件が異なるだけで第1の実施形態と同様にして計算できる。
圧縮熱及び膨張熱の計算条件は次のとおりである。
水素カードル12の圧力Pは44MPaから35MPaに変化
水素タンク16の圧力Pは4.3MPaから35MPaに変化
水素カードル12の容積Vは320L
水素タンク16の容積Vは32L
水素カードル12の初期温度Tは20℃
繰り返し単位は1000NL/min
以上の計算結果を、第1の実施形態の比較例の結果とともに図7に示す。なお、図7において実線がこの実施形態の充填方法の場合を示し、鎖線が比較例の場合を示す。
充填完了時の水素タンク16の温度は、比較例の場合が141℃、この実施形態の場合が106℃となった。また、水素充填量は、比較例の場合が6750NLとなり、この実施形態の場合が7320NLとなった。即ち、この実施形態の場合、水素充填量は比較例の場合に比較して8.4%増加した。
第1充填完了時には、水素タンク16内の水素温度は第1の実施形態の場合より低くなる。しかし、この実施形態のモデルによるシミュレーションでは、第1充填完了時の圧力は4.3MPaとなり、この時点ではMH粉末内に放出されない水素がかなり残っている(約93%)。これはMH粉末が水素を放出することで、MH粉末自身の温度を下げながら平衡圧を下げていくため、MH粉末のない第1の実施形態に比較して、水素タンク16の圧力と早期に釣り合ってしまうためと考えられる。このモデルでは、水素吸蔵合金として通常の水素吸蔵合金タンクに使用される物に比較して平衡圧の高いラーベス系(AB2系)水素吸蔵合金を想定したが、第1充填完了時の圧力はあまり高くならなかった。平衡圧が高い水素吸蔵合金を使用すれば充填量をより多くすることが可能と考えられる。従って、水素吸蔵合金としては、平衡圧が高い方が好ましい。
第2充填完了時には水素タンク16の水素温度が106℃となり、第1の実施形態の場合よりも高くなり、その結果、水素充填は第1の実施形態より少なくなった。
この実施形態においては、第1の実施形態の(1)〜(5)と同様の効果を有する他に、次の効果を有する。
(6) 予備タンク13内には水素吸蔵合金が充填されているため、水素吸蔵合金の吸熱反応による冷却効果で、充填初期における温度を低く抑制することができる。
(7) 第1の実施形態に比較して予備タンク13を小型(例えば、1/3程度)にすることができる。
(8) 第2充填時に水素供給管路25を流れる水素ガスは、熱交換ユニット28を介してMH粉末と熱交換を行う。従って、熱交換器26を介して水素ガスと熱交換を行う場合に比較して、効率良く熱交換が行われる。
(9) 水素吸蔵合金としてMH粉末が使用されているが、MH粉末は水素ガス透過性で、かつMH粉末の通過を阻止するフィルタ内に収容されているため、MH粉末が第2の配管17を介して水素タンク16側へ流出するのが防止される。
なお、実施形態は前記両実施形態に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 水素供給管路25は水素カードル12の水素ガスを予備タンク13自身及び予備タンク13内に存在する物質の少なくとも一方との熱交換が可能に設けられていればよく、水素タンク16内の水素ガスと接触する状態に配置する必要はない。例えば、予備タンク13が金属製の場合、予備タンク13の外周に接触するように水素供給管路25を設けてもよい。この場合、予備タンク13と水素供給管路25との接触面積を大きくするため、水素供給管路25を予備タンク13の周面に螺旋状に巻き付けるように配置したり、管路の断面を扁平にしたりしてもよい。
○ 予備タンク13を金属製とした場合、水素供給管路25に代えて予備タンク13の壁内に水素供給路を形成してもよい。そして、その水素供給路を第1の配管14の第1バルブV1より上流側に配管を介して連通させるとともに、第2の配管17の第2バルブV2より下流側に別の配管を介して連通させる。
○ 予備タンク13の断熱材20は予備タンク13の外壁ではなく、内壁に配置されるよう構成してもよい。この場合、断熱膨張による冷熱が予備タンク13へ伝わりにくくなるため、そのぶん水素ガス温度が低くなり、水素タンク16の温度上昇を抑制することができる。
○ 水素吸蔵合金が予備タンク13内に収容されていない構成において、第1充填後、水素カードル12の水素ガスを予備タンク13内に供給し、予備タンク13内の水素ガスと混合して、水素タンク16に充填する構成としてもよい。この場合も、第1充填時に冷却された予備タンク13内の水素ガス及び予備タンク13自身の冷熱を利用して、水素カードル12からの水素ガスを冷却できる。また、水素供給管路25を介して水素ガスを供給する場合に比較して、予備タンク13の冷熱を効率良く利用できる。また、水素供給管路25及びその関連部品が不要となり、構成が簡単になる。
〇 第1充填後、水素カードル12の水素ガスを予備タンク13内の水素ガスと混合して水素タンク16へ供給する構成において、予備タンク13内又は予備タンク13から水素タンク16へ供給される水素ガスの温度を検出する温度検出手段を設ける。そして、前記温度検出センサの検出温度が水素カードル12から予備タンク13へ供給される水素ガスの温度以下のときは予備タンク13内の水素ガスと混合して水素タンク16へ供給することを継続し、温度上昇後は、水素カードル12から水素タンク16へ直接供給する構成としてもよい。この場合、予備タンク13内を通る水素供給管路25に代えて、予備タンク13の外を通る配管を設けるのが好ましい。しかし、水素供給管路25を利用してもよい。
○ 充填後の予備タンクに水素ガスが残っていてもよい。充填終了後、次の水素自動車の水素タンクに水素ガスを充填開始するまでの時間が短い場合、予備タンクに残留した水素ガスを利用できるので、連続して効率良く充填できる。
○ 充填後の予備タンク内の水素ガスが残らないようにしてもよい。次の水素自動車の水素タンクに水素ガスを充填開始するまでの時間が長い場合、予備タンクからの水素ガスの漏れを無くすことができ、水素ガス充填装置11から水素ガスが漏れる量を少なくすることができる。
○ 第1の配管、予備タンク、第2の配管、第1の冷却手段および第2の冷却手段とからなる構成(以下、供給部位とする)は2つ以上あってもよい。例えば、供給部位が2つの場合、複数の水素自動車の水素タンクに連続して水素ガスを充填する時に、一方の供給部位を通して水素ガスを充填し、充填が済んで温度が上がった他方の供給部位を利用しないようにして冷却されるように交互に供給部位を使用すれば、予備タンクを熱的に効率良く利用することができる。
○ 水素自動車15に搭載される水素タンク16の本数は3本に限らず、2本以下あるいは4本以上としてもよい。
○ 水素タンク16を複数本搭載する場合、各水素タンク16に同時に水素ガスが充填される構成に限らず、各水素タンク16への分岐配管毎にバルブを設け、1本ずつ順に充填可能にしてもよい。
○ 予備タンク13内に水素吸蔵合金を収容する構成において、水素吸蔵合金は粉末状態に限らず、MH粉末と結着材とを混合して圧縮成形することにより形成されたMH成形体を充填してもよい。
〇 熱交換器26はフィン26aを備えた構成に限らない、例えば、水素供給管路25の予備タンク13内に配置される部分を螺旋状としたり、蛇行するように屈曲させた形状としたりしてもよい。この場合、第1の冷却手段21の管路22の予備タンク13内に配置される部分と干渉せずに配置するのが容易になる。
○ 第1の冷却手段21としてラジエータ23を装備した空冷式に代えて、水冷式にしてもよい。例えば、ラジエータ23に流水を接触させる構成とする。この場合、空冷式に比較して短時間で予備タンク13内の水素ガスを所定の温度(外気温程度)に冷却することができる。また、流水の温度が外気温より低ければ、第1充填開始時の水素ガスの温度が外気温より低くなり、第2充填完了時に水素タンク16への水素ガスの充填量が増加する。
○ メインタンクとして、水素カードル12に代えて、ボンベ12aより大きな高圧タンクを使用してもよい。しかし、全体としての充填量が同じで数百リットル以上の容積を確保する場合、水素カードル12の方が好ましい。
〇 予備タンク13は必ずしも断熱材20で覆われていなくても(断熱されていなくても)よいが、断熱されている方が充填量を多くすることができる。
〇 水素カードル12(メインタンク)及び水素タンク16に満充填した時の圧力は前記の圧力に限定されない。例えば、燃料電池自動車に搭載される水素タンク16には満充填の際の圧力が25MPaのものもあり、その場合、水素カードル12の圧力は44MPaより低くてもよい。
○ 水素タンク16に満充填した時の圧力より低い圧力の水素ガスがメインタンク(水素カードル12)に充填されており、メインタンクの水素ガスを圧縮器で圧縮して昇圧した水素ガスを予備タンク13あるいは水素タンク16へ供給する構成としてもよい。この場合、最初から高圧で多量の水素ガスを貯蔵する必要がない。
〇 第1バルブV1、第2バルブV2、第3バルブV3を電磁弁ではなく手動操作弁として、各バルブV1,V2,V3の操作を手動で行うようにしてもよい。
〇 予備タンク13内及び水素タンク16内の圧力を検出する圧力センサを設けてもよい。各バルブV1,V2,V3を電磁弁とした場合は、圧力センサの検出信号に基づいて各バルブV1,V2,V3を正確な開閉時期に行うことができる。また、各バルブV1,V2,V3を手動操作弁とした場合は、圧力の表示可能な圧力計を設けて、圧力計の表示により各バルブの開閉時期を知るようにするのが好ましい。
〇 水素ガス充填装置11は、燃料電池自動車や水素エンジン車等の水素自動車の水素源として搭載されて使用される水素タンク16に水素ガスを充填するものに限らず、例えば、家庭用電源の燃料電池の水素源としての水素タンクへの充填用に適用してもよい。
〇 水素ガス充填装置11を大型車両に搭載して移動式としてもよい。この場合、例えば、家庭用電源として燃料電池が普及した場合に、各家庭に設置される水素源としての水素タンクに充填するのが容易になる。
以下の技術的思想(発明)は前記実施の形態から把握できる。
(1) 請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記第2の冷却手段は、水素ガスが流れる管路と、該管路の前記予備タンク内に配置される部分に設けられた熱交換器とを備えている。
(2) 請求項2、請求項3及び前記技術的思想(1)のいずれか一項に記載の発明において、前記予備タンクの容積は水素自動車に搭載された水素タンクの容積とほぼ同じ容積に形成されている。
(3) 請求項4に記載の発明において、前記水素吸蔵合金は粉末状のものが使用され、水素ガス透過性のフィルタ内に収容されている。
(4) 水素ガスが充填されたメインタンクと、前記メインタンクに第1の配管を介して連結された予備タンクと、前記第1の配管に設けられたバルブと、前記予備タンクから水素ガスを充填すべき水素タンクに水素ガスを導く第2の配管と、前記第2の配管に設けられたバルブと、前記予備タンクに装備され、予備タンク内の水素ガスを熱交換により冷却する第1の冷却手段とを備えた水素ガス充填装置。
第1の実施形態の水素ガス充填装置の概略構成図。 作用を説明する模式図。 (a),(b)は作用を説明する模式図。 水素ガス充填時の温度及び圧力の変化を示すグラフ。 第2の実施形態の水素ガス充填装置の概略構成図。 (a),(b)は作用を説明する模式図。 水素ガス充填時の温度及び圧力の変化を示すグラフ。 従来技術の水素ガス充填装置の概略構成図。
符号の説明
11…水素ガス充填装置、12…メインタンクとしての水素カードル、13…予備タンク、14…第1の配管、16…水素タンク、17…第2の配管、21…第1の冷却手段、23…ラジエータ、25…第2の冷却手段を構成する水素供給管路、26…同じく熱交換器、28…同じく熱交換ユニット。

Claims (5)

  1. 水素ガスが充填されたメインタンクと、前記メインタンク内の水素ガスを充填すべき水素タンクとの間に予備タンクを設け、先ず前記予備タンクから前記水素タンクに予備タンクと水素タンクとの圧力差によって水素ガスを充填し、次に前記予備タンク内の水素ガスの断熱膨張により冷却された冷熱を利用してメインタンクから水素ガスを冷却して前記水素タンクに充填する水素ガス充填方法。
  2. 水素ガスが充填されたメインタンクと、
    前記メインタンクに第1の配管を介して連結された予備タンクと、
    前記予備タンク水素ガスを充填すべき水素タンクとの圧力差によって前記予備タンクから前記水素タンクに水素ガスを導く第2の配管と、
    前記予備タンクに装備され、予備タンク内の水素ガスを熱交換により冷却する第1の冷却手段と、
    前記予備タンクに装備され、前記メインタンクから前記水素タンクに供給される水素ガスを、前記予備タンクから前記水素タンクへの水素ガスの充填に伴って冷却された予備タンク自身及び予備タンク内に存在する物質の少なくとも一方との熱交換により冷却する第2の冷却手段と
    を備えた水素ガス充填装置。
  3. 前記予備タンクは断熱されている請求項2に記載の水素ガス充填装置。
  4. 前記予備タンク内には水素吸蔵合金が収容されている請求項2又は請求項3に記載の水素ガス充填装置。
  5. 前記第1の冷却手段は、外気との熱交換を行うラジエータを備えている請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の水素ガス充填装置。
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