JP2004116619A - 燃料充てん装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料タンク13の温度を確実に低く抑えることができ、かつ簡単な操作で燃料充てんを行うことができる燃料充てん装置を提供する。
【解決手段】水素ガスを燃料とする水素ガス自動車12の燃料タンク13に水素ガスを充てんする燃料充てん装置であって、水素ガスの供給量を調整する流量調整弁V1と、流量調整弁V1を経た水素ガスを冷却する冷却手段4とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】水素ガスを燃料とする水素ガス自動車12の燃料タンク13に水素ガスを充てんする燃料充てん装置であって、水素ガスの供給量を調整する流量調整弁V1と、流量調整弁V1を経た水素ガスを冷却する冷却手段4とを備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車に水素を燃料として充てんする燃料充てん装置および方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
次世代の自動車として、圧縮天然ガスを燃料として用いる圧縮天然ガス自動車、水素ガスを燃料として用いる水素自動車の開発が進められている。これらの自動車は、炭酸ガス、NOx、SOx等の排出量が少ないという特長がある。
これらの自動車は、燃料補給時には通常のガソリン自動車と同様に、その燃料である圧縮天然ガスまたは水素ガスを充てんする燃料充てん装置(ディスペンサー)を備えた供給基地まで走行し、この燃料充てん装置から圧縮天然ガスまたは水素ガスを補給することとなる。
【0003】
燃料タンクとしては、通常、軽量化のためにFRP容器が使用されている。FRP容器は、耐久性を考慮して使用温度の上限値が規定され、その設計値は一般に約85℃である。
【0004】
圧縮天然ガスは、他の高圧ガス(窒素ガス、酸素ガス等)と同様に、圧縮状態(例えば圧力35MPa)から断熱膨張させると、ジュールトムソン効果によりガス温度が低下する。そのため圧縮天然ガスは、細孔やスリットを備えた機器、例えば機器弁、逆止弁、カプラーを通過する際に、温度が低下する。
このため、天然ガスを燃料タンクに充てんする際には、ガス温度の上昇が起こりにくいことから、タンク温度を管理することなく、容易にかつ短時間で充てんを行うことができる。
圧縮天然ガス用の燃料充てん装置としては、特許文献1に記載されたものがある。この文献には、天然ガスの供給流量を調整する弁である過充てん防止装置を備えた燃料充てん装置(ディスペンサーユニット)が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
社団法人日本ガス協会、「圧縮天然ガススタンド安全技術指針」、平成10年4月、p.44
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一方、水素ガスは、一般のガスと異なり、ジュールトムソン効果により温度が上昇する性質を有するガスである。そのため水素ガスは、弁などの機器などを通過する際に温度が上昇しやすい。
水素ガスを燃料タンクに充てんする際には、ジュールトムソン効果による温度上昇に加え、圧縮による温度上昇も起きることから、ガス温度が高くなりやすい。
FRPからなる燃料タンクは使用温度に上限があるため、水素ガスの充てんを行うに際しては厳重な温度管理が要求される。
【0007】
そのため水素自動車では、燃料タンクの温度が設計温度を越えないようにすることを目的として、燃料タンクの温度を直接測定しながら充てんを行う方法が提案されている。
具体的には、自動車の燃料タンクに温度端子(温度センサ)を設けておき、燃料充てん用配管を自動車の燃料タンクに接続するとともに、温度測定用の配線を上記温度端子に接続し、検出したタンク温度に基づいてガス供給流量を調整しつつ燃料充てんを行う方法が提案されている。
しかしながら、この充てん方法では、燃料充てん用配管とは別に、温度測定用の配線を自動車に接続する必要があり、操作に手間がかかる問題がある。
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、燃料電池を動力源とする水素ガス自動車等の燃料タンクの温度を確実に低く抑えることができ、かつ簡単な操作で燃料充てんを行うことができる燃料充てん装置および方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料充てん装置は、水素ガスを燃料とする水素ガス自動車の燃料タンクに水素ガスを充てんする燃料充てん装置であって、水素ガスを冷却する冷却手段を備えたことを特徴とする。
本発明の燃料充てん装置は、水素ガスを燃料とする水素ガス自動車の燃料タンクに水素ガスを充てんする燃料充てん装置であって、水素ガスの供給量を調整する流量調整弁と、この流量調整弁を経た水素ガスを冷却する冷却手段とを備えた構成とすることができる。
本発明の燃料充てん装置は、水素ガスの供給量を制御する制御手段を備え、この制御手段が、温度履歴データベースが格納された記憶部と、温度履歴データベース内のデータに基づいて流量調整弁の開度調節により水素ガス供給流量を制御する制御部とを備え、温度履歴データベースが、充てん前の燃料タンク内の温度と、燃料タンクに充てんする水素ガスの温度と、流量調整弁の開度と、充てんの際の燃料タンク内の温度との関係を示すデータを含むものである構成とすることができる。
【0009】
本発明の燃料充てん方法は、水素ガスを燃料とする水素ガス自動車の燃料タンクに、燃料充てん装置を用いて水素ガスを充てんする方法であって、燃料充てん装置が、水素ガスの供給量を調整する流量調整弁と、水素ガスを冷却する冷却手段とを備え、流量調整弁を経た水素ガスを、冷却手段を用いて冷却した後に燃料タンクに充てんすることを特徴とする。
本発明では、燃料充てん装置が、水素ガスの供給量を制御する制御手段を備え、この制御手段が、温度履歴データベースが格納された記憶部と、温度履歴データベース内のデータに基づいて流量調整弁の開度調節により水素ガス供給流量を制御する制御部とを備え、温度履歴データベースが、充てん前の燃料タンク内の温度と、燃料タンクに充てんする水素ガスの温度と、流量調整弁の開度と、充てんの際の燃料タンク内の温度との関係を示すデータを含み、この燃料充てん装置を用いて充てんを行う方法を採用することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の燃料充てん装置の第1の実施形態を示すものである。
ここに示す燃料充てん装置1は、水素ガス貯留タンク2からの水素ガスを供給する供給経路3と、水素ガスの供給量を調整する流量調整弁V1と、水素ガスの流量を測定し積算する積算流量計F1と、供給経路3に設けられた遮断弁V2と、水素ガスを冷却する熱交換器4(冷却手段)とを備えている。
【0011】
流量調整弁V1の一次側(水素ガス流れ方向の上流側)および二次側(下流側)の供給経路3には、それぞれ水素ガス温度を検出する第1および第2温度計6、7が設けられている。
熱交換器4の二次側の供給経路3には、充てんされる水素ガスの温度を検出する充てんガス温度計8(充てんガス温度検出手段)と、充てんされる水素ガスの圧力を検出する圧力計9(圧力検出手段)とが設けられている。
【0012】
熱交換器4は、水素ガスを流通させる水素ガス流通管4aを備え、水素ガス流通管4a内の水素ガスを、冷媒を用いて冷却することができるようになっている。
熱交換器4としては、エチレングリコールを冷媒とするチラー冷却器を用いることができる。この場合には、熱交換器4に冷媒を循環させる循環経路を接続する。また、空気を冷媒とするプレートフィン式熱交換器を用いることもできる。
また、液体窒素、フロン等の冷媒により水素ガスを直接冷却したり、液体窒素、フロン等で別の冷媒を冷却し、該冷媒で水素ガスを冷却する熱交換器等を使用しても良い。
なお、これらの構成機器は必ずしも燃料充てん装置内に納める必要はなく、例えば流量調整弁を水素ガス貯留タンク2に近い場所に別置きとすると、流量調整弁を通過して温度上昇した水素ガスが、熱交換器に到るまでに空冷され、熱交換器での冷却エネルギーを省力化することができる。
【0013】
供給経路3の端部には、燃料充てん装置1からの水素ガスを水素自動車12に供給するフレキシブルホースなどの連絡管11の一端が接続されている。
連絡管11の他端は、水素自動車12内の供給経路14に、カプラー(図示略)を介して接続することができるようになっている。
符号V3は、水素自動車12の供給経路14に設けられた逆止弁であり、燃料タンク13内の燃料が外部に漏出するのを防ぐことができるようになっている。
【0014】
次に、燃料充てん装置1を用いて、水素自動車12の燃料タンク13に水素ガスを充填する方法について説明する。
燃料充てんのため燃料充てん装置1を訪れた水素自動車12に、連絡管11を接続する。
次いで、遮断弁V2を開き、貯留タンク2からの水素ガスを供給経路3に導入する。この水素ガスの供給流量は、流量調整弁V1によって適切な値に調整することができる。
水素ガスは、流量調整弁V1を通過する際に、ジュールトムソン効果により温度が上昇する。
【0015】
熱交換器4において、水素ガスは冷媒により冷却される。熱交換器4としてチラー冷却器を用いる場合には、水素ガスは冷媒であるエチレングリコールにより冷却される。
熱交換器4で冷却された水素ガスは、連絡管11、供給経路14を通して燃料タンク13に充てんされる。
【0016】
燃料充てん装置1は、水素ガスを冷却する熱交換器4を備えているので、低温の水素ガスを燃料タンク13に充てんすることができる。
このため、流量調整弁V1を通過する際に水素ガス温度が上昇した場合でも、燃料タンク13の温度が過度に上昇するのを防ぐことができる。
従って、燃料タンク13の温度を確実に設定温度以下に維持することができる。
また、充てん操作の際に燃料タンクの温度を測定する従来の充てん方法に比べ、燃料タンク13の温度管理が容易となるため、簡単な操作で燃料充てんを行うことができる。
【0017】
図2は、本発明の燃料充てん装置の第2の実施形態を示すものである。
ここに示す燃料充てん装置10は、水素ガスの供給量を制御する制御手段5を備えている点で図1に示す燃料充てん装置1と異なる。
図3に示すように、制御手段5は、温度履歴データベース21が格納された記憶部22と、流量調整弁V1の開度調節により水素ガス供給流量を制御する制御部23と、検出値や演算結果を表示する表示部24と、設定値などを入力する入力部25とを有する。
【0018】
温度履歴データベース21は、充てん前の燃料タンク13内の温度T1(充てん前タンク内温度)と、燃料タンク13に充てんする水素ガスの温度T2(充てんガス温度)と、流量調整弁V1の開放速度αと、充てんの際の燃料タンク内の温度との関係を示すデータを含む。
すなわち、温度履歴データベース21は、充てん前タンク内温度T1と、充てんガス温度T2と、流量調整弁V1の開放速度αとを、それぞれ所定の値に設定して実際に燃料タンクへの燃料充てん試験を行い、その際の燃料タンク内の温度変化を調べた結果を含むものである。
なお、この燃料充てん試験では、タンク内圧力がゼロから設計圧力(例えば35MPa)となるまで燃料充てんを行うのが好ましい。燃料タンクとしては、水素自動車に標準的に用いられる、150リットル容量の燃料タンクを使用するのが好ましい。
温度履歴データベース21は、キーボードなどの入力手段を使用して任意に入力および更新が可能である。
【0019】
充てん前タンク内温度T1とは、燃料を充てんする前の燃料タンク13内の温度である。充てん前タンク内温度T1は、通常、水素自動車12が走行する環境における気温の影響を受けると考えられる。
水素自動車12の使用が想定できる環境中の気温を−40〜50℃の範囲に想定する場合には、充てん前タンク内温度T1も−40〜50℃の範囲であると考えることができる。
【0020】
充てんガス温度T2は、燃料タンク13に充てんする水素ガスの温度であり、熱交換器4の冷却能力や設定に応じて定めることができる。
例えば50wt%エチレングリコールを冷媒とするチラー冷却器を熱交換器4として用いる場合には、充てんガス温度T2は、最低冷却温度である−20℃を下限とし、上限を10℃とする範囲に想定することができる。
【0021】
流量調整弁V1の開放速度αは、貯留タンク2の圧力に基づき所定の時間内にどの程度開度を大きくするかを示すものである。
例えば弁座に形成された開口部を塞ぐ弁体と、これに接続されたスピンドルを備えた流量調整弁V1では、所定時間に、開口部が塞がれた状態(開度ゼロ)から、開度が大きくなる方向へスピンドルが移動した距離を、開放速度αとすることができる。スピンドルの移動距離は、スピンドルの全移動距離に対する百分率で表すことができる。開放速度αの具体例としては、30秒間あたりのスピンドル移動距離(%)を挙げることができる。
なお、本発明では、流量調整弁の開放速度に代えて、流量調整弁の開度を使用することもできる。
すなわち、本発明でいう「流量調整弁の開度」とは、開度を大きくする速度である開放速度であってもよいし、開度そのものであってもよい。
なお、貯留タンク2は、複数でもよく、低圧の貯留タンクから高圧側に順次切り換えて充てんする方法にも適用できる。
【0022】
次に、図2〜図5を参照して、燃料充てん装置10を用いた場合を例として、本発明の燃料充てん方法の第2の実施形態を説明する。
温度履歴データベース21には、あらかじめ、燃料充てん装置10が設置された地域の過去における気温を、時期や時刻ごとに入力しておく。
なお、温度履歴データベース21には、燃料充てん装置10の設置場所が限定されないようにするため、燃料充てん装置10の設置が想定されるすべての地域における気温データを入力しておくことができる。
ここに示す充てん方法では、制御部23において、以下の(1)〜(3)に示す演算処理を行い、流量調整弁V1の開放速度αを決定する。
【0023】
(1)充てん前タンク内温度T1の予測
水素ガスを水素自動車12に充てんする時点での気温を、温度履歴データベース21内の過去の気温データから予測する。
気温の予測は、過去の同時期(同日)および同時刻における気温や、充てん時の天候などに基づいて行うことができる。
【0024】
貯留タンク2が燃料充てん装置10の近くに設置されている場合には、貯留タンク2内の温度は、燃料充てん装置10付近の気温に応じたものとなるため、貯留タンク2内の温度に基づいて気温を予測してもよい。例えば充てん時の気温は貯留タンク2内温度とほぼ同じであると考えることができる。この場合には、貯留タンク2に温度計(温度検出手段)を設置し、検出値に基づく検出信号を制御部23に入力できるようにすればよい。
なお、充てん時の気温は、気温計(気温検出手段)を用いて直接測定してもよい。この場合には、検出値に基づく検出信号を制御部23に入力できるようにすればよい。
【0025】
充てん前タンク内温度T1は、水素自動車12が走行する環境における気温の影響を受けると考えられるため、上記予測または測定された気温に基づいて充てん前タンク内温度T1を予測することができる。例えば充てん前タンク内温度T1は、上記気温とほぼ同じであると考えることができる。
図4に示す例では、充てん前タンク内温度T1は、−40〜50℃の範囲で、10℃ごとに9段階が想定されている。
この例では、充てん前タンク内温度T1は、9段階の想定温度のうち、20℃であると予測されている。
充てん時の気温予測値が上記9段階の想定温度のいずれにも該当しない場合には、上記9段階の想定温度のなかから予測値に最も近い値(好ましくは予測値よりも高く、かつ最も近い値)を選択し、これを充てん前タンク内温度T1とすればよい。
また、予測値の前後の想定温度に関するデータに基づいて、データを補完し、この補完データに基づいて充てん前タンク内温度T1を決定してもよい。
【0026】
(2)充てんガス温度T2の設定
熱交換器4の設定等に基づいて、燃料タンク13に充てんする水素ガスの温度を定める。
図4に示す例では、充てんされる水素ガスの温度は、熱交換器4の設定に応じて−10〜10℃の範囲で5℃ごとに5段階が想定されている。
この例は、熱交換器4のフル稼働させた場合に関するものであり、充てんガス温度T2は、5段階の温度のうち、最低冷却温度である−10℃とされている。
実際に充てんされる水素ガスの温度(実際の充てん温度)が上記5段階の温度のいずれにも該当しない場合には、上記5段階の温度のなかから実際の充てん温度に最も近い値(好ましくは実際の充てん温度よりも高く、かつ最も近い値)を選択し、これを充てんガス温度T2とすればよい。また、実際の充てん温度の前後の想定温度に関するデータに基づいて、データを補完し、この補完データに基づいて充てんガス温度T2を決定してもよい。
なお、充てんガス温度T2は、充てんガス温度計8によって直接測定してもよい。この場合には、検出値に基づく検出信号を制御部23に入力できるようにすればよい。
【0027】
(3)流量調整弁V1の開放速度αの設定
図4に示す例では、開放速度αは次の3段階が想定されている。
α1:30秒間で100%開放
α2:30秒間で75%開放
α3:30秒間で50%開放
開放速度αは、30秒間に、流量調整弁V1の開口部が塞がれた状態(開度ゼロ)から、開度が大きくなる方向へスピンドルが移動した距離で表されている。スピンドル移動距離は、スピンドルの全移動距離に対する百分率で表されている。
【0028】
図5は、充てん前タンク内温度T1が20℃であり、充てんガス温度T2が−10℃であるときに、開放速度をα1〜α3のうちいずれか設定した場合における、充てん時の燃料タンク13内の温度の経時変化を示すものである。
図示例においては、燃料タンク13の設計温度は85℃とされているため、タンク内温度を85℃以下にする必要がある。
図5(a)に示すように、開放速度をα1とした場合には、充てん時のタンク内温度が設計温度85℃を越えてしまう。
図5(b)および図5(c)に示すように、開放速度をα2またはα3とした場合には、充てん時のタンク内温度が設計温度85℃以下となる。
開放速度をα2とした場合とα3とした場合とを比較すると、より高い開放速度α2の方が充てん速度を高くすることができるため、開放速度α2が選択される。
【0029】
制御部23において、上記(1)〜(3)が行われ、流量調整弁V1の開放速度α2が選択されると、開放速度α2に応じた制御信号が流量調整弁V1に向けて送出される。流量調整弁V1では、この制御信号に基づいて、開度が開放速度α2で大きくなる。
これによって、流量調整弁V1の開度に応じた流量の水素ガスが、貯留タンク2から供給経路3、連絡管11を通して水素自動車12の燃料タンク13に充てんされる。
充てん時の燃料タンク13内の温度は、図5(b)に示したものに近い経時変化を示すため、タンク内温度は設計温度以下に保たれる。
【0030】
なお、図5(a)〜図5(c)に示す温度変化データは、充てん開始時のタンク内圧力をゼロとした場合のものである。
通常、燃料充てんのため燃料充てん装置10を訪れる水素自動車12は、燃料タンク13内の水素ガス量はゼロでなく、燃料タンク13内に水素ガスが残留していると考えられる。この場合には、充てん開始時のタンク内圧力がゼロである場合に比べ、新たに充てんできる燃料の量が少なくなることから、充てん時の温度上昇幅は低く抑えられることになる。
従って、充てん開始時のタンク内圧力がゼロである場合( 図5(a)〜図5(c))に基づいて開放速度αを設定しても安全上の問題は生じない。
【0031】
上記燃料充てん装置10では、温度履歴データベース21を格納した記憶部22を有する制御手段5を備えているので、充てん前タンク内温度T1と、充てんガス温度T2と、流量調整弁V1の開放速度αと、充てん時のタンク内温度変化との関係に関するデータに基づいて、タンク内温度が設計温度を越えない範囲で、大きな流量調整弁V1の開度を選択することができる。
従って、燃料タンク13の温度を低く維持し、かつ充てん時間を短縮することが可能となる。
【0032】
なお、燃料タンク13への燃料充てん量(タンク13の設計圧力に対する充てん圧力)が100%未満である場合(例えば充てん量50%である場合)には、次に示す充てん方法が可能である。
水素自動車12の供給経路14には逆止弁V3が設けられているため、供給する水素ガス圧力が燃料タンク13内の圧力より大きくなったときにはじめて水素ガスが供給される。
従って、水素ガス充てん開始時の水素ガス圧力(充てん開始圧力)は、燃料タンク13内の圧力(残留ガス圧力)とほぼ等しいことになり、この圧力は、圧力計9によって検出することができる。
あらかじめ、温度履歴データベース21に、充てん開始時圧力ごとの充てん時のタンク内温度変化のデータを用意しておくことによって、タンク内の水素ガス量が、目的とする充てん量に達するまでの時間を予測することができる。
すなわち、温度T1、T2と、開放速度αと、充てん開始時圧力と、充てん時のタンク内温度変化との関係に関するデータに基づいて、上記目的充てん量に達するまでの時間内で設計温度を越えない範囲で、大きな流量調整弁V1の開度を選択することができる。
これによって、燃料タンク13の温度を確実に低く維持し、かつ充てん操作を容易にすることができる。
【0033】
次に、図6を参照して、本発明の燃料充てん方法の他の例を説明する。
この充てん方法では、充てん時間を極力短くすることを目的とする「急速充てん」と、タンク温度低く抑え、かつ充てん量を多くすることを目的とする「量充てん」のうちいずれかを選択できる。
【0034】
まず、急速充てんについて説明する。
急速充てんでは、上記第2の実施形態の方法と同様にして、充てん前タンク内温度T1と、充てんガス温度T2と、流量調整弁V1の開放速度αと、充てん時のタンク内温度変化との関係に関するデータに基づいて、タンク内温度が設計温度を越えない範囲で、最も大きな流量調整弁V1の開度を選択する。
例えば、図5に示すように、充てん前タンク内温度T1が20℃であり、充てんガス温度T2が−10℃である場合には、タンク内温度が設計温度を越えない範囲で、最も大きな流量調整弁V1の開放速度であるα2を選択することができる。
なお、熱交換器4の冷却能力が充分大きく、流量調整弁V1の開度を最大としてもタンク内温度が設計温度を越えない場合には、常に最も大きな流量調整弁V1の開度が選択されるようにしてもよい。
【0035】
次に、量充てんについて説明する。
まず、急速充てんと同様にして、充てん前タンク内温度T1、充てんガス温度T2を決定する。
量充てんでは、急速充てんと異なり、流量調整弁V1の開放速度αを選択するに際して、設計温度を越えない範囲で最も高い開放速度αではなく、比較的低い開放速度αを選択する。
例えば、図5に示すように、充てん前タンク内温度T1が20℃であり、充てんガス温度T2が−10℃である場合には、タンク内温度が設計温度を越えない範囲で、比較的小さな流量調整弁V1の開放速度であるα3を選択することができる。
この方法では、急速充てんに比べ、充てんに要する時間は長くなるが、充てん速度が低くなるため、タンク内温度を低く抑えることができる。
従って、水素ガス充てん量を多くすることが可能となる。
【0036】
急速充てんは、タンク内の残留水素ガス量が多く、充てんするべき水素ガス量が少ない場合に用いるのが好ましい。充てん量が少ない場合には充てん速度が速くてもタンク内の温度上昇幅が小さくなるためである。
量充てんは、タンク内の残留水素ガス量が少なく、充てんするべき水素ガス量が多い場合に用いるのが好ましい。充てん量が多い場合には、タンク内の温度が上昇しやすいためである。
【0037】
急速充てんと量充てんとの選択は、利用者側(水素自動車12の利用者側)が行ってもよいし、従業員側(燃料充てん装置1の取扱者側)が行ってもよい。
また、利用者が多い繁忙時期には、急速充てんを選択して利用者あたりの充てん時間を短くするのが好ましい。これによって、利用者数を多くすることができる。
一方、利用者が少ない閑散時期には、量充てんを選択し、利用者あたりの充てん量を多くするのが好ましい。
【0038】
また、外気温が低い場合には、熱交換器4を使用せずに十分な水素ガス冷却が可能となることがある。このため、外気温に応じて熱交換器4の使用および不使用を選択することができるようにすれば、エネルギー消費を最小限に抑えることができ、コスト面で有利となる。
また、温度履歴データベースには、容量が異なる複数種の燃料タンクに応じた温度データを格納しておき、充てん対象となる燃料タンクの容量に応じた温度データに基づいて流量調整弁V1の開度を調整するのが好ましい。
【0039】
なお、上記実施形態の充てん方法では、充てん前タンク内温度T1と、充てんガス温度T2と、流量調整弁V1の開放速度αと、充てん時のタンク内温度との関係を示すデータを取得し、これに基づいて開放速度αを選択するが、本発明の充てん方法はこれに限らず、これらのデータから得られた計算式に基づいて、充てん時のタンク内温度を求めることも可能である。
この場合には、算出されたタンク内温度に基づいて、開放速度αを選択する。
なお、上記実施形態では、流量調整弁の二次側に熱交換器を設けて、水素ガスの冷却を行ったが、各構成機器および配管に冷却機能を付与することで同様の冷却をおこなうこともできる。
また熱交換器は、流量調整弁の二次側に配置したが、流量調整弁を熱交換器の二次側に設けることもできる。この場合には、温度抑制効果は小さくなるが、上記実施形態の方法と同様に、水素ガスの温度抑制および流量調整という効果を得ることができる。
本発明では、流量調整弁を備えていない構成も可能である。
【0040】
【発明の効果】
本発明の燃料充てん装置は、水素ガスを冷却する熱交換器を備えているので、低温の水素ガスを燃料タンクに充てんすることができる。
このため、流量調整弁を通過する際に水素ガス温度が上昇した場合でも、燃料タンクの温度が過度に上昇するのを防ぐことができる。
従って、燃料タンクの温度を確実に設定温度以下に維持することができる。
また、充てん操作の際に燃料タンクの温度を測定する従来の充てん方法に比べ、燃料タンクの温度管理が容易となるため、簡単な操作で燃料充てんを行うことができる。
【0041】
また、温度履歴データベースを格納した記憶部を有する制御手段を備え、この制御手段が、温度履歴データベースが格納された記憶部と、温度履歴データベース内のデータに基づいて流量調整弁の開度調節により水素ガス供給流量を制御する制御部とを有する構成によって、温度履歴データベース内のデータに基づいて、タンク内温度が設計温度を越えない範囲で、大きな流量調整弁の開度を選択することができる。
従って、燃料タンクの温度を低く維持し、かつ充てん時間を短縮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料充てん装置の第1の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明の燃料充てん装置の第2の実施形態を示す概略構成図である。
【図3】図2に示す燃料充てん装置の制御手段を示すブロック図である。
【図4】本発明の燃料充てん方法の一例の手順を説明する説明図である。
【図5】本発明の燃料充てん方法の一例の手順を説明する説明図である。
【図6】本発明の燃料充てん方法の他の例を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1、10・・・燃料充てん装置、4・・・熱交換器、5・・・制御手段、12・・・水素自動車、13・・・燃料タンク、21・・・温度履歴データベース、V1・・・流量調整弁
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車に水素を燃料として充てんする燃料充てん装置および方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
次世代の自動車として、圧縮天然ガスを燃料として用いる圧縮天然ガス自動車、水素ガスを燃料として用いる水素自動車の開発が進められている。これらの自動車は、炭酸ガス、NOx、SOx等の排出量が少ないという特長がある。
これらの自動車は、燃料補給時には通常のガソリン自動車と同様に、その燃料である圧縮天然ガスまたは水素ガスを充てんする燃料充てん装置(ディスペンサー)を備えた供給基地まで走行し、この燃料充てん装置から圧縮天然ガスまたは水素ガスを補給することとなる。
【0003】
燃料タンクとしては、通常、軽量化のためにFRP容器が使用されている。FRP容器は、耐久性を考慮して使用温度の上限値が規定され、その設計値は一般に約85℃である。
【0004】
圧縮天然ガスは、他の高圧ガス(窒素ガス、酸素ガス等)と同様に、圧縮状態(例えば圧力35MPa)から断熱膨張させると、ジュールトムソン効果によりガス温度が低下する。そのため圧縮天然ガスは、細孔やスリットを備えた機器、例えば機器弁、逆止弁、カプラーを通過する際に、温度が低下する。
このため、天然ガスを燃料タンクに充てんする際には、ガス温度の上昇が起こりにくいことから、タンク温度を管理することなく、容易にかつ短時間で充てんを行うことができる。
圧縮天然ガス用の燃料充てん装置としては、特許文献1に記載されたものがある。この文献には、天然ガスの供給流量を調整する弁である過充てん防止装置を備えた燃料充てん装置(ディスペンサーユニット)が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
社団法人日本ガス協会、「圧縮天然ガススタンド安全技術指針」、平成10年4月、p.44
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一方、水素ガスは、一般のガスと異なり、ジュールトムソン効果により温度が上昇する性質を有するガスである。そのため水素ガスは、弁などの機器などを通過する際に温度が上昇しやすい。
水素ガスを燃料タンクに充てんする際には、ジュールトムソン効果による温度上昇に加え、圧縮による温度上昇も起きることから、ガス温度が高くなりやすい。
FRPからなる燃料タンクは使用温度に上限があるため、水素ガスの充てんを行うに際しては厳重な温度管理が要求される。
【0007】
そのため水素自動車では、燃料タンクの温度が設計温度を越えないようにすることを目的として、燃料タンクの温度を直接測定しながら充てんを行う方法が提案されている。
具体的には、自動車の燃料タンクに温度端子(温度センサ)を設けておき、燃料充てん用配管を自動車の燃料タンクに接続するとともに、温度測定用の配線を上記温度端子に接続し、検出したタンク温度に基づいてガス供給流量を調整しつつ燃料充てんを行う方法が提案されている。
しかしながら、この充てん方法では、燃料充てん用配管とは別に、温度測定用の配線を自動車に接続する必要があり、操作に手間がかかる問題がある。
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、燃料電池を動力源とする水素ガス自動車等の燃料タンクの温度を確実に低く抑えることができ、かつ簡単な操作で燃料充てんを行うことができる燃料充てん装置および方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料充てん装置は、水素ガスを燃料とする水素ガス自動車の燃料タンクに水素ガスを充てんする燃料充てん装置であって、水素ガスを冷却する冷却手段を備えたことを特徴とする。
本発明の燃料充てん装置は、水素ガスを燃料とする水素ガス自動車の燃料タンクに水素ガスを充てんする燃料充てん装置であって、水素ガスの供給量を調整する流量調整弁と、この流量調整弁を経た水素ガスを冷却する冷却手段とを備えた構成とすることができる。
本発明の燃料充てん装置は、水素ガスの供給量を制御する制御手段を備え、この制御手段が、温度履歴データベースが格納された記憶部と、温度履歴データベース内のデータに基づいて流量調整弁の開度調節により水素ガス供給流量を制御する制御部とを備え、温度履歴データベースが、充てん前の燃料タンク内の温度と、燃料タンクに充てんする水素ガスの温度と、流量調整弁の開度と、充てんの際の燃料タンク内の温度との関係を示すデータを含むものである構成とすることができる。
【0009】
本発明の燃料充てん方法は、水素ガスを燃料とする水素ガス自動車の燃料タンクに、燃料充てん装置を用いて水素ガスを充てんする方法であって、燃料充てん装置が、水素ガスの供給量を調整する流量調整弁と、水素ガスを冷却する冷却手段とを備え、流量調整弁を経た水素ガスを、冷却手段を用いて冷却した後に燃料タンクに充てんすることを特徴とする。
本発明では、燃料充てん装置が、水素ガスの供給量を制御する制御手段を備え、この制御手段が、温度履歴データベースが格納された記憶部と、温度履歴データベース内のデータに基づいて流量調整弁の開度調節により水素ガス供給流量を制御する制御部とを備え、温度履歴データベースが、充てん前の燃料タンク内の温度と、燃料タンクに充てんする水素ガスの温度と、流量調整弁の開度と、充てんの際の燃料タンク内の温度との関係を示すデータを含み、この燃料充てん装置を用いて充てんを行う方法を採用することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の燃料充てん装置の第1の実施形態を示すものである。
ここに示す燃料充てん装置1は、水素ガス貯留タンク2からの水素ガスを供給する供給経路3と、水素ガスの供給量を調整する流量調整弁V1と、水素ガスの流量を測定し積算する積算流量計F1と、供給経路3に設けられた遮断弁V2と、水素ガスを冷却する熱交換器4(冷却手段)とを備えている。
【0011】
流量調整弁V1の一次側(水素ガス流れ方向の上流側)および二次側(下流側)の供給経路3には、それぞれ水素ガス温度を検出する第1および第2温度計6、7が設けられている。
熱交換器4の二次側の供給経路3には、充てんされる水素ガスの温度を検出する充てんガス温度計8(充てんガス温度検出手段)と、充てんされる水素ガスの圧力を検出する圧力計9(圧力検出手段)とが設けられている。
【0012】
熱交換器4は、水素ガスを流通させる水素ガス流通管4aを備え、水素ガス流通管4a内の水素ガスを、冷媒を用いて冷却することができるようになっている。
熱交換器4としては、エチレングリコールを冷媒とするチラー冷却器を用いることができる。この場合には、熱交換器4に冷媒を循環させる循環経路を接続する。また、空気を冷媒とするプレートフィン式熱交換器を用いることもできる。
また、液体窒素、フロン等の冷媒により水素ガスを直接冷却したり、液体窒素、フロン等で別の冷媒を冷却し、該冷媒で水素ガスを冷却する熱交換器等を使用しても良い。
なお、これらの構成機器は必ずしも燃料充てん装置内に納める必要はなく、例えば流量調整弁を水素ガス貯留タンク2に近い場所に別置きとすると、流量調整弁を通過して温度上昇した水素ガスが、熱交換器に到るまでに空冷され、熱交換器での冷却エネルギーを省力化することができる。
【0013】
供給経路3の端部には、燃料充てん装置1からの水素ガスを水素自動車12に供給するフレキシブルホースなどの連絡管11の一端が接続されている。
連絡管11の他端は、水素自動車12内の供給経路14に、カプラー(図示略)を介して接続することができるようになっている。
符号V3は、水素自動車12の供給経路14に設けられた逆止弁であり、燃料タンク13内の燃料が外部に漏出するのを防ぐことができるようになっている。
【0014】
次に、燃料充てん装置1を用いて、水素自動車12の燃料タンク13に水素ガスを充填する方法について説明する。
燃料充てんのため燃料充てん装置1を訪れた水素自動車12に、連絡管11を接続する。
次いで、遮断弁V2を開き、貯留タンク2からの水素ガスを供給経路3に導入する。この水素ガスの供給流量は、流量調整弁V1によって適切な値に調整することができる。
水素ガスは、流量調整弁V1を通過する際に、ジュールトムソン効果により温度が上昇する。
【0015】
熱交換器4において、水素ガスは冷媒により冷却される。熱交換器4としてチラー冷却器を用いる場合には、水素ガスは冷媒であるエチレングリコールにより冷却される。
熱交換器4で冷却された水素ガスは、連絡管11、供給経路14を通して燃料タンク13に充てんされる。
【0016】
燃料充てん装置1は、水素ガスを冷却する熱交換器4を備えているので、低温の水素ガスを燃料タンク13に充てんすることができる。
このため、流量調整弁V1を通過する際に水素ガス温度が上昇した場合でも、燃料タンク13の温度が過度に上昇するのを防ぐことができる。
従って、燃料タンク13の温度を確実に設定温度以下に維持することができる。
また、充てん操作の際に燃料タンクの温度を測定する従来の充てん方法に比べ、燃料タンク13の温度管理が容易となるため、簡単な操作で燃料充てんを行うことができる。
【0017】
図2は、本発明の燃料充てん装置の第2の実施形態を示すものである。
ここに示す燃料充てん装置10は、水素ガスの供給量を制御する制御手段5を備えている点で図1に示す燃料充てん装置1と異なる。
図3に示すように、制御手段5は、温度履歴データベース21が格納された記憶部22と、流量調整弁V1の開度調節により水素ガス供給流量を制御する制御部23と、検出値や演算結果を表示する表示部24と、設定値などを入力する入力部25とを有する。
【0018】
温度履歴データベース21は、充てん前の燃料タンク13内の温度T1(充てん前タンク内温度)と、燃料タンク13に充てんする水素ガスの温度T2(充てんガス温度)と、流量調整弁V1の開放速度αと、充てんの際の燃料タンク内の温度との関係を示すデータを含む。
すなわち、温度履歴データベース21は、充てん前タンク内温度T1と、充てんガス温度T2と、流量調整弁V1の開放速度αとを、それぞれ所定の値に設定して実際に燃料タンクへの燃料充てん試験を行い、その際の燃料タンク内の温度変化を調べた結果を含むものである。
なお、この燃料充てん試験では、タンク内圧力がゼロから設計圧力(例えば35MPa)となるまで燃料充てんを行うのが好ましい。燃料タンクとしては、水素自動車に標準的に用いられる、150リットル容量の燃料タンクを使用するのが好ましい。
温度履歴データベース21は、キーボードなどの入力手段を使用して任意に入力および更新が可能である。
【0019】
充てん前タンク内温度T1とは、燃料を充てんする前の燃料タンク13内の温度である。充てん前タンク内温度T1は、通常、水素自動車12が走行する環境における気温の影響を受けると考えられる。
水素自動車12の使用が想定できる環境中の気温を−40〜50℃の範囲に想定する場合には、充てん前タンク内温度T1も−40〜50℃の範囲であると考えることができる。
【0020】
充てんガス温度T2は、燃料タンク13に充てんする水素ガスの温度であり、熱交換器4の冷却能力や設定に応じて定めることができる。
例えば50wt%エチレングリコールを冷媒とするチラー冷却器を熱交換器4として用いる場合には、充てんガス温度T2は、最低冷却温度である−20℃を下限とし、上限を10℃とする範囲に想定することができる。
【0021】
流量調整弁V1の開放速度αは、貯留タンク2の圧力に基づき所定の時間内にどの程度開度を大きくするかを示すものである。
例えば弁座に形成された開口部を塞ぐ弁体と、これに接続されたスピンドルを備えた流量調整弁V1では、所定時間に、開口部が塞がれた状態(開度ゼロ)から、開度が大きくなる方向へスピンドルが移動した距離を、開放速度αとすることができる。スピンドルの移動距離は、スピンドルの全移動距離に対する百分率で表すことができる。開放速度αの具体例としては、30秒間あたりのスピンドル移動距離(%)を挙げることができる。
なお、本発明では、流量調整弁の開放速度に代えて、流量調整弁の開度を使用することもできる。
すなわち、本発明でいう「流量調整弁の開度」とは、開度を大きくする速度である開放速度であってもよいし、開度そのものであってもよい。
なお、貯留タンク2は、複数でもよく、低圧の貯留タンクから高圧側に順次切り換えて充てんする方法にも適用できる。
【0022】
次に、図2〜図5を参照して、燃料充てん装置10を用いた場合を例として、本発明の燃料充てん方法の第2の実施形態を説明する。
温度履歴データベース21には、あらかじめ、燃料充てん装置10が設置された地域の過去における気温を、時期や時刻ごとに入力しておく。
なお、温度履歴データベース21には、燃料充てん装置10の設置場所が限定されないようにするため、燃料充てん装置10の設置が想定されるすべての地域における気温データを入力しておくことができる。
ここに示す充てん方法では、制御部23において、以下の(1)〜(3)に示す演算処理を行い、流量調整弁V1の開放速度αを決定する。
【0023】
(1)充てん前タンク内温度T1の予測
水素ガスを水素自動車12に充てんする時点での気温を、温度履歴データベース21内の過去の気温データから予測する。
気温の予測は、過去の同時期(同日)および同時刻における気温や、充てん時の天候などに基づいて行うことができる。
【0024】
貯留タンク2が燃料充てん装置10の近くに設置されている場合には、貯留タンク2内の温度は、燃料充てん装置10付近の気温に応じたものとなるため、貯留タンク2内の温度に基づいて気温を予測してもよい。例えば充てん時の気温は貯留タンク2内温度とほぼ同じであると考えることができる。この場合には、貯留タンク2に温度計(温度検出手段)を設置し、検出値に基づく検出信号を制御部23に入力できるようにすればよい。
なお、充てん時の気温は、気温計(気温検出手段)を用いて直接測定してもよい。この場合には、検出値に基づく検出信号を制御部23に入力できるようにすればよい。
【0025】
充てん前タンク内温度T1は、水素自動車12が走行する環境における気温の影響を受けると考えられるため、上記予測または測定された気温に基づいて充てん前タンク内温度T1を予測することができる。例えば充てん前タンク内温度T1は、上記気温とほぼ同じであると考えることができる。
図4に示す例では、充てん前タンク内温度T1は、−40〜50℃の範囲で、10℃ごとに9段階が想定されている。
この例では、充てん前タンク内温度T1は、9段階の想定温度のうち、20℃であると予測されている。
充てん時の気温予測値が上記9段階の想定温度のいずれにも該当しない場合には、上記9段階の想定温度のなかから予測値に最も近い値(好ましくは予測値よりも高く、かつ最も近い値)を選択し、これを充てん前タンク内温度T1とすればよい。
また、予測値の前後の想定温度に関するデータに基づいて、データを補完し、この補完データに基づいて充てん前タンク内温度T1を決定してもよい。
【0026】
(2)充てんガス温度T2の設定
熱交換器4の設定等に基づいて、燃料タンク13に充てんする水素ガスの温度を定める。
図4に示す例では、充てんされる水素ガスの温度は、熱交換器4の設定に応じて−10〜10℃の範囲で5℃ごとに5段階が想定されている。
この例は、熱交換器4のフル稼働させた場合に関するものであり、充てんガス温度T2は、5段階の温度のうち、最低冷却温度である−10℃とされている。
実際に充てんされる水素ガスの温度(実際の充てん温度)が上記5段階の温度のいずれにも該当しない場合には、上記5段階の温度のなかから実際の充てん温度に最も近い値(好ましくは実際の充てん温度よりも高く、かつ最も近い値)を選択し、これを充てんガス温度T2とすればよい。また、実際の充てん温度の前後の想定温度に関するデータに基づいて、データを補完し、この補完データに基づいて充てんガス温度T2を決定してもよい。
なお、充てんガス温度T2は、充てんガス温度計8によって直接測定してもよい。この場合には、検出値に基づく検出信号を制御部23に入力できるようにすればよい。
【0027】
(3)流量調整弁V1の開放速度αの設定
図4に示す例では、開放速度αは次の3段階が想定されている。
α1:30秒間で100%開放
α2:30秒間で75%開放
α3:30秒間で50%開放
開放速度αは、30秒間に、流量調整弁V1の開口部が塞がれた状態(開度ゼロ)から、開度が大きくなる方向へスピンドルが移動した距離で表されている。スピンドル移動距離は、スピンドルの全移動距離に対する百分率で表されている。
【0028】
図5は、充てん前タンク内温度T1が20℃であり、充てんガス温度T2が−10℃であるときに、開放速度をα1〜α3のうちいずれか設定した場合における、充てん時の燃料タンク13内の温度の経時変化を示すものである。
図示例においては、燃料タンク13の設計温度は85℃とされているため、タンク内温度を85℃以下にする必要がある。
図5(a)に示すように、開放速度をα1とした場合には、充てん時のタンク内温度が設計温度85℃を越えてしまう。
図5(b)および図5(c)に示すように、開放速度をα2またはα3とした場合には、充てん時のタンク内温度が設計温度85℃以下となる。
開放速度をα2とした場合とα3とした場合とを比較すると、より高い開放速度α2の方が充てん速度を高くすることができるため、開放速度α2が選択される。
【0029】
制御部23において、上記(1)〜(3)が行われ、流量調整弁V1の開放速度α2が選択されると、開放速度α2に応じた制御信号が流量調整弁V1に向けて送出される。流量調整弁V1では、この制御信号に基づいて、開度が開放速度α2で大きくなる。
これによって、流量調整弁V1の開度に応じた流量の水素ガスが、貯留タンク2から供給経路3、連絡管11を通して水素自動車12の燃料タンク13に充てんされる。
充てん時の燃料タンク13内の温度は、図5(b)に示したものに近い経時変化を示すため、タンク内温度は設計温度以下に保たれる。
【0030】
なお、図5(a)〜図5(c)に示す温度変化データは、充てん開始時のタンク内圧力をゼロとした場合のものである。
通常、燃料充てんのため燃料充てん装置10を訪れる水素自動車12は、燃料タンク13内の水素ガス量はゼロでなく、燃料タンク13内に水素ガスが残留していると考えられる。この場合には、充てん開始時のタンク内圧力がゼロである場合に比べ、新たに充てんできる燃料の量が少なくなることから、充てん時の温度上昇幅は低く抑えられることになる。
従って、充てん開始時のタンク内圧力がゼロである場合( 図5(a)〜図5(c))に基づいて開放速度αを設定しても安全上の問題は生じない。
【0031】
上記燃料充てん装置10では、温度履歴データベース21を格納した記憶部22を有する制御手段5を備えているので、充てん前タンク内温度T1と、充てんガス温度T2と、流量調整弁V1の開放速度αと、充てん時のタンク内温度変化との関係に関するデータに基づいて、タンク内温度が設計温度を越えない範囲で、大きな流量調整弁V1の開度を選択することができる。
従って、燃料タンク13の温度を低く維持し、かつ充てん時間を短縮することが可能となる。
【0032】
なお、燃料タンク13への燃料充てん量(タンク13の設計圧力に対する充てん圧力)が100%未満である場合(例えば充てん量50%である場合)には、次に示す充てん方法が可能である。
水素自動車12の供給経路14には逆止弁V3が設けられているため、供給する水素ガス圧力が燃料タンク13内の圧力より大きくなったときにはじめて水素ガスが供給される。
従って、水素ガス充てん開始時の水素ガス圧力(充てん開始圧力)は、燃料タンク13内の圧力(残留ガス圧力)とほぼ等しいことになり、この圧力は、圧力計9によって検出することができる。
あらかじめ、温度履歴データベース21に、充てん開始時圧力ごとの充てん時のタンク内温度変化のデータを用意しておくことによって、タンク内の水素ガス量が、目的とする充てん量に達するまでの時間を予測することができる。
すなわち、温度T1、T2と、開放速度αと、充てん開始時圧力と、充てん時のタンク内温度変化との関係に関するデータに基づいて、上記目的充てん量に達するまでの時間内で設計温度を越えない範囲で、大きな流量調整弁V1の開度を選択することができる。
これによって、燃料タンク13の温度を確実に低く維持し、かつ充てん操作を容易にすることができる。
【0033】
次に、図6を参照して、本発明の燃料充てん方法の他の例を説明する。
この充てん方法では、充てん時間を極力短くすることを目的とする「急速充てん」と、タンク温度低く抑え、かつ充てん量を多くすることを目的とする「量充てん」のうちいずれかを選択できる。
【0034】
まず、急速充てんについて説明する。
急速充てんでは、上記第2の実施形態の方法と同様にして、充てん前タンク内温度T1と、充てんガス温度T2と、流量調整弁V1の開放速度αと、充てん時のタンク内温度変化との関係に関するデータに基づいて、タンク内温度が設計温度を越えない範囲で、最も大きな流量調整弁V1の開度を選択する。
例えば、図5に示すように、充てん前タンク内温度T1が20℃であり、充てんガス温度T2が−10℃である場合には、タンク内温度が設計温度を越えない範囲で、最も大きな流量調整弁V1の開放速度であるα2を選択することができる。
なお、熱交換器4の冷却能力が充分大きく、流量調整弁V1の開度を最大としてもタンク内温度が設計温度を越えない場合には、常に最も大きな流量調整弁V1の開度が選択されるようにしてもよい。
【0035】
次に、量充てんについて説明する。
まず、急速充てんと同様にして、充てん前タンク内温度T1、充てんガス温度T2を決定する。
量充てんでは、急速充てんと異なり、流量調整弁V1の開放速度αを選択するに際して、設計温度を越えない範囲で最も高い開放速度αではなく、比較的低い開放速度αを選択する。
例えば、図5に示すように、充てん前タンク内温度T1が20℃であり、充てんガス温度T2が−10℃である場合には、タンク内温度が設計温度を越えない範囲で、比較的小さな流量調整弁V1の開放速度であるα3を選択することができる。
この方法では、急速充てんに比べ、充てんに要する時間は長くなるが、充てん速度が低くなるため、タンク内温度を低く抑えることができる。
従って、水素ガス充てん量を多くすることが可能となる。
【0036】
急速充てんは、タンク内の残留水素ガス量が多く、充てんするべき水素ガス量が少ない場合に用いるのが好ましい。充てん量が少ない場合には充てん速度が速くてもタンク内の温度上昇幅が小さくなるためである。
量充てんは、タンク内の残留水素ガス量が少なく、充てんするべき水素ガス量が多い場合に用いるのが好ましい。充てん量が多い場合には、タンク内の温度が上昇しやすいためである。
【0037】
急速充てんと量充てんとの選択は、利用者側(水素自動車12の利用者側)が行ってもよいし、従業員側(燃料充てん装置1の取扱者側)が行ってもよい。
また、利用者が多い繁忙時期には、急速充てんを選択して利用者あたりの充てん時間を短くするのが好ましい。これによって、利用者数を多くすることができる。
一方、利用者が少ない閑散時期には、量充てんを選択し、利用者あたりの充てん量を多くするのが好ましい。
【0038】
また、外気温が低い場合には、熱交換器4を使用せずに十分な水素ガス冷却が可能となることがある。このため、外気温に応じて熱交換器4の使用および不使用を選択することができるようにすれば、エネルギー消費を最小限に抑えることができ、コスト面で有利となる。
また、温度履歴データベースには、容量が異なる複数種の燃料タンクに応じた温度データを格納しておき、充てん対象となる燃料タンクの容量に応じた温度データに基づいて流量調整弁V1の開度を調整するのが好ましい。
【0039】
なお、上記実施形態の充てん方法では、充てん前タンク内温度T1と、充てんガス温度T2と、流量調整弁V1の開放速度αと、充てん時のタンク内温度との関係を示すデータを取得し、これに基づいて開放速度αを選択するが、本発明の充てん方法はこれに限らず、これらのデータから得られた計算式に基づいて、充てん時のタンク内温度を求めることも可能である。
この場合には、算出されたタンク内温度に基づいて、開放速度αを選択する。
なお、上記実施形態では、流量調整弁の二次側に熱交換器を設けて、水素ガスの冷却を行ったが、各構成機器および配管に冷却機能を付与することで同様の冷却をおこなうこともできる。
また熱交換器は、流量調整弁の二次側に配置したが、流量調整弁を熱交換器の二次側に設けることもできる。この場合には、温度抑制効果は小さくなるが、上記実施形態の方法と同様に、水素ガスの温度抑制および流量調整という効果を得ることができる。
本発明では、流量調整弁を備えていない構成も可能である。
【0040】
【発明の効果】
本発明の燃料充てん装置は、水素ガスを冷却する熱交換器を備えているので、低温の水素ガスを燃料タンクに充てんすることができる。
このため、流量調整弁を通過する際に水素ガス温度が上昇した場合でも、燃料タンクの温度が過度に上昇するのを防ぐことができる。
従って、燃料タンクの温度を確実に設定温度以下に維持することができる。
また、充てん操作の際に燃料タンクの温度を測定する従来の充てん方法に比べ、燃料タンクの温度管理が容易となるため、簡単な操作で燃料充てんを行うことができる。
【0041】
また、温度履歴データベースを格納した記憶部を有する制御手段を備え、この制御手段が、温度履歴データベースが格納された記憶部と、温度履歴データベース内のデータに基づいて流量調整弁の開度調節により水素ガス供給流量を制御する制御部とを有する構成によって、温度履歴データベース内のデータに基づいて、タンク内温度が設計温度を越えない範囲で、大きな流量調整弁の開度を選択することができる。
従って、燃料タンクの温度を低く維持し、かつ充てん時間を短縮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料充てん装置の第1の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明の燃料充てん装置の第2の実施形態を示す概略構成図である。
【図3】図2に示す燃料充てん装置の制御手段を示すブロック図である。
【図4】本発明の燃料充てん方法の一例の手順を説明する説明図である。
【図5】本発明の燃料充てん方法の一例の手順を説明する説明図である。
【図6】本発明の燃料充てん方法の他の例を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1、10・・・燃料充てん装置、4・・・熱交換器、5・・・制御手段、12・・・水素自動車、13・・・燃料タンク、21・・・温度履歴データベース、V1・・・流量調整弁
Claims (5)
- 水素ガスを燃料とする水素ガス自動車の燃料タンクに水素ガスを充てんする燃料充てん装置であって、
水素ガスを冷却する冷却手段を備えたことを特徴とする燃料充てん装置。 - 水素ガスを燃料とする水素ガス自動車の燃料タンクに水素ガスを充てんする燃料充てん装置であって、
水素ガスの供給量を調整する流量調整弁と、この流量調整弁を経た水素ガスを冷却する冷却手段とを備えたことを特徴とする燃料充てん装置。 - 水素ガスの供給量を制御する制御手段を備え、この制御手段が、温度履歴データベースが格納された記憶部と、温度履歴データベース内のデータに基づいて流量調整弁の開度調節により水素ガス供給流量を制御する制御部とを備え、
温度履歴データベースは、充てん前の燃料タンク内の温度と、燃料タンクに充てんする水素ガスの温度と、流量調整弁の開度と、充てんの際の燃料タンク内の温度との関係を示すデータを含むものであることを特徴とする請求項2記載の燃料充てん装置。 - 水素ガスを燃料とする水素ガス自動車の燃料タンクに、燃料充てん装置を用いて水素ガスを充てんする方法であって、
燃料充てん装置が、水素ガスの供給量を調整する流量調整弁と、水素ガスを冷却する冷却手段とを備え、
流量調整弁を経た水素ガスを、冷却手段を用いて冷却した後に燃料タンクに充てんすることを特徴とする燃料充てん方法。 - 燃料充てん装置が、水素ガスの供給量を制御する制御手段を備え、この制御手段が、温度履歴データベースが格納された記憶部と、温度履歴データベース内のデータに基づいて流量調整弁の開度調節により水素ガス供給流量を制御する制御部とを備え、
温度履歴データベースは、充てん前の燃料タンク内の温度と、燃料タンクに充てんする水素ガスの温度と、流量調整弁の開度と、充てんの際の燃料タンク内の温度との関係を示すデータを含むものであることを特徴とする請求項4記載の燃料充てん方法。
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