JP4554929B2 - マグネシウムで媒介されたフッ素化アルキルシランの調製 - Google Patents

マグネシウムで媒介されたフッ素化アルキルシランの調製 Download PDF

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Description

本発明は、トリフルオロメチル−及びジフルオロメチルシランのようなフッ素化アルキルシランの調製の方法、並びにこの方法で使用される反応物に関する。本発明は、更に特定的には、典型的にはトリ−及びジフルオロメタン有機硫黄化合物並びにマグネシウムのような還元性金属とで行われるトリ−及びジフルオロメチル化のための技術に関する。
[背景技術]
トリフルオロメチル(CF3)及びジフルオロメチル(CF2H)基の有機分子への導入は、トリフルオロメチル化及びジフルオロメチル化化合物の材料化学、医薬及び農芸化学の潜在的使用のために、増加する注目を得つつある。この目的を達成するための方法はわずかしか存在しないが、有機ケイ素試薬(RfSiR3、Rf=CF3、CF2H)によりフッ化物が導入されるトリフルオロメチル化又はジフルオロメチル化が、簡単な、そして信頼性のある方法と考えられている。最初Prakash,G.K.S.;Krishnamuti,R.;Olah,G.A.によって1989年(J.Am.Chem.Soc.1989,111,393)に、温和な条件化の優れた求核的トリフルオロメチル化試薬として開発された、(トリフルオロメチル)トリメチルシラン(TMS−CF3)は、広く使用され、そして更にエノール化可能なカルボニル化合物とも作用する。(1)トリフルオロメチル基の、ブロモトリフルオロメタンの電解還元によるカルボニル含有分子への直接導入:Sibille,S.;Mcharek,S.;Perichon,J.Tetrahedron 1989,45,1423;(2)CF3Iをトリフルオロメチル化試薬として使用:Ait−Mohand,S.;Takachi,N.;Medebielle,M.;Dolbier,W.Jr.Org.Lett.2001,3,4271;(3)トリフルオロメチルアセトフェノン−N,N−ジメチルトリメチルシリルアミン付加物をトリフルオロメチル化剤として使用:Motherwell,W.B.;Storey,L.Synlett 2002,646;(4)トリフルオロメタンをトリフルオロメチル化前駆体として使用:(a)Shono,T.;Ishifume,M.;Okada,T.;Kashimura,S.J.Org.Chem.1991,56,2.(b)Barhdadi,R.;Troupel,M.;Perichon,J.Chem.Comm.1998,1251.(c)Folleas,B.;Marek,I.;Normant,J.−F.Saint−Jalmes,L.Tetrahedron Lett.1998,39,2973.(d)Folleas,B.;Marek,I.;Normant,J.−F.;Saint−Jalmes,L.Tetrahedron 2000,56,275.(e)Russell,J.;Roques,N.Tetrahedron 1998,54,13771.(f)Large,S.;Roques,N.;Langlois,B.R.J.Org.Chem.2000,65,8848.(g)Roques,N.;Russell,J.;Langlois,B.;Saint−Jalmes,L.;Large,S PCT国際特許出願1998,WO9822435.(h) Roques,N.;Mispelaere,Tetrahedron Lett.1999,6411;(5)CF3 -/N−ホルミルモルホリン付加物をトリフルオロメチル化剤として使用:Billard,T.B.;Langlois,B.R.Org.Lett.2000,2,2101;(6)トリフルオロアセトアルデヒドのピペラジノヘミアミナールをトリフルオロメチル化剤として使用:(a)Billard,T.;Langlois,B.R.;Blond,G.Eur.J.Org.Chem.2001,1467.(b)Billard,T.;Langlois,B.R.J.Org.Chem.2002,67,997のような、いくつかの他の種類の求核的トリフルオロメチル化の方法がその後文献に現れているが,然しながら、全てのこれらの最近開発された方法は、エノール化可能な系の場合効率的ではない。
TMS−CF3は、最初Ruppert等によって調製され、そしてTetrahedron Lett.1984,25,2195に公開された。それ以来、化学的及び電気化学的方法の両方によって過去20年間にいくつかの他の手順が開発されている:(a)1989年に、Pawelkeは、クロロトリメチルシラン(TMSCl)、ヨウ化トリフルオロメチル及びテトラキス(ジメチルアミノ)エチレンを使用したTMS−CF3への調製経路を報告した:Pawelke,G.J.Fluorine Chem.1989,42,429。(b)1991年に、Prakash等は、TMS−CF3を調製するための改良されたRuppertの手順を公開した:Krishnamurti,R.;Bellew D.R.;Prakash G.K.S.J.Org.Chem.1991,56,984;Ramaiah,P.;Krishnamurti,R.;Prakash,G.K.S.Org.Syn.1995,72,232。(c)1994年に、Prakash等は、新しい、そして効率の良いTMS−CF3を製造するための、ブロモトリフルオロメタンの電気化学的トリメチルシリル化を開発した:Prakash,G.K.S.;Deffieux,D.;Yudin,A.K.;Olah,G.A.Synlett 1994,1057。(d)1994年に、Nedelec等は、TMS−CF3を製造するための、TMSCl及び犠牲アルミニウムアノードの存在中の、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中のCF3Brの電気化学的還元を報告した:Aymard,F.;Nedelec,J.−Y.;Perichon,J.Tetrahedron Lett.1994,35,8623。(e)1995年に、Grove及びHeggeは、TMS−CF3を製造するための、TMSClの、ブロモトリフルオロメタン及びアルミニウム金属による、N−メチルピロリジノン(NMP)の存在中のトリフルオロメチル化を報告した:Grobe,J.;Hegge,J.Synlett 1995,641。
然しながら、これらの方法の全ては、いくつかの欠点を有する。先ず、これらは、全てブロモトリフルオロメタン(CF3Br)又はヨードトリフルオロメタン(CF3I)をトリフルオロメチル基の供給源として使用する。ハロゲン化トリフルオロメチル、特にCF3Brは、一般的にオゾン層破壊性であり、そして最近はその製造及び使用が規制されている。第2に、これらの手順は、特別な装置及び十分に制御された反応条件を必要とし、そして生成物の収率は広く変化する。最後に、報告された方法のいずれも、構造的に多様なトリフルオロメチルシランの調製に対して適用できるものではない。トリフルオロメチル化と比較して、求核的ジフルオロメチル化は、わずかしか知られていない:Hagiwara,T.;Fuchikami,T.Synlett1995,717。これは、主としてジフルオロメチルシランの調製のための、一般的な、そして効率の良い方法が無いためである。構造的に多様なトリフルオロメチル−及びジフルオロメチルシランの調製のための、新しい、一般的な、経済的な、そして効率の良い方法に対する必要性があることは明らかである。
トリフルオロメチルケトン、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメチルイミン、p−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン及びジフルオロメチルケトンのC−F結合の開裂、第三アルコールのO−シリル化、カルボニル化合物のTMSClとの交差カップリング、並びに芳香族α、β−不飽和カルボニル化合物のC−アシル化のような、電子移動過程によるマグネシウム金属で促進された反応は、近年、興味を引いており、その興味は増しつつある。(a)Uneyama,K.;Amii H.J.Fluorine Chem.2002,114,127。(b)Prakash,G.K.S.;Hu,J.;Olah,G.A.J.Fluorine Chem.2001,112,357−362。(c)Nishigachi,I.;Kita,Y.;Watanabe,M.;Ishino,Y.;Ohno,T.;Maekawa,H.Synlett 2000,1025。(d)Ishino,Y.;Maekawa,H.;Takenchi,H.;Sukata,K.;Nishiguchi,I.Chem.Lett.1995,829。(e)Ohno,T.;Sakai,M.;Ishino,Y.;Shibata,T.;Maekawa,H.;Nishiguchi,I.Org.Lett.2001,3,3439。然しながら、トリフルオロメチル及びジフルオロメチルスルホン又はスルホキシドのマグネシウム金属で媒介された還元は、いまだ探究されていない。
トリフルオロメチル及びジフルオロメチルスルホン又はスルホキシドにおいて、CF3及びCF2H基の強力な電子求引効果のために、擬ハライド及び硫黄原子間の結合は、十分に分極され、疑似ハライド基が実質的な負の電荷を保有する。従って、電子がマグネシウム金属からスルホン及びスルホキシドに移動した場合、アニオン性CF3 -又はCF2-種を生成するC−S結合の還元的開裂は、C−F結合の分裂に先行した。これらの反応を、図1にスキームI及びIIとして示す。
更に、フェニルトリフルオロメチルスルホン(1)又はフェニルトリフルオロメチルスルホキシド(2)は、更に環境的にやさしい前駆体から図2に例示したスキームによって都合よく調製することもできる。この前駆体は、例えば、トリフルオロメタン(CF3H)又はトリフルオロ酢酸(図2、スキームI参照)である。一方ジフルオロメチルスルホン(4)は、既知の方法(図2、スキームII参照)を使用して得ることができる。(a)Roques,N.;Russell,J.;Langlois B.;Saint−Jalmes,L.;Large S.米国特許第6,203,721 B1(2001);PCT出願:W098/22435(1998)。(b)Gerard,F.;Jean− Mannel,M.;Laurent,S.−J.欧州特許出願1996,EP 733614。(c)Hine,J.;Porter,J.J.Am.Chem.Soc.1960,82,6178。
このような考慮を心にして、クロロシランのマグネシウム媒介の還元的フルオロアルキル化を開発し、従って各種のフッ素化アルキルシランを調製するための、長い間必要とされていた、より簡単で効率の良い方法を提供する。
[発明の概要]
従って、本発明は、フッ素化アルキルスルホン、フッ素化アルキルスルホキシド又はフッ素化アルキルスルフィドのようなフッ素化アルキル硫黄含有化合物と塩化シリルとを、還元剤の存在下にフッ素化アルキルシランを調製するために十分な反応条件下で反応させることによる、フッ素化アルキルシランを調製するための方法を提供する。反応条件は、−50ないし30℃の間の温度、及び10分ないし24時間の間の時間を含み、そして好ましくは−40ないし20℃の間の温度及び20分ないし6時間の間の時間である。反応は、好ましくはマグネシウム又は亜鉛のような金属である還元剤の存在中で好都合に行われる。反応は、好ましくは溶媒の存在中で行われる。
本発明のもう一つの側面は、これらのフッ素化アルキルシランの調製のための自己触媒的方法の提供である。フッ素化アルキル硫黄含有反応物が、フェニルトリフルオロメチルスルフィドである場合、これは、トリフルオロメタンとジフェニルジスルフィドとの反応から調製することができる。フッ素化アルキルシラン生成物を形成するその後の反応により、ジフェニルジスルフィドが生成され、これは次いでトリフルオロメタンと反応されて更なる反応物を提供することができる。
得られたフッ素化アルキルシラン生成物は、その後求核的フルオロメチル化剤として使用することができる。
[好ましい実施態様]
本発明の方法において、フッ素化アルキルシランは、フッ素化アルキル硫黄含有化合物を、塩化シリルと、還元剤の存在中でフッ素化アルキルシランを調製するために十分な反応条件下で反応させることによって調製される。
好ましいフッ素化アルキル硫黄含有化合物は、フッ素化アルキルスルホン、フッ素化アルキルスルホキシド又はフッ素化アルキルスルフィドであり、そしてこの方法は、好ましくは以下の式:
Figure 0004554929
(X=F又はH;
1=アリール、アルキル;
2、R3、R4=非環式又は環式のアルキル又はアリール;
溶媒=DMF、THF、DMSO、等)
のように行われる。好都合には、R1は、直鎖、分枝鎖或いは単環又は縮合環の環式である1ないし24個、好ましくは1ないし12個の炭素原子を有するアルキル基であり、そして一つ又はそれより多いハロゲン、ヒドロキシ、又は1ないし8個の炭素原子を有するアルコキシ基で所望により置換され、ここにおいて置換基は反応に関与せず; 或いは単環又は縮合環の6ないし24員の、好ましくは6ないし12員のアリール基であり、ここにおいて構成原子は、炭素又は窒素、酸素若しくは硫黄のヘテロ原子であり、そして環(類)は、1ないし8個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン、アルコール、又は1ないし8個の間の炭素原子のアルコキシドの一つないし三つの置換基で所望により置換されている。更に、R2、R3又はR4は、独立に、直鎖、分枝鎖或いは単環又は縮合環の環式である1ないし24個、好ましくは1ないし12個の炭素原子を有するアルキル基、であることができ、そして一つ又はそれより多いハロゲン、ヒドロキシ、又は1ないし8個の炭素原子を有するアルコキシ基で所望により置換され、ここで置換基は反応に関与せず;或いは単環又は縮合環の6ないし24個、好ましくは6ないし12個の炭素原子を持つアリール基であり、1ないし8個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン、アルコール、又は1ないし8個の間の炭素原子のアルコキシドの一つないし三つの置換基で所望により置換されている。好ましいアリール基は、フェニル基又はピリジル、チオフェニル、フリル、ピロール等のようなヘテロ芳香族基である。
反応条件は、広い温度範囲にわたって変えることができる。一般的に、−50ないし30℃、好ましくは−40ないし20℃の温度を使用することができる。10分ないし24時間、好ましくは20分ないし6時間の反応時間が適している。
反応は、好ましくは金属である還元剤の存在中で好都合に行われる。亜鉛を使用することができるが、マグネシウムが、これが一般的により高い収率を与えるために好ましい。アルミニウム、インジウム、ナトリウム又はリチウムのような還元性金属は、有用ではなく、そして作用しない。
反応は、好ましくは溶媒の存在中で行われる。好ましくは、溶媒は、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、ジメトキシエタン、又はテトラヒドロピランのような有機溶媒である。
本発明は、具体的にはトリフルオロメチル及びジフルオロメチルスルホン、スルホキシド又はスルフィドを使用する、クロロシランの金属媒介の還元的トリ−及びジフルオロメチル化による、トリフルオロメチル−及びジフルオロメチル−シランの調製のための一般的な、そして効率のよい方法に関する。本発明の方法のスキームは、図3に例示する。この図において、出発物質は、スルフィド、スルホン又はスルホキシドのいずれでもあることができ、ここでXは、F又はHを含んでなり、R1は、アリール及びアルキル基を含んでなり、そしてR2、R3、R4は、全て本明細書中で定義したとおりの環式又は非環式アルキル及びアリール置換基を含んでなる。実験的実施例は、最も好ましい態様を表し、そして表1に列挙してある。
表1
C−S結合のMg0媒介の還元的開裂によるトリフルオロメチルシラン及びジフルオロメチルシランの調製
Figure 0004554929
a反応温度の制御は、反応の発熱性のために重要である。大規模な反応は、通常低い温度を必要とする。b反応時間は、異なった反応の規模により変化する。c収率は19F NMRによって決定し、そしてカッコ内のデータは、単離された収率を表す。
2,2,2−トリフルオロエチルフェニルスルホン(10)又はスルホキシド(11)を、マグネシウム及びTMSClと、同様な反応条件下で反応させた場合、図4に例示したスキームによって示すように、1,1−ジフルオロエタンが容易に製造される。
メチルトリフルオロメチルスルホン(CH3SO2CF3、13)は、更にマグネシウム金属及びTMSClと、DMF中で反応して、TMS−CF3を中程度の収率(室温で20時間の時間をかけて、約40%)で製造する。然しながら、反応は緩慢に見受けられる。これは、基質1中の芳香族環の共役が初期の電子移動過程を促進するために重要であることを示している。
亜鉛のような他の還元性金属の使用は、生成物の収率は低い(約30%)が、この種類の反応に適していることも更に記述すべきである。THFのような他の溶媒も、その使用が一般的に長い反応時間を必要とするが、更に反応に使用することができる。これは、CF3 -/DMF付加物を、これらの反応の中間体として援用する必要がないことを示す:Russell J.;Large,S.;Roques,N.;Langlois,B.;Saint−Jalmes,L.W098/22435;Russell J.;Roques,N.Tetrahedron 1998,13771。
フェニルトリフルオロメチルスルホン(1)及びスルホキシド(2)を、トリフルオロメタン(メタンから製造される)及びジフェニルジスルフィド(PhSSPh)から容易に調製することができることは公知である。本発明のフルオロアルキル化の方法において、PhSSPhが還元性の副産物として生成されるために、本発明で開発された方法は、図5に例示するように、容易に入手可能なトリフルオロメタン及びクロロシランからの(トリフルオロ)シランの製造のための新規な、そして有用な“擬触媒性”の経路を提供する。
(全般的説明)
他に記述しない限り、全ての試薬は、商業的供給源から購入した。トリフルオロメチルフェニルスルホン及びスルホキシドは、トリフルオロメチルフェニルスルフィドから調製し、これは、Aldrichから入手するか、フルオロホルム及びPhSSPhから調製するかのいずれかであった。他の既知のスルフィド、スルホキシド及びスルホンは、報告されている手順によって調製した。削り状マグネシウムは、いずれかの特別な前処理もせずに使用した。DMFは、水素化カルシウム上で蒸留し、そして活性化モレキュラーシーブ上で保存した。全ての反応は、シュレンク(Schlenk)機器を使用して行い、そして反応は、19F NMRで定期的にモニターした。1H、13C、19F及び29Si NMRスペクトルは、500及び360MHzの超伝導NMR分光計で記録した。1H NMRの化学シフトは、δ0.0における内部(CH34Si(TMS)に対して、又は残留プロトン化溶媒:CDCl3のδ7.26のシグナルに対して決定した。13C NMRの化学シフトは、δ0.0における内部TMSに対して、又は溶媒:CDCl3のδ77.0の13Cシグナルに対して決定した。19F NMRの化学シフトは、δ0.0における内部CFCl3に対して決定した。29Si NMRの化学シフトは、δ0.0における内部TMSに対して決定した。IRスペクトルは、Perkin−Elmer 2000 FTIR分光計で得た。GC−MSは、Hewlett Packard 5971 Mass Selective Detectorを伴うHewlett Packard 5890 Gas Chromatographで記録した。低沸点化合物の高分解能質量データは、マイクロマスGCT(飛行時間型)を伴うAgilent 6890 GCクロマトグラフで記録した。他の高分解能質量データは、VG 7070高分解能質量分析計で記録した。
実施例1:(トリフルオロメチル)トリメチルシラン(14)の調製
アルゴン雰囲気下の250mLの乾燥したシュレンクフラスコに、0℃の50mLのDMF中の1.14gの削り状Mg(47.5mmol)及び11.8gのTMSCl(109mmol)を加えた。2分間撹拌した後、5mLのDMF中の4.62g(23.8mmol)のフェニルトリフルオロメチルスルホキシド(2)を、シリンジによりゆっくりと加えた。反応混合物を0℃で30分間、そして次いで室温で、全ての出発物質が生成物14に転換(19F NMRによってモニター)されるまで更に1.5時間撹拌した。全ての低沸点留分を真空下でトラップ(液体窒素で冷却)中に収集し、室温まで温め、そして次いで氷水(50mL×3)で洗浄した。活性化モレキュラーシーブで迅速に乾燥した後、有機混合物を30cmの長さのカラムを使用して分別的に蒸留して、2.73g(81%収率)の沸点53−55℃(文献値沸点55−55.5℃)の生成物3aを得た。1H NMR(360MHz,CDCl3):δ 0.25(s,9H,CH3)。13C NMR(90MHz,CDCl3):δ −5.3(s,CH3);131.7(q,1C-F=321.8Hz,CF3)。19F NMR(338MHz,CDCl3):δ −67.2。
同様に、化合物1を使用して、化合物14を82%の単離収率で調製した。化合物3も、化合物14を調製するために使用することができるが、しかし反応が緩慢であることが見出された。
実施例2:(トリフルオロメチル)トリエチルシラン(15)の調製
1.03g(43mmol)の削り状マグネシウム及び30mLのDMFをアルゴン下で含有する、火炎乾燥したシュレンクフラスコに、3.0g(14mmol)のトリフルオロメチルフェニルスルホン(1)を0℃で加えた。5分間撹拌した後、6.45g(43mmol)の塩化トリエチルシリルをシリンジにより滴下により加えた。反応混合物の色はゆっくりと黄色に変わった。反応の進行を19F NMRによって定期的にモニターした。1時間後、混合物を20分の時間をかけてゆっくりと室温まで温め、そして反応混合物を50mLの氷水で洗浄した。過剰のMgを除去した後、溶液をペンタン(30mL×3)で抽出した。ペンタン相を冷98%硫酸(30mL×4)で注意深く洗浄して、殆どのシロキサン及びシラノールを除去した。その後、有機相を冷水(30mL×2)、飽和NaHCO3水溶液(30mL×2)、水(20mL×2)で洗浄し、そして無水の硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を真空下(約100トール)で除去し、そして得られた粗製生成物は、PhSSPhを副産物として更に含有していた(GC−MS及びNMRの両方により特徴づけ)。粗製生成物を小規模な分別蒸留によって注意深く精製して、2.48g(95%収率)の沸点=56〜58℃/60トール(文献値沸点52〜54℃/10トール)の(トリフルオロメチル)トリエチルシラン(15)を得た。GC−MSは、その純度が96%より高いことを示した。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 0.79(q,3H-H=7.9Hz,6H);1.04(t,3H-H=7.9Hz,9H)。13C NMR(125MHz,CDCl3):δ 0.79(s,CH2);6.37(s,CH3);132.19(q,1C-F=323.5Hz,CF3)。19F NMR(470MHz,CDCl3):−61.30。29Si NMR(99MHz,CDCl3):δ 7.74(q,2Si-F=32.0Hz)。GC−MS(m/z):184(M+),155(M−Et),115(Et3Si+)。
実施例3:(トリフルオロメチル)t−ブチルジメチルシラン(16)の調製
アルゴン雰囲気下の乾燥した250mLのシュレンクフラスコに、150mLのDMF中の5.14gの削り状Mg(214mmol)及び32.3g(214mmol)の塩化t−ブチルジメチルシリルを−30℃で加えた。その後、10mLのDMF中の15.0g(71.4mmol)の1をシリンジによってゆっくりと加えた。反応混合物を−30℃で1時間、そして次いで室温で、全ての出発物質が消費されるまで、更に2時間撹拌した(19F NMRは、転換が75%であることを示した)。反応混合物を氷水で洗浄し、続いてペンタン(30mL×4)で抽出した。混合したペンタン相を更に冷98%硫酸(20mL×4)で注意深く洗浄して、殆どのシロキサン及びシラノールを除去した。次いでペンタン相を冷NaHCO3水溶液で、pH試験紙が中性のpHを示すまで3回洗浄した。ペンタン相をMgSO4で乾燥し、そして溶媒を蒸発して、粗製生成物を得て、これを分別的に蒸留して、7.46gの無色の液体16(95℃/410トール)を収率57%で得て、これは室温で透明な結晶質の固体(融点52〜54℃、昇華)になった。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 0.20(s,6H);0.99(s,9H)。13C NMR(125MHz,CDCl3):δ −8.8;16.0;26.0;132.0(q,1C-F=323.8Hz,CF3)。19F NMR(470MHz,CDCl3):δ −61.8。29Si NMR(99MHz,CDCl3):δ 8.4(q,2Si-F=32.8Hz)。GC−MS(m/z):184(M+),127(M+tBu),115(M+−CF3),99(M+−CF3−CH3),57(tBu+)。高分解能GC−MS(EI):m/z C7153Siに対する計算値(M+)184.0895,実測値184.0943。
実施例4:トリス(トリメチルシリル)トリフルオロメチルシラン(17)の調製
手順は、上記の実施例と同様であった:−40℃の20mLのDMF中の2g(83mmol)の削り状Mg及び1g(4.76mmol)の1に、10mLのDMF中の3g(10.6mmol)の塩化トリス(トリメチルシリル)シリルをゆっくりと加えた。次いで反応混合物を−40℃で1時間、そして全ての1が消費されるまで(19F NMRでモニター)、−40℃〜−20℃で更に2時間撹拌した。反応混合物を氷水で洗浄し、続いてペンタン(20mL×4)で抽出した。ペンタン相を冷98%硫酸(10mL×3)で洗浄して、殆どのシロキサン及びシラノールを除去し、冷NaHCO3水溶液で、pH試験紙が中性のpHを示すまで3回洗浄した。MgSO4による乾燥及び溶媒の除去後、粗製生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(溶出剤としてペンタン)によって更に精製して、0.93g(62%収率)の50℃/10トールで昇華する固体の生成物17を得た。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 0.26(s,27H)。13C NMR(125MHz,CDCl3):δ 0.5(s,CH3);136.8(q,1C-F=328.0Hz,CF3)。19F NMR(470MHz,CDCl3):δ −41.4。29Si NMR(99MHz,CDCl3):δ −66.8 (q,2Si-F=27.5Hz,1Si);−12.5(q,3Si-F=4.6Hz,3Si)。GC−MS(m/z):316(M+),247[(Me3Si)3Si+],69(CF3 +)。高分解能GC−MS(EI):m/z C10273Si4に対する計算値(M+)316.1142,実測値316.1110。
実施例5:(ジフルオロメチル)トリメチルシラン(18)の調製
4.8g(200mmol)の削り状Mg、28.93g(266mmol)のTMSCl及び100mLのDMFの0℃の混合物に、10mLのDMF中の12.80g(66.7mmol)のジフルオロメチルフェニルスルホン(4)をゆっくりと加えた。反応混合物を0℃で、19F NMRが全ての4が消費されたことを示すまで90分間撹拌した。全ての低沸点種を球状受器を切替えながら蒸留して分離して除去し、続いて氷水(30mL×3)で洗浄し、そしてモレキュラーシーブで乾燥した。分別蒸留(30cm長さの蒸留カラムを使用)により、沸点52℃(文献値沸点50℃)の4.96gの生成物18を収率76%で得た。1H NMR(360MHz,CDCl3):δ 0.15(s,9H);5.82(t,2H-F=46.5Hz,1H)。13C NMR(90MHz,CDCl3):δ −5.4(t,3C-F=2.8Hz);123.9(t,1C-F=254.7Hz)。19F NMR(338MHz,CDCl3):δ −140.1(d,2F-H=46.8Hz)。
実施例6:(ジフルオロメチル)トリエチルシラン(19)の調製
5g(26mmol)のジフルオロメチルフェニルスルホン(4)、1.9gの削り状Mg(78mmol)及び150mLのDMFの−40℃の混合物に、11.8g(78mmol)のクロロトリエチルシランをゆっくりと加えた。次いで反応混合物を−40℃ないし10℃で、19F NMRが全ての4が消費されたことを示すまで4時間の間撹拌した。上記と同様な後処理及び分別蒸留により、沸点71℃/56トールの2.2gの生成物19を収率51%で得た。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 0.72(q,3H-H=8.0Hz,6H);1.02(t,3H-H=8.0Hz,9H);5.95(t,2H-F=46.0Hz,1H)。13C NMR(125MHz,CDCl3):δ 0.6(s,CH2);6.7(s,CH3);124.3(t,1C-F=254.8Hz)。19F NMR(470MHz,CDCl3):δ −137.6(d,2F-H=45.8Hz)。29Si NMR(99MHz,CDCl3):δ 3.3(t,2Si-F=24.8Hz)。GC−MS(m/z):166(M+);115(Et3Si+);51(CF2+)。
実施例7:1,2−ビス(トリメチルシリル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(20)の調製。
0.42g(17.5mmol)の削り状Mg、1.92g(17.7mmol)のTMSCl及び10mLのDMFの混合物に、1.60g(5.9mmol)のブロモジフルオロメチルフェニルスルホン(23)を加えた。反応混合物を0℃で30分間、そして室温で、19F NMRが全ての23が消費されたことを示すまで更に30分間撹拌した(19F NMR分析によれば20の収率は76%であり、そして副産物のTMSCF2TMSは18%であった)。反応混合物を氷水で洗浄し、続いてペンタン(10mL×4)で抽出した。ペンタン相を冷98%硫酸(10mL×3)で洗浄して、殆どのシロキサン及びシラノールを除去した。次いでペンタン溶液を冷NaHCO3水溶液で、pH試験紙が中性のpHを示すまで3回洗浄した。MgSO4による乾燥及び溶媒の除去後、粗製生成物を分別蒸留によって更に精製し、そして次いで−20℃で再結晶して、融点40〜42℃の0.40gの結晶質の生成物20を収率55%で得た。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 0.24(s,18H)。13C NMR(125MHz,CDCl3):δ −4.0(m,CH3);126.6(tt,1C-F=265.0Hz;2C-F=45.9Hz)。19F NMR(470MHz,CDCl3):δ −122.3。
化合物20は、更にPhSO2CF22SPh又はPhSO2CF2TMSを出発物質として使用することによっても調製される。
実施例8:フェニル(トリメチルシリル)ジフルオロメチルスルフィド(21)の調製
0.22g(9.2mmol)の削り状Mg、1.99g(18.3mmol)のTMSCl及び20mLのDMFの室温の混合物に、1.1g(4.6mmol)のブロモジフルオロメチルフェニルスルフィド(24)を加えた。反応物を室温で更に1時間撹拌した。過剰のTMSClを真空下(約10mmHg)で除去した。残留物を氷水で洗浄し、そして次いでジクロロメタン(20mL×3)で抽出した。有機相を食塩水及び水で連続して更に洗浄し、そしてMgSO4で乾燥した。溶媒の除去後、粗製生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(溶出剤としてペンタン)で更に精製して、905mg(85%収率)の生成物21を、沸点86〜87℃/4トールの無色の液体として得た。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 0.25(s,9H);7.37(m,3H);7.59(d,2H)。13C NMR(125MHz,CDCl3):δ −4.2;126.3(t,3C-F=4.1Hz);128.8;129.3;134.0(t,1C-F=300.1Hz);136.2。19F NMR(470MHz,CDCl3):δ −88.1(s)。29Si NMR(99MHz,CDCl3):7.7(t,2Si-F=31.28Hz)。IR(未希釈):3064;2965;2904;1884;1585;1475;1441;1414;1307;1255;1076;1025;962;884;850;825;744;703;690;631;607;496cm-1。GC−MS(m/z):232(M+),109(PhS+),73(Me3Si+)。HRMS(DEI):m/z C10142SSiに対する計算値(M+)232.0553,実測値232.0545。
実施例9:フェニル(トリメチルシリル)ジフルオロメチルスルホン(22)の調製
フェニル(トリメチルシリル)−ジフルオロメチルスルフィド(21)(2.0g、8.6mmol)を、20mLのCH2Cl2中のmCPBA(9.0mmol)で、最初0℃で、続いて室温で一晩撹拌して酸化した。濾過後、濾液をNa2SO3溶液(10mL×3)、NaHCO3溶液(10mL×2)及び水で連続して洗浄した。MgSO4による乾燥及び溶媒除去後、粗製生成物を蒸留して、1.2g(51%収率)の沸点112〜114℃/1トールの生成物22を無色の液体として得た。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 0.44(s,9H);7.61(t,2H);7.74(t,1H);7.95(d,2H)。l9F NMR(470MHz,CDCl3):δ −112.9。HRMS(DCI/NH3):m/z C10182NO2SSiに対する計算値(M+NH4 +)282.0795,実測値282.0787。
本発明は、付属する図を参照して更に良く理解することができる。
図1は、アニオン性CF3 -又はCF2-種を生成する特定の反応スキームの例示である。 図2は、フェニルトリフルオロメチルスルホン又はフェニルトリフルオロメチルスルホキシドを生成する特定の既知の反応スキームの例示である。 図3は、本発明の好ましい調製方法の反応スキームである。 図4は、本発明の好ましい調製方法の反応スキームである。 図5は、本発明の好ましい調製方法の反応スキームである。

Claims (7)

  1. 以下の式Iにより示されるフッ素化アルキルスルホン、以下の式IIにより示されるフッ素化アルキルスルホキシド又は以下の式IIIにより示されるフッ素化アルキルスルフィドから選ばれるフッ素化アルキル硫黄含有化合物を、塩化シリルと、マグネシウム又は亜鉛金属を含む還元剤の存在下で、溶媒の存在下で、−50ないし30℃の間の温度で、及び10分ないし24時間の間の時間、反応させることを含んでなる、フッ素化アルキルシランを調製するための方法。
    Figure 0004554929
    [式中、
    Xは、水素又はフッ素であり;
    1は、直鎖、分枝鎖或いは単環又は縮合環の環式である1ないし24個の間の炭素原子のアルキル基であり、そして一つ又はそれより多いハロゲン、ヒドロキシ、又は1ないし8個の炭素原子を有するアルコキシ基で所望により置換され、ここで前記置換基は前記反応に関与せず; 或いは単環又は縮合環の6ないし24員のアリール基であり、ここで構成原子は、炭素又は窒素、酸素若しくは硫黄のヘテロ原子であり、そして前記環は、1ないし8個の間の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン、ヒドロキシアルキル、又は1ないし8個の間の炭素原子のアルコキシドの一つないし三つの置換基で所望により置換され;そして
    2、R3又はR4は、独立に直鎖、分枝鎖或いは単環又は縮合環の環式である1ないし24個の炭素原子を有するアルキル基であり、そして一つ又はそれより多いハロゲン、ヒドロキシ、又は1ないし8個の炭素原子を有するアルコキシ基で所望により置換され、ここで前記置換基は前記反応に関与せず; 或いは単環又は縮合環の6ないし24個の炭素原子のアリール基であり、1ないし8個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン、ヒドロキシアルキル、又は1ないし8個の炭素原子を有するアルコキシドの一つないし三つの置換基で所望により置換されている]
    Figure 0004554929
    [式中、
    Xは、水素又はフッ素であり;
    1は、直鎖、分枝鎖或いは単環又は縮合環の環式である1ないし24個の炭素原子を有するアルキル基であり、そして一つ又はそれより多いハロゲン、ヒドロキシ、又は1ないし8個の炭素原子を有するアルコキシ基で所望により置換され、ここで前記置換基は前記反応に関与せず; 或いは単環又は縮合環の6ないし24個の炭素原子を有するアリール基であり、1ないし8個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン、ヒドロキシアルキル、又は1ないし8個の炭素原子を有するアルコキシドの一つないし三つの置換基で所望により置換され;そして
    2、R3又はR4は、独立に直鎖、分枝鎖或いは単環又は縮合環の環式である1ないし24個の炭素原子を有するアルキル基であり、そして一つ又はそれより多いハロゲン、ヒドロキシ、又は1ないし8個の炭素原子を有するアルコキシ基で所望により置換され、ここで前記置換基は前記反応に関与せず; 或いは単環又は縮合環の6ないし24員のアリール基であり、ここにおいて構成原子は、炭素又は窒素、酸素若しくは硫黄のヘテロ原子であり、そして前記環は、1ないし8個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン、ヒドロキシアルキル、又は1ないし8個の炭素原子を有するアルコキシドの一つないし三つの置換基で所望により置換されている]
    Figure 0004554929
    [式中、
    Xは、水素又はフッ素であり;
    1は、直鎖、分枝鎖或いは単環又は縮合環の環式である1ないし24個の炭素原子を有するアルキル基であり、そして一つ又はそれより多いハロゲン、ヒドロキシ、又は1ないし8個の炭素原子を有するアルコキシ基で所望により置換され、ここで前記置換基は前記反応に関与せず、或いは単環又は縮合環の6ないし24個の炭素原子のアリール基であり、1ないし8個の炭素原子有するアルキル基、ハロゲン、ヒドロキシアルキル、又は1ないし8個の炭素原子を有するアルコキシドの一つないし三つの置換基で所望により置換され;そして
    2、R3又はR4は、独立に直鎖、分枝鎖或いは単環又は縮合環の環式である1ないし24個の炭素原子のアルキル基であり、そして一つ又はそれより多いハロゲン、ヒドロキシ、又は1ないし8個の炭素原子を有するアルコキシ基で所望により置換され、ここで前記置換基は前記反応に関与せず;或いは単環又は縮合環の6ないし24員のアリール基であり、ここにおいて構成原子は、炭素又は窒素、酸素若しくは硫黄のヘテロ原子であり、そして前記環は、1ないし8個の間の炭素原子有するアルキル基、ハロゲン、ヒドロキシアルキル、又は1ないし8個の炭素原子を有するアルコキシドの一つないし三つの置換基で所望により置換されている。]
  2. 前記反応条件が、−40ないし20℃の間の温度、及び20分ないし6時間の間の時間を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記還元剤が、マグネシウムを含んでなる、請求項1に記載の方法。
  4. 前記溶媒が、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、ジメトキシエタン、又はテトラヒドロピランである、請求項1に記載の方法。
  5. 前記フッ素化アルキルシランが、その後求核的フルオロメチル化剤として使用される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記フッ素化アルキルスルホン、フッ素化アルキルスルホキシド又はフッ素化アルキルスルフィドが、それぞれフェニルトリフルオロメチルスルホン、フェニルトリフルオロメチルスルホキシド又はフェニルトリフルオロメチルスルフィドである、請求項1に記載の方法。
  7. 前記フッ素化アルキル硫黄含有化合物が、フェニルトリフルオロメチルスルフィドであり、
    ここで、フェニルトリフルオロメチルスルフィドが、トリフルオロメタン及びジフェニルジスルフィドとの反応から調製され、
    フェニルトリフルオロメチルスルフィドと塩化シリルとのその後の反応によりフッ素化アルキルシラン生成物とジフェニルジスルフィドが形成され、
    ジフェニルジスルフィドは、次いでトリフルオロメタンと反応して更なるフェニルトリフルオロメチルスルフィド反応体を提供する、
    請求項1に記載の方法。
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