JPH1149742A - 2−(トリフルオロメチルチオ)ビフェニルの製造方法、及びその合成中間体とその製造方法 - Google Patents
2−(トリフルオロメチルチオ)ビフェニルの製造方法、及びその合成中間体とその製造方法Info
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- JPH1149742A JPH1149742A JP20790097A JP20790097A JPH1149742A JP H1149742 A JPH1149742 A JP H1149742A JP 20790097 A JP20790097 A JP 20790097A JP 20790097 A JP20790097 A JP 20790097A JP H1149742 A JPH1149742 A JP H1149742A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 オゾン層破壊物質を用いずに、トリフルオロ
メチル化剤の鍵合成中間体である2−(トリフルオロメ
チルチオ)ビフェニルを工業的に製造する方法として適
した新しい高収率、低コストの製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 2−(トリクロロメチルチオ)ビフェニ
ルにフッ素化剤を作用させて2−(トリフルオロメチル
チオ)ビフェニルを合成する第一の製造方法。2−(メ
チルチオ)ビフェニルに塩素化剤を作用させて2−(ト
リフルオロメチルチオ)ビフェニルの合成中間体である
2−(トリクロロメチルチオ)ビフェニルを合成する第
二の製造方法。
メチル化剤の鍵合成中間体である2−(トリフルオロメ
チルチオ)ビフェニルを工業的に製造する方法として適
した新しい高収率、低コストの製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 2−(トリクロロメチルチオ)ビフェニ
ルにフッ素化剤を作用させて2−(トリフルオロメチル
チオ)ビフェニルを合成する第一の製造方法。2−(メ
チルチオ)ビフェニルに塩素化剤を作用させて2−(ト
リフルオロメチルチオ)ビフェニルの合成中間体である
2−(トリクロロメチルチオ)ビフェニルを合成する第
二の製造方法。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、有機合成化学にお
いて有用なトリフルオロメチル化剤を製造するための鍵
中間体である2−(トリフルオロメチルチオ)ビフェニ
ルの製造方法、及びそのための新規な合成中間体とその
製造方法に関するものである。
いて有用なトリフルオロメチル化剤を製造するための鍵
中間体である2−(トリフルオロメチルチオ)ビフェニ
ルの製造方法、及びそのための新規な合成中間体とその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、生理活性物質の合成に有用なトリ
フルオロメチル化剤を製造するための鍵中間体である2
−(トリフルオロメチルチオ)ビフェニルを製造する方
法として、次の(1)、(2)が知られている。
フルオロメチル化剤を製造するための鍵中間体である2
−(トリフルオロメチルチオ)ビフェニルを製造する方
法として、次の(1)、(2)が知られている。
【0003】(1)2−メルカプトビフェニルに塩基の
存在下に光照射条件下でCF3 Brを反応させる方法
〔特開平3−197479号およびJ. Am. Chem. Soc.,
115巻、2156−2164ページ(1993年)参照〕。
存在下に光照射条件下でCF3 Brを反応させる方法
〔特開平3−197479号およびJ. Am. Chem. Soc.,
115巻、2156−2164ページ(1993年)参照〕。
【0004】(2)2−ブロモチオフェノールを塩基性
条件下でCF2 Br2 と反応させて2−(ブロモジフル
オロメチルチオ)ブロモベンゼンを得た後、AgBF4
で処理して2−(トリフルオロメチルチオ)ブロモベン
ゼンに変換し、これを触媒〔Pd(PPh3 )4 〕の存
在下にフェニルホウ酸と反応させる方法〔Electronic C
onference on Trends in Organic Chemistry 1(ECTO−
1), June 12 〜 July 7,1995:CA125−10527
参照〕。
条件下でCF2 Br2 と反応させて2−(ブロモジフル
オロメチルチオ)ブロモベンゼンを得た後、AgBF4
で処理して2−(トリフルオロメチルチオ)ブロモベン
ゼンに変換し、これを触媒〔Pd(PPh3 )4 〕の存
在下にフェニルホウ酸と反応させる方法〔Electronic C
onference on Trends in Organic Chemistry 1(ECTO−
1), June 12 〜 July 7,1995:CA125−10527
参照〕。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、(1)
及び(2)の方法は次の欠点を有している。
及び(2)の方法は次の欠点を有している。
【0006】(a)(1)及び(2)の方法とも、地球
環境の観点から大きな問題となっているオゾン層の破壊
物質として見なされているCF3 BrやCF2 Br2 を
使用していること。
環境の観点から大きな問題となっているオゾン層の破壊
物質として見なされているCF3 BrやCF2 Br2 を
使用していること。
【0007】(b)また、(1)の方法は、反応効率の
劣る光反応であること。
劣る光反応であること。
【0008】(c)さらに、(2)の3工程の方法の第
1工程は2−(ジフルオロメチルチオ)ブロモベンゼン
が副生しやすいために収率が低いこと、第2工程は高価
な銀塩を用いなければならないこと、第3工程では触媒
が高価な上、反応物に対して重量比で46%も必要とす
ること。
1工程は2−(ジフルオロメチルチオ)ブロモベンゼン
が副生しやすいために収率が低いこと、第2工程は高価
な銀塩を用いなければならないこと、第3工程では触媒
が高価な上、反応物に対して重量比で46%も必要とす
ること。
【0009】このように従来法は数々の問題点を有して
いたために、工業的製法としては甚だ不十分なものであ
った。
いたために、工業的製法としては甚だ不十分なものであ
った。
【0010】本発明者は、以上に述べた如き従来の方法
の問題点を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、オゾン
層破壊物質を用いずに、トリフルオロメチル化剤の鍵合
成中間体を工業的に製造する方法として適した新しい高
収率、低コストの製造方法を見出し、本発明を完成させ
た。
の問題点を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、オゾン
層破壊物質を用いずに、トリフルオロメチル化剤の鍵合
成中間体を工業的に製造する方法として適した新しい高
収率、低コストの製造方法を見出し、本発明を完成させ
た。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、
【化9】 で示される2−(トリクロロメチルチオ)ビフェニルに
フッ素化剤を作用させることからなる、
フッ素化剤を作用させることからなる、
【化10】 で示される2−(トリフルオロメチルチオ)ビフェニル
の製造方法(以下、本発明の第一の製造方法と称す
る。)に係るものである。
の製造方法(以下、本発明の第一の製造方法と称す
る。)に係るものである。
【0012】また、本発明は、
【化11】 で示される2−(トリクロロメチルチオ)ビフェニルに
係るものである。
係るものである。
【0013】さらにまた、本発明は、
【化12】 で示される2−(メチルチオ)ビフェニルに塩素化剤を
作用させることからなる、
作用させることからなる、
【化13】 で示される2−(トリクロロメチルチオ)ビフェニルの
製造方法(以下、本発明の第二の製造方法と称する。)
に係るものである。
製造方法(以下、本発明の第二の製造方法と称する。)
に係るものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の第一の製造方法(以下、
第2工程と称することがある。)においては、本発明の
第二の製造方法(以下、第1工程と称することがあ
る。)で得られる前記式(1)で示される2−(トリク
ロロメチルチオ)ビフェニルを出発原料として用いるこ
とができる。
第2工程と称することがある。)においては、本発明の
第二の製造方法(以下、第1工程と称することがあ
る。)で得られる前記式(1)で示される2−(トリク
ロロメチルチオ)ビフェニルを出発原料として用いるこ
とができる。
【0015】即ち、前記式(3)で示される2−(メチ
ルチオ)ビフェニルに塩素化剤を作用させて、新規な中
間体である前記式(1)で示される2−(トリクロロメ
チルチオ)ビフェニルを得る第1工程と、この第1工程
で得られる2−(トリクロロメチルチオ)ビフェニルに
フッ素化剤を作用させる第2工程とによって、前記式
(2)で示される2−(トリフルオロメチルチオ)ビフ
ェニルを得ることもできる。以下に、この反応のフロー
を示す。
ルチオ)ビフェニルに塩素化剤を作用させて、新規な中
間体である前記式(1)で示される2−(トリクロロメ
チルチオ)ビフェニルを得る第1工程と、この第1工程
で得られる2−(トリクロロメチルチオ)ビフェニルに
フッ素化剤を作用させる第2工程とによって、前記式
(2)で示される2−(トリフルオロメチルチオ)ビフ
ェニルを得ることもできる。以下に、この反応のフロー
を示す。
【化14】
【0016】以下、本発明の第一の製造方法(第2工
程)、本発明の第二の製造方法(第1工程)について順
に説明する。
程)、本発明の第二の製造方法(第1工程)について順
に説明する。
【0017】本発明の第一の製造方法(第2工程)は、
前記式(1)の2−(トリクロロメチルチオ)ビフェニ
ルにフッ素化剤を作用させることによって、前記式
(2)の2−(トリフルオロメチルチオ)ビフェニルを
製造する工程である。
前記式(1)の2−(トリクロロメチルチオ)ビフェニ
ルにフッ素化剤を作用させることによって、前記式
(2)の2−(トリフルオロメチルチオ)ビフェニルを
製造する工程である。
【0018】本発明の第一の製造方法(第2工程)で用
いられる好ましいフッ素化剤としては、下記の化合物が
例示される。 フッ化水素;フッ化水素と、アンモニア、メチルアミ
ン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミ
ン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミ
ン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミン、イソプロ
ピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエ
チルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチ
ルアミン、ベンジルアミン、N,N−ジメチルベンジル
アミン、アニリン、N,N−ジメチルアニリンなどのア
ミンとのモノフッ化水素塩、ジフッ化水素塩、トリフッ
化水素塩、テトラフッ化水素塩、またはテトラフッ化水
素以上のポリフッ化水素塩;
いられる好ましいフッ素化剤としては、下記の化合物が
例示される。 フッ化水素;フッ化水素と、アンモニア、メチルアミ
ン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミ
ン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミ
ン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミン、イソプロ
ピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエ
チルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチ
ルアミン、ベンジルアミン、N,N−ジメチルベンジル
アミン、アニリン、N,N−ジメチルアニリンなどのア
ミンとのモノフッ化水素塩、ジフッ化水素塩、トリフッ
化水素塩、テトラフッ化水素塩、またはテトラフッ化水
素以上のポリフッ化水素塩;
【0019】フッ化水素と、ピリジン、メチルピリジ
ン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、エチルピ
リジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、ジブチル
ピリジン、ジ−t−ブチルピリジン、ジ−t−ブチルメ
チルピリジンなどのピリジンまたはその誘導体とのモノ
フッ化水素塩、ジフッ化水素塩、トリフッ化水素塩、テ
トラフッ化水素塩、またはテトラフッ化水素以上のポリ
フッ化水素塩;
ン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、エチルピ
リジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、ジブチル
ピリジン、ジ−t−ブチルピリジン、ジ−t−ブチルメ
チルピリジンなどのピリジンまたはその誘導体とのモノ
フッ化水素塩、ジフッ化水素塩、トリフッ化水素塩、テ
トラフッ化水素塩、またはテトラフッ化水素以上のポリ
フッ化水素塩;
【0020】フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ
化セシウム、フッ化カリウム/フッ化カルシウム混合
物、フッ化亜鉛、フッ化銀、フッ化水銀、三フッ化アン
チモン、五フッ化アンチモン、二フッ化クロム、三フッ
化クロムなどの金属フッ化物、またはそのモノフッ化水
素塩、ジフッ化水素塩、トリフッ化水素塩、テトラフッ
化水素塩、またはテトラフッ化水素以上のポリフッ化水
素塩;
化セシウム、フッ化カリウム/フッ化カルシウム混合
物、フッ化亜鉛、フッ化銀、フッ化水銀、三フッ化アン
チモン、五フッ化アンチモン、二フッ化クロム、三フッ
化クロムなどの金属フッ化物、またはそのモノフッ化水
素塩、ジフッ化水素塩、トリフッ化水素塩、テトラフッ
化水素塩、またはテトラフッ化水素以上のポリフッ化水
素塩;
【0021】フッ化テトラメチルアンモニウム、フッ化
テトラエチルアンモニウムクロリド、フッ化テトラブチ
ルアンモニウム、フッ化トリブチルメチルアンモニウ
ム、フッ化ベンジルトリメチルアンモニウム、フッ化ベ
ンジルトリエチルアンモニウム、フッ化フェニルトリメ
チルアンモニウム、フッ化N−メチルピリジニウム、フ
ッ化N−エチルピリジニウム、フッ化N−ブチルピリジ
ニウムなどの4級アンモニウムフッ化物、またはそのモ
ノフッ化水素塩、ジフッ化水素塩、トリフッ化水素塩、
テトラフッ化水素塩またはテトラフッ化水素以上のポリ
フッ化水素塩;
テトラエチルアンモニウムクロリド、フッ化テトラブチ
ルアンモニウム、フッ化トリブチルメチルアンモニウ
ム、フッ化ベンジルトリメチルアンモニウム、フッ化ベ
ンジルトリエチルアンモニウム、フッ化フェニルトリメ
チルアンモニウム、フッ化N−メチルピリジニウム、フ
ッ化N−エチルピリジニウム、フッ化N−ブチルピリジ
ニウムなどの4級アンモニウムフッ化物、またはそのモ
ノフッ化水素塩、ジフッ化水素塩、トリフッ化水素塩、
テトラフッ化水素塩またはテトラフッ化水素以上のポリ
フッ化水素塩;
【0022】フッ化テトラフェニルホスホニウム、フッ
化テトラトリルホスホニウム、フッ化テトラメチルホス
ホニウム、フッ化テトラエチルホスホニウム、フッ化テ
トラブチルホスホニウムなどの4級ホスホニウムフッ化
物、またはそのモノフッ化水素塩、ジフッ化水素塩、ト
リフッ化水素塩、テトラフッ化水素塩またはテトラフッ
化水素以上のポリフッ化水素塩など;
化テトラトリルホスホニウム、フッ化テトラメチルホス
ホニウム、フッ化テトラエチルホスホニウム、フッ化テ
トラブチルホスホニウムなどの4級ホスホニウムフッ化
物、またはそのモノフッ化水素塩、ジフッ化水素塩、ト
リフッ化水素塩、テトラフッ化水素塩またはテトラフッ
化水素以上のポリフッ化水素塩など;
【0023】または、以上に例示した各フッ素化剤の組
み合わせ。
み合わせ。
【0024】なかでも、経済性と収率の点から、フッ化
水素(HF)又はトリエチルアミン・三フッ化水素塩
(Et3 N・3HF)がさらに好ましく、取り扱いの点
を含めるとトリエチルアミン・三フッ化水素塩が特に好
ましい。
水素(HF)又はトリエチルアミン・三フッ化水素塩
(Et3 N・3HF)がさらに好ましく、取り扱いの点
を含めるとトリエチルアミン・三フッ化水素塩が特に好
ましい。
【0025】フッ素化剤の使用量は、収率よく生成物を
得るために、一般に、前記式(1)の2−(トリクロロ
メチルチオ)ビフェニル1モルに対して等モル以上を用
いればよい。
得るために、一般に、前記式(1)の2−(トリクロロ
メチルチオ)ビフェニル1モルに対して等モル以上を用
いればよい。
【0026】本発明の第一の製造方法(第2工程)で
は、必ずしも溶媒を用いる必要はない。用いるフッ素化
剤が液状のフッ素化剤である場合は、溶媒を兼ねること
ができる。使用してもよい溶媒としては、ベンゼン、ト
ルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロ
ロベンゼン、フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、
ベンゾトリフロリド等の芳香族化合物;スルホラン、ジ
メチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル等の非
プロトン性極性溶媒など、またはこれらの混合物;を好
ましく例示することができる。
は、必ずしも溶媒を用いる必要はない。用いるフッ素化
剤が液状のフッ素化剤である場合は、溶媒を兼ねること
ができる。使用してもよい溶媒としては、ベンゼン、ト
ルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロ
ロベンゼン、フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、
ベンゾトリフロリド等の芳香族化合物;スルホラン、ジ
メチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル等の非
プロトン性極性溶媒など、またはこれらの混合物;を好
ましく例示することができる。
【0027】本発明の第一の製造方法(第2工程)での
反応温度は、0℃〜300℃の範囲から選ばれるが、反
応の効率及び収率の点から、室温〜250℃の範囲から
選べばよい。特に、フッ素化剤としてトリエチルアミン
・三フッ化水素塩(Et3 N・3HF)を用いる場合
は、100℃〜250℃の範囲が好ましい。
反応温度は、0℃〜300℃の範囲から選ばれるが、反
応の効率及び収率の点から、室温〜250℃の範囲から
選べばよい。特に、フッ素化剤としてトリエチルアミン
・三フッ化水素塩(Et3 N・3HF)を用いる場合
は、100℃〜250℃の範囲が好ましい。
【0028】次に、本発明の第二の製造方法(第1工
程)について説明する。
程)について説明する。
【0029】本発明の第二の製造方法(第1工程)は、
前記式(3)の2−(メチルチオ)ビフェニルに塩素化
剤を作用させて前記式(1)の2−(トリクロロメチル
チオ)ビフェニルを製造する工程である。
前記式(3)の2−(メチルチオ)ビフェニルに塩素化
剤を作用させて前記式(1)の2−(トリクロロメチル
チオ)ビフェニルを製造する工程である。
【0030】前記式(3)の2−(メチルチオ)ビフェ
ニルは工業的に入手容易な2−メルカプトビフェニルか
ら容易に製造できる化合物である(後述の参考例1参
照)。
ニルは工業的に入手容易な2−メルカプトビフェニルか
ら容易に製造できる化合物である(後述の参考例1参
照)。
【0031】本発明で用いられる塩素化剤としては、一
般に使用される塩素化剤が例示できるが、例えば塩素
(Cl2 )、塩化スルフリル(SO2 Cl2 )、N−ク
ロロコハク酸イミド、1,3−ジクロロ−5,5−ジメ
チルヒダントインなどが好ましく例示できる。
般に使用される塩素化剤が例示できるが、例えば塩素
(Cl2 )、塩化スルフリル(SO2 Cl2 )、N−ク
ロロコハク酸イミド、1,3−ジクロロ−5,5−ジメ
チルヒダントインなどが好ましく例示できる。
【0032】この第1工程の反応では、必ずしも溶媒を
用いなくてもよいが、反応を温和な条件下に進行させる
ときは溶媒を用いてもよい。用いる溶媒としては、四塩
化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタ
ン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、テトラフ
ルオロエタン、ヘキサクロロエタン、トリクロロトリフ
ルオロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素;ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水
素;ベンゼン、クロロベンゼン、フルオロベンゼン、ジ
クロロベンゼン、ジフルオロベンゼン、トリクロロベン
ゼン、ベンゾトリフロリド等の芳香族炭化水素またはハ
ロゲン化芳香族炭化水素など、またはこれらの混合物;
を例示することができる。
用いなくてもよいが、反応を温和な条件下に進行させる
ときは溶媒を用いてもよい。用いる溶媒としては、四塩
化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタ
ン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、テトラフ
ルオロエタン、ヘキサクロロエタン、トリクロロトリフ
ルオロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素;ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水
素;ベンゼン、クロロベンゼン、フルオロベンゼン、ジ
クロロベンゼン、ジフルオロベンゼン、トリクロロベン
ゼン、ベンゾトリフロリド等の芳香族炭化水素またはハ
ロゲン化芳香族炭化水素など、またはこれらの混合物;
を例示することができる。
【0033】前記式(1)の2−(トリクロロメチルチ
オ)ビフェニルを収率よく得るためには、ラジカル発生
条件下で塩素化剤を作用させることが好ましい。一般
に、ラジカル発生条件は、加熱によっても達成される
が、効率の点から、好ましくは光照射を行うことによっ
て、或いはまた、ラジカル反応開始剤を添加することに
よって達成される。
オ)ビフェニルを収率よく得るためには、ラジカル発生
条件下で塩素化剤を作用させることが好ましい。一般
に、ラジカル発生条件は、加熱によっても達成される
が、効率の点から、好ましくは光照射を行うことによっ
て、或いはまた、ラジカル反応開始剤を添加することに
よって達成される。
【0034】光照射に用いる光源としては、少なくとも
180〜400nmの波長の光を含む光を発する低圧ま
たは高圧水銀灯、白熱灯等の、一般の光化学反応におい
て用いられる光源あるいはまた太陽光を用いることがで
きる。
180〜400nmの波長の光を含む光を発する低圧ま
たは高圧水銀灯、白熱灯等の、一般の光化学反応におい
て用いられる光源あるいはまた太陽光を用いることがで
きる。
【0035】ラジカル反応開始剤としては、一般にラジ
カル反応を行うときに用いられるラジカル反応開始剤を
用いることができ、例えば、ジベンゾイルペルオキシ
ド、ジアセチルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキ
シド、t−ブチルヒドロペルオキシド等のペルオキシ
ド;t−ブチル酢酸ペルエステル、t−ブチル安息香酸
ペルエステルなどのペルエステル;アゾビスイソブチロ
ニトリル、フェニルアゾトリフェニルメタン、アゾビス
ジフェニルメタンなどのアゾ化合物など;を例示するこ
とができる。
カル反応を行うときに用いられるラジカル反応開始剤を
用いることができ、例えば、ジベンゾイルペルオキシ
ド、ジアセチルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキ
シド、t−ブチルヒドロペルオキシド等のペルオキシ
ド;t−ブチル酢酸ペルエステル、t−ブチル安息香酸
ペルエステルなどのペルエステル;アゾビスイソブチロ
ニトリル、フェニルアゾトリフェニルメタン、アゾビス
ジフェニルメタンなどのアゾ化合物など;を例示するこ
とができる。
【0036】本発明の第二の製造方法(第1工程)での
反応温度は、−30℃〜200℃の範囲から選ぶことが
できるが、反応を効率よく、しかも収率よく進行させる
ためには、−10℃〜150℃の範囲内であることが更
に好ましい。
反応温度は、−30℃〜200℃の範囲から選ぶことが
できるが、反応を効率よく、しかも収率よく進行させる
ためには、−10℃〜150℃の範囲内であることが更
に好ましい。
【0037】本発明の第一の製造方法(第2工程)にお
いて、特に、出発原料として、本発明の第二の製造方法
(第1工程)で得られる前記式(1)の2−(トリクロ
ロメチルチオ)ビフェニルを使用することもできる。
いて、特に、出発原料として、本発明の第二の製造方法
(第1工程)で得られる前記式(1)の2−(トリクロ
ロメチルチオ)ビフェニルを使用することもできる。
【0038】即ち、前記式(3)で示される2−(メチ
ルチオ)ビフェニルに塩素化剤を作用させ、この反応生
成物である前記式(1)で示される2−(トリクロロメ
チルチオ)ビフェニルを反応後に単離することなく、こ
の反応生成物にフッ素化剤を作用させて、前記式(2)
で示される2−(トリフルオロメチルチオ)ビフェニル
を得ることもできる。
ルチオ)ビフェニルに塩素化剤を作用させ、この反応生
成物である前記式(1)で示される2−(トリクロロメ
チルチオ)ビフェニルを反応後に単離することなく、こ
の反応生成物にフッ素化剤を作用させて、前記式(2)
で示される2−(トリフルオロメチルチオ)ビフェニル
を得ることもできる。
【0039】この方法は、前記式(3)で示される2−
(メチルチオ)ビフェニルに塩素化剤を作用させるA工
程と、このA工程で得られる反応生成物(2−(トリク
ロロメチルチオ)ビフェニル)にフッ素化剤を作用させ
るB工程とからなる。前記A工程及びB工程はそれぞ
れ、前記第1工程及び第2工程に対応するが、それらを
以下に説明する。
(メチルチオ)ビフェニルに塩素化剤を作用させるA工
程と、このA工程で得られる反応生成物(2−(トリク
ロロメチルチオ)ビフェニル)にフッ素化剤を作用させ
るB工程とからなる。前記A工程及びB工程はそれぞ
れ、前記第1工程及び第2工程に対応するが、それらを
以下に説明する。
【0040】前記A工程は、前記式(1)で示される2
−(トリクロロメチルチオ)ビフェニルを単離する後処
理の操作を除けば、出発原料、塩素化剤、その使用量、
反応溶媒、反応温度等は前述の第1工程の場合と同様で
ある。
−(トリクロロメチルチオ)ビフェニルを単離する後処
理の操作を除けば、出発原料、塩素化剤、その使用量、
反応溶媒、反応温度等は前述の第1工程の場合と同様で
ある。
【0041】前記B工程は、前記A工程で得られる反応
生成物に、フッ素化剤を作用させる工程である。ここで
用いるフッ素化剤、反応温度、反応時間及び後処理等
は、前述の第2工程と同様である。
生成物に、フッ素化剤を作用させる工程である。ここで
用いるフッ素化剤、反応温度、反応時間及び後処理等
は、前述の第2工程と同様である。
【0042】
【発明の作用効果】本発明の第一の製造方法は、2−
(トリクロロメチルチオ)ビフェニルにフッ素化剤を作
用させて2−(トリフルオロメチルチオ)ビフェニルを
合成し、また、本発明の第二の製造方法は、2−(メチ
ルチオ)ビフェニルに塩素化剤を作用させて2−(トリ
フルオロメチルチオ)ビフェニルの合成中間体である2
−(トリクロロメチルチオ)ビフェニルを合成している
ので、オゾン層破壊物質を用いずに、トリフルオロメチ
ル化剤の鍵合成中間体である2−(トリフルオロメチル
チオ)ビフェニルを工業的に製造する方法として適した
新しい高収率、低コストの製造方法を提供することがで
きる。
(トリクロロメチルチオ)ビフェニルにフッ素化剤を作
用させて2−(トリフルオロメチルチオ)ビフェニルを
合成し、また、本発明の第二の製造方法は、2−(メチ
ルチオ)ビフェニルに塩素化剤を作用させて2−(トリ
フルオロメチルチオ)ビフェニルの合成中間体である2
−(トリクロロメチルチオ)ビフェニルを合成している
ので、オゾン層破壊物質を用いずに、トリフルオロメチ
ル化剤の鍵合成中間体である2−(トリフルオロメチル
チオ)ビフェニルを工業的に製造する方法として適した
新しい高収率、低コストの製造方法を提供することがで
きる。
【0043】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例を参考例と共
に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるもので
はない。
に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるもので
はない。
【0044】参考例1
【化15】
【0045】水酸化ナトリウム36g(0.86mo
l)の水(100ml)溶液中に2−メルカプトビフェ
ニル140g(0.75mol)を加え、室温で30分
間攪拌後、氷冷し、ここにジメチル硫酸78.3ml
(0.83mol)を攪拌下に25分間かけて滴下し
た。
l)の水(100ml)溶液中に2−メルカプトビフェ
ニル140g(0.75mol)を加え、室温で30分
間攪拌後、氷冷し、ここにジメチル硫酸78.3ml
(0.83mol)を攪拌下に25分間かけて滴下し
た。
【0046】滴下後、110℃で2時間攪拌した後、放
冷し、反応混合物をジエチルエーテルで抽出した。抽出
液を水で2回、そして飽和食塩水で1回洗浄した後、無
水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾別した後、
濾過液を減圧下で濃縮した。
冷し、反応混合物をジエチルエーテルで抽出した。抽出
液を水で2回、そして飽和食塩水で1回洗浄した後、無
水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾別した後、
濾過液を減圧下で濃縮した。
【0047】得られた残渣を減圧蒸留により精製して、
目的とする2−(メチルチオ)ビフェニル138.2g
(収率92%)を得た。その物性値およびスペクトルデ
ータを次に示す。
目的とする2−(メチルチオ)ビフェニル138.2g
(収率92%)を得た。その物性値およびスペクトルデ
ータを次に示す。
【0048】
【0049】実施例1
【化16】
【0050】参考例1で得られた2−(メチルチオ)ビ
フェニル80.0g(0.40mol)の四塩化炭素1
40ml溶液を水浴で冷却しながら、ここに400W高
圧水銀灯で照射しながら塩素ガスを105分間かけて通
じた。塩素ガスの吸収が収まったところで終了した。
フェニル80.0g(0.40mol)の四塩化炭素1
40ml溶液を水浴で冷却しながら、ここに400W高
圧水銀灯で照射しながら塩素ガスを105分間かけて通
じた。塩素ガスの吸収が収まったところで終了した。
【0051】塩素ガスを止めた後、窒素ガスで反応系内
の塩素を極力除いた後、反応液をチオ硫酸ナトリウム水
溶液で洗浄後、有機層を分取した。この有機層を水で1
回、飽和食塩水で1回洗浄後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。
の塩素を極力除いた後、反応液をチオ硫酸ナトリウム水
溶液で洗浄後、有機層を分取した。この有機層を水で1
回、飽和食塩水で1回洗浄後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。
【0052】乾燥剤を濾別した後、濾過液を減圧下で濃
縮することにより、黄色油状体115g(粗収率94
%)を得た。この油状体を減圧下で蒸留し、目的とする
2−(トリクロロメチルチオ)ビフェニル100g(収
率82%)を得た。その物性値およびスペクトルデータ
を次に示す。
縮することにより、黄色油状体115g(粗収率94
%)を得た。この油状体を減圧下で蒸留し、目的とする
2−(トリクロロメチルチオ)ビフェニル100g(収
率82%)を得た。その物性値およびスペクトルデータ
を次に示す。
【0053】 沸点:173-175 ℃/5〜6mmHg 融点:59〜60℃ 1H-NMR(重クロロホルム中):δ7.32〜7.42(5H, m) 7.45〜7.51(2H, m) 7.59(1H, td, J=8Hz, 1Hz) 8.05(1H, dd, J=8Hz, 1Hz) Massスペクトル:306,304,302(M+ ) 元素分析:計算値(C13H9Cl3S);C, 51.42% ; H, 2.99% 実測値;C, 51.37% ; H, 2.88%
【0054】実施例2
【化17】
【0055】実施例1で得られた2−(トリクロロメチ
ルチオ)ビフェニル3.0g(9.9mmol)とトリ
エチルアミン・三フッ化水素塩5.0ml(30.7m
mol)をオートクレーブ中、180℃で9時間加熱し
た。
ルチオ)ビフェニル3.0g(9.9mmol)とトリ
エチルアミン・三フッ化水素塩5.0ml(30.7m
mol)をオートクレーブ中、180℃で9時間加熱し
た。
【0056】放冷後、反応液にn−ヘキサンと水を加
え、有機層を分取した。有機層を水で2回、飽和食塩水
で1回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
え、有機層を分取した。有機層を水で2回、飽和食塩水
で1回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
【0057】乾燥剤を濾別した後、濾過液を減圧下で濃
縮した。得られた残渣をシリカゲルのカラムクロマトグ
ラフィー(展開溶媒:ヘキサン)で精製して、目的とす
る2−(トリフルオロメチルチオ)ビフェニル2.2g
(収率86%)を得た。その物性値及びスペクトルデー
タを次に示す。
縮した。得られた残渣をシリカゲルのカラムクロマトグ
ラフィー(展開溶媒:ヘキサン)で精製して、目的とす
る2−(トリフルオロメチルチオ)ビフェニル2.2g
(収率86%)を得た。その物性値及びスペクトルデー
タを次に示す。
【0058】 沸点:109-110 ℃/6-7mmHg 融点:37℃ 1 H-NMR(重クロロホルム中):δ7.20〜7.60(8H, m), 7.78(1H, br. d., J=7.5Hz) 19 F-NMR(重クロロホルム中、CFCl3 内部標準):42.5ppm(s) Massスペクトル: 254(M+ )
【0059】実施例3
【化18】
【0060】2−(メチルチオ)ビフェニル302g
(1.51mol)の1,2−ジクロロベンゼン300
ml溶液に、室温で400Wの高圧水銀灯を用いて照射
しながら塩素ガスを通した。塩素ガスの吸収が収まった
ところで終了した。およそ170分間を要した。
(1.51mol)の1,2−ジクロロベンゼン300
ml溶液に、室温で400Wの高圧水銀灯を用いて照射
しながら塩素ガスを通した。塩素ガスの吸収が収まった
ところで終了した。およそ170分間を要した。
【0061】塩素ガスを止めた後、反応液に窒素ガスを
通じて、残存している塩素ガスと塩化水素ガスを除い
た。この反応液にトリエチルアミン・三フッ化水素塩8
00ml(4.91mol)を加えた後、この混合物を
オートクレーブ中、200℃で4時間反応させた。
通じて、残存している塩素ガスと塩化水素ガスを除い
た。この反応液にトリエチルアミン・三フッ化水素塩8
00ml(4.91mol)を加えた後、この混合物を
オートクレーブ中、200℃で4時間反応させた。
【0062】放冷後、得られた反応液にヘキサンと水を
加えてよく混合した。これに炭酸カルシウム250g
(2.50mol)を加え、固形物を濾別した後、有機
層を分離した。この有機層を水で3回洗浄した後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。
加えてよく混合した。これに炭酸カルシウム250g
(2.50mol)を加え、固形物を濾別した後、有機
層を分離した。この有機層を水で3回洗浄した後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。
【0063】乾燥剤を濾別した後、溶媒のヘキサンを留
去した。得られた残渣を減圧下で分別蒸留して1,2−
ジクロロベンゼンを分離することにより、228g(収
率60%)の2−(トリフルオロメチルチオ)ビフェニ
ルを得た。この生成物の沸点とNMRデータは実施例2
のものと一致していた。
去した。得られた残渣を減圧下で分別蒸留して1,2−
ジクロロベンゼンを分離することにより、228g(収
率60%)の2−(トリフルオロメチルチオ)ビフェニ
ルを得た。この生成物の沸点とNMRデータは実施例2
のものと一致していた。
【0064】実施例4
【化19】
【0065】2−(メチルチオ)ビフェニル301g
(1.5mol)のクロロベンゼン250ml溶液に、
室温で400Wの高圧水銀灯を用いて照射しながら塩素
ガスを通した。塩素ガスの吸収が収まったところで終了
した。およそ210分間を要した。
(1.5mol)のクロロベンゼン250ml溶液に、
室温で400Wの高圧水銀灯を用いて照射しながら塩素
ガスを通した。塩素ガスの吸収が収まったところで終了
した。およそ210分間を要した。
【0066】塩素ガスを止めた後、反応液に窒素ガスを
通じて、残存している塩素ガスと塩化水素ガスを除い
た。この反応液から減圧下で溶媒のクロロベンゼンを留
去した後、これにトリエチルアミン・三フッ化水素塩8
08ml(4.96mol)を加えた後、この混合物を
オートクレーブ中、180℃で12時間反応させた。
通じて、残存している塩素ガスと塩化水素ガスを除い
た。この反応液から減圧下で溶媒のクロロベンゼンを留
去した後、これにトリエチルアミン・三フッ化水素塩8
08ml(4.96mol)を加えた後、この混合物を
オートクレーブ中、180℃で12時間反応させた。
【0067】放冷後、得られた反応液にヘキサンと水を
加えてよく混合した。これに炭酸カルシウム744g
(7.43mol)を加え、固形物を濾別した後、有機
層を分離した。この有機層を水で3回洗浄した後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。
加えてよく混合した。これに炭酸カルシウム744g
(7.43mol)を加え、固形物を濾別した後、有機
層を分離した。この有機層を水で3回洗浄した後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。
【0068】乾燥剤を濾別した後、溶媒を留去した。得
られた残渣を減圧下で蒸留することにより253g(収
率66%)の2−(トリフルオロメチルチオ)ビフェニ
ルを得た。この生成物の沸点とNMRデータは実施例2
のものと一致していた。
られた残渣を減圧下で蒸留することにより253g(収
率66%)の2−(トリフルオロメチルチオ)ビフェニ
ルを得た。この生成物の沸点とNMRデータは実施例2
のものと一致していた。
Claims (7)
- 【請求項1】 【化1】 で示される2−(トリクロロメチルチオ)ビフェニルに
フッ素化剤を作用させることからなる、 【化2】 で示される2−(トリフルオロメチルチオ)ビフェニル
の製造方法。 - 【請求項2】 【化3】 で示される2−(メチルチオ)ビフェニルに塩素化剤を
作用させて、 【化4】 で示される2−(トリクロロメチルチオ)ビフェニルを
得る第1工程と、前記式(1)で示される2−(トリク
ロロメチルチオ)ビフェニルにフッ素化剤を作用させ
て、 【化5】 で示される2−(トリフルオロメチルチオ)ビフェニル
を得る第2工程とを有する、請求項1に記載した製造方
法。 - 【請求項3】 ラジカル発生条件下で2−(メチルチ
オ)ビフェニルに塩素化剤を作用させる、請求項2に記
載した製造方法。 - 【請求項4】 前記フッ素化剤として、フッ化水素又は
トリエチルアミン・三フッ化水素塩を用いる、請求項1
〜3のいずれか1項に記載した製造方法。 - 【請求項5】 【化6】 で示される2−(メチルチオ)ビフェニルに塩素化剤を
作用させることからなる、 【化7】 で示される2−(トリクロロメチルチオ)ビフェニルの
製造方法。 - 【請求項6】 ラジカル発生条件下で2−(メチルチ
オ)ビフェニルに塩素化剤を作用させる、請求項5に記
載した製造方法。 - 【請求項7】 【化8】 で示される2−(トリクロロメチルチオ)ビフェニル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20790097A JPH1149742A (ja) | 1997-08-01 | 1997-08-01 | 2−(トリフルオロメチルチオ)ビフェニルの製造方法、及びその合成中間体とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20790097A JPH1149742A (ja) | 1997-08-01 | 1997-08-01 | 2−(トリフルオロメチルチオ)ビフェニルの製造方法、及びその合成中間体とその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1149742A true JPH1149742A (ja) | 1999-02-23 |
Family
ID=16547442
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20790097A Pending JPH1149742A (ja) | 1997-08-01 | 1997-08-01 | 2−(トリフルオロメチルチオ)ビフェニルの製造方法、及びその合成中間体とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1149742A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005511665A (ja) * | 2001-11-29 | 2005-04-28 | ユニバーシティ・オブ・サザン・カリフォルニア | マグネシウムで媒介されたフッ素化アルキルシランの調製 |
WO2005073182A1 (ja) * | 2004-02-02 | 2005-08-11 | Daikin Industries, Ltd. | 含フッ素不飽和スルホニルフロライドの製造方法 |
WO2006049014A1 (ja) * | 2004-11-05 | 2006-05-11 | National University Corporation, Hokkaido University | α,α-ジフルオロアミンの製造方法 |
JP2011140461A (ja) * | 2010-01-07 | 2011-07-21 | Nippon Soda Co Ltd | フッ化ジスルフィド化合物の製造方法 |
US8399707B2 (en) | 2007-07-06 | 2013-03-19 | Sumitomo Chemical Company, Limited | 4-(trichloromethylthio) anilines, method for production thereof, and method for producing 4-(trifluoromethylthio) anilines |
JP2015157758A (ja) * | 2011-03-03 | 2015-09-03 | 日本曹達株式会社 | フルオロスルホニルイミド塩の製造方法 |
US11542231B2 (en) | 2018-03-30 | 2023-01-03 | Kanto Denka Kogyo Co., Ltd. | Method of producing fluorine-containing sulfide compounds |
-
1997
- 1997-08-01 JP JP20790097A patent/JPH1149742A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005511665A (ja) * | 2001-11-29 | 2005-04-28 | ユニバーシティ・オブ・サザン・カリフォルニア | マグネシウムで媒介されたフッ素化アルキルシランの調製 |
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WO2006049014A1 (ja) * | 2004-11-05 | 2006-05-11 | National University Corporation, Hokkaido University | α,α-ジフルオロアミンの製造方法 |
JPWO2006049014A1 (ja) * | 2004-11-05 | 2008-05-29 | 国立大学法人 北海道大学 | α,α−ジフルオロアミンの製造方法 |
US7829741B2 (en) | 2004-11-05 | 2010-11-09 | National University Corporation | Process for producing α, α-difluoroamine |
JP4941929B2 (ja) * | 2004-11-05 | 2012-05-30 | 国立大学法人北海道大学 | α,α−ジフルオロアミンの製造方法 |
US8399707B2 (en) | 2007-07-06 | 2013-03-19 | Sumitomo Chemical Company, Limited | 4-(trichloromethylthio) anilines, method for production thereof, and method for producing 4-(trifluoromethylthio) anilines |
US8466321B2 (en) | 2007-07-06 | 2013-06-18 | Sumitomo Chemical Company, Limited | 4-(trichloromethylthio) anilines, method for production thereof, and method for producing 4-(trifluoromethylthio) anilines |
JP2011140461A (ja) * | 2010-01-07 | 2011-07-21 | Nippon Soda Co Ltd | フッ化ジスルフィド化合物の製造方法 |
JP2015157758A (ja) * | 2011-03-03 | 2015-09-03 | 日本曹達株式会社 | フルオロスルホニルイミド塩の製造方法 |
US11542231B2 (en) | 2018-03-30 | 2023-01-03 | Kanto Denka Kogyo Co., Ltd. | Method of producing fluorine-containing sulfide compounds |
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