JP4554904B2 - 打抜装置 - Google Patents
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Description
機体(K)の上面にはベッド(10)が載置されていると共に、該ベッド(10)の上方に位置する昇降プレート(35)の下面には抜き型(1)が装着されている。
ベッド(10)と抜き型(1)の上下間には、間欠回転する駆動ローラ(21a)と従動ローラ(21b)に巻回された無端ベルト状の台シート(11)が間欠走行するようになっていると共に、原反ロール(24)から繰り出された素材シート(S)は台シート(11)に重なった状態でこれと一体的に間欠搬送されるようになっている。この為、素材シート(S)は、打抜セクション(P)の出入り口の前後に配設された押えローラ(201)(202)(図示しない駆動源によって弱い回転力で回転されている)で台シート(11)上に押圧されていると共に、前記打抜セクション(P)の出口側に位置する押えローラ(202)から引き出された抜きカス(S')はカス取りロール(22)に巻き取られるようになっている。
上記従来のものでは、例えば、台シート(11)を駆動する駆動ローラ(21a)が水平であっても従動ローラ(21b)が水平でない場合には、打抜き動作の継続に伴って台シート(11)が幅方向に微妙にずれて、該ずれ量が次第に拡大する。すると、台シート(11)に重なった状態で搬送される素材シート(S)も前記台シート(11)と一緒に前記幅方向にずれてしまう。
その結果、図10に示すように、打抜セクション(P)での被打抜部(H)(製品(A)となる部分)が抜き型(1)の降下位置に対して前記幅方向にずれてしまう。そして、このずれ量は、極めて緩慢に拡大することから、該ずれ量が目視確認できる程度まで拡大したときには、相当量の不良品が既に発生しているのである。
『被打抜部が長手方向に所定ピッチで形成された素材シート(S)を台シート(11)に重ねた状態で打抜セクション(P)に順次送り込むと共に、
前記打抜セクション(P)に到達した前記被打抜部を、該被打抜部の上から前記台シート(11)に押圧される抜き型(1)で打ち抜く打抜装置』に於いて、被打抜部が打抜セクション(P)に於いて素材シート(S)の幅方向にずれても、該素材シート(S)から製品(A)を精度良く打抜けるようにすることをその課題とする。
上記課題を解決する為の本発明の技術的手段は、
『前記素材シート(S)上の基準マークを前記打抜セクション(P)又はその上流側で検出するマークセンサと、
前記マークセンサで検出された前記基準マークが予め設定された基準位置から前記素材シート(S)の幅方向へずれている変位距離を演算する変位距離演算手段(60)と、
前記マークセンサで検出された前記基準マークに対応する前記被打抜部が前記打抜きステーション(P)に到達したときに前記演算された変位距離だけ前記抜き型(1)を前記ずれている方向に移動させる打抜位置補正手段(61)とを具備し、
前記抜き型(1)と前記台シート(11)の間隔を調節する為のダイハイト調節用のエキセン機構が打抜駆動用の出力軸の出力端と前記抜き型(1)の間に介装され、
前記エキセン機構は、抜き型(1)を有する昇降自在な昇降プレート(35)に取り付けられた一対の軸受ブロック(38)(38)と、各軸受ブロック(38)(38)に支持された回転軸(52)(52)と、各回転軸(52)(52)に偏心状態で外嵌固定された副軸(53)(53)と、各副軸(53)(53)に一端のボス(540)(540)が回転自在に外嵌されたコネクティングロッド(54)(54)とを備え、
前記回転軸(52)(52)にはウォームホイール(55)(55)が各別に取り付けられ、該ウォームホイール(55)(55)はこれに噛み合うウォーム(56)(56)を回転させるハンドル軸(58)で回転されるように設けられ、
前記ハンドル軸(58)を回転させると、コネクティングロッド(54)(54)のボス(540)(540)に対して副軸(53)(53)が回転してダイハイト調節が行なえるように昇降プレート(35)が昇降する構成であって、コネクティングロッド(54)(54)から副軸(53)(53)に下向きの押圧力が作用したときにハンドル軸(58)にはウォーム(56)(56)から該ハンドル軸(58)を軸方向に圧縮する力が作用するように、左右一対の副軸(53)(53)は、左側の副軸(53)が時計方向に回転する一方、右側の副軸(53)が反時計方向に回転する構成とされている』ことである。
ここで、前記基準マークは、被打抜部に印刷された製品の図柄自体であっても良く、又、印刷位置等を決定する為に前記図柄とは別に印刷された「トンボ」と称されるマーク、若しくは、素材シート(S)の側辺やコーナ部(枚葉打抜の場合)であってもよい。
すると、打抜位置補正手段(61)は、マークセンサで検出された基準マークに対応する被打抜部が打抜セクション(P)に到達したときに抜き型(1)を前記ずれている方向に前記変位距離だけ移動させる。これにより、打抜動作の継続によって素材シート(S)が幅方向にずれた場合でも、抜き型(1)が被打抜き部に正確に一致する。
また、前記抜き型(1)と前記台シート(11)の間隔を調節する為のダイハイト調節用のエキセン機構が、打抜駆動用の出力軸の出力端と前記抜き型(1)の間に介装されているので、エキセン機構の一方の死点付近、具体的には、入力となる回転量に対して出力となる抜き型(1)の直線移動量が最小となる死点付近でダイハイト調節を行うようにすれば、該ダイハイトの微調節を行なうことができる。
そして、コネクティングロッド(54)(54)から副軸(53)(53)に下向きの押圧力が作用したときには、ハンドル軸(58)にはウォーム(56)(56)から、該ハンドル軸(59)を軸方向に圧縮する力が作用する。従って、ハンドル軸(58)に軸方向の引張り力が作用する場合に比べて該ハンドル軸(58)が損傷しにくくなる。
前記請求項1の発明に於いて、
『前記マークセンサは、前記基準マークを撮影するカメラである』ものとすれば、前記カメラで撮影した基準マークの映像と仮想の基準像のずれの距離を判断することにより、前記変位距離を演算することができる。
請求項1又は2に於いて、
『前記台シート(11)は、表面が静電気で帯電された無端ベルトである』ものでは、素材シート(S)が無端ベルト状の台シート(11)上に静電気力で吸着保持されるから、素材シート(S)が台シート(11)に対して搬送方向にスリップする心配が少なくなる。従って、薄い素材シート(S)でも台シート(11)で確実に打抜セクション(P)に搬送される。
請求項1〜請求項3に於いて、
『前記抜き型(1)で打抜かれた製品(A)を前記台シート(11)上に押圧しながら下流側に搬送する押圧回転ベルト又は押圧ローラが設けられている』ものでは、抜き型(1)で打抜かれた製品(A)がカールし易い薄いシート状のものであっても、これが台シート(11)と押圧ローラ又は回転ベルトで挟圧された状態で下流側に確実に搬送される。
素材シート(S)の幅方向に変位する被打抜部に追随して抜き型(1)の位置が移動するから、打抜動作の継続によって素材シート(S)が幅方向にずれた場合でも、抜き型(1)が被打抜き部に正確に一致する。
また、エキセン機構の一方の死点付近、具体的には、入力となる回転量に対して出力となる抜き型(1)の直線移動量が最小となる死点付近でダイハイト調節を行うようにすれば、該ダイハイトの微調節を行なうことができる。
[全体構成]
図1に示すように、本実施の形態に係る打抜装置は、機体(K)と、該機体(K)の上方で昇降する昇降プレート(35)と、該昇降プレート(35)を駆動する打抜駆動源(B)と、上記機体(K)と昇降プレート(35)の上下間で走行する無端ベルト状の台シート(11)を具備している。
図1,図4に示すように、刃物台(12)を保持する昇降プレート(35)の上面に形成された中央凹部(36)の底面のアリ溝(37)(37)に摺動自在に嵌合した軸受ブロック(38)(38)には回転軸(52)(52)が支持されていると共に、該回転軸(52)(52)に偏心状態で外嵌固定された副軸(53)(53)には、コネクティングロッド(54)(54)の下端ボス(540)(540)が回転自在に外嵌している。又、上記回転軸(52)(52)には、ウォームホイール(55)(55)が各別に取り付けられており、該ウォームホイール(55)(55)はこれに噛み合うウォーム(56)(56)を回転させる刃高調節ハンドル(57)で回転されるようになっている。そして、刃高調節ハンドル(57)を回転させると、ウォーム(56)(56)及びこれらに噛み合うウォームホイール(55)(55)が回転し、これにより、コネクティングロッド(54)(54)の下端ボス(540)(540)に対して副軸(53)(53)が回転して昇降プレート(35)が刃物台(12)と共に昇降する。これにより、抜き型(1)と台シート(11)の間隔調節たるダイハイト調節が行なえる。特に、副軸(53)(53)の下死点近傍で抜き型(1)の高さ調節ができる構成にすると、該下死点近傍では刃高調節ハンドル(57)の回転量(入力)に対する抜き型(1)の昇降量(出力)が小さいことから、該抜き型(1)の高さを微調節することができる。
尚、本実施の形態では、コネクティングロッド(54)(54),副軸(53)(53),回転軸(52)(52)及び軸受ブロック(38)(38)の集合が、既述したダイハイト調節用のエキセン機構に対応している。
従って、モータ(67)の駆動力が減速機(66)(66)→回転軸(65)(65)→打抜き用副軸(64)(64)→コネクティングロッド(54)(54)→副軸(53)(53)→回転軸(52)(52)→軸受ブロック(38)(38)→昇降プレート(35)(35)と繋がる経路で伝達され、これにより、昇降プレート(35)が刃物台(12)と共に昇降して製品(A)(A)が打抜かれる。
ガイドポスト(34)(34)に沿って昇降する昇降プレート(35)の下面には、図1,図4に示すように、素材シート(S)や台シート(11)の幅方向に摺動自在な刃物台(12)が装着されている。
具体的には、図5に示すように、昇降プレート(35)の下面に形成された摺動溝(351)に刃物台(12)が装填されていると共に、該刃物台(12)の上端両側部に張り出した係合フランジ(121)(121)が摺動溝(351)の下端縁に対向突出したリブ(350)(350)に上方から係合し、これにより、刃物台(12)が昇降プレート(35)に対して前記素材シート(S)及び台シート(11)の幅方向に摺動し得るようになっている。
昇降プレート(35)に於ける素材シート(S)の送り込み側の端部にはマークセンサたるCCDカメラ等のカメラ(5)が固定されている(図1,図6参照)。
このカメラ(5)は、図柄や文字が印刷された製品(A)(A)となる領域(被打抜部)の近傍に印刷された基準マークたる「トンボ」であって素材シート(S)の一方の側辺近傍に印刷されたものを撮影する。
打抜セクション(P)の下流側には、打抜き後の素材シート(S)を台シート(11)上に押圧する押圧回転ベルト(4)が配設されていると共に、該押圧回転ベルト(4)は、台シート(11)の駆動ローラ(21a)と同期回転する駆動ローラ(41)と従動ローラ(42)とこれらに巻回された無端ベルト(43)から構成されている。このものでは、抜き型(1)で打抜かれた製品(A)が台シート(11)と押圧回転ベルト(4)で挟圧された状態で下流側に搬送されるから、製品(A)がカールし易い薄いシート状のものであっても、これが台シート(11)と押圧回転ベルト(4)で挟圧されて表裏にカールするのが防止される。
台シート(11)用の従動ローラ(21b)の近傍には、台シート(11)の外面を静電気で帯電させる為の帯電装置(3)が設けられており、台シート(11)の表面に素材シート(S)が静電気力で吸着保持されるようになっている。
これにより、薄い素材シート(S)であっても、これが台シート(11)に対して搬送方向にスリップする心配が少なくなり、これにより、打抜き精度が一層向上する。
尚、台シート(11)を帯電性の材料で構成しておけば、台シート(11)から抜きカス(S')が剥離される際に該台シート(11)が帯電されるから、素材シート(S)を台シート(11)に静電気力で吸着保持させることができるが、大きな静電気力で素材シート(S)を吸着保持させる必要がある場合は、上記帯電装置(3)を設けることが有効である。
本実施の形態に係る打抜装置では、台シート(11)の走行位置が幅方向に徐々に偏る量(以下、「蛇行量」という。)を調節する為の蛇行調節機構(7)が設けられている。
具体的には、図1,図2に示すように、前記蛇行調節機構(7)は、台シート(11)の復路側の走行域を従動ローラ(21b)の近傍にて上方に押圧するテンションローラ(23a)の水平度を調節する水平度調節ネジ(71)を具備している。又、図2に示すように、上記テンションローラ(23a)の一端は、軸受(230)で上下揺動自在に支持されている。従って、固定部(72)に対する水平度調節ネジ(71)の螺入度合いを調節してテンションローラ(23a)の一端の高さを変化させると、これに伴って該テンションローラ(23a)の水平度が変化し、これにより、該テンションローラ(23a)から台シート(11)に作用する押圧力がシート幅方向に不均一になる。よって、走行中に伴う台シート(11)の前記蛇行量を調節することができる。従って、台シート(11)に対する抜き型(1)の食い込み痕跡(d)(d)(図3参照)の形成位置を、台シート(11)の幅方向に徐々に移動させることができ、台シート(11)の幅方向の同じ位置に痕跡(d)(d)が集中することが防止され、これにより、台シート(11)の耐久性低下を防止することができる。
1.押圧回転ベルト(4)に代えて一本又は、搬送方向に並設された複数のローラを用いても良い。
2.マークセンサとしては、カメラ(5)に限定されるものではなく、種々の光学センサを採用することができる。
3.上記実施の形態では、カメラ(5)で基準マークとしてのトンボを撮影するようにしたが、素材シート(S)に印刷された製品(A)(A)となるべき図柄や文字等をカメラ(5)で撮影し、該図柄や文字を基準マークとして採用してもよい。又、素材シート(S)の側辺部や、枚葉打抜の場合はカメラ(5)で撮影する素材シートのコーナ部を基準マークとして採用してもよい。
(11)・・・台シート
(60)・・・変位距離演算手段
(61)・・・打抜位置補正手段
(A)・・・製品
(P)・・・打抜セクション
(S)・・・素材シート
Claims (4)
- 被打抜部が長手方向に所定ピッチで形成された素材シート(S)を台シート(11)に重ねた状態で打抜セクション(P)に順次送り込むと共に、
前記打抜セクション(P)に到達した前記被打抜部を、該被打抜部の上から前記台シート(11)に押圧される抜き型(1)で打ち抜く打抜装置に於いて、
前記素材シート(S)上の基準マークを前記打抜セクション(P)又はその上流側で検出するマークセンサと、
前記マークセンサで検出された前記基準マークが予め設定された基準位置から前記素材シート(S)の幅方向へずれている変位距離を演算する変位距離演算手段(60)と、
前記マークセンサで検出された前記基準マークに対応する前記被打抜部が前記打抜きステーション(P)に到達したときに前記演算された変位距離だけ前記抜き型(1)を前記ずれている方向に移動させる打抜位置補正手段(61)とを具備し、
前記抜き型(1)と前記台シート(11)の間隔を調節する為のダイハイト調節用のエキセン機構が打抜駆動用の出力軸の出力端と前記抜き型(1)の間に介装され、
前記エキセン機構は、抜き型(1)を有する昇降自在な昇降プレート(35)に取り付けられた一対の軸受ブロック(38)(38)と、各軸受ブロック(38)(38)に支持された回転軸(52)(52)と、各回転軸(52)(52)に偏心状態で外嵌固定された副軸(53)(53)と、各副軸(53)(53)に一端のボス(540)(540)が回転自在に外嵌されたコネクティングロッド(54)(54)とを備え、
前記回転軸(52)(52)にはウォームホイール(55)(55)が各別に取り付けられ、該ウォームホイール(55)(55)はこれに噛み合うウォーム(56)(56)を回転させるハンドル軸(58)で回転されるように設けられ、
前記ハンドル軸(58)を回転させると、コネクティングロッド(54)(54)のボス(540)(540)に対して副軸(53)(53)が回転してダイハイト調節が行なえるように昇降プレート(35)が昇降する構成であって、コネクティングロッド(54)(54)から副軸(53)(53)に下向きの押圧力が作用したときにハンドル軸(58)にはウォーム(56)(56)から該ハンドル軸(58)を軸方向に圧縮する力が作用するように、左右一対の副軸(53)(53)は、左側の副軸(53)が時計方向に回転する一方、右側の副軸(53)が反時計方向に回転する構成とされている、打抜装置。 - 請求項1に記載の打抜装置に於いて、
前記マークセンサは、前記基準マークを撮影するカメラである、打抜装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の打抜装置に於いて、
前記台シート(11)は、表面が静電気で帯電された無端ベルトである、打抜装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の打抜装置に於いて、
前記抜き型(1)で打抜かれた製品(A)を前記台シート(11)上に押圧しながら下流側に搬送する押圧回転ベルト又は押圧ローラが設けられている、打抜装置。
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