JP2002355794A - 打抜き位置決め方法及び打抜き装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯状シート体の外形抜きの不良率を大幅に低
減することができる打抜き装置を提供することにある。 【解決手段】 帯状シート体３に長手方向に所定ピッチ
で設けられた打抜き部の形状に対応した形状の切れ目を
入れる打抜き刃が水平面内で位置調整自在に設けられた
外形抜き装置１を、備える。また、打抜き部に対応する
ように帯状シート体３に長手方向に所定ピッチで設けら
れたマーク部の位置を検出するマーク検出手段２，２
と、マーク部の位置の検出データを基に打抜き刃の移動
補正量を算出する演算手段41を、備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、打抜き位置決め方
法及び打抜き装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、自動車等においては、電子自動制
御化が進み、ドアやライト等に多数の配線を設ける必要
が生じている。このような多数の配線を効率良く設ける
ために、銅箔の配線パターンの両面を絶縁層にて被覆し
たフラット配線体（Flexible Flat Circuit ）が開発さ
れ、広く使用されるようになっている。例えば、自動車
後部ライトに用いられるフラット配線体は、図10に示す
ような帯状シート体51の長手方向に所定ピッチで設けら
れた打抜き部52（複数の打抜き配線パターン55…が集合
した打抜きパターン群）を打ち抜いて生産されている。
このとき、帯状シート体51は、搬送ライン途中に設けら
れた（光センサや近接センサ等の）マーク検出手段53を
通過して所定ピッチずつ外形抜き装置54へ送られ、外形
抜き装置54の打抜き刃によって打抜き部52の配線パター
ン55の外周に図13（イ）に示す如く切り目61が入れら
れ、その後、下流側の製品収納装置に送られて製品とし
ての打抜き部52と残ったカス部とに分離される。

【０００３】（図10にもどって、）ところで従来では、
帯状シート体51の打抜き部52が外形抜き装置54へ移動し
た際に、打抜き部52の位置が打抜き刃の打抜き位置に対
してずれを生じている場合があるため、打抜き部52の位
置を送り方向（Ｘ方向）・幅方向（Ｙ方向）に微調整し
ていた。つまり、図10及び図11と図12のフローチャート
を参照しつつ説明すると、帯状シート体51の長手方向に
所定ピッチで設けられたトの字型のマーク部56が、（図
11（イ）に示す如く）上記マーク検出手段53に送られる
と、（図11（ロ）に示す如く）マーク検出手段53の送り
方向検出位置57にマーク部56の幅方向線59がくるように
帯状シート体51をＸ方向へ低速で送ってマーク検出手段
53の入力により停止し、かつ、（図11（ハ）に示す如
く）マーク検出手段53の幅方向検出位置58にマーク部56
の送り方向線60がくるように帯状シート体51をＹ方向に
低速で移動してマーク検出手段53の入力により停止し
て、位置調整が行われる。

【０００４】このように、マーク検出手段53の位置でマ
ーク部56の位置調整が行われることによって、１ピッチ
以上先の外形抜き装置54の位置にある打抜き部52のＸ・
Ｙ方向の位置調整が行われたとみなされ、外形抜き装置
54にてプレスして図13（イ）に示す如く打抜き部52の各
打抜き配線パターン55…の外周に所定の余裕代Ｍ₀ をも
って切り目61を入れるようにしていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来で
は、図13（ロ）に示すように、帯状シート体51が送り方
向（Ｘ方向）に対して角度ずれを生じていても補正する
ことができなかったため、角度ずれのまま帯状シート体
51に切り目61を入れると余裕代（耳代）Ｍ₁ が減少乃至
無くなったり、配線パターンを傷つけたりして、不良率
増加の原因となっていた。また、外形抜き装置54は既設
のプレス機を利用したものであるため打抜き位置の近傍
にマーク検出手段53を設けることができず（外形抜き装
置１の位置でマーク部56を検出することができず）、上
流側の１ピッチ以上異なるマーク部56の位置を検出して
位置補正して外形抜きするので、ピッチ誤差の影響を受
け易いという欠点もあった。

【０００６】そこで、本発明は、帯状シート体の外形抜
きの不良率を大幅に低減することができる打抜き位置決
め方法及び打抜き装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係る打抜き位置決め方法は、長手方向に
所定ピッチで設けられた打抜き部及びマーク部を有する
帯状シート体を、所定ピッチずつ外形抜き装置へ搬送
し、該外形抜き装置に水平面内で位置調整自在に設けた
打抜き刃を、打抜き位置に位置決めする方法であって、
上記外形抜き装置の位置まで送られてきた上記帯状シー
ト体のマーク部の位置をマーク検出手段で検出し、か
つ、該マーク部の位置の検出データを基にして、上記打
抜き刃の移動補正量を算出すると共に、該移動補正量に
基づいて打抜き刃を水平面内で位置調整し位置決めする
ものである。

【０００８】このとき、水平面内の位置調整が回転方向
の調整を含んでいる。また、打抜き部が、薄肉平面状の
配線パターンの上下両面を絶縁層にて被覆したフラット
配線体であるのも良い。

【０００９】また、本発明に係る打抜き装置は、帯状シ
ート体に長手方向に所定ピッチで設けられた打抜き部の
形状に対応した形状の切れ目を入れる打抜き刃が水平面
内で位置調整自在に設けられた外形抜き装置と、上記打
抜き部に対応するように帯状シート体に長手方向に上記
所定ピッチで設けられたマーク部の位置を上記外形抜き
装置の位置に於て検出するマーク検出手段と、該マーク
部の位置の検出データを基に該打抜き刃の移動補正量を
算出する演算手段と、を備え、マーク部が外形抜き装置
まで移動すると、マーク部の位置の検出、及び、上記移
動補正量に基づく打抜き刃の位置調整が行われて位置決
めされるものである。

【００１０】このとき、外形抜き装置が、昇降可能な下
圧盤と、固定上圧盤と、該固定上圧盤に設けられて打抜
き刃を有する打抜き型を固定上圧盤の下面側にかつ水平
面内で位置調整自在に吊下げ保持する位置調整機構部
を、具備している。また、位置調整機構部が、打抜き型
を鉛直軸心廻りに回転させて位置決めする回動機構部
と、打抜き型を送り方向へ移動させて位置決めする送り
方向移動機構部と、打抜き型を幅方向へ移動させて位置
決めする幅方向移動機構部と、を具備している。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、実施の形態を示す図面に基
づき、本発明を詳説する。

【００１２】図１は、本発明に係る打抜き装置の実施の
一形態を示す。この打抜き装置は、外形抜き装置１及び
外形抜き装置１に設けられたマーク検出手段２とを備
え、図７と図８で示すように、帯状シート体３に長手方
向に所定ピッチＬで設けられた打抜き部４と、外形抜き
装置１の打抜き刃９との位置を合わせ、打抜き部４の外
周に切り目を入れる装置であり、具体的にはフラット配
線体の外形抜き工程に用いられる。

【００１３】図１に示すように、外形抜き装置１は、昇
降可能な下圧盤７と固定上圧盤６とを有するプレス機８
と、打抜き刃９を有する打抜き型10（図５参照）と、固
定上圧盤６に設けられて打抜き型10を固定上圧盤６の下
面６ａ側にかつ水平面内で位置調整可能に吊下げ保持す
る位置調整機構部11と、を備えている。

【００１４】プレス機８は、基枠12と、基枠12に立設さ
れてその上端に矩形状の上記固定上圧盤６が取付けられ
る４本のガイド支柱13…と、４本のガイド支柱13…に上
下スライド自在に取付けられた上記下圧盤７を昇降駆動
する基枠12に設けられたシリンダ部14と、上圧盤６と下
圧盤７の間を通るようにして複数のローラ16…に張架さ
れたプラスチック製の刃受け用エンドレスベルト15と、
下圧盤７の上面に設けられてプレス時のエンドレスベル
ト15を内面側から支持する台部17と、下圧盤７の上流側
と下流側に設けられてエンドレスベルト15と共に帯状シ
ート体３の左右端縁を挾持・開放切換え可能なクランプ
部18，18と、を備えている。なお、16ａは上記複数のロ
ーラ16…のうちの昇降可能なダンサローラであり、下圧
盤７が上昇した際にエンドレスベルト15の張力を一定に
保持するようにしている。また、16ｂは駆動ローラであ
り、駆動ローラ16ｂと下方の上下移動可能なフリーロー
ラ16ｃにてベルト15を挾持し、駆動ローラ16ｂを回転さ
せベルト15を移動させて刃受け面を変更できるようにし
ている。

【００１５】図１〜図４に示すように、水平面内で位置
調整するための位置調整機構部11は、打抜き型10を鉛直
軸心Ｐ廻りに（Ａ方向に）回転させて位置決めする回動
機構部19と、打抜き型10を送り方向（Ｘ方向）へ移動さ
せて位置決めする送り方向移動機構部20と、打抜き型10
を幅方向（Ｙ方向）へ移動させて位置決めする幅方向移
動機構部21と、を備えている。

【００１６】詳しく説明すると、上圧盤６の上面には補
強用リブ22が設けられており、この補強用リブ22の矩形
状の上壁23の中心位置に回動駆動用の第１アクチュエー
タ24の固定部が取付けられている。この第１アクチュエ
ータ24としては、例えばＡＣサーボモータが用いられ、
その短軸部25が鉛直軸心Ｐ廻り（Ａ方向）に回動可能と
されている。そして、上記短軸部25の上端面に水平状に
回動プレート26が固着されている。上記回動機構部19
は、第１アクチュエータ24と回動プレート26を備えた構
成とされている。

【００１７】また、回動プレート26は、第１アクチュエ
ータ24と連結された矩形板部26ａと、矩形板部26ａから
送り方向へ突出した送り方向板部26ｂと、矩形板部26ａ
から幅方向へ突出した幅方向板部26ｃとを備え、送り方
向板部26ｂの下面に第２アクチュエータ27の固定部が取
付けられると共に、幅方向板部26ｃの上面に第３アクチ
ュエータ28の固定部が取付けられている。なお、第２・
第３アクチュエータ27，28としては、例えばＡＣサーボ
モータ駆動のボールネジ等が用いられる。

【００１８】また、回動プレート26の矩形板部26ａの上
面には移動枠体29が取付けられている。この移動枠体29
は、回動プレート26の矩形板部26ａの上面にかつ鉛直軸
心Ｐを中間に上流側と下流側に設けられた平行な前後一
対の幅方向ガイド杆30，30と、各幅方向ガイド杆30，30
の両端にスライド自在に取付けられた４個のスライドブ
ロック31…及び各スライドブロック31…の上面に連結さ
れた矩形状の幅方向移動プレート32と、幅方向移動プレ
ート32の下面の角部４箇所に固着された送り方向孔部を
有するガイドブロック33…にスライド自在に取付けられ
た平行な左右一対のスライド杆34，34と、一対のスライ
ド杆34，34の端部同士を連結する平行な前後一対のクラ
ンプ板部35，35と、を備え、第２アクチュエータ27の可
動部が後方のクランプ板部35に幅方向（Ｙ方向）スライ
ド自在に連結されると共に、第３アクチュエータ28の可
動部が幅方向移動プレート32の端縁に固着されている。

【００１９】しかして、上記送り方向移動機構部20は、
第２アクチュエータ27と移動枠体29を備えた構成とさ
れ、上記幅方向移動機構部21は、第３アクチュエータ28
と移動枠体29を備えた構成とされている。

【００２０】このように構成された位置調整機構部11
は、その前後一対のクランプ板部35，35の下端に打抜き
型10を取付けることにより、打抜き型10の上面10ａが上
圧盤６の下面６ａに摺接可能として吊下げ保持される。

【００２１】ここで、帯状シート体３について説明する
と、図７に示すように、帯状シート体３には、長手方向
に所定ピッチＬで上記打抜き部４及びマーク部38が設け
られている。この打抜き部４は、薄肉平面状の配線パタ
ーンの上下両面を絶縁層にて被覆した打抜き前のフラッ
ト配線体（ＦＦＣパターン）５…が１ピッチ毎に複数個
集合して構成されている。即ち、帯状シート体３は、銅
箔等の金属箔を１ピッチ毎に所定の配線パターン形状に
切り抜き、かつ、その上下両面に絶縁層が積層されるこ
とにより形成されている。また、マーク部38は、各打抜
き部４…の間に、かつ、幅方向左右側に２個ずつ設けら
れている。このマーク部38，38は、例えば帯状シート体
３の上層の絶縁層に孔を開け、内部に残留している金属
箔（銅箔）を露出させることにより形成されている。

【００２２】図５と図６に示すように、打抜き型10は、
矩形状のベースプレート36と、ベースプレート36に基端
が埋め込まれた打抜き刃９と、を有する。打抜き刃９
は、一対の刃本体42，42から成り、全体として帯状シー
ト体３の打抜き部４のフラット配線体５（図７参照）の
形状に対応した形状に、かつ、フラット配線体５の外周
に所定の余裕代Ｍをもって切り目を形成する大きさに形
成されており、打抜き部４のフラット配線体５…と同じ
個数が打抜き型10に設けられている。なお、打抜き刃９
はビクトリア刃（ビク刃）と呼ばれ、打抜き型10はビク
型と呼ばれることがある。

【００２３】図１〜図３と図７に示すように、外形抜き
装置１の上方には左右一対のマーク検出手段２，２（例
えばＣＣＤカメラ37, 37）が設けられている。例えば、
外形抜き装置１の基枠12に門型部材39を立設し、門型部
材39の横杆39ａにマーク検出手段２，２が固定される。
また、マーク検出手段２，２の下方に位置する位置調整
機構部11の幅方向移動プレート32、回動プレート26と、
補強用リブ22の上壁23、及び打抜き型10には、各々２個
ずつマーク位置検出用の孔部40，40が形成され、外形抜
き装置１に搬送された帯状シート体３のマーク部38，38
の位置をマーク検出手段２，２にて検出できるようにし
ている。また、41はマーク検出手段２，２にてマーク部
38，38の位置を検出したデータが入力される演算手段で
あり、検出データを基に演算手段41によって打抜き型10
の打抜き刃９（図６参照）の移動補正量が算出される。

【００２４】次に、図１〜図４を参照しつつ、位置調整
機構部11による打抜き型10の位置調整動作を説明する
と、回動機構部19の第１アクチュエータ24を駆動するこ
とにより、回動プレート26及び打抜き型10を保持する移
動枠体29全体が鉛直軸心Ｐ廻りに左右方向（Ａ方向）へ
回転し、第１アクチュエータ24の停止によりずれ角度θ
で位置調整された打抜き型10が位置決めされる。また、
送り方向移動機構部20の第２アクチュエータ27を駆動す
ることにより、左右一対のスライド杆34，34がガイドブ
ロック33…に対してスライドしかつ前後一対のクランプ
板部35，35が送り方向（Ｘ方向）へ移動し、第２アクチ
ュエータ27の停止によって送り方向位置調整された打抜
き型10が位置決めされる。また、幅方向移動機構部21の
第３アクチュエータ28を駆動することにより、スライド
ブロック31…が幅方向ガイド杆30，30に沿ってスライド
しかつ幅方向移動プレート32とスライド杆34，34とクラ
ンプ板部35，35が一体的に幅方向（Ｙ方向）へ移動し、
第３アクチュエータ28の停止によって幅方向位置調整さ
れた打抜き型10が位置決めされる。

【００２５】しかして、この打抜き装置による打抜き位
置決め方法は、図１と図２と図７及び図９のフローチャ
ートに示すように、長手方向に所定ピッチＬで設けられ
た打抜き部４とマーク部38を有する帯状シート体３を、
所定ピッチＬずつ外形抜き装置１へ搬送し、外形抜き装
置１に水平面内で位置調整自在に設けた打抜き刃９（図
６参照）を、打抜き部４に対応する打抜き位置に位置決
めする方法であって、先ず、帯状シート体３の左右対を
成すマーク部38，38が、外形抜き装置１に設けられたマ
ーク検出手段２，２のマーク検出位置まで移動すると、
帯状シート体３の送りが停止し、かつ、クランプ部18…
にて帯状シート体３が固定され、マーク部38，38が位置
決めされる。そして、位置決めされたマーク部38，38の
位置を各マーク検出手段２，２（ＣＣＤカメラ37, 37）
にて検出する。つまり、各マーク検出手段２，２におけ
る検出基準点からマーク部38，38がどれだけ送り方向
（Ｘ方向）及び幅方向（Ｙ方向）にずれているかを検出
する。

【００２６】このようにして検出された各マーク部38，
38のＸ−Ｙ座標位置の検出データを基に、演算手段41に
よって移動補正量が算出される。つまり、演算手段41に
よって、各マーク部38，38についてＸ方向のずれ量とＹ
方向のずれ量が算出されると共に、対としてのマーク部
38，38のセンターＣに対するずれ角度が算出され、これ
らの値が外形抜き装置１の打抜き型10（ビク型）の移動
補正量───ずれ角度θ、Ｘ方向補正量、Ｙ方向補正量
───とされる。

【００２７】そして、演算手段41にて算出された上記移
動補正量に基づいて、打抜き型10及び打抜き刃９が、図
８（イ）に示すような状態（打抜き部４に対してずれた
状態）から、図８（ロ）に示す如く水平面内で位置調整
され（ずれ角度θとＸ方向とＹ方向の位置調整が行わ
れ）位置決めされる。このとき、移動補正量データが演
算手段41から図示省略の制御部へ入力され、それによっ
て制御部にて外形抜き装置１の位置調整機構部11が駆動
制御されている。このように、打抜き刃９を送り方向・
幅方向だけでなくずれ角度θについても位置調整するの
で、その後に下圧盤７を上昇させ、打抜き刃９にて打抜
き部４の外周に所定の余裕代Ｍをもって正確に切り目を
形成（外形抜き）することができる。このとき、プレス
による打抜き型10にかかる圧力を上圧盤６にて受けるこ
とができる。

【００２８】なお、本発明は上述の実施の形態に限定さ
れず、例えば、本実施の形態では、フラット配線体の外
形抜きでの打抜き位置決め方法を説明したが、その他の
製品の外形抜きにも幅広く適用することができる。

【００２９】

【発明の効果】本発明は上述の如く構成されるので、次
に記載する効果を奏する。

【００３０】（請求項１によれば）外形抜き装置１へ送
られた帯状シート体３の打抜き部４の位置に対応するよ
う、打抜き刃９が位置調整されるので、打抜き刃９にて
打抜き部４の外周に所定の余裕代Ｍをもって切り目を正
確に入れることができ、従って、余裕代が減少乃至無く
なったり、製品部分を切断してしまうということがなく
なり、不良率を大幅に減少することができる。このと
き、外形抜き装置１のマーク検出位置にて帯状シート体
３のマーク部38，38の位置を検出して移動補正量を算出
し、この移動補正量で直ちに打抜き刃９の位置調整（補
正）を行うので、（従来のような）ピッチ誤差の影響も
ない。

【００３１】（請求項２によれば）打抜き刃９が回転方
向にも位置調整されるので、高精度な打抜きを実現でき
る。 （請求項３によれば）フラット配線体（ＦＦＣパター
ン）５の外形抜きに適用して不良率を大幅に低減するこ
とができる。

【００３２】（請求項４によれば）外形抜き装置１へ送
られた帯状シート体３の打抜き部４の位置に対応するよ
う、打抜き刃９が位置調整されるので、打抜き刃９にて
打抜き部４の外周に所定の余裕代Ｍをもって切り目を正
確に入れることができ、従って、余裕代が減少乃至無く
なったり、製品部分を切断してしまうということがなく
なり、不良率を大幅に減少することができる。このと
き、外形抜き装置１のマーク検出位置───外形抜き装
置１に設けられたマーク検出手段２，２の直下位置──
─にて帯状シート体３のマーク部38，38の位置を検出し
て移動補正量を算出し、この移動補正量で直ちに打抜き
刃９の位置調整（補正）を行うことができるので、（従
来のような）ピッチ誤差の影響もない。

【００３３】（請求項５によれば）位置調整機構部11が
設けられた固定上圧盤６に対して重量の軽い下圧盤７側
を昇降させる構造であるため、プレス機８としての昇降
駆動部（シリンダ部14）を小型化できる。また、固定上
圧盤６の上方から昇降駆動部が無くなるので、装置全体
としてコンパクト化する。

【００３４】（請求項６によれば）回動機構部19と送り
方向移動機構部20と幅方向移動機構部21によって、打抜
き型10及び打抜き刃９のずれ角度θの調整と送り方向
（Ｘ方向）位置調整と幅方向（Ｙ方向）位置調整を振り
分けることができ、位置調整機構部11全体としての構造
を簡素化することができると共に、簡単に駆動制御する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る打抜き装置の実施の一形態を示す
側面図である。

【図２】位置調整機構部を示す要部平面図である。

【図３】位置調整機構部を示す要部断面側面図である。

【図４】位置調整機構部を示す要部断面背面図である。

【図５】打抜き型を示す要部断面側面図である。

【図６】打抜き刃の形状を示す説明図である。

【図７】帯状シート体のマーク部が検出される状態を示
す説明図である。

【図８】打抜き刃が水平面内で位置調整される状態を示
す説明図である。

【図９】本発明の打抜き位置決め方法のフローチャート
である。

【図10】従来の打抜き位置決め方法を示す説明図であ
る。

【図11】従来のマーク検出手段の検出位置に帯状シート
体のマーク部を移動させる状態を示す説明図である。

【図12】従来の打抜き位置決め方法のフローチャートで
ある。

【図13】帯状シート体の打抜き部の外周に切り目を入れ
た状態を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 外形抜き装置 ２ マーク検出手段 ３ 帯状シート体 ４ 打抜き部 ５ フラット配線体 ６ 上圧盤 ６ａ 下面 ７ 下圧盤 ９ 打抜き刃 10 打抜き型 11 位置調整機構部 19 回動機構部 20 送り方向移動機構部 21 幅方向移動機構部 38 マーク部 41 演算手段 Ｌ 所定ピッチ Ｐ 鉛直軸心

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 長手方向に所定ピッチで設けられた打抜
   き部及びマーク部を有する帯状シート体を、所定ピッチ
   ずつ外形抜き装置へ搬送し、該外形抜き装置に水平面内
   で位置調整自在に設けた打抜き刃を、打抜き位置に位置
   決めする方法であって、上記外形抜き装置の位置まで送
   られてきた帯状シート体のマーク部の位置をマーク検出
   手段で検出し、かつ、該マーク部の位置の検出データを
   基にして、上記打抜き刃の移動補正量を算出すると共
   に、該移動補正量に基づいて打抜き刃を水平面内で位置
   調整し位置決めすることを特徴とする打抜き位置決め方
   法。
2. 【請求項２】 水平面内の位置調整が回転方向の調整を
   含んでいる請求項１記載の打抜き位置決め方法。
3. 【請求項３】 打抜き部が、薄肉平面状の配線パターン
   の上下両面を絶縁層にて被覆したフラット配線体である
   請求項１又は２記載の打抜き位置決め方法。
4. 【請求項４】 帯状シート体に長手方向に所定ピッチで
   設けられた打抜き部の形状に対応した形状の切れ目を入
   れる打抜き刃が水平面内で位置調整自在に設けられた外
   形抜き装置と、上記打抜き部に対応するように帯状シー
   ト体に長手方向に上記所定ピッチで設けられたマーク部
   の位置を上記外形抜き装置の位置に於て検出するマーク
   検出手段と、該マーク部の位置の検出データを基に該打
   抜き刃の移動補正量を算出する演算手段と、を備え、マ
   ーク部が外形抜き装置まで移動すると、マーク部の位置
   の検出、及び、上記移動補正量に基づく打抜き刃の位置
   調整が行われて位置決めされることを特徴とする打抜き
   装置。
5. 【請求項５】 外形抜き装置が、昇降可能な下圧盤と、
   固定上圧盤と、該固定上圧盤に設けられて打抜き刃を有
   する打抜き型を固定上圧盤の下面側にかつ水平面内で位
   置調整自在に吊下げ保持する位置調整機構部を、具備す
   る請求項４記載の打抜き装置。
6. 【請求項６】 位置調整機構部が、打抜き型を鉛直軸心
   廻りに回転させて位置決めする回動機構部と、打抜き型
   を送り方向へ移動させて位置決めする送り方向移動機構
   部と、打抜き型を幅方向へ移動させて位置決めする幅方
   向移動機構部と、を具備している請求項５記載の打抜き
   装置。