JP4554784B2 - 複数階層建物の竪管の施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,複数階層建物に竪ダクトや竪パイプなど(以下,これら竪ダクトや竪パイプなどを総称して「竪管」という)を施工する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来,例えば高層建物に竪管を施工する方法として,本出願人は特公平1−56310号の高層建物の空調用竪ダクト施工法及び特許第3015229号(特開平7−34666号)の高層建物の竪管の施工方法を開示している。特公平1−56310号の施工法によれば,建方の進行と同時性を持って竪管を施工できるので,施工性に優れるといった利点がある。一方,特許第3015229号の施工方法によれば,竪管を構成するための管材を集積した直上の層階でのみ接続作業を行えばよいので,各階層へ管材を揚重する必要がなくなり,作業効率の向上をはかることが可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで管材同士を接合する場合,従来は下の管材を押さえて垂直姿勢にしながら,その上端に上の管材の下端を移動させ,下の管材と上の管材とを一直線状に並べてから,両者を直列に接合している。このため,接合の度に下の管材を垂直姿勢に押さえる作業が必要となり,労力を要する。
【0004】
従って本発明の目的は,なるべく少ない労力で竪管を施工できる方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため,請求項1によれば,複数階層を有する建物に2以上の管材を直列に接合して竪管を施工するにあたり,第1の管材を建物の上方から吊り上げることにより該第1の管材を自重によりほぼ垂直にする工程と,前記垂直にされた第1の管材の下端に上端が回動自在に取り付けられた状態で下層に置かれていた第2の管材を第1の管材に引き続いて吊り上げることにより,該第2の管材を自重によりほぼ垂直にして前記第1の管材と該第2の管材をほぼ一直線状にする工程と,ほぼ一直線状になった状態において前記第1の管材の下端に該第2の管材の上端を固定する工程を適宜繰り返すことにより,2以上の管材を直列に接合していき,前記第1の管材を吊り上げた後で,第1の管材の下端に第2の管材の上端を回動自在に取り付けることを特徴とする,複数階層建物の竪管の施工方法が提供される。
【0006】
この請求項1の施工方法において,複数階層建物とは例えば高層建物の如き複数の階層を有する建物である。また竪管とは,そのような複数階層建物に施工される竪ダクトや竪パイプなどであり,この竪管は,ダクト部材やパイプ部材などといった複数の管材を適宜接合することにより構成される。また管材の上端とは,吊り上げた際に上になる管材の端部の意味であり,管材の下端とは,吊り上げた際に下になる管材の端部の意味である。
【0007】
この請求項1の施工方法にあっては,先ず,上層から吊り下げたワイヤー等に第1の管材(このように,竪管の施工に当たって最初に吊り下げられる管材が「第1の管材」である)の上端を下層にて吊り下げる。そして,例えば建物の最上階などに設置したウインチを利用してワイヤーを巻き上げ等することにより,第1の管材を下層から上方にワイヤーで吊り上げて自重によりほぼ垂直にさせる。
【0008】
次に,この垂直にされた第1の管材の下端に第2の管材の上端を回動自在に取り付けた状態で,下層に置かれていた第2の管材を第1の管材に引き続いて吊り上げる(このように,既に吊り下げられてほぼ垂直にさせられた管材(第1の管材)の下端に,下層に置かれた状態で上端を回動自在に取り付けられている管材が「第2の管材」である)。このように第2の管材を第1の管材に引き続いて吊り上げる場合,前記第1の管材を吊り上げた後で,第1の管材の下端(吊り上げた際に下になる管材の端部が下端である)に第2の管材の上端を回動自在に取り付ける。なお,必要に応じて第2の管材の上端を適宜移動させ,第1の管材の下端に第2の管材の上端を近付けると良い。この場合,第2の管材の上端を適宜持ち上げるようにしても良い。
【0009】
次に,こうして第1の管材の下端に第2の管材の上端を回動自在に取り付けた状態で下層に置かれていた第2の管材を第1の管材に引き続いて吊り上げることにより,第1の管材を更に上昇させて第2の管材に相当する長さを吊り上げ,第1の管材の下端に接続された第2の管材を下層の床面上に吊り上げる。これにより,第2の管材は上端を支点に回動し自重によりほぼ垂直になり,第1の管材と第2の管材とはほぼ一直線状になる。
【0010】
なお,このように第1の管材の下端に接続された第2の管材を下層の床面上に吊り上げていく際には,請求項2に記載したように,第2の管材の下端を下層において移動自在に支持することが好ましい。そうすれば,上端が引き上げられていくに従って第2の管材の下端が下層の床面上を円滑に移動することができ,作業がしやすい。
【0011】
次に,こうして第1の管材の下端に接続された第2の管材を下層の床面上に吊り上げることにより,第1の管材と第2の管材とをほぼ一直線状にしたら,第1の管材の下端に第2の管材の上端を固定する。これにより,第1の管材と第2の管材は直列に接合され,流体が流通可能な経路が管材2本分の長さだけ形成されることとなる。
【0012】
そして,以上の工程を適宜繰り返すことにより,2以上の管材を適宜直列に接合していく。こうして,複数階層建物に,2以上の管材を直列に接合した構成の竪管を施工することができるようになる。
【0013】
従って,これら請求項1〜3の施工方法によれば,第2の管材に相当する長さ分第1の管材を上昇させれば,必然的に第2の管材は自重によりほぼ垂直になり,第1の管材と第2の管材とはほぼ一直線状になるので,そのまま第1の管材と第2の管材を直列に接合することができる。このため,従来のように接合の度に下の管材(第2の管材)を垂直姿勢に押さえておく必要がなく,なるべく少ない労力で竪管を施工できるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の実施の形態を図面を参照にして説明する。図1は,後述する竪管2をこれから施工しようとする建物1の断面を模式的に図示している。建物1は,例えば地上部分が1階〜N階までの複数の階層を有しており,図示の形態では,1階(1F)〜7階(7F)までの複数の階層を有している。建物1の各階(1F〜7F)の床面には,竪管2を設けるためのスペース1’〜7’が,垂直方向にそろって形成されている。
【0015】
後に詳しく説明するように,竪管2は,管材の一例としてのパイプ部材10を複数個直列に接続して組み立てられる。図1に示すように,パイプ部材10は,台車9などを利用して建物1の1Fに適宜搬入される。
【0016】
ここで図2は,本実施の形態において竪管2を組み立てるためのパイプ部材10の正面図であり,図3は,パイプ部材10の平面図(上面図)であり,図4は,パイプ部材10の底面図(下面図)である。パイプ部材10は,両端が開口した中空の円筒状をなしている。パイプ部材10の上端(後述するように,吊り上げた際に上になる端部がパイプ部材10の上端である)には一対の雄接続部11,11が形成されており,パイプ部材10の下端(後述するように,吊り上げた際に下になる端部がパイプ部材10の下端である)には一対の雌接続部12,12が形成されている。
【0017】
雄接続部11,11は,パイプ部材10の上端において180゜離れた位置で互いに対向するようにパイプ部材10の外側に配置されたプレート部材13,13で構成されている。プレート部材13,13の上部13’,13’はパイプ部材10の上端面よりも上方に突出して設けられており,これら上部13’,13’には,円孔14,14がそれぞれ設けられている。プレート部材13,13の内方には,パイプ部材10の上端面の位置において,空間19,19がそれぞれ形成されている。
【0018】
一方,雌接続部12,12は,パイプ部材10の下端において180゜離れた位置で互いに対向するようにパイプ部材10の外側に2枚ずつ配置されたプレート部材15,15及びプレート部材15,15で構成されている。但し,それぞれの雌接続部12,12において,プレート部材15,15同士は互いに隙間16をあけて平行に配置されており,前述の雄接続部11,11に設けられたプレート部材13,13の上部13’,13’を,これらプレート部材15,15同士の隙間16にそれぞれ丁度挿入できるようになっている。各プレート部材15の下部には,パイプ部材10の下端面よりも上方に位置する円孔17がそれぞれ設けられている。
【0019】
そして図5に示すように,上のパイプ部材10の下端に形成された一方の雌接続部12と下のパイプ部材10の上端に形成された一方の雄接続部11(図示の例では,上のパイプ部材10の下端右側の雌接続部12と下のパイプ部材10の上端右側の雄接続部11)を軸18によって接続することにより,上のパイプ部材10に対して下のパイプ部材10を回転自在に接続することが可能である。即ち,このように上下のパイプ部材10,10を回転自在に接続する場合は,上のパイプ部材10の下端に形成された一方の雌接続部12のプレート部材15,15同士の隙間16に,下のパイプ部材10の上端に形成された一方の雄接続部11のプレート部材13の上部13’を挿入する。そして,プレート部材15に設けられた円孔17と,プレート部材13に設けられた円孔14の位置を合わせて,これら円孔17と円孔14に軸18を通す。これにより,上のパイプ部材10下端の一方の雌接続部12と下のパイプ部材10上端の一方の雄接続部11は軸18を介して接続され,上下のパイプ部材10,10同士が軸18を中心にして回転自在に接続されることとなる。
【0020】
また図6に示すように,上のパイプ部材10の下端に形成された2つの雌接続部12,12と下のパイプ部材10の上端に形成された2つの雄接続部11,11の両方を軸18,18によって接続することにより,上のパイプ部材10に対して下のパイプ部材10を直列に固定して接続することも可能である。即ち,このように上下のパイプ部材10,10を一直線状に接合する場合は,先ず,先に図5で説明したように,上のパイプ部材10下端の一方の雌接続部12と下のパイプ部材10上端の一方の雄接続部11を軸18を介して回転自在に接続する。
そして,このように軸18を中心に下のパイプ部材10を回転させ,上のパイプ部材10の下端に下のパイプ部材10の上端を密着させる。このように,上のパイプ部材10の下端に下のパイプ部材10の上端を密着させて上下のパイプ部材10,10を一直線状に並べた際には,上のパイプ部材10の下端に形成された他方の雌接続部12のプレート部材15,15同士の隙間16に,下のパイプ部材10の上端に形成された他方の雄接続部11のプレート部材13の上部13’が挿入され,他方の雌接続部12のプレート部材15に設けられた円孔17と,他方の雄接続部11のプレート部材13に設けられた円孔14の位置が丁度合うこととなる。こうして位置合わせされた円孔17と円孔14(他方の雌接続部12のプレート部材15の円孔17と,他方の雄接続部11のプレート部材13の円孔14)に軸18を通す。これにより,上のパイプ部材10下端の2つの雌接続部12と下のパイプ部材10上端の2つの雄接続部11はいずれも軸18を介して接続されて回転できなくなり,上下のパイプ部材10,10同士は直列に固定して接続されることとなる。そして,このように上下のパイプ部材10,10同士が直列に接続されると,上下のパイプ部材10,10同士は互いに連通した状態で接合されることとなる。また,こうして上下のパイプ部材10,10同士を直列に固定した際には,プレート部材13,13の内方に形成された空間19,19を利用することにより,上のパイプ部材10の下端とパイプ部材10の上端を全周に渡って漏れなく溶接することが可能である。
【0021】
図1に示すように,建物1の最上階(図示の形態では屋上RF)には,パイプ部材10を吊り上げるための吊り上げ装置8が配置されている。この吊り上げ装置8は,駆動機構としてのウインチ20を備えており,RFにいるオペレーター21がスイッチ22を操作することにより,滑車23を介してRFから垂れ下がったワイヤー25が,建物1の各階(1F〜7F)に設けられているスペース1’〜7’を通って昇降させられるようになっている。ワイヤー25の下端には,パイプ部材10の上端を引っかけて支持することが可能なフック26が取り付けてある。
【0022】
さて,この建物1において,1F〜RFまで竪管2を本発明の実施の形態に従って施工する場合,先ず図1に示すように,最下層である1Fに,台車9などを利用してパイプ部材10を搬入する。そして,建物1の最上階RFに配置された吊り上げ装置8において,オペレーター21がスイッチ22を操作してウインチ20を稼働させ,先ずワイヤー25を吊り下げる。こうして,ワイヤー25下端のフック26を1Fまで下降させ,1Fにおいて台車9上に置かれている最初のパイプ部材10(第1のパイプ部材10)の上端にフック26を係合させる。この場合,図示しない吊金物などを利用して最初のパイプ部材10の上端にフック26を係合させると良い。
【0023】
係合後,図7に示すように,RFにいるオペレーター21がスイッチ22を操作してウインチ20を稼働させ,今度はワイヤー25を徐々に吊り上げていく。
これにより,フック26に係合している最初のパイプ部材10の上端は徐々に持ち上げられていき,最初のパイプ部材10は,今まで1Fの床面上に水平となって置かれていた姿勢から,徐々に立ち上げられ,垂直の姿勢にされていく。なお,このように最初パイプ部材10の姿勢が水平から垂直に変化させられていく際には,パイプ部材10の下端は1Fの床面上を台車9に置かれた状態で円滑に移動することが可能である。
【0024】
こうして,最初のパイプ部材10の下端が1Fの床面上方に持ち上げられる高さまで吊り上げられると,図8に示すように,最初のパイプ部材10は自重によってほぼ垂直の姿勢に垂れ下げられる。そして,このように最初のパイプ部材10の下端が1Fの床面上方の適当な高さに持ち上げられた状態で,RFにいるオペレーター21はウインチ20の稼働を一旦停止させる。また一方,建物1の1Fには,台車9などを利用して次のパイプ部材10(第2のパイプ部材10)を予め搬入しておく。
【0025】
次に,前述のようにワイヤー25下端のフック26に図示しない吊金物などを介して上端を係合されて吊り上げられたことによりほぼ垂直の姿勢にさせられた最初のパイプ部材10の下端に,1Fに搬入された次のパイプ部材10の上端を回動自在に取り付ける。この場合,1Fにいるオペレーター21は,先に図5で説明したように,吊り上げられた最初のパイプ部材10の下端に形成された一方の雌接続部12と,まだ1Fに置かれている次のパイプ部材10の上端に形成された一方の雄接続部11を軸18によって接続することにより,最初のパイプ部材10に対して次のパイプ部材10を回転自在に接続することができる。また,このように最初のパイプ部材10に次のパイプ部材10を回動自在に取り付ける場合,オペレーター21は,1Fに置かれている次のパイプ部材10の上端を,必要に応じて適宜持ち上げるなどして移動させ,最初のパイプ部材10の下端に近付けると良い。
【0026】
次に,こうして最初のパイプ部材10の下端に次のパイプ部材10の上端を回動自在に取り付けたら,RFにいるオペレーター21がスイッチ22を操作してウインチ20を稼働させ,ワイヤー25を再び徐々に上昇させていく。これにより,図9に示すように,最初のパイプ部材10の下端に回動自在に接続されている次のパイプ部材10の上端は徐々に持ち上げられていき,次のパイプ部材10は,今まで1Fの床面上に水平となって置かれていた姿勢から,徐々に立ち上げられ,次第に垂直の姿勢にされていく。なお,このように次のパイプ部材10の姿勢が水平から垂直に変化させられていく際には,1Fにいるオペレーター21が次のパイプ部材10を適宜ガイドしてやると良い。この場合,次のパイプ部材10の下端を台車9に置いて1Fの床面上を走行自在に支持してやれば,オペレーター21はパイプ部材10の自重を支えなくて済み,パイプ部材10の下端を円滑に移動させることができて作業がしやすい。
【0027】
そして図10に示すように,こうして次のパイプ部材10の下端が1Fの床面上方に持ち上げられる高さまでが吊り上げられると,次のパイプ部材10も自重によってほぼ垂直の姿勢に垂れ下げられ,これにより,最初のパイプ部材10と次のパイプ部材10はいずれも垂直となって,両者はほぼ一直線状になる。そして,このように次のパイプ部材10の下端が1Fの床面上方の適当な高さに持ち上げられた状態で,RFにいるオペレーター21はウインチ20の稼働を再び一旦停止させる。また一方,建物1の1Fには,台車9などを利用して更に次のパイプ部材10(第2のパイプ部材10)を予め搬入しておく。
【0028】
そして,このように最初のパイプ部材10と次のパイプ部材10をほぼ一直線状にした状態で,最初のパイプ部材10の下端に次のパイプ部材10の上端を固定する。この場合,図10に示すように,2Fにいるオペレーター21が,先に図6で説明したように,最初のパイプ部材10の下端に形成された2つの雌接続部12,12と次のパイプ部材10の上端に形成された2つの雄接続部11,11の両方を軸18,18によって接続することにより,最初のパイプ部材10に対して次のパイプ部材10を直列に固定して接続することができる。これにより,最初のパイプ部材10と次のパイプ部材10は直列に接合され,流体が流通可能な経路が2本のパイプ部材10の長さだけ形成される。なお,このようなパイプ部材10同士の接合作業を,建物1の2Fにいるオペレーター21が円滑に行えるように,各パイプ部材10の長さは,建物1の1Fの天井高さ(1Fの床から2Fの床までの高さ)にほぼ等しく設定しておくと良い。
【0029】
そして,以上の工程を適宜繰り返し,2以上のパイプ部材10を適宜直列に接合していく。こうして,図11に示すように,複数の(図示の形態では4本の)パイプ部材10を順次接合することにより,建物1内において,1F〜RFに渡って竪管2を施工することができるようになる。なお,こうして組み立てられた竪管2の下方には,あらかじめ荷重受固定金物30をコンクリート躯体と一緒に取り付けておき,竪管2の荷重をこれに預けて支えると良い。また,吊り上げ装置8は適宜分解等して建物1の最上階(RF)から撤去することができる。予定した竪管をセットしたら,パイプ部材10同士を溶接し,接続部の断熱材被覆やスラブ貫通部処理を行う。なお,パイプ部材10同士を溶接する際には,先に説明したように,プレート部材13,13の内方に形成された空間19,19を利用することにより,上のパイプ部材10の下端とパイプ部材10の上端を全周に渡って漏れなく溶接することが可能である。
【0030】
この実施の形態の施工方法によれば,パイプ部材10を吊り上げることにより自重でほぼ垂直の姿勢にすることができ,吊り上げるだけで複数のパイプ部材10をほぼ一直線状に並べて直列に接合することができる。このため,従来のように接合の度に下のパイプ部材10を垂直姿勢に押さえておく必要がなく,少ない労力で竪管2を施工できるようになる。
【0031】
以上,本発明の好適な実施の形態の一例を説明したが,本発明はここに示した形態に限定されない。図8では,最初のパイプ部材10を吊り上げてほぼ垂直の姿勢にさせた後に,最初のパイプ部材10の下端に次のパイプ部材10の上端を回動自在に取り付けた例を説明したが,最初のパイプ部材10(第1の管材)を吊り上げる前に,最初のパイプ部材10(第1の管材)の下端に次のパイプ部材10(第2の管材)の上端を予め回動自在に取り付けておいても良い。また,例えば竪ダクトを建物内の複数階層に渡って形成するような場合にも本発明は適用できる。また,竪管を組み立てるための管材は,パイプに限らず,角ダクトやスパイラルダクトのような円形の断面形状を持つダクトなどであっても良い。また,図示の形態では1F〜RFに渡って竪管を施工する例を説明したが,一階から屋上までダクトを組み立てる場合に限られず,任意の階(地階も含む)からそれよりも上層の階層まで竪管を組み立てるようなものであっても良い。また2つのパイプ材に,各々掛具つきの鋼片を掛け,各々の掛具に縮み方向に付勢したスプリングを渡してもよい。ただし,この場合,接合部分が所定位置まで上昇する都度本溶接をすることが望ましい。また第1の管材の下端と第2の管材の上端を接続させる軸は1か所でも良い(第2の管材が自重で垂直になろうとして,第2の管材の上端面が第1の管材の下端面と突き合わされる)。また,本発明は前記したような建物を新築する場合だけでなく,既設の建物での竪管の更新にも有利に適用できる。狭所への対応で従来工法にない効果を奏する。
【0032】
【発明の効果】
請求項1〜3によれば,吊り上げるだけで第1の管材と第2の管材をほぼ一直線状に並べて直列に接合できる。このため,従来のように接合の度に下の管材(第2の管材)を垂直姿勢に押さえておく必要がなく,少ない労力で竪管を施工できる。特に請求項2によれば,引き上げられるに従って第2の管材の下端が下層の床面上を円滑に移動でき,作業がしやすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】竪管をこれから施工しようとする建物の断面を模式的に示した図面である。
【図2】パイプ部材の正面図である。
【図3】パイプ部材の平面図(上面図)である。
【図4】パイプ部材の底面図(下面図)である。
【図5】パイプ部材同士を回転自在に接続した状態を示す部分拡大図である。
【図6】パイプ部材同士を直列に固定して接続した状態を示す部分拡大図である。
【図7】最初のパイプ部材の上端にフックを係合させた状態の説明図である。
【図8】ほぼ垂直の姿勢にさせられた最初のパイプ部材の下端に次のパイプ部材の上端を回動自在に取り付ける状態をを説明するための平面図である。
【図9】次のパイプ部材が徐々に立ち上げられて次第に垂直の姿勢にされていく状態の説明図であり,パイプ部材の下端を台車に載せることにより走行自在に支持した状態を示している。
【図10】最初のパイプ部材と次のパイプ部材をほぼ一直線状にし,2Fにいるオペレーターが両者を直列に固定して接続している状態の説明図である。
【図11】建物内に施工された竪管の説明図である。
【符号の説明】
1 建物
2 竪管
1’〜7’ スペース
8 吊り上げ装置
10 パイプ部材
11 雄接続部
12 雌接続部
18 軸
20 ウインチ
21 オペレーター
25 ワイヤー
26 フック
Claims (3)
- 複数階層を有する建物に2以上の管材を直列に接合して竪管を施工するにあたり,第1の管材を建物の上方から吊り上げることにより該第1の管材を自重によりほぼ垂直にする工程と,前記垂直にされた第1の管材の下端に上端が回動自在に取り付けられた状態で下層に置かれていた第2の管材を第1の管材に引き続いて吊り上げることにより,該第2の管材を自重によりほぼ垂直にして前記第1の管材と該第2の管材をほぼ一直線状にする工程と,ほぼ一直線状になった状態において前記第1の管材の下端に該第2の管材の上端を固定する工程を適宜繰り返すことにより,2以上の管材を直列に接合していき,
前記第1の管材を吊り上げた後で,第1の管材の下端に第2の管材の上端を回動自在に取り付けることを特徴とする,複数階層建物の竪管の施工方法。 - 前記第2の管材に相当する長さを吊り上げるに際し,第2の管材の下端を下層において移動自在に支持することを特徴とする,請求項1に記載の複数階層建物の竪管の施工方法。
- 前記第1の管材の下端と第2の管材の上端には,円孔を有するプレート部材が設けられており,
前記第1の管材の下端に設けられたプレート部材の円孔と,前記第2の管材の下端に設けられたプレート部材の円孔を位置合わせして軸を通すことにより,第1の管材の下端に第2の管材の上端を回動自在に取り付けることを特徴とする,請求項1または2に記載の複数階層建物の竪管の施工方法。
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