JP4554258B2 - 板ガラス、ガラス割れ検出方法、及び割れ検出可能な板ガラスの製造方法、ガラスの割れ検出システム - Google Patents

板ガラス、ガラス割れ検出方法、及び割れ検出可能な板ガラスの製造方法、ガラスの割れ検出システム Download PDF

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Description

本発明は、割れ検出可能な板ガラス、ガラス割れ検出方法、割れ検出可能な板ガラスの製造方法、及びガラスの割れ検出システムに関するものである。
家屋への侵入犯罪としてのガラス破りや災害時のガラス破壊等を検出するシステムは、公知である。
従来のシステムは、ガラスが破壊される際の破壊音や振動を感知するものが多いが、誤作動が多いという問題がある。
特許文献1には、ガラスの表面若しくは内部に抵抗体を設置しておき、ガラスが割れて抵抗体が断線されることによってガラス割れを検出するガラス割れ検出装置が記載されている。この特許文献1には、ガラスに設置させる抵抗体としては、線状のものの他、透明導電膜でもよい旨が記載されている。
特開2003−141649号公報(図3)
しかし、抵抗体を導電膜とした場合、導電膜は一定の面積を持つため、ガラスが割れても導電膜の完全な断線が生じにくく、割れを検出するのは非常に困難である。
特許文献1には、抵抗体が導電膜でもよい旨が記載されているのみで、どのようにすれば確実にガラス割れを検出できるかが記載されていない。
すなわち、特許文献1には、ガラスに導電膜を形成してどのように抵抗の変化を測定すればよいのか教示するところがない。
そこで、例えば、図14に示すように、導電膜の範囲の対向する2辺にそれぞれ電極x1,x2を設け、これら電極x1,x2間における抵抗の変化を測定しようとすることが考えられる。しかし、この電極x1,x2間の導電膜に完全な断絶が生じなければ、抵抗はほとんど変化しない。例えば、破断Xのような割れが生じれば、電極x1,x2間の抵抗は変化するが、破断Y1,Y2,Y3のような割れが生じても、電極x1,x2間の抵抗はさほど変化しない。したがって、割れを確実に検出できない。
これを、解決するには、例えば、図15に示すように、対をなす電極の数を増やし、電極a1−a2間、電極b1−b2間、電極c1−c2間、電極d1−d2間、電極e1−e2間、電極f1−f2間、電極g1−g2間、電極h1−h2間、の抵抗をそれぞれ監視して、対をなす電極間で破断が生じる確率を高くすることが考えられる。
しかし、図15の場合であっても、侵入者が図15のZで示すようにガラスを切り取った場合、いずれの電極間の抵抗もほとんど変化せず、割れを検出できない。特に、建物への侵入者は、窓の錠付近のガラスのみを部分的に割る場合があり、このような場合、割れの検出が非常に困難である。
このように、特許文献1の教示のみでは、ガラスの割れ方によっては、ガラス割れを確実に検出できず、この結果、セキュリティシステムとしての実用化が困難である。
本発明は、ガラス割れ検出のために、板ガラスに導電膜を設けた場合に、割れを確実に検出するための具体的手段を提供することを目的とする。
本発明は、ガラス製の基板と、前記基板の表面に形成された導電薄膜と、導電薄膜上に設けられた対の電極部と、を備え、前記ガラス基板は、強化ガラス製であり、前記ガラス基板のいずれの位置に割れが生じても、基板全体に割れが波及し、対の電極部間の前記導電薄膜に破断が生じることを特徴とする割れ検出可能な板ガラスである。基板が強化ガラスであるため、基板のいずれの位置に衝撃が加わって割れても、基板全体に割れが波及する。したがって、対の電極部間の導電薄膜は、波及した基板の割れによって破断し、当該電極部間の抵抗値が増大する。
また、前記導電薄膜は、膜厚が0.05μm〜5μmであるのが好ましい。膜厚が5μmよりも大きいと、基板に割れが生じても導電膜厚が確実に破断せず抵抗値の増大が無いか少ないため割れ検出の確実性が低下する。また、膜厚が0.05μmよりも小さいと十分な厚さとならない。なお、膜厚としては、3μm以下であるのが好ましく、さらには2μm以下が好ましく、より好ましくは0.1μm〜2μmである。
前記導電薄膜を前記電極部とともに覆うように貼り付けられたフィルム材をさらに備えているのが好ましい。この場合、フィルム材によって導電膜及び電極部を保護することができる。
他の観点からみた本発明は、強化ガラス製の基板と、前記基板の表面に形成された導電薄膜と、導電薄膜上に設けられた対の電極部と、を備え、前記対の電極部は、前記ガラス基板の辺縁部上に設けられていることを特徴とする板ガラスである。この場合、基板が強化ガラスであるため、上述のように基板のいずれの位置に衝撃が加わって割れても基板全体に割れが波及し、対の電極部間の抵抗値が増加する。また、辺縁部は、強化ガラス化における熱処理において木口(側面)からも加熱及び風冷されるため、辺縁部は中央部よりも強化度が高くなり、基板割れの際により細かく破断する。よって、辺縁部に対の電極部を設けることで割れ検出の確実性を向上させることができる。さらに、辺縁部に対の電極部を設けることにより該電極部に接続される配線の取扱いが容易となる。
他の観点からみた本発明は、強化ガラス製の基板と、前記基板の表面に形成された導電薄膜と、導電薄膜上に設けられた対の電極部と、を備え、前記対の電極部は、所定間隔をもって近接配置されていることを特徴とする板ガラスである。基板が強化ガラス製であるから、割れが全体に波及するため、基板のいずれの位置に衝撃が加わって割れても、基板全体が割れる。したがって、衝撃が加わった位置だけでなく、近接した対の電極部間のガラスも割れ、電極部間の導電薄膜に破断が生じて、当該電極間の抵抗値が増大する。よって、電極部から離れた位置に衝撃が加わって割れた場合であっても、電極部間の抵抗値は確実に増加し、確実に割れを検出できる。更に、近接配置することにより、電極部に接続される配線を簡素化できる。
対の電極部を近接配置する場合や、対の電極部をガラス基板の辺縁部上に設ける場合において、これら対の電極部は、前記ガラス基板の同一辺側に設けられているのが好ましい。基板を強化ガラスにした場合、割れが全体に波及するため、電極部を図14,15のように基板の対向する2辺に設けなくとも同一辺側に設けても割れを検出することができる。そして、電極部を同一辺側に設けることで、電極部に接続される配線を簡素化できる。
あるいは、対の電極部を近接配置する場合や、対の電極部をガラス基板の辺縁部上に設ける場合において、対の電極部は、前記ガラス基板の隣接する2辺側に振り分け配置されているのが好ましい。基板を強化ガラスとしているから、電極部を隣接する2辺側に振り分けても割れを検出することができる。そして、電極部を隣接する2辺側に設けることで、対向する2辺側に設ける場合に比べて、電極部に接続される配線を簡素化できる。
あるいは、対の電極部を近接配置する場合や、対の電極部をガラス基板の辺縁部上に設ける場合において、対の電極部は隣接する2辺の交わるコーナー部近傍に設けられているのが好ましく、具体的には、隣接する2辺の各中央位置よりも当該コーナー部側の位置にあるのが好ましい。この場合、電極に接続される配線の取扱いが容易となる。また、コーナー部近傍は、互いに隣接して交わる2辺の木口それぞれから加熱及び冷却を受けるので特に強化度が高くなり、基板割れの際に特に細かく破断する。よって、コーナー部近傍に対の電極部を設けることで割れ検出の確実性を特に向上させることができる。
対の電極部が前記ガラス基板の同一辺側に設けられている場合、これら対の電極部の間隔は、当該辺の長さの半分以下とするのが好ましい。この場合、各電極に接続される配線の取扱いが容易となる。
なお、電極部の間隔は、電極部間に少なくとも1本の破断、好ましくは複数本の破断が生じるように設定するのが好ましい。なお、電極部間の間隔は、割れたときのガラス片の大きさによって設定することができ、半強化ガラスのように割れたときの破片が比較的大きい場合、例えば、30cm近くに設定するのがよい。
他の観点からみた板ガラスに係る本発明は、導電薄膜を有する強化ガラス化された基板からなる第1板ガラスと、所定間隔をもって前記第1板ガラスに対向して配置された第2板ガラスと、前記導電薄膜上であって前記基板の辺縁部上に設けられた対の電極部と、を備えており、前記第1板ガラスと第2板ガラスとの間に中間膜が挟まれて合わせガラスとして構成されるとともに、第1板ガラスの前記中間膜側表面に前記導電薄膜を配置したことを特徴とする板ガラスである。第1板ガラスによって確実に割れを検出することができるとともに、合わせガラスとして構成されているため、割れたガラスの破片の飛散が防止される。また、導電薄膜を中間膜によって保護することもできる。更に、強化度が比較的高く細片化しやすい辺縁部上に対の電極部が設けられているから、割れ検出の確実性が高くなる。また第1板ガラスの中間膜側表面に導電薄膜を配置したので、第1板ガラス上に中間膜が存在する部分においては、導電薄膜が中間膜により保護される。更に、電極部が辺縁部上であるから、電極部に接続される配線の取扱いが容易となる。
他の観点からみた板ガラスに係る本発明は、導電薄膜を有する強化ガラス化された基板からなる第1板ガラスと、所定間隔をもって前記第1板ガラスに対向して配置された第2板ガラスと、前記導電薄膜上に所定間隔をもって近接配置された対の電極部と、を備えており、前記第1板ガラスと前記第2板ガラスとの間に中間膜が挟まれて合わせガラスとして構成されるとともに、前記第1板ガラスの前記中間膜側表面に前記導電薄膜を配置したことを特徴とする板ガラスである。第1板ガラスによって確実に割れを検出することができるとともに、合わせガラスとして構成されているため、割れたガラスの破片の飛散が防止される。更に、対の電極部が近接配置されているから各電極部に接続された配線の取扱いが容易となる。また第1板ガラスの中間膜側表面に導電薄膜を配置したので、第1板ガラス上に中間膜が存在する部分においては、導電薄膜が中間膜により保護される。
他の観点からみた板ガラスに係る本発明は、強化ガラス製の基板と、前記基板の表面に形成された導電薄膜と、導電薄膜上に設けられた対の電極部と、前記基板上に設けられ基板割れにより生ずる破片を所定の拘束力により拘束する拘束膜と、を備えるとともに、前記基板の前記対の電極部近傍は、前記拘束膜が存在しないか又は前記所定の拘束力未満の拘束力で拘束された拘束力変化部とされていることを特徴とする板ガラスである。この板ガラスでは、拘束膜の存在する部分においては基板割れによる破片の飛散が防止される。一方、対の電極部近傍には拘束膜による拘束が無いか又は拘束力が比較的弱くされた拘束力変化部が設けられているので、上記所定の拘束力で拘束された場合と比較して基板割れ時の破断面間隔が大きくなり、基板割れ時の抵抗増加が大きくなって割れ検出を確実とすることができる。
なお、対の電極部近傍を拘束力変化部とする手法としては、対の電極部近傍において拘束膜が存在しない構成とする手法の他、対の電極部近傍において拘束膜と基板との接着力を比較的弱くしたり同接着力を無くしたりする手法、あるいは、対の電極部近傍の拘束膜を他の拘束膜よりも柔軟な材質のものとする手法、などが例示される。
他の板ガラスに係る本発明は、強化ガラス化された基板からなる第1板ガラスと、所定間隔をもって前記第1板ガラスに対向して配置された第2板ガラスと、前記第1板ガラスと前記第2板ガラスとで挟まれた中間と、前記第1板ガラスの前記中間側の面に形成された導電薄膜と、前記導電薄膜上に所定間隔をもって近接配置された対の電極部と、を備えており、前記第2板ガラスを生板ガラスとするとともに、前記第1板ガラス上の一部を前記中間膜が局所的に存在しない非合わせ部とし、単一の前記非合わせ部内に前記対の電極部を設けたことを特徴とする板ガラスである。
この場合、中間を設けて合わせガラスとして構成することにより、基板割れ時における破片の飛散が防止される。
そして、第2板ガラスを生板ガラスにすることでコスト低減を図ることができる。一方、第2板ガラスを生板ガラスとすることによる問題点もある。合わせガラス化した場合、基板割れの際の破片が中間膜に拘束されるから、中間膜が無い場合と比べて破断面間隔が小さくなる傾向にあるが、第2板ガラスが生板ガラスの場合、第1板ガラスのような強化ガラスと異なり、破断面が全体に拡散せず且つ破片が細片化しない。よってこの場合、第1板ガラスが中間膜に加えて第2板ガラスによっても拘束され、基板割れ時の破断面間隔が小さくなり、基板割れ時の抵抗増加が抑制されてしまう。しかしながら、非合わせ部を設けた上記発明では、第1板ガラスが中間膜により拘束されないので、中間膜により拘束される場合と比較して基板割れ時におけるガラス破片相互間の破断面間隔が大きくなる。そして、中間膜の不存在により生板ガラスの第2板ガラスによる拘束もほぼ無くなるから、第2板ガラスが生板ガラスであることによる破断面間隔への影響がほとんど無い。よって、第2板ガラスのコストを低下させつつ基板割れ時の抵抗増加を高めることができ、割れ検出を確実とすることができる。そして、単一の非合わせ部内に対の電極部が設けられているから、当該非合わせ部内のガラス割れが対の電極間の基板を確実に破断する。
対の電極部を有する前記非合わせ部は前記基板の隣接する2辺に面して設けられているのが好ましい。割れ発生時には各破片間に破断面間隔(隙間)が生じるので、第1板ガラスには該間隔分の伸びが発生するが、非合わせ部の基板は隣接する2辺に面しているので、非合わせ部の当該2辺は基板の面内方向外側にむかって開放された状態となっている。よって、非合わせ部の基板は、当該2辺のそれぞれに沿った2方向に伸びやすくなり、破断面間隔を大きくすることができるから、割れ発生時の抵抗増加を大きくして割れ検出を確実とすることができる。
合わせガラスとして構成された上記板ガラスや、拘束力変化部あるいは非合わせ部を有する上記板ガラスにおいては、対の電極部は、前記ガラス基板の隣接する2辺の交わるコーナー部近傍に設けられているのが好ましい。この場合、特に強化度の高いコーナー部近傍に対の電極部を設けているので、電極間における基板割れが細片化しやすい。また、コーナー部近傍に対の電極部を設けることで、拘束膜や中間の存在によっても電極部に接続される配線の取扱いが過度に複雑とならない。
また、合わせガラスとして構成された上記板ガラスや、拘束力変化部あるいは非合わせ部を有する上記板ガラスにおいては、前記対の電極部は、前記ガラス基板の隣接する2辺側に振り分け配置されているのが好ましい。この場合、ガラス基板の対向する2辺側に配置する場合と比較して、各電極部に接続される配線を簡素化できる。従って、拘束膜や中間の存在によっても電極部に接続される配線の取扱いが過度に複雑とならない。
ガラス割れ検出方法に係る本発明は、上記の各板ガラスを用いたものであって、前記電極部から離れた位置に加わった衝撃によって板ガラスが割れた際に、強化ガラスからなる基板全体が細片化することで、衝撃が加わった位置から対の電極部間へ割れが波及して、対の電極部間の導電薄膜に破断が生じて、当該電極部間の抵抗値が増大し、前記破断前後における前記対の電極部間の抵抗値の変化を抵抗検出器によって検出することでガラス割れを検出することを特徴とするものである。
割れ検出可能な板ガラスの製造方法に係る本発明は、少なくとも一面に導電薄膜が形成された生板ガラスの辺縁部の前記導電薄膜上に、所定間隔をもって近接した2カ所に導電性ペーストを塗布して電極部を形成し、その後、前記生板ガラスを熱処理することにより、前記生板ガラスを熱処理強化ガラスとするとともに前記電極部を前記導電薄膜に融着する、ことを特徴とするものである。
割れ検出可能な板ガラスの製造方法に係る他の本発明は、導電薄膜が形成された強化ガラスからなる第1基板の辺縁部において所定間隔をもって、前記導電薄膜上に導電体製薄板からなる対の電極部を近接配置し、前記第1基板と合わせガラス用中間膜とによって前記電極部を挟むステップと、前記第1基板と及びガラスからなる第2基板によって合わせガラス用中間膜を挟んだ状態で合わせガラスとするための圧着を行うステップと、を含むことを特徴とする。
ガラスの割れ検出システムに係る本発明は、強化ガラス製の基板と、前記基板に形成された導電薄膜と、前記導電薄膜上に設けられた対の電極部と、を備えた板ガラスと、前記対の電極部間の抵抗値を検出する抵抗検出器と、を備えていることを特徴とするものである。
この場合、前記抵抗検出器により検出された抵抗値から得られたガラス割れに関する情報をシステム外部に送信する送信部を備えているのが好ましい。この送信部により、ガラス割れの情報がシステム外部に伝達されるから、防犯性を高めることが出来る。
または、前記板ガラスは複数備わり、複数の板ガラスにおける対の電極部同士が直列接続されて抵抗検出器に接続されているのが好ましい。この場合、複数の板ガラスの割れを少ない抵抗検出器で検出することができる。
また、他の板ガラスに係る本発明は、強化ガラス化され割れが全体に波及する基板と、前記基板の表面に形成され当該基板と一体的に割れる導電薄膜と、前記導電薄膜上に所定間隔をもって近接配置された対の電極部と、を備え、前記対の電極部間の導電薄膜は、波及した基板の割れによって前記対の電極部間の抵抗値を増大するように破断し、前記強化ガラス表面の導電薄膜は、基板と一体的に割れやすいように、フロート板ガラスの製造工程中においてガラスが加熱されている状態のときにCVDにより基板にコーティングされて形成され、前記対の電極部は、導電薄膜−電極間の抵抗値を安定させるべく、前記導電薄膜に融着結合した導電性ペーストにより形成されていることを特徴とする。
この場合、対の電極部は、強化ガラス化され割れが全体に波及する基板上に所定間隔をもって近接配置されているから、衝撃が加わった位置だけでなく、近接した対の電極部間のガラスも割れる。よって、電極部間において、基板と一体的に割れる導電薄膜に破断が生じて、当該電極間の抵抗値が増大する。よって、電極部から離れた位置に衝撃が加わって割れた場合であっても、電極部間の抵抗値は確実に増加し、確実に割れを検出できる。更に、電極部が近接配置されていることから、電極部に接続される配線を簡素化することができる。
本発明によれば、電極部から離れた位置に衝撃が加わって割れた場合であっても、強化ガラス全体が割れるため、対の電極部間の抵抗値は確実に増加し、確実に割れを検出できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図3は、建物の窓や戸に用いられるガラスの割れ検出システムを示している。このシステムは、建物へ侵入者や災害を検出するために用いられる建物用ガラス割れ検出システムであり、板ガラス(割れ検出用ガラス)1と、割れることによって板ガラス1に生じる抵抗変化を検出する抵抗検出器2と、を備えている。
板ガラス1は、建物などの構造体のガラス窓用開口部に装着されるものであって、フロート板ガラスを熱処理(加熱後風冷)して強化ガラスとした基板3の片面3a全体に導電薄膜4が形成されてなる板ガラス本体を備えている。さらに、板ガラス1は、導電薄膜上の2カ所に配置された電極部5a,5bを備えている。
板ガラス本体は、基板3となる生板ガラスの一面にCVD又はスパッタリングなどの適宜の薄膜形成法によって透明な導電薄膜(金属薄膜)4をコーティングして熱処理前板ガラス本体を製作した後、これを熱処理することによって強化ガラス化したものである。CVD又はスパッタリングなどで薄膜4を形成することで、基板3と薄膜4が一体的に割れやすくなる。
特に、フロート板ガラスの製造工程中において、ガラスが加熱されている状態ときに金属(金属の気化混合ガス)をガラス表面と反応固着させて(CVDなどにより)コーティングすることで、金属薄膜とガラス表面がより一体化して強度が高まるとともに、ガラス基板3と薄膜4とが一体的に割れやすくなる。
薄膜4は、ガラス基板3程度の硬度を持つハードコーティングであるのが好ましく、上記の製法の場合、薄膜4の表面硬度はモース硬度で6程度であり、ガラス基板3のモース硬度約6.5と同程度の硬度となっている。
なお、基板3を強化ガラス化した後にスパッタリングなどで導電薄膜4を形成してもよい。導電薄膜4の形成前に強化ガラス化処理を行うと、強化熱処理による導電薄膜の変色を回避できる。
導電薄膜4は、膜厚Cが0.05μm〜5μmであるのが好ましい。膜厚が5μmよりも大きいと、図4(a)に示すように、基板3に割れが生じても導電膜厚4の厚さ方向の破断B1が完全でないところが多く生じ、破片間が確実に絶縁されず、抵抗値の増大が十分に検出されない場合が多くなった。
一方、図4(b)に示すように薄膜4を薄くすると、基板3に生じた割れが導電薄膜4にもほぼ完全に波及し、破片間にほぼ完全な破断B2が生じて、破片間が確実に絶縁される。例えば、膜厚が5μm程度であれば、抵抗の増大を検出可能であった。膜厚を3μm以下にすると、抵抗の増大を一層確実に検出できるようになった。2μm以下にすると、ほとんどの場合、確実に抵抗増大を検出できた。
また、膜厚が0.05μmよりも小さいと膜としての十分な厚さとならないため、膜厚は0.05μm以上が好ましい。より好ましくは0.1μmであり、膜厚を0.1μm〜2μmの範囲内とした場合に特に良好な薄膜4が得られた。
また、導電薄膜4の膜厚に関する他の設計方針としては、基板3の破断箇所における破断面間隔よりも薄膜4の厚さを薄くするのがよい。例えば、図5に示すように1辺の長さD1が1000mmの基板3が割れることで当該1辺側からみて133ヶ所の破断箇所Bが発生し、その結果、当該1辺の長さが0.5mm伸びて1000.5mmとなる基板3の場合、一つの破断箇所Bにおける破断面間隔Eは約3.76μm(≒500μm÷133)である。薄膜4の厚さCが基板3の破断面間隔Eよりも大きいと、基板3が割れても薄膜4が破断しにくくなるため、薄膜4は破断面間隔Eである約3.76μmよりも小さいのが好ましい。また、薄膜4のより確実な破断のために、薄膜4の膜厚は基板3の破断面間隔の半分以下であるのがより好ましい。したがって、例えば、膜厚4は1μm以下とすることができる。
なお、膜厚を基板3の破断面間隔Eよりも小さくするという設計方針は、薄膜4の上にフィルム材を貼り付けたり、合わせガラスとした場合の中間膜が薄膜4上に位置するようにした場合などのように、薄膜4が他の部材(フィルム材、中間膜など)によって保護される場合に特に好ましい。
なお、導電薄膜4の形成法としては、CVD又はスパッタリング以外にスクリーン印刷法によって薄膜を印刷し、その後乾燥させ、強化ガラス化するための熱処理工程で薄膜4と基板3を融着一体化させてもよい。ただし、スクリーン印刷法の場合、膜厚が5μmを超えてしまいやすく、割れの検出精度がやや低下する。
導電薄膜4が板ガラス本体に形成されていることで、板ガラス本体の表面を電流が流れることができる。なお、導電薄膜4の抵抗値は、例えば、一辺が約1mである略正方形のガラスにおいて、対向する二辺の各全長に亘って対の電極部を設けた場合で、20Ω/m程度である。また、板ガラス本体は、金属薄膜4によって低放射板ガラスとして機能しており、断熱性に優れた板ガラスとなっている。
強化ガラス化した基板3は、破損すると破断面が瞬時に全面に波及して細片化し、全体が粒状に割れる。この際、基板3表面にコーティングされた導電薄膜4も同様の細片化した破断形状となり、破断した破片間の抵抗が増大し、絶縁状態となる。電極部5a,5b間の導電状態と絶縁状態を得るため、導電薄膜4は、電極部5a,5b間にあれば足りる。すなわち、導電薄膜4は、基板3の面全体にあってもよいが、電極部5a,5b間に部分的に存在していても足りる。
例えば、図6に示すように、導電薄膜4を基板3の辺縁部に部分的に形成しておき、その導電薄膜4上に対の電極部5a,5bを位置させてもよい。導電薄膜4を基板3の辺縁部に偏在させることで、基板中央範囲(導電薄膜4がない範囲)におけるガラス透明度を高くすることができる。なお、導電薄膜4は光透過性のもの(透明)でなくともよい。特に導電薄膜4が基板辺縁部に部分的に配置される場合は、導電薄膜4が透明でなくともガラスとしての視界はさほど遮られない。また、辺縁部に部分的に配置された非透明導電薄膜の一部又は全部を、板ガラスがはめ込まれる窓又は戸の枠(サッシ等)内に位置させると視界はほとんど遮られない。
導電薄膜4上には、非導電体である飛散防止等のためのフィルムを貼り付けても良い。フィルムを導電薄膜上に貼り付けることで導電薄膜4を保護でき、少なくとも、電極部5a,5b間の導電薄膜4が保護されていることで、電極部間の抵抗値を安定させることができる。さらに電極部5a,5bも覆うように貼り付けることで、電極部5a,5bも保護できる。そして、フィルムが貼り付けられていることで、基板3が割れて細片化しても破片の飛散を防止できる。
対の電極部5a,5bは、熱処理前板ガラス本体の導電薄膜4上に導電性ペースト(銀ペースト;金属ペースト)をスクリーン印刷等により印刷塗布して得られる。導電ペーストを塗布して乾燥させた後、強化ガラスとするための熱処理(加熱風冷)をすることで、板ガラス本体が強化ガラス化するとともに、導電性ペーストが導電薄膜4に融着結合する。導電性ペーストを導電薄膜4に融着させることで、導電性ペーストは電極用途として適当な耐電圧・耐電流強度や導電薄膜―電極間の抵抗値の安定性が得られる。また、電極部5a,5bの剥離も防止できる。なお、対の電極部5a,5bは、強化熱処理後に形成してもよい。
電極部5a,5bは、板ガラス本体の辺縁部に配置されており、板ガラス全体からみると局所的に配置されており、板ガラスの外観上目立たないように配置となっている。窓又は戸の枠(サッシ等)にはめ込まれる板ガラスの場合、図1において点線で示す枠(サッシ等)Fの範囲内Fに、電極部5a,5bを配置することで、電極部5a,5bが隠蔽され、外観上良好である。また、電極部5a,5bは、それらの一部が隠蔽されているだけでも、比較的外観上良好である。また、電極部5a,5bの一部又は全部が枠F外(例えば、枠F外の辺縁部等)に露出している場合には、侵入者に対して割れ検出システムの存在を知らせることができ、侵入に対する抑止力が生じる。
なお、電極部5a,5bは板ガラス本体の室内側の面に形成されている。
対の電極部5a,5bの間隔は、一般に、下限値としては1cm以上、より好ましくは3cm以上に設定され、上限値としては50cm以下、より好ましくは30cm以下に設定されて、近接配置となる。
割れたときに比較的細片化されやすい通常の強化ガラス(全強化ガラス)の場合、電極部5a,5b間の間隔は、1cm以上が好ましく、2cm以上がより好ましく、3cm以上が更に好ましい。同じく通常の強化ガラスの場合、電極部5a,5b間の間隔は15cm以下が好ましく、10cm以下がより好ましく、6cm以下が更に好ましい。
また、割れたときのガラス片が比較的大きい半強化ガラスの場合、20cm以上に設定するのが好ましい。
より詳細には、半強化ガラスのうち比較的強化度の高いもの(応力値が70MN/m〜90MN/m程度)は20〜50cm程度が好ましく、20〜30cm程度がより好ましい。
半強化度が中程度のもの(応力値が40MN/m〜70MN/m程度)は30〜120cmが好ましい。
半強化度が低いもの(応力値が20MN/m〜40MN/m程度)は120〜480cmが好ましい。
間隔設定の基本的な考え方としては、細片化したガラスの大きさに比べて間隔が小さすぎると電極部5a,5b間に破断が生じないおそれがあるため、多少の間隔は必要である。一方、間隔が大きすぎると、各電極5a,5bが離れすぎてしまい、電極部5a,5bに接続される配線の取扱いが煩雑になる。
ガラスが割れたときの破片の大きさは、強化ガラスの強化度の度合い、すなわち表面に残留する圧縮応力の値の大・中・小によって異なり、応力が大きいほど破片が小さくなる。したがって、電極部5a,5bの間隔は、強化度(破片の大きさ)に応じて設定できる。
なお、対の電極部5a,5bを同一辺上に設ける場合、電極部5a,5b間の間隔は、当該辺の長さの半分以下であるのが好ましい。例えば、一辺が510cmの基板3の場合、対の電極5a,5b間の距離は、255cm以下が好ましい。
また、対の電極部5a,5bは、図1に示すように基板3の同一辺20の辺縁部上に間隔をおいて配置してもよいし、図16の(a)に示すようにコーナー部6近傍において隣接する2辺(例えば、辺20と辺21)側に振り分け配置してもよい。対の電極部5a,5bは、単に隣接する2辺側に振り分け配置してもよいが、図16(a)に示すように隣接する2辺の交点であるコーナー部6に近くなるように、各辺の中央位置よりもコーナー部6寄りが好ましい。なお、図16では、電極部5a,5bに接続される配線や端子の記載を省略している。
また、辺縁部やコーナー部6近傍に対の電極部5a,5bを設けると、各電極部5a,5bに接続される配線の取扱いが容易となる他、割れ検出の確実性が向上するという効果もある。辺縁部は、強化ガラス化における熱処理において木口(側面)からも加熱及び風冷されるため、基板3の中央部(辺縁部以外の部分)よりも高温で加熱されるとともに、より急激に冷却される。特にコーナー部6近傍は、互いに交差する2辺の木口それぞれから加熱及び風冷を受けるので、強化ガラス化される際の熱処理において特に高温となり且つ急冷される。したがって、基板3内における強化度の分布は一様ではなく、辺縁部、中でも特にコーナー部6近傍は強化度が比較的高くなっている。よって、辺縁部やコーナー部6近傍は基板3の割れの際に特に細かく破断する。従って、辺縁部、特にコーナー部6近傍に対の電極部5a,5bを設けることで割れ検出の確実性が顕著に向上する。
更に、対の電極部5a,5bをコーナー部6近傍において隣接する2辺側(例えば、辺20と辺21)に振り分け配置した場合には、割れ検出の確実性を向上させる別の事情も存在する。図16の(a)に示すように、対の電極部5a,5b相互間(の導電薄膜4)を流れる電流の主なルートは、対の電極部5a,5b相互間を結ぶ直線に近いルートである直線的ルートs2と、基板3の中央側に迂回するルートである中央側迂回ルートs3と、基板3の辺縁側に迂回するルートである辺縁側迂回ルートs1とに大別される。ここで、対の電極部5a,5bが、同一辺(例えば同一辺20)の辺縁部上であって且つ当該辺縁部の辺縁近傍に設けられている場合、図16の(b)に示すように、直線的ルートs2及び中央側迂回ルートs3を流れる電流は存在するが辺縁側迂回ルートs1を流れる電流はほとんど存在しないことになる。これに対して、図16(a)に示すように、対の電極部5a,5bをコーナー部6近傍において隣接する2辺側に振り分け配置した場合には、各対の電極部5a,5bをそれぞれ辺21,20の辺縁に近接配置させたとしても、コーナー部6の角隅部分に電流の流れる部分が確保されるから、上記ルートs2,s3に加え辺縁側迂回ルートs1を流れる電流が充分確保される。この辺縁側迂回ルートs1の存在により、基板3が割れていない状態における対の電極部5a,5b相互間の抵抗値を比較的低下させることができ、割れ発生時と割れ未発生時との抵抗値差を大きくできるので、割れ検出の確実性を更に高めることが出来る。
なお、辺縁部の中でも特に強化度が高く細片化しやすい部分は、例えば厚さが3mm〜5mm程度の基板3であれば、辺縁からの幅hw1(図16参照)が5cm以内の範囲であり、中でも特に強化度が高いのは幅hw1が3cm以内の範囲である。よってこれらの辺縁部範囲に対の電極部5a,5bを設けるのが好ましい。また、コーナー部6近傍の中でも特に強化度が高く細片化しやすい部分は、例えば厚さが3mm〜5mm程度の基板3であれば、コーナー部6からの距離(コーナー部6において互いに交わる両辺のなす角を2等分する方向における距離)hw2が7cm以内の範囲であり、中でも特に強化度が高いのは距離hw2が6cm以内の範囲である。よって、これらのコーナー部6近傍範囲に対の電極部5a,5bを設けるのが特に好ましい。
また、対の電極部5a,5bは基板3の対向する2辺(辺20と辺22、辺21と辺23)に設けても良い。あるいは、対の電極部5a,5bは基板3の対角に設けてもよい。
さらに、対の電極部5a,5bは複数対あってもよい。
対をなす電極部5a,5bが近接している場合、電極部5a,5b間は、当該電極部間の導電薄膜4によって30Ω程度の低い抵抗R1が確保されている。また、対の電極部5a,5bを480cm程度に話した場合でも抵抗は160Ω程度の低い値となる。
板ガラス1が割れていない状態では、電極部5a,5b間は低い抵抗値であるが、板ガラス1が割れると電極部5a,5b間の抵抗値は増大する。つまり、基板3が強化ガラスであるため、板ガラス上のどの位置に衝撃が加わっても、基板3全体が破断して粒状に細片化し、基板3の破断によって導電薄膜4も同様に細片化(半強化ガラスの場合、「小片化」ともいう)する。
これによって、板ガラス1上に局所的に近接配置された電極部5a,5b間の導電薄膜にも確実に破断が生じ、電極部5a,5b間が断絶状態となって、抵抗値が増大する。本実施形態では、基板3が割れると電極部5a,5bは低抵抗からほぼ絶縁状態(数MΩ)にまで抵抗が増大し、抵抗増大度が大きいので抵抗変化の検出を確実に行える。
例えば、家屋への侵入者が、板ガラス1の電極部5a,5bがある辺の反対側の辺にある錠Fの近傍Pを割った場合であっても、破断は直ちに反対側の辺にある電極部5a,5b間に波及するため、確実に抵抗が増大する。このように、電極部5a,5bは、辺縁部という局所的な位置に配置され、しかも2つの電極部5a,5bが近接して配置されているが、電極部5a,5b間以外の離れた位置で割れが発生しても、あるいは板ガラスの一部に生じた割れであっても、確実な抵抗R1の増大が得られ、電極部5a,5bの配置の自由度が高い。さらに、電極部5a,5bに検出器2を接続しても、電極部5a,5bという局部的にしか電流が流れないため板ガラス本体としての発熱がほとんどなく電力効率が良い。
また、基板3の割れが全面に波及するため、電極部5a,5bの対が一対しかなくとも、確実に割れを検出できる。
電極部5a,5b間の抵抗値R1としては、10Ω〜200Ω、好ましくは10Ω〜100Ω程度に低く抑えておくことで、電極部間の破断によって増大する抵抗値との差が大きくなって検出が容易となり有利である。つまり、電極部5a,5b間が電気的に完全に断絶された場合には、電極部5a,5b間の抵抗値R1は無限大となって、抵抗増大を確実に検出できるが、電極部5a,5b間の断絶が完全でない場合(部分的な導電状態が維持されている場合)は、抵抗値は大きくなるものの相対的な増加量が小さくなる。このため、割れる前の電極部5a,5b間の抵抗値が大きすぎると抵抗値の増加を検出しにくく、破断が完全でない場合には誤検出を生じるおそれがあるが、電極部5a,5b間の抵抗値を低く抑えておくことで、相対的な増加量が大きくなり、破断が完全でない場合であっても確実な検出を行える。
図1に示すように、各電極部5a,5bには、板ガラス1と抵抗検出器2とを繋ぐリード8a,8b線がそれぞれ取り付けられる。具体的にはリード線8a,8bの端子9a,9bが電極部5a,5bに対してハンダ付けによって取り付けられる。電極部5a,5bを形成しておくことで、端子9a,9bをハンダ付けで簡単に板ガラス1上に取り付けることができる。なお、電極部5a,5bは、端子9a,9bをハンダ付けできる程度の大きさで局所的に形成すれば十分であり、図1に示すように、小さいもので足りる。よって、高価な導電性ペーストの使用量が少なくてすむ。
検出器2を対の電極部5a,5bに接続して検出を行う際には、対の電極部5a,5b間の表面電力密度は低い方が好ましい。表面電力密度を低く抑えることで、導電薄膜4の劣化を防止できる。また、導電薄膜4上にフィルムや合わせガラスの中間膜が位置する場合には、当該フィルム又は中間膜の劣化も防止できる。具体的には、対の電極部5a,5b間の表面電力密度は、0.1W/cm以下であるのが好ましく、0.06W/cm以下であるのがより好ましい。
表面電力密度を下げるには、電極間電圧を下げるなどして供給電力を抑えてもよいが、電極5a,5b間の面積を大きく確保してもよい。電極間面積を大きくするには、電極5a,5b間の距離Gを大きくしてもよいが、電極5a,5bの幅Wを大きくしてもよい。
例えば、図7に示すように、対の電極5a,5bを基板3の同一辺20に配置する場合などには、当該辺20と平行な方向における電極5a,5bの長さHよりも、当該辺20と直交する方向における電極5a,5bの長さWの方が長くなる形状とすることで、長さGが短くても電極間面積を大きく確保できる。
電極5a,5bを、当該電極が設けられている辺20から基板3の内側に向かって長く形成する場合、ガラス1の枠Fよりも基板3の内側(図7において点線で示すFの位置よりも右側)にまで電極5a,5bを突出させることで、電極5a,5bの存在を侵入者に気付かせて、抑止力を働かせることができる。また、電極5a,5bを、当該電極が設けられている辺20から基板3の内側に向かって長く形成しつつも、電極全体が枠Fによって隠蔽される大きさに止めた場合、外観上良好となる。
図8(a)〜(e)は、電極5a,5bの配置・形状と配線8a,8bの端子9a,9bの位置の変形例を示しており、いずれも採用可能である。なお、図8(e)は、割れ検出には実質的に寄与してない電極延長部5c,5dを備えており、この電極延長部5c,5dも導電ペースト製である。
図9は、電極5a,5bの配置・形状と配線8a,8bの端子9a,9bの位置の他の変形例を示している。この変形例では、電極5a,5bの間隔よりも端子9a,9bの接続箇所における間隔の方が短くなっている。すなわち、電極5a,5b間の図9のクロスハッチで示す範囲は導電薄膜4が形成されていないか、あるいは形成後に除去(デリーション:deletion)されており、ガラス基板3が露出して絶縁範囲Jとなっている。そして、一方の電極部5bから絶縁範囲J内を電極延長部5eが、他方の電極部5aの近傍にある接続用電極部5fまで延びている。電極延長部5e及び接続用電極部5fも電極5a,5bと同じ製法で形成されている。
割れ検出用の電極部5bを端子接続用の電極部5fと分離して、端子が接続される電極部5a,5f間の間隔を小さくしておくことで、配線8a,8bの取扱いが容易になる。
その一方、割れ検出用の電極部5a,5bの間隔が大きいので電極部5a,5b間の破断数を多くでき、割れ検出が確実となる。
また、基板3の表面に絶縁範囲Jを確保して、その絶縁範囲Jに電極延長部5eを形成しているので、割れ検出用の電極部5bと端子接続用の電極部5fとを分離させることができる。
電極延長部5eや端子接続用電極部5fを枠Fで隠蔽される位置(図示のような辺縁部)に設けることで、外観を良好に保つことができる。
なお、割れ検出用の電極部5bと端子接続用の電極部5fは、導電薄膜4が非形成の絶縁範囲に形成されていればよく、基板3の側面(木口)又は導電薄膜4が形成されている面の反対面などであってもよい。
図10は、電極部5a,5bの配置・形状と配線8a,8bの端子9a,9bの位置のさらに他の変形例を示している。図9の例では、電極部5a,5bは同一辺20に設けられていたが、図10の例では、電極部5a,5bは、隣接する2辺側に振り分け配置されており、割れ検出用の電極部5a,5bとは別に、端子接続用電極部5f,5hがそれぞれの電極部5a,5b用として設けられている。図10の例においても、割れ検出用の電極部5a,5bの間隔を大きくとりつつ、端子9a,9bが接続される位置を小さくできる。
図9や図10に示す実施形態に例示されるように、導電薄膜4の形成された基板3の表面に絶縁範囲Jを設けて電流が流れる領域を規制することができる。特に、絶縁範囲Jを設けて、該絶縁範囲Jが無い場合と比較して割れ発生時における両電極部5a,5b間の抵抗値が確実に高まるようにすることにより、割れ検出を確実とすることができる。絶縁範囲Jは、上述のように導電薄膜4を形成しないか、あるいは形成後に除去(デリーション)することにより容易に作製することができる。
図3に戻り、抵抗検出器2は、前記抵抗R1の変化を検出するものであり、板ガラス1側の抵抗R1を含めて構成されるブリッジ回路を有している。このブリッジ回路を構成する抵抗としては、検出器2内に抵抗R2,R3,R4を備えており、板ガラス1が割れていないとき(R1=30Ω程度のとき)は、R1―R2間の電位V2と、R3−R4間の電位V1が等しくなるように、各抵抗R2,R3,R4の値が設定されている。このとき、V1,V2を入力とする差動アンプ10の出力(警報出力信号)は小さく(=0)なる。
一方、板ガラス1が割れて抵抗値R1が増大すると、V1とV2の差が大きくなり、ブリッジの平衡が失われ、差動アンプ10の出力が大きくなる。差動アンプ10の出力は、図示しない警報機等に与えられ、ガラス割れに対する警報を、屋内、屋外、又は警備会社等へ発することができる。したがって、このシステムによれば、建物への侵入者又は災害によるガラス破損に対する確実な警報が得られる。
また、抵抗検出器2には、図11の(a)及び(b)に示すように、抵抗検出器2により検出された抵抗値から得られたガラス割れに関する情報を割れ検出システムの外部に送信する送信部40を備えていても良い。この場合、例えば抵抗検出器2の前記差動アンプ10の出力の変化が送信部40を経由して、割れ検出システムの外部にガラス割れに関する情報として伝達される。ガラス割れに関する情報が伝達される割れ検出システムの外部としては、例えばガラスの設置された建築物の屋内や屋外に設置された警報器、警備会社のセキュリティシステム、携帯電話等の携帯端末、等がある。送信部40から割れ検出システム外部への情報伝達手段としては、有線又は無線の通信回線等を用いることが出来る。このように、抵抗検出器2により検出された抵抗値から得られたガラス割れに関する情報をシステム外部に送信する送信部40を設けることにより、建物への侵入者又は災害によるガラス破損に対する確実な警報が得られるとともに、ガラス破損に対する迅速な対応が可能なシステムとすることができる。
なお、抵抗R1の変化を検出する方式は、上述のものに限らず、抵抗の変化を検出するものであれば、他の方式も採用可能である。
また、ブリッジ回路に与えられる電圧Vccとしては、DC3〜24V程度が好ましい。抵抗検出器の電源としては、停電にも対応できるように蓄電池を用いても良い。
また、抵抗検出器2は、小型にできるため、窓や戸の枠に内蔵させてもよいし、ガラス面上に配置するなど外部に露出させてもよい。
また送信部40は、抵抗検出器2によって検出された抵抗値から得られたガラス割れに関する情報をシステム外部に送信できるものであればいかなるものでもよく、例えば前記抵抗R1の抵抗値がガラス割れにより増大したときのみシステム外部に信号(異常信号)を発するものでもよく、ガラス割れによる抵抗値増大の有無を常時あるいは定期的にシステム外部に発信するものでもよい。あるいは、抵抗R1の抵抗値そのものを常時あるいは定期的にシステム外部に発信するものであってもよい。
図11は、割れ検出システムの他の構成例を示している。このシステムは、建物のガラス開口部に装着された複数のガラス1の割れ検出を行うものであり、抵抗体である複数のガラス1が直列接続され、単一の検出器2に接続されている。図11(b)は、図11(a)の接続状態を回路図として示したものであり、電極部5a,5b間の抵抗R1が直列接続された状態で検出器2に接続されている。いずれかのガラス1が割れると回路の抵抗値が増大し、検出器2は割れを検出することができる。このように複数のガラス1を直列接続しているので、検出器2をガラスの枚数分用意する必要がなく、構成が簡素化される。
また、一つのガラスの抵抗値R1が比較的小さいので、複数枚のガラスを直列接続しても抵抗値がさほど高くならず、ガラスが割れたときの抵抗増大度を大きく保つことができる。
図12及び図13は、第2実施形態に係る板ガラス1を示している。なお、第2実施形態において特に説明しない点は、既述のものと同様である。
この板ガラス1は、導電薄膜4を有する強化ガラス化された基板3によって構成される第1板ガラスと、生板ガラスからなる第2板ガラス12との間に中間膜14を挟んで合わせガラスとしたものである。第1板ガラスは、導電薄膜4側を中間膜14側、即ち内側として合わせガラス化されている。そして、この板ガラス1は、第1板ガラスと第2板ガラス12との間に中間膜14が挟まれて合わせガラスとして構成された割れを検出可能な板ガラス1であって、第1ガラス板は、全体が細片化して割れる強化ガラスからなる基板3と、前記基板3の前記中間膜14側の面に形成された導電薄膜4と、前記導電薄膜4と前記中間膜14との間であって、前記基板3の辺縁部において所定間隔をもって近接配置された対の電極部15a,15bと、を備えている。
抵抗検出器2から延びるリード線が接続される電極15a,15bは、導電体の小片(金属片;銅片)によって形成されており、導電薄膜4と中間膜14とで挟まれて固定されている。電極15a,15bは、それぞれ板ガラス1の側方へ突出しており、前記リード線は、電極15a,15bの板ガラス1から突出した部分にハンダ付け等により取り付けられる。電極15a,15bの突出した部分は、折り曲げることなどにより邪魔にならないようにしてもよい。
電極15a,15bは、合わせガラスとするための圧着処理前に、導電薄膜4と中間膜14との間に挟まれ、電極15a,15bが挟まれた状態で、合わせガラスとするための圧着(加熱及びローラ圧着)が行われることで、第1及び第2板ガラスが一体化するとともに、電極15a,15bが固定される。なお、電極15a,15b付近からガラス1内部に湿気などが侵入して電極付近の中間膜14が白濁しないようにエポキシ系接着剤等合成樹脂で電極15a,15b付近を封止しておくのが好ましい。
板ガラス1の全体を合わせガラスとして構成することで、割れたときの破片が飛び散らず、粉々になりにくいため、侵入者の侵入を遅延させることができる。また、合わせガラスとするための中間膜14によって、導電薄膜4や電極部15a,15bを保護でき、少なくとも、電極部15a,15b間の導電薄膜4が保護されていることで、電極部間の抵抗値を安定させることができる。
なお、第2板ガラス12を強化ガラスとすると、破断面間隔E(図5参照)が充分確保されやすい点において好ましい。即ち板ガラス1が合わせガラスの場合、細片化した第1板ガラスが中間膜14により拘束されるから、中間膜14が無い場合と比べて破断面間隔Eが小さくなる。しかし第1板ガラスに加えて第2板ガラス12をも強化ガラスとすると、第2板ガラス12においても割れが全体に波及し且つ細片化するから、中間膜14による第1板ガラスの拘束が緩和されて破断面間隔Eを比較的大きくすることが出来る。
一方、上記第二実施形態のように第2板ガラス12を生板ガラスとすると、板ガラス1の製造コストを低減することができる。ただしこの場合、第2板ガラス12は強化ガラスのように割れが全体に波及しにくく且つ細片化しないから、中間膜14による第1板ガラスの拘束を第2板ガラス12の細片化により緩和することができず、破断面間隔Eが比較的小さくなる。よって、特に第2板ガラス12が生板ガラスの場合には、破断面間隔Eを大きくするためには、対の電極部付近において局所的に中間膜14を無くすのが好ましい。この好ましい実施形態の例が次の第3実施形態及び第4実施形態である。
図17(a)は、本発明の第3実施形態である板ガラス1の正面図であり、図17(b)はその側面図である。図17(b)に示すように、この板ガラス1は、第1板ガラスとしての基板3と第2板ガラス12との間に中間膜14が挟まれて合わせガラスとして構成されている。そして、導電薄膜4は、基板3の中間膜14側表面に形成されている。第1板ガラスとしての基板3は強化ガラスであり、第2板ガラス12は生板ガラスである。
対の電極部5a,5bは、導電薄膜4上に設けられるとともに、基板3の辺縁部において近接配置されている。さらに、これら対の電極部5a,5bは、コーナー部35近傍に設けられており、且つこれら対の電極部5a,5bは板ガラス1の同一辺31側に設けられている。
第3実施形態の板ガラス1は、基板3の辺縁部上の一部において中間膜14が局所的に存在しない非合わせ部30を有している。非合わせ部30の範囲は、対の電極部5a,5bの両方を含む略長方形の範囲であって、対の電極部5a,5b相互間及び各電極部5a,5bのそれぞれの周囲を含む単一の範囲とされている。非合わせ部30では中間膜14のみが除去されており、基板3、導電薄膜4及び第2板ガラス12は存在している。そして、本実施形態の非合わせ部30では、第2板ガラス12と基板3(の導電薄膜4)との間に保護材36(図17(a)及び(b)において破線ハッチングで示す)が充填されている。この保護材36は、中間膜14よりも柔軟性の高い材料、例えばシリコンシーラント材、ゴム、エラストマー等から形成されている。保護材36は、基板3の内側に設けられた導電薄膜4の表面及び第2板ガラス12の内側表面に密着しており、且つ対の電極部5a,5bを覆っている。そして、単一の前記非合わせ部30内に対の電極部5a,5bが設けられている。
中間膜14は、基板3上に設けられ基板割れにより生ずる破片を所定の拘束力により拘束する拘束膜である。また、非合わせ部30は、拘束膜としての中間膜14が存在しないか又は中間膜14による所定の拘束力未満の拘束力で拘束された拘束力変化部50である。
図17(a)に示すように、対の電極部5a,5bを有する非合わせ部30は、第1板ガラスの隣接する辺31と辺32との交わるコーナー部35近傍に設けられている。そして、対の電極部5a,5bを有する非合わせ部30が第1板ガラスである基板3の隣接する2辺31,32に面して設けられている。
図18(a)は、本発明の第4実施形態である板ガラス1の正面図であり、図18(b)はその側面図である。この第4実施形態は、前記第3実施形態と同様、第2板ガラス12は生板ガラスであり、且つ第1板ガラスである基板3の辺縁部上の一部において中間膜14が局所的に存在しない非合わせ部30が設けられている。そして、単一の非合わせ部30内に対の電極部5a,5bが設けられていることも第3実施形態と同様である。更に、第3実施形態と同様に、非合わせ部30が基板3の隣接する2辺31,32の交わるコーナー部35近傍に設けられており、且つこの非合わせ部30が基板3の隣接する2辺31,32に面して設けられている。
第3実施形態と同様に、対の電極部5a,5bは、導電薄膜4上に設けられるとともに、基板3の辺縁部において近接配置されており、さらに、これら対の電極部5a,5bはコーナー部35近傍に設けられている。ただし第3実施形態と異なり、対の電極部5a,5bは板ガラス1の隣接する2辺31,32側に振り分け配置されている。
図19は、第4実施形態の板ガラス1の斜視図である。第4実施形態では、第3実施形態と異なり、非合わせ部30において第2板ガラス12が存在しない。非合わせ部30には中間膜14が存在しないのみならず、第2板ガラス12も存在しない。そして、中間膜14及び第2板ガラス12の代わりに、辺31及び辺32を2つの斜辺としコーナー部35を頂点とする略直角2等辺三角形の形状とされた保護材36(図18(a),(b)及び図19において破線ハッチングで示す。)が導電薄膜4に接着されている。保護材36の材質は、前述したように保護材36よりも柔軟性の高い材料(ゴム、シリコンシーラント材、エラストマー等)からなる。
このように、本第4実施形態では、非合わせ部30の範囲は、対の電極部5a,5bの両方を含む略直角二等辺三角形の範囲であり、且つ、対の電極部5a,5b相互間及び各電極部5a,5bのそれぞれの周囲を含む単一の範囲とされている。そして、第2板ガラス12は、保護材36と組み合わさることで基板3と同一の板形状(本実施形態では長方形)を形成しており、この点は中間膜14も同様である。
第3実施形態及び第4実施形態は以下の様な作用効果を奏する。
先ず、第3及び第4実施形態に共通した効果について説明する。
第1板ガラスである基板3は強化ガラスとされているので、割れが全体に波及し且つ細片化することとなり、確実に割れを検出することができる。また、板ガラス1が合わせガラスとして構成されているため、割れたガラスの破片の飛散が防止される。更に、非合わせ部30以外の部分においては導電薄膜4が中間膜14によって保護される。また、強化度が比較的高く細片化しやすい辺縁部に対の電極部が設けられているから、割れ検出の確実性が高くなる。
第2板ガラス12を生板ガラスにすることで、同第2板ガラス12を強化ガラスとする場合と比べてコスト低減を図ることができる。
但し、第2板ガラス12を生板ガラスとすることにより生ずる問題もある。合わせガラス化した場合、基板割れの際の破片が中間膜に拘束されるから、中間膜が無い場合と比べて破断面間隔が小さくなる傾向となる。そして第2板ガラス12が生板ガラスの場合、破壊時の破断形態が強化ガラスとは著しく異なり、破断面が全体に拡散せず且つ破片が細片化しない。よってこの場合、第1板ガラス(基板3)が中間膜14に加えて第2板ガラス12によっても拘束され、基板割れ時の破断面間隔E(図5参照)が小さくなり、基板割れ時の抵抗増加が抑制されてしまう。
しかしながら、非合わせ部30を設けた上記第3及び第4実施形態では、基板3が中間膜12により拘束されない。また、基板3(の導電薄膜4)には保護材36が密着しているが、この保護材36は中間膜14よりも柔軟な材料よりなり、且つ中間膜14のように圧着されている訳ではなく中間膜14に比べて基板3への固着力が弱い。従って非合わせ部30では、中間膜14が存在する場合と比較して基板割れ時におけるガラス破片相互間の破断面間隔Eが大きくなり、更に中間膜14の不存在により生板ガラスである第2板ガラス12による拘束も無くなるから、第2板ガラス12が生板ガラスであることによる破断面間隔Eへの影響が無い。よって、第2板ガラス12のコストを低下させつつ基板割れ時の抵抗増加を大きくすることができ、割れ検出を確実とすることができる。そして、単一の非合わせ部30内に対の電極部5a,5bが設けられているから、当該非合わせ部30内のガラス割れが対の電極部5a,5b相互間の基板3を確実に破断する。また、基板3の導電薄膜4が内側即ち中間膜14側に設けられている場合、基板3の内側に設けられた対の電極部5a,5bに配線を接続する必要が生じるから特に各電極部5a,5bに接続される配線の取扱いが面倒となりやすい。しかしこの場合でも、対の電極部5a,5bを基板3の辺縁部に近接配置させたことにより配線の取扱いが容易となる。
そして、第3及び第4実施形態では、対の電極部5a,5bを有する非合わせ部30が基板3の隣接する2辺31,32の交わるコーナー部35近傍に設けられており、特に強化度の高いコーナー部35近傍に対の電極部5a,5bを設けているので、電極部5a,5b間における基板割れが細片化しやすい。よって、対の電極部5a,5bが非合わせ部30に設けられていることとの相乗効果により、基板割れ時の抵抗増加が大きくなり、割れ検出が確実となる。更に、コーナー部35近傍に対の電極部5a,5bを設けることで電極部に接続される配線の取扱いが容易となる。
割れ発生時には各破片間に破断面間隔Eが生じるので、第1板ガラスには該間隔E分の伸びが発生することになる。第3及び第4実施形態では、非合わせ部30はコーナー部35近傍に位置し、且つ基板3は隣接する2辺31,32に面しているので、非合わせ部30の当該2辺31,32は第1板ガラスの外側(面内方向の外側)にむかって開放された状態となっている。つまり、非合わせ部30の両辺31,32は基板3の端面を構成しており、これら2辺31,32の外側には非合わせ部30の伸びを拘束する中間膜14が存在しない。よって、非合わせ部の第1板ガラスは、当該2辺31,32のそれぞれに沿った2方向である方向k1及び方向k2(図17(a)及び図18(a)参照。)に伸びやすくなり、破断面間隔Eを大きくすることができるから、割れ発生時の抵抗増加を大きくして割れ検出を確実とすることができる。
なお、隣接する2辺ではなく1辺に拘束力変化部50としての非合わせ部30が設けられている場合にも、非合わせ部30は当該1辺側にむかって開放された状態となり、当該一辺に直交する一方向に伸びやすくなるから、破断面間隔Eが大きくなりやすく好ましい。そして更に、拘束力変化部50を隣接する2辺に面した構成とすると上述のように2方向に延びやすくなるから特に効果的である。
非合わせ部30には導電薄膜4及び対の電極部5a,5bを覆っている保護材36が設けられているから、非合わせ部30において導電薄膜4や各電極部5a,5bが保護されるとともに、対の電極部5a,5bが露出しないので安全性や美観性を高めることができる。そして、この保護材36は中間膜14よりも柔軟性が高い材料よりなるから、細片化した基板3への拘束力が中間膜14よりも弱くなり、破断面間隔Eを比較的大きくすることが出来る。
また、図18及び図19に示すように、第4実施形態では、第3実施形態と異なり、単一の非合わせ部30内に設けられた対の電極部5a,5bが基板3の隣接する2辺31,32側に振り分けて近接配置されているから、対の電極部5a,5bに接続される配線を簡素化できる。また、隣接する2辺31,32側に振り分け配置することにより、局所的に設けられた非合わせ部30内において対の電極間の距離を確保しやすくなるから、割れ発生時において対の電極部5a,5b相互間に存在する破断面を多くすることができ、割れ検出を確実とすることができる。
なお、第3実施形態と異なり、第4実施形態では非合わせ部30において中間膜14のみならず第2板ガラス12も存在していないが、このようにすると前記保護材36を設置しやすくなる点において好ましい。一方、第3実施形態のように非合わせ部30においても第1板ガラスに対向配置された第2板ガラス12が設けられている場合は、第2板ガラス12を第1板ガラスと同一の形状とすることができるから外観上において比較的有利である。
上記第3及び第4実施形態における基板3は、当該基板3のうち非合わせ部30以外の部分は中間膜14により所定の拘束力で拘束される一方、対の電極部近傍では拘束膜としての中間膜14による拘束が無いか又は拘束力が比較的弱くされた拘束力変化部50として非合わせ部30が設けられているので、上記所定の拘束力で拘束された部分よりも基板割れ時の破断面間隔Eが大きくなり、基板割れ時の抵抗増加が大きくなって割れ検出を確実とすることができる。
上記実施形態では、拘束膜として中間膜14を例示したが、拘束膜はこれに限られず、例えば前述したような基板3に貼り付けられたフィルム材などでもよい。そして、拘束力変化部50を設ける手法としては、上述した合わせガラスにおける非合わせ部30の例に限られず、例えば対の電極部5a,5b近傍において中間膜やフィルム材等の拘束膜が存在しない構成とする手法の他、対の電極部近傍において拘束膜と基板3との接着力を比較的弱くしたり同接着力を無くしたりする手法、あるいは、対の電極部近傍の拘束膜を他の拘束膜よりも柔軟な材質のものとする手法、などが例示される。
したがって、拘束力変化部50は合わせガラス以外にも設けることができ、例えば図2に示す実施形態のように基板3上の導電薄膜4が形成され、この導電薄膜4上に対の電極部5a,5bが設けられた板ガラス1において、導電薄膜4上にフィルム材を貼り付けるとともに、対の電極部5a,5bの近傍ではフィルム材が存在しない構成としてもよい。この場合、フィルム材が存在しない部分が拘束力変化部50となる。
ただし、合わせガラスとして構成された板ガラス1における中間膜14は、フィルム材と比較して基板3に対する拘束力が強いため、拘束力変化部50を設ける効果は、この拘束力変化部50を上記非合わせ部30とした場合が特に効果的である。
また、上述のように、拘束力変化部50を設ける手法として、対の電極部近傍において拘束膜と基板3との接着力を比較的弱くしたり同接着力を無くしたりする手法があるが、この例を説明する。上記第3及び第4実施形態では、非合わせ部30を設けたが、非合わせ部30に代わる拘束力変化部50として、第1板ガラス上に中間膜14が存在し且つ当該中間膜14と第1板ガラスとが互いに固着されていない非固着部を設けた板ガラスとしてもよい(図示省略)。この場合、上記非合わせ部30と同様、非固着部においては中間膜14による第1板ガラスへの拘束がほとんど無くなるので、当該非固着部における破断面間隔Eが比較的大きくなり、割れ検出の確実性を向上させることができる。
なお、かかる非固着部を形成するには、例えば合わせガラスの製造工程において、合わせガラスとするための圧着を行うステップの前に、第1基板と合わせガラス用中間膜との固着を防止するフィルム等の固着防止部材を介在させるステップを加える製造方法を採用することができる。また、さらに圧着後において前記固着防止部材を取り除くステップを加える製造方法を採用してもよい。固着防止部材としては、圧着時の熱と圧力に耐えることができ、且つ圧着工程後において第1基板及び中間に対して剥離しやすい部材又は第1基板及び中間膜に対して固着しにくい部材が好ましく、例えばポリエチレンフィルム等を挙げることが出来る。このポリエチレンフィルム等の固着防止部材は、圧着後に取り除かれてもよいし、第1基板と中間との間に介在した状態のままの非固着部としてもよい。なお、特に固着防止部材が介在したまま合わせガラスとして用いる場合には、非固着部の木口から水等が入り込みやすくなるから、該木口をシリコンシーラント材等のシール材によりシールするのが好ましい。
合わせガラス構造で電極部15a,15bを挟む構造の板ガラス1とする場合、第1板ガラスの基板3に導電薄膜4がコーティングされていない状態ですでに基板3が熱処理強化ガラスである場合にも、容易に対応可能である。つまり、電極部15a,15bは合わせガラスとするための圧着によって固定され、融着が必要ないので、強化ガラスとするための熱処理を単独で行える。したがって、導電薄膜4のない熱処理強化ガラス基板3を製造しておき、その後工程としてスパッタリング等により基板3上に導電薄膜4を形成することが可能である。
このような合わせガラスの製法は、すでに製造した単なるフロート板ガラスの強化ガラス基板から、本発明の強化ガラスを製造するのに有効である。
なお、電極部15a,15bを導電薄膜4と中間膜14の間に挟み込ませるには、導電薄膜4上に電極部15a,15bを載置し、さらに中間膜14を載せてもよいし、先に導電膜4上に中間膜14を載置し、その後に導電薄膜4と中間膜14の間に電極部15a,15bを差し込んでも良い。
本発明における板ガラスは、平面状であっても良いし、曲面状であってもよい。また、本発明の板ガラスは、複層ガラスを構成するガラスの一部(室内側・室外側のどちらか)又は全部としても採用できる。また、電極部の配置としては、図14及び図15に示すものも本発明の実施形態の一つとして採用可能である。
第1実施形態に係る板ガラスの正面図である。 第1実施形態に係る板ガラスの側面図である。 抵抗検出器の回路図である。 (a)は薄膜の膜厚が厚いためにガラス基板の破断が薄膜に完全に波及していない状態を示す図であり、(b)は薄膜の膜厚が薄いためにガラス基板の破断が薄膜に完全に波及している状態を示す図である。 ガラス基板の破断面間隔と膜厚の関係を示す図である。 薄膜が基板の表面の一部だけに形成されている例を示す平面図である。 電極部が基板の辺と直交する方向に長く形成された例を示す部分平面図である。 電極部等の変形例を示す平面図である。 電極部等の変形例を示す部分平面図である。 電極部等の変形例を示す部分平面図である。 システムの変形例を示す図である。 第2実施形態に係る板ガラスの正面図である。 図12のA−A線断面図である。 ガラスの2辺に対向する電極を設けた例を示す平面図である。 ガラスの辺縁部に多数の電極を設けた例を示す平面図である。 辺縁部及びコーナー部近傍の好ましい範囲を説明するための図である。 (a)は、本発明の第3実施形態である板ガラスの正面図であり、(b)はその側面図である。 (a)は、本発明の第4実施形態である板ガラスの正面図であり、(b)はその側面図である。 本発明の第4実施形態である板ガラスの斜視図である。
符号の説明
1 板ガラス
2 抵抗検出器
3 基板
4 導電薄膜
5a 電極
5b 電極
12 第2板ガラス
14 中間膜
15a 電極
15b 電極
30 非合わせ部

Claims (12)

  1. 強化ガラス製の基板と、前記基板の表面に形成された導電薄膜と、導電薄膜上に設けられた対の電極部と、前記基板上に設けられ基板割れにより生ずる破片を所定の拘束力により拘束する拘束膜と、を備えるとともに、
    前記基板の前記対の電極部近傍は、前記拘束膜が存在しないか又は前記所定の拘束力未満の拘束力で拘束された拘束力変化部とされ
    前記対の電極部は、前記導電薄膜上に塗布された導電性ペーストが前記導電薄膜に熱処理により融着結合して形成されていることを特徴とする板ガラス。
  2. 強化ガラス化された基板からなる第1板ガラスと、
    所定間隔をもって前記第1板ガラスに対向して配置された第2板ガラスと、
    前記第1板ガラスと前記第2板ガラスとで挟まれた中間層と、
    前記第1板ガラスの前記中間層側の面に形成された導電薄膜と、
    前記導電薄膜上に所定間隔をもって近接配置された対の電極部と、を備えており、
    前記第2板ガラスを生板ガラスとするとともに、
    前記第1板ガラス上の一部を前記中間膜が局所的に存在しない非合わせ部とし、単一の前記非合わせ部内に前記対の電極部を設け、
    前記対の電極部は、前記導電薄膜上に塗布された導電性ペーストが前記導電薄膜に熱処理により融着結合して形成されことを特徴とする板ガラス。
  3. 導電薄膜を有する強化ガラス化された基板からなる第1板ガラスと、
    所定間隔をもって前記第1ガラスに対向して配置された第2板ガラスと、
    前記導電薄膜上に所定間隔をもって近接配置された対の電極部と、
    を備えており、
    前記第1板ガラスと前記第2板ガラスとの間に中間膜が挟まれて合わせガラスとして構成され、前記中間膜は前記第1板ガラス割れにより生じる破片を所定の拘束力で拘束しており、前記第1ガラスの前記中間膜側表面には前記導電薄膜が配置され、
    前記第1ガラスの前記対の電極部近傍は、前記中間膜が存在しない拘束力変化部とされ、
    前記第2板ガラスは、前記第1板ガラスの前記拘束力変化部の範囲を含めて前記第1板ガラスに対向している
    ことを特徴とする板ガラス。
  4. 導電薄膜を有する強化ガラス化された基板からなる第1板ガラスと、
    所定間隔をもって前記第1ガラスに対向して配置された第2板ガラスと、
    前記導電薄膜上に所定間隔をもって近接配置された対の電極部と、
    を備えており、
    前記第1板ガラスと前記第2板ガラスとの間に中間膜が挟まれて合わせガラスとして構成され、前記中間膜は前記第1板ガラス割れにより生じる破片を所定の拘束力で拘束しており、前記第1ガラスの前記中間膜側表面には前記導電薄膜が配置され、
    前記第1板ガラスの前記対の電極部近傍は、前記中間膜が存在しない非合わせ部とされ、前記非合わせ部の範囲においては前記第2板ガラスも存在しておらず、前記非合わせ部の範囲の前記第1板ガラスは、第2板ガラスと面一となる保護部材によって覆われ、
    前記保護部材は、前記第1ガラスへの拘束力が前記拘束力未満である
    ことを特徴とする板ガラス。
  5. ガラス製のガラス基板と、前記ガラス基板の表面に形成された導電薄膜と、導電薄膜上に設けられた対の電極部と、を備え、
    前記ガラス基板は、強化ガラス製であり、前記ガラス基板のいずれの位置に割れが生じても、前記ガラス基板全体に割れが波及し、対の電極部間の前記導電薄膜に破断が生じるものであり、
    前記対の電極部は、前記導電薄膜上に塗布された導電性ペーストが前記導電薄膜に熱処理により融着結合して形成され、
    さらに前記対の電極部は、前記導電薄膜上において、前記ガラス基板の隣接する2辺の交わる同一のコーナー部近傍に設けられている
    ことを特徴とする板ガラス。
  6. ガラス製のガラス基板と、前記ガラス基板の表面に形成された導電薄膜と、導電薄膜上に設けられた対の電極部と、を備え、
    前記ガラス基板は、強化ガラス製であり、前記ガラス基板のいずれの位置に割れが生じても、前記ガラス基板全体に割れが波及し、対の電極部間の前記導電薄膜に破断が生じるものであり、
    前記対の電極部は、前記導電薄膜上に塗布された導電性ペーストが前記導電薄膜に熱処理により融着結合して構成され、
    さらに前記対の電極部は、前記導電薄膜上において、前記ガラス基板の同一辺の辺縁部に設けられ、前記対の電極部の間隔は、当該対の電極が設けられている辺の長さの半分以下である
    ことを特徴とする板ガラス。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の板ガラスと、
    前記対の電極部間の抵抗値を検出する抵抗検出器と、
    を備えていることを特徴とするガラスの割れ検出システム。
  8. 前記抵抗検出器は、前記対の電極部間の抵抗を含めて構成されるブリッジ回路と差動アンプとを有し、前記ブリッジ回路を構成する各抵抗の抵抗値は、板ガラスが割れていないときに前記ブリッジが平衡となる値に設定され、板ガラスが割れて前記対の電極部間の抵抗値が増大すると前記ブリッジの平衡が失われて前記差動アンプの出力が大きくなり、この差動アンプの出力変化により前記対の電極部間の抵抗値の増大を検出するものである
    請求項7記載のガラスの割れ検出システム。
  9. ガラス割れに関する情報を外部に送信する送信部を備えている
    請求項7又は8記載のガラス割れ検出システム。
  10. 請求項9記載のガラスの割れ検出システムと、
    警備会社のセキュリティシステムと、
    を備え、
    ガラス割れに関する情報が、前記ガラスの割れ検出システムから前記警備会社のセキュリティシステムへ送信されるよう
    構成された装置。
  11. 割れ検出可能な板ガラスの製造方法であって、
    少なくとも一面に導電薄膜が形成された生板ガラスの辺縁部の前記導電薄膜上であって、前記生板ガラスの隣接する2辺の交わる同一のコーナー部近傍に設において、所定間隔をもって近接した2カ所に導電性ペーストを塗布して電極部を形成し、
    その後、前記生板ガラスを熱処理することにより、前記生板ガラスを熱処理強化ガラスとするとともに前記電極部を前記導電薄膜に融着する、
    ことを特徴とする割れ検出可能な板ガラスの製造方法。
  12. 割れ検出可能な板ガラスの製造方法であって、
    少なくとも一面に導電薄膜が形成された生板ガラスの同一辺の辺縁部の前記導電薄膜上に、所定間隔をもって近接した2カ所に導電性ペーストを塗布して電極部を形成し、その際、それら2カ所の電極部の間隔は、当該2カ所の電極部が形成されている辺の長さの半分以下であり、
    その後、前記生板ガラスを熱処理することにより、前記生板ガラスを熱処理強化ガラスとするとともに前記電極部を前記導電薄膜に融着する、
    ことを特徴とする割れ検出可能な板ガラスの製造方法。
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