JP4421571B2 - 割れ検出可能な板ガラス、ガラス割れ検出システム及び警備方法 - Google Patents

割れ検出可能な板ガラス、ガラス割れ検出システム及び警備方法 Download PDF

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本発明は、割れ検出可能な板ガラス、ガラス割れ検出システム及び警備方法に関するものである。
家屋への侵入犯罪としてのガラス破りや災害時のガラス破壊等で発生するガラス割れを検出することができる板ガラスとして、強化ガラスを用いたものが提案されている。
特許文献1には、合わせガラスのうち外方に位置するガラスを強化ガラスとし、この強化ガラス上へ導電部材を印刷するとともに、導電部材と断線検知装置とを電気的に接続した防犯用ガラスが提案されている。強化ガラスを用いることにより、ガラスの一部が破壊されても瞬時に細片化した亀裂がガラス全面に波及するので、強化ガラスを用いない場合と比較して割れ検出の確率を高めることができる。
実用新案登録第2588910号公報
しかし、上記強化ガラスの周囲部には、サッシやサッシ装着用のチャンネルゴム部材、あるいはサッシを接着するためのシリコンシーラント材等が存在するため、当該強化ガラスが破壊されて細片化する際にその周囲部が拘束され、十分な破断面間隔が得られない。
従って、上記従来技術では、基板に強化ガラスを用いることによりガラス割れが全面に波及するものの、当該割れによってもガラス表面の導電部材は完全には断線せず、電気抵抗の増加現象を検知する割れ検出精度が必ずしも十分ではなかった。
そこで本発明は、割れの検出精度をより効果的に高めることができる板ガラス、割れ検出システム及び警備方法を提供することを目的としている。
れ検出可能な板ガラスは、強化ガラス製の基板と、前記基板表面の一部に設けられた検知導電体と、前記基板の一部であって前記検知導電体の配置領域である検知領域部と、前記検知領域部の周辺に形成され前記基板を貫通する貫通孔と、前記貫通孔により形成された前記検知領域部の縁部に設けられた対の電極部とを備えるとともに、前記貫通孔は前記検知領域部に割れ発生時における少なくとも2方向への伸長を許容するように設けられ、更に、前記対の電極部間の電流が前記検知導電体以外の部分に流れることを規制していることを特徴とする。
基板は強化ガラス製であるから、ガラス割れは検知領域部を含むガラス全面に波及する。そして、強化ガラスが、サッシやサッシ装着用のチャンネルゴム部材、あるいはサッシを接着するためのシリコンシーラント材等により拘束されていても、割れが波及した検知領域部は、貫通孔により生まれた空間を利用して、当該貫通孔の内側に向かう方向に関して少なくとも2方向に伸長することができる。このため、当該検知領域部に波及した割れの破断面間隔が大きくなる。更に、検知領域部表面の検知導電体は基板表面の他の部分(検知領域部以外の部分)とはほぼ絶縁されているため、対の電極部間を流れる電流が検知領域部以外を流れることがほとんどない。これらの構成により、割れ発生時において、検知領域部の縁部に設けられた対の電極部間の抵抗値を効果的に増大させることができる。
発明の割れ検出可能な板ガラスは、強化ガラス製の基板と、前記基板表面の一部に設けられた検知導電体と、前記基板の一部であって前記検知導電体の配置領域である検知領域部と、前記検知領域部の周辺に形成され前記基板を貫通する貫通孔と、前記貫通孔により形成された前記検知領域部の縁部に設けられた対の電極部とを備え、前記貫通孔は長孔とされるとともに前記検知領域部に割れ発生時における少なくとも2方向の長孔幅方向への細片化した前記検知領域部の伸長を許容するように設けられていることを特徴とする。
基板は強化ガラス製であるから、ガラス割れは検知領域部を含むガラス全面に波及する。そして、強化ガラスの周囲部が、サッシやサッシ装着用のチャンネルゴム部材、あるいはサッシを接着するためのシリコンシーラント材等により拘束されていても、割れが波及した検知領域部は、長孔により生まれた隙間を利用して、当該長孔の幅が狭くなる方向に関して少なくとも2方向に伸長することができる。このため、当該検知領域部に波及した割れの破断面間隔が大きくなる。
また、基板に設けられた貫通孔は周方向に均等な形状の丸孔でなく周方向に不均一な長孔であるから、割れ発生時において長孔幅が狭まる方向に孔が変形しやすく検知領域部の伸長を許容しやすい。よって、割れ発生時において、検知領域部の縁部に設けられた対の電極部間の抵抗値を更に効果的に増大させることができる。
前記対の電極部間の電流が前記検知領域部以外の部分に流れることを規制しているのが好ましい。この場合、対の電極部間を流れる電流が検知領域部に集中するので、割れ発生時における対の電極部間の抵抗値をより効果的に増大させることができる。
前記長孔を屈曲又は湾曲させることにより前記検知領域部が前記基板の面内方向において突出状に形成されているのが好ましい。この場合、突出した検知領域部は多方向に伸長しやすくなるので、割れ発生時における検知領域部の伸長の自由度が高まり、破断面間隔を更に拡げることができる。よって、割れ発生時における対の電極部間の抵抗値を更に増大させることができ、割れ検出精度が高まる。
また、前記長孔は、略直交して2方向へ延びる二つの直線部からなるL字形状に形成されていることが好ましい。
この場合、検知領域部は2方を長孔で囲まれた状態となり、検知領域部が2方向の長孔幅方向に加えそれらの長孔幅方向を合成した他の方向にも伸長できるので、割れ検出精度が極めて良好となる。
また、前記基板が方形状に形成されている場合、前記L字形状に形成された長孔は、例えば、当該基板のコーナー部近傍において前記各直線部を当該基板の辺縁部に沿わせて配置すればよい。
更に、前記長孔は、第1直線部と、この第1直線部の両端部から当該第1直線部と略直交して同方向に延びる対の第2直線部とからなるコ字形状に形成されているものとしてもよい。
この場合、検知領域部は3方を長孔で囲まれた状態となり、検知領域部が3方向以上の長孔幅方向に加えそれらの長孔幅方向を合成した他の方向にも伸長できるので、割れ検出精度が極めて良好となる。
また、前記基板が方形状に形成されている場合、前記コ字形状に形成された長孔は、例えば、当該基板のコーナー部近傍において、前記第1直線部を前記基板の辺縁部に対して略45°の角度で傾斜させて配置すればよい。
上記板ガラスにおいて、前記電極部は前記貫通孔の縁部に沿って前記検知領域部内から検知領域部外まで連続して設けられている構成としてもよい。検知領域部内の電極部に端子等が接続されていると、当該端子等により検知領域部の割れが拘束されてしまう場合がある。しかし上記の場合は検知領域部外の電極部に端子等を接続することができ、当該端子等による検知領域部の割れの拘束を防止することができる。
本発明は合わせガラスに特に有効に適用できる。合わせガラスに係る本発明は、強化ガラス製の前記基板よりなる第1板ガラスと、所定間隔をもって前記第1板ガラスと対向して配置された第2板ガラスと、前記第1板ガラスと前記第2板ガラスとの間に設けられた中間膜とを備えて合わせガラスとして構成された板ガラスであって、前記検知領域部及び前記貫通孔の設置領域は、前記中間膜が存在しないか前記中間膜よりも少ない拘束力で前記第1板ガラスを拘束する拘束力変化部とされていることを特徴とする。
強化ガラスと中間膜を備えた防犯用の合わせガラスでは、強化ガラスが破壊されて細片化する際に、当該中間膜に強化ガラスが拘束されるため十分な破断面間隔が得られない。従って、基板に強化ガラスを用いることによりガラス割れが全面に波及するものの、当該割れによってもガラス表面の導電部材は完全には断線せず、電気抵抗の増加現象を検知する割れ検出精度が必ずしも十分ではない。
そこで、上記本発明のように、中間膜が存在しないか中間膜よりも少ない拘束力で第1板ガラスを拘束する拘束力変化部を設けることで中間膜による検知領域部への拘束を抑制できる。よって、中間膜を有する合わせガラスであっても検知領域部での破断面間隔が確保され、割れ検出精度が高まる。
前記検知導電体は硬化した導電性ペーストである構成としてもよい。前記検知導電体を金属薄膜とした場合、当該導電体を透明とすることができ美観上有利であるが、その一方で金属薄膜の場合は通常基板の全面に設けることとなるので、前記検知導電体以外の部分に電流(対の電極部間の電流)が流れないようにするためには、金属薄膜の一部を除去等する手間が生ずる。そこで、導電性ペーストを例えば前記検知領域部において線状又は編目状に局所的に塗布することにより検知導電体を形成すれば、導電体を除去等するための手間は不要となる。また導電性ペーストを用いると、金属薄膜の場合よりも低コストとなる。
また、他の観点からみた本発明は、強化ガラス製の基板に設けられた対の電極部間の検知導電体の抵抗が前記基板の割れによって変化する割れ検出可能な板ガラスであって、前記基板を貫通する貫通孔を備えており、前記基板の割れによって、前記基板における前記貫通孔周辺の各破片が、前記貫通孔に向かって変位することで、前記貫通孔周辺に設けられた前記検知導電体を破断させて前記検知導電体の抵抗値を増大させるよう構成されていることを特徴とする。 また、他の観点からみた本発明は、強化ガラス製の基板に設けられた対の電極部間の検知導電体の抵抗が前記基板の割れによって変化する割れ検出可能な板ガラスであって、前記基板を貫通する貫通孔を備えており、前記基板の割れによって、前記基板における前記貫通孔周辺の各破片が、前記貫通孔に向かって変位することで、前記貫通孔の縁部に設けられた前記検知導電体を破断させて前記検知導電体の抵抗値を増大させるよう構成されていることを特徴とする。
ガラス割れ検出システムについての本発明は、上記の各板ガラスと、前記対の電極部間の抵抗値の増大を検出する抵抗検出器と、前記抵抗検出器により検出されたガラス割れに関する情報をシステム外部に送信する送信部とを備えたことを特徴とするガラス割れ検出システムである。上記板ガラスを用いることにより、割れ検出精度の高いガラス割れ検出システムとすることができる。
また、警備方法に関する本発明は、上記ガラス割れ検出システムにより得られた前記ガラス割れに関する情報を前記送信部から警備会社のセキュリティシステムへと送信することを特徴とする警備方法である。上記ガラス割れ検出システムを用いることにより、ガラス割れに対してより確実に対処可能な警備方法とすることができる。
本発明によれば、貫通孔によって、割れの検出精度を高めることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図3は、本発明の一実施形態である板ガラス1を示しており、図1はガラス面側から見た正面図、図2は木口から見た側面図、図3は図1の長孔設置部分近傍の拡大図である。また図4は、図3のB−B線における断面図である。この板ガラス1は、建物の窓や戸に用いられるガラスの割れ検出システムに用いられるものである。このシステムは、建物へ侵入者や災害を検出するために用いられる建物用ガラス割れ検出システムであり、板ガラス(割れ検出用ガラス)1と、図11に示す抵抗検出器2とを備えている。抵抗検出器2は、板ガラス1に設けられた対の電極部に接続されており、板ガラス1が割れることによって対の電極部間に生じる抵抗変化(抵抗増加)を検出する。
板ガラス1は、建物などの構造体のガラス窓用開口部に装着されるものであって、フロート板ガラスを熱処理(加熱後風冷)して強化ガラスとした基板である第1板ガラス3と、所定間隔をもって第1板ガラス3と対向して配置された第2板ガラス4と、これら第1板ガラス3と第2板ガラス4との間に設けられた中間膜5とを有しており、合わせガラスとして構成されている。第1板ガラス3の中間膜5側表面の全面には、導電体として金属薄膜よりなる導電薄膜6が設けられている。
板ガラス1の全体を合わせガラスとして構成することで、割れたときの破片が飛び散らず、分離しにくくいため、侵入者の侵入を遅延させることができる。また、合わせガラスとした場合、後述する両電極部11a,11bや導電薄膜6は第1板ガラス3の内面側(中間膜5側)に配置し露出させない構成を採ることができるので、導電薄膜6や両電極部11a,11bを保護することができる。
第1板ガラス3は、生板ガラスの一面にCVDなどの適宜の薄膜形成法によって透明な導電薄膜(金属薄膜)6をコーティングして熱処理前板ガラス本体を製作した後、これを熱処理することによって強化ガラス化したものである。CVDやスパッタリングなどで導電薄膜6を形成することで、第1板ガラス3と導電薄膜6とが一体的に割れやすくなる。特に、フロート板ガラスの製造工程中において、ガラスが加熱されている状態のときに金属(金属の気化混合ガス)をガラス表面と反応固着させてCVD等よりコーティングする方法(所謂オンラインCVD法等)を採用することで、金属薄膜とガラス表面がより一体化して強度が高まるとともに、第1板ガラス(基板)3と導電薄膜6とが一体的に割れやすくなる。導電薄膜6の形成法として上記のオンラインCVD法を採用すると、導電薄膜6の形成後に第1板ガラス3を強化熱処理しても導電薄膜6が剥離したり変色したりすることがない。
導電薄膜6は、第1板ガラス3程度の硬度を持つハードコーティングであるのが好ましく、上記の製法の場合、導電薄膜6の表面硬度はモース硬度で6程度であり、第1板ガラス3のモース硬度約6.5と同程度の硬度となっている。
なお、第1板ガラス3を強化ガラス化した後にスパッタリングなどで導電薄膜6を形成してもよい。スパッタリングにより導電薄膜6を形成した場合、導電薄膜6の形成後に強化ガラス化処理を行うと導電薄膜6の剥離や変色が生ずる。よってこの場合は、導電薄膜6の形成前に強化ガラス化処理を行うと、強化熱処理による導電薄膜の剥離や変色を回避できる。
矩形である第1板ガラス3の4辺20,21,22,23のうち2辺20,21の交わるコーナー部近傍には、第1板ガラス3を貫通する貫通孔として長孔7が設けられている。この長孔7は、第1直線部c1と、この第1直線部c1の両端部から当該第1直線部c1と略直交して同方向に延びる対の第2直線部c2とからなる略コ字形状(図1に示す正面視)に形成されており、コーナー部近傍において、当該第1直線部c1を基板の2辺20、21に対して略45°の角度で傾斜させて配置されている。
また、長孔7は、第1板ガラス3のみを貫通しており、中間膜5や第2板ガラス4には長孔7は設けられていない。中間膜5はポリビニルブチラール等の透明樹脂よりなる。第2板ガラス4は汎用のソーダ石灰フロート板ガラスよりなる生板ガラスである。第2板ガラス4を強化ガラスとしてもよいが、第2板ガラス4を生板ガラスとすることで板ガラス1の製造コストを低減することができる。なお第1板ガラス3は、汎用のソーダ石灰フロート板ガラス面上に導電薄膜6を有するものを強化熱処理したものである。なお、本発明の貫通孔は長孔7に限られず、例えば丸孔でもよいが、この点については後述する。
長孔7の両端部近傍には対の電極部11a,11bが設けられている。両電極部11a,11bは、それぞれ長孔7両端部の縁部に沿った部分の第1板ガラス3表面(導電薄膜6配置面と同じく中間膜5側の面)に略U字状に設けられている。長孔7は、当該長孔の一端を含んで一方向に延びる第一部分73と、当該長孔の他端を含んで一方向に延び前記第1部分73と所定間隔をおいて対向配置された第三部分75と、前記第一部分73と第三部分75とを連通させてなる第二部分74とを有しているが、対の電極部11a,11bはそれぞれ第三部分75と第一部分73とに設けられている。
また図4に示すように、両電極部11a,11bはそれぞれ第1板ガラス3表面から長孔7の内面(つまり長孔7によって形成された第1板ガラス3の木口)にまで連続して設けられている。そして、両電極部11a,11bにはそれぞれ銅薄板等よりなる端子12a,12bの一端がはんだ付けにより接続されている。各端子12a,12bは、第1板ガラス3の表面及び木口の両方において両電極部11a,11bと当接されることにより安定した導通が確保されている。端子12a,12bの他端は室内側(図2における右側)に引き出されて抵抗検出器2(図11)のA,Bとそれぞれ接続される。このように、第1板ガラス3を貫通する長孔7により、第1板ガラス3の側面(長孔7により形成された木口ではなく第1板ガラス3の外形を構成する木口)を経由することなく端子12a,12bを外部に引き出すことができる。
対の電極部11a,11bは、熱処理前板ガラス本体の導電薄膜6上に導電性ペースト(銀ペースト;金属ペースト)をスクリーン印刷等により印刷塗布して得られる。導電ペーストを塗布して乾燥させた後、強化ガラスとするための熱処理(加熱風冷)をすることで、板ガラス本体が強化ガラス化されて第1板ガラス3となるとともに、導電性ペーストが導電薄膜6に融着結合する。導電性ペーストを導電薄膜6に融着させることで、導電性ペーストは電極用途として適当な耐電圧・耐電流強度や導電薄膜―電極間の抵抗値の安定性、更には長期使用にも耐えうる耐久性が得られる。また、両電極部11a,11bの剥離も防止できる。
なお、両電極部11a,11bは、強化熱処理後に形成してもよい。両電極部11a,11bを形成した後に、板ガラス1を合わせガラスとするための圧着処理(加熱及びローラ圧着)を行い、その後オートクレーブにて本圧着を行う。なお、本実施形態の板ガラス1では、後述するように中間膜5に中間膜貫通孔5aがあるので、合わせガラス化の際に当該中間膜貫通孔5a内部の空気を逃がす必要があるが、板ガラス1では長孔7から中間膜貫通孔5a内部の空気を逃がすことができるので、合わせガラス化の加工を全く支障なく行うことができる。
なお、対の電極部11a,11bを構成する導電性ペーストの厚さ(焼付融着後の厚さ)は15μm〜25μmとするのが好ましい。15μm以上とすることで検知導電体8と端子12a,12bとの間の安定した導通を確保できる。また25μmを超えると検知導電体8(検知領域部9)の割れを過度に拘束する恐れがある。
図1〜図3では図面が複雑となるため記載を省略したが、図4に示すように長孔7の内部には吸湿性材料が設置されている。具体的には、長孔7の幅と同程度の外径(外径4mm〜5mm程度)を有する市販のガラス繊維スリーブ(円筒状に編まれたガラス繊維製のチューブ)15の内部に粒状のシリカゲル16を充填してなる吸湿性部材17が長孔7の内部に設置されている。ガラス繊維スリーブ15の両端はシリコンシーラントなどのシール材によって栓がされている。この吸湿性部材17は、長孔7の長手方向長さと略同一の長さを有しており、長孔7と同様の略コの字状に折り曲げられつつ長孔7内に収容されている。なお、吸湿性部材17としては、上述したものの他、長孔7の長手方向長さと略同一の幅を有する除湿紙や除湿布を重複巻回してなるものや、長孔7と略同一の長さ及び幅(外径)を有するとともに除湿材を含むスポンジ状の柔軟な丸棒なども適宜採用できる。
また、図4に示すように、長孔7の外面側開口部7k(図2参照;第1板ガラス3を貫通する長孔7の両開口部のうち板ガラス1の外面側(第1板ガラス3における導電薄膜6設置面側とは反対の側)は、シール材18によりシール(封止)されている。なお、シール材18の厚みは、第1板ガラス3の厚み(すなわち長孔7の深さ)の1/3以下とするのが好ましく、1/4とするのがより好ましい。シール材18の厚みが第1板ガラス3の厚みに対して厚すぎると、シール材18が割れ発生時における検知領域部9の伸長を拘束する度合いが大きくなるからである。なお、シール材18は、通常用いられるシリコンシーラント等でもよいが、更に防水性や耐久性に優れた熱可塑性ブチルゴム系シーリング材やポリサルファイド系シーリング材がより好ましい。具体的には、一成分形の熱可塑性ブチルゴム系シーリング材である横浜ゴム株式会社製のHAMATITE(登録商標)PRC−488−Yや、ポリサルファイド系2成分形シーリング材である横浜ゴム株式会社製のHAMATITE(登録商標)SM−7000等が挙げられる。
長孔7が略コの字型に屈曲して設けられた結果、第1板ガラス(基板)3には第1板ガラス3の面内方向において突出している突出状部分tが形成されている。上述したように、この突出状部分tの表面を含めて第1板ガラス3の表面(中間膜5側表面)の全体には導電体としての導電薄膜6が設けられているが、この導電薄膜6のうち突出状部分tの表面に位置する検知導電体8は、第1板ガラス3上の他の部分とほぼ絶縁されている。すなわち、第1板ガラス3上の導電薄膜6を部分的に除去した帯状の除去部10(図1及び図3においてハッチングで示す部分)を設けることにより、対の電極部11a,11b間の電流が検知導電体8以外の部分に流れることを規制している。
具体的には、図3に示すように、除去部10は、対の電極部11a,11bから第1板ガラス3内方への迂回電流を規制するための内側除去部10aと、対の電極部11a,11bから第1板ガラス3外方への迂回電流を規制するための外側除去部10bと、検知導電体8(図3における二点鎖線ハッチング部分)を区画するとともに当該検知導電体8と他の部分との導通を規制するための区画除去部10cと、上記内側除去部10aと外側除去部10bとの間における検知導電体8以外での導通を規制するための内部除去部10dとからなる。なお、各除去部10は、導電薄膜6を形成しないか、あるいは形成後に除去(デリーション)することにより容易に作製することができる。
除去部10の設置の効果を確認するため、除去部10が全くない状態と除去部10を設けた状態とで対の電極部11a,11b間の抵抗値を比較した。除去部10が全く無い状態において対の電極部11a,11b間の抵抗値が約8Ωである板ガラス1に内側除去部10aのみを設けたところ、対の電極部11a,11b間の抵抗値は約12Ωとなった。次いで、内側除去部10aに加えて外側除去部10bを設けたところ同抵抗値は約17Ωとなった。更に区画除去部10cを加えたところ同抵抗値は約20Ωとなった。そして最後に内部除去部10dを設けて図3の実施形態を完成させたところ同抵抗値は約26Ωとなった。このように、各除去部10a,10b,10c,10dのそれぞれは、対の電極部11a,11b間の電流を検知導電体8に集中させるのに寄与している。
第1板ガラス3の一部であって検知導電体8の配置領域である検知領域部9は、上述した突出状部分t内に設けられており当該突出状部分tの突出端側の大半の部分を占めている。長孔7の配置の関係で検知領域部9(及び突出状部分t)は第1板ガラス3の対角線に略沿った向きの第1板ガラス3内方側にむかって突出している。検知導電体8及び検知領域部9は、長孔7及び除去部10によって区画されている。そして、検知導電体8及び検知領域部9は、基板である第1板ガラス3の周縁部から離間して設けられている。
第1板ガラス3がいずれかの部位、例えば、第1板ガラス3の辺20の対辺22側(図1のL)に位置するクレセント錠の近傍において割られると、割れが検知領域部9を含む第1板ガラス3の全面に波及する。検知領域部9に割れ(亀裂)が波及すると、対の電極部11a,11b間の抵抗値が増加し、この抵抗値の増加を検出することにより第1板ガラス3の割れが検出される。
図6(a)は中間膜5の全体図である。中間膜5の外形は第1板ガラス3や第2板ガラス4と同一の矩形である。しかし、中間膜5の一部であって検知領域部9の設置領域を含む範囲に当該中間膜5を貫通する中間膜貫通孔5aが設けられている。つまり、検知領域部9の設置領域には中間膜5が存在しない。よって、中間膜5は検知領域部9の割れ発生時における伸長を拘束しない。更にこの中間膜貫通孔5aは、検知領域部9の設置領域のみならず長孔7の設置領域を含む範囲に設けられている。よって、割れ発生時に検知領域部9が長孔7の内部側に伸長する際に、当該伸長部分が中間膜5に触れることがない。
したがって、割れ発生時における検知領域部9の伸長がより一層促進される。本実施形態では、図1、図3及び図6(a)において示すように頂点a,b,cの3頂点を結ぶ破線三角形の領域が中間膜貫通孔5aとされている。この中間膜貫通孔5aは、検知領域部9及び長孔7の設置領域を含み且つ当該設置領域よりも少し広い領域に設けられている。この中間膜貫通孔5aは、中間膜5をくり抜いて形成されたくり抜き部分である。したがって中間膜貫通孔5aが設けられた部分(頂点a,b,cの3頂点を結ぶ破線三角形の領域)は、中間膜5が存在しない非合わせ部となっている。
中間膜貫通孔5aは、中間膜5が存在しないか中間膜5よりも少ない拘束力で第1板ガラス3を拘束する拘束力変化部の一形態である。かかる拘束力変化部としては、中間膜貫通孔5aではなく、中間膜5の周縁部分を欠落させた周縁欠落部としてもよい。ただし、本実施形態のように中間膜貫通孔5aを設けると、板ガラス1の木口から板ガラス1内部への水分の侵入を強固に且つ長期間安定的に防止できるので好ましい。なぜなら、中間膜5の欠落形態として中間膜貫通孔5aを採用した場合、中間膜貫通孔5aの周囲が中間膜5により包囲されるので、合わせガラスの板ガラス1では側面(板ガラス1の四辺を構成する木口)の全周が合わせガラス状態(板ガラス3,4と中間膜5とが密着した状態)となるからである。
なお、中間膜貫通孔5aの形状は特に限定されず、図6(b)に示すような矩形や、図6(c)に示すような円形などでもよい。また中間膜貫通孔5aの位置も特に限定されず、長孔7や検知領域部9の設置位置に対応させて設ければよい。なお、中間膜5の周縁部分を欠落させた周縁欠落部を設けた結果、板ガラス1の側面(板ガラス1の四辺を構成する木口)の全体を合わせ状態とできない場合において、当該側面をシールする場合には、上述したような熱可塑性ブチルゴム系シーリング材やポリサルファイド系シーリング材(例えば、一成分形の熱可塑性ブチルゴム系シーリング材である横浜ゴム株式会社製のHAMATITE(登録商標)PRC−488−Yや、ポリサルファイド系2成分形シーリング材である横浜ゴム株式会社製のHAMATITE(登録商標)SM−7000等)を用いるのが好ましい。
また、拘束力変化部は、上述の中間膜貫通孔5aのように中間膜5の存在しない空間としてもよいし、中間膜5よりも柔軟性の高い材料(例えばシリコンシーラント材、ゴム、エラストマー等)で当該中間膜5を置換してもよい。ただし拘束力変化部としては中間膜5の存在しない空間とするのが好ましい。この場合、検知領域部9に対する中間部材(中間膜5等)による拘束が無くなり、検知領域部9の破断面間隔が一層拡がりやすくなるからである。
両電極部11a,11bは、それぞれ長孔7の端部をまたぐように連続して配置されている。その結果、上述したように、対の電極部11a,11bはそれぞれ略U字型となっている。そして、対の電極部11a,11bのそれぞれは、検知領域部9内から検知領域部9外まで連続して設けられている。すなわち、図3に示すように、一の電極部11aは、検知領域部9内に位置する電極部分11a−1と、この電極部分11a−1と連続して設けられ検知領域部9外に位置する電極部分11a−2とを有している。同様に他の電極部11bは、検知領域部9内に位置する電極部分11b−1と、この電極部分11b−1と連続して設けられ検知領域部9外に位置する電極部分11b−2とを有している。電極部分11a−1と11b−1とは、それぞれ略矩形をなす検知領域部9の対向する両辺に配置されている。
その結果、対の電極部11a,11b間の電流が検知導電体8を横断するような配置となっている。一方、端子12a,12bは、検知領域部9外に位置する11a−2,11b−2に接続されている。このようにすると、検知領域部9には端子12a,12bが直接的に接続されない状態となるので、検知領域部9(検知導電体8)と端子12a,12bとの接合部分が検知領域部9の割れを拘束することがない。また図3に示すように、第1板ガラス3の(木口側でなく)表面側に設けられた部分において、検知領域部9内に位置する電極部分11a−1,11b−1の幅と、検知領域部9外に位置する電極部分11a−2,11b−2の幅とを比較すると、検知領域部9外に位置する電極部分11a−2,11b−2の幅のほうが広くされている。
この結果、検知領域部9外に位置する電極部分の幅を広くすることで端子12a,12bとの接触面積を広く確保できると同時に、検知領域部9内に位置する電極部分の幅を狭くすることで検知領域部9の割れを拘束する電極部分(導電性ペースト)を少なくすることができる。両電極部11a,11bと端子12a,12bとの接触面積を広くすると、両電極部11a,11bと端子12a,12bとの間の安定した導通が確保されるとともに、第1板ガラス3が割れていない状態において対の電極部11a,11b間の抵抗値を小さくすることができ、割れ検出精度の向上に寄与する。更に、検知領域部9の割れを拘束する電極部分(導電性ペースト)を少なくすることで割れ発生時における検知領域部9の破断面間隔を大きくすることができ、対の電極部11a,11b間の抵抗値を高めることができる。
具体的には、検知領域部9内に位置する電極部分11a−1,11b−1の幅は1.0〜1.5mmが好ましい。1.5mm以下が好ましいのは、幅が狭いほど検知領域部9(あるいは検知導電体8)の割れを拘束しにくくなり、検知領域部9の破断面間隔を確保しやすくなるからである。また1.0mm以上であれば、初期状態(割れ発生前)において検知導電体8との安定した導通が確保されやすくなる。
一方、検知領域部9外に位置する電極部分11a−2,11b−2の幅は1.5mmより広いのが好ましく、3.0mm以下が好ましい。1.5mmより広くしたことで、上述したように端子12a,12bとの安定した導通を確保しやすくなる。また3.0mm以下が好ましいのは、これ以上広くしても特段のメリットがなく、電極材料(導電性ペースト)の使用量が多くなってコストが増大するからである。
なお、対の電極部11a,11b間の最短間隔(図3の実施形態では、検知領域部9内に位置する電極部分11a−1と11b−1との間隔)は下限値としては10mm以上、より好ましくは15mm以上とするのがよく、上限値としては30mm以下が好ましく、20mm以下がより好ましい。この間隔が広すぎると、検知領域部9が過度に大きくなり長孔7の加工が面倒となり、また初期状態(割れ発生前の状態)における検知導電体8の抵抗値が大きくなりやすくなる。またこの間隔が狭すぎると、割れ発生時における対の電極部11a,11b間の破片数が少なくなり、抵抗増加の度合いが低下しやすい。
長孔7は、ガラスの変形切断等に一般的に用いられているウォータージェット切断装置や、ダイヤモンド電着工具類と電動工具(リューター等)とを用いた装置により設けることができる。このウォータージェット切断装置は、アブレーシブ(研磨材)と混合された超高圧水をノズルヘッドから高圧噴射してガラスを切断するものであり、これによって所定の長孔形状に板ガラスをくり抜くことができる。また長孔7の加工は第1板ガラス3が強化熱処理される前の段階で行い、その後強化熱処理(加熱及び急冷)により第1板ガラス3を強化ガラス化する。
なお、長孔7の輪郭形状において、凹部分の最小半径r(図3参照)は当該長孔7が設けられている強化ガラス(第1板ガラス3)の厚みの1/2以上とするのが好ましい。例えば、4mm厚の強化ガラスであれば、凹部分の最小半径rは2mm以上とするのが好ましい。この最小半径rが強化ガラス厚みの1/2未満であると、加熱時や急冷時に破損が生じやすくなるからである。よって、長孔7の幅の好ましい範囲としては、上記最小半径rの2倍以上、すなわち、長孔7が設けられている強化ガラスの厚み以上とするのが好ましい。例えば4mm厚の強化ガラスであれば長孔7の幅は4mm以上とするのが好ましい。また長孔7の幅が強化ガラスの厚み以上であれば、検知領域部9の伸長を許容するためのスペースは十分に確保されるから、長孔7の幅を必要以上に大きくする必要はない。
第1板ガラス3の全面に割れが波及して検知領域部9が割れると、検知領域部9は割れ(亀裂)によって複数個の破片に分割(細片化)される。すると検知領域部9は、割れ(亀裂)の幅、すなわち破断面間隔の総和分だけ伸長する(伸びる)こととなる。検知領域部9は、略コの字型の長孔7によって確保された隙間によって、長孔7の3つの長孔幅方向(及びそれら3方向を合成した各方向)への伸長が許容されている。
すなわち検知領域部9は、検知領域部9の突出方向である第1方向K1と、この第1方向K1と直交する方向である第2方向K2と、この第2方向K2と逆向きの方向である第3方向K3の少なくとも3方向に伸長することができる。第1方向K1、第2方向K2は第3方向K3はいずれも長孔幅方向であって、且つ長孔幅を狭くする方向である。よって、検知領域部9の割れ(亀裂)により生じた各破片間の距離(破断面間隔)が大きくなり、割れ発生時における対の電極部11a,11b間の抵抗値を高くすることができる。したがって、割れ検出精度を高めることができる。
図18に示す抵抗検出器2は、対の電極部11a,11bの抵抗(すなわち検知導電体8の抵抗)R1(図3参照)の変化を検出するものであり、この板ガラス1側の抵抗R1を含めて構成されるブリッジ回路を有している。このブリッジ回路を構成する抵抗としては、検出器2内に抵抗R2,R3,R4を備えており、板ガラス1が割れていないとき(例えばR1=20Ω程度のとき)は、R1―R2間の電位V2と、R3−R4間の電位V1が等しくなるように、各抵抗R2,R3,R4の値が設定されている。このとき、V1,V2を入力とする差動アンプ25の出力(警報出力信号)は小さく(=0)なる。
一方、板ガラス1が割れて検知領域部9が割れ、抵抗値R1が増大すると、V1とV2の差が大きくなり、ブリッジの平衡が失われ、差動アンプ25のC−D間の出力が大きくなる。差動アンプ25の出力は、図示しない警報機等に与えられ、ガラス割れに対する警報を、屋内、屋外、又は警備会社等へ発することができる。したがって、このシステムによれば、建物への侵入者又は災害によるガラス破損に対する確実で高精度な警報が得られる。
また、抵抗検出器2には、抵抗検出器2により検出されたガラス割れに関する情報(例えば、割れによる抵抗増加や、割れが生じていないことによる抵抗の不変化、あるいは抵抗値R1そのものなど)をシステム外部に送信する送信部(図示省略)が設けられている。抵抗検出器2及び送信部を設けることにより、割れ検出精度の高いガラス割れ検出システムを構築することができる。
また、このガラス割れ検出システムにより得られたガラス割れに関する情報を前記送信部から警備会社のセキュリティシステムへと送信する警備方法によれば、上記ガラス割れ検出システムを用いてガラス割れに対してより確実に対処可能な警備方法とすることができる。なお、送信部により送信されるシステム外部としては、警備会社のセキュリティシステムの他、例えばガラスの設置された建築物の屋内や屋外に設置された警報器、携帯電話等の携帯端末、等が挙げられる。送信部から割れ検出システム外部への情報伝達手段としては、有線又は無線の通信回線等を用いることが出来る。
なお、抵抗R1の変化を検出する方式は、上述のものに限らず、抵抗の変化を検出するものであれば、他の方式も採用可能である。
また、ブリッジ回路に与えられる電圧Vccとしては、DC3〜24V程度が好ましい。抵抗検出器2の電源としては、停電にも対応できるように蓄電池を用いても良い。また、抵抗検出器2は、小型にできるため、窓や戸の枠に内蔵させてもよいし、ガラス面上に配置するなど外部に露出させてもよい。
また送信部は、抵抗検出器2によって検出された抵抗値から得られたガラス割れに関する情報をシステム外部に送信できるものであればいかなるものでもよく、例えば前記抵抗R1の抵抗値がガラス割れにより増大したときのみシステム外部に信号(異常信号)を発するものでもよく、ガラス割れによる抵抗値増大の有無を常時あるいは定期的にシステム外部に発信するものでもよい。あるいは、抵抗R1の抵抗値そのものを常時あるいは定期的にシステム外部に発信するものであってもよい。
図5は、第2実施形態の板ガラス50におけるコーナー部近傍の拡大図である。この実施形態では、図3の第1実施形態と比較して長孔7及び検知領域部9(検知導電体8)の形状が異なる。板ガラス50では、長孔7が円周に沿った形状で半周以上に亘って設けられている。その結果突出状部分tは、長孔7の両端部部分においてくびれた形状を呈している。すなわち突出状部分tは、検知導電体8の最大幅よりも小さい幅のくびれ部13を有している。検知領域部9及び検知導電体8は突出状部分tの先端側部分(図5の二点鎖線ハッチング部分)に設けられている。
この板ガラス50の検知領域部9は平面視で略円形とされているから、検知領域部9の略円形形状の径方向(図5における3方向K1,K2,K3を含む多方向)に伸長することができ、破断面間隔を大きくすることができる。さらに、くびれ部13は比較的幅狭とされているので、割れ発生時にくびれ部13で完全な破断が生じ突出状部分tが第1板ガラス3から分離しやすくなっている。突出状部分tが第1板ガラス3から分離すると、対の電極部11a,11b間の抵抗値はより一層高くなる。よって、くびれ部13は割れ検知精度の一層の向上に寄与する。
図7、図8及び図9は、長孔7の形状及び検知領域部9の形状が異なる変形例である。図7の変形例では、長孔7は、略直交して2方向へ延びる二つの直線部c3からなる略L字形状に形成されており、コーナー部近傍において、各直線部c3を基板の辺20,21に沿わせて配置されている。長孔7が略L字型とされた結果、略三角形状の突出状部分tが形成されている。またこの長孔7は、突出状部分tが第1板ガラス3の辺20と辺21とが交わるコーナー部に向けて突出するように設けられている。検知領域部9は、長孔7の幅が狭まる方向である2方向に伸長することができる。すなわち、割れ発生時には、検知領域部9が第1方向K1とこの第1方向K1と直交する第2方向K2の両方に伸長することができるので極めて細片化し易く、破断面間隔が大きくなる。そのため、割れ発生時における対の電極部11a,11b間の抵抗値の増加率が高くなる。
また、図7の変形例では、対の電極部11a,11b間の電流が検知導電体8以外の部分に流れないように規制するための除去部10として、対の電極部11a,11bから第1板ガラス3内方への迂回電流を規制するための内側除去部10aと、対の電極部11a,11bから第1板ガラス3外方への迂回電流を規制するための外側除去部10bに加え、検知導電体8内部における電流経路を検知領域部9の縁部に集中させるための内部除去部10eとを有している。本実施形態では、内側除去部10aと長孔7とで検知導電体8の領域が区画されている。
また内部除去部10eにより、対の電極部11a,11b間の電流は検知導電体8内を迂回して検知領域部9の縁部寄りの経路m1(図7参照)を通りやすくなる。検知領域部9のなかでも縁部は特に強化度が高い。なぜなら第1板ガラス3は長孔7を設けた後に強化熱処理されたものであり、当該強化熱処理において検知領域部9はその側面(木口)からも加熱及び急冷されるからである。よって、検知領域部9のなかでも縁部は特に破断面間隔が大きくなりやすい部位である。従って、検知領域部9の縁部に電流を集中させることで割れ発生時における対の電極部11a,11b間の抵抗値を一層高めることができる。
図8の変形例は、図7の変形例において対の電極部11a,11bから第1板ガラス3内方への迂回電流を規制するための内側除去部10a(検知領域部9を除く)と、対の電極部11a,11bから第1板ガラス3外方への迂回電流を規制するための外側除去部10bとが、それぞれ第1板ガラス3の辺20あるいは辺21と平行状となるようにしたものである。
図9の変形例では、長孔7が2つ設けられている。具体的には、真っ直ぐに延びる2つの長孔7a,7bが互いに平行に設けられている。また、対の電極部11a,11bから第1板ガラス3内方への迂回電流を規制するための内側除去部10aは、第1の長孔7aの一端部と第2の長孔7bの一端部とを連結して設けられており、且つ、対の電極部11a,11bから第1板ガラス3外方への迂回電流を規制するための外側除去部10bは、第1の長孔7aの他端部と第2の長孔7bの他端部とを連結して設けられている。
そして、2つの長孔7a,7bと内側除去部10a,外側除去部10bとで、検知導電体8が区画されるととともに、対の電極部11a,11b間の電流経路を検知導電体8のみに規制している。対の電極部11a,11bは、両長孔7a,7bによって形成された検知領域部9の縁部に設けられている。この実施形態では、検知領域部9は、第1の長孔7aの幅を狭める方向である第1方向K1と、第2の長孔7bの幅を狭める方向である第2方向K2の2方向に伸長することができる。よって、割れ発生時における検知領域部9内の破断面間隔が大きくなり、対の電極部11a,11b間の抵抗値を高めることができる。
本発明において、長孔7の位置は特に限定されない。長孔7が設けられる基板は強化ガラス化されており、長孔7の位置に関わらず基板割れが検知領域部9に波及するからである。よって、長孔7の位置は、例えば図14(a),(b)に示すように基板3のコーナー部近傍でもよく、図14(c)に示すように基板3の辺縁部であってもよい。
ただし、基板3のなかでもコーナー部近傍及び辺縁部は、強化ガラス化のための熱処理工程で木口から加熱及び冷却を受けるので強化度が高くなり、基板割れの際に細かく破断しやすい。更に基板3のコーナー部近傍は、互いに隣接して交わる2辺の木口それぞれから加熱及び冷却を受けるので更に強化度が高くなる。基板3の強化度は割れ発生時の破片数(単位面積当たりの破片数)で判断することが出来るが、特に強化度の高い部分は、割れ発生時の破片数が50mm×50mmの正方形の面積当たり200個以上、更には300個以上とすることが可能である。よって、検知領域部9は、基板3の辺縁部に設けるのが好ましく、コーナー部近傍に設けるのが更に好ましい。また、辺縁部やコーナー部近傍は強化ガラス化のための熱処理工程においてより高温となる部位であるから、対の電極部11a,11bに導電性ペーストを用いた場合に当該導電性ペーストの融着がより一層確実となる。よって、検知領域部9を基板3の辺縁部やコーナー部近傍に設けることは、導電性ペーストの付着強度の高強度化や安定化にも寄与する。
なお、辺縁部の中でも特に強化度が高く細片化しやすい部分は、例えば厚さが3mm〜5mm程度の基板3であれば、辺縁からの幅が5cm以内の範囲であり、中でも特に強化度が高いのは辺縁からの幅が3cm以内の範囲である。よってこれらの辺縁部範囲に検知領域部9の少なくとも一部が配置されるのが好ましい。また、コーナー部近傍の中でも特に強化度が高く細片化しやすい部分は、例えば厚さが3mm〜5mm程度の基板3であれば、コーナー部からの距離(図14の直線Lc方向の距離)が7cm以内の範囲であり、中でも特に強化度が高いのは距離が6cm以内の範囲である。よって、これらのコーナー部近傍範囲に検知領域部9の少なくとも一部を配置するのが好ましい。ただし、長孔7を基板3の強化ガラス化前に設けた場合には、基板3の強化熱処理工程において、長孔7によって形成された検知領域部9の木口からも加熱及び冷却が行われる。よって、検知領域部9(長孔7)を辺縁部やコーナー部近傍に設けなくても検知領域部9の強化度は比較的高くなり、本発明の効果が十分に得られる。
また長孔7の配向(配置の向き)についても特に限定されない。例えば図14(b),(c)に示すように、長孔7の両端を結ぶ直線Ltが基板3の各辺と水平(あるいは垂直)となるように配置してもよく、図14(a)に示すように長孔7の両端を結ぶ直線Ltが矩形の基板3のコーナー部の2等分線Lcと略垂直となるように配置してもよい。さらに、長孔7が設けられた結果突出状部分tが形成される場合(例えば長孔7を略コの字型とした場合や略L字型とした場合)においては、当該突出状部分tの突出方向が基板3の内方(中央側)を向くようにしてもよく(図14(a)及び図14(c)参照)、当該突出状部分tの突出方向が基板3の外方(外周側)を向くようにしてもよい。ただし、突出状部分tの突出方向を基板3の内方(中央側)を向くようにすると、突出状部分tの根元側は基板3の外方(外縁側)に向くこととなり(図14(a)及び図14(c)参照)、比較的強化度の高い基板3の辺縁部又はコーナー部近傍からの比較的細かい割れが突出状部分t内にまで波及しやすくなるので好ましい。
上記実施形態では、強化ガラス化された基板を貫通する貫通孔として、丸孔でなく長孔を用いているが、貫通孔の形状は特に限定されず、例えば丸孔でもよい。ただし、周方向に均等な形状の丸孔でなく周方向に不均一な長孔とすることにより、割れ発生時に孔形状が変形しやすく、検知領域部の伸長の許容度合いは丸孔と比較して格段に向上する。この点についてより詳細に説明する。ここでは一例として、図16(a)のように直線状の2つの長孔7が略平行に設けられた場合(図8の実施形態と同様)と、図16(b)のように2つの丸孔7mが所定間隔をおいて設けられた場合との比較で考える。
強化ガラス基板3が割れると、亀裂が基板全面に波及することになり、亀裂の幅(破断面間隔)を確保すべく基板は面内方向に伸長しようとする。ここで、図16(b)に示す丸孔7mの場合、両丸孔7m間に位置する検知領域部9部分は両丸孔7mの中心側(内側)に向かって伸長しようとする。しかし、丸孔7mは周方向に均等で外部応力に対して変形しにくい安定形状であり、しかも、丸孔7mの中心側に向かう応力を円弧状(アーチ状)の形状により支持分散しやすいから、縮径するように変形するのは困難である。更に、亀裂は検知領域部9部分のみならず基板全体に生じるから、丸孔7mの全周囲に亀裂が波及する。そうすると、丸孔7mはその全周から縮径方向に応力を受ける。しかし丸孔7mは周方向に均等な形状であるから、縮径方向の応力(図16(b)の丸孔7m内に矢印で表示)も周方向で略均等となる。よって丸孔7mは割れ発生時においてもそれほど変形せず、割れによる検知領域部9の伸長も少ない。このように、丸孔7mは周方向に均等で安定した形状であるがゆえに、割れ発生時における孔形状の変形が長孔に比して少なくなる。
これに対して長孔7の場合は周方向に不均一であり、長孔幅方向であって且つ当該幅を狭くする方向の応力に対しては、丸孔7mと比較して格段に容易に変形する。また、長孔7の長手方向に平行な両縁部は真っ直ぐに延びているので、長孔幅方向の応力を支持分散する円弧状(アーチ状)部分がなく、当該両縁部に作用する長孔幅方向の応力に対して容易に変形しやすい。よって、図16(a)の実施形態において、検知領域部9は、第1の長孔71の幅を狭める方向K1と、第2の長孔72の幅を狭める方向K2とに伸長する。図16(a)では、検知領域部9の伸長後の輪郭線を破線で示している。これにより、検知領域部9内部における破断面間隔は上記丸孔7mの場合と比べて格段に広くなるので、割れ発生時における検知導電体8の抵抗増加は丸孔7mの場合よりも格段に大きくなる。
なお、図16(a)の実施形態は、第1の長孔71と第2の長孔72とが不連続である(分離している)。つまり、互いに異なる位置又は方向に延設された長孔各部分が分離している。これに対して、図3の実施形態のような略コの字型の長孔7や、図7に示す略L字型の長孔7のように、互いに異なる位置又は方向に延設された長孔各部分(あるいは、互いの長手方向が交差する長孔各部分)が連続していると、割れ発生時における検知領域部9の伸長の自由度(伸長方向)が更に増加するので好ましい。
例えば、図7に示す略L字型の長孔7では、第1板ガラス3の辺20と平行な(縦方向の)長孔部分7Tと、同辺21と平行な(横方向の)長孔部分7Sとが連続しているので、検知領域部9は、長孔各部7T,7Sの幅方向(幅を狭める方向)K1,K2の他、これら第1方向K1と第2方向K2とを合成した方向G1にも伸長することができる(図17参照)。
同様に、図3に示す略コの字型の長孔7では、互いに異なる位置又は方向に延設された長孔の3部分73,74,75が全て連続しているので、検知領域部9は、前記第1方向K1と第2方向K2とを合成した方向G1や、第1方向K1と第3方向K3とを合成した方向G2にも伸長することができる(図3参照)。また図5の第2実施形態では、長孔7が略円形に沿って延設されているので、長孔7の幅が狭くなる方向は無数に存在する。したがって、検知導電体8は無数の方向に放射状に伸長することができる。以上のように、互いに異なる位置又は方向に延設された長孔各部分が連続していると、割れ発生時における検知導電体8の抵抗増加が極めて大きくなる。
以上の実施形態では、検知領域部9の表面に設けられた検知導電体8は金属薄膜としたが、検知導電体8を硬化した導電性ペーストとしてもよい。検知導電体8を金属薄膜とした場合、当該検知導電体8を透明とすることができ美観上有利であるが、その一方で金属薄膜の場合は通常第1板ガラス3の全面に設けることとなるので、対の電極部間の電流経路を検知導電体8のみに規制するためには上述したように除去部10を設ける必要が生じる。しかし導電性ペーストを局所的に(検知領域部9の表面だけに)塗布して検知導電体8を形成すれば、除去部10を設けるための加工は不要となる。つまり、導電性ペーストを局所的に塗布するだけで対の電極部間の電流経路を検知導電体8のみに規制することができる。また導電性ペーストを用いると、金属薄膜の場合よりも低コストとなる。
なお、検知導電体8として導電性ペーストを用いる場合、この検知導電体8は導電性ペーストの表面を削り取って膜厚を薄くすることにより形成された0.1μm以上5μm未満の薄膜領域を有し、この薄膜領域は対の電極部11a,11b間に設けられるとともに検知領域部9を横断して設けられている構成とするのが好ましい。導電性ペーストの膜厚を5μm未満(より好ましくは3μm以下)とすることにより、検知領域部が割れた際における検知導電体(硬化した導電性ペースト)の破断がより一層確実となる。また、導電性ペーストをスクリーン印刷等の手法で印刷した場合その膜厚は5μm以上となるが、導電性ペーストの表面を削り取ることにより膜厚を容易に5μm未満とすることができる。また、上記構成により対の電極部間の電流は必ず薄膜領域を通過することとなるので、割れ検出の精度が一層高まる。
検知導電体8を導電性ペーストとする場合、スクリーン印刷法等により第1板ガラス3の突出状部分tに塗布することができる。この導電性ペーストは、基板3を強化ガラス化するための熱処理の前に塗布される。つまりこの場合、基板3の熱処理前に、先ず検知導電体8を構成する導電性ペーストが塗布され、次いで対の電極部11a,11bを構成する導電性ペーストが塗布される。その後、基板3を加熱及び急冷することにより、基板3は強化ガラス化される。この強化ガラス化における加熱工程により、検知導電体8を構成する導電性ペーストが基板3に対して焼付融着され、さらに対の電極部11a,11bを構成する導電性ペーストが第1板ガラス3の木口及び検知導電体8の表面に焼付融着される。よって検知導電体8や対の電極部11a,11bは極めて強固に設置され、長期間に亘って安定的な導通を維持することができる。
なお、検知導電体8を構成する導電性ペースト表面の表面研削は、酸化セリウム粉末(一般にセリコとも称される)と水とを混ぜた研磨材を用い、この研磨材をフェルトバフにしみ込ませた上で、回転式又は往復式のフェルトバフ装置を用いて行うことができる。また、対の電極部11a,11b間の抵抗値を測定しながら表面研削をおこなうと膜厚を正確に制御できるので好ましい。また、導電性ペーストとしては、銀粉末とホウ珪酸(鉛)ガラスの粉末とを粘結用オイルでペースト状としたもの(例えばデュポン株式会社が製造販売している銀ペースト)が好適に用いられる。この場合ホウ珪酸(鉛)ガラスが基板と融着するので、基板と検知導電体8との一体性を高めることができ、検知領域部9の割れによって検知導電体8が破断しやすくなる。
検知導電体8として導電性ペーストを用いた場合を図10〜図13に例示して説明する。これら図10〜図13に例示したものは、長孔7が略L字型とされ、略三角形状の突出状部分tが形成された図7に示す変形例において、除去部10を形成せず、検知領域部9に金属薄膜の代わりに導電性ペーストが塗布されたものである。図10に示す例は検知電導体8を構成する導電性ペースト81が、突出状部分tの縁に沿って、両電極部11a,11b間に渡って線状に塗布されたものであり、図11に示す例は、検知導電体8としての導電性ペースト81が、長孔7の端縁を結ぶ線sと突出状部分tの縁近傍を行き来しながらつづら折り状に折れ曲がるようにして線状に塗布されたものである。これらのように導電性ペースト81を線状に塗布する場合、スクリーン印刷等の手法で印刷すればよい。
図12に示す例は、検知導電体8を構成する導電性ペースト81が、両電極部11a,11b間に渡って突出状部分tの先端部近傍にベタ塗りされたものであり、図13に示す例は、検知導電体8を構成する導電性ペースト81が、網目状に塗布されたものである。編目状に塗布した場合、ベタ塗りと比べて導電性ペーストの使用量が少なくなりコストを低減することができる。また網目状とすることで多数の通電経路が形成され、仮に局所的に研磨量過多となり通電経路のうち1本又は複数本が研磨過多状態あるいは断線状態となっても、他の通電経路により抵抗値が補償される。その結果、研磨量と抵抗値との関係はベタ塗りの場合とほぼ同じとなり、表面研削による抵抗値の調節が容易となる。更に、網目状とするとベタ塗りよりも基板割れに追従して破断しやすくなる。
なお、網目状の導電性ペーストで検知導電体8を形成する場合、網目の細かさとしては10メッシュ〜25メッシュが好ましく、20メッシュ程度とするのが特に好ましい。メッシュが粗すぎると、対の電極部11a,11b間における通電経路の数が少なくなり、研削量に対する対の電極部間の抵抗値変化が大きくなりやすいからであり、メッシュが細かすぎると、導電性ペーストの削減効果が減少する傾向となるからである。なお、「メッシュ」とは、網目の大きさを表す単位で、25.4mm間にある目数を示す。また、網目を構成する線の幅は、0.5mm以上1.0mm以下が好ましい。幅が狭すぎると、研磨により断線する網目線が生じやすくなって研磨による抵抗値の調整がしにくい場合があるからであり、幅が広すぎると、導電性ペーストの削減効果が減少する傾向となるからである。
検知領域部9をガラス面の外側に向かって付勢する付勢部材を設けても良い。例えば図15に示すように、中間膜貫通孔5aの内部に、検知領域部9をその内側(導電薄膜6設置面側)から外側に向かって付勢する板ばね19を設けても良い。板ばね19の付勢力は、基板割れが生じて検知領域部9に亀裂が入った際にのみ検知領域部9を変形あるいは飛散させる程度に設定しておく。板ばね19により、基板割れ時における検知領域部9内の破断面間隔を大きくでき、対の電極部間の抵抗を更に大きくできる。ただし、後述の試験結果で示すように、本発明では板ばね19を設けなくても十分な抵抗増加が得られる。
検知領域部9の強化度は、割れ発生時における検知領域部9内の破片数(亀裂により区画された細片の数)が、1平方センチメートル当たりの平均値で5個以上であるのが好ましく、10個以上であるのがより好ましく、12個以上であるのが更に好ましい。単位面積当たりの破片数が多くなるほど検知導電体8の抵抗増加が大きくなるからである。
検知領域部9の突出方向長さa1(図3及び図7参照)は10mm以上が好ましく、12mm以上がより好ましい。長さa1が短すぎると検知導電体8の面積が狭くなりすぎて、割れ発生前における対の電極部11a,11b間の抵抗値を十分に小さくできない場合がある。また長さa1を過度に長くすると長孔加工が面倒となったり、長孔の配置が制約されたりするので、長さa1は18mm以下程度とするのが適当である。
なお、割れ発生前における対の電極部11a,11b間の抵抗値(以下、初期抵抗値ともいう)は30Ω以下が好ましい。30Ω以下とすることにより割れ発生時における抵抗値との差が大きくなり割れ検知精度を高めることができる。初期抵抗値は低いほど良いが、上記各実施形態の仕様では、初期抵抗値20〜30Ω程度が可能である。
また検知領域部9の幅b1,b2(図3,図7及び図9参照)は12mm以上が好ましく、18mm以上がより好ましい。幅b1,b2が小さすぎると、対の電極部11a,11b間の距離を確保しにくくなり、割れ発生時における対の電極部11a,11b間の破片数が少なくなる。そうすると、割れ発生時における対の電極部11a,11b間の抵抗を十分に高くできない恐れがある。また幅b1,b2が大きすぎると長孔加工が面倒となったり、長孔の配置が制約されたりするので、30mm以下程度とするのが適当である。
〔実施例による本発明の効果の検証〕
実施例1〜4で本発明の効果を検証した。すなわち、各実施例において割れ発生前と発生後で対の電極部間の抵抗値を比較した。
〔実施例1〕
上述した第1実施形態(図1〜図4で示す実施形態)と同様の仕様とした。この字型の長孔7により形成される検知領域部9の突出方向長さa1(図3参照)は10mmとし、検知領域部9の幅b1は19mmとした。第1板ガラス3の厚みは3.9mmとし、長孔7の幅は4mmとした。また吸湿性部材17としては、内径3mmで外径4.3mmのガラス繊維スリーブ15内にシリカゲルを充填したものを採用した。また長孔7の外面側開口部7kは、第1板ガラス3の厚みの約1/4の厚みのシリコンシーラントからなるシール材18で封止した。導電薄膜6はオンラインCVD法によりSnOをコーティングして形成し、その厚さは約0.3μmとした。長孔7の位置は第1板ガラス3のコーナー部近傍とし、最寄りのコーナーから検知領域部9までの最短距離は43mmとした。
この実施例1において、検知領域部9から離れた所定位置で第1板ガラス3に打撃を加えて第1板ガラス3を割り、当該割れ前と割れ後の対の電極部11a,11b間の抵抗値を測定した。その結果、割れ前の抵抗値は20Ωであり、割れ後の抵抗値は約20MΩとなった。つまり、基板割れによる対の電極部11a,11b間の抵抗増加は約100万倍に達した。また、検知領域部9内の破片数は25個であった。
〔実施例2〕
図7で示す変形例と同様の仕様とした。L字型の長孔7により形成される検知領域部9の突出方向長さa1(図7参照)は16mmとし、検知領域部9の幅b1は28mmとした。長孔7の位置は第1板ガラス3のコーナー部近傍とし、最寄りのコーナーから検知領域部9までの最短距離は41mmとした。その他の仕様は実施例1と同様とした。
そして、実施例1と同じ位置に打撃を加えて第1板ガラス3を割り、当該割れ前と割れ後の対の電極部11a,11b間の抵抗値を測定した。その結果、割れ前の抵抗値は35Ωであり、割れ後の抵抗値は35MΩ以上となった。つまり、基板割れによる対の電極部11a,11b間の抵抗増加は少なくとも100万倍に達した。なお、検知領域部9内の破片数は25個であった。
〔実施例3〕
図9で示す変形例と同様の仕様とした。互いに平行な2本の長孔7a,7bにより形成される検知領域部9の長孔長手方向長さ(内側除去部10aと外側除去部10bとの間隔)a2(図9参照)は12mmとし、検知領域部9の幅(2本の長孔7a,7b間の間隔)b2は20mmとした。長孔7a,7bの位置は第1板ガラス3のコーナー部近傍とし、最寄りのコーナーから検知領域部9までの最短距離は42mmとした。その他の仕様は実施例1と同様とした。
そして、実施例1と同じ位置に打撃を加えて第1板ガラス3を割り、当該割れ前と割れ後の対の電極部11a,11b間の抵抗値を測定した。その結果、割れ前の抵抗値は20Ωであり、割れ後の抵抗値は225〜250Ωとなった。つまり、基板割れによる対の電極部11a,11b間の抵抗増加は10倍以上であった。これは、上述した抵抗検出器2によって精度よく検知することが可能なレベルの抵抗増加である。なお、検知領域部9内の破片数は25個であった。
〔実施例4〕
図9で示す変形例の両長孔7a,7bを直径8mmの丸孔に置換し、図16(b)のように丸孔7mを配置した。対の電極部11a,11bは図9の変形例と同様、検知領域部9内のみに配置した。内側除去部10aと外側除去部10bとの間隔a3(図16(b)参照)は8mmとし、検知領域部9の幅(2つの丸孔の最短間隔)b3は20mmとした。2つの丸孔の位置は第1板ガラス3のコーナー部近傍とし、最寄りのコーナーから検知領域部9までの最短距離は44mmとした。その他の仕様は実施例1と同様とした。
そして、実施例1と同じ位置に打撃を加えて第1板ガラス3を割り、当該割れ前と割れ後の対の電極部11a,11b間の抵抗値を測定した。その結果、割れ前の抵抗値は20Ωであり、割れ後の抵抗値は25Ω程度であった。このように、基板割れによる対の電極部11a,11b間の抵抗増加は実施例1〜3と比較するとかなり少なかった。なお、検知領域部9内の破片数は18個であった。
〔実施例5〕
図10で示す変形例と同様の仕様とした。導電性ペースト81以外の部分の仕様は実施例2と同様とした。
そして、実施例1と同じ位置に打撃を加えて第1板ガラス3を割り、当該割れ前と割れ後の対の電極部11a,11b間の抵抗値を測定した。その結果、割れ前の抵抗値は約1Ωであり、割れ後の抵抗値は約3kΩ以上となった。このように、基板割れによる対の電極部11a,11b間の抵抗は格段に増加した。なお、検知領域部9内の破片数は25個であった。
上記の各実施形態、変形例の割れ検出可能な板ガラスは、割れの検出精度を高めることができるのは勿論、半永久的に安定したセンサの精度が得られ、広範囲の周囲温度(例えば、−30℃〜85℃)にわたってセンサの精度が安定している。また、激しい振動ではセンサが作動せず、音波方式、振動方式の割れ検出可能な板ガラスとは全く異なる。例えば、防犯面では、こじ破り、打ち破り、焼き破り、焼き突き破り、電動工具による破壊、特殊ハンマーによる破壊、ポンチによる破壊、防災面では、台風飛来物の衝突、地震、土砂崩れによる土砂の衝突、高潮の直撃等により、強化ガラスが割れたときにセンサが作動する。また、建物の壁を打ち壊す窃盗団対策用として、壁の内側に上記板ガラスを設置しておき、壊されたときに警報が鳴るようにすることもできる。
なお、上記各実施形態では板ガラス1を合わせガラスとしたが、本発明は合わせガラスに限られず、単層ガラスや複層ガラス等にも好適に応用することができる。複層ガラスに応用する場合の好適な実施例は、例えば上記各実施例において中間膜5が無く、当該中間膜5の部分が空間となった形態である。また単層ガラスの場合、導電薄膜6上に割れ破片の飛散を防止するためのフィルムを貼り付けても良い。フィルムを導電薄膜上に貼り付けることで導電薄膜6を保護できる。但し、検知領域部には上記フィルムを貼らないことが好ましい。その理由は、検知領域部に当該フィルムが貼られていると、割れが検知領域部に波及しても、当該フィルムによって検知領域部が拘束され、破断面間隔が十分に広がらないおそれがあるためである。この場合、フィルムを貼着する前又は後に、検知領域部に合わせて当該フィルムの一部分を切り取ればよい。
また、本発明の板ガラス1を実際に使用する場合、検知領域部9や貫通孔7を、室内側からはカバー部材100で覆い(図19(a)参照)、室外側からは警備会社等のステッカー110を貼り付けて覆えばよい(図19(b)参照)。また、抵抗検出器2や抵抗の変化等を外部に送信する送信部を上記カバー部材100に内蔵してもよい(図19(a)参照)。
第1実施形態に係る板ガラスの正面図である。 第1実施形態に係る板ガラスの側面図である。 図1のコーナー部近傍における拡大図である。 図3のB−B線における断面図である。 第2実施形態の板ガラスにおけるコーナー部近傍の拡大図である。 (a)は、第一実施形態の中間膜の平面図であり、(b)及び(c)は中間膜の変形例である。 変形例の板ガラスのコーナー部近傍の拡大図である。 変形例の板ガラスのコーナー部近傍の拡大図である。 変形例の板ガラスのコーナー部近傍の拡大図である。 導電性ペーストを用いた変形例の板ガラスのコーナー部近傍の拡大図である。 導電性ペーストを用いた変形例の板ガラスのコーナー部近傍の拡大図である。 導電性ペーストを用いた変形例の板ガラスのコーナー部近傍の拡大図である。 導電性ペーストを用いた変形例の板ガラスのコーナー部近傍の拡大図である。 長孔の配置について説明するための図である。 板ばねを用いた変形例の断面図である。 基板割れ時における検知領域部の伸長に関し、長孔の場合と丸孔の場合とで比較説明するための図である。 基板割れ時における検知領域部の伸長に関し、L字形状の長孔の場合を説明するための図である。 抵抗検出器の回路の概略図である。 (a)は本発明に係る板ガラスの一使用状態を示す室内側から見た要部斜視図であり、(b)は室外側から見た要部斜視図である。
符号の説明
1 板ガラス
2 抵抗検出器
3 第1板ガラス
4 第2板ガラス
5 中間膜
6 導電薄膜
7 長孔(貫通孔)
7m 丸孔(貫通孔)
8 検知導電体
9 検知領域部
11a,11b 対の電極部
50 板ガラス

Claims (14)

  1. 強化ガラス製の基板と、前記基板表面の一部に設けられた検知導電体と、前記基板の一部であって前記検知導電体の配置領域である検知領域部と、前記検知領域部の周辺に形成され前記基板を貫通する貫通孔と、前記貫通孔により形成された前記検知領域部の縁部に設けられた対の電極部とを備え、前記貫通孔は長孔とされるとともに前記長孔を屈曲又は湾曲させることにより前記検知領域部が前記基板の面内方向において突出状に形成され、かつ前記検知領域部の割れ発生時における少なくとも2方向の長孔幅方向への細片化した前記検知領域部の伸長を許容するように設けられていることを特徴とする割れ検出可能な板ガラス。
  2. 前記対の電極部間の電流が前記検知領域部以外の部分に流れることを規制していることを特徴とする請求項1記載の板ガラス。
  3. 前記長孔は、略直交して2方向へ延びる二つの直線部からなるL字形状に形成されている請求項1又は2記載の板ガラス。
  4. 前記基板が方形状に形成され、前記L字形状に形成された長孔は、前記基板のコーナー部近傍において前記各直線部を当該基板の辺縁部に沿わせて配置されている請求項3に記載の板ガラス。
  5. 前記長孔は、第1直線部と、この第1直線部の両端部から当該第1直線部と略直交して同方向に延びる対の第2直線部とからなるコ字形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の割れ検出可能な板ガラス。
  6. 前記基板が方形状に形成され、前記コ字形状に形成された長孔は、前記基板のコーナー部近傍において前記第1直線部を前記基板の辺縁部に対して略45°の角度で傾斜させて配置されている請求項5に記載の板ガラス。
  7. 前記電極部が、前記貫通孔の縁部に沿って前記検知領域部内から検知領域部外まで連続して設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の板ガラス。
  8. 強化ガラス製の前記基板よりなる第1板ガラスと、所定間隔をもって前記第1板ガラスと対向して配置された第2板ガラスと、前記第1板ガラスと前記第2板ガラスとの間に設けられた中間膜とを備えて合わせガラスとして構成された板ガラスであって、
    前記検知領域部及び前記貫通孔の設置領域は、前記中間膜が存在しないか前記中間膜よりも少ない拘束力で前記第1板ガラスを拘束する拘束力変化部とされていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の板ガラス。
  9. 前記検知導電体は硬化した導電性ペーストであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の板ガラス。
  10. 前記導電ペーストは、前記検知領域部において線状又は編目状に設けられている請求項9に記載の板ガラス。
  11. 強化ガラス製の基板に設けられた対の電極部間の検知導電体の抵抗が前記基板の割れによって変化する割れ検出可能な板ガラスであって、
    前記基板を貫通する貫通孔を備えており、
    前記基板の割れによって、前記基板における前記貫通孔周辺の各破片が、前記貫通孔に向かって変位することで、前記貫通孔周辺に設けられた前記検知導電体を破断させて前記検知導電体の抵抗値を増大させるよう構成されている
    ことを特徴とする板ガラス。
  12. 強化ガラス製の基板に設けられた対の電極部間の検知導電体の抵抗が前記基板の割れによって変化する割れ検出可能な板ガラスであって、
    前記基板を貫通する貫通孔を備えており、
    前記基板の割れによって、前記基板における前記貫通孔周辺の各破片が、前記貫通孔に向かって変位することで、前記貫通孔の縁部に設けられた前記検知導電体を破断させて前記検知導電体の抵抗値を増大させるよう構成されている
    ことを特徴とする板ガラス。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の板ガラスと、
    前記対の電極部間の抵抗値の増大を検出する抵抗検出器と、
    前記抵抗検出器により検出されたガラス割れに関する情報をシステム外部に送信する送信部とを備えたことを特徴とするガラス割れ検出システム。
  14. 請求項13に記載のガラス割れ検出システムにより得られた前記ガラス割れに関する情報を前記送信部から警備会社のセキュリティシステムへと送信することを特徴とする警備方法。
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