JP2006126903A - 圧電・焦電素子を備えた透光板及びこれを用いた建築物・構造物・乗物 - Google Patents

圧電・焦電素子を備えた透光板及びこれを用いた建築物・構造物・乗物 Download PDF

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秀和 児玉
Kazunori Kimura
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Abstract

【課題】 ガラス板などの透光板に対する衝撃や加熱を確実に検知することができる圧電・焦電素子を備えた透光板を提供する。
【解決手段】 一対の電極2,3を設けた圧電性及び/又は焦電性を有する圧電・焦電素子1を、透明なガラス板4に固定し、電極2に信号処理回路11を接続した。ガラス板4に与えられた衝撃や熱に起因する振動や熱膨張に伴う歪によって、圧電・焦電素子1の電気的応答が電極2を介して信号処理回路11に入力される。次いで、信号処理回路11に接続された出力回路12より、音、光や電磁波などによる報知信号が出力される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、圧電・焦電素子を備えた透光板及びこれを用いた建築物・構造物・乗物に関する。
住居、オフィスや店舗などの建築物、電車、自動車や航空機などの乗物には、採光のために透光性のある窓が設けられ、その窓には一般にガラス板が用いられている。そして、ガラス板が犯罪や事故などにより衝撃を受けたり、破壊されたりしたことを検知する方法の提案が要望されている。
そこで、ガラス板に衝撃が加えられたことやガラス板が破壊されたことを検知するセンサとしては、圧電素子をハウジングに内蔵し、このハウジングをガラス板に取り付け、ガラス板に対する衝撃力を圧電素子により電圧に変換し、所定の衝撃よりも大きい場合にブザーを駆動させるガラス破壊センサが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−5057号公報
しかし、特許文献1に記載のガラス破壊センサにおいては、圧電素子を内蔵したハウジングをガラス板の一部に取り付けるため、衝撃によって生じたガラス板の振動がハウジングによって減衰され、ガラス板に対する衝撃を検知することができない場合があるという問題がある。また、防犯という面では、センサの取り付け位置が外部から容易に知られるだけでなく、センサを作動させずにガラス板が破られる可能性があるという問題がある。
本発明は、従来の技術が有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、透光板に対する衝撃や加熱を確実に検知することができる圧電・焦電素子を備えた透光板及びこれを用いた建築物・構造物・乗物を提供しようとするものである。
上記課題を解決すべく請求項1に係る発明は、一対の電極を設けた圧電性及び/又は焦電性を有する素子を、透光板に固定したものである。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記素子が、前記透光板の全面に接着されたものである。
請求項3に係る発明は、請求項1記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記素子が、前記透光板の縁部の全面に接着されたものである。
請求項4に係る発明は、請求項1記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記素子が、縞状又は格子状に形成されて前記透光板に接着されたものである。
請求項5に係る発明は、請求項1記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記素子が、前記透光板の一部の面に接着されたものである。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記素子又は前記素子に設けた電極の外側に保護層を設けた。
請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記素子に衝撃による厚み方向の振動が付加されるよう質量体を設けた。
請求項8に係る発明は、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記素子が、圧電性高分子フィルム、ポリマーと圧電セラミックスまたは圧電単結晶のフィルム状コンポジット、板状の圧電セラミックスまたは圧電単結晶である。
請求項9に係る発明は、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記素子が、透光性または透明性を有するものである。
請求項10に係る発明は、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記透光板が、ガラス、ポリカーボネート、アクリルなどの透明板である。
請求項11に係る発明は、請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記電極が、透明性を有する導電性膜である。
請求項12に係る発明は、請求項11記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記電極に信号処理回路を接続し、前記透光板に与えられた衝撃や熱に起因する振動や熱膨張に伴う歪や熱の伝搬によって、前記素子の電気的応答が前記電極を介して前記信号処理回路に入力され、前記信号処理回路に接続された出力回路より音、光や電磁波などの信号を出力する。
請求項13に係る発明は、請求項12記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記信号処理回路が、前記透光板に与えられた衝撃や熱の大きさや形態を推定する。
請求項14に係る発明は、請求項12又は13記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記出力回路が、前記信号処理回路が推定した前記透光板に与えられた衝撃や熱の大きさや形態と、予め設定しておいた衝撃や熱の大きさや形態の設定値を比較して警報信号を出力する。
請求項15に係る発明は、請求項1乃至請求項14のいずれかに記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記素子が、前記透光板に接着剤やテープなどの接着手段で固定され、またはサッシや固定具などの圧着手段で圧着されるものである。
請求項16に係る発明は、請求項15記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記圧着手段を導電性の部材で形成して電気的に接地する。
請求項17に係る発明は、請求項1乃至請求項16のいずれかに記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記素子に設けた電極のうち、一方の電極を電気的に接地し、他方の電極を電気的にシールドする。
請求項18に係る発明は、請求項1乃至請求項17のいずれかに記載の圧電・焦電素子を備えた透光板が、住居・店舗やオフィスなどの建築物、ショーケースなどの構造物、自動車、電車、汽車、船舶、航空機およびその他の乗物に用いられた建築物・構造物・乗物である。
以上説明したように請求項1に係る発明によれば、圧電性及び/又は焦電性を有する素子が、透光板に加わる衝撃及び/又は熱を確実に検知することができる。
請求項2に係る発明によれば、圧電性及び/又は焦電性を有する素子が、透光板の全面に接着されるので、透光板の如何なる箇所に加わる衝撃及び/又は熱をも確実に検知することができる。
請求項3に係る発明によれば、圧電性及び/又は焦電性を有する素子が、透光板の縁部の全面に接着されるので、素子が透明でなくても目立つことがなく見栄えがいい。
請求項4に係る発明によれば、圧電性及び/又は焦電性を有する素子が、縞状又は格子状に形成されて透光板に接着されるので、ほぼ透光板の全面に前記素子を接着したのと同様の作用効果を得ることができる。
請求項5に係る発明によれば、圧電性及び/又は焦電性を有する素子が、透光板の一部の面に接着されるので、透光板の必要とされる箇所の衝撃及び/又は熱を確実に検知することができる。
請求項6に係る発明によれば、電極及び、圧電性及び/又は焦電性を有する素子を保護することができる。
請求項7に係る発明によれば、圧電性及び/又は焦電性を有する素子の厚み振動に起因する応答を得ることができる。
請求項8に係る発明によれば、圧電性及び/又は焦電性を有する素子を備えた透光板を見栄えよく作製することができる。
請求項9に係る発明によれば、圧電性及び/又は焦電性を有する素子を備えた透光板を、透光性または透明性を必要とする箇所に適用することができる。また、素子が透明性を有すれば、見栄えがよく、且つ外部から素子の存在を知られることがない。
請求項10に係る発明によれば、圧電性及び/又は焦電性を有する素子を備えた透光板を、建築物や乗物の窓、ショーウインドやショーケースなど透明性が必要な箇所に適用することができる。また、透光板が、ガラス、ポリカーボネート、アクリルなどの透明板で、前記素子が透明性を有すれば、見栄えがよく、且つ外部から素子の存在を知られることがない。
請求項11に係る発明によれば、圧電性及び/又は焦電性を有する素子を備えた透光板を、建築物や乗物の窓、ショーウインドやショーケースなど透明性が必要な箇所に適用することができる。また、透光板が、ガラス、ポリカーボネート、アクリルなどの透明板で、前記素子が透明性を有すれば、見栄えがよく、且つ外部から素子や電極の存在を知られることがない。
請求項12に係る発明によれば、圧電性及び/又は焦電性を有する素子を備えた透光板に対して衝撃及び/又は熱が加わったことを外部に報知することができる。
請求項13に係る発明によれば、圧電性及び/又は焦電性を有する素子を備えた透光板に加わった衝撃や熱の大きさや形態を知ることができる。
請求項14に係る発明によれば、圧電性及び/又は焦電性を有する素子を備えた透光板に対して衝撃及び/又は熱が加わったとしても、設定レベルよりも大きい場合にのみ外部に信号を出力することができる。
請求項15に係る発明によれば、圧電性及び/又は焦電性を有する素子を透光板に、容易に接着することできる。
請求項16に係る発明によれば、圧電性及び/又は焦電性を有する素子を備えた透光板のノイズ対策を施すことができる。
請求項17に係る発明によれば、圧電性及び/又は焦電性を有する素子を備えた透光板のノイズ対策を施すことができる。
請求項18に係る発明によれば、住居・店舗やオフィスなどの建築物、ショーケースなどの構造物、自動車、電車、汽車、船舶、航空機およびその他の乗物に適用され、圧電性及び/又は焦電性を有する素子を備えた透光板に、衝撃及び/又は熱が加わった場合には、それを外部に報知することができる。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。ここで、図1と図2は本発明に係る圧電・焦電素子を備えた透光板の第1実施形態の断面図、図3は同じく第1実施形態の正面図、図4は同じく第2実施形態の正面図、図5は同じく第3実施形態の正面図、図6は同じく第4実施形態の正面図、図7は同じく第5実施形態の正面図である。
本発明に係る圧電・焦電素子を備えた透光板の第1実施形態は、図1に示すように、圧電性及び/又は焦電性を有するフィルム状の素子1の両面に電極2,3を設け、透明なガラス板4に接着層5を介して電極(接地電極)2を設けた素子1の面を接着し、電極(信号取り出し用電極)3を設けた素子1の面に絶縁体6を介してシールド用接地電極7を設けている。更に、シールド用接地電極7には電極及び素子1を保護するための保護層8が設けられている。素子1はガラス板4のほぼ全面と接する大きさに形成されている。
以下において、圧電性及び/又は焦電性を有するフィルム状の素子1を、圧電・焦電素子という。
圧電・焦電素子1としては、ポリフッ化ビニリデンなどの高分子圧電フィルムが望ましいが、この他に圧電性を有するシート状又は板状部材であればよく、例えばシート状の圧電性コンポジット材、板状の圧電性セラミックスまたは圧電性単結晶が挙げられる。また、ファイバー状の圧電性セラミックスを、面を形成するように配列してもよい。また、透光板としての透明なガラス板4の代わりに、ポリカーボネートやアクリルなどの透明板でもよいし、透光性のあるプラスチックやセラミックでもよい。
圧電・焦電素子1の一面に設けた電極2は、接着剤やテープなどの接着層5(接着手段)でガラス板4に接着されているが、ガラス板4への電極2の固定方法としては、接着剤やテープなどの接着手段の他に、サッシや固定具などの圧着手段(不図示)で圧着してもよい。
また、図2(a)に示すように、保護層8に、更に保護層8を覆うような板状の質量体9を接着して設けることもできる。質量体9を保護層8に接着して設けることにより、圧電・焦電素子1の厚み振動に起因する応答も得ることができる。
更に、図2(b)に示すように、シールド用接地電極7の機能と保護層8の機能と質量体9の機能を併せ持つシールド用接地電極10を、シールド用接地電極7と保護層8と質量体9の代わりに、電極3を設けた圧電・焦電素子1の面に絶縁体6を介して設けることもできる。
図3に示すように、圧電・焦電素子1の両面に設けた電極2,3のうち一方の電極2は接地され、他方の電極3は信号処理回路11に接続されている。更に、信号処理回路11には出力回路12が接続されている。なお、図3において、信号取り出し用電極3、絶縁体6、シールド用接地電極7、保護層8などの記載は省略している。
信号処理回路11は、ガラス板4に与えられた衝撃や熱に起因する振動や熱膨張に伴う歪による圧電・焦電素子1の電気的応答を処理してガラス板4に与えられた衝撃や熱の大きさや形態を推定する。また、出力回路12は、信号処理回路11が推定したガラス板4に与えられた衝撃や熱の大きさや形態と、予め設定しておいた衝撃や熱の大きさや形態の設定値を比較して音、光や電磁波などで警報信号を出力する。
電極3と信号処理回路11との接続方法としては、圧電・焦電素子1を外部にまで延長して直接電極3と信号処理回路11を接続する方法、リード線を介して電極3と信号処理回路11を接続する方法などがある。この場合、信号処理回路7に接続された電極3及びリード線には、シールド処理を施すことが望ましい。
第1実施形態では、圧電・焦電素子1を1枚で形成しているが、2枚以上で形成してもよい。但し、夫々の出力信号の極性をそろえて圧電・焦電素子1を接続する必要がある。
このように、圧電・焦電素子1をガラス板4の全面に接着して圧電・焦電素子を備えたガラスを構成すれば、ガラス板4に対しての衝撃又は圧電・焦電素子1に対する直接の衝撃はもとより、ガラス板4を加熱した場合でも厚み方向に熱が伝搬するので、大きな出力信号を得ることができる。
また、透明度の高い圧電・焦電素子(例えば、ポリフッ化ビニリデンフィルム)1及び電極(例えば、ITO電極)2,3を使用すれば、ガラスとしての透明度の低下を少なくすることができる。
次に、本発明に係る圧電・焦電素子を備えた透光板の第2実施形態は、図4に示すように、圧電・焦電素子1を、ガラス板4の縁部の全面に接着するようにしている。その他の構成は、図1乃至図3に示す第1実施形態と同様である。
このように、圧電・焦電素子1をガラス板4の縁部の全面に接着すれば、圧電・焦電素子1をサッシなどで覆うことにより圧電・焦電素子1を外部から見えないようにすることができ、また圧電・焦電素子1を電気的に接地することによりシールド効果も得られる。
但し、ガラス板4への衝撃に対する応答(出力信号の大きさ及び感度)は、圧電・焦電素子1をガラス板4の全面に接着した第1実施形態とほぼ同等であるが、加熱に対する応答は、熱膨張による歪と面方向の熱伝搬に依存するため、第1実施形態と比べて応答は鈍い。
次に、本発明に係る圧電・焦電素子を備えた透光板の第3実施形態は、図5に示すように、圧電・焦電素子1を、ガラス板4の一部に接着するようにしている。その他の構成は、図1乃至図3に示す第1実施形態と同様である。
このように、圧電・焦電素子1をガラス板4の一部に接着すれば、圧電・焦電素子1は小さくてよい。ガラス板4への衝撃に対する応答は、圧電・焦電素子1をガラス板4の全面に接着した第1実施形態及び圧電・焦電素子1をガラス板4の縁部の全面に接着した第2実施形態とほぼ同等である。
また、加熱に対する応答は、圧電・焦電素子1近傍の加熱に対しては、図3に示す第1実施形態と同様に、厚み方向の熱伝搬に依存するため応答は早い。但し、圧電・焦電素子1から離れた部位の加熱に対しては、図4に示す第2実施形態と同様に、熱膨張による歪と面方向の熱伝搬に依存するため、第1実施形態と比べて応答は鈍い。
次に、本発明に係る圧電・焦電素子を備えた透光板の第4実施形態は、図6に示すように、圧電・焦電素子1が縞状に形成され、この縞状の圧電・焦電素子1をガラス板4の全面に接着している。縞状を形成する各素子1aは、圧電性及び/又は焦電性に起因する電気的応答の極性が同じになるよう互いに接続される。その他の構成は、図1乃至図3に示す第1実施形態と同様である。
このように、縞状に形成された圧電・焦電素子1をガラス板4の全面に接着すれば、圧電・焦電素子1をガラス板4の全面に接着した第1実施形態とほぼ同等の応答を得ることができる。
また、本発明に係る圧電・焦電素子を備えた透光板の第5実施形態は、図7に示すように、圧電・焦電素子1が、ガラス板4の縁部の全面及びその内部に縞状に接着されている。その他の構成は、図1乃至図3に示す第1実施形態と同様である。
このように、圧電・焦電素子1をガラス板4の縁部の全面及びその内部に縞状に接着すれば、圧電・焦電素子1をガラス板4の全面に接着した第1実施形態とほぼ同等の応答を得ることができる。
ここで、ガラス板4に与えられる刺激としては、(1)人の手やゴムボールなど柔らかい物による衝撃、(2)ピックや石など硬く鋭利な物による衝撃、(3)カッタなど刃物による切断、(4)急激な加熱、などが考えられる。
これらの刺激によって、圧電・焦電素子1を伝搬する応力又は熱の形態としては、(1)ガラス板4の並進及び撓み振動による低周波の振動、(2)ガラス板4の縦波又は横波の伝搬による高周波の振動、(3)ガラス板4の縦波又は横波の伝搬による連続的な高周波の振動、(4)熱の伝搬又は熱膨張による超低周波(DC)的な入力、などが挙げられる。
図8に、上記(1)〜(4)の刺激に対する圧電・焦電素子1の出力信号の形態を示す。同図(a)は低周波信号(数百Hz)、同図(b)は高周波信号(kHz)、同図(c)は連続的な高周波信号(回転カッタ)、同図(d)は超低周波(DC)信号である。圧電・焦電素子1の出力信号の波形及び振幅は、与えられる刺激によって明確に異なるが、ガラス板4が破壊された時も、硬く鋭利な物による衝撃と同様に高周波で大振幅の信号が出力される。
また、圧電・焦電素子1を備えたガラス板4を建築物の窓ガラスに適用した場合、特に(4)の加熱による刺激ついては、外部からのバーナーによるガラス板4への加熱の他に、室内からのガラス板4へ加熱、即ち火災に対しても同様に圧電・焦電素子1が応答する。このように、圧電・焦電素子1は外部からのガラス板4の破損の他、火災に対しても感知機能を発揮する。
図9(a)に刺激が直接圧電・焦電素子1に与えられた場合を、図9(b)に刺激がガラス板4に与えられて圧電・焦電素子1に伝搬する場合の一連の動作を示す。いずれの場合も、上記(1)〜(4)の刺激を受けると、圧電・焦電素子1が面状で、且つ直接ガラス板4に接着されているため振動や熱の減衰が少ないので、圧電・焦電素子1は効率よく外部からの刺激を受け、刺激の形態に対応した電気的な応答を出力することができる。
圧電・焦電素子1の出力信号は、信号処理回路11においてアナログ又はデジタル演算により処理される。信号処理回路11は電荷増幅器、電圧増幅器、緩衝増幅器、フィルタなどにより構成される。各増幅器の増幅率に周波数依存性を持たせれば、フィルタは不要になる。そして、出力回路12が圧電・焦電素子1の出力に応じて、音、光や電磁波などの信号を出力する。
次に、第2実施形態による圧電・焦電素子1を備えたガラス板4の試験をするために、厚さ5mm、縦35cm、横25cmのガラス板4を用意し、その縁部の全面に、厚さ100μm、幅1cm、長さ25cmの2枚の圧電性ポリフッ化ビニリデンと厚さ100μm、幅1cm、長さ35cmの2枚の圧電性ポリフッ化ビニリデンを接着した。
圧電性ポリフッ化ビニリデンの両面には、電極2,3として銀ペーストが塗布され、一方の電極2が接地され、他方の電極3が電荷増幅器に接続されている。そして、ガラス板4の四隅には、衝撃によってガラス板4に撓みが生じるように足を設けている。このガラス板4に、指による衝撃(ノックの要領)、金属ピックによる衝撃、ヒートガンによる加熱(非接触)の3種類の刺激を与え、圧電性ポリフッ化ビニリデンの出力を電荷増幅器により測定した。
図10は、指による衝撃をガラス板4に与えた場合の波形(電荷増幅器の出力電圧)を示す。出力電圧は電荷増幅器に用いられるコンデンサの容量に依存する。ここでは、コンデンサの容量を100pFとした。この時、周波数100〜200Hz、振幅がおよそ2.5Vの波形が観察された。
図11は、金属ピックによる衝撃をガラス板4に与えた場合の波形(電荷増幅器の出力電圧)を示す。図10に示した試験結果に比べると周波数が高く、振幅が大きい結果となった。図11を拡大した図12に示すように、図10に示した試験結果に比べると、周波数は一桁高くおよそ2kHz、最大振幅は倍以上の4.5Vとなった。
図13は、ヒートガンによりガラス板4を加熱した場合の波形(電荷増幅器の出力電圧)を示す。加熱を開始すると負側に大きな出力電圧が見られた。そして、出力電圧に増減が見られたが、指による衝撃や金属ピックによる衝撃の場合と比べて、その変化の仕方はゆっくりとしたものであった。
以上のように、本発明に係る圧電・焦電素子を備えた透光板は、ガラス板4などの透光板に、ガラス板4などの透光板に対する衝撃及び/又は加熱を感知する機能を直接付加したので、ガラス板4などの透光板に加わる衝撃及び/又は熱を確実に検知することができる。
従って、本発明に係る圧電・焦電素子を備えた透光板は、住居・店舗やオフィスなどの建築物、ショーケースなどの構造物、自動車、電車、汽車などの車両、船舶、航空機およびその他の乗物に適用でき、犯罪や災害に伴う透光板に対する衝撃・破損・加熱などを検知することができる。
本発明に係る圧電・焦電素子を備えた透光板は、住居・店舗やオフィスなどの建築物の窓、ショーケースなどの構造物、自動車、電車、汽車などの車両の窓、船舶、航空機およびその他の乗物の窓などに用いることができ、犯罪や災害に伴う透光板に対する衝撃・破損・加熱などを確実に検知することができるので、有効な防犯手段や報知手段になり得る。
本発明に係る圧電・焦電素子を備えた透光板の第1実施形態の断面図 本発明に係る圧電・焦電素子を備えた透光板の第1実施形態の断面図で、(a)は質量体を付加した場合の断面図、(b)はシールド用接地電極に質量体の機能を付加した場合の断面図 本発明に係る圧電・焦電素子を備えた透光板の第1実施形態の正面図 本発明に係る圧電・焦電素子を備えた透光板の第2実施形態の正面図 本発明に係る圧電・焦電素子を備えた透光板の第3実施形態の正面図 本発明に係る圧電・焦電素子を備えた透光板の第4実施形態の正面図 本発明に係る圧電・焦電素子を備えた透光板の第5実施形態の正面図 刺激に対する圧電・焦電素子の出力波形図で、(a)は低周波の出力波形図、(b)は高周波の出力波形図、(c)は連続な高周波の出力波形図、(d)は超低周波の出力波形図 与えられる刺激とそれに伴う一連の動作の説明図で、(a)は刺激が直接圧電・焦電素子に与えられた場合の説明図、(b)は刺激がガラス板に与えられて圧電・焦電素子に伝搬する場合の説明図 指による衝撃をガラス板に与えた場合の波形図 金属ピックによる衝撃をガラス板に与えた場合の波形図 図11の拡大図 ヒートガンによりガラス板を加熱した場合の波形図
符号の説明
1…圧電・焦電素子、2…接地電極、3,10…信号取り出し用電極、4…ガラス板、5…接着層、6…絶縁体、7…シールド用接地電極、8…保護層、9…質量体、11…信号処理回路、12…出力回路。

Claims (18)

  1. 一対の電極を設けた圧電性及び/又は焦電性を有する素子を、透光板に固定したことを特徴とする圧電・焦電素子を備えた透光板。
  2. 請求項1記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記素子が、前記透光板の全面に接着されたことを特徴とする圧電・焦電素子を備えた透光板。
  3. 請求項1記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記素子が、前記透光板の縁部の全面に接着されたことを特徴とする圧電・焦電素子を備えた透光板。
  4. 請求項1記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記素子が、縞状又は格子状に形成されて前記透光板に接着されたことを特徴とする圧電・焦電素子を備えた透光板。
  5. 請求項1記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記素子が、前記透光板の一部の面に接着されたことを特徴とする圧電・焦電素子を備えた透光板。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記素子又は前記素子に設けた電極の外側に保護層を設けたことを特徴とする圧電・焦電素子を備えた透光板。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記素子に衝撃による厚み方向の振動が付加されるよう質量体を設けたことを特徴とする圧電・焦電素子を備えた透光板。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記素子が、圧電性高分子フィルム、ポリマーと圧電セラミックスまたは圧電単結晶のフィルム状コンポジット、板状の圧電セラミックスまたは圧電単結晶であることを特徴とする圧電・焦電素子を備えた透光板。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記素子が、透光性または透明性を有することを特徴とする圧電・焦電素子を備えた透光板。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記透光板が、ガラス、ポリカーボネート、アクリルなどの透明板であることを特徴とする圧電・焦電素子を備えた透光板。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記電極が、透明性を有する導電性膜であることを特徴とする圧電・焦電素子を備えた透光板。
  12. 請求項11記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記電極に信号処理回路を接続し、前記透光板に与えられた衝撃や熱に起因する振動や熱膨張に伴う歪や熱の伝搬によって、前記素子の電気的応答が前記電極を介して前記信号処理回路に入力され、前記信号処理回路に接続された出力回路より音、光や電磁波などの信号を出力することを特徴とする圧電・焦電素子を備えた透光板。
  13. 請求項12記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記信号処理回路が、前記透光板に与えられた衝撃や熱の大きさや形態を推定することを特徴とする圧電・焦電素子を備えた透光板。
  14. 請求項12又は13記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記出力回路が、前記信号処理回路が推定した前記透光板に与えられた衝撃や熱の大きさや形態と、予め設定しておいた衝撃や熱の大きさや形態の設定値を比較して警報信号を出力することを特徴とする圧電・焦電素子を備えた透光板。
  15. 請求項1乃至請求項14のいずれかに記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記素子が、前記透光板に接着剤やテープなどの接着手段で固定され、またはサッシや固定具などの圧着手段で圧着されることを特徴とする圧電・焦電素子を備えた透光板。
  16. 請求項15記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記圧着手段を導電性の部材で形成して電気的に接地することを特徴とする圧電・焦電素子を内蔵した合せ透光板。
  17. 請求項1乃至請求項16のいずれかに記載の圧電・焦電素子を備えた透光板において、前記素子に設けた電極のうち、一方の電極を電気的に接地し、他方の電極を電気的にシールドすることを特徴とする圧電・焦電素子を備えた透光板。
  18. 請求項1乃至請求項17のいずれかに記載の圧電・焦電素子を備えた透光板を、住居・店舗やオフィスなどの建築物、ショーケースなどの構造物、自動車、電車、汽車、船舶、航空機およびその他の乗物に用いたことを特徴とする圧電・焦電素子を備えた透光板を用いた建築物・構造物・乗物。
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