JP3245772B2 - 破壊検知・防護材 - Google Patents

破壊検知・防護材

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JP3245772B2
JP3245772B2 JP03358198A JP3358198A JP3245772B2 JP 3245772 B2 JP3245772 B2 JP 3245772B2 JP 03358198 A JP03358198 A JP 03358198A JP 3358198 A JP3358198 A JP 3358198A JP 3245772 B2 JP3245772 B2 JP 3245772B2
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康裕 荒井
博明 柳田
秀彰 松原
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Japan Fine Ceramics Center
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SOHGO SECURITY SERVICES CO.,LTD.
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物の壁面などに
設置して壁面などの防護ないし補強を図るとともに、壁
面などに加えられる破壊行為を的確に検知する破壊検知
・防護材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】(発明の背景) 犯罪手口の多様化により、近年では窓、扉、壁面などを
強引に破壊して建物に侵入し、中にある金品などを強奪
する事件が発生している。このような犯罪に対しては、
建物内に設けた侵入者検知センサによって侵入者を検知
したとしても、侵入者を検知した後に出動した警備員等
が現場に到着するまでの間に犯人が逃亡してしまうこと
があるため、壁面などに加えられる破壊行為を速やかに
検知し、さらに壁面などの破壊を阻止乃至困難にするこ
とが求められている。
【0003】(従来技術) 従来、壁面などに加えられる破壊行為を防護しあるいは
検知したりする方法として、壁面などの補強対象に強
化フィルムを貼着し、壁面に加えられる破壊行為に対し
て壁面の補強を行う方法(第1の方法); 検知線を有するフィルム状センサを破壊行為を検知し
ようとする壁面などに貼着し、壁面などが破壊された際
に内部の検知線が破断して破壊を検知する方法(第2の
方法); 強化フィルム(補強手段)とフィルム状センサ(破壊
検知手段)を併用する方法(第3の方法); 補強部材(例えばガラス繊維をプラスチック材で固め
たもの)により破壊検知部材である検知線を被覆しパネ
ル状に形成し、設置場所の大きさに(適合する所定の面
積、肉厚に)合わせて形成したものにより補強と破壊検
知を行う方法(第4の方法); 等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1の
方法にあっては、壁面などが短時間で破壊されるのを回
避(困難に)できるものの、破壊行為を検知できないた
め犯行を阻止できないという問題点があった。
【0005】また第2の方法にあっては、壁面などに加
えられる破壊行為を検知できるものの、強度が付与され
ていないため、犯人により壁面などが短時間で破壊され
侵入され易いという問題点があった(かくして、壁面な
どに補強手段あるいは破壊検知手段の一方の手段のみを
施工した場合には十分な防犯効果が得られない)。
【0006】さらに第3の方法にあっては、(イ)通
例、壁面とフィルム状センサ(破壊検知手段)の接着力
よりもフィルム状センサと強化フィルム(補強手段)の
接着力の方が強く、壁面などが破壊されても強化フィル
ムが破断するまではフィルム状センサが破断しないた
め、破壊検知能力が弱く破壊行為の検知が遅れる傾向に
ある;(ロ)フィルム状センサと強化フィルムをそれぞ
れ取り付ける必要があり設置作業が煩雑で面倒である;
という問題点があった。
【0007】そして第4の方法にあっては、(イ)プラ
スチック材の肉厚が厚くなるため柔軟性に乏しく、また
一般に価格も高い;(ロ)設置面積が広い場合にはパネ
ルが大きくかつ重くなるため、運搬や、設置作業に手間
取る(運搬や設置作業を効率よく行うためにパネルを予
め所定の大きさの小パネルに分割して形成することも考
えられるが、この場合には小パネルと小パネルの接合部
分の強度が低下し充分な補強効果を期待できない);
(ハ)既存の壁面などに設置する場合、パネルの肉厚を
薄くすることには限界があるため、設置スペースの深さ
が十分にない場合には設置面からパネルが突出し浮き出
てしまうことがある;等の問題点があった。
【0008】したがって本発明の目的は、導電性部材、
強化繊維束、樹脂材を用いてテープ状に形成し、全体と
しての厚みを薄く形成して柔軟性を賦与し、検知部材を
構成する導電性部材を補強繊維束の厚さ方向の略中央部
に配置し、導電性部材に引張応力、圧縮応力がかかりに
くく巻回して運搬しても劣化が少ないとともに、破壊検
知対象物の変形を段階的に検知可能とする破壊検知・防
護材を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、検知部材である導電
性部材に応力が加わった時点から徐々に変形を察知し、
感度良く破壊および変形を検知する、検知能力の優れた
破壊検知・防護材を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に記載さ
れた発明は、補強部材と検知部材を含んで成り、前記補
強部材を非導電性の強化繊維束と樹脂材を複合させて構
成し、一方、前記検知部材を前記強化繊維束の最大伸び
率よりも小さい最大伸び率を有し導電路を形成する導電
性繊維束により構成し、かつ該導電性繊維束をそれぞれ
の最大伸び率が異なる複数の導電性繊維を組み合わせて
形成して破壊検知対象物の変形を段階的に検知可能と
し、更に、該導電性繊維束の周囲に前記強化繊維束を配
置し、前記樹脂材を含浸させて前記導電性繊維束と前記
強化繊維束を一体的に形成するととともに、前記補強部
材の厚さ方向の略中央部に前記検知部材を配置してテー
プ状に形成したことを特徴とする破壊検知・防護材であ
る。
【0011】本願の請求項2に記載された発明は、補強
部材と検知部材を含んで成り、前記補強部材を非導電性
の強化繊維束と樹脂材を複合させて構成し、一方前記検
知部材を導電路を備えた導電性粉末含有成形体として構
成し、前記補強部材の厚さ方向の略中央部に前記導電性
粉末含有成形体を配置してテープ状に形成したことを特
徴とする破壊検知・防護材である。
【0012】本願の請求項3に記載された発明は、上記
導電性粉末含有成形体が、炭素粉末、TiN粉末、Ti
C粉末等の導電性粉末を樹脂材に分散させて得られるス
ラリーにガラス繊維、アラミド繊維等の非導電性の強化
繊維束を浸して固化し、上記導電性粉末を強化繊維束に
連続的に接触させて形成したものである破壊検知・防護
材である。
【0013】本願の請求項4に記載された発明は、破壊
検知・防護材を挟み込む樹脂性フィルムを更に備えてな
る破壊検知・防護材である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係る破壊検知・防護材
は、設置した検知対象に破壊行為などの過度の力が加わ
ると導電性部材の電気抵抗値が高くなる性質を利用し、
導電性部材の電気抵抗値を計測し閾値と比較することに
より破壊行為が行われているか否かを判断する。例え
ば、警備システムに接続することにより、計測した導電
性部材の電気抵抗値が閾値よりも高い場合には、破壊行
為が行われていると判断し、警備システムに対して“異
常有り”を示す信号を出力したり、また威嚇用ベルなど
威嚇手段を作動させる信号を出力する。
【0015】また、本発明の破壊検知・防護材は、薄く
形成すると柔軟性が増す一方で強度が低下する傾向があ
るので、必要とする柔軟性及び強度を考慮し厚さを適宜
選択することが肝要である。なお、同じ厚さで強度を増
す必要がある場合には幅を広くすることにより対応でき
る。
【0016】導電性部材としては、例えば導電性繊維で
ある炭素繊維が挙げられるが、導電性部材として1種類
の導電性繊維を使用した破壊検知・防護材を破壊検知対
象物に貼着した場合、変形などにより一定の力が加わる
と導電性繊維が切断され破壊行為が検知されるが、破壊
検知対象物の変形を段階的に検知可能とするために、最
大伸び率の異なる導電性繊維を複数組み合わせて用いて
いる。このため、外部から力が加わった時に最大伸び率
の小さい導電性繊維から順次破断していくこととなり、
段階的な検知が可能となる。なお、このときには、各導
電性繊維束の最大伸び率は補強部材である強化繊維束の
最大伸び率よりも小さく、強化繊維束が破断する前に破
壊行為を検知できるようにする。
【0017】また、破壊検知・防護材に生ずる微小な変
形を検知する場合には、導電性部材として導電性繊維の
代わりに導電性粉末含有成形体を使用するとよい。
【0018】導電性粉末含有成形体は、炭素粉末、Ti
N粉末、TiC粉末等の導電性粉末を強化繊維束等を媒
体として連続的に接触させ、導電性を有する状態のまま
樹脂材で固着させて形成する。したがって、例えば炭素
粉末をビニルエステル樹脂に分散させて得られるたスラ
リーに強化繊維束であるガラス繊維束を浸して固化させ
ること等により容易に得られる。
【0019】導電性部材として炭素繊維などの導電性繊
維を用いた場合には、導電性繊維が切断されることによ
り電気抵抗値が変化するため電気抵抗値が急激に変化す
るのに対し、導電性粉末含有成形体を用いた場合には導
電性部材に応力が加わった時点から徐々に電気抵抗値が
変化するため、導電性部材として導電性粉末含有成形体
を用いた場合には、導電性繊維を用いた場合と比較して
感度良く破壊行為を検知でき識別できる応力の範囲も広
くとることができる。
【0020】なお、強化繊維としては、ガラス繊維の
他、アラミド繊維あるいはビニロン等の高分子繊維を使
用してもよい。
【0021】また樹脂材としてはビニルエステル樹脂、
エポキシ樹脂が好適であり、より柔軟性を求める場合に
は塩化ビニル樹脂など柔軟性の高い樹脂剤を使用しても
よい。
【0022】本発明に係る破壊検知・防護材を使用する
場合は、破壊検知および補強対象となる壁面などに接着
剤などを用いて付着し、あるいは破壊検知及び補強対象
となる壁面などに埋設する。
【0023】
【実施例】本発明に係る破壊検知・防護材について図面
を参照して具体的に説明する。 (実施例1) 図1にテープ状に形成された破壊検知・防護材を示す。
図において、破壊検知・防護材1Aは補強部材10と検
知部材20を含んでなり、この補強部材10を非導電性
の強化繊維束11と樹脂材12を複合させて構成し、一
方前記検知部材20を導電路を形成する導電性部材21
により構成する(図4、図5参照)。
【0024】このうち、前記導電性部材21は前記強化
繊維束11の最大伸び率よりも小さい最大伸び率を有し
導電路を形成する導電性繊維束22により構成し、この
導電性繊維束22をそれぞれの最大伸び率が異なる複数
の導電性繊維を組み合わせて形成して破壊検知対象物の
変形を段階的に検知可能としてある。また、この導電性
繊維束22の周囲には前記強化繊維束11を配置し、前
記樹脂材12を含浸させて前記導電性繊維束22と前記
強化繊維束11を一体的に形成するととともに、前記補
強部材10の厚さ方向の略中央部に前記検知部材20を
配置してテープ状に形成してある(図1、図2参照)。
【0025】このように、前記導電性部材21は破壊検
知・防護材1Aの厚さ方向の略中央部に配置され、前記
強化繊維束11および樹脂材12により覆われ保護され
る構成となっている。したがって、破壊検知・防護材1
Aを曲げた場合は前記導電性部材21を中心として破壊
検知・防護材1Aが曲がり、前記導電性部材21には強
い引張応力あるいは圧縮応力が加わりにくい。
【0026】実施例1では、前記導電性繊維束22とし
て炭素繊維束(12,000本、最大伸び率0.63
%)を、また強化繊維束11としてガラス繊維束(4,
200本、最大伸び率4.8%)を、更に樹脂剤12と
してビニルエステル樹脂(最大伸び率4.6%)を用
い、この炭素繊維束22をガラス繊維束11で挟み、ビ
ニルエステル樹脂12を含浸させて厚さ(T)約0.7
mm、幅(W)約7mmに形成してある(図1参照)。
【0027】このように、強化繊維束11としてガラス
繊維束を、樹脂材としてビニルエステル樹脂を用いて薄
く形成することにより、補強効果を保持しつつ柔軟性を
賦与する。
【0028】樹脂材12は全体を一体化する役割の他、
破壊検知・防護材1Aに外部から加わる力を、導電性部
材21に伝達する役割も果たしている。
【0029】図3において、符号30A,30A
31A,31Aは破壊検知・防護部材1Aの両端に
配設された電極を、40,41はリード線を示す。検知
部材20と前記電極30A,31A及びリード線4
0,41は導電性接着剤45,46を介して連絡してい
る。
【0030】しかして、破壊検知・防護材1Aをロール
状に巻回して運搬する場合にも(図1)、導電性部材2
1を破断するような無理な力は加わらず、運搬中や設置
作業中に導電性部材21が損傷することはない。
【0031】さらに、破壊検知・防護材1Aをテープ状
に形成することにより、設置しようとする壁面などの性
状(凹部の深さあるいは高さ、幅など)の如何にかかわ
らず、破壊検知・防護材1を任意の場所に設置すること
が可能となる。
【0032】ここで、この破壊検知・防護材1Aに対
し、図6に示す測定装置により、精密万能試験機オート
グラフを用いて、スパン間隔S=50mmで3点曲げ試
験を行い、そのときの導電性部材21の電気抵抗値の変
化を定電流電圧測定法で測定した。
【0033】測定結果を図7に示す。図7に示される通
り、破壊検知・防護材1Aのみを曲げた場合、10mm
曲げた場合でも電気抵抗値は変化せず、曲げるのに必要
な荷重も最大0.8kgf以下と非常に小さい値となっ
た。
【0034】しかして、破壊検知・防護材1Aは、単独
で容易に曲がり、なおかつ導電性部材21を破壊検知・
防護材1Aの厚さ方向の略中央部に配置したことによ
り、単に曲げただけでは導電性部材21に圧縮応力およ
び引張応力が加わりにくく、運搬などの際に破壊検知・
防護材1Aを変形させても導電性部材21に与える影響
が少ない。
【0035】更に、破壊検知・防護材1Aを幅10m
m,厚さ10mm、長さ100mmのモルタル50にエ
ポキシ系接着剤51で接着し(図8,図9参照)、この
状態で同様に、図6の装置によりオートグラフを用い
て、スパン間隔S=50mmで(破壊検知・防護材料1
Aを接着した側を下面にして)3点曲げ試験を行ない、
導電性部材21の電気抵抗値の変化を定電流電圧測定法
で測定した。
【0036】この測定結果を図10に示す。図10に示
される通り、破壊検知・防護材料1Aが0.7mm以上
曲げられた時点で電気抵抗値が増加し、破壊行為が検知
された。
【0037】図7と図10に示される測定結果を比較す
ると、図7に示される測定結果では、破壊検知・防護材
1Aのみを曲げた場合は電気抵抗値がそれほど変化して
いないのに対し、破壊検知・防護材1Aをモルタル50
に貼りつけた場合には、わずかに曲げた時点で電気抵抗
値が変化している。したがって、破壊検知・防護材1A
をモルタル50に貼りつけた場合には、モルタル50を
中心として全体が曲がり破壊検知・防護材1A全体に圧
縮応力あるいは引張応力が加わり、内部の導電材21に
も圧縮応力あるいは引張応力が加わることになる。
【0038】測定の結果、モルタル50のみを曲げた場
合には、約10kgfの荷重でモルタルが破断している
のに対し、モルタル50に破壊検知・防護材1Aを貼り
つけた場合には80kgfで破断しており、破断に対す
る強度は破壊検知・防護材1Aを貼りつけたことにより
8倍に強化されている。なお、このときモルタル50は
破断したものの破壊検知・防護材1Aは破断しておら
ず、防護効果は依然として残っている。
【0039】なお、破壊検知・防護材を薄く形成し柔軟
性をより強く賦与したい場合には、切断面において電極
を設けることが必ずしも容易ではない。この場合には図
11に示すように、破壊検知・防護材1Bを斜めに切断
し、導電性部材材21上部の樹脂材および強化繊維束を
削り取った後に導電性接着剤46Bを塗布し2枚の銅板
製の電極31B,31Bで導電性部材21を図11
における上下方向から挟み込み、電極31B,31B
とリード線41を連絡することにより、破壊検知・防
護材1Bを薄く形成し電極を確保することが可能とな
る。また、破壊検知・防護材を2枚の電極で挟み込み接
着することにより、電極が破壊検知・防護材より剥離す
るのを防止できる。
【0040】(実施例2) 図12及び図13に、導電性部材として導電性繊維束の
代わりに導電性粉末含有成形体を使用した破壊検知・防
護材の例を示す。破壊検知・防護材1Cは、補強部材1
0と検知部材20を含んで成り、前記補強部材10を非
導電性の強化繊維束11と樹脂材12を複合させて構成
し、一方前記検知部材20を導電路を備えた導電性粉末
含有成形体23として構成し、前記補強部材10の厚さ
方向の略中央部に前記導電性粉末含有成形体23を配置
してテープ状に形成してある。
【0041】前記導電性粉末含有成形体23は、炭素粉
末、TiN粉末、TiC粉末等の導電性粉末24を強化
繊維束等25を媒体として連続的に接触させ、導電性を
有する状態のまま樹脂材12で固着させて形成されてい
る。しかして、例えば、炭素粉末をビニルエステル樹脂
に分散させて得られるスラリーに強化繊維束25である
ガラス繊維束を浸して固化させることにより導電性粉末
含有成形体23は得られる。
【0042】かくして、この実施例にあっては、前記導
電性粉末含有成形体23は破壊検知・防護材1Cのコア
部分に配設され、前記導電性粉末含有成形体23の周囲
は絶縁体となる前記補強部材10で覆われている。
【0043】導電性部材として、実施例1のように炭素
繊維などの導電性繊維束22を用いた場合には、導電性
繊維束22が切断されることにより電気抵抗値が変化す
るため電気抵抗値が急激に変化するのに対し、導電性粉
末含有成形体23を用いた場合には導電性部材に応力が
加わった時点から徐々に電気抵抗値が変化するため、導
電性部材として導電性粉末含有成形体23を用いた場合
には、導電性繊維束を用いた場合と比較して感度良く破
壊行為を検知でき、識別できる応力の範囲も広くとるこ
とができる。かくして、導電性部材として導電性粉末含
有成形体23を使用することにより、破壊検知・防護材
に生ずる微小な変形の検知が可能となる。
【0044】(実施例3) 図14に、樹脂フィルム60,61で挟み込んで形成し
た破壊検知・防護材1Dのもう1つ他の実施例を示す。
破壊検知・防護材料を樹脂フィルム60,61でさらに
挟み込むことにより、破壊検知・防護材1Dを1枚のシ
ートとして扱うことができ、壁面などとの接着面積が増
すため、一度接着した場合には壁面と剥離しにくい破壊
検知・防護材1Dを提供できる。
【0045】また、この実施例3のように、樹脂フィル
ム60,61で挟み込んだ破壊検知・防護材1Dを形成
し、例えば窓ガラスの破壊検知・補強の目的で用いる
と、強化フィルムとしての補強効果の他に、破壊行為を
確実に検知することができ、防犯・防災の双方に役立
つ。なお、樹脂フィルム60,61として不透明なフィ
ルムを使用した場合、破壊検知・防護材を外観上覆い隠
すこともでき、さらに表面に色をつけたりあるいは模様
をつけるなどすれば美観上好ましいものとなる。
【0046】(実施例4) 図15に破壊検知・防護材料1Eを格子状に配してシー
ト状に形成した実施例を示す。この実施例では、破壊検
知・防護材料1Eの厚さ方向の略中央部に検知部材20
Eを蛇行させて配置して形成してある。破壊検知・防護
材料1Eを格子状に形成することで、実施例1のように
テープ状に形成した場合には補強できなかった強化繊維
束と直交方向の補強を行うことが可能となる。また、全
体の接着面積が増すことから、検知対象物に設置すると
破壊検知・防護材1Eは検知対象物から更に一層剥がれ
にくくなる。
【0047】なお、検知部材(導電性部材)を組込む場
合の経路(配設態様)は図15に示したものに限られる
ものではなく図16、図17に示すようにしてもよいこ
とは勿論である。導電性部材を組込む経路を図16、図
17に示すようにすることにより、破壊検知・防護材1
F,1Gを任意の長さに切断(例えば図16のM−Mの
切断箇所、図17のN−Nの切断箇所より切断)して用
いることが可能となる。しかして、この場合にも破壊検
知・防護材1F.1Gを(電極を取り外し)ロール状に
巻回して保管、運搬し、設置場所において任意の長さに
切断して用いることができ運用上好都合である。図1
6、図17において、符号30F,30Gは電極、40
Gはリード線である。
【0048】また、破壊検知・防護材を検知対象物から
剥れにくくするために、破壊検知・防護材を壁面や天井
の梁などにビスなどを用いて固定してもよい。このとき
ビス止めする位置が分かっている場合には、予め破壊検
知・防護材にビス止め用の穴を形成しておくと好都合で
ある。
【0049】前述のように、本発明に係る破壊検知・防
護材は、設置した検知対象に破壊行為などの過度の力が
加わると導電性部材の電気抵抗値が高くなる性質を利用
し、破壊検知が行なわれる場合には、導電性部材の電気
抵抗値を計測し閾値と比較することにより破壊行為が行
われているか否かを判断するものであるが、図18に破
壊検知・防護材1を用いて破壊行為を検知し、その結果
を警備システムあるいは威嚇手段に出力する適用例の構
成ブロック図を示す。この構成ブロック図を以下に簡単
に説明する。破壊検知・防護材1の導電性部材21の両
端に取り付けられた電極30,31に電気抵抗値検知手
段81が接続される。電気抵抗値検知手段81は導電性
部材21の電気抵抗値を検知する。比較手段82では電
気抵抗値検知手段81により検知された電気抵抗値と予
め設定された閾値を比較し、電気抵抗値が閾値よりも高
くなると破壊行為が行われていることを検知し、検知信
号を信号出力手段83に出力する。信号出力手段83
は、検知信号が入力されると警備システム84に対して
“異常有り”を示す信号を出力したり、威嚇手段85
(威嚇ベルや赤色回転灯など)を作動させるための信号
を出力したり、あるいは破壊行為が行われていることを
検知した壁面などを照らし出す照明86を点灯させるた
めの信号を出力する。
【0050】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成され、本発明に
よれば次の効果を奏する。破壊検知・防護材を導電性
部材、強化繊維束、樹脂材を用いてテープ状に薄く柔軟
性を賦与して形成するとともに、導電性部材を厚さ方向
の略中央部に配置し、導電性部材を強化繊維束の最大伸
び率よりも小さい最大伸び率を有し導電路を形成する導
電性繊維束により構成し、更に導電性繊維束をそれぞれ
の最大伸び率が異なる複数の導電性繊維を組み合わせて
形成してあるため、破壊検知・防護材を曲げても導電性
部材には圧縮応力、引張応力が加わりにくく、コア
(芯)材にロール状に巻回して保管、運搬することが可
能であり、保管上、運搬上の取り扱いが簡単であるとと
もに、破壊検知対象物の変形を段階的に検知することが
可能となる。導電性部材として導電性粉末含有成形体
を用いた場合には導電性部材に応力が加わった時点から
徐々に電気抵抗値が変化するため、導電性繊維束を用い
た場合に比べ一層感度良く破壊行為を検知でき、識別で
きる応力の範囲も広くとることができ、破壊検知・防護
材に生ずる微小な変形の検知が可能となる。テープ状
に形成した破壊検知・防護材をさらに樹脂フィルムで挟
み込むことにより、破壊検知・補強対象となる壁面との
接着面積を広くとれ剥れにくくでき、また樹脂フィルム
として不透明なフィルムを用いれば破壊検知・防護材を
人の目に触れないようにして設置できる。更に、樹脂フ
ィルムの表面に色や模様をつけることにより美観的にも
耐える破壊検知・防護材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る破壊検知・防護材の一実施例を示
す部分拡大斜視図である。
【図2】図1に示す破壊検知・防護材の平面図である。
【図3】電極、リード線を備えた検知・防護材材の断面
図である。
【図4】図2のX−X断面部分拡大略図である。
【図5】図2のY−Y断面拡大略図である。
【図6】図1に示す破壊検知・防護材に対し、精密万能
試験機オートグラフを用いて、スパン間隔S=50mm
で3点曲げ試験を行い、そのときの電気抵抗値の変化を
定電流電圧測定法で測定するための測定装置の構成を示
す概略図である。
【図7】図6に示す測定装置を用いて得られた曲げ試験
の測定結果を示すグラフである。
【図8】図1に示す破壊検知・防護材の上にモルタルを
乗せて貼りつけた状態を示す正面図である。
【図9】図1に示す破壊検知・防護材の上にモルタルを
乗せて貼りつけた状態を示す平面図である。
【図10】図1に示す破壊検知・防護材の上にモルタル
を乗せ、図6に示す測定装置を用いて得られた曲げ試験
の測定結果を示すグラフである。
【図11】破壊検知・防護材の電極の方法を変えた状態
を示す部分断面略図である。
【図12】本発明に係る破壊検知・防護材の他の実施例
を示す断面略図である。
【図13】図12のZ−Z端面拡大略図である。
【図14】本発明に係る破壊検知・防護材のもう一つ他
の実施例を示す斜視図である。
【図15】本発明に係る破壊検知・防護材のもう一つ他
の実施例を示す平面図である。
【図16】本発明に係る破壊検知・防護材の更にもう一
つ他の実施例を示す平面図である。
【図17】本発明に係る破壊検知・防護材の更にもう一
つ他の実施例を示す平面図である。
【図18】本発明に係る破壊検知・防護材を用いて破壊
行為を検知し、その結果を警備システムあるいは威嚇手
段に出力する適用例の構成ブロック図である。
【符号の説明】
1 破壊検知・防護材 1A 破壊検知・防護材 1B 破壊検知・防護材 1C 破壊検知・防護材 1D 破壊検知・防護材 1E 破壊検知・防護材 1F 破壊検知・防護材 1G 破壊検知・防護材 10 補強部材 11 強化繊維 12 樹脂材 20 検知部材 20E 検知部材 21 導電性部材 22 導電性繊維 23 導電性粉末含有成形体 24 導電性粉末 25 強化繊維 30A 電極 31A 電極 31B 電極 30F 電極 30G 電極 40 リード線 40G リード線 41 リード線 45 導電性接着剤 46 導電性接着剤 46B 導電性接着剤 50 モルタル 51 エポキシ系接着剤 60 樹脂フィルム 61 樹脂フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松原 秀彰 愛知県名古屋市熱田区六野二丁目4番1 号 財団法人ファインセラミックスセン ター内 (56)参考文献 特開 平7−182571(JP,A) 特開 平7−26041(JP,A) 特開 昭63−276191(JP,A) 登録実用新案3011059(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08B 13/00 - 15/02 E04F 1/98 E04F 13/16 E04F 13/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】補強部材と検知部材を含んで成り、前記補
    強部材を非導電性の強化繊維束と樹脂材を複合させて構
    成し、一方、前記検知部材を前記強化繊維束の最大伸び
    率よりも小さい最大伸び率を有し導電路を形成する導電
    性繊維束により構成し、かつ該導電性繊維束をそれぞれ
    の最大伸び率が異なる複数の導電性繊維を組み合わせて
    形成して破壊検知対象物の変形を段階的に検知可能と
    し、更に、該導電性繊維束の周囲に前記強化繊維束を配
    置し、前記樹脂材を含浸させて前記導電性繊維束と前記
    強化繊維束を一体的に形成するととともに、前記補強部
    材の厚さ方向の略中央部に前記検知部材を配置してテー
    プ状に形成したことを特徴とする破壊検知・防護材。
  2. 【請求項2】補強部材と検知部材を含んで成り、前記補
    強部材を非導電性の強化繊維束と樹脂材を複合させて構
    成し、一方前記検知部材を導電路を備えた導電性粉末含
    有成形体として構成し、前記補強部材の厚さ方向の略中
    央部に前記導電性粉末含有成形体を配置してテープ状に
    形成したことを特徴とする破壊検知・防護材。
  3. 【請求項3】前記導電性粉末含有成形体は、炭素粉末、
    TiN粉末、TiC粉末等の導電性粉末を樹脂材に分散
    させて得られるスラリーにガラス繊維、アラミド繊維等
    の非導電性の強化繊維束を浸して固化し、前記導電性粉
    末を強化繊維束に連続的に接触させて形成したものであ
    る請求項記載の破壊検知・防護材。
  4. 【請求項4】破壊検知・防護材を挟み込む樹脂性フィル
    ムを更に備えてなる請求項1乃至いずれか一項に記載
    の破壊検知・防護材。
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