ここでは、下記の順序に従って本発明の実施形態について説明する。
(1)第一の実施形態:
(2)第二の実施形態:
(3)第三の実施形態:
(4)第四の実施形態
(5)まとめ:
(1)第一の実施形態:
図1は、本発明の第一の実施形態にかかる車高測定装置の外観を斜めから見て示している。同図において、車両通路50の幅方向外側に、一対の測定ポールA,Bが立設されている。測定対象車両60(以下、単に車両60と言う)は、測定ポールA,Bの間を通過することが可能となっており、測定ポールA,Bは車両60よりも十分高く形成されている。また、測定ポールBには測定結果を表示する表示器26が備えられるとともに、測定結果を印字するプリンタ28が備えられている。
図2は、測定ポールA,Bを内側(車両通路50)から見て示している。同図において、測定ポールBには●で示す発光器Ta0,Tc1,Tb1,Tc2・・・がそれぞれ発光部を内側に向けて配設されている。そして、測定ポールBに配設された発光器Ta0,Tc1,Tb1,Tc2・・・のそれぞれと対向するように、測定ポールAには○で示す受光器Sa0,Sc1,Sb1,Sc2・・・が受光部を内側に向けて配設されている。また、測定ポールAにも発光器Tc1,Tc2,Ta2,Tc3・・・が配設されており、これらに対向するように測定ポールBには受光器Sc1,Sc2,Sa2,Sc3・・・が配設されている。
測定ポールA,Bのそれぞれに配設される発光器Tと受光器Sとの高さを比較すると、発光器Tとこれに対向する受光器Sとが同じ高さとなるように配列されている。これにより、発光器Tから略水平に発光された検出光を対向する受光器Sにて受光させることができる。また、測定ポールA,Bの双方において高さ方向に隣接する発光器T同士、受光器S同士、および、発光器Tと受光器Sとの間隔は全て2cmとなっている。従って、それぞれの発光器Tから発光された検出光の高さ方向の最小間隔も2cmとなる。
発光器Tと受光器SとはX1,X2,X3・・・X(n)・・・で表されるブロックに分類される。なお、nは自然数であり、ブロック番号を意味している。各ブロックX(n)は高さ方向に連続する三組の対向する発光器Tと受光器Sにより構成されている。従って、各ブロックX(n)においては、最も高い位置と真ん中の位置と最も低い位置においてそれぞれ検出光を受発光することが可能となっている。各ブロックX(n)において最も高い位置の発光器Tを測定ポールBに配設し、最も高い位置の受光器Sを測定ポールAに配設することにより、最も高い位置に発光される検出光が測定ポールBから測定ポールAに進行するようにしている。
また、真ん中の位置の発光器Tを測定ポールAに配設し、真ん中の位置の受光器Sを測定ポールBに配設することにより、真ん中の位置に発光される検出光が測定ポールAから測定ポールBに進行するようにしている。すなわち、各ブロックX(n)において最も高い位置、および、真ん中の位置に発光される検出光は互いに反対方向となるように発光器Tと受光器Sとが配設されている。なお、最も高い位置と真ん中の位置に配設された発光器Tおよび受光器Sには添え字としてcと、各ブロックX(n)の番号nを付加して表記するものとする。
一方、各ブロックX(n)において最も低い位置には、添え字としてaあるいはbと、各ブロックの番号(n)を付加して表記された発光器Ta(n),Tb(n)と受光器Sa(n),Sb(n)が配設されている。そして、ブロック番号nが奇数(n=2m−1を満足する※mは自然数)番号となるブロックX(n)のそれぞれにおいては、最も低い位置に添え字bを付加した発光器Tb(n)と受光器Sb(n)とが対向して配設されている。さらに、ブロック番号nが奇数であり、さらにn=4m−3を満足する番号のブロックX(n)においては、発光器Tb(n)が測定ポールBに配設され、これに対向する受光器Sb(n)が測定ポールAに配設されている。ブロック番号nが奇数であり、さらにn=4m−1を満足する番号のブロックX(n)においては、発光器Tb(n)が測定ポールAに配設され、これに対向する受光器Sb(n)が測定ポールBに配設されている。
すなわち、添え字bが付加された発光器Tb(n)と受光器Sb(n)において授受される検出光であって高さ方向に最も近いものの進行方向は互いに反対方向になるようになっている。例えば、発光器Tb1と受光器Sb1においては検出光が測定ポールBから測定ポールAに向かって進行するのに対して、これに最も近い発光器Tb3と受光器Sb3においては検出光が測定ポールAから測定ポールBに向かって進行するようになっている。
そして、ブロック番号nが偶数(n=2mを満足する)番号となるブロックX(n)のそれぞれにおいては、最も低い位置に添え字aを添付した発光器Ta(n)と受光器Sa(n)とが対向して配設されている。さらに、ブロック番号nが偶数であり、さらにn=4m−2を満足する番号のブロックX(n)においては、発光器Ta(n)が測定ポールAに配設され、これに対向する受光器Sa(n)が測定ポールBに配設されている。ブロック番号nが偶数であり、さらにn=4mを満足する番号のブロックX(n)においては、発光器Ta(n)が測定ポールBに配設され、これに対向する受光器Sa(n)が測定ポールAに配設されている。
すなわち、添え字aが付加された発光器Ta(n)と受光器Sa(n)において授受される検出光であって高さ方向に最も近いものの進行方向は互いに反対方向になるようになっている。例えば、発光器Ta2と受光器Sa2においては検出光が測定ポールAから測定ポールBに向かって進行するのに対して、これに最も近い発光器Ta4と受光器Sa4においては検出光が測定ポールBから測定ポールAに向かって進行するようになっている。なお、本実施形態において発光部から発せられる検出光は赤外光としている。
図3は、車高測定装置10のハードウェア構成を示している。同図において、測定ポールA,Bを動作させるための制御ユニット20が備えられている。制御ユニット20に設けられたバス20aには、CPU21と、ROM23と、RAM22と、インターフェイス(I/F)27を介した表示器26と、I/F29を介したプリンタ28と、I/O25を介した測定ポールA,Bとがそれぞれ接続されている。そして、CPU21が、RAM22をワークエリアとして利用しながらROM23に書き込まれたプログラムに従って各部を制御する。上述のとおり測定ポールA,Bのそれぞれには発光器Tと受光器Sがともに備えられているため、I/O25は、発光器Tを発光させるための信号を測定ポールA,Bのそれぞれに出力するとともに、受光器Sの受光状態を示す電気信号を測定ポールA,Bから入力している。表示器26は測定された車高を表示し、プリンタ28は同車高を紙等の記録媒体に印字記録する。
なお、制御ユニット20のバス20aに表示器26とプリンタ28を接続する構成としたが、間に無線送受信装置等を介在させ表示器26とプリンタ28の設置箇所に自由度を持たせるようにしても良い。測定結果を表示器26とプリンタ28等の出力機器に出力するのみならず、データとして蓄積しておきたい場合には、ハードディスク等を備えるようにしても良い。
図4は、車高測定装置10のソフトウェア構成を示している。同図において、制御ユニット20は、発光制御部M21と、車高特定部M22と、比較部M24と、出力部M27の各モジュールから構成されている。発光制御部M21は測定ポールA,Bのそれぞれに備えられた発光器Tの発光制御を実行し、車高特定部M22は測定ポールA,Bのそれぞれに備えられた受光器Sの受光状態を示す信号を入力し、同信号から車高を測定値Mとして特定する処理を行っている。比較部M24は、車高特定部M22により特定された測定値Mと、RAM22に割り当てられた車高記憶部22aに記憶された最高車高を示すメモリ値Jとを比較し、これらのうち高いものをRAM22に更新させる処理を実行する。そして、最終的に最高車高としてRAM22に割り当てられた車高記憶部22aに記憶されたメモリ値Jを、出力部M27が表示器26とプリンタ28等といった出力機器に出力する。
図5は、制御ユニット20における測定処理の流れを示している。同図において、まずステップS110にてRAM22に割り当てられている車高記憶部22aに記憶された車高を示すメモリ値Jを0に初期化する。なお、車高記憶部22aに記憶される車高の値を以下単にメモリ値Jと表記する。ステップS120においては、発光器Ta(n)と発光器Tb(n)とを順次発光させる。すなわち、まず発光制御部M21が測定ポールA,Bのそれぞれに備えられた発光器Tであって添え字aが付加された発光器Ta(n)を全て同時に発光させ、その4ms(ミリ秒)後に、発光器Tであって添え字bが付加された発光器Tb(n)を全て同時に発光させる。さらに言い換えれば、ブロック番号nが偶数であるブロックX(n)における最も低い位置の発光器Tを全て同時に発光させ、その4ms後に、ブロック番号nが奇数であるブロックX(n)における最も低い位置の発光器Tを全て同時に発光させる。
結果としてステップS120においては発光器Ta(n)と発光器Tb(n)とが全て発光されることとなるため、全ブロックX(n)における最も低い位置の発光器Tを全て同時に発光させることができる。言い換えれば、ステップS120においては発光する発光器Ta(n),Tb(n)の間に2個ずつ発光しない発光器Tc(X)が存在するように発光器Tを高さ方向に間引いて発光することができる。本実施形態においては高さ方向に隣接する受光器Sおよび発光器Tの間隔は2cmとされているため、高さ方向に6cm間隔で検出光が発光されることとなる。そして、ステップS120にて発光を行っている間にステップS130では各受光器Sにて受光の有無を検出し、車高を特定する。具体的には、車高が、受光された最も低い位置の受光器Sa(n),Sb(n)の高さと、受光されなかった最も高い位置の受光器Sa(n),Sb(n)の高さの間となっていることが分かる。なお、4msは発光器Tが安定発光するための起動時間や、受光器Tが安定受光するための起動時間として、最小限確保しなければならない時間である。
図6は、発光器Tが発光する様子を車両の進行方向から見て示している。同図において、ステップS120では検出光を実線で示すように各発光器Ta(n)が同時に発光する。その4ms後に検出光を破線で示すように各発光器Tb(n)が同時に発光する。例えば、車両60の先頭が測定ポールA,Bの間に差しかかったとすると、先頭の運手席の天井60aより低い位置の受光器Sa22より低い位置の受光器Sa(n),Sb(n)にて受光すべき検出光が車両60によって遮断される。従って、天井60aより低い位置の受光器Sa(n),Sb(n)においては検出光が受光されず、天井60aより高い位置の受光器Sa(n),Sb(n)においては検出光が受光されることとなる。
さらに、各受光器Sにて検出光が受光されたか否かについては電気信号により伝達されるため、車高特定部M22は車高を特定することができる。同図の例においては、天井60aの高さが、受光された最も低い位置の受光器Sb21の高さと、受光されなかった最も高い位置にある受光器Sa22の高さの間となっていることが分かる。なお、この時点で受光器Sb21と受光器Sa22との間の高さにある、二個の発光器Tc22,Tc22については発光を行っていないため、受光器Sb21と受光器Sa22との間の高さにおいて詳細な高さを検出することはできない。
すなわち、ステップS130では6cm刻みの車高測定が可能となっており、受光器Sb21と受光器Sa22の間隔である6cmの中で実際の車高がどれだけであるかは特定することができない。なお、ステップS130では、車高が受光器Sb21と受光器Sa22との間であることが特定できるが、ここでは受光されなかった最も高い位置の受光器Sa22の高さを測定値Mと特定し記憶する。ただし、測定値Mとしては受光されなかった最も高い位置の受光器Sの位置だけでなく、受光された最も低い位置の受光器Sの高さを適用しても良いし、これらの高さの平均値を適用しても良い。
ここで、ステップS120においては全ての発光器Ta(n),Tb(n)がそれぞれ同時に発光される。例えば、全ての発光器Ta(n)が同時に発光されるときを考える。このとき、検出光が対向しない受光器Sa(n)に入射された場合、対向しない受光器Sa(n)では誤検出を引き起こす可能性がある。具体的に図2により説明すると、発光器Ta0から発光された検出光が拡散して受光器Sa4に入射した場合には、通過中の車両60の車高が受光器Sa4の高さよりも高く、本来、受光器Sa4においては受光されるべきではないにも拘わらず検出光が受光されてしまうこととなる。このような場合、車高を正確に測定することが不可能となる。なお、同時に発光されない受光器Sb(n),Sc(n)においては発光器Ta(n)が発光する期間は検出光を受光したか否かの信号を遮断して受光を検出しないようにしているため、誤検出が問題となることはない。
本実施形態においては、添え字aが付加された発光器Ta(n)と受光器Sa(n)において授受される検出光であって高さ方向に最も近いものの進行方向は互いに反対方向になるようになっている。従って、対向する発光器Ta(n)と受光器Sa(n)の組の高さ方向に最も近いもの同士においては誤検出が問題となることはない。例えば、図2において発光器Ta2と受光器Sa2との間の検出光と、発光器Ta4と受光器Sa4との間の検出光との進行方向が反対であるため、同時に発光される発光器Ta(n)に対向する受光器Sa(n)であって高さ方向に最も近い受光器Sa2と受光器Sa4とで誤検出が問題となることはない。なお、以上は添え字aが付加された発光器Ta(n)について説明したが、添え字bが付加された発光器Tb(n)も同様に配置されているため、誤検出が防止できる。
ところで、図6において車両60が測定ポールA,Bに差しかかっていないときには全受光器Sa(n),Sb(n)にて検出光が検出されるため、いずれかの受光器Sa(n),Sb(n)にて検出光が受光されないことにより車両60が差しかかっていることを認識することが可能となっている。反対に、いずれかの受光器Sa(n),Sb(n)にて検出光が受光されており、その後に全受光器Sa(n),Sb(n)にて検出光が検出された場合には、車両60が測定ポールA,Bを通過し切ったということが認識できる。なお、車両60が測定ポールA,Bに差しかかっていない場合には、測定値Mは0として特定されるものとする。
以上のようにしてステップS130にて車高を特定すると、ステップS140にて測定値Mの高さのすぐ上二個の発光器Tc(n)を発光させる。図6に示す例では、受光器Sa22の高さが測定値Mとされているため、二重線で示すように受光器Sa22のすぐ上二個の発光器Tc22,Tc22を同時に発光させる。すなわち、ステップS120〜S130にて受光された最も低い位置の受光器Sa(n),Sb(n)の高さと、受光されなかった最も高い位置の受光器Sa(n),Sb(n)の高さの間の発光器Tc(n)を発光させ、それ以外の発光器Tの発光は行わない。ステップS150において、ステップS140で発光させた発光器Tc(n)で受光されなかったものがあったどうかを判定する。そして、受光されない受光器Sc(n)があった場合、受光されない発光器Tc(n)のうち最高位置のものの高さを測定値Mとして更新させる。
これにより、受光された最も低い位置の受光器Sa(n),Sb(n)の高さと、受光されなかった最も高い位置の受光器Sa(n),Sb(n)の高さの間となっていることがステップS130で特定された車高を、同範囲の高さにおいて詳しく測定することができる。図6に示す例では、ステップS130で車高が発光器Tc22,Sc22の間であることが分かっており、この間の発光器Tc22,Tc22を同時に発光させ車高を詳しく測定する。この場合、受光されない受光器Sc(n)で最高位置のものは下方の受光器Sc22であるため、下方の受光器Sc22の高さを測定値Mに更新させる。一方、受光されない発光器Tc(n)がない場合には、ステップS130において記憶した測定値Mより車高が高くないことが分かるため、ステップS130において記憶した測定値Mをそのまま保持する。
すなわち、ステップS120〜S130では発光器Tを間引いて発光させることにより車高の範囲を大雑把に測定しておき、ステップS140〜S160では同測定された車高の範囲を詳しく測定している。ステップS120〜S130では6cm刻みの測定を行い、ステップS140〜S160では2cm刻みの測定を行うことができ、最終的には2cm刻みの測定結果を出力することができる。すなわち、ステップS120〜S130は本発明にいう第一の測定タイミングに相当し、ステップS140〜S160は本発明にいう第二の測定タイミングに相当すると言える。
このようにすることにより、ステップS150〜S160では必要な発光器Tのみを発光させることができるため、発光にかかる時間を短縮することができ測定を高速に行うことが可能となる。さらに、本実施形態においては、発光器Tc(n)を二個同時に発光させることにより二つの測定高さを同時に検出しているため、より高速な測定が可能となっている。なお、発光器Tc(n)を二個同時に発光させることにより上述のような誤検出が問題となるが、上述した発光器Ta(n),Tb(n)と受光器Sa(n),Sb(n)と同様に、高さ方向に最も近い発光器Tc(n)と受光器Sc(n)の組同士における検出光の進行方向が反対となるように各発光器Tc(n)と各受光器Sc(n)とが配置されているため、誤検出が問題となることはない。
図6の例では、ステップS140で同時に発光される上方の発光器Tc22と下方の発光器Tc22とがそれぞれ異なる測定ポールA,Bに配設されているため、これらから発光される検出光は互いに反対向きとなり誤検出が起きることはない。なお、本実施形態では、発光・受光に必要な時間は4msであり、発光器Ta(n)と発光器Tb(n)と発光器Tc(n)とを発光させる必要があるため、発光の回数は3回となる。そのため、ステップS120〜S160に要する時間は4ms×3回=12msで済む。
一方、本発明を適用しないものでは、2cm刻みで配置された発光器Tを全て発光させて測定を行わなければ2cm刻みで車高を測定することはできない。2cm刻みで配置された発光器Tを全て発光させる手法としては、発光器Tを順に発光させていくものと、複数の発光器Tを同時に発光させるものとが考えられる。前者においては、2cm刻みで配置された発光器Tを全て順に発光させ、各発光の間には所定の起動時間を確保しなければならないため、全ての測定高さについて検出を完了させるのに膨大な時間がかかってしまう。後者においては、上述のとおり誤検出が問題となる。
ステップS170においては、比較部M24が車高記憶部22aに記憶されたメモリ値Jを取得する。そして、ステップS180において、測定値Mとメモリ値Jとを比較して測定値Mがメモリ値J以上となっていれば、ステップS185にて測定値Mを新たなメモリ値Jとして車高記憶部22aに更新させる。
ステップS110においてメモリ値Jが0に初期化されているため、最初の段階では車両が検出されなくても必ず測定値Mが更新記憶されることとなる。ステップS185にて測定値Mを車高記憶部22aに更新させると、ステップS120以降の処理を繰り返して実行する。従って、車両が差しかかっておらずステップS130にて測定値Mが0と繰り返し特定される場合には、車高記憶部22aにメモリ値Jとして0が継続して記憶されることとなる。
一方、ステップS180にて測定値Mがメモリ値Jよりも小さいと判定されると、測定値Mが0であるか否かがステップS190にて判定される。そして、測定値Mが0でない場合には、ステップS120以降の処理を繰り返して実行する。測定値Mが0である場合には、ステップS195にてメモリ値Jを表示器26とプリンタ28に対して出力させる。メモリ値Jを出力するとステップS110に戻って車高記憶部22aのメモリ値Jを0に初期化し、ステップS120以降の処理を繰り返して実行する。
いずれにしてもステップS120〜S180までの処理が繰り返して行われることとなる。ここで、本実施形態においては、ステップS120〜S160における発光に必要な時間は上述のとおり12msであるため、ステップS120〜S180を1サイクル行うのに必要な時間も12msとなる。なお、発光以外の演算処理は簡単なものであるため、上記サイクルに影響を与えるものではない。つまり、12ms周期で断続的に車高測定が行われ、それぞれの周期においてステップS130,S160にて車高の測定値Mが特定されることとなる。
このようにすることにより、所定の速度で進行する車両60の車長全体にわたって車高を測定することができる。従って、車両60の先頭が測定ポールA,Bを通過した後も、最高の高さを有する荷台の天井60bが通過した際にその高さを測定することが可能となっている。
また、ステップS180を実行することにより、メモリ値Jよりも高い車高を示す測定値Mのみを新たなメモリ値Jとして記憶させることができる。従って、常に最も高い車高が最終的なメモリ値Jとして記憶されることとなる。図6の例では、車両60の先頭が通過した時点では発光器Tc22,受光器Sc22の高さが測定値Mとして記憶され、その後、荷台の天井60bが通過した際に発光器Tc7,受光器Sc7の高さを記憶することができる。また、車両60の先頭が測定ポールA,Bを通過した後には、同先頭よりも高い位置にて車高を検出すれば最高車高を得ることができるため、0でない測定値Mが検出された後には同測定値Mよりも低い位置の発光器Tを発光させないようにして消費電力を抑制することもできる。
ただし、以上において異なる車両間で最高車高を比較しても意味がないので、ステップS180,S190において車両60の最後尾が通過したか否かを判定し、最後尾と判断されれば当該車両の最高車高としてメモリ値JをステップS195にて表示器26やプリンタ28に出力し、その後メモリ値Jを0に初期化させている。このようにすることにより、最終的な車高の測定結果を利用者に通知することが可能となっている。
なお、車両60の最後尾が通過するときには、それ以前に測定された車高を示すメモリ値Jは0でないいずれかの車高の値となっており、一方測定値Mは0となる。従って、ステップS180では測定値Mがメモリ値Jよりも小さいと判定され、ステップS190では測定値Mが0であると判定される。従って、ステップS180,S190を実行することにより車両60の最後尾が通過したか否かを特定することができる。なお、車両間においてメモリ値Jを初期化する手法は以上のものに限られず、例えば、所定周期にわたって測定値Mが継続して0となったときに車間であると判定しメモリ値Jを初期化するようにしても良いし、メモリ値Jが0から0でない値に更新されたときに車両の先頭であると判定しメモリ値Jを初期化するようにしても良い。
また、12msという短時間で車高を測定することができるため、車両60の走行スピードが速い場合であっても、車長方向にきめの細かい車高測定が可能となる。例えば、時速72kmで走行する車両では車長方向に24cm間隔で測定を行うことができるし、時速36kmで走行する車両では車長方向に12cm間隔で測定を行うことができる。従って、車両の走行速度を制限することなく測定を行うこともできるため、一般の道路に設置しても通行の流れを阻害することはない。
(2)第二の実施形態:
図7は、第二の実施形態にかかる車高測定装置の測定ポールA,Bを内側(車両通路50)から見て示している。なお、第二の実施形態にかかる車高測定装置の外観は前実施形態と同様であるため説明を省略する。また、測定ポールA,Bにおける発光器と受光器の配置以外のハードウェア構成およびソフトウェア構成も前実施形態と同様であるため説明を省略する。同図において、測定ポールBには発光器Ta0,Tc1,Tb1,Tc1・・・がそれぞれ発光部を内側に向けて配設されている。そして、測定ポールBに配設された発光器Ta0,Tc1,Tb1,Tc1・・・のそれぞれと対向するように、測定ポールAには受光器Sa0,Sc1,Sb1,Sc1・・・が受光部を内側に向けて配設されている。また、測定ポールAにも発光器Ta1,Ta3・・・が配設されており、これらに対向するように測定ポールBには受光器Sa1,Sa3・・・が配設されている。
また、本実施形態においても、測定ポールA,Bの双方において高さ方向に隣接する発光器T同士、受光器S同士、および、発光器Tと受光器Sとの間隔は2cmとなっている。従って、それぞれの発光器Tから発光された検出光の高さ方向の間隔も2cmとなる。発光器Tと受光器SとはX1,X2,X3・・・X(n)・・・で表されるブロックに分類される。なお、nは自然数であり、ブロック番号を意味している。各ブロックX(n)は高さ方向に連続する四組の対向する発光器Tと受光器Sにより構成されている。従って、各ブロックX(n)においては、最上段の位置から2,3,4段目の位置においてそれぞれ検出光を受発光することが可能となっている。
各発光器Tおよび受光器Sには、添え字としてa,b,cと、各ブロックX(n)の番号nを付加して表記している。各ブロックX(n)において最も高い位置と上から三段目の位置で対向し合う発光器Tおよび受光器Sには添え字としてcが付加され、上から二段目の位置で対向し合う発光器Tおよび受光器Sには添え字としてbが付加されている。そして、各ブロックX(n)において最も低い位置(上から四段目)で対向し合う発光器Tおよび受光器Sには添え字としてaが付加されている。すなわち、対向し合う発光器Ta(n)と受光器Sa(n)の組で、高さ方向に最も近いもの同士の真ん中の高さにおいて、添え字としてbが付加された発光器Tb(n)と受光器Sb(n)とが配置されている。例えば、発光器Ta1と受光器Sa1の組と、発光器Ta2と受光器Sa2の組の真ん中の高さには、発光器Tb2と受光器Sb2が配設されている。
各ブロックX(n)において最も低い位置で対向し合う発光器Ta(n)以外の発光器Tは全て測定ポールBに配設されている。同様に、受光器Sa(n)以外の受光器Sは全て測定ポールAに配設されている。一方、ブロック番号nが奇数となるブロックX(n)においては、測定ポールBに受光器Sa(n)が配設され、測定ポールAに発光器Ta(n)が配設されている。また、ブロック番号nが偶数となるブロックX(n)においては、測定ポールAに受光器Sa(n)が配設され、測定ポールBに発光器Ta(n)が配設されている。
すなわち、添え字aが付加された発光器Ta(n)と受光器Sa(n)において授受される検出光であって高さ方向に最も近いものの進行方向は互いに反対方向になるようになっている。例えば、発光器Ta1と受光器Sa1においては検出光が測定ポールAから測定ポールBに向かって進行するのに対して、これに最も近い発光器Ta2と受光器Sa2においては検出光が測定ポールBから測定ポールAに向かって進行するようになっている。
図8は、制御ユニット20における測定処理の流れを示している。同図において、まずステップS1110にてRAM22に割り当てられている車高記憶部22aに記憶された車高を示すメモリ値Jを0に初期化する。ステップS1120においては、発光器Ta(n)を全て同時に発光させる。すなわち、各ブロックX(n)における最も低い位置の発光器Ta(n)を全て同時に発光することができる。言い換えれば、発光する発光器Ta(n)の間に三個ずつ発光しない発光器Tb(X)またはTc(X)が存在するように発光器Tを高さ方向に間引いて発光することができる。本実施形態においては高さ方向に隣接する受光器Sおよび発光器Tの間隔は2cmとされているため、高さ方向に8cm間隔で検出光が発光されることとなる。
そして、ステップS1120にて発光を行っている間にステップS1130では各受光器Sにて受光の有無を検出し、車高を特定する。具体的には、車高が、受光された最も低い位置の受光器Sa(n)の高さと、受光されなかった最も高い位置の受光器Sa(n)の高さの間となっていることが分かる。つまり、ステップS1130では8cm刻みで車高を特定することが可能となっている。ただし、ステップS1130では8cm刻みの車高測定が可能であるが、8cmの中で実際の車高がどれだけであるかは特定することができない。なお、ステップS1130では、受光された最も低い位置の受光器Sa(n)の高さと、受光されなかった最も高い位置の受光器Sa(n)の高さの間となっていることが特定できる。図9に示す例では受光されなかった最も高い位置の受光器Sa16の高さを測定値Mと特定し記憶する。
以上のようにしてステップS1130にて車高を8cm刻みで特定すると、ステップS1140にて測定値Mの高さのすぐ上の発光器Tb(n)を発光させる。図9に示す例では、受光器Sa16の高さが測定値Mとされているため、受光器Sa16のすぐ上の発光器Tb16を発光させる。なお、それ以外の発光器Tの発光は行わない。ステップS1150において、ステップS1140で発光させた発光器Tb(n)の検出光が対向する受光器Sb(n)にて受光されたかどうかを判定する。
そして、受光器Sb(n)にて受光されなかった場合には、ステップS1152において、ステップS1140で発光させた発光器Tb(n)の高さを測定値Mとして更新させる。すなわち、ステップS1130にて記憶した測定値Mよりも高い位置に車高があるとして、発光器Tb(n)の高さを測定値Mとして更新させる。そして、ステップS1152にて更新記憶した測定値Mよりも高い位置、かつ、ステップS1130にて受光された最高位置の受光器Sa(n)よりも低い位置に車高があるとして、ステップS1155において発光器Tb(n)のすぐ上の発光器Tc(n)を発光させる。なお、それ以外の発光器Tの発光は行わない。
一方、ステップS1150において、受光器Sb(n)の受光があったと判断された場合には、ステップS1158において、発光器Tb(n)のすぐ下の発光器Tc(n)を発光させる。すなわち、ステップS1130にて記憶した測定値Mよりも高い位置、かつ、ステップS1140にて発光させた発光器Tb(n)よりも低い位置に車高があるとして、発光器Tb(n)のすぐ下の発光器Tc(n)を発光させる。なお、それ以外の発光器Tの発光は行わない。図9に示す例では、受光器Sb16において検出光が受光されるため、ステップS1158では受光器Sb16のすぐ下の発光器Tc16を発光させる。
ステップS1160においては、ステップS1155,S1158において発光させた発光器Tc(n)からの検出光が対向する受光器Sc(n)で検出されたかどうかを判断する。そして、受光がなかった場合には、ステップS1165にてステップS1155,S1158において発光させた発光器Tc(n)の高さを測定値Mとして更新させる。図9に示す例では、受光器Sb16のすぐ下の発光器Tc16からの検出光が検出されないため、発光器Tc16の高さを測定値Mとして更新させる。
このようにすることにより、最終的に2cm刻みで車高を測定することができる。まず、ステップS1120〜S1130では高さ方向に間引いた測定を行うことにより、ステップS1130にて受光された最も低い位置の受光器Sa(n)の高さと、受光されなかった最も高い位置の受光器Sa(n)の高さの間の8cmの範囲内に車高があることが分かる。すなわち、ステップS1120〜S1130は本発明にいう第一の測定タイミングを構成する。
そして、ステップS1140〜S1152では、8cmの上記範囲の中央の高さの発光器Tb(n)を発光させることにより、車高が8cmの上記範囲の上側4cmの範囲にあるか、下側4cmの範囲にあるかを特定することができる。すなわち、ステップS1140〜S1152は本発明にいう第二の測定タイミングを構成する。なお、車高が8cmの上記範囲の上側4cmの範囲にある場合には、ステップS1152にて受光器Tb(n)の高さを測定値Mに更新させる。
さらに、ステップS1155〜1165では、発光器Tb(n)の直上、または、直下の発光器Tc(n)を発光させることにより、8cmの上記範囲の上側4cmの範囲、または、同下側4cmにおいてさらに詳しく車高を特定することができる。そして、ステップS1160にて、ここまでに測定値Mとして記憶されている車高より高い位置に車高があると判断された場合には、ステップS1165においてその高さを測定値Mとして更新させている。すなわち、ステップS1155〜1165は本発明にいう第三の測定タイミングを構成する。
第二の測定タイミングおよび第三の測定タイミングにおいては、車高があると予想される高さの発光器Tのみを発光させることができるため、前実施形態と同様に高速、かつ、消費電力の少ない車高測定を実現することが可能となる。なお、本実施形態では、発光・受光に必要な時間は4msであり、発光器Ta(n)と発光器Tb(n)と発光器Tc(n)とを発光させる必要があるため、ステップS1120〜S1165に要する時間は4ms×3回=12msで済む。また、第二の測定タイミングおよび第三の測定タイミングでは発光器Tを一個ずつ発光させており、同時に複数の発光器Tを発光させることはないため、誤検出が問題となることもない。従って、正確な車高測定を実現させることができる。
ただし、ステップS1120〜S1130およびステップS1140〜S1152までは4cm刻みで車高を特定しているということができる。従って、ステップS1120〜S1130およびステップS1140〜S1152を第一の測定タイミングということも可能である。その場合、ステップS1155〜1165は第二の測定タイミングを構成することとなる。すなわち、第二および第三の測定タイミングにおける処理は何度繰り返しても良く、最初に間引き測定する間隔を広く設定しておき、同間隔において複数回にわたって徐々に検出範囲を狭めていくようにしても良い。
ステップS1170以降については、前実施形態と同様であるため説明は省略する。本実施形態においても12msという短時間で車高を測定することができるため、車両60の走行スピードが速い場合であっても、車長方向にきめの細かい車高測定が可能となる。例えば、時速72kmで走行する車両では車長方向に24cm間隔で測定を行うことができるし、時速36kmで走行する車両では車長方向に12cm間隔で測定を行うことができる。従って、車両の走行速度を制限することなく測定を行うこともできるため、一般の道路に設置しても通行の流れを阻害することはない。
(3)第三の実施形態:
図10は、本発明にかかる車高測定装置の外観を斜めから見て示している。同図において、車両通路50の幅方向外側に、一対の検出用測定ポールA,Bが立設され、その下流にも同様に一対の測定用測定ポールC,Dが立設されている。車両60は、検出用測定ポールA,Bと測定用測定ポールC,Dのそれぞれの間を通過することが可能となっており、検出用測定ポールA,Bと測定用測定ポールC,Dは車両60よりも十分高く形成されている。また、検出用測定ポールA,Bと測定用測定ポールC,Dとの間隔は車両60の車長よりも長く形成されている。
図11は、検出用測定ポールA,Bと測定用測定ポールC,Dをそれぞれ内側(車両通路50)から見て示している。同図において、検出用測定ポールBには●で示す発光器Ta1,Tb1,Ta3,Tb3・・・Ta(2n−1),Tb(2n−1)がそれぞれ発光部を内側に向けて配設されている。なお、nは自然数を意味している。また、検出用測定ポールBには○で示す受光器Sa2,Sb2,Sa4,Sb4・・・Sa(2n),Sb(2n)もそれぞれ受光部を内側に向けて配設されている。
すなわち、発光器Tが高さ方向に2個ずつ連続して配設されている。そして、そのそれぞれを発光器ブロックPと言うものとする。発光器Ta1,Tb1で構成される発光器ブロックを発光器ブロックP1と表記し、Ta(2n−1),Tb(2n−1)で構成される発光器ブロックを発光器ブロックP(2n−1)と表記するものとする。同様に、受光器Sも高さ方向に2個ずつ連続する受光器ブロックを構成しており、それぞれの受光器ブロックを受光器ブロックQ(2n)と表記するものとする。発光器Tと受光器Sはブロック単位で交互に配設されており、上から順にP1,Q2,P3,Q4・・・P(2n−1),Q(2n)というように配列されている。また、高さ方向に隣接する発光器Tと発光器T、および、受光器Sと受光器S、および、発光器Tと受光器Sとの間隔hは全て8cmで一定とされている。
一方、上述のように構成した検出用測定ポールBに相対する検出用測定ポールAにも発光器Tと受光器Sとが発光部と受光部を内側に向けて配設されている。検出用測定ポールAにおいては、検出用測定ポールBに備えられた発光器Ta1,Tb1,Ta3,Tb3・・・Ta(2n−1),Tb(2n−1)のそれぞれに対向するように同じ高さで、受光器Sa1,Sb1,Sa3,Sb3・・・Sa(2n−1),Sb(2n−1)が配設されている。従って、検出用測定ポールBに備えられた発光器Ta1,Tb1,Ta3,Tb3・・・Ta(2n−1),Tb(2n−1)のそれぞれから略水平に発光された検出光を、検出用測定ポールAの受光器Sa1,Sb1,Sa3,Sb3・・・Sa(2n−1),Sb(2n−1)のそれぞれにて受光することが可能となっている。
同様に、検出用測定ポールBに備えられた受光器Sa2,Sb2,Sa4,Sb4・・・Sa(2n),Sb(2n)のそれぞれに対向するように同じ高さで、検出用測定ポールAにて発光器Ta2,Tb2,Ta4,Tb4・・・Ta(2n),Tb(2n)が配設されている。従って、検出用測定ポールAにおいても発光器Tと受光器Sがそれぞれ高さ方向に2個ずつ連続する発光器ブロックPと受光器ブロックQとが交互に配列することとなり、その順序は上からQ1,P2,Q3,P4・・・Q(2n−1),P(2n)となっている。
一方、測定用測定ポールC,Dにおいても検出用測定ポールA,Bと同様な発光器Tと受光器Sの配列なっている。すなわち、発光器Tと受光器Sがそれぞれ高さ方向に2個ずつ連続する発光器ブロックPと受光器ブロックQとが交互に配列している。ただし、測定用測定ポールC,Dにおいては高さ方向に隣接する発光器Tと発光器T、および、受光器Sと受光器S、および、発光器Tと受光器Sとの間隔lは全て2cmとなっている。同図中央において、検出用測定ポールA,Bを測定用測定ポールC,Dと同様の縮尺で高さ方向に拡大して示している。検出用測定ポールA,Bにおいては高さ方向に隣接する発光器Tと受光器Sとの間隔は、測定用測定ポールC,Dのものの四倍となっている。すなわち、発光器Tと受光器Sを利用して車高を検出する測定用測定ポールC,Dにおいては検出用測定ポールA,Bと比較して高さ方向に四倍の精度で車高を測定することができる。
発光器Tは、相対する受光器Sに向けて略水平な検出光を発光部から出力するものである。また、出力される検出光も種々の波長のものを採用することができる。受光器Sは受光部から検出光を受光して、それに応じた電気信号を生成させる光電素子である。受光器Sにおいては、検出光以外の光によるノイズを低減するために、フィルタ回路を設けるようにしてもよい。検出された電気信号を増幅する回路を備えるようにしても良い。
図12は、車高測定装置110のハードウェア構成を示している。同図において、検出用測定ポールA,Bに対応した検出用ユニット120と、測定用測定ポールC,Dに対応した測定用ユニット130とが備えられている。検出用ユニット120に設けられたバス120aには、CPU121と、ROM123と、RAM122と、インターフェイス(I/F)129を介した送信器128と、I/O125を介した検出用測定ポールA,Bとがそれぞれ接続されている。そして、CPU121が、RAM122をワークエリアとして利用しながらROM123に書き込まれたプログラムに従って各部を制御する。上述のとおり検出用測定ポールA,Bのそれぞれには発光器Tと受光器Sがともに備えられているため、I/O125は、発光器Tを発光させるための信号を検出用測定ポールA,Bのそれぞれに出力するとともに、受光器Sの受光状態を示す電気信号を検出用測定ポールA,Bから入力している。
一方、測定用ユニット130に設けられたバス130aには、CPU131と、ROM133と、RAM132と、インターフェイス(I/F)137を介した表示器136と、I/F139を介したプリンタ138と、I/F140を介した受信器141と、I/O135を介した測定用測定ポールC,Dとがそれぞれ接続されている。表示器136は測定された車高を表示し、プリンタ138は同車高を紙等の記録媒体に印字記録する。受信器141は、検出用ユニット120に配設された送信器128から送信される所定のデータを受信することが可能となっており、I/F140は同受信されたデータをCPU131等にて取り扱い可能な信号に変換する。I/O135も上述した検出用ユニット120におけるI/O125と同様に、発光器Tを発光させるための信号を測定用測定ポールC,Dのそれぞれに出力するとともに、受光器Sの受光状態を示す電気信号を測定用測定ポールC,Dから入力している。
なお、本実施形態においては、検出用測定ポールA,Bと測定用測定ポールC,Dとを制御する制御ユニットを個別に備えるものとしたが、検出用測定ポールA,Bと測定用測定ポールC,Dの制御ユニットを共通にさせるようにしても良い。また、検出用測定ポールA,Bと測定用測定ポールC,Dとのデータの授受は無線により行うものとしたが、有線で行うものであっても良い。なお、無線で行う場合には、車高測定装置110の設置が簡単となる。また、測定用ユニット130のバス130aに表示器136とプリンタ138を接続する構成としたが、間に無線送受信装置等を介在させ表示器136とプリンタ138の設置箇所に自由度を持たせるようにしても良い。測定結果を表示器136とプリンタ138等の出力機器に出力するのみならず、データとして蓄積しておきたい場合には、ハードディスク等を備えるようにしても良い。
図13は、車高測定装置110のソフトウェア構成を示している。同図において、検出用ユニット120は、発光制御部M121と、車高特定部M122と、比較部M124と、送信部M126の各モジュールから構成されている。発光制御部M121は検出用測定ポールA,Bのそれぞれに備えられた発光器Tの発光制御を実行し、車高特定部M122は検出用測定ポールA,Bのそれぞれに備えられた受光器Sの受光状態を示す信号を入力し、同信号から車高を検出値Kとして特定する処理を行っている。比較部M124は、車高特定部M122により特定された検出値Kと、RAM122に割り当てられた検出用車高記憶部122aに記憶された最高車高を示すメモリ値Jとを比較し、これらのうち高いものをRAM122に更新させる処理を実行する。送信部M126は、RAM122から最高車高を示すメモリ値Jを取得し、測定用ユニット130に対して送信する処理を実行する。
一方、測定用ユニット130は、発光制御部M131と、車高特定部M132と、比較部M134と、受信部M136と、出力部M137の各モジュールから構成されている。受信部M136は、検出用ユニット120から送信されたメモリ値Jを受信し、発光制御部M131に同情報を出力する。発光制御部M131は、メモリ値Jに基づいて測定用測定ポールC,Dのそれぞれが備える発光器Tの発光を制御する。車高特定部M132と比較部M134は、検出用ユニット120における車高特定部M122と比較部M124と同様の処理を行っている。そして、最終的に最高車高としてRAM132に割り当てられた検出用車高記憶部132aに記憶されたメモリ値Iを、出力部M137が表示器136とプリンタ138等といった出力機器に出力する。
図14は、検出用ユニット120における検出処理の流れを示している。同図において、まずステップS2110にてRAM122に割り当てられている検出用車高記憶部122aに記憶された車高を示すメモリ値Jを0に初期化する。なお、検出用車高記憶部122aに記憶される車高の値を以下単にメモリ値Jと表記する。ステップS2120においては、発光制御部M121が検出用測定ポールA,Bのそれぞれに備えられた発光器Ta1,Ta2,Ta3,Ta4・・・Ta(2n−1),Ta(2n)を同時に発光させ、その4ms(ミリ秒)後に発光器Tb1,Tb2,Tb3,Tb4・・・Tb(2n−1),Tb(2n)を同時に発光させる。言い換えれば、それぞれの発光器ブロックP1〜P(2n)のうち上段の発光器Tをまず発光させ、その4ms後にそれぞれの発光器ブロックPのうち下段の発光器Tを発光させる。なお、この発光周期4msは発光器Tが安定発光するまでの起動時間であり、安定した検出を行うために必要な時間である。
図15は、発光器Tが発光する様子を車両の進行方向から見て示している。同図において、発光器Ta1,Ta2,Ta3,Ta4・・・Ta(2n−1),Ta(2n)が同時に実線で示すように発光する。その4ms後に発光器Tb1,Tb2,Tb3,Tb4・・・Tb(2n−1),Tb(2n)が同時に破線で示すように発光する。このように、実線および破線で示す検出光が交互に発光されることとなる。従って、発光器Tが高さ方向に8cm刻みに配設された全ての測定高さにおいて検出光を発光するために必要な時間は、4ms×2回の8msとなる。
例えば、車両60の先頭が検出用測定ポールA,Bの間に差しかかったとすると、先頭の運手席の天井60aより低い位置の発光器Ta13,Ta(2n),Tb(2n)等から発光された検出光は車両60により遮断され、これらに対応する受光器Sa13,Sa(2n),Sb(2n)等には到達しないこととなる。一方、天井60aより高い位置の発光器Tb12から発光された検出光は受光器Sb12まで到達する。これにより、車両の高さは、検出光が受光されない最高位置の受光器Sと検出光が受光された最低の位置の受光器Sとの間の値となっていることが判別できる。
むろん、車両60が検出用測定ポールA,Bを通過しないときには全受光器Sにて検出光が検出されるため、いずれかの受光器Sにて検出光が受光されないことにより車両60が通過していることを認識することが可能となっている。反対に、いずれかの受光器Sにて検出光が受光されており、その後に全受光器Sにて検出光が検出された場合には、車両60が検出用測定ポールA,Bを通過し切ったということが認識できる。
ステップS2130では、車高特定部M122がそれぞれの受光器Sにおける検出状態を取得し、車高を特定する。具体的には、車両の高さを検出光が受光されない最高位置の受光器Sの高さを車高と特定する。むろん、上述のように車両60が検出用測定ポールA,Bに差しかかっていない場合もあり、その場合は車高が0であると特定する。なお、ステップS2130で得られた車高の実測値を以下単に検出値Kと表記する。ステップS2140では比較部M124が検出用車高記憶部122aに記憶されたメモリ値Jを取得する。そして、ステップS2150において、検出値Kとメモリ値Jとを比較して検出値Kがメモリ値J以上となっていれば、ステップS2160にて検出値Kを検出用車高記憶部122aに更新させる。
ステップS2110においてメモリ値Jが0に初期化されているため、最初の段階では車両が検出されなくても必ず検出値Kが更新記憶されることとなる。ステップS2160にて検出値Kを検出用車高記憶部122aに更新させると、ステップS2120以降の処理を繰り返して実行する。従って、車両が差しかかっておらずステップS2130にて検出値Kが0と繰り返し特定される場合には、検出用車高記憶部122aにメモリ値Jとして0が継続して記憶されることとなる。
一方、ステップS2150にて検出値Kがメモリ値Jよりも小さいと判定されると、検出値Kが0であるか否かがステップS2170にて判定される。そして、検出値Kが0でない場合には、ステップS2120以降の処理を繰り返して実行する。検出値Kが0である場合には、ステップS2180にてメモリ値Jを送信部M126が測定用ユニット130に対して出力させる。メモリ値Jを出力するとステップS2110に戻って検出用車高記憶部122aのメモリ値Jを0に初期化し、ステップS2120以降の処理を繰り返して実行する。
いずれにしてもステップS2120〜S2170までの処理が繰り返して行われることとなる。つまり、発光器Tから8ms周期で断続的に発光が行われ、それぞれの周期においてステップS2130にて車高の検出値Kが特定されることとなる。このようにすることにより、所定の速度で進行する車両60の車長全体にわたって車高を測定することができる。従って、車両60の先頭が検出用測定ポールA,Bを通過したあとも、最高の高さを有する荷台の天井60bが通過した際にその高さを測定することが可能となっている。なお、ステップS2130〜S2180の処理は複雑ではないため、発光器Tの発光周期8msにほとんど影響を与えない。
また、ステップS2150を実行することにより、メモリ値Jよりも高い車高を示す検出値Kのみを新たなメモリ値Jとして記憶させている。従って、常に最も高い車高が最終的なメモリ値Jとして記憶されることとなる。ただし、異なる車両間で最高車高を比較しても意味がないので、ステップS2150,S2170において車両60の最後尾が通過したか否かを判定し、最後尾と判断されれば当該車両の最高車高としてメモリ値Jを出力し、その後メモリ値Jを0に初期化させている。このようにすることにより、最高車高のみを測定用ユニット130に対して出力するとともに、その後に通過する車両の車高を区別して測定することができる。
なお、車両60の最後尾が通過するときには、それ以前に測定された車高を示すメモリ値Jは0でない何れかの車高の値となっており、一方検出値Kは0となる。従って、ステップS2150では検出値Kがメモリ値Jよりも小さいと判定され、ステップS2170では検出値Kが0であると判定される。従って、ステップS2150,S2170を実行することにより車両60の最後尾が通過したか否かを特定することができる。なお、車両間においてメモリ値Jを初期化する手法は以上のものに限られず、例えば、所定周期にわたって検出値Kが継続して0となったときに車間であると判定しメモリ値Jを初期化するようにしても良いし、メモリ値Jが0から0でない値に更新されたときに車両の先頭であると判定しメモリ値Jを初期化するようにしても良い。
以上説明した構成によれば、8msという短時間で全ての測定高さにおいて発光器Tを発光させることができる。従って、車両60の走行スピードが速い場合であっても、車長方向にきめの細かい車高測定が可能となる。例えば、時速72kmで走行する車両では車長方向に16cm間隔で測定を行うことができるし、時速36kmで走行する車両では車長方向に8cm間隔で測定を行うことができる。従って、車両の走行速度を制限することなく測定を行うことができるため、一般の道路に設置しても通行の流れを阻害することはない。
以上のように多くの発光器Tを同時に発光させると、測定が高速化する反面、同時に発光している複数の発光器Tから発せられた検出光が同一の受光器Sに入射してしまう誤検出の問題が発生しやすい。この場合、どの高さの検出光が遮断されたかを特定することができず、正確な車高測定を行うことができない。なお、発光器Tから水平に検出光が進行すればこのような問題が生じることはない。しかし、光は経路中において回折・屈折する性質を有しているため上記のような問題が発生することは避けられないものとなっている。
これに対して本発明では発光器ブロックPと受光器ブロックQとを高さ方向に交互に配置することにより、同時に発光される発光器Tと受光器Sの組であって高さ方向に最も近いもの同士における検出光の進行方向が互いに反対方向となるようになっている。従って、前述した実施形態と同様に誤検出を防止することが可能となっている。
例えば、図11に示す検出用測定ポールBに配設された発光器Ta3から発せられた検出光が本来検出されるべき受光器Sは受光器Sa3である。この検出光が対向する検出用測定ポールAに到達したときに誤検出のおそれがある最も近い受光器Sは、同時に受光を行っている受光器Sa1および受光器Sa5となる。しかし、発光器Ta3と受光器Sa1および受光器Sa5との間隔は8cm×4=32cmと広く、そこまで検出光が回折・屈折して拡散するとは考えられない。なお、これらの間に介在する発光器Ta2,Tb2,Ta4,Tb4は受光器Sではないため、発光器Ta2,Tb2,Ta4,Tb4が誤検出することはあり得ない。従って、検出光の誤検出を防止することが可能となる。
図16は、測定用ユニット130における測定処理の流れを示している。同図において、まずステップS2205にて受信部M136が検出用ユニット120からのメモリ値Jの入力を受け付けている。ステップS2210にてメモリ値Jの入力が受け付けられると、ステップS2215において発光制御部M131がメモリ値Jから測定用測定ポールC,Dにおいて発光させる発光器Tを特定する。例えば、図11に示すように検出用測定ポールA,Bの受光器Sa3において受光され、受光器Sb3において受光されない測定結果に対応するメモリ値Jが入力された場合には、測定用測定ポールC,Dにおいて受光器Sa3と受光器Sb3との間の高さに相当する発光器Tを特定する。なお、ここで特定する発光器Tは厳密にメモリ値Jに対応した高さのものである必要はなく、上下に余裕をもって特定するようにしても良い。例えば、上下に4cmの余裕を持たせた領域F内の発光器Tを特定するようにしても良い。
ステップS2220では、RAM132に割り当てられた測定用車高記憶部132aに記憶された車高を示すメモリ値Iを0に初期化する。そして、ステップS2225では、ステップS2215にて特定された発光器Tのみを1サイクル分発光させる。測定用測定ポールC,Dにおいても、上下二段の発光器Tで構成されるそれぞれの発光器ブロックPのうち上段の発光器Tをまず発光させ、その4ms後にそれぞれの発光器ブロックPのうち下段の発光器Tを発光させる。従って、8msが発光の1周期となっている。ステップS2230では、各受光器Sの受光状態から測定値Mを特定する。
測定値Mを特定する方法としては、上述した検出値Kと同様なので説明を省略する。測定用測定ポールC,Dにおける発光器Tの発光のタイミングは、検出用測定ポールA,Bを車両の最後尾が通過した直後に出力されるメモリ値Jが測定用ユニット130に入力されるときであるため、検出用測定ポールA,Bから車長分間隔をあけて下流に配置された測定用測定ポールC,Dにおいて車両60の先頭が到達する前に発光を開始することができる。従って、確実に同一の車両60を再測定することができる。
なお、上述したように測定用測定ポールC,Dにおいては高さ方向に隣接する発光器Tと受光器Sの間隔lは2cmとされているため、検出用測定ポールA,Bにて得られた検出値Kの四倍の精度で車高を特定することが可能となっている。すなわち、測定用ユニット130では2cm単位の車高測定が可能となっている。ステップS2235〜S2250までの処理は検出用ユニット120におけるステップS2140〜S2170と同様であり、最高の車高をメモリ値Iに更新記憶させる処理を行っている。従って、8ms周期で発光・測定を繰り返し最終的に2cm単位で測定された最高車高をメモリ値Iとして記憶させることが可能となっている。なお、ステップS2235〜S2250までの処理は検出用ユニット120におけるステップS2140〜S2170と同様であるため、詳細な説明は省略する。
また、同様にステップS2250では車両の最後尾であるかどうかを特定することができる。ここで、最後尾であると判定された場合には、ステップS2255にて出力部M137がメモリ値Iを表示器136とプリンタ138に出力する処理を行う。これにより、最終的な車高の測定結果を利用者に通知することが可能となっている。ステップS2255にて出力を行うとステップS2260にて、測定用測定ポールC,Dに配設された発光器Tの発光を停止させ、再びステップS2205にてメモリ値Jの入力待ち状態となる。
このようにすることにより、測定用測定ポールC,Dにおいては測定に必要な発光器Tのみを、必要な期間にだけ発光させることができる。従って、測定用測定ポールC,Dにおいては消費電力を小さくすることが可能となっている。また、上述したとおり測定用測定ポールC,Dにおいても発光器Tと受光器Sとが交互に配設されているため、高さ方向に細かく測定しても信頼性の高い車高測定を行うことが可能となっている。さらに、8msと短い周期で繰り返して測定することができるため、高速に走行する車両であっても車長方向に細かく測定することができる。検出用測定ポールA,Bと測定用測定ポールC,Dのいずれにおいても高速な車高測定を行うことが可能であるため、車高測定装置110全体を通して車高を測定するために車両の通行速度を制限したりする必要はない。従って、車高測定装置110を一般の道路に設置したとしても、車両の通行を阻害することはない。なお、検出用測定ポールA,Bは本発明にいう仮車高測定手段を構成している。
(4)第四の実施形態:
図17は変形例にかかる車高測定装置のハードウェア構成を示し、図18は変形例にかかる車高測定装置のソフトウェア構成を示している。図17において、検出用ユニット220のバス220aにはI/F227を介して車速測定器226が接続されている。車速測定器226は検出用測定ポールA,Bに車両が差しかかったことを検知し、車両の進行速度を測定する。車速測定器226は、例えば車両にマイクロ波を照射し、その反射波に含まれるドップラ波を検出して速度検出を行うものを使用している。むろん、その他の方式により速度を検出する装置を使用しても良い。マイクロ波によれば瞬時に車速を測定することができるため、車両が検出用測定ポールA,Bを通過している間に車速測定を完了させることができる。
図18においても、車速を検出するためモジュールが車速測定部M225として付加されている。車速測定部M225により取得された車速VはRAM222の車速記憶部222bに記憶されることとなる。なお、車速Vは車両が検出用測定ポールA,Bを通過している間に取得されれば良く、同一車両に対して複数回測定した平均速度等であっても良い。一方、測定用ユニット230における発光制御部M231には、予測部M231aが組み込まれている。予測部M231aは受信部M236にて取得された車速Vから測定用測定ポールC,Dの発光器Tを起動するタイミングを予測するモジュールである。なお、その他の構成については前実施形態と同様であるため説明を省略する。
図19は、検出用ユニット220における検出処理の流れを示している。同図において、ステップS3180では車両が検出用測定ポールA,Bを通過している間に測定された車速Vを当該車両の最高車高を示すメモリ値Jとともに測定用ユニット230に出力する。すなわち、車両の最後尾が検出されるタイミングで当該車両についての最高車高と車速を測定用ユニット230に通知する。なお、車速Vを出力した後にはRAM222に記憶された車速Vを初期化させるため、前後の車両と車速Vが混同することはない。
図20は、測定用ユニット230における測定処理の流れを示している。同図において、ステップS3210ではメモリ値Jと車速Vの入力を受け付け、ステップS3218では車速Vから起動時間を予測する。起動時間を予測するにあたっては、まず検出用測定ポールA,Bと測定用測定ポールC,Dの距離と、受信した車速Vとに基づいて、車両の最後尾が検出用測定ポールA,Bを通過してから測定用測定ポールC,Dに到達するまでの到達時間を算出する。単純に距離を車速Vで除算することにより到達時間を求めることができる。
そして、この到達時間に基づいて、測定用測定ポールC,Dに車両の先頭が到達する時間を起動時間として算出している。例えば、単純に到達時間から一定時間を減算するようにしても良いし、平均的な車両の長さを車速Vで除算して得られた時間を減算するようにしても良い。いずれにしても、車速が変動するおそれがあるため、余裕を持たせた時間を減算しておくことが好ましい。ステップS3223においては上記のように算出した起動時間だけ発光器Tの発光を待機させ、その後ステップS3225にて発光器Tを発光させる。
このようにすることにより、車両の先頭が測定用測定ポールC,Dを通過する直前に測定用測定ポールC,Dの発光器Tを発光させることができる。従って、無駄な電力を消費させないとともに、確実に対象車両を測定することができる。また、検出用測定ポールA,Bと測定用測定ポールC,Dの距離に応じた起動時間の予測ができるため、検出用測定ポールA,Bと測定用測定ポールC,Dの設置間隔が限定されることはない。従って、道路の状況に応じて検出用測定ポールA,Bと測定用測定ポールC,Dの設置することができる。
検出用測定ポールA,Bと測定用測定ポールC,Dの設置間隔を広く取った場合には、検出用測定ポールA,Bと測定用測定ポールC,Dとの間に複数の車両が存在する場合もある。この場合、車両毎に対応づけられたメモリ値Jと車速Vを一旦不揮発性メモリ等に蓄積させておき、これを順次読み出して使用するようにしても良い。また、より電力を節約したい場合には、検出用測定ポールA,Bにおいて最高車高が検出されたタイミングを記憶しておき、測定用測定ポールC,Dに車両の車高が最高となる部位が到達する時間を予測し、車両の車高が最高となる部位付近のみを測定するようにしても良い。
上述した実施の形態は好ましい一例を示したものであり、この発明はこの実施形態に限定されるものでないことは勿論である。したがって、その実施に際しては請求項に記載した技術内容の範囲内で任意に変更あるいは修正して実施することができるものである。
(5)まとめ:
本発明においては、まず、測定間隔の広い測定を行うことにより車高がどこにあるかを大雑把に特定しておくことができる。従って、次に行う間隔の狭い測定においては、同特定された高さのみについて測定を行うことができる。従って、すべての高さの発光器Tを発光させなくても、狭い測定間隔で車高を測定することができる。すべての高さの発光器Tを発光させなくても良いため、発光器Tの発光に要する時間も短縮され、高速な測定が可能となる。また、発光器Tの発光により消費される電力を抑えることもできる。