JP4553112B2 - 酸性水性ギブサイトゾルの製造方法 - Google Patents

酸性水性ギブサイトゾルの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4553112B2
JP4553112B2 JP2004155745A JP2004155745A JP4553112B2 JP 4553112 B2 JP4553112 B2 JP 4553112B2 JP 2004155745 A JP2004155745 A JP 2004155745A JP 2004155745 A JP2004155745 A JP 2004155745A JP 4553112 B2 JP4553112 B2 JP 4553112B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gibbsite
sol
acidic aqueous
aqueous
carbon dioxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004155745A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005035878A (ja
Inventor
希代巳 江間
元 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Chemical Corp filed Critical Nissan Chemical Corp
Priority to JP2004155745A priority Critical patent/JP4553112B2/ja
Publication of JP2005035878A publication Critical patent/JP2005035878A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4553112B2 publication Critical patent/JP4553112B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、電子顕微鏡観察によると、50〜300nmの一辺の長さと10〜40nmの厚さとを有する板状1次粒子が面−面間で凝結することにより形成される、50〜500nmの長さを有する2次粒子を含有する安定な酸性水性ギブサイトゾルの製造方法である。
既に種々の製造方法で、種々のアルミナ水和物のコロイド粒子が製造されている。ここでコロイド粒子とは、1〜1000nmの粒子径、つまりコロイド次元の粒子径を有する粒子の総称である。これら製造されたコロイド粒子は、結晶構造としてベーマイト(boehmite)構造又は擬ベーマイト(pseudo boehmite)構造を有するアルミナ水和物、非晶質ともいわれる無定形のアルミナ水和物などがほとんどであり、そしてその形状としては、板状、リボン状、紡錘状、針状、繊維状などを有することが知られている。
また、ギブサイト(gibbsite)構造を持った水酸化アルミニウムの微細な粒子の製造方法が開示されている。
アルミン酸溶液に酸(好ましくはアルミニウム塩)を加えてアルカリを部分中和し、核を発生させた後、過飽和アルミン酸塩溶液に投入することからなるギブサイトの製造方法が開示されている。(例えば、特許文献1参照。)
アルミン酸ナトリウム溶液を70〜75℃の温度で、Al23濃度が75〜100g/Lで炭酸ガス処理することによりギブサイトのみの結晶構造を持つ水酸化アルミニウムが得られることが表記されている。(例えば、非特許文献1参照。)
特許文献1によると、アルミン酸塩溶液に酸(望ましくはアルミニウム塩)を加えて一旦ギブサイトの核を発生させ、それを再度アルミン酸ナトリウムなどの過飽和アルミン酸塩溶液に添加することにより、0.15μm以下の一次粒子径を有する凝集性の低い水酸化アルミニウムが生成されることが開示されている。
非特許文献1によると、Al23濃度が75〜100g/Lで、炭酸ガスとの反応温度が70〜75℃のときにギブサイトが生成すると記載がある。その生成したギブサイト粒子の大きさには述べられていない。
特許文献1の発明では晶析により微小な核を発生させ、それを成長させる工程を採用している。通常の過飽和溶液からの核発生を行ったのでは、できた核が大きすぎて、一次粒子の平均径が0.5μm以下とはならないことと、種子を添加した場合でも同様に細かくならないことを記載している。また、アルミン酸溶液に酸(好ましくはアルミニウム塩)を用いて中和した後に洗浄工程を入れる必要性を述べている。その洗浄において、純水を用いて行うが、発生する塩量が多いため、洗浄完了までに時間がかかるため、洗浄・濾別後の生成物(無定形アルミナゲル)の放置によりの老化が起こり、通常の温度では粒子成長が起こる。そのため、本来目的とする微粒子のギブサイト構造を有する水和物粒子とならない。この老化の進行を防ぐために炭酸塩またはガス状二酸化炭素などを用いて添加反応が通常行われている。二酸化炭素は弱酸であるため中和に要する量が多く必要であり、pHを中性付近にすることは経済的に不利である。
特開平03−008715号公報(特許請求の範囲、明細書) 「アメリカン・セラミック・ソサエテイ・ブリテン(Am. Ceram. Soc. Bull.)」、(米国)、アメリカン・セラミック・ソサエテイ、1997年6月、第76巻、第6号、p.55−59
現在市販されているギブサイト構造を有する水酸化アルミニウムはその粒子径が大きいためにそれぞれの用途の中で性能が充分に発揮できないことが多い。
例えばゴム・プラスチック用のフィラーや加工紙用水系スラリーなどでは粒子径が小さいほど分散性が良く光沢も出やすいため、より粒子径の小さい水酸化アルミニウムが要望されている。本発明は従来のギブサイト構造を有する水酸化アルミニウムにはない粒子径の小さな水酸化アルミニウムを、安価で簡易にかつ効率よく製造する方法を提供しようとするものである。具体的には、一次粒子の粒子径がサブミクロンメーター次元である、塩類の少ない安定な酸性水性ギブサイトゾルを提供する。そしてその酸性水性ギブサイトゾルは分散性が良く、そしてその乾燥ゲルが堅牢であることを特徴とする。
本発明の第一観点は、下記の(A)、(B)及び(C)工程を含む、
電子顕微鏡観察によると、50〜300nmの一辺の長さと10〜40nmの厚さとを有する板状1次粒子が面−面間で凝結することにより形成される、50〜500nmの長さを有する2次粒子を含有する安定な酸性水性ギブサイトゾルの製造方法である。
(A):5〜35℃の液温下、アルミン酸アルカリ水溶液に液状又は気体状二酸化炭素を添加することにより、当該二酸化炭素の添加終了直後において12.0〜12.5のpHを有する反応混合物を生成させる工程、
(B):(A)工程で得られた当該反応混合物を100〜120℃の温度で水熱処理することにより、ギブサイト構造を有するアルミナ水和物を含有する水性懸濁液を生成させる工程、及び
(C):(B)工程で得られた当該水性懸濁液を、限外濾過法にて水と酸とを添加して脱塩処理することにより、3〜7のpHを有する酸性水性ギブサイトゾルを形成させる工程。
本発明の第二観点は、第一観点の製造方法において、(B)工程において、水熱処理する前に(A)工程で得られた反応混合物を2〜24時間の攪拌で前処理する安定な酸性水性ギブサイトゾルの製造方法である。
本発明の第三観点は、下記の(a)、(b)及び(c)工程を含む、
電子顕微鏡観察によると、50〜300nmの一辺の長さと10〜40nmの厚さとを有する板状1次粒子が面−面間で凝結することにより形成される、50〜500nmの長さを有する2次粒子を含有する安定な酸性水性ギブサイトゾルの製造方法である。
(a):5〜35℃の液温下、アルミン酸アルカリ水溶液に液状又は気体状二酸化炭素を添加することにより、当該二酸化炭素の添加終了直後において12.0〜12.5のpHを有する反応混合物を生成させる工程、
(b):(a)工程で得られた当該反応混合物を100〜120℃の温度で水熱処理することにより、ギブサイト構造を有するアルミナ水和物を含有する水性懸濁液を生成させる工程、及び
(c):(b)工程で得られた当該水性懸濁液を、ケーク濾過法にて水と酸とを添加して脱塩処理することにより、3〜7のpHを有する酸性水性ギブサイトゾルを形成させる工程。
本発明の第四観点は、第三観点の製造方法において、(b)工程において、水熱処理する前に(a)工程で得られた反応混合物を2〜24時間の攪拌で前処理する安定な酸性水性ギブサイトゾルの製造方法である。
本発明の第五観点は、下記の(A’)、(B’)及び(C’)工程を含む、
電子顕微鏡観察によると、50〜300nmの一辺の長さと10〜40nmの厚さとを有する板状1次粒子が面−面間で凝結することにより形成される、50〜500nmの長さを有する2次粒子を含有する安定な酸性水性ギブサイトゾルの製造方法である。
(A’):5〜35℃の液温下、アルミン酸アルカリ水溶液に液状又は気体状二酸化炭素を添加することにより、当該二酸化炭素の添加終了直後において12.0〜12.5のpHを有する反応混合物を生成させる工程、
(B’):(A’)工程で得られた当該反応混合物を100〜120℃の温度で水熱処理することにより、ギブサイト構造を有するアルミナ水和物を含有する水性懸濁液を生成させる工程、及び
(C’):(B’)工程で得られた当該水性懸濁液を、水素型酸性陽イオン交換樹脂と水酸型強塩基性陰イオン交換樹脂とを接触させることにより、3〜7のpHを有する酸性水性ギブサイトゾルを形成させる工程。
本発明の第六観点は、第五観点の製造方法において、(B’)工程において、水熱処理する前に(A’)工程で得られた反応混合物を2〜24時間の攪拌で前処理する安定な酸性水性ギブサイトゾルの製造方法である。
本発明の第七観点は、第一観点、第三観点又は第五観点の製造方法で得られる安定なギブサイトを機械的分散処理後、濃縮することを特徴とする高濃度かつ安定な酸性水性酸性水性ギブサイトゾルの製造方法である。
本発明の第八観点は、下記の(A)及び(B)工程を含む、
ギブサイト構造を有するアルミナ水和物を含有する水性懸濁液の製造方法である。
(A):5〜35℃の液温下、アルミン酸アルカリ水溶液に液状又は気体状二酸化炭素を添加することにより、当該二酸化炭素の添加終了直後において12.0〜12.5のpHを有する反応混合物を生成させる工程、及び
(B):(A)工程で得られた当該反応混合物を100〜120℃の温度で水熱処理することにより、ギブサイト構造を有するアルミナ水和物を含有する水性懸濁液を生成させる工程。
本発明の酸性水性ギブサイトゾルは、高い安定性を示し、その媒体の除去によって終局的に粉体に変わる性質を有するが、この粉体に含有される2次粒子は50〜500nmの長さを有するので、このゾルが乾燥する際に、又は硬化後には、このゾルに由来する独特の性質を示す。
本発明によって得られる安定な酸性水性ギブサイトゾル及び高濃度かつ安定な酸性水性ギブサイトゾルは、従来のギブサイトに比較すると、粒子の大きさが小さいため種々の用途に従来得られなかった改良をもたらす。組成物をつくるために従来のアルミナゾルに加えられた成分は、本発明の酸性水性ギブサイトゾルに対しても加えることができる。それは、シリカゾル、アルキルシリケートの加水分解液、その他の金属酸化物ゾル、水溶性樹脂、樹脂エマルジョン、ゴム、増粘剤、消泡剤、界面活性剤、耐火物粉末、金属粉末、顔料、カップリング剤などが挙げられる。
従来から用いられている種々の塗料成分と共に本発明の酸性水性ギブサイトゾルを配合することにより、無機塗料、耐熱塗料、防食塗料、無機-有機複合塗料などを容易に調製することができる。本発明の酸性水性ギブサイトゾルを含有する塗料から形成された乾燥塗膜にはピンホールが少なく、クラックも殆ど見られない。この理由は、塗膜形成において、酸性水性ギブサイトゾルに含有されるの50〜500nmの2次粒子は一般のコロイド粒子に見られる塗膜中での偏析現象を起こさず、塗膜中内に2次粒子による堅牢な架橋構造を形成するためと考えられる。また2次粒子が小さく塗料中の分散が良いために、従来のギブサイトでは成し得なかった塗膜の艶を出すことが出来る。
本発明の第一観点の(A)工程、第三観点の(a)工程、第五観点の(A’)工程及び第八観点の(A)工程は、5〜35℃の液温下、アルミン酸アルカリ水溶液に液状又は気体状二酸化炭素を添加することにより、当該二酸化炭素の添加終了直後において12.0〜12.5のpHを有する反応混合物を生成させる工程である。
使用される原料のアルミン酸アルカリ塩又は濃縮液のアルカリ種としては、Na、K、Mg、Zn、Fe、Ca、Ba、Be等が挙げられるが、これらのアルミン酸アルカリ塩又は濃縮液は公知の方法により容易に得られ、また市販の工業薬品としても入手することができる。特に安価なアルミン酸ナトリウム塩又は濃縮液が好ましい。通常、市販のアルミン酸ナトリウムとしては、高濃度の粉末品とAl23濃度として10〜25質量%の濃縮液があるが、次工程の二酸化炭素添加時の均一な反応を考えると濃縮液が扱いやすく好ましい。
本発明において液状又は気体状二酸化炭素の添加時において、アルミン酸アルカリ水溶液のAl23濃度としては特に制限を受けない。二酸化炭素添加時の均一な反応及び生産効率等を考えると、Al23濃度として好ましくは1〜10質量%、より好ましくは2〜8質量%である。純水等で希釈した水溶液を用いる。
この希釈したアルミン酸アルカリ水溶液は加水分解を受け易いため、希釈後速やかに本発明の工程に使用する必要がある。特に二酸化炭素添加前に50℃以上の高温で保持されたアルミン酸アルカリを希釈した水溶液を使用すると目的の1次粒子が得られにくい。
希釈されたアルミン酸アルカリ水溶液は均一化のために当該業者に公知の機械的撹拌方法で攪拌される。アルミン酸アルカリ塩又は濃縮液の希釈のために行われる純水等の投入時に、部分的な攪拌が行われるが、機械的な攪拌を行わないとアルミン酸アルカリ水溶液の希釈液の不均一を生み、二酸化炭素による反応が不均一になるため好ましくない。
そして、この原料となるアルミン酸アルカリ塩又は濃縮液には、アルミン酸アルカリのAl23量100部に対してAl23量5〜200部の塩基性アルミニウム塩及び/又はアルミニウム正塩を溶解さたせたアルミン酸アルカリも包含される。この混合溶液においても、本発明の目的が達成される。
用いられる塩基性アルミニウム塩及び/又はアルミニウム正塩は公知の製造方法により容易に得られ、市販の工業薬品としても入手することができる。塩基性アルミニウム塩としては、水溶性の塩基性アルミニウム塩として、塩基性塩化アルミニウム、塩基性硝酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、塩基性乳酸アルミニウムなどが挙げられる。また用いられるアルミニウム正塩としては、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、酢酸アルミニウムなどが挙げられる。
また本発明の目的が達成される限り、任意の成分、例えばアルミン酸アルカリの安定性を維持している陽イオンなどを含有することができる。
本発明のアルミン酸アルカリ水溶液には、二酸化炭素が用いられる。装置の腐食、臭いなどの作業環境や価格などを考慮して好ましくはガス状二酸化炭素が用いられる。液状又は気体状の二酸化炭素はアルミン酸アルカリ水溶液に添加したときに大きな塊ができないような濃度としてから添加されるべきであり、添加される酸の濃度及び添加速度は添加時の攪拌の強さにより決定される。
アルミン酸アルカリ水溶液に二酸化炭素を添加して反応を行うと、中和熱により発熱を起こす。この発熱により、生成したアルミニウム反応生成物が老化を起こし、結晶性の水酸化アルミニウムとなり易くなる。この発熱によって出来た結晶性の水酸化アルミニウムは、後の工程で水熱処理を行った後も残るため、本発明の主目的であるギブサイト構造を有するアルミナ水和物の水性懸濁液のみを得ることができない。また本発明のギブサイト構造を有するアルミナ水和物の粒子形態は、板状1次粒子が凝結した2次粒子である。この際、反応時の温度が高いと分散性が向上して、粒子径の大きい単分散粒子が生成しやすくなる。従って、アルミン酸アルカリ水溶液への二酸化炭素の添加時の温度を低く保つことで結晶性水酸化アルミニウムの核の生成を抑えることができ、目的の粒子形状と結晶構造をもったアルミナ水和物(コロイド状粒子)を得ることが出来る。ここで結晶性の水酸化アルミニウムとはX線回折による分析で明らかにピークが存在しているものを指す。
二酸化炭素の添加時の温度を低くする方法としては、アルミン酸アルカリ水溶液の温度を予め冷却した後に酸を添加する方法、更に添加する二酸化炭素の温度を予め低くして添加する方法、添加の最中に外部冷却装置などを用いて反応混合液を冷却する方法などが挙げられる。
最も好ましい方法は上記温度制御方法をすべて行う方法であるが、設備投資費用が嵩むなどの理由から、これら方法の1つ又は2つの方法を選択することもできる。
本発明においてアルミン酸アルカリ水溶液の反応温度としては5〜35℃、好ましくは10〜25℃が良い。5℃以下では反応に用いる二酸化炭素の量が多くなることや反応混合物(スラリー)の粘度が高くなるなどが起こり好ましくない。また、35℃を超えるとアルミナ水和物の1次粒子が所望の大きさより大きくなるため好ましくない。
アルミン酸アルカリ水溶液の二酸化炭素による反応に要する時間は、生成する水酸化アルミニウムの結晶化を防ぐために3時間以内が有効であり、好ましくは1.5時間以内が良い。
当該二酸化炭素の添加終了直後における反応混合物(スラリー)のpHとしては12.0〜12.5の間が好ましい。12未満のpHを有する反応混合物では、次工程の水熱処理を実施しても目的とするギブサイト構造のみを有するアルミナ水和物を含有する水性ギブサイトゾルを得ることはできない。また、12.5を超えるpHでは、次工程の水熱処理を実施すると、アルミン酸塩が残り、反応収率が悪くなるため好ましくない。つまり、水熱合成後において最も効率的にギブサイト構造を有するアルミナ水和物が得られる反応混合液のpHは12.0〜12.5の範囲である。
反応後に得られる反応混合物を50℃での減圧乾燥法で乾燥して、得られた乾燥物をX線回折にて分析すると特定のピークを示さない無定形であり、この時に水酸化アルミニウムのピークが観察されると、後に行う水熱合成反応後には大きな粒子径を持つギブサイトが生成される。
反応後の反応混合物は、二酸化炭素の添加時における攪拌の方式及び撹拌強度によっては粗い粒子が混同する。粗い粒子が存在すると次工程の水熱処理時に不均一な反応を起こすため、より均一な細かい粒子が必要となる。ここでより細かい粒子とは目視で明らかな粒状の粒子が観察できない程度の粒子であり、特に数値で制限するものではない。この細かい粒子を得るためには攪拌及び分散が行われる。より均一な細かい粒子を得るために行われる攪拌及び分散方式は特に限定はされない。一例を挙げれば媒体ミル処理、コロイドミル処理、高速剪断攪拌処理及び高圧衝撃分散処理等が用いられる。攪拌及び分散は用いる装置の能力によって時間は異なるが、大きな塊がなくなるまで行えば良い。攪拌及び分散時間を長く行うほど反応混合物中の固形物は微細化・均一化するが、生産効率的に見ると2時間から24時間以内が好ましい。攪拌時の温度については特に限定しないが、通常5〜40℃であり、常温でよい。
次に、本発明の第一観点の(B)工程、第三観点の(b)工程、第五観点の(B’)工程及び第八観点の(B)工程は、前工程で得られた当該反応混合物を100〜120℃の温度で水熱処理することにより、ギブサイト構造を有するアルミナ水和物を含有する水性懸濁液を生成させる工程である。
微細化・均一化した後にその反応混合物の水熱処理を行うことによって、透過型電子顕微鏡による観察において、50nmから300nmの一辺の長さと10〜40nmの厚さとを有する板状1次粒子が面−面間で凝結することにより形成される50nmから500nmの長さを有する2次粒子とギブサイト構造とを有するアルミナ水和物(2次粒子)の水性懸濁液が得られる。
ここでは2次粒子(凝結体)の長さとは、2次粒子の長軸の長さを表す。
板状1次粒子としては、矩形状と六角形状とが観察される。そしてその板状1次粒子が凝結して2次粒子を形成している。
水熱処理の温度は100〜120℃で行うことができる。反応混合物を100℃未満の温度で水熱処理すると、水性懸濁液中において無定形アルミナ水和物から水酸化アルミニウムの他の結晶構造であるバイヤライト(bayerite)構造を有するアルミナ水和物を多く含むため、好ましくない。一方、120℃を超える水熱処理では、装置的に急冷設備、超高圧容器などを必要とするので好ましくない。装置の腐食や耐圧構造による装置費用を考慮すると100〜120℃で行うのが好ましい。水熱処理において、より高温を選択することにより、水熱処理で得られる1次粒子径及び粒子の厚みをより増加させることができる。
水熱処理装置としては、公知の装置である攪拌機付オートクレーブや流通式管状反応器などの高圧設備を使用する。水熱合成の時間は温度により異なるが、2〜24時間、好ましくは2〜6時間行う。
水熱処理で得られた当該水性懸濁液を限外濾過法やケーク濾過、またはイオン交換樹脂の接触法などによりアルカリ、アルカリ塩類の除去が行われる。
次に、本発明の第一観点の(C)工程は、(B)工程で得られた当該水性懸濁液を、限外濾過法にて水と酸とを添加して脱塩処理することにより、3〜7のpHを有する酸性水性ギプサイトゾルを形成させる工程である。
限外濾過法にはその変法であるダイアフィルトレーション法(diafiltration process)を採用する。ダイアフィルトレーション法においては、水の添加によりアルカリ及びアルカリ塩類の除去ができる。尚、限外濾過法を用い、アルカリを限外濾過膜透過液側に抜くことで分離精製を行う場合、回分式操作では水性ギブサイトゾルに必ずアルカリが残ってしまう。そこで、採用するダイアフィルトレーション法では、水性ギブサイトゾル側に水と酸を添加して、3〜7のpHを有する酸性水性ギブサイトゾルを形成させながら、限外濾過膜の透過液量を増していくことによりアルカリの除去率を上げて、効率よく脱塩処理を進めることとなる。
使用する限外濾過膜は、市販の工業製品として得られる分画分子量として6千から20万の限外濾過膜が使用できる。また、クロスフローフィルトレーション法(cross-flow filtration process)にて利用される、精密濾過膜上にコロイド粒子からなるゲル層を形成させたダイナミック膜(限外濾過膜)も使用できる。
その脱塩処理は、酸性水性ギプサイトゾルのAl23濃度が10質量%基準で、電気伝導度が1000μS/cm以下となるまで、好ましくは700〜100μS/cmとなるまで行う。目的とする酸性水性ギブサイトゾルのAl23濃度が異なる場合、Al23濃度と電気伝導度との相関は、上記記載Al23濃度10質量%基準の電気伝導度との相関に正比例するとして計算して良い。そして脱塩処理温度は、通常10〜60℃であり、常温でよい。
この工程では、酸として、硝酸、塩酸、硫酸、過塩素酸、酢酸、蟻酸、乳酸などが使用することができる。この工程では、ダイアフィルトレーション法の操作方式は回分式及び連続式を採用することができる。そして、ダイアフィルトレーション法の装置は、クロスフロー方式が好ましい。
そして、目的とするAl23濃度として最大20質量%となるまで、ダイアフィルトレーション法及び/又は限外濾過法にて濃縮することができる。
ケーク濾過法としては、クロスフローフィルトレーション法(cross-flow filtration process)を採用することが好ましい。
次に、本発明の第三観点の(c)工程は、(b)工程で得られた当該水性懸濁液を、ケーク濾過法にて水と酸とを添加して脱塩処理することにより、3〜7のpHを有する酸性水性ギブサイトゾルを形成させる工程である。
ケーク濾過法による脱塩処理では、水の添加を行いながら中和に使用した酸とアルミン酸アルカリにより生成した塩の脱塩処理を行う。また9〜12のpHを維持するために、アルカリを必要に応じて脱塩処理反応混合物に加えることもある。なお、ケーク濾過法を用い、アルカリをケーク濾過膜透過液側に抜くことで、分離精製を行う場合、回分式操作では反応混合物に必ず塩が残ってしまう。そこで、クロスフローフィルトレーション法では、反応混合物側に水とアルカリを添加して、9〜12のpHを有する脱塩処理混合物を形成させながら、ケーク濾過膜の透過液量を増していくことにより、塩の除去率を上げて、効率よく脱塩処理を進めることができる。
その脱塩処理は、脱塩処理混合物のAl23濃度が4質量%基準で、電気伝導度が500μS/cm以下となるまで、好ましくは300〜100μS/cmとなるまで行う。目的とする脱塩処理混合物のAl23濃度が異なる場合、Al23濃度と電気伝導度との相関は、上記記載Al23濃度4質量%基準の電気伝導度との相関に正比例するとして計算して良い。そして脱塩処理温度は、通常10〜60℃であり、常温でよい。
ケーク濾過法を用いた脱塩工程では、必要に応じて加えて良いアルカリとして、アルカリ金属水酸化物塩、アルカリ土類金属水酸化物塩、アルミン酸アルカリ金属塩、アルミン酸アルカリ土類金属塩、水酸化アンモニウム、水酸化第4級アンモニウム、水酸化グアニジン、アミン類などが挙げられる。アルカリ金属水酸化物塩として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化セシウムなどが好ましく、特に水酸化ナトリウムが好ましい。なお、脱塩処理反応混合物に副生成物として、不溶性塩が生成するアルカリは当然除かれる。
ケーク濾過法による脱塩工程では、クロスフローフィルトレーション法の操作方式は回分式及び連続式を採用することができる。好ましい工業的装置として、チェコスロバキア国立有機合成研究所で開発された連続式ロータリフィルタープレスが挙げられる。(詳しくは、K. Michel and V. Gruber, Chemie - Ingenieur - Technik, 43, 380(1971)及びF. M. Tiller, Filtration & Separation, 15, 204(1978)などに記載されている。)
ケーク濾過には、公知の濾布が使用できる。濾布としては、精密濾過膜がより好ましい。その精密濾過膜としては、市販の工業製品として得られる公称孔径0.05μmから10μmの精密濾過膜が使用できる。
次に第五観点の(C’)工程は、(B’)工程で得られた当該水性懸濁液を、水素型酸性陽イオン交換樹脂と水酸型強塩基性陰イオン交換樹脂とを接触させることにより、3〜7のpHを有する酸性水性ギブサイトゾルを形成させる工程である。
イオン交換樹脂の接触法では、水熱処理工程で得られた当該水性懸濁液を、水素型酸性陽イオン交換樹脂及び水酸型強塩基性陰イオン交換樹脂にて接触処理する。この工程では、水素型酸性陽イオン交換樹脂の接触処理により原料アルミン酸アルカリ中のアルカリを除去する。そして水酸型強塩基性陰イオン交換樹脂の接触処理により、中和時に用いた酸の除去を行いながら酸性水性ギブサイトゾルの安定剤である酸の含有量を調整する。
用いる水素型酸性陽イオン交換樹脂としては、市販されている強酸性陽イオン交換樹脂及び/又は弱酸性陽イオン交換樹脂を酸にてイオン交換処理及び水洗処理して使用する。そして、除去しようとする原料アルミン酸アルカリ中のアルカリ量に対し、当量ではなく約3倍当量にあたる水素型酸性陽イオン交換樹脂量を使用するのが好ましい。その接触処理法は、通常樹脂を充填したカラムに被処理液を下向流若しくは上向流で通液する方法、又は被処理液中に樹脂を添加し撹拌保持した後、樹脂を濾別する方法が採用できる。また接触処理液温度は、通常10〜60℃であり、常温でよい。
また用いる水酸型強塩基性陰イオン樹脂としては、市販されている強塩基性陰イオン樹脂を水酸化ナトリウム水溶液にてイオン交換処理及び水洗処理して使用する。その使用する樹脂量は、脱アルカリ処理された酸性水性ギブサイトゾル中の過剰の酸を除去するのが目的であり、3〜7のpHを有する酸性水性ギブサイトゾルが得られればよい。その接触処理方法は被処理液中に樹脂を添加し撹拌保持した後、樹脂を濾別する方法が簡便で採用できる。また接触処理液温度は、通常10〜60℃であり、常温でよい。
以上、本発明の第一観点の(C)工程、第三観点の(c)工程及び第五観点の(C’)工程で得られた3〜7のpHを有する酸性水性ギブサイトゾルは、目的とするAl23濃度として最大20質量%となるまで、公知の濃縮方法である減圧濃縮法、限外濾過法などにて濃縮することができ、安定な酸性水性ギブサイトゾルが得られる。
これらの工程では、酸として、硝酸、塩酸、硫酸、過塩素酸、酢酸、蟻酸、乳酸などが使用することができる。ここで、脱塩工程において、得られた3〜7のpHを有する酸性水性ギブサイトゾルのレーザー回折・散乱法粒度分布を測定すると、50〜500nmの平均粒径を有する粒子群が認められる場合と、50〜500nmの平均粒径を有する粒子群と600〜1500nmの平均粒径を有する粒子群とが認められる場合がある。但し、この酸性水性ギブサイトゾル中では、600〜1500nmの平均粒径を有する粒子群である2次粒子の高次構造凝集物の存在比率は小さい。
よって、酸添加及び脱塩処理により、2次粒子の高次構造凝集物が2次粒子(コロイド粒子)へと解膠したものと考えられる。また、この2次粒子は、その1次粒子の面−面間が凝結して、50〜500nmの長さを有している。その2次粒子は、1次粒子の面−面間のランダムな凝結により形成された集合体の形態をしている。
本発明の第七観点では、前記の第一観点、第三観点又は第五観点の製造方法から得られる安定な酸性水性ギブサイトゾルを機械的分散処理後、濃縮することを特徴とする高濃度かつ安定な酸性水性ギブサイトゾルの製造方法である。
この方法では、得られた当該安定な酸性水性ギブサイトゾルを機械的分散処理することにより、酸性水性ギブサイトゾル中に微量存在する2次粒子の高次構造凝集物が破砕されとともに、2次粒子の面−面間の凝結により形成された凝結構造を有する粒子の結合が切断され2次粒子の伸長方向(凝結方向)の長さが短くなり、よりゾルの分散性が向上するため、高濃度かつ安定な酸性水性ギブサイトゾルを得ることが可能となる。
機械的分散処理とは、媒体ミル処理、コロイドミル処理、高速剪断撹拌処理及び高圧衝撃分散処理が挙げられる。媒体ミル処理に使用される具体的装置としては、ボールミル、アトライター、サンドミル及びビーズミルなどが挙げられる。コロイドミル処理に使用される具体的装置としては、コロイドミル、ストーンミル、ケーデーミル及びホモジナイザーなどが挙げられる。高速剪断撹拌処理に使用される具体的装置としては、商品名としてハイスピードディスパーサー、ハイスピードインペラー及びデイゾルバーと呼ばれているものが挙げられる。高圧衝撃分散処理に使用される具体的装置としては、高圧ポンプを使用した高圧衝撃分散機及び超音波高圧衝撃分散機が挙げられる。また機械的分散処理液温度は、通常10〜60℃であり、常温でよい。
機械的分散処理した酸性水性ギブサイトゾルは、目的とするAl23濃度として最大35質量%となるまで、公知の濃縮方法である減圧濃縮法、限外濾過法などにて濃縮することができ、高濃度かつ安定な酸性水性ギブサイトゾルが得られる。ここで、高濃度かつ安定な酸性水性ギブサイトゾルのレーザー回折・散乱法粒径分布を測定すると、50〜500nmの平均粒径を有する粒子群が認められる。透過型電子顕微鏡の観察結果との対比より、50〜500nmの平均粒径を有する粒子群は50〜500nmの一辺の長さを有する板状1次粒子群である。
脱塩工程において、ギブサイト構造を有するアルミナ水和物を含有する水性懸濁液は酸の添加及び/又は懸濁液中のアルカリ由来の電解質を除去されることにより、安定な水性ギブサイトゾルとなる。そして、当該ゾルは、安定剤としての酸の添加によりpHを3〜7に、好ましくは3.5〜6.5に調整されることによりゾルとしての安定性が向上する。よって、Al23濃度として最大30質量%迄で、任意のAl23濃度の安定な酸性水性ギブサイトゾルが得られる。このゾルは、密閉状態で、50℃で1ヶ月の保存でもゲル化することなく安定である。
本発明の第七観点で得られた高濃度かつ安定な酸性水性ギブサイトゾルは、濃縮工程を経てAl23濃度として最大35質量%迄のAl23濃度を有する高濃度かつ安定な酸性水性ギブサイトゾルが得られる。このゾルは、密閉状態で50℃で1ヶ月の保存でもゲル化することなく安定である。本発明で得られるアルミナ水和物のコロイド粒子は、110℃で乾燥後1100℃迄の示差熱分析により、2.9〜3.2のH2O/Al23モル比を有することと、粉末X線回折法結果より、ギブサイト構造を有するアルミナ水和物のコロイド粒子と同定される。
本発明で得られる安定な酸性水性ギブサイトゾル及び高濃度かつ安定な酸性水性ギブサイトゾルは、透過型電子顕微鏡観察によると、50〜300nmの一辺の長さと10〜40nmの厚さとを有する板状1次粒子が面−面間で凝結することにより形成される、50〜500nmの長さを有する2次粒子である。その板状1次粒子及びその2次粒子の厚さは10〜40nmである。
なお、本発明において採用した分析方法は下記の通りである。
(1)組成分析
(i)Al23濃度 質量法(800℃焼成残分)
(ii)Na2O濃度 原子吸光光度法(前処理は塩酸溶解処理)
(iii)酢酸濃度 中和滴定法。
(2)pH測定
pH計 D−22((株)堀場製作所製)を用いて測定した。
(3)電気伝導度
電気伝導度計 ES−12((株)堀場製作所製)を用いて測定した。
(4)レーザー回折・散乱法平均粒径とレーザー回折・散乱法粒度分布
レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置 MASTERSIZER 2000(登録商標)(MALVERN(株)製)を用いて測定した。測定解析法はMie理論に基づくレーザー回折・散乱法を採用し、液中の平均粒径と粒度分布を測定した。
(測定条件)溶媒 純水(25℃)。
(5)比表面積(BET法)
予め所定の条件で乾燥した試料を窒素吸着法比表面積計 MONOSORB MS-16型(QUANTACHROME社製)を用いて測定した。
(6)透過型電子顕微鏡観察
試料を純水で希釈後、銅メッシュ上の親水化処理済カーボン被膜コロジオン膜に試料を塗布して、乾燥させ観察試料を準備した。透過型電子顕微鏡 JEM−1010(日本電子(株)製)にて、その観察試料の電子顕微鏡写真を撮影して、観察した。
(7)示差熱分析
示差熱分析装置 TG/DTA320U(セイコー電子工業(株)製)を用いて測定した。
(測定条件)試料 16mg、リファレンス α−アルミナ16mg。
測定温度範囲 25〜1100℃
昇温速度 10℃/分。
(8)粉末X線回折
X線回折装置 XRD−6100((株)島津製作所製)を用いて、測定した。
実施例1
攪拌装置及びガス吹き込み管を装着したステンレス製容器に市販の液体アルミン酸ナトリウム800g(AS−17、(株)北陸化成工業所製、Al23濃度19.03質量%、Na2O濃度18.51質量%)に水3550gを加え、強く撹拌した。このときの希釈したアルミン酸ナトリウム水溶液の液温は21℃であった。この液中に液化二酸化炭素を気化させて得たガス状二酸化炭素を流速0.87L/分の速度で36分間導入した。ガス状二酸化炭素導入直後の反応混合物(スラリー)の液温は25℃、pHは12.19であった。この反応混合物を引き続いて、室温下4時間の撹拌を行った。そして撹拌処理済み反応混合物(pH13.40、Al23濃度3.5質量%)4340gを得た。
得られた反応混合物4000gをステンレス製オートクレーブ容器に仕込み、110℃で4時間水熱処理を行った。得られた水性懸濁液は、pH13.51、粘度208mPa.sを示し、Al23濃度3.5質量%であった。この水性懸濁液のレーザー回折・散乱法粒度分布を測定すると、150nmの平均粒径を有する粒子群と946nmの平均粒径を有する粒子群とが認められた。
この水性懸濁液を取り出した後、その水性懸濁液全量に純水1000gと酢酸32.8gとを加えて撹拌して、pH6.10に調製した後、限外濾過膜(分画分子量5万)を取り付けた撹拌機付自動連続加圧濾過装置にて、純水40000gを添加しながら脱塩し、その後、装置内で濃縮して酸性水性ギブサイトゾル689gを得た。得られた酸性水性ギブサイトゾルはpH5.97、Al23濃度20.1質量%、Na2O濃度88質量ppm、電気伝導度170μS/cm、粘度6.7mPa・s、酢酸濃度0.15質量%であり、レーザー回折・散乱法平均粒径171nm、300℃で乾燥した粉体のBET法による比表面積301m2/gを示した。
透過型電子顕微鏡観察によると、得られた酸性水性ギブサイトゾル中のアルミナ水和物の1次粒子は、50〜200nmの一辺の長さと10〜20nmの厚さとを有する板状粒子であった。そして、その1次粒子が面−面間で凝結することにより形成される、50〜400nmの長さを有する2次粒子を形成していた。
また、その酸性水性ギブサイトゾルを110℃で乾燥した粉体を1100℃迄熱分析すると、そのアルミナ水和物のコロイド粒子は2.92のH2O/Al23モル比を有することと、同じくその110℃で乾燥した粉体の粉末X線回折法結果(第1表)より、ギブサイト構造を有するアルミナ水和物と同定できた。この酸性水性ギブサイトゾルは、密閉状態で、温度50℃で1ヶ月保持した後でもゲル化することはなく安定であった。
Figure 0004553112
実施例2
攪拌装置及びガス吹き込み管を装着したステンレス製容器に市販の液体アルミン酸ナトリウム803g(AS−17、(株)北陸化成工業所製、Al23濃度18.93質量%、Na2O濃度19.42質量%)に水2237.0gを加え、18℃の恒温水槽に容器ごと入れ、強く撹拌した。このときの希釈したアルミン酸ナトリウム溶液の液温は20℃であった。この希釈したアルミン酸ナトリウム水溶液中に液化二酸化炭素を気化させて得たガス状二酸化炭素を流速1172mL/分の速度で49分間導入した。ガス状二酸化炭素導入直後の液温は20℃、反応混合物(スラリー)のpHは12.43であった。この反応混合物(スラリー)を引き続いて、室温下4時間の撹拌を行った。撹拌処理済み反応混合物(pH13.58、Al23濃度5.0質量%)3030gを得た。
この反応混合物3000gをステンレス製オートクレーブ容器に仕込み、100℃で4時間水熱処理を行った。得られた水性懸濁液は、pH13.50、粘度340mPa.sを示し、Al23濃度5.0質量%であった。この水性懸濁液のレーザー回折・散乱法粒度分布を測定すると、185nmの平均粒径(標準偏差21nm)を有する粒子群と940nmの平均粒径(標準偏差130nm)を有する粒子群とが認められた。
この水性懸濁液を取り出し、その水性懸濁液全量に純水4000gと酢酸31.0gとを加えて撹拌して、pH6.25に調製した後、限外濾過膜(分画分子量5万)を取り付けた撹拌機付自動連続加圧濾過装置にて、純水25000gを添加しながら脱塩し、その後、装置内で濃縮して酸性水性ギブサイトゾル1340gを得た。得られた酸性水性ギブサイトゾルはpH6.31、Al23濃度20.8質量%、Na2O濃度91質量ppm、電気伝導度90μS/cm、粘度8.6mPa・s、酢酸濃度0.10質量%であり、レーザー回折・散乱法平均粒径150nm、300℃で乾燥した粉体のBET法による比表面積374m2/gを示した。
得られた酸性水性ギブサイトゾルのレーザー回折・散乱法粒度分布を測定すると、250nmの平均粒径(標準偏差57nm)を有する粒子群のみが認められた。透過型電子顕微鏡観察によると、得られた酸性水性ギブサイトゾルに含有されるアルミナ水和物の1次粒子は、150〜300nmの一辺の長さと20〜30nmの厚さとを有する板状粒子であった。そして、その1次粒子が面−面間で凝結することにより形成される、50〜350nmの長さを有する2次粒子を形成していた。
また、その酸性水性ギブサイトゾルを110℃で乾燥した粉体を1100℃迄熱分析すると、そのアルミナ水和物のコロイド粒子は3.03のH2O/Al23モル比を有することと、同じくその110℃で乾燥した粉体の粉末X線回折法結果より、ギブサイト構造を有するアルミナ水和物と同定できた。この酸性水性ギブサイトゾルは、密閉状態で、温度50℃で1ヶ月保持した後でもゲル化することはなく安定であった。
実施例3
実施例1で得られた酸性水性ギブサイトゾル1000gに酢酸を加えてpH6.10とした後、多連式超音波高圧衝撃分散機(UH−600SREX型超音波ホモジナイザー(商標)、(株)エスエムテー製)を用いて室温で400mL/分の流速で3回繰り返し機械的分散処理を行い、その後減圧濃縮して高濃度の酸性水性ギブサイトゾル378gを得た。
得られた酸性水性ギブサイトゾルはpH6.15、Al23濃度25.1質量%、電気伝導度320μS/cm、粘度1200mPa・sであり、レーザー回折・散乱法平均粒径170〜370nm、300℃で乾燥したもののBET法による比表面積308m2/gを示した。透過型電子顕微鏡観察によると、得られた酸性水性ギブサイトゾル中のアルミナ水和物の1次粒子は、50〜200nmの一辺の長さと10〜20nmの厚さとを有する板状粒子であった。そして、その1次粒子が面−面間で凝結することにより形成される、50〜400nmの長さを有する2次粒子を形成していた。
また、その酸性水性ギブサイトゾルを110℃で乾燥した粉体を1100℃迄熱分析すると、そのアルミナ水和物のコロイド粒子は2.93のH2O/Al23モル比を有することと、同じくその110℃で乾燥した粉体の粉末X線回折法結果(第1表)より、ギブサイト構造を有するアルミナ水和物と同定できた。この酸性水性ギブサイトゾルは、密閉状態で、温度50℃で1ヶ月保持した後でもゲル化することはなく安定であった。
実施例4
実施例1と同様の操作を行い、水性懸濁液4000gを得た。得られた水性懸濁液は、pH13.40、粘度198mPa・sを示し、Al23濃度3.5質量%であった。この水性懸濁液のレーザー回折・散乱法粒度分布を測定すると、145nmの平均粒径を有する粒子群と952nmの平均粒径を有する粒子群とが認められた。
この水性懸濁液を取り出した後、その水性懸濁液全量に純水1000gとその水性懸濁液全量を水素型陽イオン交換樹脂(アンバーライトIR−120B(登録商標)、ローム・アンド・ハース社製)1500gを投げ込み、30分間攪拌した後に樹脂を分離し、処理液を得た。
この処理液に68質量%の酢酸49.5gを加えて撹拌して、pH5.30に調製した後に減圧濃縮装置で濃縮して酸性水性ギブサイトゾル680gを得た。
得られた酸性水性ギブサイトゾルはpH5.77、Al23濃度20.1質量%、Na2O濃度75質量ppm、電気伝導度195μS/cm、粘度7.9mPa・s、酢酸濃度0.20質量%であり、レーザー回折・散乱法平均粒径161nm、300℃で乾燥した粉体のBET法による比表面積283m2/gを示した。
また、その酸性水性ギブサイトゾルを110℃で乾燥した粉体を1100℃迄熱分析すると、そのアルミナ水和物のコロイド粒子は2.95のH2O/Al23モル比を有することと、同じくその110℃で乾燥した粉体の粉末X線回折法結果より、ギブサイト構造を有するアルミナ水和物と同定できた。この酸性水性ギブサイトゾルは、密閉状態で、50℃で1ヶ月保持した後でもゲル化することはなく安定であった。
実施例5
実施例1と同様の操作を行い、水性懸濁液4000gを得た。得られた水性懸濁液は、pH13.49、粘度162mPa.sを示し、Al23濃度3.5質量%であった。この水性懸濁液のレーザー回折・散乱法粒度分布を測定すると、155nmの平均粒径を有する粒子群と940nmの平均粒径を有する粒子群とが認められた。
この水性懸濁液を取り出した後、液量が一定になるように水を加えながら、公称孔径0.2μmの精密濾過膜を取り付けた撹拌機付自動連続加圧濾過装置を用いて循環しながら脱塩した。脱塩処理反応混合物はpH10.11、電気伝導度255μS/cm、Al23濃度7.5質量%であった。
この脱塩処理反応混合物を取り出した後、その脱塩処理反応混合物全量に20質量%の酢酸濃度を有する酢酸水溶液147.5gを加えて撹拌して、pH5.50に調製した後、減圧濃縮して酸性水性ギブサイトゾル940gを得た。
この得られた酸性水性ギブサイトゾルはpH5.65、電気伝導度610μS/cm、Al23濃度14.5%、粘度6.1mPasであり、レーザー回折・散乱法粒径202nm、300℃で乾燥した粉体のBET法による比表面積295m2/gを示した。
また、このゾルを密閉状態で、温度50℃で1ヶ月保持した後でもゲル化することはなく安定であった。
比較例1
攪拌装置及びガス吹き込み管を装着したステンレス製容器に市販の液体アルミン酸ナトリウム1258g(AS−17、(株)北陸化成工業所製、Al23濃度19.13質量%、Na2O濃度19.46質量%)に水5617gを加え、強く撹拌した。このときの希釈したアルミン酸ナトリウム溶液の液温は25℃であった。このアルミン酸ナトリウム溶液中に液化二酸化炭素を気化させて得たガス状二酸化炭素を流速0.87L/分の速度で37分間導入した。導入直後の反応混合物(スラリー)の温度は25℃、pHは12.15であった。この反応混合物(スラリー)を引き続いて4時間の撹拌を行った。そして撹拌処理済み反応混合物(pH13.39、Al23濃度3.5質量%)6870gを得た。
この反応混合物4000gをステンレス製オートクレーブ容器に仕込み、80℃で15時間水熱処理を行った。得られた水性懸濁液は、pH13.46、粘度368mPa.Sを示し、Al23濃度3.5質量%であった。
この水性懸濁液を取り出した後、その水性懸濁液全量に純水5000gと酢酸25.9gとを加えて撹拌して、pH6.10に調製した後、限外濾過膜(分画分子量5万)を取り付けた撹拌機付自動連続加圧濾過装置にて、純水10000gを添加しながら脱塩し、その後、装置内で濃縮して酸性水性ギブサイトゾル1330gを得た。得られた酸性水性ギブサイトゾルはpH6.43、Al23濃度10.5質量%、Na2O濃度85質量ppm、電気伝導度124μS/cm、粘度10mPa・s、酢酸濃度0.18質量%であり、レーザー回折・散乱法平均粒径150nm、300℃で乾燥した粉体のBET法による比表面積368m2/gを示した。
また、その酸性水性ギブサイトゾルを110℃で乾燥した粉体の粉末X線回折法結果より、バイヤライト構造とギブサイト構造が認められた。
比較例2
攪拌装置及びガス吹き込み管を装着したステンレス製容器に市販の液体アルミン酸ナトリウム800g(AS−17、(株)北陸化成工業所製、Al23濃度19.13質量%、Na2O濃度19.46質量%)に水3026gを加え、強く撹拌した。このときの希釈したアルミン酸ナトリウム溶液の液温は25℃であった。このアルミン酸ナトリウム溶液中に液化二酸化炭素を気化させて得たガス状二酸化炭素を流速0.87L/分の速度で60分間導入した。導入直後の反応混合物(スラリー)の温度は25℃、pHは11.80であった。この反応混合物(スラリー)を引き続いて4時間の撹拌を行った。そして撹拌処理済み反応混合物(pH12.99、Al23濃度4.0質量%)3800gを得た。
この反応混合物3500gをステンレス製オートクレーブ容器に仕込み、110℃で4時間水熱処理を行った。得られた水性懸濁液は、pH13.21、粘度17mPa.Sを示し、Al23濃度4.0質量%であった。
この水性懸濁液を取り出した後、その水性懸濁液全量に純水5000gと酢酸28.9gとを加えて撹拌して、pH6.03に調製した後、限外濾過膜(分画分子量5万)を取り付けた撹拌機付自動連続加圧濾過装置にて、純水12000gを添加しながら脱塩し、その後、装置内で濃縮して酸性水性アルミニウムゾル1210gを得た。得られた酸性水性ギブサイトゾルはpH6.43、Al23濃度11.5質量%、Na2O濃度88質量ppm、電気伝導度120μS/cm、粘度15mPa・s、酢酸濃度0.15質量%であり、レーザー回折・散乱法平均粒径165nm、300℃で乾燥した粉体のBET法による比表面積291m2/gを示した。
また、その酸性水性アルミニウムゾルを110℃で乾燥した粉体の粉末X線回折法結果より、バイヤライト構造のみが認められた。
本発明によって得られる安定な酸性水性ギブサイトゾル及び高濃度かつ安定な酸性水性ギブサイトゾルは、従来のギブサイトに比較すると、粒子の大きさが小さいため種々の用途に従来得られなかった改良をもたらす。組成物をつくるために従来のアルミナゾルに加えられた成分は、本発明の酸性水性ギブサイトゾルに対しても加えることができる。それは、シリカゾル、アルキルシリケートの加水分解液、その他の金属酸化物ゾル、水溶性樹脂、樹脂エマルジョン、ゴム、増粘剤、消泡剤、界面活性剤、耐火物粉末、金属粉末、顔料、カップリング剤などが挙げられる。
従来から用いられている種々の塗料成分と共に本発明の酸性水性ギブサイトゾルを配合することにより、無機塗料、耐熱塗料、防食塗料、無機-有機複合塗料などを容易に調製することができる。本発明の酸性水性ギブサイトゾルを含有する塗料から形成された乾燥塗膜にはピンホールが少なく、クラックも殆ど見られない。この理由は、塗膜形成において、酸性水性ギブサイトゾルに含有されるの50〜500nmの2次粒子は一般のコロイド粒子に見られる塗膜中での偏析現象を起こさず、塗膜中内に2次粒子による堅牢な架橋構造を形成するためと考えられる。また2次粒子が小さく塗料中の分散が良いために、従来のギブサイトでは成し得なかった塗膜の艶を出すことが出来る。
本発明の酸性水性ギブサイトゾルを含有するこれら塗料、接着剤などは、種々の基材、例えば、ガラス、セラミックス、金属、プラスチックス、木材、繊維、紙などの表面に適用することができる。本発明の酸性水性ギブサイトゾルは、通常のガラス繊維、セラミック繊維、その他の無機繊維などのフェルト状物に含浸させることもできる。
本発明の酸性水性ギブサイトゾルは2次粒子が50〜500nmの長さを有するため、多層配線半導体デバイスにおける層間絶縁膜、及びアルミニウム、銅、タングステン又はそれらの合金のようなメタル配線の表面研磨、及び基材例えば磁気記録媒体用ディスクの上に設けられたNi-P等のメッキ層の表面研磨剤としても有用である。
本発明の酸性水性ギブサイトゾルは、高い安定性を示し、その媒体の除去によって終局的に粉体に変わる性質を有するが、この粉体に含有される2次粒子は50〜500nmの長さを有するので、このゾルが乾燥する際に、又は硬化後には、このゾルに由来する独特の性質を示す。

Claims (6)

  1. 下記の(A)、(B)及び(C)工程を含む、
    電子顕微鏡観察によると、50〜300nmの一辺の長さと10〜40nmの厚さとを有する板状1次粒子が面−面間で凝結することにより形成される、50〜500nmの長さを有する2次粒子を含有する安定な酸性水性ギブサイトゾルの製造方法。
    (A):5〜35℃の液温下、アルミン酸アルカリ水溶液に液状又は気体状二酸化炭素を添加することにより、当該二酸化炭素の添加終了直後において12.0〜12.5のpHを有する反応混合物を生成させる工程、
    (B):(A)工程で得られた当該反応混合物を100〜120℃の温度で水熱処理することにより、ギブサイト構造を有するアルミナ水和物を含有する水性懸濁液を生成させる工程、及び
    (C):(B)工程で得られた当該水性懸濁液を、限外濾過法にて水と酸とを添加して脱塩処理することにより、3〜7のpHを有する酸性水性ギブサイトゾルを形成させる工程。
  2. (B)工程において、水熱処理する前に(A)工程で得られた反応混合物を2〜24時間の攪拌で前処理する請求項1に記載の安定な酸性水性ギブサイトゾルの製造方法。
  3. 下記の(a)、(b)及び(c)工程を含む、
    電子顕微鏡観察によると、50〜300nmの一辺の長さと10〜40nmの厚さとを有する板状1次粒子が面−面間で凝結することにより形成される、50〜500nmの長さを有する2次粒子を含有する安定な酸性水性ギブサイトゾルの製造方法。
    (a):5〜35℃の液温下、アルミン酸アルカリ水溶液に液状又は気体状二酸化炭素を添加することにより、当該二酸化炭素の添加終了直後において12.0〜12.5のpHを有する反応混合物を生成させる工程、
    (b):(a)工程で得られた当該反応混合物を100〜120℃の温度で水熱処理することにより、ギブサイト構造を有するアルミナ水和物を含有する水性懸濁液を生成させる工程、及び
    (c):(b)工程で得られた当該水性懸濁液を、ケーク濾過法にて水と酸とを添加して脱塩処理することにより、3〜7のpHを有する酸性水性ギブサイトゾルを形成させる工程。
  4. (b)工程において、水熱処理する前に(a)工程で得られた反応混合物を2〜24時間の攪拌で前処理する請求項3に記載の安定な酸性水性ギブサイトゾルの製造方法。
  5. 請求項1又は3に記載の製造方法で得られる安定な酸性水性ギブサイトゾルを機械的分散処理後、濃縮することを特徴とする高濃度かつ安定な酸性水性ギブサイトゾルの製造方法。
  6. 下記の(A)及び(B)工程を含む、ギブサイト構造を有するアルミナ水和物を含有する水性懸濁液の製造方法。
    (A):5〜35℃の液温下、アルミン酸アルカリ水溶液に液状又は気体状二酸化炭素を添加することにより、当該二酸化炭素の添加終了直後において12.0〜12.5のpHを有する反応混合物を生成させる工程、及び
    (B):(A)工程で得られた当該反応混合物を100〜120℃の温度で水熱処理することにより、ギブサイト構造を有するアルミナ水和物を含有する水性懸濁液を生成させる工程。
JP2004155745A 2003-06-27 2004-05-26 酸性水性ギブサイトゾルの製造方法 Expired - Fee Related JP4553112B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004155745A JP4553112B2 (ja) 2003-06-27 2004-05-26 酸性水性ギブサイトゾルの製造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003184289 2003-06-27
JP2004155745A JP4553112B2 (ja) 2003-06-27 2004-05-26 酸性水性ギブサイトゾルの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005035878A JP2005035878A (ja) 2005-02-10
JP4553112B2 true JP4553112B2 (ja) 2010-09-29

Family

ID=34220354

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004155745A Expired - Fee Related JP4553112B2 (ja) 2003-06-27 2004-05-26 酸性水性ギブサイトゾルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4553112B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2006241294B2 (en) 2005-11-24 2011-09-01 Sumitomo Chemical Company, Limited Gibbsite type aluminum hydroxide particles
WO2007074562A1 (ja) * 2005-12-26 2007-07-05 Nippon Light Metal Company, Ltd. 低ソーダ微粒水酸化アルミニウム及びその製造方法
CN113620327B (zh) * 2021-08-06 2023-06-02 中国铝业股份有限公司 一种小晶粒拟薄水铝石及其制备方法、氧化铝

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004080898A1 (ja) * 2003-03-14 2004-09-23 Nissan Chemical Industries, Ltd. 酸性水性アルミナゾルの製造方法
JP2004300018A (ja) * 2003-03-14 2004-10-28 Nissan Chem Ind Ltd 酸性水性アルミナゾルの製造方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2520722A1 (fr) * 1982-01-29 1983-08-05 Rhone Poulenc Spec Chim Boehmites et pseudo-
CA1207630A (en) * 1983-12-22 1986-07-15 Alan Pearson Continuous process for neutralization of aluminate solution to form gels and apparatus therefor
JPS61127618A (ja) * 1984-11-26 1986-06-14 Asahi Chem Ind Co Ltd 高純度非晶質水酸化アルミニウムの製造方法
JPS63195114A (ja) * 1987-02-04 1988-08-12 Nippon Light Metal Co Ltd 耐熱性ギプサイト型充填剤用水酸化アルミニウムの製造方法
JP3708985B2 (ja) * 1995-03-24 2005-10-19 触媒化成工業株式会社 アルカリ性アルミナゾルおよびその製造方法
JP3738401B2 (ja) * 1995-05-26 2006-01-25 触媒化成工業株式会社 アルカリ性アルミナ水和物ゾルおよびその製造方法
JPH0986924A (ja) * 1995-09-29 1997-03-31 Sumitomo Chem Co Ltd 球状凝集粒子およびその製造方法
JP4051726B2 (ja) * 1996-07-24 2008-02-27 日産化学工業株式会社 酸性水性アルミナゾルの製造法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004080898A1 (ja) * 2003-03-14 2004-09-23 Nissan Chemical Industries, Ltd. 酸性水性アルミナゾルの製造方法
JP2004300018A (ja) * 2003-03-14 2004-10-28 Nissan Chem Ind Ltd 酸性水性アルミナゾルの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005035878A (ja) 2005-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5989515A (en) Process for producing an acidic aqueous alumina sol
JP4051726B2 (ja) 酸性水性アルミナゾルの製造法
JP5137521B2 (ja) 金平糖状シリカ系ゾルおよびその製造方法
JP5019076B2 (ja) 細長い形状を有するシリカゾルの製造方法
JP4502133B2 (ja) 酸性水性アルミナゾルの製造方法
US8580226B2 (en) Synthesis of sodium titanate and ion exchange use thereof
JP6008642B2 (ja) 平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体、平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体からなる結晶性アルミナ複合酸化物粒子ならびに該平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体および該結晶性アルミナ複合酸化物粒子の製造方法
JP3837754B2 (ja) 結晶性酸化第二セリウムの製造方法
JP4553112B2 (ja) 酸性水性ギブサイトゾルの製造方法
JP2007204293A (ja) 多孔質粒子およびその製造方法
JP2004300018A (ja) 酸性水性アルミナゾルの製造方法
JP4632022B2 (ja) アルミナ粉末及びアルミナゾルの製造方法γ
JP4264701B2 (ja) 低アルカリ金属含有水性シリカゾルの製造方法
JP5377135B2 (ja) コロイダルシリカの製造方法
JP2007169085A (ja) 異方形状アルミナ水和物ゾルおよびその製造方法
JP3708985B2 (ja) アルカリ性アルミナゾルおよびその製造方法
JP2004091313A (ja) 易分散性沈降シリカケーク及びその製造方法
US8299131B2 (en) Silica gel comprising guanidine carbonate
KR20070030902A (ko) 실리카의 화학적-보조 분쇄
JPH08325010A (ja) アルカリ性アルミナ水和物ゾルおよびその製造方法
JP5377134B2 (ja) コロイダルシリカの製造方法
WO2010013428A1 (ja) ポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾルの製造方法および該製造方法により得られたポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾル
JP6363138B2 (ja) 単結晶ナノ銀粒子の安定な分散系
JP2013227177A (ja) コロイダルシリカおよびその製造方法
JP2015221729A (ja) チューブ状アルミニウムケイ酸塩及びチューブ状アルミニウムケイ酸塩の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070131

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090706

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100407

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100607

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100623

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130723

Year of fee payment: 3

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100706

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130723

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees