以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係わる画像処理装置10の機能構成を示している。画像処理装置10は、原稿画像を読み取ってその複製を印刷出力する複写機能や印刷データに従って印刷するプリンタ機能などを備えた、いわゆる、複合機として構成されている。
画像処理装置10は、読み取った原稿を複写したり印刷データに基づいて印刷したりする画像出力時に、所定の外部端末との通信を行なう必要があるか否かを、その原稿や印刷データ内の情報マークが表わす日時情報に基づいて判断する機能を備えている。この通信の内容は、画像出力に必要な著作権使用料金やその可否に関する問い合わせであり、外部端末からこれらの問い合わせに対する回答を取得し、その回答に基づいて画像出力動作を行なうようになっている。
たとえば、情報マークが付加された原稿には、図2に示すように、印刷対象となる画像領域31と、印刷に係わる通信を管理する情報を二次元バーコードなどの画像で表わした情報マーク34とが予め合成された原稿30がある。この情報マーク34には、外部端末との通信実行期間を表わす日時情報や、外部端末に問い合わせる情報の内容を規定する分類情報、その原稿を識別したりするための属性情報などが含まれている。ここで、通信実行期間とは、画像出力動作に必要な情報を外部端末に対して問い合わせるための通信を自動的に実行する期間のことである。
かかる画像処理装置10は、原稿を読み取って対応する画像データを取得する読取手段としてのスキャナ部11と、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)9aやインターネット9bなどのネットワーク9を介して印刷データ送信元8や管理サーバ7と各種のデータを送受信する送受信I/F(インターフェイス)部12と、画像データを可視化して出力する画像出力部13とを備えている。印刷データ送信元8は、具体的には、画像出力のため画像処理装置10に対して印刷データを送信するパーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)8aやMFP(Multi-Function Peripheral:複合機)8b、印刷データサーバ8cなどから構成されている。また、画像出力部13は、液晶ディスプレイなどの表示部と記録紙に画像形成する印刷部とから構成されている。
なお、スキャナ部11およびまたは送受信I/F部12は、それぞれ画像データや印刷データ(以下、画像処理装置内においては印刷データを含めて「画像データ」と称するものとする。)を入力する入力手段としての機能と、この画像データに関する問い合わせを外部端末に対して自動的に行なう通信実行期間を表わす日時情報を取得する取得手段としての機能とを果たす。さらに、送受信I/F部12は、外部端末である管理サーバ7との通信を行なう通信手段としての機能も果たす。
送受信I/F部12の通信先である管理サーバ7は、画像処理装置10からの問い合わせに応じて、著作権使用料金や画像データの出力許可/禁止情報などの情報を回答する外部端末として構成されている。管理サーバ7には、インターネット9bを介して1台または複数台の画像処理装置10が接続されており、各画像処理装置10からの問い合わせに対する回答を行なう。
管理サーバ7は、回答に必要な各種の情報(以下、参照情報という。)を予め記憶している。回答の内容は、画像処理装置10から受信した問い合わせの内容を解析し、回答に必要な参照情報を管理サーバ7内から取り出して算定/導出することにより作成される。なお、本実施の形態においては外部端末として専用の管理サーバ7を採用しているが、その構成は専用サーバに限定されるものではない。たとえば、著作権管理担当者のパーソナル・コンピュータの一部の機能が外部端末としての機能を果たすように構成してもよい。
管理サーバ7に記憶されている参照情報としては、画像データの著作権使用料金やこれを算出するためのパラメータ、その画像データの出力可否を判断するための出力可否情報などがある。参照情報は画像データと関連する情報であればよく、画像処理装置と管理サーバ7(外部端末)との通信の目的に応じて自由に設定すればよい。
著作権使用料金は、画像処理装置10に対して、この料金の徴収を条件に、問い合わせに係わる画像データの出力を許可する課金情報である。管理サーバ7には、日時情報と関連付けて管理されている各画像データについての著作権使用料金が参照情報としてハードディスク装置に記憶されている。そして、問い合わせのあった画像データについての著作権使用料金を取り出してこれを回答するようになっている。
また、参照情報として、著作権使用料金を算出するためのパラメータが記憶されており、このパラメータに基づくさまざまな算定方法によって著作権使用料金を求めることができるようにもなっている。たとえば、予め著作権料金の変更期日A1とA2とが設定されており、期日A1以前は初期設定の著作権使用料金、期日A1以降はその料金の50%、期日A2以降は同じく25%と、段階的に著作権使用料金を減額していくように算定を行なうことができる。このとき、初期設定料金や料金を変更する期日、減額率などは自由に設定することができる。
また、上述の料金変更期日の代わりに、特定ユーザからの問い合わせ頻度、すなわちその画像データの印刷・表示回数の増加に応じて段階的に著作権使用料金を減額するように設定してもよい。このように、管理サーバ7は、著作権者のニーズに応じて多様な料金体系によって著作権使用料金を算定することができるようになっている。
出力可否情報は、問い合わせに係わる画像データの出力可否判断をする基準となるための情報である。管理サーバ7には出力許可と出力禁止とを切り替えるタイミングの日時を表わす情報や、出力を禁止している画像処理装置10を特定する情報などが記憶されている。管理サーバ7では、問い合わせのあった日時や、問い合わせ元の画像処理装置10を識別する情報などと予め記憶してある出力可否情報とを対比して、画像出力の可否が判断される。そして、この判断結果に応じて出力許可情報もしくは出力禁止情報(以下、出力許可/禁止情報という。)を生成し、この情報を画像処理装置10へ回答するようになっている。
画像出力の許可と禁止とを切り替えるタイミングは、出力可否情報の内容を変更することで著作権者のニーズに応じて柔軟に管理することができる。たとえば、出力許可と禁止とは必要に応じて何度切り替えてもよいし、管理サーバ7に複数台接続された画像処理装置10毎に切替時期に差を設けてもよい。
参照情報は、その画像データの著作権保護期間が切れるなどの理由で画像処理装置10からの問い合わせが発生する可能性がなくなった場合には、管理サーバ7の管理者により削除される。また、このような削除期限をそれぞれの参照情報に関連付けて記憶しておき、削除期限が経過したら自動的に削除するように構成してもよい。
画像処理装置10に戻って説明を続ける。画像処理装置10はさらに、メモリ部14と、日時情報検知部15と、日時情報比較判断部16と、受信情報判断部17と、課金額計算部18と、表示部19と、入金確認部21と、出力許可部22とを備えている。メモリ部14は、スキャナ部11で原稿を読み取って得た画像データや送受信I/F部12を通じて印刷データ送信元8から受信した画像データ(印刷データ)を一時的に記憶する機能を果たす。
日時情報検知部15は、メモリ部14に記憶されている画像データから情報マークを検出し、検知された情報マークの内容を解析して、情報マークに含まれている日時情報などを取得する機能を果たす。
日時情報比較判断部16は、内蔵する時計が示している現在日時(出力日時)が情報マークから取得した日時情報の表わす通信実行期間内であるか否かを判断する機能を果たす。現在日時が通信実行期間内である場合は、日時情報比較判断部16から、送受信I/F部12に対して管理サーバ7との通信実行指示が出力される。このとき、日時情報比較判断部16は、その情報マークに収められている分類情報と、属性情報とをセットとし、これを問い合わせ情報として送受信I/F部12から管理サーバ7に送信させるようになっている。
日時情報比較判断部16はさらに、出力要求のあった画像データに関する情報の問い合わせ中である旨の待機指示を表示部19と出力許可部22とに対して出力する機能を果たす。一方、現在日時が通信実行条件と合致していない場合は、日時情報比較判断部16は、その旨を表わす出力実行指示を出力許可部22に対して出力するようになっている。
受信情報判断部17は、送受信I/F部12が管理サーバ7から受信した回答を取得し、その内容が著作権使用料金なのか、出力許可/禁止情報なのかを判断してから、それぞれの情報を適切な回路に出力する機能を果たす。回答の内容が著作権使用料金の場合は、この情報は課金額計算部18へ出力される。回答の内容が出力許可情報であった場合は、この情報は出力許可部22へ出力され、出力禁止情報であった場合には、表示部19へ出力されるようになっている。
課金額計算部18は、管理サーバ7から受信した1または複数の著作権使用料金を合計して、実際にユーザから徴収する課金額を計算する機能を果たす。計算結果は表示部19に出力される。
表示部19は、液晶ディスプレイであり、処理中の画像データに関する情報をユーザに通知する機能を果たす。表示部19が日時情報比較判断部16からの待機指示を受け取った場合は、入力された画像データに関する情報を管理サーバ7に問い合わせ中である旨の表示がなされる。受信情報判断部17から出力禁止情報を受け取った場合は、入力された画像データを出力できない旨の表示がなされる。また、課金額計算部18から著作権使用料金の合計金額を受け取った場合には、ユーザに対して当該料金の支払いを依頼する表示がなされる。
表示部19はさらに出力確認受付部20としての機能を果たしている。出力確認受付部20は、表示部19に著作権使用料金の支払い依頼が表示された場合に、ユーザからその画像を出力するか否かの決定や著作権使用料金の支払方法の選択を受け付ける機能を果たす。出力確認受付部20は、表示部19の液晶パネルの表面を覆うタッチパネルから構成されており、ここで出力確認を受け付けると、出力確認情報を入金確認部21に出力するようになっている。
入金確認部21は、ユーザから著作権使用料金の支払いがあったことを確認する機能を果たす。入金確認部21は、出力確認受付部20から出力確認情報を受け取った場合に、図示省略の入金部にて課金額計算部18で計算された課金額に相当する金額の入金があったことを確認すると、出力許可部22に対して入金確認情報を出力するようになっている。
出力許可部22は、所定の条件が満たされたことを確認して、画像データの出力を許可する機能を果たす。出力許可部22は、日時情報比較判断部16から待機指示を受け取った場合は、受信情報判断部17から出力許可情報を受け取った場合や、入金確認部21から入金確認情報を受け取った場合に限って画像データの出力を許可するようになっている。一方、日時情報比較判断部16から出力実行指示を受け取った場合には、他の条件を必要とせずに画像データの出力を許可するようになっている。出力許可部22がこれらの情報を受け取ったとき、メモリ部14内の画像データが画像出力部13から出力される。
図2は、情報マークの付加された原稿の一例を示している。同図に示した原稿30の画像領域31は、テキスト領域32と、写真領域33とから構成されている。そして原稿30の下部には、テキスト領域32に係わる情報マーク34aと、写真領域33に係わる情報マーク34bとが付加されている。なお、印刷データを直接印刷データ送信元8から受信する場合にも、画像データは上述した原稿30の例と同様の画像によって構成されている。
テキスト領域32と写真領域33とは、管理サーバ7にて著作権使用料金や出力可否情報が管理されている画像データに相当する著作物であって、ユーザが画像処理装置10を使用して原稿30を複写する際の複写対象となる元画像である。
情報マーク34に含まれる情報としては、日時情報と、分類情報と、属性情報とがある。日時情報は、画像処理装置10から管理サーバ7への通信実行期間を規定する情報である。日時情報は、具体的には、通信実行期間の始期およびまたは終期を示す日時とその日時の解釈方法を規定する通信実行条件との組み合わせで構成される。分類情報は、管理サーバ7から取得する回答の内容を指定する情報であって、著作権使用料金と出力許可/禁止情報とのいずれの情報を問い合わせるのかを指定する。属性情報には、問い合わせにかかる画像データを識別するための情報(たとえば、画像データの識別番号)や、問い合わせ先の管理サーバ7を指定するための情報が含まれる。
図2に示した例においては、各画像領域32、33のそれぞれに情報マーク34a、34bを1対1に対応付けて付加したが、たとえば、1つの情報マークで複数の画像領域を管理してもよいし、1つの画像領域に対して複数の情報マークを付加してもよい。また、情報マークの付加された画像領域と、情報マークが付加されていない画像領域とが混在した原稿であってもかまわない。
このように、情報マーク34をページ内の一部の画像領域に関連付けることで、著作権によって複写制限を受けるような画像領域がページ内に複数含まれる場合に対応可能になる。すなわち、同一ページ内の画像領域毎に情報マークを設ければ、外部端末との通信の発生を、画像領域別にきめ細かく設定管理することができる。なお、ページ全体の画像に対して1つの情報マーク34を設ける構成でもかまわない。
図3は、情報マーク34に含まれている日時情報が表わす通信実行期間の各種態様を示している。先に説明したように、通信実行期間は、その始期およびまたは終期を示す日時と、それら日時の解釈方法を規定する通信実行条件との組み合わせで定義される。通信実行条件には、「前方」、「後方」、「中間」、「両外」の4種類があり、これに伴い日時情報が表わす通信実行期間には図3に示す期間35A〜35Dの4種類がある。
通信実行条件が「前方」の場合は、日時情報が含む日時は通信実行期間の終期を表わしている。したがって、日時情報に含まれる日時がT1の場合は、日時T1以前の期間35A(同図(a))が通信実行期間になる。たとえば、日時T1において著作権使用料金の課金を終了する場合などにこの通信実行期間35Aを採用すると、日時T1以降は管理サーバ7との通信が発生せず無条件に画像が出力される。
通信実行条件が「後方」の場合は、日時情報が含む日時は通信実行期間の始期を表わしている。したがって、日時情報に含まれる日時がT1の場合は、日時T1以後の期間35B(同図(b))が通信実行期間になる。たとえば、日時T1までは「無料お試し期間」として著作権使用料を課金せず、日時T1以降に課金を開始する場合などにこのタイプの通信実行期間35Bを採用するとよい。
日時情報に含まれる通信実行条件が「中間」の場合は、日時情報に2つの日時が含まれており、これらの日時によって1つの通信実行期間の始期と終期とを指定している。したがって、日時情報に含まれる日時がT1とT2(T2>T1)の場合には、日時T1から日時T2までの期間35C(同図(c))が通信実行期間になる。このような通信実行期間の指定は次のような場合に有効である。たとえば、情報マーク34に規定の著作権使用料金を示す情報を含めておき、日時T1以前はこの料金に基づいて課金する。日時T1経過後から日時T2経過前の期間は、料金が相場などに応じて変動するため管理サーバ7に料金の問い合わせを行なわせる。日時T2経過後は著作権保護期間の満了などの事情で管理サーバ7への問い合わせが不要になる。
日時情報に含まれる通信実行条件が「両外」の場合も、日時情報に2つの日時が含まれており、これらの日時によって非通信実行期間の始期と終期とを指定している。したがって、日時情報に含まれる日時がT1とT2(T2>T1)の場合には、日時T1以前の期間35D(1)と日時T2以後の期間35D(2)とが通信実行期間になる。たとえば、日時T1から日時T2までの間に無料キャンペーン期間が設定されているため、この期間中は管理サーバ7への問い合わせが不要となる場合などに「両外」指定の通信実行期間35Dを採用するとよい。
図4は、情報マーク34の各種態様を示している。情報マーク34Aは、日時情報などの情報を文字・記号で表わしたものである。情報マーク34Bは、一次元バーコードであり、情報マーク34Cは、二次元バーコードである。図4には、規格の異なる複数種類の二次元バーコードを例示してある。
図5は、画像データの出力に際し、著作権使用料金を問い合わせる場合の動作の流れを示している。
画像出力のためにスキャナ部11で原稿30を読み取り、あるいは送受信I/F部12で印刷データ送信元8から印刷データを受信して、画像データが入力されると(ステップS101)、画像処理装置10はその画像データに情報マーク34が付加されているか否かを検知する(ステップS102)。情報マーク34は、ページの下端など予定の位置に存在するとは限らないので、情報マーク34の有無の検知はページ全体を対象領域として行なうことが好ましい。たとえば、原稿がスキャナ部11に上下反転してセットされると、原稿上では情報マーク34が右下にあっても、読み取った画像上では左上になってしまう。なお、このような場合には、右下と左上のみ、すなわち、情報マーク34が存在する可能性のある範囲だけを検査の対象領域としてもよい。
情報マーク34が存在しないときは(ステップS103;N)、無条件にその画像データを印刷または表示して(ステップS118)動作を終了する(エンド)。
情報マーク34を検出したときは(ステップ103;Y)、検出した情報マーク34の個数を調べる(ステップS104)。次に、変数mを「1」に初期化し(ステップS105)、m個目の情報マーク34の内容を解析し、その情報マーク34が示す日時情報などの内容を認識する(ステップS106)。
ステップS106の認識内容に基づいて、出力日時が日時情報の表わす通信実行期間35内であるか否かの判定を行なう(ステップS107)。出力日時が通信実行期間35内である場合は(ステップS107;Y)、情報マーク34内の分類情報と属性情報とから問い合わせ情報を作成し、管理サーバ7へ問い合わせ情報を送信する(ステップS108)。なお、このとき、その画像データを出力するために必要な情報の確認中である旨のメッセージを表示部19に表示する。
管理サーバ7側では、画像処理装置10から問い合わせ情報を受信すると(ステップS121)、所定の算定方法に基づき問い合わせに係わる画像データの著作権使用料金を算出後(ステップS122)、その結果を回答として画像処理装置10へ送信して(ステップS123)動作を終了する(エンド)。
管理サーバ7には画像データに関する参照情報を記憶させてあるので、管理サーバ7は自装置に記憶されている情報に基づいて応答すればよい。これにより、問い合わせを受けた管理サーバ7が回答を送信するまでの時間を短くすることができる。
画像処理装置10が、管理サーバ7から問い合わせに係わる画像データの著作権使用料金を表わすデータを受信すると(ステップS109)、その料金を他の画像データについての著作権使用料金と合計し課金額を計算した後(ステップS110)、変数mを「1」加算する(ステップS111)。
あるいは、出力日時がm個目の情報マーク34に含まれている通信実行期間35を外れている場合は(ステップS107;N)管理サーバ7への問い合わせを行なわずに変数mを「1」加算する(ステップS111)。このように、通信実行期間35内でない場合は管理サーバ7への問い合わせを行なわないことによって不要な通信の発生が防止される。
変数mの値が情報マーク34の検出個数n以下の場合は(ステップS112;N)、ステップS106に戻り、次の情報マーク34について同様の処理(画像処理装置10のステップS106からS111、および管理サーバ7のステップS121からS123)を実行する。
変数mの値が情報マーク34の検出個数nを超え、上記の処理(画像処理装置10のステップS106からS111、および管理サーバ7のステップS121からS123)をすべての情報マーク34について完了したときは(ステップS112;Y)、画像データの出力にあたり課金が必要か否かを判断する(ステップS113)。合計された課金額がゼロの場合は(ステップS113;N)、表示部19の確認中画面を切り替えて画像データを表示するか、または画像データを印刷して(ステップS118)動作を終了する(エンド)。
一方、計算されたか金額がゼロでなかった場合は(ステップS113;Y)、表示部19の確認中画面を切り替えて合計課金額を表示する(ステップS114)。ユーザがこの合計課金額を確認した結果、画像出力を取りやめると(ステップS115;N)、表示画面を基本画面に切り替えて動作を終了する(エンド)。
ユーザから出力依頼を受けた場合は(ステップS115;Y)、表示部19にて入金指示を行ない(ステップS116)、入金が完了するのを待って(ステップS117;Y)、画像データを印刷または表示して(ステップS118)動作を終了する。
以上の動作によって、通信実行期間35中に出力される画像データについて自動的に著作権使用料金を課金することができる。
図6は、管理サーバ7への著作権使用料金問い合わせ中に表示部19に表示される待ち状態通知画面200の一例を示している。この画面200には、待ち状態通知メッセージ201と中止釦202とが表示されている。待ち状態通知メッセージ201には、画像処理装置10が待ち状態にある旨とその理由とが表示されている。中止釦202は、待ち状態通知メッセージ201を確認したユーザがその画像データの出力を中止するための釦である。この釦を押すと本画面200が図示省略の基本画面に切り替わって、画像出力が中止される。
図7は、料金通知画面210の一例を示している。本画面210には、支払い通知メッセージ211と、料金表示欄212と、継続釦213と、中止釦214とが表示されている。支払い通知メッセージ211には、料金表示欄212に表示されている料金の説明と、画像出力の実行または中止の手続きとに関するメッセージが表示されている。料金表示欄212には、管理サーバ7から取得したすべての画像データについての著作権使用料金の合計金額が課金額として表示されている。
継続釦213と中止釦214とは、料金表示欄212の表示内容を確認したユーザが画像出力を実行するか否かの選択を受け付ける出力確認受付部20の役割を果たす釦である。ユーザが継続釦213を押すと、画面は支払方法選択画面に切り替わる。一方、中止釦214を押すと、表示画面が基本画面に切り替わって、画像出力が中止される。
図8は、支払方法選択画面220の一例を示している。本画面220には、支払方法選択通知メッセージ221と、プリペイドカード選択釦222と、クレジットカード選択釦223と、デビットカード選択釦224と、中止釦225とが表示されている。支払方法選択通知メッセージ221には、著作権使用料金の支払方法の選択を案内するメッセージが表示されている。
プリペイドカード選択釦222とクレジットカード選択釦223とデビットカード選択釦224とは、著作権使用料金の支払方法としてプリペイドカード、キャッシュカード、デビットカードのいずれかによる支払いを選択するための釦である。これらいずれかの釦を押すと、それぞれの支払方法に応じた図示省略の案内表示画面が表示され、それらの案内に従って料金の支払いを完了することができるようになっている。中止釦225を押すと、画像出力が中止される。
なお、著作権使用料金の徴収方法は、上述の実施の形態で示したものに限定されることなく、その他さまざまな手法によって徴収してよい。たとえば、現金投入箱を併設してもよいし、ユーザ毎に売掛金額を管理しておき、後でまとめて徴収してもよい。
図9は、画像処理装置10で複写されるオリジナル原稿と、複写後の出力原稿との対応関係の一例を示している。同図(a)は、オリジナル原稿30を表わしている。オリジナル原稿30は、図2に示すものと同じ原稿であり、テキスト領域32と写真領域33とを備え、テキスト領域32に係わる情報マーク34aと写真領域33に係わる情報マーク34bとが付加されている。
同図(b)は情報マーク34aの日時情報が示す通信実行期間35aと情報マーク34bの日時情報が示す通信実行期間35bとを示している。この例では、情報マーク34a、34bが示す日時情報の通信実行条件は共に「前方」になっており、情報マーク34aの日時情報が示す日時Taおよび情報マーク34bの日時情報が示す日時Tbはそれぞれ通信実行期間35a、35bの終期を示している。また日時Taは日時Tbより手前の日時になっている。
このような情報マーク34a、34bの付加された原稿30を、通信実行期間35aの終期である日時Ta以前の期間(タイミングA)に複写すると、管理サーバ7に対してテキスト領域32と写真領域33とに関する通信が発生し、著作権使用料金を支払うなどして出力が許可されると、同図(c)に示すような出力原稿30Aが出力される。この場合は、情報マーク34aと情報マーク34bとが付加されたままの状態で複写される。これは、タイミングAは情報マーク34a、34bの通信実行期間35a、35bがいずれも終了していないので、この出力原稿30Aを元原稿として再複写すると管理サーバ7から著作権使用料金などの情報を取得する必要があることによる。
同図(d)は、通信実行期間35aの終期である日時Taの経過後で通信実行期間35bの終期である日時Tb以前の期間(タイミングB)に原稿30Aを複写した場合の出力原稿30Bを示している。タイミングBでは、情報マーク34aに係わる通信実行期間35aが終了しているので、出力原稿30Bを元原稿として複写してもテキスト領域32に関してサーバ7と通信する必要はない。そこで、出力原稿30Bから情報マーク34aを削除してある。これにより、出力原稿30Bを再複写する際に情報マークを解析するための処理負担が軽減されると共に、原稿を美しくすることができる。
同図(e)は、通信実行期間35aおよび通信実行期間35bが共に終了した日時Tbより後の期間(タイミングC)に原稿30Aを複写した場合の出力原稿30Cを示している。この場合は、情報マーク34aと情報マーク34bの通信実行期間35a、35bが共に終了しているので、出力原稿30Cを元原稿として複写してもサーバ7と一切通信する必要がない。そこで、原稿30を複写する際に情報マーク34a、34bをいずれも削除している。これにより、情報マーク34a、34bの解析に係わる処理負担が軽減されると共に、出力原稿30Cを再複写する際には、通常の原稿と同じ処理速度で同じ美しさの複写を実現することができる。
図10は、画像データの出力に際し、その画像の出力可否を問い合わせる場合の動作の流れを示している。
図10に示した流れにおいて、入力された画像データ内の情報マークの内容を解析し(ステップS301〜S306)、通信実行期間35内のすべての画像データ領域についての出力許可/禁止情報を管理サーバ7から取得する(画像処理装置10側についてステップS307〜S311、管理サーバ7側についてステップS321〜S323)までの動作については、図5で説明した画像処理装置10側についてステップS101〜S112、管理サーバ7側についてステップS121〜S123のそれぞれの動作と基本的に同じである。ただし、管理サーバ7で導出され(ステップS322)、画像処理装置10との間で送受信される(ステップS323、S309)情報が「出力許可/禁止情報」である点において、「著作権使用料金」が算出、送受信される図5の場合と異なっている。さらに、図5ステップS110のように受信した著作権使用料金を加算して課金情報を計算するステップが存在しない点においても図5とは異なっている。その他の動作については、図5で説明した流れと同じなので説明を省略する。
以上のステップで、通信実行条件が合致する情報マーク34を有するすべての画像データ領域についての出力許可/禁止情報の取得を完了したときは(ステップS311;Y)、入力された画像データ全体の出力可否を判断する(ステップS312)。管理サーバ7から出力禁止情報を受信していなければ(ステップS312;N)、画像データを表示部19に表示するか、または画像データを印刷して(ステップS313)動作を終了する(エンド)。
一方、出力禁止情報を1つでも受信した場合には(ステップS312;Y)、表示部19に出力不可メッセージを表示して(ステップS314)動作を終了する(エンド)。
以上の動作により、画像出力日時が情報マークに記載された通信実行期間35内である場合に限り管理サーバ7への通信が発生するので、不要な通信の発生を防止できる。さらに、通信実行期間35中に出力要求のあった画像データについての出力可否を自動的に判断することができる。
図11は、管理サーバ7から出力禁止情報を受信した場合に表示される出力不可通知画面400の一例を示している。この画面400には、出力不可通知メッセージ401と、OK釦402とが表示されている。出力不可通知メッセージ401には、入力された画像データを出力できない旨と出力が不可能な期限とが表示されている。これを確認したユーザがOK釦402を押すと本画面400が基本画面に切り替わって、画像出力が中止される。
以上、本発明の実施の形態を図面に基づき説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
たとえば、画像データは、画像ファイルや各種のプリンタ言語で表わされた印刷データなどのデータを直接入力するほか、記録紙上の画像を光学的に読み取り、画像データに変換してから入力してもよい。画像データに関連付けて取得する日時情報は、他のサーバや原稿に付加されたIC(Integrated Circuit)タグから、コード情報などの電子データで取得してもよい。また、原稿に付加されたバーコードなどの画像情報を光学的に読み取って取得してもよい。
また、画像データと日時情報とは同時にあるいは同一の入手先から入手する必要はなく、たとえば、画像データは画像サーバから入手し、日時情報は、別途、他のサーバから入手し、それらをID(IDentification)番号などで関連付けるように構成してもよい。すなわち、これらの情報が予め関連付けされており、この関連付けがわかるようになっていればその入手方法は問わない。
また、実施の形態においては、画像データをディスプレイ表示する画像出力部13と、ユーザに各種案内表示をする表示部19とは別々の構成としたが、これらの機能を1つの液晶ディスプレイ装置などで共用してもよい。
また、画像処理装置10が発した通信を受けた外部端末(管理サーバ7)が果たす機能は上記に説明した実施の形態のように、画像処理装置からの問い合わせに対する回答を提供する場合に限定されない。たとえば、通信内容を記録するだけでもよい。外部端末との通信も、専用回線や公衆回線、コンピュータ・ネットワークなど種々の通信手段を通じて行なわれる。
また、実施の形態においては、n個の情報マーク34が付加された画像データ内のそれぞれの画像データ領域について、画像データの出力日時が通信実行期間35内であることを検出するたびに必要な情報を管理サーバ7に問い合わせるようになっている(図5のステップS106〜S112のサイクル、図10のステップS306〜S311のサイクル)。この点について、先にn個の情報マーク34について問い合わせの必要な画像データ領域をすべて解析してから、一括して管理サーバ7に問い合わせるような動作をするように構成してもよい。
また、実施の形態では、すべての画像領域の著作権使用領域金が支払われるか、すべての画像領域について出力許可情報が得られない限り、画像を出力することができない。これらの点について、ユーザが全体の中から必要な画像領域を選択し、その画像領域に相当する料金を支払うと、その他領域の画像が削除されたうえで画像が出力されるようにしてもよい。また、出力禁止情報を受信した場合も同様に、出力禁止情報に該当する画像領域が削除されたうえで画像が出力されるようにしてもよい。
また、実施の形態では、画像処理装置10の表示部19に課金額や出力不可の結果が通知され、その場で確認操作や著作権使用料の支払いを行なうように構成しているが、LAN9aで接続された印刷データ送信元8で遠隔からこれらの操作を行なうようにしてもよい。
また、外部端末(管理サーバ7)から取得する回答の内容は、本実施の形態において説明した著作権使用料金や出力許可/禁止情報に限定されない。著作権者やユーザからのさまざまな要求に応じて、画像処理装置10と外部端末との間で通信を行なうように設定すればよい。参照情報の内容も問い合わせの内容に応じて必要な情報を記憶しておけばよい。
さらに、複数の情報マークを有する画像データに、著作権使用料金を問い合わせる情報マークと、出力許可/禁止情報を問い合わせる情報マークとが混在していてもよい。