本発明の請求項1に記載の発明は、素子と、前記素子に設けられた一対の端子部と、前記端子部の一部と前記素子を覆う外装材と、を備え、前記外装材の底面と側面との交点に円弧部を設け、前記端子部は前記外装材の底面であって前記円弧部の内側から突出し、前記端子部が前記外装材から突出する部分は前記円弧部に接することを特徴とする電子部品であって、低コストを維持したまま、外装材への外部からの衝撃によるクラック発生などの損傷を防止し、耐久性、耐湿性、耐熱性に優れた電子部品とすることができる。また、低コストを維持したまま、外装材への外部からの衝撃によるクラック発生などの損傷を防止し、耐久性、耐湿性、耐熱性に優れた電子部品とすることができ、更に端子部の耐たわみ性を向上させることもできる。
なお、本明細書においては積層型コンデンサを素子の例として説明しているが、これに限られるものではなく、積層型ではない通常の単板コンデンサ、抵抗、インダクタ、フィルターなど種々の素子であっても同様である。
また、端子部とリード端子は、素子に直接される場合には端子部、素子に直接接続された端子部に、更に接続される端子をリード端子として説明しているが、厳密な区別をしているものではなく、同様のものである。
以下、図面を用いて説明する。
図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8、図10、図11、図12、図13、図14、図15、図16、図17、図18、図20、図21、図22、図25、図26、図27、図28、図29、図30、図31、図32、図33、図34、図35、図36、図37、図38、図39、図40、図41、図42、図43、図44、図46、図47、図48、図51、図52は本発明の実施の形態における電子部品の側面図、図19、図23、図24、図45、図49、図50は本発明の実施の形態における電子部品の上面図である。
図1〜図26にはコンデンサ(単板、積層型、電解など)、抵抗、インダクタ、フィルター、ICなどの種々の電子素子である素子に端子部が接続され、外装材によりモールドされて端子部の一部が外装材の外部に突出して、種々の補強材が設けられている構造が表されている。
一方、図27〜図52では、内部の素子として、主として積層型コンデンサがその素子
の一例として表されており、積層型コンデンサに端子部が接続され、端子部に一対のリード端子が接続されて、外装材でモールドされて、リード端子の一部が外部に突出し、種々の補強材などが設けられている構造が表されている。
図1〜図26までに表される構造と、図27〜図52までに表される構造とは、素子が積層型コンデンサであることや、リード端子が接続されていることを除けば、ほぼ対応する構造であり、以下、必要に応じて説明は重複し、重複が多い場合には省略されるものである。
1は電子部品、2は素子、3は電極、4は端子部、5は外装材、6は積層型コンデンサ、7は内部電極、8はリード端子、10はテーパー部、11は面取り、12は円弧部、13は凹部、15は円弧面、16は突出部、20、22は補強材、21は底面補強材である。
まず、各図に表されている構造の概略を説明する。
図1には、外装材5と外装材5から突出している端子部4との交差する角部にテーパー部10が設けられている構造が示されている。テーパー部10により、端子部4の突出部位における外装材5への損傷などが起こりにくくなり、耐久性が向上し、耐湿性、耐熱性などが向上するものである。
図2には、図1と異なり、端子部4が突出する部位に面取り11が設けられている構造が示されている。面取り11により、テーパー部10と同様に、端子部4の突出部位における外装材5への損傷などが起こりにくくなり、耐久性が向上し、耐湿性、耐熱性などが向上するものである。
図3には、面取り11に代わって、円弧部12が設けられており、同様に、端子部4の突出部位における外装材5への損傷などが起こりにくくなり、耐久性が向上し、耐湿性、耐熱性などが向上するものである。
図4には、端子部4が突出する部位に凹部が設けられており、この凹部に合わせて端子部4が突出している構造が示されている。凹部により端子部4の突出部位がカバーされることで、外装材5への損傷を防止できるとともに、ストレスのかかりやすい端子部4の根元部分の保護も兼ねることができて、外装材5の耐久性と端子部4の耐久性の両方を両立させることができるものである。
図5には、面取り11が設けられた外装材5の角部であるが、端子部4が、外装材5の側面であって、外装材5の側面と底面の交差する部分に近接する位置から突出している構造が示されている。面取り11による外装材保護の効果に加えて、端子部4と外装材5との間に遊び(余裕度)が生じて、端子部の耐たわみ性も向上させることができるものである。
図6には、面取り11が設けられた外装材5の角部であるが、端子部4が、外装材5の底面であって、外装材5の側面と底面の交差する部分に近接する位置から突出している構造が表されている。面取り11による外装材保護の効果に加えて、端子部4と外装材5との間に遊び(余裕度)が生じて、端子部の耐たわみ性も向上させることができるものである。
図7には、外装材5の任意の側面が台形である柱状である構造が示されている。また、台形も端子部4が突出している辺が長辺となり、対向する辺が短辺となる台形となってい
る。このような台形形状により、鈍角の角部が生じることになり、外部からの衝撃による損傷が防止されるものである。特に、実装後に上面となる短辺側の面での角部が鈍角であることから、より損傷に強い構造となるものである。
図8には、外装材5の任意の側面が台形である柱状である構造が示されており、図7とは逆に底面側が短辺となる台形となっている。このようにすることで、自動的に側面がテーパー面となり、直線形状よりも外部からの衝撃に強い形状となる。また、端子部4の突出部位の上面にひさしのような構造となるため、端子部4への外部からの物理的衝撃を防止することができるものである。
図9には、外装材5の任意の側面が台形である柱状であり、なおかつ、端子部4が突出している部位にテーパー部10が設けられた構造が示されている。これにより、外装材自体の耐衝撃性が高まることに加えて、端子部4が突出する部分と言う、最も弱い部分へのクラックなどの損傷が入りにくくなる効果があり、耐久性が更に高い構造である。
図10には、図8に表された台形形状の外装材5の、端子部4の突出部位において、円弧部12が設けられることで、外装材自体の耐久性と、外装材の覆いによる端子部4の保護に加えて、最も弱い部分である端子部4の突出部位への損傷発生防止が可能となるメリットがあるものである。
図11には、外装材5の側面が円弧状である円弧面15により形成された構造が示されている。外装材5の側面が円弧面15であることで、直平面である場合よりも、外部からの衝撃に対して強固となり、外装材5へのクラックなどの損傷を防止する効果がある。
図12には、外装材5の側面に突出部16が形成された構造が表されている。このような突出部16により、円弧面15と同じように、外部からの衝撃を分散させて外装材5の損傷を防止することができる上、突出部16が端子部4に対するひさしのような役割を果たして、端子部4に加わる衝撃を防止することができる効果がある。なお、突出部16は角形でも良いが円弧形状でもよいものであり、図11と図12がミックスされた形状であってもよいものである。
図13には、外装材5に突出部16が設けられたことに加えて、端子部4が突出する部位に凹部13が設けられた構造が示されている。これにより、突出部16による外装材自体の耐衝撃性向上と、端子部4の保護、更には最もストレスに弱い、端子部4が突出する部位の耐衝撃性を向上させて、クラックなどの外装材5への損傷を防止し、耐湿性、耐熱性などを向上させるものである。なお、凹部13ではなく、テーパー部10、面取り11、円弧部12であってもよく、外装材5は突出部16のある形状ではなく、円弧面15による形状でもよいものである。
図14には、本来略直方体、もしくは略立方体の外装材5において、端子部4が突出している部位以外の角部においても円弧部12が形成されている構造が示されている。これにより、外装材5において角部が無くなる(あるいは角部が減少する)ことで、外部からの衝撃に強くなり、角部を中心に起こりやすいクラックなどの損傷を防止することができる。
図15には、図14と異なり各角部にテーパー部10が設けられた構造が示されており、図14と同様の効果を得ることができ、さらに、その製造も円弧部12を構成するよりも容易なものである。なお、テーパー部10ではなく、面取り11、凹部13などであってもよく、角によって使い分けるなどでもよいものである。
図16には、外装材5が楕円柱である場合が表されている。楕円柱とすることで、角部がまったく存在しないことになり、耐衝撃性が向上することに加えて、更に楕円柱の側面が突出している端子部4の上面におけるひさしの役割をして、端子部4への保護の役割を果たして、端子部4自体の耐久性も向上させるものである。なお、楕円柱である外装材5において、端子部4の突出部位において、テーパー部10や凹部13を形成することも好適である(面取り11、円弧部12は楕円柱とした時点で自動的に形成される)。
図17には、図1などのように端子部4の突出部位での外装材5に円弧部12などが設けられている場合に、補強材20が設けられている構造が表されている。補強材20が、ストレスのかかりやすい端子部4の突出している根元に形成されていることで、端子部4への耐衝撃性が高まり、耐久性が向上するものである。
図18には、補強材20の代わりに、外装材5と端子部4の底面の一部にかかる底面補強材21が形成されている構造が示されている。底面補強材21に突出している端子部4に対して上部からかかるストレスなどに対抗して、耐衝撃性を高めることが可能となる。
図19には、端子部4の非実装面に補強材22が設けられた構造が表されている。このように、端子部4の非実装面に補強材22が設けられることで、突出している端子部4の耐衝撃性が向上し、実装信頼性も向上するものである。なお、図19では端子部4の長手方向の略中央部において補強材22が設けられている構造が示されているが、これ以外の場所であっても、周縁部や先端部、根元部などのいずれか、あるいは組み合わせて設けられてもよいものである。
図20には、端子部4において、外装材5内部に存在する部分よりも、厚みの厚い部分が、突出した端子部4に存在する構造が表されている。このように、突出している外部において、その端子部4の厚みを厚くすることで、端子部4の耐衝撃性、耐久性を高めることができる。
図21には、外部に突出している端子部4の厚みが、先端に行くほど厚みを増す構造が示されている。突出している端子部4は、当然ながら先端ほど外部からのストレスや衝撃に弱いため、このような構造にすることで、耐衝撃性に強い端子部4とすることができる。
図22には、外部に突出している端子部4の厚みが、先端に行くほど薄くなる構造が現されている。このような構造にすることで、端子部4に弾性が生じ、耐たわみ性に強くなるメリットがある。
図23には、一つの基体に、対となる複数の組の端子部4により、一つの基体で複数の並列接続された素子2とされた構造が表されている。コンデンサや抵抗などにおいては、電子部品1の小型化を促進するメリットを生じるものである。
図24には、一つの外装材5に複数の素子2がモールドされている構造が示されている。これにより、実装の手間を省いた複合部品とすることが容易にできる。
図25には、端子部4が外装材5の底面と側面との角部に設けられたテーパー部10の直上から突出している構造が示されている。このような構造により、端子部4の突出部位での損傷を防止することができるようになる上に、端子部4と外装材5との間に遊び(余裕度)を設けることができるため、実装後の端子部4の耐たわみ性を向上させることができるものである。
図26には、図1〜図25に表されている構造のいくつかが組み合わされた構造を持つ電子部品1が表されている。まず、突出している端子部4が先端に行くほど厚みを増しており、これに加えて底面補強材21と補強材20が形成されて、外装材5の角部に円弧部12が形成されている構造が表されている。
このような構造により、外装材5への損傷防止がはたらき、端子部4の耐衝撃性、耐久性、更に耐たわみ性が高まるという効果があるものである。
図27には、外装材5と外装材5から突出しているリード端子8との交差する角部にテーパー部10が設けられている構造が示されている。テーパー部10により、リード端子8の突出部位における外装材5への損傷などが起こりにくくなり、耐久性が向上し、耐湿性、耐熱性などが向上するものである。
図28には、図27と異なり、リード端子8が突出する部位に面取り11が設けられている構造が示されている。面取り11により、テーパー部10と同様に、リード端子8の突出部位における外装材5への損傷などが起こりにくくなり、耐久性が向上し、耐湿性、耐熱性などが向上するものである。
図29には、面取り11に代わって、円弧部12が設けられており、同様に、リード端子8の突出部位における外装材5への損傷などが起こりにくくなり、耐久性が向上し、耐湿性、耐熱性などが向上するものである。
図30には、リード端子8が突出する部位に凹部13が設けられており、この凹部13に合わせてリード端子8が突出している構造が示されている。凹部13によりリード端子8の突出部位がカバーされることで、外装材5への損傷を防止できるとともに、ストレスのかかりやすいリード端子8の根元部分の保護も兼ねることができて、外装材5の耐久性とリード端子8の耐久性の両方を両立させることができるものである。
図31には、面取り11が設けられた外装材5の角部であるが、リード端子8が、外装材5の側面であって、外装材5の側面と底面の交差する部分に近接する位置から突出している構造が示されている。面取り11による外装材保護の効果に加えて、リード端子8と外装材5との間に遊び(余裕度)が生じて、リード端子8の耐たわみ性も向上させることができるものである。
図32には、面取り11が設けられた外装材5の角部であるが、リード端子8が、外装材5の底面であって、外装材5の側面と底面の交差する部分に近接する位置から突出している構造が表されている。面取り11による外装材保護の効果に加えて、リード端子8と外装材5との間に遊び(余裕度)が生じて、リード端子8の耐たわみ性も向上させることができるものである。
図33には、外装材5の任意の側面が台形である柱状である構造が示されている。また、台形もリード端子8が突出している辺が長辺となり、対向する辺が短辺となる台形となっている。このような台形形状により、鈍角の角部が生じることになり、外部からの衝撃による損傷が防止されるものである。特に、実装後に上面となる短辺側の面での角部が鈍角であることから、より損傷に強い構造となるものである。
図34には、外装材5の任意の側面が台形である柱状である構造が示されており、図33とは逆に底面側が短辺となる台形となっている。このようにすることで、自動的に側面がテーパー面となり、直線形状よりも外部からの衝撃に強い形状となる。また、リード端子8の突出部位の上面にひさしのような構造となるため、リード端子8への外部からの物
理的衝撃を防止することができるものである。
図35には、外装材5の任意の側面が台形である柱状であり、なおかつ、リード端子8が突出している部位にテーパー部10が設けられた構造が示されている。これにより、外装材自体の耐衝撃性が高まることに加えて、リード端子8が突出する部分と言う、最も弱い部分へのクラックなどの損傷が入りにくくなる効果があり、耐久性が更に高い構造である。
図36には、図34に表された台形形状の外装材5の、リード端子8の突出部位において、円弧部12が設けられることで、外装材5自体の耐久性と、外装材5の覆いによるリード端子8の保護に加えて、最も弱い部分であるリード端子8の突出部位への損傷発生防止が可能となるメリットがあるものである。
図37には、外装材5の側面が円弧状である円弧面15により形成された構造が示されている。外装材5の側面が円弧面15であることで、直平面である場合よりも、外部からの衝撃に対して強固となり、外装材5へのクラックなどの損傷を防止する効果がある。
図38には、外装材5の側面に突出部16が形成された構造が表されている。このような突出部16により、円弧面15と同じように、外部からの衝撃を分散させて外装材5の損傷を防止することができる上、突出部16がリード端子8に対するひさしのような役割を果たして、リード端子8に加わる衝撃を防止することができる効果がある。なお、突出部16は角形でも良いが円弧形状でもよいものであり、図37と図38がミックスされた形状であってもよいものである。
図39には、外装材5に突出部16が設けられたことに加えて、リード端子8が突出する部位に凹部13が設けられた構造が示されている。これにより、突出部16による外装材5自体の耐衝撃性向上と、リード端子8の保護、更には最もストレスに弱い、リード端子8が突出する部位の耐衝撃性を向上させて、クラックなどの外装材5への損傷を防止し、耐湿性、耐熱性などを向上させるものである。なお、凹部13ではなく、テーパー部10、面取り11、円弧部12であってもよく、外装材5は突出部16のある形状ではなく、円弧面15による形状でもよいものである。
図40には、本来略直方体、もしくは略立方体の外装材5において、リード端子8が突出している部位以外の角部においても円弧部12が形成されている構造が示されている。これにより、外装材5において角部が無くなる(あるいは角部が減少する)ことで、外部からの衝撃に強くなり、角部を中心に起こりやすいクラックなどの損傷を防止することができる。
図41には、図40と異なり各角部にテーパー部10が設けられた構造が示されており、図40と同様の効果を得ることができ、さらに、その製造も円弧部12を構成するよりも容易なものである。なお、テーパー部10ではなく、面取り11、凹部13などであってもよく、角によって使い分けるなどでもよいものである。
図42には、外装材5が楕円柱である場合が表されている。楕円柱とすることで、角部がまったく存在しないことになり、耐衝撃性が向上することに加えて、更に楕円柱の側面が突出しているリード端子8の上面におけるひさしの役割をして、リード端子8への保護の役割を果たして、リード端子8自体の耐久性も向上させるものである。なお、楕円柱である外装材5において、リード端子8の突出部位において、テーパー部10や凹部13を形成することも好適である(面取り11、円弧部12は楕円柱とした時点で自動的に形成される)。
図43には、図26などのようにリード端子8の突出部位での外装材5に円弧部12などが設けられている場合に、補強材20が設けられている構造が表されている。補強材20が、ストレスのかかりやすいリード端子8の突出している根元に形成されていることで、リード端子8への耐衝撃性が高まり、耐久性が向上するものである。
図44には、補強材20の代わりに、外装材5とリード端子8の底面の一部にかかる底面補強材21が形成されている構造が示されている。底面補強材21により、突出しているリード端子8に対して上部からかかるストレスなどに対抗でき、耐衝撃性を高めることが可能となる。
図45には、リード端子8の非実装面に補強材22が設けられた構造が表されている。このように、リード端子8の非実装面に補強材22が設けられることで、突出しているリード端子8の耐衝撃性が向上し、実装信頼性も向上するものである。なお、図45ではリード端子8の長手方向の略中央部において補強材22が設けられている構造が示されているが、これ以外の場所であってよく、例えば、周縁部や先端部、根元部などのいずれか、あるいはこれらの組み合わせられた場所に設けられてもよいものである。
図46には、リード端子8において、外装材5内部に存在する部分よりも、厚みの厚い部分が、突出したリード端子8に存在する構造が表されている。このように、突出している外部において、そのリード端子8の厚みを厚くすることで、リード端子8の耐衝撃性、耐久性を高めることができる。
図47には、外部に突出しているリード端子8の厚みが、先端に行くほど厚みを増す構造が示されている。突出しているリード端子8は、当然ながら先端ほど外部からのストレスや衝撃に弱いため、このような構造にすることで、耐衝撃性に強いリード端子8とすることができる。
図48には、外部に突出しているリード端子8の厚みが、先端に行くほど薄くなる構造が現されている。このような構造にすることで、リード端子8に弾性が生じ、耐たわみ性に強くなるメリットがある。
図49には、一つの基体に、対となる複数の組の端子部4により、一つの基体で複数の並列接続された積層型コンデンサ6とされた構造が表されている。コンデンサや抵抗などにおいては、電子部品1の小型化を促進するメリットを生じるものである。
図50には、一つの外装材5に複数の積層型コンデンサ6がモールドされている構造が示されている。これにより、実装の手間を省いた複合部品とすることが容易にできる。
図51には、リード端子8が外装材5の底面と側面との角部に設けられたテーパー部10の直上から突出している構造が示されている。このような構造により、リード端子8の突出部位での損傷を防止することができるようになる上に、リード端子8と外装材5との間に遊び(余裕度)を設けることができるため、実装後のリード端子8の耐たわみ性を向上させることができるものである。
図52には、図27〜図50に表されている構造のいくつかが組み合わされた構造を持つ電子部品1が表されている。まず、突出しているリード端子8が先端に行くほど厚みを増しており、これに加えて底面補強材21と補強材20が形成されて、外装材5の角部に円弧部12が形成されている構造が表されている。
このような構造により、外装材5への損傷防止がはたらき、リード端子8の耐衝撃性、耐久性、更に耐たわみ性が高まるという効果があるものである。
次に、各部の詳細について説明する。
1は電子部品であり、図1などに表されるように、コンデンサ、抵抗、インダクタ、フィルター、その他の電子素子が、樹脂などの外装材でモールドされた電子部品であり、外装材でモールドされたことにより耐久性と耐湿性、耐衝撃性が高まり、更に高耐圧にも耐えうる特徴を有した電子部品である。
次に、素子2について説明する。
2は素子であり、素子2としては上記の通り、コンデンサ、抵抗、インダクタ、フィルター、IC、その他の電子素子のいずれでも良く、コンデンサは単板コンデンサであっても、積層型コンデンサであっても、電解コンデンサなど、いずれのコンデンサであっても良い。図1では単板コンデンサが表されており、図2では積層型コンデンサが表されている。
なお、素子2(もしくは積層型コンデンサ6)は単数が外装材5に封止されてもよいものであり、複数が外装材5に封止されてもよいものである。
あるいは、一つの基体に一対の電極3が設けられて一つの電子素子としての働きを有するものであっても良く、あるいは一つの基体に複数の対の電極3が設けられて、複数の電子素子としての働きを有するものであっても良い。
複数の素子2(若しくは積層型コンデンサ6)が封止されている形態は図10に表されている。
次に電極3について説明する。
電極3は素子2(もしくは積層型コンデンサ6)の両端に一対に設けられた導電性の部材であり、端子部4やリード端子8などを通じて、外部の実装基板との電気的導通を、素子2(もしくは積層型コンデンサ6)に対して実現するものである。電極3は素子2(もしくは積層型コンデンサ6)の両端に一対で設けられるのが普通であるが、両端でなくとも、素子2(もしくは積層型コンデンサ6)の途中部分に設けられてもよいものである。あるいは、素子2(もしくは積層型コンデンサ6)の側面でなくとも、上下面に設けられてもよいものであるし、側面や上下面の前面に渡って設けられても良く、その一部のみに設けられても良く、他の面にはみ出して設けられてもよいものである。
電極3の材料としては、Ni、Ag、Pd、Cu、Auなどの少なくとも一つを含む金属材料が挙げられる。特に、Ni単体あるいはNi合金を用いることでコスト面において有利となる。また、これらの合金や、表面にめっき処理が施されたものであってもよいものである。勿論、合金などであっても良く、単層、多層のめっき処理、蒸着処理、スパッタ処理、ペースト塗布などのいずれかで実現されればよいものである。
次に端子部4について説明する。
端子部4は電極3と接続されており、素子2(もしくは積層型コンデンサ6)に一対に設けられる。通常はその両端に設けられることが多いが、両端以外に設けられてもよいものである。例えば、電極3が上下面に設けられた場合には、この上下面に形成された電極
3と端子部4が接続されてもよいものである。また端子部4は、Cu、Zn、Ni、Ag、Auなどの少なくとも一つを含む材料で構成され、その表面は単層もしくは多層のめっき処理が施されていてもよい。あるいは、これらの材料のいずれかを用いた合金を用いてもよいものである。
また、端子部4は金属キャップを素子2に接合して構成されてもよい。更に、端子部4の最外部(最表部)は融点が200度以上の導電性材料で構成されることが好ましく、この構成によって、電子部品にリフローなどで高温がかけられたとしても、端子部4に熱的なダメージが加わることは無く、安定したリフロー特性を得ることができる。
端子部4は電極3と接続されて、適宜、適当な形状に下降されて外装材5の外部に突出するように形成される。このとき、例えば図1にあるように直線的に角部をもって折り曲げされてもよいし、斜めに直線状となっても良く、あるいは緩いカーブを描くようにして伸ばされても良い。折り曲げであれば加工性が良く、カーブを描くように形成される場合には、強度上の強さが出ると言うメリットがある。
また、後に述べる外装材5は素子2(もしくは積層型コンデンサ6)に端子部4(もしくはリード端子8)を接続したものを枠内に入れて、この枠内に溶融した樹脂を流し込むことで実現されるので、端子部4は外装材の底面と側面の交差する角部、あるいは底面もしくは側面であって、角部の近傍から突出する。
即ち、素子2に端子部4が接続されて、端子部4が折り曲げなどの加工をされてさかさまの状態で枠内に挿入し、端子部4が枠からはみ出すようにひっかかった状態で固定された枠内に、樹脂が流し込まれると、丁度端子部4が作る仮想平面までを外装材5となる樹脂が埋めることになり、結果として端子部4は、外装材5の底面と側面の交差する角部、あるいはこの近傍から突出する形状となる。図1に示される状態である。このような製造工程であれば、非常に工数や微調整が不要で、低コストにできるものである。
また、端子部4の先端において、スリットや割れ目を単数、もしくは複数入れてもよく、これらのスリットにより、曲げ強度が向上したり、軽量化が図られたりするものである。
ここで、端子部4において用いられる特別な形状の特徴と、そのメリットについて説明する。
図21に示されるように外装材5から突出している端子部4が先端に行くほど徐々に厚みを増す形状である場合、突出している端子部4は先端ほど、外部からの衝撃の影響を受けやすい状態にあるが、このように先端に行くほど厚みを増す形状とすることで、この影響を回避して、端子部の折れ、曲がりなどを防止でき、製造時、運搬時、実装時の耐衝撃性や耐久性を高め、実装信頼性を向上させることができる。
あるいは図には示されていないが、突出している根元と先端との中央部分が厚くなるような山形の形状とした場合には、端子部4に加わる衝撃をバランスよく分散できて、外界からの衝撃などを端子部4の耐衝撃性を高めることができる。
または、図22に示されるように、外装材5の外部に突出している端子部4が、その先端に行くほどに薄くなっていく形状では、端子部4の弾性力が大きくなり、実装基板に実装した場合に、実装基板に対して与える圧力が高くなり、実装後の衝撃などによるたわみに対して強いものとなる。特に端子部4の材料として弾性やばね性の高い金属などを用いることで、更に耐たわみ性が向上するものである。
あるいは、図20に示されるように、外装材5の内部に存在する端子部4よりも、外部に突出している部分の厚みを厚くすることで、当然ながら耐衝撃性に強い端子部4とすることができ、耐久性や耐衝撃性、耐熱性などに優れ、製造時や運搬時、実装時、実装後においても同様であり、実装信頼性を高めることができる端子部4とすることができ、低コストでの製造を実現するために、端子部4の外装材5からの突出において、遊びや余裕度がない場合であっても、耐たわみ性などを向上させることができるものである。
なお、以上の端子部4の形状の工夫は、各々適宜組み合わせてもよいものである。
また、以上は端子部4についての説明であるが、後で述べるリード端子8の、外装材からの突出であっても同じである。
次に、外装材5について説明する。
外装材5は図1などに表されるとおり、素子2(もしくは積層型コンデンサ6)をはじめとした抵抗、インダクタなどの電子素子と、それに接続される端子部4(もしくはリード端子8)の一部をモールドしている。
外装材5の材料としては、オプトクレゾールノボラック系、ビフェニール系、ペンタジエン系などのエポキシ系樹脂などが好適に用いられる。もちろん、これら以外の材料が混入してもよく、更に低コストの樹脂が用いられてもよいものである。
また外装材5の表面と素子2(あるいは積層型コンデンサ6)の表面の間隔の最小値(外装材5のもっとも肉厚が薄い部分)は0.1mm以上とすることで、外皮耐圧を向上させることができる。更に、これ以上の値とすることで、耐圧、耐湿、耐熱に強い電子部品1を実現することができる。
また、外装材5の形状としては、基本的には略直方体や略立方体を基本に、各図で説明されているように、テーパー部10、面取り11、円弧部12、凹部13などが設けられてもよく、任意の側断面が台形である台形柱であってもよいものである。あるいは、楕円柱でもよく、これらの形状の特徴部分などがそれぞれ複数、組み合わされてもよいものである。外装材5の形状と、これらテーパー部10などについては後で詳述する。
次に積層型コンデンサ6について説明する。
積層型コンデンサ6は誘電体で構成される基体を複数のシートで積層して内部電極7を形成して、単板コンデンサなどに比べて同一の大きさでより高容量にすることができる。
誘電体基体は、誘電体で構成された基体で、例えば酸化チタンやチタン酸バリウムなどの誘電体材料が好適に用いられる。あるいはアルミナなども用いられる。このような材料を用いて適宜、必要な形状、大きさに形成されるものである。
内部電極7は、誘電体基体内部に埋設された電極であって、内部電極7の構成材料としては、Ni、Ag、Pd、Cu、Auなどの少なくとも一つを含む金属材料や合金が挙げられる。特に、Ni単体あるいはNi合金を用いることでコスト面において有利となる。また、これらの合金や、表面にめっき処理が施されたものであってもよいものである。勿論、合金などであっても良い。また、内部電極7の厚みは1〜5μmで構成される。また、隣接する内部電極7同士の間隔は15μm以上とすることが好ましい。
内部電極7は電極3と電気的に接続されており、電極3の一方のみに接続する内部電極7と、電極3の他方のみに接続する内部電極7が対向しており、この対向する内部電極7間において主な容量が発生する。
次に、電極3に端子部4が接続される。端子部4は上記で説明したとおりである。端子部4は電極にあわせて一対で接続され、この端子部4にあわせて、一対のリード端子8が接続される。
なお、積層型コンデンサ6の大きさは、その長さをL1、高さをL2、幅をL3としたときに、
3.0mm≦L1≦5.5mm
0.5mm≦L2≦2.5mm
1.5mm≦L3≦3.5mm
となるように構成したが、もちろん、これ以外の大きさであってもよく、単数でなく、複数の積層型コンデンサ6が、外装材5に封止されてもよいものである。
なお、L1〜L3を上記下限値より小さくすると、内部電極7の形成面積が不十分となったり、内部電極7相互の間隔が必然的に狭くなって、内部電極7の枚数を減らさなければならなくなって大きな容量値を得ることが困難となり、幅広い容量を有する電子部品を得ることが困難となる。
また、積層型コンデンサ6を外装材5でモールドするときに、積層型コンデンサ6への衝撃による損傷を防止するために、積層型コンデンサ6の角部に面取りを設けたり、円弧状のカーブ曲線を各側面の一部、もしくは全部に設けることも好適である。
次に、リード端子8について説明する。
リード端子8は、一対の端子部4に接続されて、外装材5の外部に引き出されて、実装基板に実装されて、内部の素子2や積層型コンデンサ6と、基板との電気導通を実現するための端子として用いられる一対で形成されるものである。なお、内部にモールドされる素子の個数に応じて、一対以上であっても良く、リード端子8の形状は長方形、楕円形、正方形、線形など、さまざまであって良く、角部の面取りやカーブ形状、テーパー部の形成、あるいはスリットなどの形成なども好適である。またその大きさや幅は、必要とされる実装面積や、実装強度、素子の大きさなどとのバランスにより、適宜決定されればよいものである。
リード端子8は端子部4と同じく、導電体で形成され、種々の金属などで形成される。Cu、Zn、Ni、Ag、Auなどの少なくとも一つを含む材料で構成され、その表面は単層もしくは多層のめっき処理が施されていてもよい。また合金でもよい。
また、リード端子8は外装材5の底面と側面との角部から突出しており、この角部が、直線性の角部であっても、円弧状の角部であっても、いわゆる角状となる位置から突出するものである。
あるいは、外装材5の底面から、もしくは側面からではあるが、底面と側面の交差する位置、即ちその角部に近接した位置から突出するものである。
このとき外装材が略直方体や台形柱である場合に形成される底面と側面との角部に限られず、外装材が全体として丸みを帯びている場合であっても、その仮想的に底面と側面とみなされる面が交差する角部から突出するものでも良い。これは端子部4の突出であって
も同様である。
なお、端子部4やリード端子8は、素子2や積層型コンデンサ6の側面のみならず、上下面に設けられて、そこから外装材5の外部に引き出されてもよいものである。
ここで、端子部4と同様、リード端子8の形状の特徴とそのメリットについて説明する。
まず、図47に示されるように外装材5から突出しているリード端子8が先端に行くほど徐々に厚みを増す形状である場合、突出しているリード端子8は先端ほど、外部からの衝撃の影響を受けやすい状態にあるが、このように先端に行くほど厚みを増す形状とすることで、この影響を回避して、リード端子8の折れ、曲がりなどを防止でき、製造時、運搬時、実装時の耐衝撃性や耐久性を高め、実装信頼性を向上させることができる。
あるいは、図示されてはいないが、突出している根元と先端との中央部分が厚くなるような山形の形状とした場合には、突出しているリード端子8へかかる外界からの衝撃などをリード端子8で上手に分散でき、耐衝撃性が高まるものである。
次に図48に示されるように、外装材5の外部に突出しているリード端子8が、その先端に行くほどに薄くなっていく形状では、リード端子8の弾性力が大きくなり、実装基板に実装した場合に、実装基板に対して与える圧力が高くなり、実装後の衝撃などによるたわみに対して強いものとなる。特にリード端子8の材料として弾性やばね性の高い金属などを用いることで、更に耐たわみ性が向上するものである。
あるいは、図46に示されるように、外装材5の内部に存在するリード端子8よりも、外部に突出している部分の厚みを厚くすることで、当然ながら耐衝撃性に強いリード端子8とすることができ、耐久性や耐衝撃性、耐熱性などに優れ、製造時や運搬時、実装時、実装後においても同様であり、実装信頼性を高めることができるリード端子8とすることができ、低コストでの製造を実現するために、リード端子8の外装材5からの突出において、遊びや余裕度がない場合であっても、耐たわみ性などを向上させることができるものである。
なお、以上のリード端子8の形状の工夫は、各々適宜組み合わせてもよいものである。これらは、上記で説明した端子部4の形状の工夫と同様であり、端子部4を直接外装材5の外部に突出させる構造と、端子部4にリード端子8を接続させて、リード端子8を外装材5の外部に突出させる構造とは、格別の相違のあるものではなく、製造上、コスト上、構造上、封止する素子の特性などの仕様から、適宜選択されて決められるものである。
次に補強材20、22、底面補強材21について説明する。
補強材20は、端子部4やリード端子8が外装材5から突出している根元部分の角部に設けられている。補強材20の存在により、突出している端子部4やリード端子8の根元部にかかりやすいストレスに対する耐久性が高まることになる。補強材20は外装材5と端子部4、もしくはリード端子8の根元部分にそれぞれに接着されて、端子部4やリード端子8の根元部分でのストレスに対抗することができるものである。
補強材20の材料としては、樹脂やセラミックなどが用いられ、外装材5と同じくエポキシ系などの樹脂などが好適に用いられる。また、外装材5と同じ材料を用いても好適である。
また、補強材20を外装材5の側面の上方に延伸させることで、外装材5と補強材20との接着面積を拡大して、その耐衝撃性を更に向上させることも好適である。もちろん、逆に、端子部4やリード端子8側に沿って延伸させて、補強材20の接着面積を拡大して、耐衝撃性を更に向上させることも好適である。
また、補強材20を、電子部品1を形成後に後から別途の部材を接着させる方式でも良く、あるいは、外装材5そのものに凸部を形成しておいて(例えば、外装材を流し込む金型に、凸部となる形状をあらかじめ設けておくなどで実現される)、端子部4やリード端子8と接着されることでも良い。この場合には、工程が削減されて、低コストが実現されるメリットがある。
また、補強材は、図44などに示されるように、電子部品1の実装面側となる、底面補強材21とすることも好適である。
図44などには、底面補強材21が、外装材5と端子部4(もしくはリード端子8)の底面の少なくとも一部にかかるように形成されている。このように形成されることで、角部に補強材20が形成された場合と同じように、最も折れ曲がりなどのストレスのかかりやすい、突出している根元部の強度を向上させて、耐衝撃性を強くした電子部品1とすることができるものである。また、底面に設けられることで、実装後の見た目も良く、更に、外装材5と実装基板との間の遊び(余裕度)を生じさせることができるため、たわみに対する耐久性も向上させることができるものである。
更に、図44などに表されるように、端子部4やリード端子8などの底面の一部に、底面補強材21が形成されることで、端子部4やリード端子8と実装基板との間に空間が生じてしまうため、端子部4やリード端子8に凹部をもうけて、この凹部に底面補強材21を嵌め込んで、端子部4やリード端子8の実装面が、実装基板との間に空間を作らないようにすることも好適である。この場合には、端子部4やリード端子8の突出している部分の厚みも、必然的に増すことになって、耐衝撃性などが更に向上するプラスの効果も期待できる。
あるいは、このように凹部を作らない場合には、実装基板側に設けられる実装ランドに盛り上がりをつけて、その盛り上がりにより、底面補強材21を形成したことで生じる空間を充填することでもよい。
また、図44のような底面補強材21は少なくとも2箇所に設ける必要があるが、図52などの底面補強材21は、外装材5の底面の全面と、端子部4(もしくはリード端子8)の一部にかけて設けられるため、一箇所に設けるだけで済み、製造がより容易になるメリットがある。更に、外装材5の底面の全面を覆って、両端から突出している端子部4(あるいはリード端子8)にかけて一枚の底面補強材21で補強されるため、突出している根元部にかかる、外部からのストレスに更に強くなると言うメリットもある。
また、底面補強材21は、樹脂ペーストなどが塗布されたり、貼りあわされたりしてもよいものである。
また、端子部4やリード端子8の非実装面に、補強材22が設けられてもよいものである。
補強材22は、端子部4(もしくはリード端子8)の外周となる周囲枠に沿って、少なくともその一部に設けられればよい。補強材22の材料は、補強材20などと同様でよく、別途形成された部材が、端子部4やリード端子8の非実装面に接着されても良く、ある
いは、外装材5と一体で形成されて、端子部4やリード端子8に接着されてもよいものである。また、外周の全周にわたって設けられても良く、一部に設けられても良く、耐衝撃性などで要求される必要な強度により、適宜決定されればよいものである。
補強材22は、端子部4(もしくはリード端子8)の長手方向(根元部から端部に至る方向)の略中央に沿って形成されてもよい。これにより、ストレスに弱い、長手方向の耐衝撃性を向上させ、更に端子部4やリード端子8の実装時の、実装基板を押える力が強くなるために、実装信頼性が高くなるものである。あるいは、実装押さえ力が強くなるために、実装後のたわみ性に対する耐久性が向上し、耐たわみ性が向上するメリットもある。
あるいは、略中央でなくとも、長手方向に設けられればよく、補強材22は棒状でも、柱状でも、板状でもよく、単数でなく、複数設けられてもよいものである。
また、補強材22は、端子部4、あるいはリード端子8の先端に形成されてもよい。
先端部に形成されることで、外界からの衝撃によるストレスを受けやすい、端子部4やリード端子8の先端での、影響を低減し、耐衝撃性を高めることができる。更に、先端部に設けられることで、先端部における重しとなって、実装基板に対する圧接力が高まり、実装信頼性の向上、特に衝撃などに対する耐久性が向上し、結果として、外装材5と端子部4(あるいはリード端子8)との間に余裕度や許容度が無いにも係らず、耐たわみ性も向上するメリットがある。
また、用いられる部材量が少なくて済み、低コスト化が図られるメリットもある。
あるいは、端子部4やリード端子8の周縁部やその一部に設けられてもよい。このように周縁部に設けられることで、最も耐衝撃性が高くなり、耐久性や実装信頼性を高めることができるものである。
なお、底面補強材21や補強材20、22などは、それぞれ適宜、必要に応じて、組み合わせて用いられてもよいものである。
このような電子部品1により、寿命の長い電子部品1とすることが可能となるものであり、電子部品1が実装された電子機器の耐久性、高寿命性を実現することができるものである。
次に、本発明のポイントである、外装材5の形状の特徴や、外装材5の角部、特に端子部4やリード端子8が突出する部位における形状と、その効果について説明する。
最初に、外装材5の角部、特に端子部4やリード端子8が突出する部位に設けられる形状について、説明する。
まず、テーパー部10について説明する。
テーパー部10は外装材5の角部や、端子部4、リード端子8が突出する角部などに設けけられる。外装材5の角部はストレスや衝撃のかかりやすく、特に端子部4やリード端子8が突出する部分は、その突出により当然ながら外部からの衝撃に弱い部分になる。
このような部位にテーパー部10が設けられることで、直角や鋭角部分が無くなり、衝撃によるクラックなどの発生を防止することができる。これにより、損傷発生が防止でき、耐湿性、耐熱性を向上させることが可能となる。
テーパー部10は外装材5を形成した後で、切り取り、裁断などで形成されてもよく、あるいは外装材5によるモールドを行う際に用いる金型などにあらかじめテーパー部10となる部分を設けておくことでもよい。また、テーパー部10は、直線的であってもよく、表面が荒れていてもよく、多少の弓なり形状であってもよいものである。
次に、面取り11と円弧部12について説明する。
面取り11と円弧部12は、いずれも円弧状(すなわちR)の面が、外装材5の角部に設けられたものである。
テーパー部10の場合と同じく、外装材5の角部、特に端子部4やリード端子8が突出する部位は、外部からの衝撃に弱い部分であるため、この部分から直角や鋭角がなくなることで、クラックなどの損傷防止が可能となる。更に、テーパー部10のような直線的な面に比べて、円弧面であるため、衝撃緩和力が高く、クラックなどがより入りにくいメリットがある。
面取り11や円弧部12は、外装材5の形成後に、研磨などで形成されてもよく、あるいは、あらかじめ金型などに円弧面となる形状を設けておいて、外装材形成時に、面取り11や円弧部12が作られるようにするなどでもよい。
ここで、面取り11や円弧部12は、その曲率は、外装材5の大きさや角部の大きさ、あるいは突出する端子部4やリード端子8の厚みや大きさにより、適宜決められればよいものである。特に、曲率半径を大きくとることで、緩やかなカーブを有する面取り11や円弧部12とできるため、より耐衝撃性に強くすることが可能となる。
次に、凹部13について説明する。
凹部13は、特に外装材5から端子部4やリード端子8の突出する部位において設けられるものである。
凹部13により、外装材5の角部が表面に出なくなることで、外装材5への衝撃によるクラックなどの損傷を防止することができる。更に、これに加えて端子部4やリード端子8の上面においての防御壁との役割も兼用できるため、端子部4などへの(特に根元部において)耐衝撃性を向上させることができるものである。
さらに、低コストを実現するために、外装材5の底面と側面との角部から端子部4やリード端子8を突出させる構造であるにもかかわらず、容易に外装材5と端子部4やリード端子8との間に遊び(余裕度)を生じさせることができ、耐たわみ性も向上させることができるものである。
なお、テーパー部10や凹部13などを適宜組み合わせることも好適である。
次に、外装材5の形状の特徴とその効果について説明する。
図7、図8などに示されるように、任意の側断面が台形である、台形柱とすることにより、外装材5に対しての耐衝撃性を向上させることができる。
このとき、図7のように、底面側を長辺とした台形の場合には、電子部品1の上部において存在する角部を鈍角とすることができるため、上方からかかる衝撃や力に対しての抵
抗力が高まり、外装材への損傷発生を防止できるものである。
逆に、底面を短辺とする台形とした場合には、側面に力が加わりにくくなって、側面における損傷発生を防止することができるとともに、突出している端子部4やリード端子8のひさしのような役割を有し、外装材5のみならず、端子部4やリード端子8の耐衝撃性も向上させることができるメリットがある。
次に、円弧面15について説明する。
円弧面15は、外装材5の側面に設けられたカーブ面を有した面であり、円弧面15により、側面に加わる外部からの力や衝撃を、適当に分散することができる上、直線状でないために、加わる力が任意のポイントに集中せず、クラックなどが発生しにくくなる。
また、円弧面15は外装材5の任意の側面の一部に設けられてもよく、全部に設けられてもよい。あるいは上面に設けられてもよく、図11のように円弧面15が、Rのような一つの曲率による円弧面だけでなく、波状面であってもよいものである。
この円弧面は、次に説明する突出部16と同じく、外部から加わる衝撃を分散して、クラック発生などを防止するのに加えて、突出している端子部4やリード端子8のひさしとしての役割も兼用するものであるから、端子部4やリード端子8の保護にも対応するものである。
なお、円弧面15は、外装材5の形成後に研磨などにより実現されてもよく、あらかじめ金型などで形成されてもよいものである。
更に、この円弧面15を外装材5全体に拡張することで、図16のように楕円柱となる。楕円柱であれば、外装材5から完全に角部がなくなることになって、外部からの衝撃に対して、非常に強い外装材5を実現できる。なお、楕円柱ではなく、限りなく球にちかい外装材形状であってもよいものである。
次に、突出部16について説明する。
突出部16は、外装材5の側面に設けられた、突出した部分であり、図13などに表されるように、角部的に突出していたり、あるいは凸状に突出していてもよいものである。突出部16の存在により、円弧面15と同じように、外装材5の側面に外部から加わる力が分散して、クラック発生などを防止することができる。さらに、これに加えて、突出部16が、端子部4やリード端子8のひさしのような役割を有して、耐衝撃性を高めるものである。
突出部16は円弧面15と同様に、外装材5の形成後に研磨などにより実現されてもよく、あらかじめ金型形状などで形成されてもよいものである。
なお、以上説明した、外装材5の形状において、その側面に円弧面15や突出部16を設けたり、楕円柱としたりすることで、外装材に加わる外部からの衝撃を分散させて、外装材への損傷を防止することと、テーパー部10や面取り11、円弧部12、凹部13などのように、外装材の角部への形状の工夫で、角部や端子部4などの突出部位などの、ストレスに弱い部分の損傷を防止することを組み合わせることも好適である。
このように、適宜組み合わせることで、低コストを維持したまま外装材5への損傷防止を実現し、耐湿性、耐熱性、耐久性を向上させた電子部品1を実現することができる。
以上のような構造により、製造工程を簡略化して、低コストを維持しつつ、従来の技術における課題であった、外装材へのクラック発生などの損傷を防止した、耐衝撃性、耐久性、耐熱性、耐湿性、実装信頼性、耐たわみ性などを向上させて、実用に適した電子部品1が実現され、電子部品1が実装された電子機器の長寿命化などにも効果を有するものである。