JP4551180B2 - Ask復調装置およびそれを用いた無線装置 - Google Patents

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Description

本発明は、所定の方式で符号化されたデータ列によって変調された変調信号を復調するための復調装置およびそれを用いた無線装置に関し、より特定的には、NRZ(Non Return Zero)データをマンチェスタ符号化して得られるデータ列(マンチェスタデータ)によって搬送波がASK(Amplitude Shift Keying)変調されて得られた信号(以下、変調信号という)を復調するためのASK復調装置およびそれを用いた無線装置に関する。
マンチェスタ符号化は、NRZデータ“0”に対し、“01”を割り当て、NRZデータ“1”に対し、“10”を割り当てる符号化である。このように、マンチェスタ符号化は、1ビットを2ビット符号に変換するので、マンチェスタ符号の1ビット期間の中央では、必ずレベルが遷移する。なお、マンチェスタ符号化は、上述とは逆に、NRZデータ“0”に対して“10”を割り当て、NRZデータ“1”に対して“01”を割り当てる場合もあるが、以降では、前者の割り当て規則を用いるものとして説明する。ただし、後者の割り当て規則であっても、同様に議論できる。
マンチェスタ符号化されたデータ列によってASK変調された変調信号を復調するための従来のASK復調装置の動作について、簡単に説明する。まず、従来のASK復調装置は、マンチェスタ符号化されたデータ列によってASK変調された変調信号を、同期検波、または非同期検波(包絡線検波)等の方法によって検波して検波信号を得る。次に、従来のASK復調装置は、検波信号とある基準のしきい値とを大小比較して、マンチェスタ符号化されたデータ列であるマンチェスタデータを得る。次に、従来のASK復調装置は、マンチェスタデータをマンチェスタ復号化して、NRZ符号化されたデータ列であるNRZデータと、NRZデータに同期したクロック信号であるデータクロック信号とを出力する。つまり、従来のASK復調装置において、マンチェスタ復号化以外の処理は、NRZ符号化されたデータ列によってASK変調された変調信号を復調する処理と同様である。
一般的に、NRZ符号化、またはマンチェスタ符号化に関わらず、符号化されたデータ列によってASK変調された変調信号を復調する場合、しきい値は、検波信号の平均値とされる。
また、特許文献1には、ASK変調されたNRZ符号を高品質に復調するために、検波信号の極大値と極小値との平均値がしきい値とされる技術が開示されている。
NRZ符号化されたデータ列によってASK変調された変調信号を復調する場合、従来のASK復調装置は、検波信号の平均値を求める期間、または、検波信号の極大値、極小値の平均値を求める期間において、“0”、または、“1”が連続すると正しくしきい値を算出できないので、平均値を求める期間をビット期間長に対して十分長く設定する必要がある。しかし、平均値を求める期間が長過ぎると、応答が遅くなるので、従来のASK復調装置は、NRZ符号化されたデータ列によってASK変調された変調信号を復調する場合、検波信号のレベル変動に対して、しきい値を高速に追従させることができない。
一方、マンチェスタ符号化されたデータ列によってASK変調された変調信号を復調する場合、1ビットの時間内に必ず“0”と“1”とが含まれるので、従来のASK復調装置は、NRZ符号の場合ほど平均値を求める期間を長く設定する必要がなく、検波信号のレベル変動に対して、しきい値を追従させ易い。
図28は、特許文献1に開示されている従来のASK復調装置90の構成を示すブロック図である。図28において、従来のASK復調装置90は、極値検出部91と、移動平均部92と、平均部93と、2値化演算部94とを備える。以下、マンチェスタ符号化されたデータ列によってASK変調された変調信号を復調する場合のASK復調装置の動作について説明する。同期検波、または非同期検波等の方法によって、マンチェスタ符号化されたデータ列によってASK変調された変調信号を検波して得られる検波信号は、ASK復調装置90に入力される。検波信号と大小比較するためのしきい値は、極値検出部91と、移動平均部92と、平均部93とによって算出される。極値検出部91は、入力された検波信号の内、複数の所定の期間において、極小値と極大値とを検出し、移動平均部92に入力する。移動平均部92は、複数の所定の期間における複数の極小値、および、極大値をそれぞれ平均して、平均部93に入力する。平均部93は、移動平均部92から入力された極小値の移動平均値、および、移動平均部92から入力された極大値の移動平均値に基づいて、平均値を求め、2値化演算部94に入力する。2値化演算部94は、検波信号と、平均部93から出力されるしきい値とを大小比較して、マンチェスタ符号化されたデータ列であるマンチェスタデータを出力する。マンチェスタデータは、“0”、または、“1”の値を持つ2値の信号であり、後続のマンチェスタ復号部(図示せず)へ入力される。マンチェスタ復号部は、マンチェスタデータの変化点を検出してクロック再生を行うとともに、マンチェスタ符号を復号化して、NRZ符号化されたデータ列であるNRZデータと、NRZデータに同期したクロック信号であるデータクロック信号とを出力する。このようにして、検波信号が復調される。
また、検波信号の波形に依存することなく、マンチェスタデータのデューティ比を改善する方法が特許文献2に開示されている。この方法では、マンチェスタデータに応じてしきい値を制御し、制御されたしきい値と検波信号とを大小比較して、マンチェスタデータを得る。つまり、マンチェスタデータに応じてしきい値を制御する回路と、しきい値と検波信号を大小比較する回路との間でフィードバックループを形成することによって、しきい値が収束し、デューティ比が改善する。
特開2000−78211号公報 特開2001−211214号公報
図29Aは、図28に示した従来のASK復調装置90における検波信号のアイパターンを示す図である。図29Bは、図28に示した従来のASK復調装置90におけるマンチェスタデータのアイパターンを示す図である。図29Cは、デューティ比50%のマンチェスタデータのアイパターンを示す図である。以下、図29A,図28B,図29Cを参照しながら、図28に示した従来のASK復調装置90の問題点について説明する。
例えば、図29Aに示すアイパターンを持つ検波信号が従来のASK復調装置に入力されたとする。横軸は、ビット期間長で正規化した時間を表す。縦軸は、信号の振幅を表す。図29Aに示す検波信号は、歪みを受け、上下非対称となっていることがわかる。図28に示すASK復調装置90によって、しきい値が求められた場合、検波信号の極大値と極小値との平均値がしきい値とされるので、図29Aの点線で示す値がしきい値となる。その結果、図29Bに示すように、大きなジッタを持ったマンチェスタデータが得られる。理想的には、図29Cに示すように、デューティ比50%のマンチェスタデータを得られることが望ましい。ここで、デューティ比とは、NRZデータの1ビットの期間長に対する、マンチェスタデータのハイレベルの期間長の割合のことをいう。図29Bに示すように、マンチェスタデータのデューティ比が50%でない場合、マンチェスタ復号部において、クロック再生が安定しないので、マンチェスタ符号の復号時にビット誤りが生じやすくなる。同様に、検波信号の平均値をしきい値とする方法でも、検波信号が歪むと、マンチェスタデータのデューティ比が50%とならない場合がある。
また、特許文献2に開示されている方法では次のような問題がある。一般的に、フィードバックループにおいて、追従性とノイズ等外乱に対するループの安定性とは、トレードオフの関係にある。従って、パケット受信時や、検波信号がレベル変動を受ける場合等を考慮すると、特許文献2に開示されている方法では、しきい値の追従を速くするのに限界がある。しきい値の追従性としきい値の安定性とを両立させるためには、さらに、複雑な制御回路や、制御回路の微調整が必要となる。
このように、従来のASK復調装置のように、検波信号としきい値とを大小比較する方法では、検波信号が歪むとデューティ比50%のマンチェスタデータを得ることができないという問題があった。また、従来のASK復調装置のように、検波信号としきい値とを大小比較する方法では、デューティ比50%のマンチェスタデータを得るために、しきい値を制御するための複雑な制御回路を必要としたり、制御回路を微調整したりしなければならないという問題があった。
それゆえ、本発明の目的は、マンチェスタ符号化されたデータ列によってASK変調された変調信号を復調するためのASK復調装置およびそれを用いた無線装置において、検波信号に応じたしきい値の算出や制御を必要としないASK復調装置およびそれを用いた無線装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような特徴を有する。本発明は、送信すべきNRZ(Non Return Zero)データ列をマンチェスタ符号化した信号を受信した受信信号を復調する復調装置であって、NRZデータ列の組み合わせによって発生間隔の異なる受信信号の変化点の発生間隔を測定する変化点発生間隔測定部を備え、変化点の発生間隔が、NRZデータ列の組み合わせによって発生し得る最大の発生間隔であると判定された変化点の検出タイミングを基準として受信信号を復調する。
好ましくは、復調装置は、NRZデータ列が“101”または“010”のパターンのときの変化点の検出タイミングを基準として受信信号を復調する。
好ましくは、変化点発生間隔測定部は、受信信号をNRZデータにおける1ビット期間長未満遅延させ、遅延信号として出力する遅延部と、遅延部から出力される遅延信号と受信信号との差分を減算信号として出力する減算部と、減算信号がしきい値と交差するクロス点を検出するクロス点検出部とを備え、クロス点の発生間隔を測定する。
好ましくは、変化点発生間隔測定部は、クロス点の間隔がTb−α以上Tb+β以下(0<α≦Tb/8、0<β≦Tb:TbはNRZデータにおける1ビット期間長)となるクロス点を抽出して、抽出したクロス点に同期した同期信号を出力する。
好ましくは、復調装置は、さらに、変化点発生間隔測定部が出力する同期信号の位相に、NRZデータにおけるビットレートと同一のレートを有するクロック信号を同期させて、データクロック信号として出力するクロック再生部と、クロック再生部が出力するデータクロック信号に従って、減算部から出力される減算信号の極性を判定し、判定結果をNRZデータとして出力する判定部とを備える。
好ましくは、遅延部は、検波信号を3/24ビット期間長以上0.5ビット期間長以下遅延させて、遅延信号として出力するとよい。
好ましくは、遅延部は、検波信号を0.5ビット期間長以上21/24ビット期間長以下遅延させて、遅延信号として出力するとよい。
好ましくは、遅延部は、検波信号を0.5ビット期間長遅延させて、遅延信号として出力するとよい。
好ましくは、クロック抽出部は、減算部から出力される減算信号におけるクロス点の内、クロス点の間隔がTbとなるクロス点を抽出して、抽出したクロス点に同期する同期信号を出力するとよい。
好ましくは、さらに、遅延部と減算部とによって構成されるデータ抽出部の前段または後段に接続されており、入力する信号に含まれる高周波成分を除去するためのローパスフィルタを備えるとよい。
好ましくは、ローパスフィルタは、入力する信号を所定の期間積分する積分フィルタであるとよい。
好ましくは、積分フィルタの積分期間は、1ビット期間長未満であるとよい。
好ましくは、積分フィルタの積分期間は、0.5ビット期間長であるとよい。
また、本発明は、NRZデータをマンチェスタ符号化して得られるデータ列によってASK変調された変調信号を送受信するための無線装置であって、NRZデータである送信すべき情報データをフレーム化したフレームデータを生成するフレーム生成部と、フレーム生成部が生成したフレームデータをマンチェスタ符号化して、マンチェスタデータとして出力するマンチェスタ符号化部と、マンチェスタ符号化部から出力されるマンチェスタデータによって搬送波をASK変調し、変調信号を出力するASK変調部と、他の無線装置から送信されてくる変調信号を検波して、検波信号を出力する検波部と、検波部から出力された検波信号を復調して、NRZデータとデータクロック信号とを出力するASK復調部と、ASK復調部から出力されるNRZデータおよびデータクロック信号に基づいて、情報データを抽出して出力するフレーム処理部とを備え、フレーム生成部は、NRZデータのパターンである“101”または“010”が少なくとも一以上含まれるように、フレームデータを生成し、ASK復調部は、NRZデータ列の組み合わせによって発生間隔の異なる受信信号の変化点の発生間隔を測定する変化点発生間隔測定部を備え、変化点の発生間隔が、NRZデータ列の組み合わせによって発生し得る最大の発生間隔であると判定された変化点の検出タイミングを基準として受信信号を復調する。
好ましくは、ASK復調装置は、NRZデータ列が“101”または“010”のパターンのときの変化点の検出タイミングを基準として受信信号を復調する。
好ましくは、変化点発生間隔測定部は、受信信号をNRZデータにおける1ビット期間長未満遅延させ、遅延信号として出力する遅延部と、遅延部から出力される遅延信号と受信信号との差分を減算信号として出力する減算部と、減算信号がしきい値と交差するクロス点を検出するクロス点検出部とを備え、クロス点の発生間隔を測定する。
好ましくは、変化点発生間隔測定部は、クロス点の間隔がTb−α以上Tb+β以下(0<α≦Tb/8、0<β≦Tb:TbはNRZデータにおける1ビット期間長)となるクロス点を抽出して、抽出したクロス点に同期した同期信号を出力する。
好ましくは、無線装置は、さらに、変化点発生間隔測定部が出力する同期信号の位相に、NRZデータにおけるビットレートと同一のレートを有するクロック信号を同期させて、データクロック信号として出力するクロック再生部と、クロック再生部が出力するデータクロック信号に従って、減算部から出力される減算信号の極性を判定し、判定結果をNRZデータとして出力する判定部とを備える。
好ましくは、フレーム生成部は、フレームデータの先頭に、NRZデータのパターンである“101”または“010”が少なくとも一つ以上含まれるように、フレームデータを生成するとよい。
好ましくは、フレーム生成部は、情報データを複数のブロックに分割して、分割された複数のブロックにおける隣接するブロックの間に、NRZデータのパターンである“101”または“010”が少なくとも一以上含まれるように、フレームデータを生成するとよい。
好ましくは、フレーム生成部は、情報データを複数のブロックに分割して、ブロックの最終ビットが“1”の場合には、“01”から始まるNRZデータのパターンをブロックの直後に挿入し、ブロックの最終ビットが“0”の場合には、“10”から始まるNRZデータのパターンをブロックの直後に挿入して、フレームデータを生成するとよい。
好ましくは、フレーム生成部は、情報データを複数のブロックに分割して、ブロックの先頭ビットが“1”の場合には、“10”で終わるNRZデータのパターンをブロックの直前に挿入し、ブロックの先頭ビットが“0”の場合には、“01”で終わるNRZデータのパターンをブロックの直前に挿入して、フレームデータを生成するとよい。
好ましくは、クロック抽出部は、フレームデータに予め挿入されている“101”または“010”のパターンが受信される期間だけ、クロス点を抽出するとよい。
また、本発明は、NRZデータをマンチェスタ符号化して得られるデータ列によってASK変調された変調信号を送信するための送信装置であって、NRZデータである送信すべき情報データをフレーム化したフレームデータを生成するフレーム生成部と、フレーム生成部が生成したフレームデータをマンチェスタ符号化して、マンチェスタデータとして出力するマンチェスタ符号化部と、マンチェスタ符号化部から出力されるマンチェスタデータによって搬送波をASK変調し、変調信号を出力するASK変調部とを備え、フレーム生成部は、NRZデータのパターンである“101”または“010”が少なくとも一つ以上含まれるように、フレームデータを生成する。
また、本発明は、“101”または“010”のパターンを少なくとも一以上含むNRZデータをマンチェスタ符号化して得られるデータ列によってASK変調された変調信号を受信するための受信装置であって、他の無線装置から送信されてくる変調信号を検波して、検波信号を出力する検波部と、検波部から出力された検波信号を復調して、NRZデータとデータクロック信号とを出力するASK復調部と、ASK復調部から出力されるNRZデータおよびデータクロック信号に基づいて、情報データを抽出して出力するフレーム処理部とを備え、ASK復調部は、NRZデータ列の組み合わせによって発生間隔の異なる受信信号の変化点の発生間隔を測定する変化点発生間隔測定部を備え、変化点の発生間隔が、NRZデータ列の組み合わせによって発生し得る最大の発生間隔であると判定された変化点の検出タイミングを基準として受信信号を復調する。
また、本発明は、NRZデータをマンチェスタ符号化して得られるデータ列によってASK変調された変調信号を復調する集積回路であって、NRZデータ列の組み合わせによって発生間隔の異なる受信信号の変化点の発生間隔を測定する変化点発生間隔測定部を備え、変化点の発生間隔が、NRZデータ列の組み合わせによって発生し得る最大の発生間隔であると判定された変化点の検出タイミングを基準として受信信号を復調する。
また、本発明は、NRZデータをマンチェスタ符号化して得られるデータ列によってASK変調された変調信号を送受信するための集積回路であって、NRZデータである送信すべき情報データをフレーム化したフレームデータを生成するフレーム生成部と、フレーム生成部が生成したフレームデータをマンチェスタ符号化して、マンチェスタデータとして出力するマンチェスタ符号化部と、マンチェスタ符号化部から出力されるマンチェスタデータによって搬送波をASK変調し、変調信号を出力するASK変調部と、他の無線装置から送信されてくる変調信号を検波して、検波信号を出力する検波部と、検波部から出力された検波信号を復調して、NRZデータとデータクロック信号とを出力するASK復調部と、ASK復調部から出力されるNRZデータおよびデータクロック信号に基づいて、情報データを抽出して出力するフレーム処理部とを備え、フレーム生成部は、NRZデータのパターンである“101”または“010”が少なくとも一つ以上含まれるように、フレームデータを生成し、ASK復調部は、NRZデータ列の組み合わせによって発生間隔の異なる受信信号の変化点の発生間隔を測定する変化点発生間隔測定部を備え、変化点の発生間隔が、NRZデータ列の組み合わせによって発生し得る最大の発生間隔であると判定された変化点の検出タイミングを基準として受信信号を復調する。
以下、本発明の効果について説明する。本発明によれば、1ビット期間長未満遅延させた遅延信号と検波信号とを減算した減算信号のクロス点に基づいて、データクロック信号の位相を調整し、位相が調整されたデータクロック信号に従って、当該減算信号の極性が判定され、NRZデータが出力される。したがって、検波信号に応じたしきい値の算出や検波信号に応じた制御を必要としないASK復調装置およびそれを用いた無線装置が提供される。また、検波信号が歪んだ場合にも、ビット前半とビット後半との信号振幅の大小関係は変わらないので、特別なしきい値の制御が必要とならない。また、遅延部および減算部という簡易な構成で、極性判定のための信号およびデータクロック信号を得ることができ、微調整を必要とする複雑な制御回路が必要とならない。特に、本発明では、極性判定に用いるための減算信号とデータクロック信号の位相調整に用いるための減算信号とが共通化されているので、極めて簡易な構成によって、NRZデータの復調およびデータクロック信号の再生が行われることとなる。また、クロス点を検出する間隔に、α、βのマージンを持たせることによって、クロス点の間隔がジッタを持つような場合であっても、データクロック信号の再生が可能となる。αの値をTb/8より大きくすると、誤ってクロス点の間隔が3Tb/4であることを検出してしまう確率が高くなるので、正しいデータクロック信号を再生するためには、αの値はTb/8以下であるのが好適である。また、クロス点の間隔は、2Tbを越えることはないので、βの値はTb以下であるのがよい。
遅延量を3/24ビット期間長以上0.5ビット期間長以下、または0.5ビット期間長以上21/24ビット期間長以下とすることによって、正確にNRZデータを復調できることが期待される。また、遅延量を0.5ビット期間長以上21/24ビット期間長とすることによって、クロック抽出部は、クロス点を容易に検出することができる。遅延量を0.5ビットとすることによって、最も正確にNRZデータを復調することができる。
クロック抽出部がクロス点の間隔がTbとなるクロス点を抽出することによって、減算信号の極性判定のために最適なデータクロック信号が得られる。
また、ローパスフィルタをデータ抽出部の前段または後段に接続することによって、高周波成分を除去することができ、SN比を改善し、良好なビット誤り率特性を得ることができる。
ローパスフィルタとして、積分フィルタを用い、積分期間を1ビット期間長未満とすることによって、NRZデータ成分の除去を防止できるので、より良好なビット誤り率特性を得ることができる。積分期間を0.5ビット期間とすることによって、データ抽出部と積分フィルタとによって、検出信号と矩形信号との相互相関を求める相関受信機が構成されることとなるので、ビット誤り率特性がより改善される。また、クロック抽出部におけるクロス検出において、ノイズの影響が受けにくくなる。
さらに、フレームデータ内に、“101”または“010”のパターンが含まれるように生成することによって、情報データを正しく復調することができる。フレームの先頭部分に当該パターンが含まれれば、プリアンブルの段階でデータクロック信号の位相が調整され、ユニークワード後の情報データを正しく復調できる。情報データの中に当該パターンが含まれていれば、情報データの受信途中でデータクロック信号の位相を調整することができる。また、情報データを分割したときの最終ビットまたは先頭ビットに応じて、挿入する最短のパターンを決定することによって、伝送効率を向上させることができる。
また、当該パターンが意図的に挿入されている期間だけ、クロック抽出部によってクロス点の検出が強制的に行われるようにすることによって、“101”または“010”のパターンが受信されていないのに誤ってクロック再生が行われるのを防止することができる。これにより、ビット誤りが生ずるのを抑圧することができる。
本発明のこれらおよび他の目的、特徴、局面、効果は、添付図面と照合して、以下の詳細な説明から一層明らかになるであろう。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るASK復調装置1の構成を示すブロック図である。図1において、ASK復調装置1は、データ抽出部10と、クロック抽出部13と、クロック再生部14と、判定部15とを備える。データ抽出部10は、遅延部11と、減算部12とを含む。
検波部(図示せず)は、マンチェスタ符号化されたデータ列(マンチェスタデータ)によってASK変調された変調信号を、同期検波または非同期検波等の方法によって検波し、検波信号をデータ抽出部10に入力する。
データ抽出部10は、マンチェスタ符号化される前のNRZデータに関する情報(以下、NRZデータ成分という)を含む信号を出力する。
クロック抽出部13は、データ抽出部10の出力信号からビットレートと同じレートを有する成分(以下、クロック成分という)を抽出して、同期信号として出力する。
データ抽出部10、および、クロック抽出部13の動作については、後で詳しく説明する。
クロック再生部14は、ビットレートと同レートのクロック信号の位相を、同期信号の位相に同期させ、データクロック信号として出力する。クロック再生部14には、例えば、PLL(Phase Lock Loop)回路を適用するとよい。
判定部15は、クロック再生部14で再生されたデータクロック信号に応じて、データ抽出部10の出力信号の極性を判定し、NRZ符号で符号化されたデータ列であるNRZデータを出力する。
データ抽出部10の動作について説明する。データ抽出部10は、検波信号を0.5ビット期間長遅延させた信号の振幅値と、検波信号の振幅値との引き算を行い、出力する。ここで、1ビット期間長とは、NRZデータの1ビットに相当する期間長を意味し、ビットレートの逆数で表される。データ抽出部10に入力された検波信号は、遅延部11と、減算部12に入力される。遅延部11は、検波信号を0.5ビット期間長遅延させて遅延信号を出力する。減算部12は、遅延信号の振幅値から検波信号の振幅値を引き算した結果を出力する。このように、データ抽出部10は、検波信号を0.5ビット期間長遅延させた信号の振幅値と検波信号の振幅値との引き算を行うことで、検波信号からNRZデータ成分を含む信号を出力することができる。
これは、以下の理由による。NRZデータをマンチェスタ符号化する際、NRZデータのシンボル“0”(以下、“0”と表記する)に対して、“01”が割り当てられ、NRZデータのシンボル“1”(以下、“1”と表記する)に対して、“10”が割り当てられる。マンチェスタ符号化されたデータ列であるマンチェスタデータをNRZデータに復号化する際、ビット前半の信号の振幅値とビット後半の信号の振幅値とが比較され、これらの大小に基づいて、マンチェスタデータが“01”であるのかそれとも“10”であるのかが判定され、NRZデータが“0”であるのかそれとも“1”であるのかが判定される。データ抽出部10は、ビット前半とビット後半との時間差である0.5ビット期間長だけ検波信号を遅延させた信号の振幅値から、検波信号の振幅値を減算して出力する。したがって、データ抽出部10の出力信号には、NRZデータ成分として、検波信号のビット前半と検波信号のビット後半との信号振幅を比較した結果が、含まれていることとなる。よって、データ抽出部10の出力信号の極性の正負を、データクロック信号に応じて判定することによって、NRZデータが得られる。
次に、クロック抽出部13の動作について説明する。クロック抽出部13は、データ抽出部10の出力信号からビットレートと同レートのクロック成分を抽出する。具体的には、クロック抽出部13は、データ抽出部10の出力信号におけるゼロクロス点のうち、ゼロクロス点の間隔がNRZデータにおける1ビット期間長と等しいか否かを検出して、1ビット期間長と等しい場合、当該ゼロクロス点に同期する同期信号を出力する。ここで、ゼロクロス点とは、信号の極性が反転する時点、言い換えれば、信号が振幅値0であるレベルを通過する時点のことをいう。このように、クロック抽出部13において、ゼロクロス点の間隔が1ビット期間長に等しい間隔であることが検出され、同期信号が出力されることによって、クロック再生部14は、同期信号にデータクロック信号を同期させることによって、正確なデータクロック信号を再生することができる。
図2(a)は、NRZデータに対応する検波信号の振幅波形を示す図である。図2(b)は、遅延部11から出力される0.5ビット期間長遅延後の検波信号(遅延信号)の振幅波形を示す図である。図2(c)は、遅延後の検波信号(遅延信号)の振幅値から遅延前の検波信号の振幅値を減算した減算部12からの出力信号の波形を示す図である。図2(d)は、クロック抽出部13から出力される同期信号を示す図である。図2(e)は、クロック再生部14から出力されるデータクロック信号を示す図である。図2(f)は、判定部15から出力されるNRZデータを示す図である。以下、図2(a),(b),(c),(d),(e),(f)を参照しながら、ASK復調装置の動作について詳しく説明する。なお、図1には、図2(a),(b),(c),(d),(e),(f)に対応するように、A,B,C,D,E,Fが表記されている。
遅延部11は、検波信号(図2(a)参照)を0.5ビット期間長遅延させた遅延信号(図2(b)参照)を出力する。減算部12は、遅延信号(図2(b)参照)の振幅値から、検波信号(図2(a)参照)の振幅値を減算した信号(以下、減算信号という)(図2(c)参照)を出力する。
ここで、図2(c)に示す減算信号の極性に注目する。図2(c)における矢印で示すタイミングの極性は、図2(a)に示すNRZデータに対応していることが分かる。これらの図から分かるように、当該タイミングにおける極性が正であれば、マンチェスタ符号“10”に対応するNRZデータが“1”であることが分かる。これは、その極性が示す値は、マンチェスタ符号の前半である“1”からマンチェスタ符号の後半である“0”が減算された結果を示しているからである。また、当該タイミングにおける極性が負であれば、マンチェスタ符号“01”に対応するNRZデータが“0”であることが分かる。これは、その極性が示す値は、マンチェスタ符号の前半である“0”からマンチェスタ符号の後半である“1”が減算された結果を示しているからである。このように、データ抽出部10から出力された減算信号には、送信されてきたNRZデータを示す情報(NRZデータ成分)が所定のタイミングにおける極性として現れている。
次に、図2(c)に示す減算信号のゼロクロス点に着目する。NRZデータが“1”から“0”に変わる場合、NRZデータ“1”に対応するマンチェスタ符号“10”の後半の“0”からNRZデータ“0”に対応するマンチェスタ符号“01”の前半の“0”が減算されることとなるので、ビットの切り替え時点からTb/4の時点がゼロクロス点Z1となる。ここで、Tbは、NRZデータにおける1ビット期間長を示す。
NRZデータが“0”から“1”に変わる場合、NRZデータ“0”に対応するマンチェスタ符号“01”の後半の“1”からNRZデータ“1”に対応するマンチェスタ符号“10”の前半の“1”が減算されることとなるので、ビットの切り替え時点からTb/4の時点がゼロクロス点Z2となる。
NRZデータが“0”から“0”に遷移する場合、前者のNRZデータ“0”に対応するマンチェスタ符号“01”の前半の“0”から後半の“1”が減算された後、前者のNRZデータ“0”に対応するマンチェスタ符号“01”の後半の“1”から、後者のNRZデータ“0”に対応するマンチェスタ符号“01”の前半の“0”が減算されることになるので、NRZデータのビット切り替え時点がゼロクロス点Z3となる。引き続き、後者のNRZデータ“0”に対応するマンチェスタ符号“01”の前半“0”から後半の“1”が減算されるため、NRZデータのビット切り替え時点からTb/2の時点がゼロクロス点Z4となる。
同様に、図示されていないが、NRZデータ“1”から“1”に変わる場合、NRZデータ“1”に対応するマンチェスタ符号“10”の後半の“0”からNRZデータ“1”に対応するマンチェスタ符号“01”の前半の“1”が減算されることとなるので、ビットの切り替え時点がゼロクロス点となり、ビット切り替え時点からTb/2の時点がゼロクロス点となる。
以下に説明するように、NRZデータのパターンに応じて、ゼロクロスの間隔が、Tb/2、3Tb/4、Tbの3通りとなる。
すなわち、NRZデータにおいて、“101”や“010”のように、“0”と“1”とが交互に現れるパターンの場合、ビット切り替え時点からTb/4の時点(Z1、または、Z2)がゼロクロス点となるので、データ抽出部10から出力される減算信号のゼロクロス点の間隔は、Tbとなる。
また、NRZデータにおいて、“100”や“011”のように、先頭ビットの後に先頭ビットと異なるビットが2ビット並んだ場合として、例えば、“100”の場合を考える。パターン“100”中のパターン“10”では、先述のように、先頭ビットである“1”から第2のビットである“0”に切り替わった時点からTb/4の時点に、ゼロクロス点Z1が現れる。パターン“100”中のパターン“00”では、先述のように、第2のビットである“0”から第3のビットである“0”に切り替わった時点に、ゼロクロス点Z3が現れる。その後、第2のビットである“0”から第3のビットである“0”に切り替わった時点からTb/2の時点に、ゼロクロス点Z4が現れる。したがって、パターン“100”を受信した場合、ゼロクロス点Z1の後に、ゼロクロス点Z3が現れる。そして、ゼロクロス点Z3の後に、ゼロクロス点Z4が現れる。よって、ゼロクロス点の間隔は、3Tb/4およびTb/2となる。同様に、パターン“011”のパターンを受信した場合も、ゼロクロス点の間隔は、3Tb/4となった後、Tb/2となる。
また、NRZデータにおいて、“000”や“111”のように、“0”または“1”が連続すれば、ゼロクロス点の間隔がTb/2となる(図2(c)参照)。
また、NRZデータにおいて、“001”や“110”のように、第3のビットが先頭ビットと第2のビットと異なる場合として、“001”の場合を考える。パターン“001”中のパターン“00”では、先述のように、第1のビットである“0”から第2のビットである“0”に切り替わった時点に、ゼロクロス点Z3が現れる。ゼロクロス点Z3が現れた時点からTb/2の時点に、ゼロクロス点Z4が現れる。パターン“001”内のパターン“01”では、先述のように、第2のビットである“0”から第3のビットである“1”に切り替わった時点からTb/4の時点に、ゼロクロス点Z1が現れる。したがって、パターン“001”を受信した場合、ゼロクロス点Z3の後に、ゼロクロス点Z4が現れる。そして、ゼロクロス点Z4の後に、ゼロクロス点Z1が現れる。したがって、ゼロクロス点の間隔は、Tb/2および3Tb/4となる。同様に、パターン“110”を受信した場合にも、ゼロクロス点の間隔は、Tb/2となった後、3Tb/4となる。
このように、ゼロクロス点の間隔がTb/2、または、3Tb/4の場合には、1ビット期間長中に2回のゼロクロス点が発生することがあるので、どちらにデータクロック信号を同期させれば良いかを判断することはできない。
一方、ゼロクロス点の間隔がTbの場合には、1ビット期間長中に1度しかゼロクロス点が発生しないので、このゼロクロス点にデータクロック信号を同期させれば、正しくマンチェスタ復号することができる。
したがって、クロック抽出部13は、データ抽出部10から出力された減算信号のゼロクロス点が1ビット期間長Tbとなるタイミングで同期信号を出力する。
クロック抽出部13は、たとえば、図3のような機能的構成を有する。図3は、クロック抽出部13の機能的構成の一例を示すブロック図である。クロック抽出部13は、ゼロクロス検出部20と、カウンタ部21と、比較部22とを有する。ゼロクロス検出部20は、データ抽出部10から出力された減算信号(図2(c)参照)のゼロクロス点(Z1,Z2,Z3,Z4)を検出し、検出した時点毎にゼロクロス信号を出力する。カウンタ部21は、ゼロクロス信号の受信をトリガーにして、カウンタをリセットし、次のゼロクロス信号が来るまで内部クロックでカウントを続ける。比較部22は、ゼロクロス信号がゼロクロス検出部20から入力された時点でのカウンタ部21でのカウント時間と、予め記憶されている1ビット期間長Tbとを比較する。ゼロクロス信号がゼロクロス検出部20から入力された時点でのカウンタ部21でのカウント時間と、1ビット期間長Tbとが一致する場合、比較部22は、同期信号(図2(d)参照)を出力する。このように、ゼロクロス点の間隔がTbであれば、同期信号が出力される。
クロック再生部14は、減算信号からNRZデータを得るためのデータクロック信号を、クロック抽出部13から出力された同期信号に同期させて出力する(図2(e)参照)。図2(e)で示す例では、クロック再生部14は、同期信号とデータクロック信号の立ち下がりエッジとを同期させることとしている。なお、クロック再生部14は、同期信号とデータクロック信号の立ち上がりエッジとを同期させてもよい。
判定部15は、同期信号に対し180度位相がずれた(0.5ビット期間長ずれた)クロック再生部14から出力されたデータクロック信号の立ち上がりエッジをトリガーとして、データ抽出部10から出力される減算信号の極性を判定する。判定部15は、減算信号の極性が正である場合、NRZデータが“1”であるとし、負である場合、NRZデータが“0”であるとして、判定結果をNRZデータとして出力する(図2(f)参照)。図2(f)に示すように、元のNRZデータが正しく復調されている。このように、判定部15は、同期信号に対して0.5ビット期間長ずれたタイミングで減算信号の極性を判定する。同期信号に対して0.5ビット期間長ずれたタイミングは、図2(c)における矢印のタイミングである。このタイミングにおいて、減算信号の振幅値がピークとなるので、良好な誤り率でNRZデータに復調することができる。
このように、第1の実施形態によれば、データ抽出部10は、検波信号を0.5ビット期間長遅延させた遅延信号の振幅値から検波信号の振幅値を引き算することで、検波信号からNRZデータ成分を含む信号を出力する。クロック抽出部13は、データ抽出部10からの出力信号のゼロクロス点の間隔が1ビット期間長Tbである場合、ゼロクロス点に同期する同期信号を出力する。クロック再生部14は、同期信号に同期させるように、データクロック信号を出力する。判定部15は、クロック再生部14から出力されたデータクロック信号に応じて、データ抽出部10の出力信号の極性を判定して、NRZデータを得ることができる。したがって、検波信号に応じてしきい値を算出することなく、NRZデータを得ることができる。また、検波信号が歪んだ場合にも、ビット前半とビット後半の信号振幅の大小関係は変わらないので、特別なしきい値制御を必要とすることなく、NRZデータを得ることができる。さらに、データ抽出部10は、図1に示すように、遅延部11および減算部12だけで簡易に構成であるので、微調整を要する複雑な制御を必要とすることなく、NRZデータを得ることができる。また、第1の実施形態では、極性判定に用いるための減算信号とデータクロック信号の位相調整に用いるための減算信号とが共通化されているので、遅延部11、減算部12、クロック抽出部13、クロック再生部14、判定部15という極めて簡易な構成によって、NRZデータの復調およびデータクロック信号の再生を行うことができる。
上述のように、本発明において、クロック抽出部は、“1”と“0”とが交互に現れるパターンを受信したときに、ゼロクロス点の間隔が所定の間隔となることを利用して、データクロック信号を同期させるための同期信号を出力することとした。具体的には、クロック抽出部は、“1”と“0”とが交互に現れるパターンを受信したときに、減算信号の隣接する二つのゼロクロス点の間隔がTbとなることを利用して、同期信号を出力していた。そして、判定部は、同期信号に対して180度位相がずれた(0.5ビット期間長ずれた)タイミングで減算信号の極性を判定することによって、NRZデータを復調していた。
なお、マンチェスタ符号化として、上述とは逆に、NRZデータ“0”に対して“10”が割り当てられ、NRZデータ“1”に対して“01”が割り当てられるようにしてもよい。この場合、上記と同様に、NRZデータが“101”または“010”のパターンを有する場合、ゼロクロス点の間隔がTbとなる。また、上記と同様の場合に、ゼロクロス点の間隔が3Tb/4、Tb/2となる。ただし、減算信号の極性が負の場合、NRZデータが“1”に相当し、正の場合、NRZデータが“0”に相当することとなる。
なお、第1の実施形態では、検波信号を0.5ビット長遅延させた遅延信号から検波信号を減算することによって、NRZデータ成分を含む信号が求められることとしたが、逆に、検波信号から遅延信号を減算することによっても、NRZデータ成分を含む信号を求めることができる。この場合、減算信号の極性が負の場合、NRZデータが“1”に相当し、正の場合、NRZデータが“0”に相当することとなる。ただし、マンチェスタ符号化として、上述とは逆に、NRZデータ“0”に対して“10”を割り当て、NRZデータ“1”に対して“01”を割り当てられるようにすれば、減算信号の極性が正の場合、NRZデータが“1”に相当し、負の場合、NRZデータが“0”に相当することとなる。
なお、上記では、クロック抽出部は減算信号の隣接する二つのゼロクロス点の間隔を検出することとしたが、同一方向のゼロクロス点の間隔、すなわち、立ち下がりのゼロクロス(極性が正から負に遷移する)点や、立ち上がりのゼロクロス(極性が負から正に遷移する)点が検出されてもよい。具体的には、図2(c)に示すように、“1”と“0”とが交互に現れるパターンを受信したとき、立ち下がりのゼロクロス点の間隔が2Tbとなる。この場合、クロック抽出部は、立ち下がりのゼロクロス点の間隔が2Tbとなるのを検出して、同期信号を出力するとよい。また、図2Cには示されていないが、“0”と“1”とが交互に現れるパターンを受信したとき、立ち上がりのゼロクロス点の間隔が2Tbとなる。この場合、クロック抽出部は、立ち上がりのゼロクロス点の間隔が2Tbとなるのを検出して、同期信号を出力するとよい。そして、判定部は、同期信号に対して180度位相がずれた(0.5ビット期間長ずれた)タイミングで減算信号の極性を判定するとよい。立ち下がりのゼロクロス点や、立ち上がりのゼロクロス点が検出されてもよいことは、以下に示す種々の実施形態についてもいえる。
なお、上記では、振幅値0をしきい値として、信号が振幅値0となる点がゼロクロス点であると定義した。しかし、しきい値は、振幅値0に限られるものではない。すなわち、ゼロクロス点とは、減算信号がしきい値と交差する点(以下、クロス点という)のことを含む概念である。本明細書では、説明を簡単にするために、振幅値0をしきい値とするゼロクロス点について説明するが、ゼロクロス点を上記クロス点に置き換えてもよい。
なお、第1の実施形態では、遅延部11による遅延量を0.5ビット期間長とすることとしたが、遅延量は、0.5ビット期間長に限られるものではない。少なくとも、遅延量が1ビット期間長未満であれば、ASK復調装置は、NRZデータを復調することができる。遅延量が3/24ビット期間長以上0.5ビット以下であれば、正確にNRZデータを復調できることが期待される。また、遅延量が0.5ビット期間長以上21/24期間長以下であっても、正確にNRZデータを復調できることが期待される。上述のように、遅延量が0.5ビット期間長である場合が、最もNRZデータを正確に復調することができる。以下、これらの理由について説明する。
図4は、遅延部11の遅延量を1/24ビット期間長とした場合のデータ抽出部10の出力信号のアイパターンを示す図である。図5は、遅延部11の遅延量を3/24ビット期間長とした場合のデータ抽出部10の出力信号のアイパターンを示す図である。図6は、遅延部11の遅延量を6/24ビット期間長とした場合のデータ抽出部10の出力信号のアイパターンを示す図である。図7は、遅延部11の遅延量を9/24ビット期間長とした場合のデータ抽出部10の出力信号のアイパターンを示す図である。図8は、遅延部11の遅延量を12/24(=0.5)ビット期間長とした場合のデータ抽出部10の出力信号のアイパターンを示す図である。図9は、遅延部11の遅延量を15/24ビット期間長とした場合のデータ抽出部10の出力信号のアイパターンを示す図である。図10は、遅延部11の遅延量を18/24ビット期間長とした場合のデータ抽出部10の出力信号のアイパターンを示す図である。図11は、遅延部11の遅延量を21/24ビット期間長とした場合のデータ抽出部10の出力信号のアイパターンを示す図である。図12は、遅延部11の遅延量を23/24ビット期間長とした場合のデータ抽出部10の出力信号のアイパターンを示す図である。図13は、遅延部11の遅延量を1ビット期間長とした場合のデータ抽出部10の出力信号のアイパターンを示す図である。
図4〜図13において、アイパターン中の矢印が示すタイミングは、ゼロクロス点の間隔がTbである場合(NRZデータにおいて“101”または“010”のパターンを受信した場合)において、当該ゼロクロス点から0.5ビット期間長ずれたタイミングである。当該タイミングで、減算信号の極性が判定されるので、当該タイミングをサンプリング点ということにする。
図4〜図8に示すように、遅延部11における遅延量が0.5ビット期間長よりも短い場合、サンプリング点でのアイパターンの開きI1,I2,I3,I4は、遅延量が0.5ビット期間長であるときのサンプリング点でのアイパターンの開きI5よりも狭くなる。また、図8〜図12に示すように、遅延部11における遅延量が0.5ビット期間長よりも長い場合、サンプリング点でのアイパターンの開きI6,I7,I8,I9は、遅延量が0.5ビット期間長であるときのサンプリング点でのアイパターンの開きI5よりも狭くなる。さらに、図13に示すように、遅延部11における遅延量が1ビット期間長である場合、アイパターンは開かなくなる。図示はしていないが、遅延量が0ビット期間長である場合、すなわち、遅延がない場合もアイパターンは開かなくなる。アイパターンの開きが狭くなる程、ノイズに対して誤りを生じやすくなる。よって、アイパターンが開かなくなる遅延量、すなわち、遅延量が0または1ビット期間長である場合、全く復調できなくなってしまうので、少なくとも遅延量は、0ビット期間長よりも大きくかつ1ビット期間長未満でなければならない。図6に示すように、アイパターンが最も開くのは、遅延量が0.5ビット期間長の場合であるので、遅延量を0.5ビット期間長とすることが最も好ましいことが分かる。
図4〜図7に示すように、遅延量を0.5ビット期間長よりも短くすると、データ抽出部10からの出力信号の振幅値が0になる区間(以下、ゼロ区間という)が徐々に広くなっていくことが分かる。ゼロ区間が広がるとゼロクロス点の間隔がTbであることを検出しにくくなることが予想される。しかし、実際の信号には、ノイズが加わっているので、ゼロクロス点の間隔がTbであることが全く検出できないわけではない。よって、遅延量を0.5ビット期間長よりも短くしたとしても、ASK復調装置は、NRZデータを復調できる。ただし、遅延量が小さくなるほど、アイパターンの開きが狭くなるので、ある程度のアイパターンの開きを有するような遅延量が与えられるのが好ましい。経験的には、図5に示す程度のアイパターンの開きであれば、実用的に問題のない誤りとなる。したがって、遅延量は、3/24ビット期間長以上0.5ビット期間長以下であるとよい。
図9〜図12に示すように、遅延量を0.5ビット期間長よりも長くすると、ゼロ区間は現れない。したがって、遅延量を0.5ビット期間長よりも短くする場合に比べて、ゼロクロス点の間隔がTbであることが検出し易い。よって、遅延量を0.5ビット期間長以上1ビット期間長未満とすることによって、ゼロクロス点の間隔がTbであることが検出し易いという効果が得られる。ただし、遅延量が大きくなるほど、アイパターンの開きが狭くなるので、ある程度のアイパターンの開きを有するような遅延量が与えられるのが好ましい。経験的には、図11に示す程度のアイパターンの開きであれば、実用的に問題のない誤りとなる。したがって、遅延量は、0.5ビット期間長以上21/24ビット期間長以下であるとよい。
(第2の実施形態)
図14は、本発明の第2の実施形態に係るASK復調装置2の構成を示すブロック図である。図4において、ASK復調装置2は、データ抽出部10と、積分フィルタ30と、クロック抽出部13と、クロック再生部14と、判定部15とを備える。図14において、図1に示す第1の実施形態に係るASK復調装置1と同一の機能を有する部分については、同一の参照番号を付して、説明を省略する。
マンチェスタ符号化されたデータ列によってASK変調された変調信号を同期検波、または非同期検波等の方法によって検波して得られる検波信号が、ASK復調装置2に入力される。ASK復調装置2に入力された検波信号は、データ抽出部10に入力される。データ抽出部10は、検波信号からNRZデータ成分を含む信号を出力する。
積分フィルタ30は、データ抽出部10の出力信号を入力とし、所定の積分期間において入力信号を連続的に積分し、その結果を出力する。積分フィルタ30の出力信号は、クロック抽出部13と判定部15とに入力される。第2の実施形態では、積分フィルタ30がデータ抽出部10の後段に接続されていることが第1の実施形態と異なる。
積分フィルタ30について説明する。積分フィルタ30は、0.5ビット期間長の入力信号を連続的に積分し、その結果を出力する。図15は、積分フィルタ30の構成の一例を示すブロック図である。図15において、積分フィルタ30は、m個の遅延器4−1,4−2,・・・,4−mと、加算器40とを含む。図15に示す積分フィルタ30は、トランスバーサルフィルタとして構成されている。ここでは、積分フィルタ30への入力信号は、サンプリング周期でサンプリングされているものとする。遅延器4−1,4−2,・・・,4−mは、入力信号を1サンプリング周期分遅延させる。加算器40は、積分フィルタ30への入力信号と、各遅延器からの出力信号とを加算し、出力する。これにより、積分フィルタ30は、(m+1)サンプル周期間の信号を積分することとなる。(m+1)サンプル周期間は、0.5ビット期間長となっている。
一般的に、積分という処理によって、入力する信号に含まれる高周波成分を除去するローパスフィルタとしての効果が生じる。従って、第2の実施形態に係るASK復調装置2は、積分フィルタ30によって、検波信号に加わっているノイズを除去することとなるので、第1の実施形態と比較して、SN比(信号対雑音比)を改善し、良好なビット誤り率特性を得ることができる。
特に、積分フィルタ30の積分を行う所定の期間(積分期間)を0.5ビット期間長とすることによって、以下に証明するように、データ抽出部10と積分フィルタ30とによって、検波信号と矩形信号との相互相関を求める相関受信機を構成することができる。よって、第1の実施形態に比べて良好なビット誤り率特性を得ることができる。
ここで、検波信号は、積分のために、サンプリング部(図示せず)で、サンプリング周期Tでサンプリングされているものとする。また、検波信号をa(t)、データ抽出部10の出力信号をb(t)、積分フィルタ30の出力信号をc(t)とする。データ抽出部10は、検波信号を0.5ビット期間長遅延させた信号の振幅値から、検波信号の振幅値を引き算するので、a(t)とb(t)との関係は、(数1)のように表される。
Figure 0004551180
また、積分フィルタ30は、データ抽出部10の出力信号を0.5ビット期間長の期間積分するので、b(t)とc(t)との関係は、(数2)のように表される。
Figure 0004551180
(数2)に(数1)を代入すると、(数3)のように表される。
Figure 0004551180
(数3)の右辺第1項について、τ’=τ−Tb/2の変数変換を行うと、(数4)のように表される。
Figure 0004551180
次に、検波信号であるa(t)と、(数5)で表される矩形信号h(t)との相互相関を求める相関受信機を考える。
Figure 0004551180
(数5)で表されるh(t)は、NRZデータ“1”をマンチェスタ符号化した波形を振幅方向にシフトして直流成分を除去したものである。マンチェスタ符号化されたデータはビット中心でのレベル遷移の方向に情報を持つので、直流成分は無視することができる。a(t)とh(t)との相互相関を求める相関受信機は、h(t)を受信する場合のマッチドフィルタと等価であることが知られている。h(t)を受信する場合のマッチドフィルタのインパルス応答g(t)は、h(t)を時間反転して、インパルス応答長であるTbだけ遅延させたものとなり、(数6)で表される。
Figure 0004551180
a(t)とh(t)との相互相関を求める相関受信機の出力d(t)は、a(t)とg(t)とを畳み込み積分することで求められ、(数7)のように表される。
Figure 0004551180
(数7)の右辺について、τ’=t−τの変数変換を行うと、(数8)のように表される。
Figure 0004551180
(数4)で表されるc(t)と(数8)で表されるd(t)は、同一であることがわかる。従って、第2の実施形態において、積分フィルタ30の積分期間を0.5ビット期間長とする場合には、データ抽出部10と積分フィルタ30とで、検波信号と矩形信号h(t)との相互相関を求める相関受信機を構成できることが証明された。
第1の実施形態では、積分フィルタが無く、ビット前半とビット後半のそれぞれ1点の情報しか用いないので、ノイズが加わるとビット誤りを生じやすくなる。しかし、第2の実施形態のように、積分フィルタ30の積分期間を0.5ビット期間長にして相関受信機を構成することで、検波信号と矩形信号との相互相関を求めることができるので、第1の実施形態と比較して、ノイズが加わってもビット誤りを生じにくく、ビット誤り率特性を改善することができる。
マンチェスタデータ“10”によってASK変調された変調信号から得られる検波信号が入力された場合、データ抽出部10と積分フィルタ30とを直列に接続した回路から得られる相互相関値は、正の値になる。マンチェスタデータ“01”によってASK変調された変調信号から得られる検波信号が入力された場合、相互相関値は負の値になる。従って、第2の実施形態のASK復調装置2は、第1の実施形態と同様、しきい値算出を行う必要がなく、積分フィルタの出力信号の極性を判定することで、マンチェスタ復号されたNRZデータを得ることができる。また、第2の実施形態には、第1の実施形態と同じクロック抽出部13、クロック再生部14、判定部15が適用できる。
上述したように、積分フィルタ30は、ローパスフィルタとしても働く。その他、積分フィルタ30は、クロック抽出部13においてゼロクロス点の間隔がTbであることを検出しやすくする。
図16Aは、検波信号のアイパターンを示す図である。図16Bは、データ抽出部10の出力信号のアイパターンを示す図である。図16Cは、積分フィルタ30の出力信号のアイパターンを示す図である。横軸は、ビット期間長で正規化した時間を表す。縦軸は、信号の振幅値を示す。以下、図16A,図16B,図16Cを参照しながら、クロック抽出部13においてゼロクロス点の間隔がTbであることが検出しやすくなる理由について説明する。
ここで、積分フィルタ30の積分期間は、0.5ビット期間長としている。また、クロック抽出部13は、第1の実施形態と同様に、入力のゼロクロス点の間隔がTbであることを検出する。したがって、図16Bおよび図16Cにおいて、クロック再生に必要なゼロクロス点の間隔がTbである信号成分に注目する。
図16Bに示すように、データ抽出部10の出力信号では、振幅0付近A1の傾きが小さくなっている。これは、図16Aに示す検波信号において、レベル変化の無いフラットな部分が長いために生じる。このように、振幅0付近での傾きが小さいと、クロック抽出部13は、ゼロクロス検出時にノイズの影響を受けやすくなり、検出すべきゼロクロス点を正しく検出しにくい。
一方、図16Cに示すように、積分フィルタ30の出力信号では、図16Bに比較して、振幅0付近A2での傾きが大きくなっている。これは、積分フィルタ30の持つローパスフィルタの効果によって、ゼロクロス点の間隔がTbである信号成分の振幅0付近での変動が平均化されるからである。振幅0付近A2の傾きが大きければ、クロック抽出部13は、ゼロクロス検出時にノイズの影響を受けにくく、検出すべきゼロクロス点を正しく検出しやすい。
このように、データ抽出部10だけでは、検波信号によっては、ゼロクロス点の間隔がTbであることを検出しにくい場合がある。しかし、積分フィルタ30とデータ抽出部10とを組み合わせることによって、クロック再生に必要なゼロクロス点の間隔がTbである信号成分の変動を平均化できるので、検波信号が歪んだ場合にも、ゼロクロス点の間隔がTbであることを検出しやすくすることができる。
このように、第2の実施形態によれば、積分フィルタ30によって、検波信号に加わっているノイズが除去されることとなるので、第1の実施形態と比較して、SN比が改善され、良好なビット誤り率特性を得ることができる。特に、積分期間を0.5ビット期間長とすることによって、検波信号と矩形信号h(t)との相互相関を求める相関受信機がデータ抽出部10と積分フィルタ30とによって構成されることとなるので、第1の実施形態と比較して、ビット誤り率特性が改善されることとなる。また、積分フィルタ30によって、クロック再生に必要なゼロクロス点の間隔がTbである信号成分の変動が平均化されるので、検波信号が歪んだ場合であっても、ゼロクロス点の間隔がTbであることが検出しやすくなる。
なお、図14に示す第2の実施形態では、積分フィルタ30はデータ抽出部10の後段に接続されることとしたが、積分フィルタ30はデータ抽出部10の前段に接続されてもよい。図17は、データ抽出部10の前段に積分フィルタ30が接続された場合のASK復調装置の構成を示す図である。データ抽出部10と積分フィルタ30とは、どちらも線形、かつ、時不変であるので、接続する順序を変えたとしても、データ抽出部10と積分フィルタ30とを直列に接続した回路から得られる結果は同一となる。
なお、第2の実施形態では、積分フィルタを用いることとしたが、入力する信号に含まれる高周波成分を除去する機能を有するローパスフィルタを用いてもよい。これにより、信号の高周波成分が除去されることとなるので、第1の実施形態と比較して、SN比を改善し、良好なビット誤り率特性を得ることができる。図18は、FIR(Finite Impulse Response)フィルタによって構成されたローパスフィルタの構成を示す図である。図18に示すように、ローパスフィルタは、複数の遅延器5−1〜5−mと、複数の乗算器6−1〜6−mと、加算器50とを備える。なお、図17において、ローパスフィルタにおいて、全ての乗算器6−1〜6−mの係数を同一にすると、乗算器を省略することができる。したがって、積分フィルタは、入力信号において連続するm個のサンプルの平均値を求めるフィルタと見ることができるので、ローパスフィルタとしても機能することが分かる。よって、積分フィルタをローパスフィルタの代用に用いることによって、乗算器が不要となるので、回路規模を削減することができる。
なお、第2の実施形態では、積分期間が0.5ビット期間長の積分フィルタを用いることとしたが、0.5ビット期間長以外の所定の期間を積分する積分フィルタを用いることとしてもよい。これにより、検波信号に加わっている高周波ノイズを除去することができる。
なお、上記所定の期間は、1ビット期間長未満であるのが好ましい。マンチェスタ符号は、NRZデータの1ビット中に“0”および“1”を必ず含んでいるので、ビット中央でのデータ変化の方向に情報(NRZデータ成分)を含んでいると見ることができる。積分期間を1ビット期間以上にすると、1ビット期間中の変化が平均化されてしまうので、NRZデータまでが除去されてしまう可能性がある。したがって、積分期間は、1ビット期間未満であるのが好ましい。当然、第2の実施形態で説明したように、積分期間を0.5ビット期間長とすると、検波信号と矩形信号との相関を取る相関受信機が構成されるので、積分期間を0.5ビット期間長とするのが、より好ましい。
なお、積分フィルタ30の積分期間が0.5ビット期間長未満である場合でも、検波信号に加わっているノイズを除去することができるので、第1の実施形態と比較して、SN比を改善し、良好なビット誤り率特性を得ることができる。従って、本発明において、積分フィルタ30の積分期間は、0.5ビット期間長未満であってもよい。
なお、本発明の第1および第2の実施形態において、クロック抽出部13は、ゼロクロス点の間隔がTbであることを検出することとしたが、検出するゼロクロス点の間隔Tbにマージンを持たせるようにしてもよい。これにより、ゼロクロス点にジッタがある場合でも、クロック成分を抽出することができる。本来、NRZデータで“1010…”のデータを受信した場合、ゼロクロス点の間隔はTbとなる。しかし、ノイズ等の影響で、実際には、ゼロクロス点の間隔がTbとならない場合がある。そこで、クロック抽出部13は、減算信号におけるゼロクロス点の内、ゼロクロス点の間隔がTb−α以上Tb+β以下(0<α≦Tb/8、0<β≦Tb)となるゼロクロス点を抽出し、抽出したゼロクロス点に同期する同期信号を出力するようにするとよい。このように、α、βのマージンを持たせることで、クロック抽出部13は、ノイズのためにゼロクロス点の間隔がTbとならなかった場合でもクロック成分を抽出することができる。しかし、α、βの値を大きくし過ぎると、データクロック信号のジッタが大きくなり特性劣化が生じるので、α、βの値は、適切な値に設定する必要がある。
αの値は、Tb/8以下にするとよい。前述したように、データ抽出部10からの出力信号におけるゼロクロス点の間隔は、Tb/2、3Tb/4、Tbの3通りとなる。αをTb/8よりも大きくすると、クロック抽出部13は、3Tb/4とTbの平均値である7Tb/8より小さい値を検出してしまうことになり、誤って3Tb/4を検出する確率が高くなる。その結果、クロック抽出部13は、誤った同期信号をクロック再生部14へ入力してしまい、クロック再生部14で再生されるデータクロック信号がずれてしまい、ビット誤り率特性が劣化してしまう。従って、αの値は、Tb/8以下にするとよい。
βの値は、Tb以下にするとよい。ゼロクロス点の間隔が本来Tbである時に、ノイズの影響でゼロクロス点の間隔がTbより大きくなったとしても、2Tbを越えることは無い。なぜなら、ゼロクロス点の間隔は、Tb/2、3Tb/4、Tbの3通りしかなく、最長でも2Tb後には、次のゼロクロス点を生じるからである。従って、βの値は、Tb以下にするとよい。ゼロクロス点の間隔が2Tbを超える状態であれば、その状態は、信号がノイズに埋もれてしまっている状態である。したがって、そのような状態では、そもそも復調が正しく行われない。
なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と同様、遅延量は0.5ビット期間長に限定されるものではない。
なお、本発明の第1および第2の実施形態において、マンチェスタ符号化されたデータ列によってASK変調された変調信号を検波することによって得られる検波信号は、同期検波や非同期検波(包絡線検波)以外の検波方法によって得られてもよい。例えば、入力信号の振幅の自乗に比例した出力信号が得られる自乗検波によって、変調信号の振幅の自乗に比例した信号が検波信号とされてもよい。また、例えば、変調信号を直交検波して同相成分Iと直交成分Qとを求め、それぞれの自乗の和I2 +Q2 を計算し、計算結果が検波信号とされてもよい。変調信号の振幅の自乗に比例した信号は歪んでいる。しかし、本発明の第1および第2の実施形に係るASK復調装置は、検波信号が歪んでいても、しきい値の算出や特別な調整を必要としないので、精度良く復調することができる。もちろん、ASK復調装置は、上記自乗検波や直交検波によって得られる変調信号の振幅の自乗に比例した信号の平方根を計算し、変調信号の振幅に比例した信号を求め、当該信号を検波信号としてもよい。
(第3の実施形態)
第1および第2の実施形態で説明したASK復調装置1,2は、NRZデータにおける“101”、“010”のパターンを受信した場合に、データ抽出部10の出力信号のゼロクロスの間隔がTbとなることを利用して、データクロック信号を調整して、ビット誤りの少ないNRZデータを得ることとした。第3の実施形態では、NRZデータのパターンである“101”、または“010”が少なくとも一以上含まれるフレームデータを用いて、信号を送受信することとする。
図19は、本発明の第3の実施形態に係る無線システムおよび無線装置3の構成を示すブロック図である。図19に示す無線システムにおいて、無線装置3と無線装置4とが、変調信号を送受信することによって、無線通信が行われる。なお、図19では、二つの無線装置しか示さなかったが、三つ以上の無線装置があってもよい。
図19において、無線装置3と無線装置4とは、同様の内部構成を有する。以下、代表して、無線装置3について説明する。無線装置3は、通信制御部31と、フレーム生成部32と、マンチェスタ符号化部33と、ASK変調部34と、アンテナスイッチ(SW)35と、アンテナ36と、検波部37と、ASK復調部38と、フレーム処理部39と、メモリ41と、CPU42と、インターフェース(I/F)部43とを備える。ASK復調部38は、第1または第2の実施形態で説明したASK復調装置と同様の機能を有する。
通信制御部31は、内部バスを介して、CPU42、メモリ41、インターフェース部43等と情報をやりとりし、無線装置4に送信すべき情報データを取得して、フレーム生成部32に入力する。なお、インターフェース部43には、ユーザが操作するスイッチや通信結果を表示する表示部等が含まれる。
フレーム生成部32は、通信制御部31から出力された情報データにヘッダ等を付加し、NRZ符号で符号化することによってフレーム化されたフレームデータをマンチェスタ符号化部33に入力する。図20は、情報データのデータ構造およびフレーム生成部32によって生成されるフレームデータのデータ構造を示す図である。図20に示すように、フレーム生成部32は、入力された情報データの先頭にビット同期をとるためのプリアンブル(PR)と、フレーム同期をとるためのユニークワード(UW)とを付加してフレームデータを生成する。プリアンブル(PR)には、NRZデータ列のパターンとして、“101”または“010”が少なくとも一以上含まれている。
マンチェスタ符号化部33は、NRZ符号で符号化されているフレームデータを、マンチェスタ符号化し、マンチェスタデータをASK変調部34に入力する。
ASK変調部34は、マンチェスタ符号化部33から出力されたマンチェスタデータによって所定の周波数の搬送波をASK変調し、ASK変調された変調信号を出力する。
ASK変調部34が出力した変調信号は、アンテナスイッチ35を介して、アンテナ36から無線装置4へ送信される。
無線装置4は、無線装置3と同様の方法によって、変調信号を無線装置3へ送信する。
無線装置3のアンテナ36で受信された変調信号は、アンテナスイッチ35を介して、検波部37に入力される。
検波部37は、同期検波や非同期検波(包絡線検波)等の方法によって、変調信号を検波し、検波信号をASK復調部38に入力する。
ASK復調部38は、第1または第2の実施形態で説明した方法によって、ASK変調信号の復調とマンチェスタ符号の復号とを行い、NRZデータとデータクロック信号とをフレーム処理部39に入力する。
フレーム処理部39は、データクロック信号に従ってNRZデータを取り込み、ヘッダ等を除いて(フレーム生成部32と逆の処理を施して)、情報データのみを通信制御部31に入力する。具体的には、フレーム処理部39は、ASK復調部38から出力されるNRZデータの中から、ユニークワード(UW)と同じパターンのデータ列を検出する。フレーム処理部39は、ユニークワード(UW)と同じパターンのデータ列を検出したら、ユニークワード以後のNRZデータを情報データとして、通信制御部31に入力する。
通信制御部31は、入力された情報データに基づいて、必要な処理を実行する。
無線装置4は、無線装置3と同様に、受信した変調信号を復調し、NRZデータおよびデータクロック信号を得る。
このように、第3の実施形態によれば、プリアンブル(PR)部分に“101”、または、“010”のパターンが含まれることとなるので、無線装置は、プリアンブルの受信中にデータクロック信号の位相を調整(以下、クロック再生という)することができる。よって、無線装置は、ユニークワード(UW)以降の信号を正しく復調することができる。
なお、ASK復調部38は、“101”、または、“010”のパターンをより多く受信した方がより正確にクロック再生することができるので、プリアンブル(PR)には、“1010101010…”のように、“1”と“0”が交互に並んだパターンが含まれているのが好ましい。
なお、第3の実施形態におけるフレーム生成部32、マンチェスタ符号化部33、ASK変調部34、アンテナスイッチ35、およびアンテナ36によって、変調信号を送信するための送信装置を構成するようにしてもよい。
なお、第3の実施形態におけるアンテナ36、アンテナスイッチ35、検波部37、ASK復調部38、フレーム処理部39によって、変調信号を受信するための受信装置を構成するようにしてもよい。
(第4の実施形態)
第4の実施形態において、無線システムおよび無線装置の構成は、第3の実施形態の場合と同様であるので、図19を援用することとする。第4の実施形態において、無線装置は、プリアンブルと同様に、情報データ中にもNRZデータのパターン列である“101”または“010”を挿入することとする。第4の実施形態では、フレーム生成部32およびフレーム処理部39の動作が第3の実施形態とは異なるので、以下、異なる点についてのみ説明する。
図21は、情報データのデータ構造、情報データを複数のブロックに分割したときのデータ構造、およびフレームデータのデータ構造を示す図である。フレーム生成部32は、通信制御部31から入力される情報データを複数のブロックB1〜Bnに分割する。次に、フレーム生成部32は、分割された二つのブロックの間にNRZデータのパターン列である“101”または“010”を少なくとも一以上挿入する。そして、フレーム生成部32は、“101”または“010”を含むプリアンブル(PR)およびユニークワード(UW)を情報データの先頭に付加して、フレームデータを完成する。
フレーム処理部39は、復調したNRZデータからユニークワード(UW)を検出して、情報データの先頭を認識し、情報データ中に挿入された“101”、または、“010”のパターンを省いて、情報データのみを通信制御部31へ入力する。フレーム処理部39は、一つのブロックのサイズを予め認識しているので、情報データ中に挿入された“101”、または、“010”のパターンを取り除くことができる。
送受信機間で周波数ずれがある場合、プリアンブル(PR)部分で一度クロック再生がなされたとしても、それ以降クロック再生がなされないと、時間の経過ともに極性の判定タイミングがずれていき、ビット誤りを生じてしまう場合がある。当然、情報データ中にも、“101”、または“010”のパターンが偶然含まれていることもあるが、最悪の場合、“101”、または“010”のパターンが長期間にわたって情報データの中に含まれないこともあり得る。そこで、第4の実施形態のように、情報データ中にも“101”、または、“010”のパターンを意図的に挿入させることによって、送受信機間で周波数ずれがある場合にも、無線装置は、情報データ受信中においても、周期的に確実にクロック再生を行うことができる。よって、ビット誤りが生じにくくなる。
なお、図21では、情報データのブロック間に3ビットのパターンを挿入することとしたが、情報データのブロック間に3ビットより長いパターンを挿入してもよい。この場合、“10101010”のように、“1”と“0”が交互に並んだパターンが挿入されることが好ましい。
(第5の実施形態)
第5の実施形態において、無線システムおよび無線装置の構成は、第3の実施形態の場合と同様であるので、図19を援用することとする。第5の実施形態において、無線装置は、プリアンブルと同様に、情報データ中にも特定のパターンのNRZデータ列を挿入することとする。第5の実施形態では、フレーム生成部32およびフレーム処理部39の動作が第3の実施形態とは異なるので、以下、異なる点についてのみ説明する。
図22は、情報データのデータ構造、情報データを複数のブロックに分割したときのデータ構造、およびフレームデータのデータ構造の一例を示す図である。図23は、フレームデータのデータ構造の他の例を示す図である。
フレーム生成部32は、通信制御部31からの入力される情報データを複数のブロックB1〜Bnに分割する。次に、フレーム生成部32は、分割したブロックの最終ビットを参照して、最終ビットが“0”の場合、ブロックの直後に“10”のパターンを挿入し、最終ビットが“1”の場合、ブロックの直後に“01”のパターンを挿入して、フレームデータを生成する。なお、図23に示すように、フレーム生成部32は、分割したブロックの先頭ビットが“0”の場合、ブロックの直前に“01”のパターンを挿入し、先頭ビットが“1”の場合、ブロックの直前に“10”のパターンを挿入してフレームデータを生成してもよい。これにより、情報データの中に、“101”または“010”のパターンが挿入されることとなる。そして、フレーム生成部32は、“101”または“010”を含むプリアンブル(PR)およびユニークワード(UW)を情報データの先頭に付加して、フレームデータを完成する。
フレーム処理部39は、復調したNRZデータからユニークワード(UW)を検出して、情報データの先頭を認識し、情報データ中に挿入された“01”、または、“10”のパターンを省いて、情報データのみを通信制御部31へ入力する。フレーム処理部39は、一つのブロックのサイズを予め認識しているので、情報データ中に挿入された“01”、または、“10”のパターンを取り除くことができる。
このように、第5の実施形態によれば、ブロックの最終ビットまたは先頭ビットに応じて、“01”または“10”のパターンが挿入されるので、情報データ内に“101”、または、“010”のパターンが挿入されることとなる。よって、第4の実施形態と同様の効果が得られる。加えて、最低2ビットのパターンが挿入されるだけであるので、第4の実施形態に比べて、挿入するビット数を減らすことができ、伝送効率を改善することができる。第5の実施形態において、挿入するビット数を第4の実施形態と同じにするとした場合、第4の実施形態に比べて“101”、“010”のパターンを多く得ることができるので、第4の実施形態に比べてより正確にクロック再生を行うことができる。
なお、挿入するパターンは、2ビット以上であってもよい。この場合、ブロックの最終ビットが“1”の場合には、フレーム生成部32は、“01”から始まるNRZデータのパターンをブロックの直後に挿入する。一方、ブロックの最終ビットが“0”の場合には、フレーム生成部32は、“10”から始まるNRZデータのパターンをブロックの直後に挿入する。あるいは、ブロックの先頭ビットが“1”の場合には、フレーム生成部32は、“10”で終わるNRZデータのパターンをブロックの直後に挿入する。一方、ブロックの先頭ビットが“0”の場合には、フレーム生成部32は、“01”で終わるNRZデータのパターンをブロックの直後に挿入する。挿入されるパターンは、“1”と“0”が交互に並んだパターンであると好ましい。
(第6の実施形態)
図24は、本発明の第6の実施形態に係る無線システムおよび無線装置5の構成を示す図である。図24に示す無線システムにおいて、無線装置5と無線装置6とが、変調信号を送受信することによって、無線通信が行われる。なお、図24では、二つの無線装置しか示さなかったが、三つ以上の無線装置があってもよい。図24において、図19と同様の機能を有する部分については、同一の参照符号を付し、説明を省略することとする。
図24において、無線装置5は、通信制御部31と、フレーム生成部32aと、マンチェスタ符号化部33と、ASK変調部34と、アンテナスイッチ(SW)35と、アンテナ36と、検波部37と、ASK復調部38aと、フレーム処理部39aと、メモリ41と、CPU42と、インターフェース(I/F)部43とを備える。ASK復調部38aは、フレーム処理部39aから出力されたクロック再生制御信号に応じて、第1または第2の実施形態で説明したASK復調装置と同様の動作を行う。
図25は、ASK復調部38aの構成を示すブロック図である。図25に示すように、第6の実施形態におけるASK復調部38aは、クロック抽出部13aにクロック再生制御信号が入力される以外は、第1の実施形態と同様である。なお、ASK復調部38aには、第2の実施形態と同様、積分フィルタが設けられていてもよい。
フレーム生成部32aは、第3、第4、または第5の実施形態におけるフレーム生成部と同様に、プリアンブルおよび/または情報データの中に“010”または“101”のパターンが含まれるようにフレームデータを生成する。
フレーム処理部39aは、クロック再生するべきか否かを示すクロック再生制御信号をASK復調部38a内のクロック抽出部13aに入力する。クロック再生制御信号には、二通りのパターンが考えられる。本実施形態では、どちらか一方のパターンのクロック再生制御信号が用いられることとする。
図26は、第1のパターンのクロック再生制御信号、検波信号、および同期信号の関係を示す図である。図27は、第2のパターンのクロック再生制御信号、検波信号、および同期信号の関係を示す図である。図26および図27において、クロック再生制御信号がHレベルの場合、クロック再生をなすべきであることが示される。クロック再生制御信号がLレベルの場合、クロック再生を行わないことが示される。
第1のパターンのクロック再生制御信号を用いる場合、図26に示すように、フレーム処理部39aは、検波信号の受信開始直後は、クロック再生制御信号をHレベルにして、クロック抽出部13aにゼロクロス点の間隔がTbとなるか否かを検出させ、同期信号を出力させ、クロック再生部14にクロック再生させる。フレーム処理部39aは、ユニークワードを検出したらクロック再生制御信号をLレベルにして、クロック抽出部13aにゼロクロス点の間隔がTbとなるか否かの検出を中止させ、クロック再生部14にクロック再生させない。このように、第1のパターンのクロック再生制御信号を用いた場合、プリアンブルでのみクロック再生が行われることとなる。
第2のパターンのクロック再生制御信号を用いる場合、図27に示すように、フレーム処理部39aは、検波信号の受信開始直後は、クロック再生制御信号をHレベルにして、クロック抽出部13aにゼロクロス点の間隔がTbとなるか否かを検出させ、同期信号を出力させ、クロック再生部14にクロック再生させる。フレーム処理部39aは、ユニーワードを検出したらクロック再生制御信号をLレベルにして、クロック抽出部13aにゼロクロス点の間隔がTbとなるか否かの検出を中止させ、クロック再生部14にクロック再生させない。フレーム処理部39aは、予め各ブロックのサイズを認識しているので、ブロック間の境目が到来する区間(“101”または“010”が到来する区間)を少なくとも含むように、クロック再生制御信号をHレベルにして、クロック抽出部13aにゼロクロス点の間隔がTbとなるか否かを検出させ、同期信号を出力させ、クロック再生部14にクロック再生させる。このように、第2のパターンのクロック再生制御信号を用いた場合、プリアンブルおよび情報データ内に挿入された“101”または“010”のパターンが到来する区間においてのみクロック再生が行われることとなる。
クロック抽出部13aは、クロック再生制御信号がHレベルの場合、ゼロクロス点の間隔がTbであるか否かを検知して、検知結果に応じて、同期信号を出力する。一方、クロック再生制御信号がLレベルの場合、クロック抽出部13aは、同期信号をLレベルに保っている。同期信号がLレベルの間、クロック再生部14から出力されるデータクロック信号の位相は一定に保たれるので、判定部15における判定タイミングがずれることはない。このように、ASK復調部38aは、意図的に送られてくる“101”または“010”のパターンを受信している区間のみクロック再生を行う。
第1および第2の実施形態に係るASK復調装置1,2では、クロック抽出部13によって出力信号のゼロクロス点の間隔がTbであると検出され、クロック再生が行われる。しかし、実際には、受信した信号波形はノイズの影響を受けているので、“101”、“010”でないパターンを受信したときに、ゼロクロス点の間隔が、偶然、Tbとなることもあり得る。このような場合においてもクロック再生を行うこととしてしまうと、極性の判定タイミングは適切でなくなり、ビット誤りが生じる恐れがある。
そこで、第6の実施形態のように、“101”または“010”のパターンが意図的に挿入されている区間においてのみ、クロック再生が行われることとすることによって、“101”または“010”のパターンが受信されていないのに誤ってクロック再生が行われるのを防止することができる。これにより、ビット誤りが生ずるのを抑圧することができる。
なお、第6の実施形態では、クロック抽出部13aは、フレーム処理部39aから出力されたクロック再生制御信号に基づいて、ゼロクロス点の間隔がTbであることを検出するか否かを決定していたが、“101”または“010”のパターンが受信される期間を自身で認識して、その期間だけゼロクロス点の間隔がTbであることを検出するようにしてもよい。
なお、以上説明した無線通信システムやフレームデータのフォーマットは一例であり、本発明の適用範囲は上述した例に限定されるものではない。
なお、ASK復調部、フレーム生成部、フレーム処理部、マンチェスタ符号化部、ASK変調部、検波部、アンテナスイッチ、アンテナ等の各機能ブロックは、典型的には、集積回路であるLSIとして実装される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部、または、全てを含むように1チップ化されてもよい。全てを1チップ化することにより、小型無線チップとリーダライタ装置との間で無線通信を行うICカードや無線タグなどのRFID(Radio Frequency IDentification)技術等への適用も可能である。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、または、汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。さらには、半導体技術の進歩、または、派生する別技術により、LSIに置き換わる集積回路かの技術が登場すれば、当然その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてあり得る。
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
本発明にかかるASK復調装置は、検波信号を2値化するためのしきい値の算出や制御を必要とせずに、マンチェスタ符号で符号化されたデータ列によってASK変調された変調信号を復調することができ、通信分野等に有用である。
本発明の第1の実施形態に係るASK復調装置1の構成を示すブロック図 (a)は、NRZデータに対応する検波信号の振幅波形を示す図、(b)は、遅延部11から出力される0.5ビット期間長遅延後の検波信号(遅延信号)の振幅波形を示す図、(c)は、遅延後の検波信号(遅延信号)の振幅値から遅延前の検波信号の振幅値を減算した減算部12からの出力信号の波形を示す図、(d)は、クロック抽出部13から出力される同期信号を示す図、(e)は、クロック再生部14から出力されるデータクロック信号を示す図、(f)は、判定部15から出力されるNRZデータを示す図 クロック抽出部13の機能的構成の一例を示すブロック図 遅延部11の遅延量を1/24ビット期間長とした場合のデータ抽出部10の出力信号のアイパターンを示す図 遅延部11の遅延量を3/24ビット期間長とした場合のデータ抽出部10の出力信号のアイパターンを示す図 遅延部11の遅延量を6/24ビット期間長とした場合のデータ抽出部10の出力信号のアイパターンを示す図 遅延部11の遅延量を9/24ビット期間長とした場合のデータ抽出部10の出力信号のアイパターンを示す図 遅延部11の遅延量を12/24(=0.5)ビット期間長とした場合のデータ抽出部10の出力信号のアイパターンを示す図 遅延部11の遅延量を15/24ビット期間長とした場合のデータ抽出部10の出力信号のアイパターンを示す図 遅延部11の遅延量を18/24ビット期間長とした場合のデータ抽出部10の出力信号のアイパターンを示す図 遅延部11の遅延量を21/24ビット期間長とした場合のデータ抽出部10の出力信号のアイパターンを示す図 遅延部11の遅延量を23/24ビット期間長とした場合のデータ抽出部10の出力信号のアイパターンを示す図 遅延部11の遅延量を1ビット期間長とした場合のデータ抽出部10の出力信号のアイパターンを示す図 本発明の第2の実施形態に係るASK復調装置2の構成を示すブロック図 積分フィルタ30の構成の一例を示すブロック図 検波信号のアイパターンを示す図 データ抽出部10の出力信号のアイパターンを示す図 積分フィルタ30の出力信号のアイパターンを示す図 データ抽出部10の前段に積分フィルタ30が接続された場合のASK復調装置の構成を示す図 FIR(Finite Impulse Response)フィルタによって構成されたローパスフィルタの構成を示す図 本発明の第3の実施形態に係る無線システムおよび無線装置3の構成を示すブロック図 情報データのデータ構造およびフレーム生成部32によって生成されるフレームデータのデータ構造を示す図 情報データのデータ構造、情報データを複数のブロックに分割したときのデータ構造、およびフレームデータのデータ構造を示す図 情報データのデータ構造、情報データを複数のブロックに分割したときのデータ構造、およびフレームデータのデータ構造の一例を示す図 フレームデータのデータ構造の他の例を示す図 本発明の第6の実施形態に係る無線システムおよび無線装置5の構成を示す図 ASK復調部38aの構成を示すブロック図 第1のパターンのクロック再生制御信号、検波信号、および同期信号の関係を示す図 第2のパターンのクロック再生制御信号、検波信号、および同期信号の関係を示す図 特許文献1に開示されている従来のASK復調装置90の構成を示すブロック図 図28に示した従来のASK復調装置90における検波信号のアイパターンを示す図 図28に示した従来のASK復調装置90におけるマンチェスタデータのアイパターンを示す図 デューティ比50%のマンチェスタデータのアイパターンを示す図
符号の説明
1,2 ASK復調装置
10 データ抽出部
11 遅延部
12 減算部
13,13a クロック抽出部
14 クロック再生部
15 判定部
20 ゼロクロス検出部
21 カウンタ部
22 比較部
30 積分フィルタ
40,50 加算器
4−1〜4−m,5−1〜5−m 遅延器
6−1〜6−m 乗算器
3,4,5,6 無線装置
31 通信制御部
32,32a フレーム生成部
33 マンチェスタ符号化部
34 ASK変調部
35 アンテナスイッチ
36 アンテナ
37 検波部
38,38a ASK復調部
39,39a フレーム処理部
41 メモリ
42 CPU
43 インターフェース部

Claims (24)

  1. 送信すべきNRZ(Non Return Zero)データ列をマンチェスタ符号化した信号を受信した受信信号を復調する復調装置であって、
    前記NRZデータ列の組み合わせによって発生間隔の異なる前記受信信号の変化点の発生間隔を測定する変化点発生間隔測定部を備え、
    前記変化点の発生間隔が、前記NRZデータ列の組み合わせによって発生し得る最大の発生間隔であると判定された変化点の検出タイミングを基準として前記受信信号を復調し、
    前記変化点発生間隔測定部は、
    前記受信信号をNRZデータにおける1ビット期間長未満遅延させ、遅延信号として出力する遅延部と、
    前記遅延部から出力される前記遅延信号と前記受信信号との差分を減算信号として出力する減算部と、
    前記減算信号がしきい値と交差するクロス点を検出するクロス点検出部とを備え、
    前記クロス点の発生間隔を測定する、復調装置。
  2. 前記復調装置は、前記NRZデータ列が“101”または“010”のパターンのときの変化点の検出タイミングを基準として前記受信信号を復調する、請求項1に記載の復調装置。
  3. 前記変化点発生間隔測定部は、前記クロス点の間隔がTb−α以上Tb+β以下(0<α≦Tb/8、0<β≦Tb:Tbは前記NRZデータにおける1ビット期間長)となるクロス点を抽出して、抽出したクロス点に同期した同期信号を出力する、請求項1に記載の復調装置。
  4. さらに、前記変化点発生間隔測定部が出力する前記同期信号の位相に、前記NRZデータにおけるビットレートと同一のレートを有するクロック信号を同期させて、データクロック信号として出力するクロック再生部と、
    前記クロック再生部が出力する前記データクロック信号に従って、前記減算部から出力される前記減算信号の極性を判定し、判定結果をNRZデータとして出力する判定部とを備える、請求項に記載の復調装置。
  5. 前記遅延部は、前記検波信号を3/24ビット期間長以上0.5ビット期間長以下遅延させて、前記遅延信号として出力することを特徴とする、請求項に記載の復調装置。
  6. 前記遅延部は、前記検波信号を0.5ビット期間長以上21/24ビット期間長以下遅延させて、前記遅延信号として出力することを特徴とする、請求項に記載の復調装置。
  7. 前記遅延部は、前記検波信号を0.5ビット期間長遅延させて、前記遅延信号として出力することを特徴とする、請求項に記載の復調装置。
  8. 前記クロック抽出部は、前記減算部から出力される前記減算信号におけるクロス点の内、クロス点の間隔がTbとなるクロス点を抽出して、抽出したクロス点に同期する同期信号を出力することを特徴とする、請求項に記載の復調装置。
  9. さらに、前記遅延部と前記減算部とによって構成されるデータ抽出部の前段または後段に接続されており、入力する信号に含まれる高周波成分を除去するためのローパスフィルタを備えることを特徴とする、請求項に記載の復調装置。
  10. 前記ローパスフィルタは、入力する信号を所定の期間積分する積分フィルタであることを特徴とする、請求項に記載の復調装置。
  11. 前記積分フィルタの積分期間は、1ビット期間長未満であることを特徴とする、請求項10に記載の復調装置。
  12. 前記積分フィルタの積分期間は、0.5ビット期間長であることを特徴とする、請求項10に記載の復調装置。
  13. NRZ(Non Return Zero)データをマンチェスタ符号化して得られるデータ列によってASK(Amplitude Shift Keying)変調された変調信号を送受信するための無線装置であって、
    NRZデータである送信すべき情報データをフレーム化したフレームデータを生成するフレーム生成部と、
    前記フレーム生成部が生成した前記フレームデータをマンチェスタ符号化して、マンチェスタデータとして出力するマンチェスタ符号化部と、
    前記マンチェスタ符号化部から出力される前記マンチェスタデータによって搬送波をASK変調し、変調信号を出力するASK変調部と、
    他の無線装置から送信されてくる変調信号を検波して、検波信号を出力する検波部と、
    前記検波部から出力された前記検波信号を復調して、NRZデータとデータクロック信号とを出力するASK復調部と、
    前記ASK復調部から出力される前記NRZデータおよび前記データクロック信号に基づいて、前記情報データを抽出して出力するフレーム処理部とを備え、
    前記フレーム生成部は、NRZデータのパターンである“101”または“010”が少なくとも一以上含まれるように、前記フレームデータを生成し、
    前記ASK復調部は、
    前記NRZデータ列の組み合わせによって発生間隔の異なる前記受信信号の変化点の発生間隔を測定する変化点発生間隔測定部を備え、
    前記変化点の発生間隔が、前記NRZデータ列の組み合わせによって発生し得る最大の発生間隔であると判定された変化点の検出タイミングを基準として前記受信信号を復調し、
    前記変化点発生間隔測定部は、
    前記受信信号をNRZデータにおける1ビット期間長未満遅延させ、遅延信号として出力する遅延部と、
    前記遅延部から出力される前記遅延信号と前記受信信号との差分を減算信号として出力する減算部と、
    前記減算信号がしきい値と交差するクロス点を検出するクロス点検出部とを備え、
    前記クロス点の発生間隔を測定する、無線装置。
  14. 前記ASK復調装置は、前記NRZデータ列が“101”または“010”のパターンのときの変化点の検出タイミングを基準として前記受信信号を復調する、請求項13に記載の無線装置。
  15. 前記変化点発生間隔測定部は、前記クロス点の間隔がTb−α以上Tb+β以下(0<α≦Tb/8、0<β≦Tb:Tbは前記NRZデータにおける1ビット期間長)となるクロス点を抽出して、抽出したクロス点に同期した同期信号を出力する、請求項13に記載の無線装置。
  16. さらに、前記変化点発生間隔測定部が出力する前記同期信号の位相に、前記NRZデータにおけるビットレートと同一のレートを有するクロック信号を同期させて、データクロック信号として出力するクロック再生部と、
    前記クロック再生部が出力する前記データクロック信号に従って、前記減算部から出力される前記減算信号の極性を判定し、判定結果をNRZデータとして出力する判定部とを備える、請求項15に記載の無線装置。
  17. 前記フレーム生成部は、前記フレームデータの先頭に、NRZデータのパターンである“101”または“010”が少なくとも一つ以上含まれるように、前記フレームデータを生成することを特徴とする、請求項16に記載の無線装置。
  18. 前記フレーム生成部は、前記情報データを複数のブロックに分割して、分割された前記複数のブロックにおける隣接する前記ブロックの間に、NRZデータのパターンである“101”または“010”が少なくとも一以上含まれるように、前記フレームデータを生成することを特徴とする、請求項16に記載の無線装置。
  19. 前記フレーム生成部は、前記情報データを複数のブロックに分割して、
    前記ブロックの最終ビットが“1”の場合には、“01”から始まるNRZデータのパターンを前記ブロックの直後に挿入し、
    前記ブロックの最終ビットが“0”の場合には、“10”から始まるNRZデータのパターンを前記ブロックの直後に挿入して、前記フレームデータを生成することを特徴とする、請求項16に記載の無線装置。
  20. 前記フレーム生成部は、前記情報データを複数のブロックに分割して、
    前記ブロックの先頭ビットが“1”の場合には、“10”で終わるNRZデータのパターンを前記ブロックの直前に挿入し、
    前記ブロックの先頭ビットが“0”の場合には、“01”で終わるNRZデータのパターンを前記ブロックの直前に挿入して、前記フレームデータを生成することを特徴とする、請求項16に記載の無線装置。
  21. 前記クロック抽出部は、前記フレームデータに予め挿入されている“101”または“010”のパターンが受信される期間だけ、前記クロス点を抽出することを特徴とする、請求項16に記載の無線装置。
  22. “101”または“010”のパターンを少なくとも一以上含むNRZ(Non Return Zero)データをマンチェスタ符号化して得られるデータ列によってASK(Amplitude Shift Keying)変調された変調信号を受信するための受信装置であって、
    他の無線装置から送信されてくる前記変調信号を検波して、検波信号を出力する検波部と、
    前記検波部から出力された前記検波信号を復調して、NRZデータとデータクロック信号とを出力するASK復調部と、
    前記ASK復調部から出力される前記NRZデータおよび前記データクロック信号に基づいて、情報データを抽出して出力するフレーム処理部とを備え、
    前記ASK復調部は、
    前記NRZデータ列の組み合わせによって発生間隔の異なる前記受信信号の変化点の発生間隔を測定する変化点発生間隔測定部を備え、
    前記変化点の発生間隔が、前記NRZデータ列の組み合わせによって発生し得る最大の発生間隔であると判定された変化点の検出タイミングを基準として前記受信信号を復調し、
    前記変化点発生間隔測定部は、
    前記受信信号をNRZデータにおける1ビット期間長未満遅延させ、遅延信号として出力する遅延部と、
    前記遅延部から出力される前記遅延信号と前記受信信号との差分を減算信号として出力する減算部と、
    前記減算信号がしきい値と交差するクロス点を検出するクロス点検出部とを備え、
    前記クロス点の発生間隔を測定する、受信装置。
  23. NRZ(Non Return Zero)データをマンチェスタ符号化して得られるデータ列によってASK(Amplitude Shift Keying)変調された変調信号を復調する集積回路であって、
    前記NRZデータ列の組み合わせによって発生間隔の異なる前記受信信号の変化点の発生間隔を測定する変化点発生間隔測定部を備え、
    前記変化点の発生間隔が、前記NRZデータ列の組み合わせによって発生し得る最大の発生間隔であると判定された変化点の検出タイミングを基準として前記受信信号を復調し、
    前記変化点発生間隔測定部は、
    前記受信信号をNRZデータにおける1ビット期間長未満遅延させ、遅延信号として出力する遅延部と、
    前記遅延部から出力される前記遅延信号と前記受信信号との差分を減算信号として出力する減算部と、
    前記減算信号がしきい値と交差するクロス点を検出するクロス点検出部とを備え、
    前記クロス点の発生間隔を測定する、集積回路。
  24. NRZ(Non Return Zero)データをマンチェスタ符号化して得られるデータ列によってASK(Amplitude Shift Keying)変調された変調信号を送受信するための集積回路であって、
    NRZデータである送信すべき情報データをフレーム化したフレームデータを生成するフレーム生成部と、
    前記フレーム生成部が生成した前記フレームデータをマンチェスタ符号化して、マンチェスタデータとして出力するマンチェスタ符号化部と、
    前記マンチェスタ符号化部から出力される前記マンチェスタデータによって搬送波をASK変調し、変調信号を出力するASK変調部と、
    他の無線装置から送信されてくる変調信号を検波して、検波信号を出力する検波部と、
    前記検波部から出力された前記検波信号を復調して、NRZデータとデータクロック信号とを出力するASK復調部と、
    前記ASK復調部から出力される前記NRZデータおよび前記データクロック信号に基づいて、前記情報データを抽出して出力するフレーム処理部とを備え、
    前記フレーム生成部は、NRZデータのパターンである“101”または“010”が少なくとも一つ以上含まれるように、前記フレームデータを生成し、
    前記ASK復調部は、
    前記NRZデータ列の組み合わせによって発生間隔の異なる前記受信信号の変化点の発生間隔を測定する変化点発生間隔測定部を備え、
    前記変化点の発生間隔が、前記NRZデータ列の組み合わせによって発生し得る最大の発生間隔であると判定された変化点の検出タイミングを基準として前記受信信号を復調し、
    前記変化点発生間隔測定部は、
    前記受信信号をNRZデータにおける1ビット期間長未満遅延させ、遅延信号として出力する遅延部と、
    前記遅延部から出力される前記遅延信号と前記受信信号との差分を減算信号として出力する減算部と、
    前記減算信号がしきい値と交差するクロス点を検出するクロス点検出部とを備え、
    前記クロス点の発生間隔を測定する、集積回路。
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