本発明の実施形態の平面表示装置について説明するにあたり、まず、平面表示装置の構造についての各実施形態を説明し、次に、こらら各実施形態の平面表示装置を用いて指などの対象物の画像の取り込みを行う画像取り込み方法の各実施形態について説明する。
[1]平面表示装置の構造の実施形態の説明
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態の平面表示装置について説明する。
(1)平面表示装置の構成
図1は本実施形態に係る平面表示装置の概略構成図であり、少なくとも画像表示領域に配されたホトセンサ画素27による画像取込み機能を有することを特徴としている。
図1の平面表示装置は、主としてアレイ基板11からなるパネル部と回路基板17とで構成されている。
(1−1)アレイ基板11の構成
本実施形態の画素16(表示画素26+ホトセンサ画素27)は、水平方向320画素×垂直方向240画素の表示解像度を有する。画素は水平方向に赤、青、緑の部分に分割され、それぞれにソース信号線21が設けられる。ソース信号線21の総数は、320×3=960本で、ゲート信号線22の総数は240本である。
アレイ基板11上には、ソース信号線23及びゲート信号線22が形成される画素16(表示画素26+ホトセンサ画素27)と、ソース信号線23を駆動するICよりなるソースドライバ回路14と、ゲート信号線22を駆動するICよりなるゲートドライバ回路12と、画像を取り込んで出力するホトセンサ出力処理回路18とが設けられている。これらの回路は、例えば低温ポリシリコンTFTにより形成されている。
なお、低温ポリシリコン技術に限定されるものではなく、プロセス温度が450度(摂氏)以上の高温ポリシリコン技術でも、固相(CGS)成長させた半導体膜を用いてトランジスタなどを形成したものでもよい。また、アモルファスシリコン技術で形成または構成してもよい。画素16はマトリックス上に形成または構成されている。
また、画素16の表示画素26は液晶素子に限定されるものではなく、EL素子などから構成される自己発光素子で構成してもよい。
(1−2)各回路の構成
ソースドライバ回路14は、入力デジタル画素データを表示素子の駆動に適したアナログ電圧に変換するD/A変換回路を含む。また、ソースドライバ回路14はPWM変調などを実施するデジタル出力を行うものであってもよい。この場合はデジタルデータをパルス的にソース信号線23に印加する構成であるので、D/A変換回路は不要である。好ましくは、ソースドライバ回路14はシリコンなどのチップで形成したものをCOG(ガラスオンチップ)技術でアレイ基板11に実装した構成を採用することが好ましい。メモリ機能などをIC内に内蔵できコンパクト化を実現できるからである。
回路基板17上には、アレイ基板11上の各回路を制御するコントロールIC(図示せず)、画像データ等を記憶するメモリ(図示せず)と、アレイ基板11及び回路基板17で使用する各種の直流電圧を出力する電源回路(図示せず)とを実装してもよい。なお、コントロールIC(図示せず)とは別個にCPUを設けてもよいし、メモリや電源回路をICよりなる映像信号処理回路と一体化してもよいし、ディスクリート部品を回路基板17上に実装してもよい。また、回路基板17に実装される素子、ICなどは、例えばポリシリコン技術で作製してもよい。また、アレイ基板11に直接に形成してもよい。以上の事項はソースドライバ回路14、信号処理回路にも適用されることは言うまでもない。
ゲートドライバ回路12aは、アレイ基板11に直接に内蔵することが好ましい。狭額縁化を実現できるからである。ゲートドライバ回路12aはゲート信号線22aを順次選択し、ソースドライバ回路14と同期をとって表示画素26に映像データを書き込む動作を行う。ゲートドライバ回路12aはゲート信号線22b及びゲート信号線22cを順次選択し、ソースドライバ回路14と同期をとってホトセンサ画素27に書き込み電圧(プリチャージ電圧)を印加し、また、ホトセンサ画素27から出力電圧(センサ電圧)を取り出す動作を行う。
ホトセンサ画素27に印加するプリチャージ電圧は、ICからなるホトセンサ処理回路18から出力される。プリチャージ電圧はプリチャージ電圧信号線24に印加される。ホトセンサ画素27からの出力電圧は、ホトセンサ出力信号線25に出力されホトセンサ処理回路18に取り込まれる。すなわち、印加される。ホトセンサ処理回路18は、アレイ基板11に直接形成されている。基本的な構成部品は、コンパレータ回路233をスイッチからなる選択回路である。
なお、ホトセンサ出力信号線25には電圧が出力されるとして説明するが、これに限定するものではなく、電流あるいは電荷がホトセンサ出力信号線25に出力あるいは入力されるとしてもよいことは言うまでもない。また、電流あるいは電圧が入出力されるだけで限定するものではなく、電流あるいは電圧などが流入出の方向が出力され、この変化をコンパレータ回路233などで検出される構成にしてもよいことは言うまでもない。
ホトセンサ信号処理回路15はゲートドライバ回路12b及びホトセンサ処理回路18を制御するともに、ホトセンサ処理回路18からの出力データを演算あるいは比較処理などを施し、光が照射あるいは遮光されているホトセンサ位置を判断し、その座標位置を出力するものである。また、外部のマイコン(図示せず)と制御データの入出力を制御するものである。
ホトセンサ信号処理回路15はシリコンなどのチップで形成したものをCOG(ガラスオンチップ)技術でアレイ基板11に実装した構成を採用することが好ましい。メモリ機能などをIC内に内蔵できコンパクト化を実現できるからである。
回路基板17上には、表示制御及び画像取込制御を行う映像信号処理回路21が実装されている。アレイ基板11と回路基板17とは、例えばフレキシブル基板(FPC)20を介して各種信号の送受を行う。映像信号処理回路21からの出力映像信号はソースドライバ回路14に印加される。
ホトセンサ64の撮像データを取り出し、平均階調を検出するカウンタを付加してもよい。ここで「平均階調」とは、出力データの階調を複数画素16にわたって平均したものをいう。最終的に256階調の画像を構成しようとする場合、10画素中5画素が白、残り5画素が黒のデータの場合、平均階調は、256[階調]x5[画素]/10[画素]=128[階調]とする。
(2)画素16の構成
図2は画素16(表示画素26+ホトセンサ画素27)を中心として詳細に示した本実施形態の平面表示装置のブロック図である。なお、画素16は1つしか図示していないが、図1に図示したように、画素はマトリックス状に形成されている。また、他の構成要素も説明を容易にするため省略をしている。
図2の画素16は、表示画素26とホトセンサ画素27で構成される。
(2−1)表示画素26の構成
表示画素26は、縦横に列設されるソース信号線23及びゲート信号線22aの各交点もしくは近傍に形成される。表示画素26は、薄膜トランジスタ(以下、TFTという)32(図3参照)と、TFT32の一端に形成された画素電極61と対向電極36間に構成される液晶容量34、共通信号線31との間に接続される補助容量35から構成される。
(2−2)ホトセンサ画素27の構成
ホトセンサ画素27は図6に図示されるように、ホトダイオードとして動作するTFT62と、プリチャージ電圧を保持する補助容量(コンデンサ)63と、ソースフォロワとして動作するTFT62bと、プリチャージ電圧を補助容量63に印加するスイッチング素子として動作するTFT62aと、TFT62bのソースフォロワ出力をホトセンサ出力信号線25に選択して出力するTFT62cとから構成される。
ホトセンサ素子64などの一端子は、共通信号線31に接続されている。なお、補助容量35の一端子を構成する共通信号線31と、ホトセンサ素子(ホトダイオード)64の一端子を構成する共通信号線31とは分離し、同電位または別電位を印加できるように構成してもよい。
(2−3)ホトセンサ画素27の配置
図3では、ホトセンサ画素27は画素16のそれぞれに形成されている。つまり、表示画素26の形成数とホトセンサ画素27の形成数とは同一である。
しかし、ホトセンサ画素27は、図4に示すように、RGBの画素16(16R、16G、16B)に1つのホトセンサ画素27を配してもよい。
また、図5に示すように、2画素に1つのホトセンサ画素27を配置または形成してもよい。好ましくは、図5に示すように、偶数画素行の奇数画素列にホトセンサ画素27を配置し、奇数画素行の偶数画素列にホトセンサ画素27を配置するように構成する。
上記したように、ホトセンサ画素27は全ての表示画素26に対応して形成することには限定されない例を図37について説明する。
図37のように1画素16は、RGBの3つの副画素26R、26G、26Bからなる。各副画素27は、TFT32と、コンデンサ63に電荷を蓄積するか否かを制御するTFT62aと、画像取込ホトセンサ64と、ホトセンサ64の撮像結果を格納するコンデンサ63と、コンデンサ63の蓄積電荷に応じた2値データを出力するTFT62bと、TFT62bの保持データを出力するTFT62cとを具備する。
画素26、27にSRAM(書き換え可能なメモリ)を形成してもよい。各画素16の輝度は、補助容量34に蓄積された電荷に基づいて決まる画素電極電位と、対向基板36上に形成されたコモン電極の電位との差によって階調制御される。
また、奇数画素行または奇数画素列にホトセンサ画素27を形成し、偶数画素行または偶数画素列にホトセンサ画素27を形成しない構成でもよい。さらに、偶数画素行または偶数画素列にホトセンサ画素27を形成し、奇数画素行または奇数画素列にホトセンサ画素27を形成しない構成でもよい。
また、3画素行あるいは3画素列あるいは4画素以上おきにホトセンサ画素27を形成または構成してもよい。
また、表示領域10にランダムにホトセンサ画素27を形成または構成してもよい。
また、一定間隔にホトセンサ画素27を構成してもよい。
また、3x3画素などのようにマトリックス状にホトセンサ画素27を構成してもよい。
また、ホトセンサ画素27の位置は、表示領域10内に限定するものではなく、表示領域外に構成してもよい。
また、画素16に形成するホトセンサ画素27は1つに限定するものではなく、複数のホトセンサ画素27を形成してもよい。
(3)ホトセンサ画素27の等価回路の構成と動作内容
画素16は図6に示すように、表示画素26とホトセンサ画素27から構成される。表示画素26はソースドライバ回路14により映像信号が印加される。印加タイミングはゲートドライバ回路12aで制御される。
(3−1)等価回路の説明
ホトセンサ画素27の等価回路図を図7に図示する。
ホトセンサ画素27は図6に図示されるように、ホトダイオードとして動作するTFT(ホトセンサ)62を具備する。本実施形態ではホトセンサ62をTFTのNチャンネルのダイオード接続で形成している。TFTをNチャンネルのダイオード接続することにより、構成が容易になり、電荷の保持特性も向上する。
しかし、本実施形態はこの構成に限定するものではない。例えば、ホトセンサ64をPチャンネルのTFTで形成してもよい。また、薄膜ダイオード(TFD)で構成してもよい。また、ホトセンサ画素27を構成するTFTもNチャンネルで構成しているがこれに限定するものではない。Pチャンネルトランジスタで構成してもよい。その他、転写技術等でホトセンサ画素27などを転写してアレイ基板11上に形成または構成してもよいことは言うまでもない。
ホトセンサ64に光が照射されると、ホトセンサ64は光の強度に応じてリークする。このリークによりホトセンサ64の両端子間の電位が低下する。したがって、ホトセンサ64の両端子間電位を測定または検出することにより、ホトセンサに光が照射されたこと、ホトセンサに照射された光の相対的な強度を把握することができる。
プリチャージ電圧を保持する補助容量(コンデンサ)63は、ゲート絶縁膜を用いて構成する。ゲート絶縁膜を利用することにより小面積で容量の大きな補助容量を構成できる。
ソースフォロワとして動作するTFT62bのゲート端子にはホトセンサ64の一端子が接続され、また、補助容量63の一端子が接続される。TFT62bのゲート端子電圧が一定値以下(Vt電圧)になると、TFT62bはオフする。Vt電圧以上であると、TFT62cはオンする。
TFT62aはプリチャージ電圧信号線24に印加されたプリチャージ電圧をホトセンサ64の一端子に印加する。ゲート信号線22cにオン電圧が印加されると、TFT62aがオンする。プリチャージ電圧は、TFT62bがオンする電圧(Vt電圧以上)である。ホトセンサ64に光が照射されると、コンデンサ63に保持された電荷がホトセンサ64のチャンネル間を通じて放電される。好ましくは、プリチャージ電圧は、1フィールドもしくは1フレーム(1画面の書き換え周期)毎に印加される。もちろん、複数フィールドもしくはフレーム(複数画面の書き換え周期)に1回印加してもよい。
ホトセンサ画素27には、TFT62aにより、プリチャージ電圧がTFT62bのゲート端子に印加される。TFT62bはソースフォロワ回路として動作する。TFT62cはゲートドライバ回路12bで制御される。TFT62cのゲート端子はゲート信号線22bに接続されている。ゲート信号線22bにオン電圧が印加されると、TFT62cがオンする。TFT62bがオン状態であれば、ホトセンサ出力信号線25の電荷は、TFT62c、62bを介して、共通信号線31に放電される(共通信号線31の電位によっては充電される場合もある)。ホトセンサ出力信号線25の電荷の変化により、ホトセンサ出力信号線25の電位が変化する。TFT62cがオンしても、TFT62bがオフ状態であれば、ホトセンサ出力信号線25の電荷は変化しない。
以上のように、ホトセンサ出力信号線25の電荷の変化を検出すれば、TFT62bがオン状態か、中間的なオン状態か、もしくはオフ状態かを検出することができる。つまり、この検出はTFT62bのゲート端子の電位を検出していることになる。TFT62bのゲート端子電圧は、プリチャージ電圧の大きさと、ホトセンサ64に照射された光の強度及び照射時間(露光時間)により変化する。
(3−2)動作のタイミング
TFT62cをオンさせる周期あるいはタイミングは、1フィールドもしくは1フレーム(1画面の書き換え周期)毎に実施される。また、プリチャージ電圧を印加する周期及びタイミングと同期をとって実施される。もちろん、TFT62cをオンさせるタイミング(選択タイミング)は複数フィールドもしくはフレーム(複数画面の書き換え周期)に1回印加してもよい。
したがって、プリチャージ電圧の大きさ、露光時間(TFT62aをオン状態にしてTFT62bのゲート端子にプリチャージ電圧を印加した時刻から、TFT62cをオン状態にしてホトセンサ出力信号線25に出力を取り出した時刻)の長さ、ホトセンサ64の光リーク量(感度)からホトセンサ64に照射されている光の強弱を検出することができる。光の強弱は、イメージスキャナのように画像の読み取りに動作にほかならない。本実施形態は、マトリックス状にホトセンサ画素27を形成している。したがって、各ホトセンサ画素27のTFT62bのオンオフ状態を検出(測定)することにより、表示領域10に結像あるいは照明された画像イメージを取り込むことができる。また、物体の影、物体で反射した光を検出あるいはパネルに取り込むことができる。
ホトセンサ素子64などの一端子は、共通信号線31に接続されている。
なお、TFT32とTFT62とはアレイプロセスの同一工程で形成する。
以降、ホトセンサ64の端子電圧により動作が変化するTFT62bを検出TFT62bと呼ぶ。また、スイッチング動作するTFT62c、TFT62aをスイッチトランジスタ62a、62cと呼ぶ。
(3−3)第1の変更例
なお、補助容量35の一端子を構成する共通信号線31と、ホトセンサ素子(ホトダイオード)64の一端子を構成する共通信号線31とは分離し、同電位または別電位を印加できるように構成してもよい。
(3−4)第2の変更例
また、共通信号線31に印加する電圧を可変できるように構成しておくことが好ましい。
共通信号線31に印加する電圧により、ホトセンサ64に保持された電圧がTFT62bのVt電圧以下になる時間を調整あるいは可変することができるからである。あるいは、Vt電圧の前後の一定範囲に調整あるいは設定することにより、ホトセンサ64に保持された電圧がTFT62bのVt電圧以下になる時間を調整あるいは可変することができるからである。
なお、「Vt電圧」とは、この電圧以上の電圧をTFT62bのゲート端子に印加することによりTFT62bにオン状態あるいはオン状態に類似する状態に変化し、TFT62bのチャンネル間のインピーダンスが低下する、あるいはTFT62bに電流が流れるあるいは流れやすくなる状態に変化する電圧である。
逆にVt電圧以下の電圧をTFT62bのゲート端子に印加することによりTFT62bにオフ状態あるいはオフ状態に類似する状態に変化し、TFT62bのチャンネル間のインピーダンスが高くなる、あるいはTFT62bに電流が流れないあるいは流れにくくなる状態に変化する電圧である。以上はTFT62bがNチャンネルの場合である。Pチャンネルの場合は動作が逆になる。
また、TFT62はNチャンネルとPチャンネルのいずれで形成してもよい。
また、TFT62bは印加されたVt電圧を電流変換する動作、印加されたVt電圧を増幅あるいは一定の電圧に変換する動作のいずれの動作でもよい。例えば、カレントミラー動作や、オフセットキャンセル動作を行う構成にしても本実施形態の技術的範疇である。
(3−5)第3の変更例
なお、TFT62c、62b、62aなどはTFTに限定するものではなく、TFDなどで形成してもよい。TFDの場合におけるVt電圧とは、TFDの一端子に印加された電圧によりTFDの動作状態(オン状態あるいはオン状態に類似する状態、オフ状態あるいはオフ状態に類似する状態)に変化する電圧を言う。
また、TFT62はTFTに限定するものではなく、他のFET、バイポーラトランジスタなどで形成してもよい。また、バイポーラトランジスタとCMOSトランジスタを混在して構成してもよい。
また、TFT62a、62b、62cは1ホトセンサ画素27に各1つに限定するものではなく、複数個を形成してもよい。
(4)周辺部の構成
図8は、画素16の周辺部を図示した構成図である。
ホトセンサ出力信号線25は、ホトセンサ処理回路18と接続されている。ホトセンサ処理回路18は、主として、コンパレータ回路233と選択回路81から構成される。選択回路31は一例としてアナログスイッチである。他にメカニカルなリレー回路、MOSリレーなどで構成あるいは形成してもよい。また、選択回路81はスイッチングあるいは選択回路の他、シフトレジスタ回路などを有している。
ホトセンサ画素27とコンパレータ回路233の接続状態は図24に示している。コンパレータ回路233はオペアンプ回路あるいは差動アンプなどでもよい。つまり、一端子に比較電圧あるいは比較対照に対して回路233の出力が変化するものであればいずれでもよい。
図8ではコンパレータ回路233によりホトセンサ出力信号線25に印加された電圧の変化などを検出するとしたがこれに限定するものでない。また、図9に示すようにコンパレータ回路などを構成せず、電圧(電流)出力をアナログ−デジタル変換回路(AD回路)91でデジタルデータに変換して処理を実施するものであってもよい。また、出力されるアナログデータを直接処理するものであってもよい。
また、コンパレータ回路233などは全てのホトセンサ出力信号線25の出力に配置または形成することに限定されるものではない。偶数が素列にのみにコンパレータ回路233などを形成する構成などでもよい。また、コンパレータ回路233の前段(ホトセンサ出力信号線とコンパレータ回路233間に選択回路81を配置し、コンパレータ回路233の形成数を減少させてもよい。
コンパレータ回路233の特徴は、比較電圧Vrefに対して、大きいあるいは小さいかを判定し、ロジック的にHまたはLを出力(2値化)することに特徴ある。したがって、出力がロジック信号に変換されるため、以降のロジック処理が容易になる。
しかし、本実施形態はこれに限定するものではなく、アナログ的に出力するもの(オペアンプ回路などを使用する)であってもよい。また、コンパレータ回路233の出力が2値(大、小、一致)を出力するものであってもよい。また、コンパレータ回路、オペアンプ回路は一定の範囲内の電圧値あるいは電圧範囲では出力が変化しないようにヒステリシス特性を有するように構成あるいは形成することが好ましい。また、回路233は電流を電圧に変換する回路構成(例えば、オペアンプ素子を用いた電流−電圧変換回路などが例示される)であってもよい。
ゲートドライバ回路12はアレイ基板11のポリシリコン技術で直接に形成するとしたがこれに限定するものでなく、シリコンチップなどで構成し、アレイ基板11にCOG技術で実装あるいは積載してもよい。また、ソースドライバ回路14、ホトセンサ処理回路18、信号処理回路15にあっても同様である。
ゲートドライバ回路12aは表示画素26のゲート信号線22aを制御する。ゲートドライバ回路12bはホトセンサ画素26のゲート信号線22b、ゲート信号線22cを制御する。ゲートドライバ回路12aとゲートドライバ回路12bは同期を取って動作する。したがって、ゲート信号線22aとゲート信号線22b、22cの選択クロックは同一のクロックあるいはこのクロック信号を基準に発生する。
(4−1)コンパレータ回路233の機能
以降、説明を容易にするため回路233はコンパレータ回路として説明する。図8などに示すようにプリチャージ電圧信号線24にはプリチャージ電圧端子83からプリチャージ電圧Vprが印加される。プリチャージ電圧はソースドライバ回路14が出力する映像信号と同期をとって印加される。プリチャージ電圧は全てのプリチャージ電圧信号線24に同一のプリチャージ電圧を印加するとして説明するがこれに限定するものではなく、変化あるいは調整してもよい。また、ホトセンサ64の特性に対応させて変化あるいは調整してもよい。
図8では全てのコンパレータ回路233の入力端子の一端子には、コンパレータ電圧端子83から比較電圧Vrefが印加される。比較電圧Vrefは全てのコンパレータ回路233に同一の電圧を印加するように示しているが、これに限定するものではなく、異ならせてもよい。例えば、偶数画素列と奇数画素列で印加するVref電圧を変化あるいは調整してもよい。また、ホトセンサ64の特性に対応させて変化あるいは調整してもよい。
図8に示すように、ホトセンサ出力信号線25の一端にはコンパレータ回路233の入力端子に接続されている。また、コンパレータ回路233の出力端子には選択回路81が接続されている。選択回路81のスイッチSk(k=1〜n、nは画素列数)が形成され、一つのスイッチSkが選択される。選択されたコンパレータ回路233の出力は電圧出力端子に接続されている。したがって、出力電圧端子82には出力電圧を出力する。スイッチSk(k=1〜n)は1水平走査期間に1回以上選択されるように構成されている。つまり、ゲートドライバ回路12bが1水平走査期間(1H)クロックに同期してゲート信号線22bを選択し、ホトセンサ出力信号線25にTFT62cの出力電圧を出力する(図10参照)。
(5)表示と読み取り方法
図10に示すように、映像信号は表示画像に対応して1H単位でソース信号線23に印加される。映像信号の極性は1H毎に反転する。また、各画素行に印加される極性は1フレーム(もしくは1フィールド、つまり画面を書き換える周期)毎に反転される。一方、ゲート信号線22aは1Hのクロックに同期して画素行を順次選択し、選択された画素16のTFT32はソース信号線23に印加された映像信号を画素電極61に書き込む。
また、図10に示すように、ゲートドライバ回路12bは、1H周期でゲート信号線22aを選択し、また順次選択するゲート信号線22cの位置をシフトさせる。シフトの方法は、ゲート信号線22aのシフト方向と一致させている。ゲート信号線22cにオン電圧が印加されると、このゲート信号線22cに接続された画素行に対応するスイッチング用TFT62aはオンとなる。したがって、プリチャージ電圧信号線83に印加されている。プリチャージ電圧がホトセンサ64に印加される。プリチャージ電圧は1H毎に変化させてもよいが、一定電圧とすることが好ましい。
ホトセンサ64に光が照射されると、ホトセンサ64を介して電荷が放電し、ホトセンサ64の端子電圧がプリチャージ電圧より低下していく。低下は、ホトセンサ64に照射される光の強度と時間で決定される。印加されたプリチャージ電圧の低下が検出TFT62のVt電圧以下であればTFT62bはオフ動作となり、Vt電圧以上であればオン状態となる。
同様に、ゲートドライバ回路12bはゲート信号線22bを1Hのクロックに同期して画素行を順次選択し、選択されたホトセンサ画素27のスイッチング用TFT62cは検出TFT62bの出力を電圧出力信号線25に出力する。ホトセンサ64に光が照射されると、ホトセンサ64を介して電荷が放電し、ホトセンサ64の端子電圧がプリチャージ電圧より低下していく。先にも説明したように、電圧低下(電荷の放電)は、ホトセンサ64に照射される光の強度と時間で決定される。また、コンデンサ63の容量で決定される。もちろん、プリチャージ電圧の大きさでも決定される。印加されたプリチャージ電圧が低下し、検出TFT62のVt電圧以下であればTFT62bはオフ動作となり、Vt電圧以上であればオン状態となる。したがって、スイッチング用TFT62cをオン状態にすることにより、TFT62bの動作状態を電圧出力信号線25に出力することができる。
(6)露光時間
次に露光時間について説明する。
なお、ホトセンサ64に印加するプリチャージ電圧、照射される光の強度と時間、コンデンサ63の容量その他の条件の変化、可変、調整することは、撮像条件を変化、可変、調整するとして説明する。
図10に示すようにゲート信号線22cを選択してから、A期間経過後にゲート信号線22bを選択する。このA期間を「露光時間」と呼ぶ。つまり、露光時間とは、任意のホトセンサ画素27にプリチャージ電圧を印加した時刻から、読み出すまでの時刻である。正確にはホトセンサ64に印加したプリチャージ電圧が確定してからホトセンサ出力信号線82に電圧などが出力され、その出力状態が安定となり、電圧出力端子82から呼び出せるまでの時間である。しかし、一般的にはプリチャージ電圧がホトセンサ画素27に印加されたタイミングから、この印加されたホトセンサ画素27のホトセンサ64の保持電圧が読み出すタイミングまでの時間を露光時間とする。ゲート信号線22bとゲート信号線22cの選択タイミングは同期を取っているため、露光時間を可変あるいは調整してもホトセンサ64の端子電圧を検出する時間は相対的に比例する。したがって、精度よく、外光強度を把握することができる。また、ホトセンサ64がアレイ基板11のロットにより異なっていても問題ない。
露光時間は、図12に示すように、変更できる。
図12(a)は、ゲート信号線22cの選択信号である。1Hの一定期間、ゲート信号線22cにオン電圧が印加され、ホトセンサ画素27にプリチャージ電圧が印加される。図12(b)は、ゲート信号線22bの選択信号である。1Hの一定期間、ゲート信号線22bにオン電圧が印加され、ホトセンサ画素27からホトセンサ出力信号線25に電圧などが取り出される。図12(b1)は、露光時間が1H以内の場合である。図12(b2)は露光時間が1H以上(図では2H近傍)の場合の実施形態である。図12(b3)は露光時間がnH(nは整数)の場合の実施形態である。
図12は1H単位であるが、1H以下単位でもよい。また、1フィールドあるいは1フレーム単位で露光時間を変化あるいは調整してもよい。プリチャージ電圧、露光時間は最適に電圧出力端子82から出力されるように調整する。
露光時間を1H以内の時間設定を実現する図13のようにゲートドライバ回路12bにイネーブル(OEV)回路を付加することが好ましい。イネーブル端子(OEV)端子にHロジック電圧が印加されている期間と、ゲートドライバ回路12bがゲート信号線22bを選択するHロジック電圧を出力している期間がANDされる期間にのみ、ゲート信号線22bにオン電圧が印加される。
図8などのゲートドライバ回路12bの構成では、イネーブル端子(OEV)端子がない。したがって、ゲートドライバ回路12bがゲート信号線22bを選択するHロジック電圧を出力している期間がゲート信号線22cにオン電圧(選択電圧)が印加される。
しかし、図13の構成ではイネーブル端子(OEV)のロジック電圧の制御により、ゲート信号線22bにオン電圧を印加する期間を1H以下とすることができる。
したがって、ゲートドライバ回路22bにより、1H期間において、同一ホトセンサ画素27に形成されたゲート信号線22b、22cを選択し、プリチャージ電圧を印加するときはゲート信号線22bをOEV端子の制御により非選択状態にする。つまり、シフトレジスタ回路によりゲート信号線22bを選択しているが、OEV端子によりオフ電圧がゲート信号線22bに印加されるようにする。ホトセンサ64にプリチャージ電圧を印加後、1H以内の露光時間経過した後に、ゲート信号線22bに接続されたOEV端子の制御により選択状態にする。つまり、OEV端子によりオン電圧がゲート信号線22bに印加されるようにする。したがって、TFT62cがオンし、TFT62bの出力がホトセンサ出力信号線25に出力される。
以上のOEVに関する構成あるいは動作は、ゲートドライバ回路12に適用できる。また、ゲート信号線22a、ゲート信号線22cにも適用することが好ましい。また、本実施形態の他の実施形態にも適用できる。
(7)ホトセンサ64の端子電圧
ホトセンサ64の端子電圧は、ホトセンサ64に印加するプリチャージ電圧の大きさと、ホトセンサ64に照射される外光の強度などによって変化する。この変化を図11に示している。図11のA期間にプリチャージ電圧が印加される。
図11(1)はプリチャージ電圧Vprc=3.5Vの場合である。プリチャージ電圧Vprcが3.5V印加した後、ホトセンサ64に照射される外光が弱い場合は、aの直線でホトセンサ64の端子電圧が変化する。ホトセンサ64に照射される外光が強い場合は、bの直線でホトセンサ64の端子電圧が変化する。B期間後に、スイッチングTFT62cがオンされ、ホトセンサ出力信号線25に電圧などが取り出される。図11(1)のb直線の場合は、1.0Vがホトセンサ出力信号線25に取り出される。B期間が短ければ、ホトセンサ出力信号線25の電圧は、1.0V以上となる。B期間が長ければ、ホトセンサ出力信号線25の電圧は、1.0V以下となる。
図11(2)はプリチャージ電圧Vprc=4.0Vの場合である。プリチャージ電圧Vprcが4.0V印加した後、ホトセンサ64に照射される外光が弱い場合は、aの直線でホトセンサ64の端子電圧が変化する。ホトセンサ64に照射される外光が強い場合は、bの直線でホトセンサ64の端子電圧が変化する。B期間後に、スイッチングTFT62cがオンされ、ホトセンサ出力信号線25に電圧などが取り出される。光照射強度に対するホトセンサ64のインピーダンス変化が比例するのであれば、図11(1)のb直線の傾きと図11(2)のb直線の傾きは同一である。図11(1)のa直線の傾きと図11(2)のa直線の傾きは同一である。但し、1.0Vがホトセンサ出力信号線25に取り出される。
図11(3)はプリチャージ電圧Vprc=4.5Vの場合であり、図11(4)はプリチャージ電圧Vprc=5.0Vの場合である。
なお、ゲート信号線22cを駆動するゲートドライバ回路22bと、ゲート信号線22bを駆動するゲートドライバ回路22bとを別回路に構成してもよい。
(8)複数回の画像取込み動作
ホトセンサ64には、撮像条件を変えて複数回にわたって画像取込む(TFT62cの出力信号を取り込み)。そして、これら複数回の画像取込みの結果に基づいて、最終的な取込画像データを生成してもよい。
具体的には、図7に示すように、コンデンサ63へのプリチャージ電圧Vprcを4通りに変化させて、各電圧Vprcをコンデンサ63に印加した状態でそれぞれ画像取込みを行うための制御信号をアレイ基板11のゲートドライバ回路12bに供給する。また、アレイ基板11から出力される画像取り込みの結果のデジタルデータもしくはアナログデータの演算処理を行う。
(9)選択回路の分割
図8の構成では、選択スイッチSkが1H期間毎に1回選択される必要がある。したがって、比較的高速の動作させる必要がある。この課題を対策するためには、選択回路を分割する。
(9−1)2分割の場合
図9では、奇数画素列を選択回路81bと接続し、偶数画素列を選択回路81aと接続している。選択回路81bからの電圧などは電圧出力端子82bから出力される。選択回路81aからの電圧などは電圧出力端子82aから出力される。したがって、図8に比較して、スイッチSkを選択する時間を2倍にすることができる。
図9は、プリチャージ電圧は1つの端子83から、全てのプリチャージ電圧信号線24に印加するように図示したが、これに限定するものではない。
例えば、複数のプリチャージ電圧端子83を形成または配置し、各プリチャージ電圧信号線24に印加するプリチャージ電圧を変化させてもよい。
例えば、奇数画素列と偶数画素列のホトセンサ64に異なるプリチャージ電圧を印加することにより、外光強度に対して感度が高いプリチャージ電圧を印加した画素列を選択して座標検出処理を実施することができる。3画素列以上または2画素行以上周期で異なるプリチャージ電圧を印加するように構成してもよい。
(9−2)2分割以上の場合
図9は2つの選択回路81を形成した構成であったが、これに限定するものではない。
例えば、図30、図31、図32に示すようにn個の選択回路81を構成してもよい。n数が増加すれば、するほど1H期間での1つのホトセンサ出力信号線25に印加された信号の処理時間が長くなる。したがって、安定した出力信号処理を実現できる。しかし、分割数が多くなるにつれ、出力データの再組み立て(並べなおし)が複雑になる。
図30は画面の左端からm本のホトセンサ出力信号線25を選択回路81aに接続し、次のm本のホトセンサ出力信号線25を選択回路81bに接続し、m本のホトセンサ出力信号線25を選択回路81cに接続し、・・・・・とした構成である。
図31は画面の左端から2n本のホトセンサ出力信号線25を選択回路81a、81b、81c、81d・・・・81n、81a、81b、81c、・・・・・・・81nに接続し、次の2n本のホトセンサ出力信号線25を選択回路81a、81b、81c、81d・・・・81n、81a、81b、81c、・・・・・・・81n、次の2n本のホトセンサ出力信号線25を選択回路81a、81b、81c、81d・・・・81n、81a、81b、81c、・・・・・・・81nに接続・・・・・した構成である。
図32は画面の左端からm本のホトセンサ出力信号線25を選択回路81a、81b、81c、81d・・・・81n、81a、81b、81c、・・・・・・・81nに接続し、次のm本のホトセンサ出力信号線25を選択回路81a、81b、81c、81d・・・・81n、81a、81b、81c、・・・・・・・81n、次のm本のホトセンサ出力信号線25を選択回路81a、81b、81c、81d・・・・81n、81a、81b、81c、・・・・・・・81nに接続・・・・・した構成である。
(10)ソースドライバ回路14における選択機能
図8は全てのソース信号線23は、ソースドライバ回路14と接続するように構成した実施形態である。しかし、図9に示すように、ソースドライバ回路14は1水平走査期間に赤(R)の映像信号、緑(G)の映像信号、青(B)の映像信号を順次出力し、アレイ基板11に直接形成した切り替え回路92のスイッチSWでRの映像信号はRのソース信号線23に、Gの映像信号はGのソース信号線23に、Bの映像信号はBのソース信号線23に振り分けてもよい。つまり、ソースドライバ回路14は3選択回路の機能を有している。
図9の構成では、ソースドライバ回路14の出力端子93数が図8の実施形態に比較して1/3ですむ。したがって、アレイ基板11とソースドライバ回路14の接続数も1/3ですみ、実装不良も発生しにくくなる。
なお、図9の実施形態において、切り替え回路92はポリシリコン技術でアレイ基板11に形成するとしたが、これに限定するものではなく、シリコンチップで形成し、アレイ基板11に実装してもよい。
(11)図9の動作タイミング
図9の動作タイミングを図18に示している。
1Hの期間で切り替え回路92のSWが端子a、b、cを切り替える。また、ホトセンサ画素27のTFT62a、TFT62cが動作する。
1H期間の最初にSWはa端子を選択し、ソースドライバ回路14からRの映像信号が出力される。したがって、Rの映像信号はRのソース信号線23に印加される。
次に、切り替え回路92のSWはb端子を選択し、ソースドライバ回路14からGの映像信号が出力される。したがって、Gの映像信号はGのソース信号線23に印加される。
次に、切り替え回路92のSWはc端子を選択し、ソースドライバ回路14からBの映像信号が出力される。したがって、Bの映像信号はBのソース信号線23に印加される。
次のタイミングでは、ゲート信号線22cにオン電圧が印加され、TFT62aがオンし、プリチャージ電圧信号線24に印加されたプリチャージ電圧がホトセンサ画素27に印加される。
1Hの最後にゲート信号線22bにオン電圧が印加され、ホトセンサ画素27のTFT62cがオンしてTFT62bの出力をホトセンサ出力信号線25に出力する.
図18において、t1の期間は、SWがa端子を選択し、ソースドライバ回路14からRの映像信号が出力されている期間である。
t2の期間は、切り替え回路92のSWはb端子を選択し、ソースドライバ回路14からGの映像信号が出力されている期間である。
t3の期間は、切り替え回路92のSWはc端子を選択し、ソースドライバ回路14からBの映像信号が出力される。したがって、Bの映像信号はBのソース信号線23に印加される。
次のタイミングでは、ゲート信号線22cにオン電圧が印加され、TFT62aがオンし、プリチャージ電圧信号線24に印加されたプリチャージ電圧がホトセンサ画素27に印加される。
1Hの最後にゲート信号線22bにオン電圧が印加され、ホトセンサ画素27のTFT62cがオンしてTFT62bの出力をホトセンサ出力信号線25に出力する.
なお、t1、t2、t3、t4、t5の期間は同一にすることにより、ホトセンサ処理回路18などの回路構成が容易になるがこれに限定するものではない。例えば、映像信号を印加している期間t1、t2、t3に比較してプリチャージ電圧を印加する期間t4を長くすることが好ましい。特に、TFT62cをオンさせる期間t5を最も長くすることが好ましい。安定した出力をコンパレータ回路233に供給できるからである。また、t1、t2、t3、t4、t5の期間の間にはt6の期間を確保することが好ましい。各スイッチSW、TFT62がオン状態からオフ状態になる期間、切り替える期間は不安定となるからである。
なお、図10で説明したように、プリチャージ電圧を印加するホトセンサ画素27と、TFT62cがホトセンサ出力信号線に出力するホトセンサ画素27とは一致している必要はない。
(12)露光時間を短くする方法
図18では、プリチャージ電圧を印加した期間t4から、ホトセンサ64の出力期間t5までの期間(露光時間)をきわめて短くすることができる。
図18において、t1の期間は、SWがa端子を選択し、ソースドライバ回路14からRの映像信号が出力されている期間である。
t2の期間は、切り替え回路92のSWはb端子を選択し、ソースドライバ回路14からGの映像信号が出力されている期間である。
t3の期間は、切り替え回路92のSWはc端子を選択し、ソースドライバ回路14からBの映像信号が出力される。したがって、Bの映像信号はBのソース信号線23に印加される。次のタイミングでは、ゲート信号線22cにオン電圧が印加され、TFT62aがオンし、プリチャージ電圧信号線24に印加されたプリチャージ電圧がホトセンサ画素27に印加される。
1Hの最後にゲート信号線22bにオン電圧が印加され、ホトセンサ画素27のTFT62cがオンしてTFT62bの出力をホトセンサ出力信号線25に出力する.
(13)露光時間を長くする方法
露光時間を比較的長くするには、図19のように構成することがよい。
図19では、まず、1Hの最初のプリチャージ電圧がホトセンサ64に印加されている。1Hの最後にホトセンサ64の出力がホトセンサ出力信号線25に取り出されている。
1Hの最初のt4の期間は、ゲート信号線22cが選択され、TFT62aがオン状態となり、プリチャージ電圧がホトセンサ64に印加される。
次のt1の期間は、SWがa端子を選択し、ソースドライバ回路14からRの映像信号が出力されている期間である。
次のt2の期間は、切り替え回路92のSWはb端子を選択し、ソースドライバ回路14からGの映像信号が出力されている期間である。
次のt3期間は、切り替え回路92のSWはc端子を選択し、ソースドライバ回路14からBの映像信号が出力される。したがって、Bの映像信号はBのソース信号線23に印加される。
1Hの最後のタイミングでは、ゲート信号線22bにオン電圧が印加され、TFT62cがオンし、ホトセンサ画素27のTFT62cがオンしてTFT62bの出力がホトセンサ出力信号線25に出力される。
(14)第1の変更例
上記実施形態は、個々のホトセンサ画素27に対して、1Hの期間で、プリチャージ電圧の印加とホトセンサ出力の取り出しとを実施する。しかし、これに限定するものではない。そこで、図20の第1の変更例を示す。
(14−1)第1の変更例の動作
図20では、第1番目の水平走査期間(第1H目、例えば1番目の画素行を選択している期間)と、次の第2番目の水平走査期間(第2H目、例えば2番目の画素行を選択している期間)とTFT62a、TFT62cの動作が異なる。ソースドライバ回路14が出力する映像信号R、G、Bに関する動作は同一である(1H毎に映像信号が出力される)。
図20では第1H目の画素行に、TFT62aがオンし、プリチャージ電圧が第1画素行目のホトセンサ画素27に印加される。なお、図20でも明らかなように、第1画素行目のホトセンサ画素27のTFT62cは選択されないから、第1画素行目のホトセンサ64の出力は読み出されない。第2H目の画素行に、ゲート信号線22cは選択されないからTFT62aはオフ状態が維持される。したがって、プリチャージ電圧は第2画素行目の画素27には印加されない。図20でも明らかなように、第2画素行目のゲート信号線22bが選択されるから、ホトセンサ画素27のTFT62cは選択される。したがって、第2画素行目のホトセンサ64の出力はホトセンサ出力信号線25に読み出される。
以上の動作から、第1フィールド(フレーム)では、奇数画素行にプリチャージ電圧が印加される。偶数画素行はホトセンサ64の出力が読み出される。第1フィールド(フレーム)の次の第2フィールド(フレーム)では、偶数画素行にプリチャージ電圧が印加される。奇数画素行はホトセンサ64の出力が読み出される。したがって、露光時間は1フィールド(フレーム)以上の時間を設定することができる。
(14−2)第1の変更例の変更例
第1の変更例は、各画素行に順次プリチャージ電圧を印加し、また、各画素行から順次ホトセンサ64の出力を読み出すことに限定されるものではない。
例えば、1画素行飛ばし、あるいは、複数画素行飛ばしで実施してもよい。
また、ランダムな画素行飛ばしでプリチャージ電圧の印加と、ホトセンサ64の出力の読み出しを実施してもよい。
その他、以上の動作は画素列を単位として実施してもよい。
(15)第2の変更例
図21に第2の変更例を示す。
図21のように、1H(1水平走査期間)つまり1画素行単位で、プリチャージ電圧の印加(TFT62aが動作)と、ホトセンサ64の読み出し(TFT62cが動作)を実施することは本実施形態の技術的範疇である。
図21(a)は、1H期間の時間において、TFT62aによるプリチャージ電圧の印加と、TFT62cによるホトセンサ64の状態出力までの時間t1(露光時間)が比較的短い実施形態である。
図21(b)は、TFT62aによるプリチャージ電圧の印加と、TFT62cによるホトセンサ64の状態出力までの時間t2(露光時間)が比較的長い実施形態である。以上のように本実施形態は、ゲートドライバ回路12bの制御(OEV端子制御を含む)により露光時間を自由に設定あるいは調整することができる。
(16)第3の変更例
図22に第3の変更例を示す。
図22のように、1F(1フィールドあるいは1フレーム)単位で、プリチャージ電圧の印加(TFT62aが動作)と、ホトセンサ64の読み出し(TFT62cが動作)を実施することは本実施形態の技術的範疇である。
図22(a)は、1F期間の時間において、TFT62aによるプリチャージ電圧の印加と、TFT62cによるホトセンサ64の状態出力までの時間をnH(n<=1Fの水平走査線数)で変化した実施形態である。
図22(b)は、TFT62aによるプリチャージ電圧の印加と、TFT62cによるホトセンサ64の状態出力までの時間mF(mは整数)を可変した実施形態である。
(第2の実施形態)
図23は、第2の実施形態における画素構成である。なお、TFT62a、TFT62c、TFT232などは説明を容易にするためスイッチとして示している。また、共通信号線31をグランド(GND)記号で示している。
(1)画素の構成
図23において、ゲート信号線22dはゲートドライバ回路12bで制御される信号線である。ゲート信号線22dのオン電圧が印加されると、TFT232がオンする。TFT232がオンするとVr電位がホトセンサ出力信号線25に印加される。Vr電位は一例としてGND電位である。Vt電圧はリセット信号線231に供給する。
なお、以上の実施形態においてTFT232のよりGND電位をホトセンサ出力信号線25に印加するとしたが、GND電位に限定されるものではなく、他の電位でもよい。例えば、TFT62bのVt電圧近傍の電圧が例示される。また、コンパレータ回路233の比較電圧Vref電圧が例示される。TFT232で印加するVr電位は可変あるいは調整できるように構成することが好ましい。可変は電子ボリウムを付加することによりデジタル制御することができる。
Vr電圧の印加することにより、ホトセンサ出力信号線25の電位がVr電位となる。Vr電位を印加した後、ホトセンサ画素27のTFT62cをオンし、ホトセンサ64の電位を読み出す。したがって、TFT62cがオンされる出力変化がホトセンサ出力信号線25に現れるが、変化は必ず、Vt電位から変化する。したがって、安定してコンパレータ回路233に印加される。
Vt電圧の印加は、平面表示装置の使用を開始する時に実施する。また、1フィールド(フレーム)の最初に実施する。また、1Hの最初に実施してもよい。つまり、一定の区切りの最初に実施することが好ましい。
なお、Vref電圧を印加するコンパレータ信号線234は、全てのコンパレータ回路233に共通に印加する。しかし、本実施形態はこれに限定するものではない。例えば、図9に示すように複数の電圧出力端子82を有する場合は、複数のコンパレータ信号線234を形成または配置してもよい。以上のことは、リセット信号線231に対しても同様である。
(2)コンパレータ回路233の変更例
コンパレータ回路233も1つのホトセンサ出力信号線25に対して複数個を形成してもよい。複数形成するコンパレータ回路233の特性は異ならせる。
一例として、2種類のホトセンサ画素27を形成し、このホトセンサ画素27のホトセンサ64の特性を異ならせる。ホトセンサは光強度により感度が異なるものを構成する。このホトセンサの感度に対応して複数のコンパレータ回路233をそれぞれ割り与える。
また、ホトセンサ画素27のTFT62bの特性を異ならせる。この異なるTFT62bに対応して複数のコンパレータ回路233をそれぞれ割り与える。
例えば、異なるホトセンサ画素27のTFT62b、異なるホトセンサ64を、表示領域10に1画素行毎に異ならせて構成する。すると、ホトセンサ出力信号線25には1H毎に異なる出力信号レベルが出力される。この出力信号レベルを異なるコンパレータ回路233を選択することにより、良好にレベル判定を実施することができる。
異なるホトセンサ画素27のTFT62b、異なるホトセンサ64を、表示領域10の上下に振り分けて形成する構成も例示される。この場合は、ホトセンサ出力信号線25には画面の上下(上半分の表示領域と下半分の表示領域)で異なる出力信号レベルが出力される。この出力信号レベルを異なるコンパレータ回路233を選択することにより、良好にレベル判定を実施することができる。
図25(a)は1つのホトセンサ出力信号線25に対して、2つのコンパレータ回路233a、233bを形成したものである。2つのコンパレータ回路233a、233bには共通のコンパレータ電圧Vrefを印加しているが、これに限定するものでなく、異ならせてもよい。2つのコンパレータ回路233aと233bのいずれを選択し、電圧出力端子82に出力するかはスイッチSa、Sbにより選択する。スイッチSaとSbの制御は信号処理回路15で行う。スイッチSaをクローズすると、コンパレータ回路233aの出力が出力端子82に出力される。スイッチSbをクローズすると、コンパレータ回路233bの出力が出力端子82に出力される。
図25(b)は1つのホトセンサ出力信号線25に対して、1つのコンパレータ回路233を形成したものである。図24と異なる点は、2つのコンパレータ電圧Vrefを選択できることである。コンパレータ信号線234a、234bにコンパレータ電圧Vref1、Vref2が印加される。Vref電圧は6ビットの電子ボリウムで64段階に可変することが可能である(図26参照)。
図26では電子ボリウム261bによりコンパレータ信号線234に印加するVref電圧が6ビット(64段階)で可変することができる。ホトセンサ64、TFT62bの特性などに合わせて良好な値となるようにVref電圧は調整される。また、スイッチSa、Sbを選択することにより、最適なVref電圧を瞬時にコンパレータ回路233に印加することができる。コンパレータ回路233に印加されるVref電圧とホトセンサ出力信号線25の電圧と比較されて出力端子82に出力電圧が出力される。2つのVref電圧のいずれを選択するかはセンサ処理回路15により選択される。スイッチSaをクローズすると、Vref1電圧がコンパレータ回路233に印加される。スイッチSbをクローズすると、Vref2電圧がコンパレータ回路233に印加される。
また、図50は共通信号線31の電位を変更できるように構成した実施形態である。図50ではRからなるボリウム回路で調整するように構成しているが、これに限定するものではなく、電子ボリウム261で調整あるいは可変できるように構成してもよい。
以上の実施形態は、Vref電圧を電子ボリウム261で変化するものであったが、プリチャージ電圧Vprcも電子ボリウムで変化してもよい。例えば、図26に示すようにプリチャージ電圧信号線24には、電子ボリウム261aにより8ビット(256段階)のプリチャージ電圧が印加できるように構成されている。なお、プリチャージ電圧のほうが、コンパレータ電圧よりも刻みを小さくする。本実施形態において、プリチャージ電圧は8ビットであり、コンパレータ電圧は6ビットとしている。コンパレータ電圧Vrefは比較電圧であり精度は不要であるが、プリチャージ電圧Vprcはホトセンサ64の感度、露光時間に合わせて微妙な調整あるいは設定が必要だからである。
(第3の実施形態)
以上の実施形態は、ホトセンサ64の一方の電位をGND(接地電位または所定の固定電位)とした実施形態であった。しかし、本実施形態はこれに限定するものではない。
例えば、図27に示すように、共通信号線31をゲートドライバ回路12cに接続し、変化あるいは変更してもよい。例えば、ソースドライバ回路14が出力する映像信号の極性(図10参照)にあわせて共通信号線31の電位を変化させてもよい。ソース信号線23に印加される映像信号がホトセンサ出力信号線25などとカップリングし、出力を変動させるからである。映像信号の極性に同期させてあるいは一致させて共通信号線31の電位を変化させることにより、このカップリングの影響を軽減または除去することができる。
一例として、映像信号の極性が正極性のときは、共通信号線31の電位をVc1とし、映像信号の極性が負極性のときは、共通信号線31の電位をVc2とする。以上のように共通信号線31に電位を設定すると、1画素行毎に共通信号線31の電位はVc1とVc2とが繰り返して設定(印加)される。また、ホトセンサ64の特性、TFT62bの特性が同一であっても、共通信号線31の電位を変化させることにより、相対的にTFT62bのVt電圧を変化させることができる。ホトセンサ64などのGND電位が変化することになるからである。したがって、形成されたホトセンサ64などの共通信号線31の電位を複数に印加することにより、外光に対して複数の感度を持つホトセンサを形成したのと同一の状態となる。
また、図26などの構成では、TFT62bと、ホトセンサ64とは同一の電位(Vr)にしたように説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、TFT62bの端子aをVr1電位とし、ホトセンサ64の端子bをVr2というように異ならせてもよい。Vr2の電位がVr1に比較して高ければ、相対的にTFT62bのVtが高くなったのと同一の効果がある。したがって、形成されたホトセンサ64などが同一の特性であっても、外光に対して複数の感度を持つホトセンサを形成したのと同一の状態の効果がある。また、Vr1の電位を固定電位とし、Vr2を共通信号線31から供給するように構成し、共通信号線31をゲートドライバ12cで駆動するように構成してもよい。
もちろん、ゲートドライバ回路12cが出力する電位は複数とすることに限定されるものではない。例えば、共通信号線31に印加する電圧は1つであり、この1つの電圧をホトセンサ64の特性、露光時間、TFT62bの特性に対応させて変化させてもよい。他の構成は、図6などの構成と同一あるいは類似であるので説明を省略する。
(露光時間とプリチャージ電圧の関係)
上記各実施形態は主として、プリチャージ電圧を変化させることにより、外光に対する感度を調整している。また、露光時間に対してもプリチャージ電圧を変化させることにより感度を調整している。
図28はこの説明図である。ホトセンサ64のリーク量は、外光が強いほどリーク量が大きくなる。また、略露光時間に比例して電荷が放電する。プリチャージ電圧は一定の電圧を印加するとし、略TFT62bのVtに変化するように調整するためには、ホトセンサ64への外光が強い時は、露光時間を短くする。ホトセンサ64への外光が弱いときは露光時間を長くする。以上の関係は図28に図示される。したがって、外光が非常に強い時は、露光時間をきわめて短くする。また、ホトセンサ64の感度が外光に対して非常によいときは、露光時間をきわめて短くする。
露光時間を短くしてもTFT62bのゲート端子電圧がVt電圧以下にすぐに到達してしまい、ホトセンサ出力信号線25への変化信号が判別できない(全画面のTFT62bの出力がオフ状態として出力される場合、つまり、本実施形態の表示パネルからの出力が同一撮像データを得ることができない状態)場合は、プリチャージ電圧Vprcを電子ボリウム261aにより高く設定する。プリチャージ電圧Vprc電圧を高く設定することにより、TFT62bのVt電圧に到達するまでの時間が長くなるから、撮像データ(撮像された画像データ、物体の影など)を得ることができる。
露光時間を長くしてもTFT62bのゲート端子電圧がVt電圧以下に全く遠く、ホトセンサ出力信号線25への変化信号が判別できない(全画面のTFT62bの出力がオン状態として出力される場合、つまり、本実施形態の表示パネルからの出力が同一撮像データを得ることができない状態)場合は、プリチャージ電圧Vprcを電子ボリウム261aにより低く設定する。プリチャージ電圧Vprc電圧を低く設定することにより、TFT62bのVt電圧に到達するまでの時間が短くなるから、撮像データ(撮像された画像データ、物体の影など)を得ることができる。なお、露光時間は1フィールド(1フレーム)以内とする方が良好な結果が得られる。映像信号が印加されたソース信号線23からのカップリングの影響を受けにくいためと思われる。映像データは1フィールド(1フレーム)毎に極性が反転し、この反転の影響によりホトセンサ64の電位がゆれてしまうからである。
以上のように、本実施形態は、露光時間(ゲートドライバ回路12bの制御)と、プリチャージ電圧を調整あるいは設定することにより、撮像データを得ることを特徴としている。また、基本的にコンパレータ電圧Vrefは固定値に設定することを特徴としている。
(マトリックス処理)
ホトセンサ64は、画素26と同一工程(同一プロセス)で形成される。使用するプロセスはポリシリコン技術である。ポリシリコン技術による半導体膜は、レーザーアニール技術で形成する。したがって、レーザー光の温度分布により特性が大きくばらつく。この課題に対して本実施形態は、図29に示すように、マトリックス処理を実施している。
マトリックス処理とは、マトリックス内のホトセンサ画素27の出力をカウントし、カウント値により信号処理を実施するものである。図26などで説明したように、本実施形態はコンパレータ回路233などにより、2値化されているものとする。
レーザーアニ−ル方法などでは、TFT62b、ホトセンサ64の特性は表示領域の一方の方向から他方の方向に傾きを持った特性分布となる。この特性分布を補正するためには、ホトセンサ64が形成された領域に均一な外光を照射し、露光時間を一定にし、かつプリチャージ電圧を一定にして、マトリックス毎にTFT62bの出力をカウントして加算する。また、電圧出力端子82からの出力はコンパレータ回路233により2値のデータ(オン(1)、オフ(0))に変換されているとする。例えば、10x10のマトリックスでは、カウント値は0から100までの範囲である。このカウント値をマトリックス内のホトセンサ64毎に集計してメモリする(キャリブレーションしたカウント値)。本実施形態の表示装置で撮像したデータも同一のマトリックス区分で処理を行い、処理を行ったカウント値から、先のキャリブレーションしたカウント値を一定比率で差分処理を行う。この行ったデータには、ホトセンサなどの特性分布が減算されているため、良好な撮像データを得ることができる。
以上のように、差分処理を行った結果のデータは、ホトセンサ64.TFT62bの分布の影響が除去あるいは軽減されている。また、小領域の特性分布によるバラツキは、マトリックス処理を行い、マトリックスの出力データを1つのデータとして取り扱うため(結果的に平均化されたことになる)、小領域の特性分布の影響を受けない。例えば、レーザーショットが弱く、Vt電圧が高いTFT62bがマトリックス内に少数分布していても他のホトセンサ画素27のTFT62bが良好であれば、Vt電圧が高いTFT62bが少数であれば、全体として影響はない。
マトリックス処理の区分は、図29(a)に示すように、市松状にマトリックスする方式が例示される。図29(a)は、3x3のマトリックス処理の実施である。本実施形態では5x5のようにホトセンサ64数が25以上となるようにする構成することが好ましい。さらには8x8のように50以上となるように構成することが好ましい。特に10x10のように100以上となるように構成することが好ましい。但し、35x35のように、マトリックスに含まれるホトセンサ数が1000を超えることがないようにする。
以上の実施形態はnxnのマトリックスに区分して処理するとしたが、マトリックスの概念はこれに限定されるものではない。例えば、図29(b)に示すように、縦方向に区分している。この区分も本実施形態のマトリックスの技術的範疇である。図29(b)では、3画素列単位でマトリックス状に区分している。なお、横方向(画素行方向)にマトリックス状に区分してもよい。
もちろん、図9に示すように、コンパレータ回路233を使用せず、アナログデータを直接に、またはアナログデータを多ビットのデジタルデータとして信号処理を実施する場合は、アナログデータはローパスフィルタにより平均化(DC化)し、デジタルデータは加算することにより該当マトリックス範囲のデータとして処理してもよい。
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態として他の画素構成について説明をする。なお、画素構成について説明を行うが、他の構成は以前に説明した実施形態の構成、方式、動作が適用される。
図33は第4の実施形態の画素の等価回路図である。
Vt電圧により動作するTFT62bがNチャンネルTFT62bnとPチャンネルのTFT62bpで構成されている。つまり、TFT62bはPチャンネルとNチャンネルのCMOS構成で構成されている。a点の電位により、PチャンネルのTFT62bpまたはTFT62bnが動作する。TFT62cがオンすると、PチャンネルのTFT62bpまたはNチャンネルのTFT62bnが動作により変化したb点の電位が、ホトセンサ出力信号線25に出力される。
なお、PチャンネルのTFT62bp、TFT62bnの特性によっては、PチャンネルのTFT62bpとNチャンネルのTFT62bnの両方が動作する場合も本実施形態の技術的範疇である。bの電位変化がホトセンサ出力信号線25に出力するという点では問題がないからである。他の構成は上記実施形態と同様あるいは類似であるので説明を省略する。
(第5の実施形態)
図34は、ホトセンサ64をNチャンネルTFT62bnとPチャンネルのTFT62bpで構成した第5の実施形態である。
つまり、ホトセンサ64は、PチャンネルとNチャンネルのダイオード接続したTFTを直列に連結して構成されている。PチャンネルのTFT64p、TFT64nの特性のバラツキを補い、全体として特性バラツキが抑制される。
なお、図34の構成では、PチャンネルのTFT624pとNチャンネルのTFT64nを各1個で構成しているが、本実施形態はこれに限定するものではなく、NチャンネルのTFT64nとPチャンネルのTFT64pが各複数個を形成または配置してもよい。
また、NチャンネルのTFT64nが複数個でホトセンサ64を構成してもよい。また、PチャンネルのTFT64pが複数個でホトセンサ64を構成してもよい。
他の構成は上記実施形態と同様あるいは類似であるので説明を省略する。
(第6の実施形態)
図35は、ホトセンサ出力信号線25をRの映像信号を印加するソース信号線23Rと共通にした第6の実施形態である。
ソース信号線23Rには、Rの映像信号と、TFT62cの出力(ホトセンサ出力)が多重される。ゲート信号線22bの選択は映像信号がソース信号線23に印加されていないタイミングで実施される。
また、図35は、プリチャージ電圧信号線24をBの映像を印加するソース信号線23Bと共通にした構成である。ソース信号線23Bには、プリチャージ電圧と、Bの映像信号が多重される。ゲート信号線22cの選択は映像信号がソース信号線23に印加されていないタイミングで実施される。
他の構成は、上記他の実施形態と同様あるいは類似であるので説明を省略する。
(1)第1の変更例
上記実施形態では、ホトセンサ出力信号線25と、Rの映像を印加するソース信号線23Rと共通にしたとして説明したが、本実施形態はこれに限定するものではない。
例えば、ホトセンサ出力信号線25をGの映像を印加するソース信号線23Gと共通にしてもよい。また、ホトセンサ出力信号線25をBの映像を印加するソース信号線23Bと共通にしてもよい。つまり、本実施形態は、ホトセンサ出力信号線25を映像信号線などの他の信号線と共通にし、共通にした信号線に、映像信号などとホトセンサ出力とを多重することに特徴がある。
(2)第2の変更例
上記実施形態は、ホトセンサ出力信号線25と映像を印加するソース信号線23と共通にするとした説明したがこれに限定するものではなく、例えば、ホトセンサ出力信号線25と共通信号線31などと共通にしてもよい。
(3)第3の変更例
図37に、第5の実施形態と図27の実施形態と組み合わせた実施形態を示している。
(4)第4の変更例
図44はTFT62bをPチャンネルTFTで構成した実施形態である。TFT62bの一端子は正側電源Vddに接続し、他端をTFT62cと接続している。他の構成は図27、図37の実施形態と同様であるので説明を省略する。
(5)第5の変更例
上記実施形態では、プリチャージ電圧信号線24と、Bの映像を印加するソース信号線23Bと共通にしたとして説明したが、本実施形態はこれに限定するものではない。
例えば、プリチャージ電圧信号線24をGの映像を印加するソース信号線23Gと共通にしてもよい。また、プリチャージ電圧信号線24をBの映像を印加するソース信号線23Bと共通にしてもよい。つまり、本実施形態は、プリチャージ電圧信号線24を映像信号線などの他の信号線と共通にし、共通にした信号線に、映像信号などとプリチャージ電圧とを多重することに特徴がある。
(6)第6の変更例
上記実施形態は、プリチャージ電圧信号線24と映像を印加するソース信号線23と共通にするとした説明したがこれに限定するものではなく、例えば、プリチャージ電圧信号線24と共通信号線31などと共通にしてもよい。
(7)第7の変更例
プリチャージ電圧信号線24、映像信号線を印加するソース信号線23、ホトセンサ出力信号線25を共通にし、映像信号とプリチャージ電圧とホトセンサ出力とを多重してもよい。
(8)第8の変更例
図36は、ホトセンサ出力信号線25をRの映像を印加するソース信号線23Rと共通にし、プリチャージ電圧信号線24と映像を印加するソース信号線23と共通にし、ホトセンサ64のGND電位の共通信号線31をGの映像を印加するソース信号線23Gと共通にした構成である。
ソース信号線23に印加される映像信号は、正極性と負極性が1H毎に交互に印加されるため、ホトセンサ64のGND電位がゆれても平均的にはDC電位のように固定された電位に維持されていることになる。
ソース信号線23Rには、Rの映像信号と、TFT62cの出力(ホトセンサ出力)が多重される。ゲート信号線22bの選択は映像信号がソース信号線23に印加されていないタイミングで実施される。プリチャージ電圧信号線24をBの映像を印加するソース信号線23Bと共通にした構成である。ソース信号線23Bには、プリチャージ電圧と、Bの映像信号が多重される。ゲート信号線22cの選択は映像信号がソース信号線23に印加されていないタイミングで実施される。他の構成は図35で説明した実施形態と同様あるいは類似であるので説明を省略する。
図38は図36の画素構成でのタイミングチャートである。
1Hの最初のt4の期間は、ゲート信号線22cが選択され、TFT62aがオン状態となり、プリチャージ電圧がホトセンサ64に印加される。
次のt1の期間は、SWがa端子を選択し、ソースドライバ回路14からRの映像信号が出力されている期間である。
次のt2の期間は、切り替え回路92のSWはb端子を選択し、ソースドライバ回路14からGの映像信号が出力されている期間である。
次のt3期間は、切り替え回路92のSWはc端子を選択し、ソースドライバ回路14からBの映像信号が出力される。したがって、Bの映像信号はBのソース信号線23に印加される。
1Hの最後のタイミングでは、ゲート信号線22bにオン電圧が印加され、TFT62cがオンし、ホトセンサ画素27のTFT62cがオンしてTFT62bの出力がホトセンサ出力信号線25に出力される。
なお、t1、t2、t3、t4、t5の期間は同一にすることにより、ホトセンサ処理回路18などの回路構成が容易になる。
また、t1、t2、t3、t4、t5の期間の間にはt6の期間を確保することが好ましい。各スイッチSW、TFT62がオン状態からオフ状態になる期間、切り替える期間は不安定となるからである。
(9)第9の変更例
図39は共通信号線31をゲート信号線22aと共通にした構成である。
ゲート信号線22aは1フィールド(1フレーム)に1Hの期間オン電圧が印加される。他の期間はオフ電圧が印加される。したがって、ゲート信号線22aの電位は固定電位に維持されていると考えてよい。
図39に示すように、共通信号線31をゲート信号線22aと共通にしても、ホトセンサ64及びTFT62bの一端子はGND接地状態である。そのため、電位変動によるホトセンサ出力にはほとんど影響を与えない。但し、表示画素26とホトセンサ画素27を有する画素16もしくは、前記画素16に隣接した画素行に位置する画素16において、ゲート信号線22aとゲート信号線22b、ゲート信号線22cが同時に選択されないようにタイミング処理を行う必要がある。好ましくは、前記画素16において、ゲート信号線22aが選択する前後の2H以上の水平走査期間には、該当画素16のゲート信号線22b及びゲート信号線22cが選択されないようにタイミング処理を実施する。他の構成は図35で説明した実施形態と同様あるいは類似であるので説明を省略する。
(第7の実施形態)
図40は、TFT62bの特性バラツキを補償するため、オフセットキャンセルを実施する画素構成である。
オフセットキャンセルすることにより、TFT62bはカットオフ電圧を基準に動作させることができる。したがって、TFT62bのVtバラツキなどを補償することができ、安定したホトセンサ出力を得ることができる。TFT62bのドレイン端子DはVbb電圧とし、ホトセンサ64に接続された共通信号線31と分離している。分離によりTFT62bのVbb電圧の電位を自由に設定あるいは調整できるようになり、TFT62bのリセット動作が容易になる。
図40では、プリチャージ電圧を印加する前に、ゲート信号線22dにオン電圧が印加され、TFT63dがオンする。TFT62dがオンすると、TFT62bのドレイン端子Dとゲート端子G間が短絡される。ゲート端子Gとドレイン端子Dの短絡によりTFT62bはVt電圧にリセットされる。つまり、TFT62bのゲート端子Gの電圧は、電流を流し始める電圧(基本的にはVt電圧)に設定される。この電圧をV0電圧とする。このとき、プリチャージ電圧信号線は、所定の電位V1が印加される。
ゲート端子Gの電位は、ホトセンサ64の電位である。次に、ゲート信号線22cにオン電圧が印加されるとともに、プリチャージ電圧信号線24にプリチャージ電圧Vprcが印加される。TFT62aがオンし、プリチャージ電圧はカップリングコンデンサ401を介してホトセンサ64に印加される。つまり、TFT62bのゲート端子には、V0電圧に加算された電圧V2が印加される。V2電圧は、基本的にはV1電圧に相関あるいは比例する。V1はコンデンサ401とコンデンサ63などで分圧されてV2電圧となる。
以上の動作によりTFT62bのゲート端子にはV2電圧が印加される。ゲート信号線22cにオフ電圧が印加される。したがって、TFT62aがオフされ、V2電圧がホトセンサ64の一端子に保持される。
以降の動作は他の実施形態と同様である。つまり、外光によりホトセンサ64がリークしV2電圧が低下していく。V2電圧が、TFT62bのVt電圧以下になれば、TFT62bがオフ状態となる。TFT62cをオンさせることにより、TFT62bの状態をホトセンサ出力信号線25に出力する。
(1)第1の変更例
図45は図40の変形例である。
TFT62bのドレイン端子Dと共通信号線31と接続している。共通信号線31はゲートドライバ回路12cに接続している。
他の構成は図40で説明した実施形態と同様あるいは類似であるので説明を省略する。
(2)第2の変更例
図42は図40の変形例である。
TFT62dをPチャンネルTFTで構成している。
他の構成は図40で説明した実施形態と同様あるいは類似であるので説明を省略する。
(第8の実施形態)
次に第8の実施形態について説明する。
図41は、図40のTFT62bを反転回路411に置き換えた第8の実施形態である。図41は、ホトセンサ画素27のTFT62bの特性バラツキを補償するため、インバータオフセットキャンセル回路を構成した実施形態である。オフセットキャンセルすることにより、カットオフ電圧を基準に設定させることができるようになる。
(1)反転回路411の構成
反転回路411は、図33に示すように、PチャンネルのTFTとNチャンネルのTFTで構成する。反転回路411はVddとVss電源で動作するとして説明するが、これに限定するものではなく、Vdd電源と共通信号線31電位で動作するとしてもよい。また、他の電位で動作するとしてもよい。
反転回路411のa点の電位により、反転回路411のPチャンネルTFTまたはNチャンネルTFTが動作し、b点に出力される。つまり、a点電位によりb点に出力される電圧が変化する。このb点の電圧は、TFT62cをオンさせることによりホトセンサ出力信号線25に出力される。
(2)動作の内容
ゲート信号線22cはゲートドライバ回路12によって制御される。また、ゲート信号線22dには、PチャンネルTFT62dpのゲート端子が接続されている。ゲート信号線22dにオン電圧が印加されると、PチャンネルTFT62dpがオン(TFT62dpのチャンネル間がクローズ)する。ゲート信号線22dにオフ電圧が印加されると、PチャンネルTFT62dpがオフ(TFT62dpのチャンネル間がオープン)する。
反転回路411をオフセット動作させるときは、ゲート信号線22dにオン電圧が印加し、PチャンネルTFT62dpがオン(TFT62dpのチャンネル間がクローズ)する。他の動作状態のときは、ゲート信号線22dにオフ電圧が印加し、PチャンネルTFT62dpがオフ(TFT62dpのチャンネル間がオープン)にする。
以上ように、TFT62dpはゲート信号線22dの印加されたオン電圧により動作する。TFT62dpはオン電圧の印加により、チャンネル間のインピーダンスが低下し、反転回路411のa端子とb端子間が短絡状態となる。したがって、反転回路411はリセットされる。
以上のリセット動作後、ゲート信号線22dpのオフ電圧が印加される。すると、TFT62dpはオフ電圧の印加により、チャンネル間がオープンとなり、a端子とb端子間が切り離される。
図41では、プリチャージ電圧を印加する前に、ゲート信号線22dpにオン電圧が印加され、TFT63dpがオンする。TFT62dpがオンすると、TFT62bpのドレイン端子Dとゲート端子G間が短絡される。ゲート端子Gとドレイン端子Dの短絡により反転回路411はVt電圧にリセットされる。つまり、反転回路411は、電流を流し始める電圧(基本的にはVt電圧)に設定される。この電圧をV0電圧とする。このとき、プリチャージ電圧信号線は、所定の電位V1が印加される。
ゲート端子Gの電位は、ホトセンサ64の電位である。次に、ゲート信号線22cにオン電圧が印加されるとともに、プリチャージ電圧信号線24にプリチャージ電圧Vprcが印加される。TFT62aがオンし、プリチャージ電圧はカップリングコンデンサ401を介してホトセンサ64に印加される。つまり、TFT62bのゲート端子には、V0電圧に加算された電圧V2が印加される。V2電圧は、基本的にはV1電圧に相関あるいは比例する。V1はコンデンサ401とコンデンサ63などで分圧されてV2電圧となる。
以上の動作によりTFT62bのゲート端子にはV2電圧が印加される。ゲート信号線22cにオフ電圧が印加される。したがって、TFT62aがオフされ、V2電圧がホトセンサ64の一端子に保持される。
以降の動作は他の実施形態と同様である。つまり、外光によりホトセンサ64がリークしV2電圧が低下していく。V2電圧が、反転回路411のVt電圧の以上か以下になれば、それに対応してb点の電位が変化する。TFT62cをオンさせることにより、TFT62bの状態をホトセンサ出力信号線25に出力する。他の構成は先に説明した実施形態と同様あるいは類似であるので説明を省略する。
(3)第1の変更例
図41の変形例として、図41の点線内で図示するTFT62dnを付加する構成を説明する。
この構成の場合は、ホトセンサ64のGND端子は必要ない。TFT62dnによりGNDに接地されるからである。ゲート信号線22cはゲートドライバ回路12によって制御される。
また、ゲート信号線22dには、PチャンネルTFT62dpとTFT62dnのゲート端子が接続されている。ゲート信号線22dにオン電圧が印加されると、PチャンネルTFT62dpがオン(TFT62dpのチャンネル間がクローズ)し、NチャンネルTFT62dnがオフ(TFT62dnのチャンネル間がオープン)する。ゲート信号線22dにオフ電圧が印加されると、NチャンネルTFT62dnがオン(TFT62dnのチャンネル間がクローズ)し、PチャンネルTFT62dpがオフ(TFT62dpのチャンネル間がオープン)する。つまり、PチャンネルTFT62dpとNチャンネルTFT62dnは逆動作する。
反転回路411をオフセット動作させるときは、ゲート信号線22dにオン電圧が印加し、PチャンネルTFT62dpがオン(TFT62dpのチャンネル間がクローズ)する。このとき、NチャンネルTFT62dnがオフ(TFT62dnのチャンネル間がオープン)する。他の動作状態のときは、ゲート信号線22dにオフ電圧が印加し、NチャンネルTFT62dnがオン(TFT62dnのチャンネル間がクローズ)させ、PチャンネルTFT62dpがオフ(TFT62dpのチャンネル間がオープン)にする。
以上ように、TFT62dp、TFT62dnはゲート信号線22dの印加されたオン電圧により動作する。TFT62dpはオン電圧の印加により、チャンネル間のインピーダンスが低下し、反転回路411のa端子とb端子間が短絡状態となる。したがって、反転回路411はリセットされ、ホトセンサ64の両端子間も短絡されるとともに、コンデンサ63の電荷も放電される。
以上のリセット動作後、ゲート信号線22dpのオフ電圧が印加される。すると、TFT62dpはオフ電圧の印加により、チャンネル間がオープンとなり、a端子とb端子間が切り離される。一方、TFT62dnがオン状態となり、ホトセンサ64のc端子が共通信号線31に接続され、共通信号線31の電位が印加される。のインピーダンスが低下し、反転回路411のa端子とb端子間が短絡状態となる。したがって、反転回路411はリセットされ、ホトセンサ64の両端子間も短絡されるとともに、コンデンサ63の電荷も放電される。他の構成は先に説明した実施形態と同様あるいは類似であるので説明を省略する。
(4)第2の変更例
図53は図39と同様に、図41にインバータオフセット回路において、共通信号線31をゲート信号線22aと共通にした変更例である。
他の構成は先に説明した実施形態と同様あるいは類似であるので説明を省略する。
(5)第3の変更例
図43もオフセットキャンセル回路の第3の変更例である。
図43では、プリチャージ電圧を印加する前に、ゲート信号線22eにオン電圧が印加され、TFT62eをオンさせる。TFT62eはb点の電荷を放電する。
次に、ゲート信号線22dのオン電圧を印加する。TFT62dがオンすると、TFT62bのドレイン端子Dとゲート端子G間が短絡される。ゲート端子Gとドレイン端子Dの短絡によりTFT62bはVt電圧にリセットされる。つまり、TFT62bのゲート端子Gの電圧は、電流を流し始める電圧(基本的にはVt電圧)に設定される。この電圧をV0電圧とする。このとき、プリチャージ電圧信号線は、所定の電位V1が印加される。
ゲート端子Gの電位は、ホトセンサ64の電位である。次に、ゲート信号線22cにオン電圧が印加されるとともに、プリチャージ電圧信号線24にプリチャージ電圧Vprcが印加される。TFT62aがオンし、プリチャージ電圧はカップリングコンデンサ401を介してホトセンサ64に印加される。つまり、TFT62bのゲート端子には、V0電圧に加算された電圧V2が印加される。V2電圧は、基本的にはV1電圧に相関あるいは比例する。V1はコンデンサ401とコンデンサ63などで分圧されてV2電圧となる。
以上の動作によりTFT62bのゲート端子にはV2電圧が印加される。ゲート信号線22cにオフ電圧が印加される。したがって、TFT62aがオフされ、V2電圧がホトセンサ64の一端子に保持される。
以降の動作は他の実施形態と同様である。つまり、外光によりホトセンサ64がリークしV2電圧が低下していく。V2電圧が、TFT62bのVt電圧以下になれば、TFT62bがオフ状態となる。TFT62cをオンさせることにより、TFT62bの状態をホトセンサ出力信号線25に出力する。他の構成は先に説明した実施形態と同様あるいは類似であるので説明を省略する。
(第9の実施形態)
外光の強度は1ルックス〜10万ルックスまで広範囲である。アレイ基板11にホトセンサ64が作製される。ホトセンサ64の感度はホトセンサのサイズ、半導体膜特性で決定されるため、広範囲の外光に対応させるためには、露光時間の調整、プリチャージ電圧の調整などにより行う。本実施形態は、より広範囲の外光に対応するための画素構成について説明する。
図46に示す第9の実施形態は、プリチャージ電圧を印加するTFT62aを複数個形成している。
TFT62aには直列に抵抗Rを形成している。抵抗Rは拡散抵抗で形成する。TFT62a1には直列に抵抗R1を形成し、TFT62a2には直列に抵抗R2を形成する。TFT62a1とTFT62a2をオンする時間が同一であっても、抵抗R(R1、R2)のインピーダンスが高いほどホトセンサ64に書き込まれるプリチャージ電圧は小さくなる。したがって、R1とR2の抵抗値を異ならせることによりTFT62a1をオンさせたときのプリチャージ電圧とTFT62a2をオンさせたときのプリチャージ電圧とを異ならせることができる。プリチャージ電圧により必要な露光時間を可変することができる。したがって、図46により外光の感度範囲を拡大することができる。
(1)第1の変更例
TFT62a1のゲート端子に印加するオン電圧と、TFT62a2のゲート端子に印加するオン電圧とを異ならせることにより、等価的にR1とR2の抵抗値を異ならせることができる。
例えば、TFT62aがNチャンネルの場合、印加するオン電圧が高いほどチャンネル間のインピーダンスが低下する(抵抗Rは小さくなる)。印加するオン電圧がVt電圧近傍になるほど、TFT62aのチャンネル間のインピーダンスが高くなる(抵抗Rは高くなる)。この場合は、TFT62a1とTFT62a2を駆動するゲート信号線22cを別のゲート信号線に形成すれば容易に実現できる。
(2)第2の変更例
図46の実施形態は、TFT62aを複数形成して、プリチャージ電圧を可変する構成であった。しかし、TFT62aの他に、別途スイッチを形成してもよい。例えば、図47ではスイッチS1、S2を形成している。
(3)第3の変更例
図47は、TFT62cの他に、スイッチS1、S2を形成し、抵抗R1、R2を形成した実施形態である。
スイッチS1の選択により抵抗R1がTFT62cに直列に接続される。スイッチS2の選択により抵抗R2がTFT62cに直列に接続される。TFT62cをオンする時間が同一であっても、抵抗R(R1、R2)のインピーダンスが高いほどホトセンサ出力信号線25に出力される電荷は小さくなる。したがって、R1とR2の抵抗値を異ならせることによりTFT62cをオンさせたときの出力を異ならせることができる。したがって、図46により外光の感度範囲を拡大することができる。
他の構成などは図46と同様であるので説明を省略する。
なお、本実施形態は、他の実施形態と組み合わせてよい。以上の事項は他の実施形態においての同様である。
(第10の実施形態)
図48(a)に示すように、TFT62bを複数個形成し、このTFT62bのWL比(チャンネル幅W、チャンネル長Lとの比)などを異ならせることにより、TFT62bのVt電圧を異ならせることができる。Vt電圧が異なり、どのTFT62bが動作しているかを検出できれば、外光の強度を相対的に知ることができる。
例えば、TFT62b1のVt電圧が1.5Vで、TFT62b2のVt電圧が2.0Vであるとする。また、露光時間は一定とする。ホトセンサ64のa点の端子電圧が低下し、1.5V以下となれば、TFT62b1とTFT62b2の両方がオフ状態である。したがって、ホトセンサ64のa点の端子電圧は、1.5V以下であることを検出でき、外光が強く、ホトセンサ64のリーク量が大きいことがわかる。ホトセンサ64のa点の端子電圧が低下し、1.5V以上2.0以下であれば、TFT62b1はオン状態であるが、TFT62b2はオフ状態である。したがって、ホトセンサ64のa点の端子電圧は、1.5V以上2.0V以下であることを検出でき、外光が比較的強いことがわかる。ホトセンサ64のa点の端子電圧が低下し、2.0V以上であれば、TFT62b1とTFT62b2の両方がオン状態である。したがって、ホトセンサ64のa点の端子電圧は、2.0V以上であることを検出でき、外光が弱く、ホトセンサ64がほとんどリークしなかったことがわかる。
また、図48(a)に示すように、TFT62bを複数個形成し、この複数個のTFT62bの特性が同一であっても、このTFT62bのドレイン端子Dの電圧などを異ならせることにより、ホトセンサ64の端子電圧に対する感度を異ならせることができる。
図48(a)では、TFT62b1のドレイン端子D電圧は、Vg1とし、TFT62b2のドレイン端子D電圧は、Vg2としている。したがって、どのTFT62bが動作しているかを検出できれば、外光の強度を相対的に知ることができる。選択するTFT62bはスイッチS(S1、S2)で行う。
例えば、TFT62b1のドレイン端子D電圧が0Vで、TFT62b2のドレイン端子D電圧が−2.0Vであるとする。また、露光時間は一定とする。ホトセンサ64のa点の端子電圧が低下すれば、TFT62b1がTFT62b2よりも先にオフする。外光が強く、ホトセンサ64のa端子電圧がさらに低下すれば、TFT62b1とTFT62b2の両方がオフする。外光が全くないか、微弱の場合は、TFT62b1、TFT62b2の両方はオン状態を保持する。いずれのTFT62bがオン状態であるかは、スイッチS(S1、S2)を切り替えることにより選択できる。
(1)第1の変更例
上記実施形態は、TFT62bのドレイン端子D電圧を異ならせるものであった。他に図48(b)に示すように、ホトセンサ64を複数個形成し、この端子電圧を異ならせることによっても実現できる。ホトセンサ64はTFTをダイオード接続して形成する。
ホトセンサ64を複数個形成し、この複数個のホトセンサ64の特性が同一であっても、このホトセンサ64の一端子の電圧を図48(b)に示すように、Vg2電圧と、共通信号線31の電位のように異ならせる。スイッチS(S1、S2)の選択により、ホトセンサ64の一端子に所定の電圧が印加される。ホトセンサ64の端子電圧が異なれば、保持する電荷量が異なるから、外光に対する感度を異ならせることができる。したがって、どのホトセンサが動作しているかを検出できれば、外光の強度を相対的に知ることができる。選択するホトセンサ64はスイッチS(S1、S2)で行う。
例えば、ホトセンサ64bに印加する端子電圧が0Vで、ホトセンサ64aに印加する端子電圧が−2.0Vであるとする。また、露光時間は一定とする。外光によりホトセンサ64(64a、64b)のa点の端子電圧が低下する。この低下の差は、ホトセンサ64aと64bで異なる。スイッチS1とS2で選択することができる。もちろん、両方のホトセンサ64a、64bを選択してもよい。
(2)第2の変更例
また、図49に示すように、ホトセンサ64a、64bの一端子の電圧を共通信号線31の電位としておき、スイッチS1、S2によりホトセンサ64aと64bのいずれかを選択してもよいことはいうまでもない。ホトセンサ64a、ホトセンサ64bのリーク特性は異ならせる。リーク特性を異ならせるには、ホトセンサ64を形成するTFTのWL(W:チャンネル幅、L:チャンネル長)などを変化させればよい。
(3)第3の変更例
なお、図46、図47と同様に、ホトセンサ64に直列に抵抗Rを形成してもよい。抵抗Rは拡散抵抗で形成する。TFT62a1には直列に抵抗R1を形成する。
例えば、ホトセンサセンサ64aに抵抗R1、ホトセンサ64bには直列に抵抗R2を形成する。ホトセンサ64aとホトセンサ64bに照射される外光が同一であり、ホトセンサ64a、64bの特性が略同一でリーク特性が一致していても、抵抗R(R1、R2)のインピーダンスが高いほどホトセンサ64から放電される単位時間あたりの電荷量は異なる。したがって、R1とR2の抵抗値を異ならせることによりホトセンサ64a、64bの端子電圧を異ならせることができる。したがって、スイッチS1とS2の選択により、露光時間を可変することができる。したがって、外光の感度範囲を拡大することができる。
また、ホトセンサ64はTFTをダイオード接続したもので構成している。したがって、このTFTのゲート端子を別途引出し、ゲート端子に印加する電圧を調整することにより、異なるダイオード特性のホトセンサを構成できる。前記ゲート電圧はボリウム回路で供給する。また、外光の強さにより調整あるいは設定するとよい。
(4)第4の変更例
本実施形態は、他の実施形態と組み合わせてよい。以上の事項は本実施形態の他の実施形態においての同様である。
(5)第5の変更例
また、共通信号線31に印加する電圧はDC電圧に限定するものではなく、交流電圧、矩形電圧でもよい。
(6)第6の変更例
また、矩形電圧などのレベルを変化させることによりホトセンサ64の露光時間などを調整できる。
以上の事項は本実施形態の他の実施形態にも適用できることはいうまでもない。
(7)第7の変更例
また、図52に示すように、複数のコンデンサ63を形成し、一端子の電圧を共通信号線31の電位としておき、スイッチS1、S2によりいずれかのコンデンサ63をいずれかを選択してもよい。コンデンサ63の容量によりa点の電位変化は異なる。
なお、両方(複数)のコンデンサ63を選択してもよい。したがって、スイッチS1とS2の選択により、露光時間を可変することができる。したがって、外光の感度範囲を拡大することができる。
(8)第8の変更例
また、図51に示すように、複数のTFT62b(62b1、62b2)を形成し、一端子の電圧を共通信号線31の電位としておき、スイッチS1、S2によりいずれかのTFT62bをいずれかを選択してもよい。
TFT62b(62b1、62b2)を形成するTFTのWL(W:チャンネル幅、L:チャンネル長)などを変化させる。スイッチS1とS2の選択により、露光時間を可変することができる。したがって、外光の感度範囲を拡大することができる。
以上の事項は本実施形態の他の実施形態にも適用できることはいうまでもない。
(平面表示装置の説明)
図14は、本実施形態の表示パネル148を用いた平面表示装置の説明図である。
なお、表示パネル148は、上記で説明したアレイ基板11を用いて構成される。また、アレイ基板11、表示パネル148には本実施形態の駆動方法、駆動方式が適用される。
表示パネル148は、アレイ基板11と対向基板144間に液晶層143が形成または挟持される。
なお、本実施形態の表示パネル148は、液晶層143に限定されるものではなく、EL(有機EL、無機EL)層であってもよい。つまり、画素16にEL層が形成されたEL表示パネルであってもよい。
また、液晶層は、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(OpticallyCompensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(VerticallyAligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence )、高分子分散(PD)液晶、HAN(Hybrid Aligned Nematic)モードなどのいずれでもよい。また、表示パネル148の画素は、微反射構成、反射構成、半透過構成のいずれでもよい。
以下、図14を参照しながら、表示パネル148及び平面表示装置について説明をする。
(1)アレイ基板11の構成
ガラスあるいは有機材料からなるアレイ基板11には、画素電極などが形成されている。ガラス基板としては、ソーダガラス、石英ガラスが例示される。有機材料からなる基板としては板状のもの、フィルム状のいずれでもよく、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂から構成されたものが例示される。これらは加圧による一体成形で形成される。また、板厚としては0.2mm以上0.8mm以下で構成される。なお、アレイ基板11は光透過性を有すればよく、対向基板144は光透過性を有する必要はなく、シリコンあるいはアルミなどの金属基板で構成されていても、着色されたプラスチック基板で構成されていてもよい。
なお、アレイ基板11、144の放熱性を良くするためサファイアガラスで形成してもよい。その他、ダイヤモンド薄膜を形成した基板を使用したり、アルミナなどのセラミック基板を使用したり、銅などからなる金属板を使用してもよい。
また、アレイ基板11などが空気と接する面には、反射防止膜(AIRコート)が形成される。アレイ基板11に偏光板などが張り付けられていない場合はアレイ基板11に直接に、偏光板(偏光フィルム)など他の構成材料が張り付けられている場合は、その構成材料の表面などにAIRコートが形成される。AIRコートは誘電体単層膜もしくは多層膜で形成する構成が例示される。その他、1.35〜1.45の低屈折率の樹脂を塗布してもよい。また、AIRコートは3層の構成あるいは2層構成がある。なお、3層の場合は広い可視光の波長帯域での反射を防止するために用いられ、これをマルチコートと呼ぶ。2層の場合は特定の可視光の波長帯域での反射を防止するために用いられ、これをVコートと呼ぶ。マルチコートとVコートは液晶表示パネルの用途に応じて使い分ける。
マルチコートの場合は酸化アルミニウム(Al2O3)を光学的膜厚がnd=λ/4、ジルコニウム(ZrO2)をnd1=λ/2、フッ化マグネシウム(MgF2)をnd1=λ/4積層して形成する。通常、λとして520nmもしくはその近傍の値として薄膜は形成される。Vコートの場合は一酸化シリコン(SiO)を光学的膜厚nd1=λ/4とフッ化マグネシウム(MgF2)をnd1=λ/4、もしくは酸化イットリウム(Y2O3)とフッ化マグネシウム(MgF2)をnd1=λ/4積層して形成する。SiOは青色側に吸収帯域があるため青色光を変調する場合はY2O3を用いた方がよい。また、物質の安定性からもY2O3の方が安定しているため好ましい。また、2酸化シリコン薄膜を使用してもよい。もちろん、低屈折率の樹脂等を用いてAIRコートとしてもよい。なお、液晶表示パネルに静電気がチャージされることを防止するため、表示パネル21の表面に親水性の樹脂を塗布しておくことが好ましい。その他、表面反射を防止するため、エンボス加工を行ってもよい。
なお、アレイ基板11としてプラスチック基板などの有機材料を使用する場合は、液晶層24に接する面にもバリア層として無機材料からなる薄膜を形成する。この無機材料からなるバリア層は、AIRコートと同一材料で形成することが好ましい。
(2)カラーフィルタ、偏光板、位相フィルム
表示画素26には、カラーフィルタが形成あるいは構成される。また、カラーフィルタの混色あるいは画素間からの光抜けによるコントラスト低下を防止するため、カラーフィルタ間にはブラックマトリックス(以下、BMと呼ぶ)が形成あるいは配置される。
なお、カラーフィルタはゼラチン、アクリルを染色した樹脂からなるカラーフィルタの他、光学的誘電体多層膜により形成したカラーフィルタ、ホログラムによるカラーフィルタでもよい。また、液晶層自身を直接着色することにより代用してもよい。例えば、PD液晶であれば、樹脂を着色したりする構成、また、液晶層をゲストホストモードで使用したりすればよい。また、カラーフィルタは3色に限定するものではなく、2色あるいは単色、もしくは4色以上であってもよい。また、カラーフィルタは透過方式に限定するものではなく、誘電体多層膜で形成し、反射タイプにしてもよい。また、単純な反射ミラーでもよい。また、コレステリック液晶でカラーフィルタを構成してもよい。
アレイ基板11と偏光板145間には1枚あるいは複数の位相フィルム(位相板、位相回転手段、位相差板、位相差フィルム)が配置される。位相フィルムとしてはポリカーボネートを使用することが好ましい。位相フィルム(図示せず)は入射光を出射光に位相差を発生させ、効率よく光変調を行うのに寄与する。
位相フィルムとして、ポリエステル樹脂、PVA樹脂、ポリサルホン樹脂、塩化ビニール樹脂、ゼオネックス樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂等の有機樹脂板あるいは有機樹脂フィルムなどを用いてもよい。その他、水晶などの結晶を用いてもよい。1つの位相板26の位相差は一軸方向に50nm以上350nm以下とすることが好ましく、さらには80nm以上220nm以下とすることが好ましい。
また、位相フィルムの一部もしくは全体を着色したり、一部もしくは全体に拡散機能をもたせたりしてもよい。また、表面をエンボス加工したり、反射防止のために反射防止膜を形成したりしてもよい。また、画像表示に有効でない箇所もしくは支障のない箇所に、遮光膜もしくは光吸収膜を形成し、表示画像の黒レベルをひきしめたり、ハレーション防止によるコントラスト向上効果を発揮させたりすることが好ましい。また、位相フィルムの表面に凹凸を形成することによりかまぼこ状あるいはマトリックス状にマイクロレンズを形成してもよい。マイクロレンズは1つの画素電極あるいは3原色の画素にそれぞれ対応するように配置する。また、位相フィルムの機能はカラーフィルタに持たせてもよい。例えば、カラーフィルタの形成時に圧延し、もしくは光重合により一定の方向に位相差が生じるようにすることにより位相差を発生させることができる。その他、液晶層に面する側に樹脂を塗布しあるいは形成し、この樹脂を光重合させることにより位相差を持たせてもよい。このように構成すれば位相フィルムを基板外に構成あるいは配置する必要がなくなり液晶表示パネルの構成が簡易になり、低コスト化が望める。なお、以上の事項は偏光板に適用してもよいことはいうまでもない。
(3)他の構成
アレイ基板11には画素16(表示画素26、ホトセンサ画素27)がマトリックス状に配置されている。アレイ基板11と対向基板144とは、封止壁142を挟持されている。対向基板144には対向電極147(36)が形成されている。アレイ基板11には偏光板(偏光フィルム)145aが配置されており、対抗基板144には偏光板145bが配置されている。バックライト146の光源としては、蛍光管、白色LEDが用いられる。バックライト146から放射(出射)された光151は対向基板144側から入射し、液晶層143で変調されてアレイ基板11側から表示画素26を透過して出射される。
(4)読み取り動作
図15に示すように、アレイ基板11側に指あるいはイメージスキャナ対象物(画像紙)などの物体141が配置されていると、物体141がない箇所から出射された光151aはそのまま透過する。物体141があると物体で反射(光151b)される。反射された光151bはB位置のホトセンサ画素27に入射する。光151bが入射したホトセンサ画素27は、光151bの強度及び露光時間に対応して電荷がリークする。電荷のリーク量に対応してTFT62bのゲート端子電圧が変化し、TFT62bのオンオフ状態が決定される。物体141で反射される光は部分毎に強弱分布があるので、強弱にあわせて各ホトセンサ画素27が反応し、物体141に対応するイメージ分布を形成できる。
以上は、バックライト(表示装置148に配置された光発生手段)146からの光151を物体141に照射してホトセンサ64によるイメージ分布を形成する実施形態であった。図16は、物体141で外光151aを遮光し、ホトセンサ64で影と、光照射部を形成し、物体141の影のイメージ分布を形成するものである。外光151とは室内光、太陽光などである。
図16に示すように、物体141がない箇所の外光151aはそのまま、ホトセンサ画素27に入射する。入射したホトセンサ画素27のホトセンサ64は外光151aの強度に応じて電荷をリークする。ほとんどの場合が、前記外光151aが入射したホトセンサ画素27は電荷を放電し、TFT62bはオフ状態となる。
一方、図16に示すように、物体141がある箇所には外光151aが入射しない(物体141で遮光される)。したがって、B位置には外光は入射しない。したがって、B位置のホトセンサ画素27のホトセンサ64はほとんど電荷をリークしない。ほとんどの場合が、前記ホトセンサ画素27は電荷を保持し、TFT62bはオン状態(TFT62bがNチャンネルトランジスタの場合である。Pチャンネルトランジスタの場合は逆である)となる。したがって、物体141で外光151aを遮光し、ホトセンサ64で影と、光照射部を形成し、物体141の影のイメージ分布を形成することができる。
(5)光ペンによる動作
図17は光を発生するペン(光ペン)171の光発生手段からの光151b151bをホトセンサ画素27に照射し、照射された箇所をホトセンサ64で座標検出するものである。以上のように本実施形態は、光発生手段171で光を照射してホトセンサ64の挙動を引き起こすものであってもよい。他の構成、動作は以前に説明した実施形態と同様であるので説明を省略する。
なお、本実施形態は、アレイ基板11を外光入射側に配置するとしたが(図16の外光151a)、これに限定するものではない。対向基板144側を外光入射側に配置してもよい。
[2]平面表示装置の画像取り込み方法の実施形態の説明
以下、図面を参照しながら、上記実施形態の平面表示装置における画像取り込み方法の各実施形態について説明をする。なお、以下の実施形態において、画素16は上記で説明したいずれの画素構成であってもよい。
(第1の実施形態)
本実施形態の画像取り込み方法では、平面表示装置のアレイ基板11を指などの対象物で接触または覆った場合に、その位置に影ができる。そのため、この影をアレイ基板11上のマトリクス状で配された複数のホトセンサ画素27で検出して、その位置を特定する方法である。
(1)オン出力領域とオフ出力領域
まず、説明の前提となるオン出力領域とオフ出力領域について図88に基づいて説明する。
図88(a)に示すように、ホトセンサ画素27が指などの対象物に覆われた時は影ができて、ホトセンサ64からのリークがなくなりコンデンサ63が充電され、TFT64bのゲート端子電圧が上昇して、TFT64bがオン状態となる。このようなオン状態となったTFT64bを有するホトセンサ画素27が集合した平面的な領域をオン出力領域という。
図88(b)に示すように、ホトセンサ画素27が指などの対象物に覆われておらす、外光が入射すると、ホトセンサ64からリークがありコンデンサ63からのプリチャージ電圧が放電され、TFT64bのゲート端子電圧が下降して、TFT64bがオフ状態となる。このようなオフ状態となったTFT64bを有するホトセンサ画素27が集合した平面的な領域をオフ出力領域という。
(2)オン出力領域と影
図60は、図75に図示するように対象物として指671で表示領域10、すなわち、ホトセンサ画素27の形成領域を触れた状態を示している。また、図16のように、外光151を指671で遮光し、指の影を検出した状態を例として説明している。図60(a1)では、オン出力領域601a、601bが発生している。一方、図60(b1)はオン出力領域601が全く発生していない。
図60(a1)のオン出力領域601aが実際の指671aの影である。指671によりホトセンサ画素27がマトリックス状に形成または配置された表示領域10に、外光151が照射される領域と、指671による遮光領域が発生する。遮光された領域のホトセンサ画素27のNチャンネルトランジスタであるTFT62bがオン状態となり、オン出力が出力されている。この範囲が前記したオン出力領域601となる。図60(a1)では、本来の指671にも、外光151の強弱分布がありオン出力領域601bが発生している。オン出力領域601a、601bもほぼ円状であるため、オン出力領域601aは中心座標602aを持ち、オン出力領域601bは中心座標602bを持つ。中心座標602はオン出力領域601の輪郭を円として近似し、複数の直径の線分から求める。
(3)キャリブレーション
本実施形態では、オン出力領域601を1つにして、その位置を特定するため、キャリブレーションを実施する。図60(a1)において、プリチャージ電圧Vprcを低下させる。露光時間は一定値を維持する。図26に示すようにプリチャージ電圧Vprcは電子ボリウム261aにより、ホトセンサ処理回路18により制御する。プリチャージ電圧Vprcは0.1V刻みというように一定の刻みで変化させる。変化の割合はオン出力領域601の面積から判断する。
プリチャージ電圧Vprcの刻み数は64段階以上にする。可変範囲は1V以上とする。また、3V以下にする。オン出力領域601が大きい場合は、1度に変化させるプリチャージ電圧Vprcの可変幅は大きくする。オン出力領域601が小さい場合は、1度に変化させるプリチャージ電圧Vprcの可変幅は小さくする。
オン出力領域601の面積は、表示領域10内のホトセンサ画素27のTFT62bのオンしている個数である。つまり、オン出力領域601の面積は、表示領域10内のホトセンサ画素27のTFT62bのオンしている個数をカウントすることにより得ることができる。オンしている個数をカウントすることは容易である。各ホトセンサ出力信号線25のコンパレータ233の出力をカウントすればよいからである。
(4)コンパレータによるデータ化
本実施形態は、ホトセンサ出力信号線25に印加されたデータ信号がコンパレータ233により出力が2値化されているため、個数カウントが容易になっている特徴がある。なお、コンパレータ233の代わりにオペアンプを配置し、アナログデータを直接処理し、オン出力領域601を構成あるいは発生させてもよい。また、図9で説明したようにAD変換回路91で多値のデジタルデータとして処理してオン出力領域601を発生させてもよい。
なお、図60などの本実施形態において、表示領域10にオン出力領域601が表示されているように図示しているが、これは説明を容易にするためである。図60の表示領域10とは、ホトセンサ27の出力をマトリックス状に配置して処理を行ったデータ配列である。このデータ配列を表示領域10と一致させて説明することにより、影の状況あるいは発生状態が理解しやすくなる。
(5)プリチャージ電圧による操作と処理
プリチャージ電圧Vprcを低下させて、オン出力領域601を測定する。プリチャージ電圧Vprcの低下によりオン出力領域601の面積は縮小する。プリチャージ電圧Vprcの低下は、オン出力領域601bが消去するまで実施する。また、好ましくは、図60(a2)に図示するように、オン出力領域601bが消去し、オン出力領域601aが単独孤立の略円状になるまで、プリチャージ電圧Vprcを低下させる。
例えば、図62に示すように、オン出力領域601aはプリチャージ電圧Vprcの大きさにより変化する。プリチャージ電圧Vprcが高い場合は、図62(a)に図示するように、指671の影により、大きな面積のオン出力領域601aが形成されている。また、オン出力領域601aは表示領域10の一辺に接触している。
プリチャージ電圧Vprcを低下させると、オン出力領域601aの面積は縮小していく。オン出力領域601aが縮小すると図62(b)のように、オン出力領域601aは表示領域10の一辺から離れ、孤立領域となる。図62(b)のオン出力領域601aでは、座標中心は602aと602bの2点が発生する。
さらにプリチャージ電圧Vprcを低下させると、オン出力領域601aの面積はさらに縮小していく。オン出力領域601aがさらに縮小すると図62(c)のように、オン出力領域601aは円状に近くなり、座標中心は602aの一点となる。
以上の図62(c)の状態までプリチャージ電圧Vprcを低下させて時点で、キャリブレーションが完了となる。以上の実施形態はプリチャージ電圧Vprcを変化させてキャリブレーションとする。
(5−1)プリチャージ電圧などの保持
なお、プリチャージ電圧Vprcは、図11で説明したように、外光151の強さに対応して変化させる。特に初期値は外光の強さに基づいて設定する。また、前回のキャリブレーションでの値(プリチャージ電圧Vprc、露光時間Tcなど)をメモリしておき、この値を初期値として使用する。
(5−2)プリチャージ電圧の設定と最適化
オン出力領域601は、多種多様な発生状態になる。例えば、図64(a)に図示するように、目的のオン出力領域601b以外にオン出力領域601a、601cが発生したりする。また、図64(b)に図示するように、目的のオン出力領域601aの周辺に円弧状にオン出力領域601bが発生する場合がある。図64(b)は光ペン171を使用した場合によく発生するオン出力領域601の分布である。以上の場合であっても、プリチャージ電圧Vprcを適正に設定あるいは調整することにより目的のオン出力領域601のみにすることができる。
オン出力領域601が1つであっても、プリチャージ電圧Vprcの設定により、オン出力領域601の形状は多種多様になる。例えば、図65に図示するようになる。図65(a)は、オン出力領域601が比較的大きく、中心座標602が1つの場合である。この場合は、オン出力領域601から中心座標を求めるときに中心座標602の位置が揺らぎやすい。そのため、中心座標602が指671の中心位置を示しているかの精度がない。したがって、図65(b)の状態となるように、プリチャージ電圧Vprcを低くするか、露光時間Tcを長くする。
図65(b)は、オン出力領域601が狭く、中心座標602が1つの場合である。プリチャージ電圧Vprcあるいは露光時間Tcが適正に設定され、最も好ましい状態である。この場合は、オン出力領域601から中心座標を求めるときに中心座標602の位置が固定される。したがって、中心座標602が指671の中心位置を示す。
図65(c)は、オン出力領域601が比較的大きく、形状が歪であるが、中心座標602が1つの場合である。この場合は、オン出力領域601から中心座標を求めるときに中心座標602の位置が揺らぎやすい。したがって、中心座標602が指671の中心位置を示しているかの精度がない。図65(c)の場合は、図65(a)よりも、プリチャージ電圧Vprcを低く、または露光時間Tcを長くする必要がある。
図65(d)は、オン出力領域601が比較的大きく、形状が歪であり、中心座標602が2つの場合である。図65(d)のように、オン出力領域601が1つで、中心座標602が複数ある場合は、キャリブレーションは必ず再設定(再調整)する必要がある。図65(d)の場合は、図65(c)よりも、さらにプリチャージ電圧Vprcを低く、または露光時間Tcを長くする必要がある。
オン出力領域601は、領域601内のホトセンサ画素27のすべてTFT62bがオン状態となっているのではない。図61に図示するように、ホトセンサ画素27が完全にオン状態が維持されている領域601aの外側にオン状態とオフ状態のTFT62bが混ざった混合オン出力領域601bが発生することが多い。
図61(a)では、完全オン出力領域601aの周辺に広い面積で、混合オン出力領域601bが取り囲んでいる。図61(b)では、完全オン出力領域601aの周辺に狭い面積で、混合オン出力領域601bが取り囲んでいる。以上の場合は、単位面積あたりのホトセンサ画素27にオン状態の個数をカウントし、設定以上のオン状態の個数がある範囲(単位面積)をオン出力領域601として処理すればよい。
(6)ホトセンサ処理回路
ホトセンサ処理回路15は、表示領域10からコンパレータ233を介してホトセンサ出力情報を入手し、オン出力領域601の面積、中心座標値602を検出する。また、キャリブレーションを実施する。図86(a)に図示するように、ホトセンサ処理回路15は中心座標値(X座標値、Y座標値:X、Yは各8ビットである)をマイコン(図示せず)に送る。また、状態の信号ISTの8ビットをマイコンに送る。ISTの情報としては、図86(b)に図示するように、コード1のキャリブレーション中、コード2の座標検出中などである。
また、図87(b)に図示するように、オン出力領域601に関する情報もマイコンに送出する。例えば、コード0はオン出力領域601がなかったことである。コード1はオン出力領域601の面積が所定値よりも大きかったことである。コード2はオン出力領域601の面積が所定値の範囲内であったことを示す。コード3はオン出力領域601の面積が所定値よりも小さく、したがって、キャリブレーションを実施すべきという情報である。コード4は中心座標が複数存在するという情報である。
(7)第1の変更例
上記実施形態は、キャリブレーションにおいて、プリチャージ電圧Vprcを変化させる実施形態であった。しかし、本発明はこれに限定するものではない。例えば、図28で説明したように、露光時間Tcを調整しても図62の変化を実現できる。
例えば、露光時間Tcが短い場合は、図62(a)に図示するように、指671の影により、大きな面積のオン出力領域601aが形成されている。また、オン出力領域601aは表示領域10の一辺に接触している。
露光時間Tcを長くすると、オン出力領域601aの面積は縮小していく。オン出力領域601aが縮小すると図62(b)のように、オン出力領域601aは表示領域10の一辺から離れ、孤立領域となる。図62(b)のオン出力領域601aでは、座標中心は602aと602bの2点が発生する。
さらに露光時間Tcを長くすると、オン出力領域601aの面積はさらに縮小していく。オン出力領域601aがさらに縮小すると図62(c)のように、オン出力領域601aは円状に近くなり、座標中心は602aの一点となる。
露光時間Tcも、図28で説明したように、外光151の強さに対応して変化させる。特に初期値は外光の強さに基づいて設定する。また、前回のキャリブレーションでの値(プリチャージ電圧Vprc、露光時間Tcなど)をメモリしておき、この値を初期値として使用する。
例えば、図60(a1)の状態において、露光時間が100Hであるとする(水平走査期間(1H)の100倍)。露光時間Tcの調整または変化は、1H単位で実施することが好ましい。露光時間Tcもホトセンサ処理回路18で制御する。
ホトセンサ処理回路18により、露光時間Tcを長くし、オン出力領域601を測定する。プリチャージ電圧Vprcは一定電圧を維持する。露光時間Tcの増大によりオン出力領域601の面積は縮小する。露光時間Tcの増大は、オン出力領域601bが消去するまで実施する。露光時間Tcを増大させると、ホトセンサ64をリークする電荷量が増大し、TFT62bのゲート端子電圧が低下し、TFT62bがオフ状態となる。したがって、オン出力領域601は減少する。また、好ましくは、図60(a2)に図示するように、オン出力領域601bが消去し、オン出力領域601aが単独孤立の略円状になるまで、露光時間Tcを増大させる。
(8)第3の変更例
オン出力領域601の変化は、露光時間Tc、プリチャージ電圧Vprc単独の変化だけでなく、露光時間Tcとプリチャージ電圧Vprcの両方を組み合わせて実施してもよい。その他、比較電圧(コンパレータ)Vrefを変化させてもオン出力領域601を変化あるいは調整できる。
(9)第3の変更例
オン出力領域601の変化あるいは変更は、露光時間Tc、プリチャージ電圧Vprc単独の変化だけでなく、露光時間Tcとプリチャージ電圧Vprcの両方を組み合わせて実施してもよい。
(10)第4の変更例
比較電圧(コンパレータ)Vrefを変化させてもオン出力領域601を変化あるいは調整できる。
ホトセンサ出力信号線25に出力されるTFT62bの出力電圧は、TFT62bのゲート端子の電圧により変化するからである。ゲート端子電圧はホトセンサ64のリーク量により変化する。したがって、ホトセンサ64の端子電圧でホトセンサ出力信号線25に出力するTFT62bの電圧は異なる。コンパレータ233の比較電圧(コンパレータ電圧)Vrefを変化さることによりオン出力領域601を変化させることができる。
(11)第5の変更例
TFT62bの出力の取り込みタイミング、ICよりなるソースドライバ回路14からの映像信号の大きさ/出力タイミング、表示画素26の画像表示状態、感度の異なるホトセンサ64の選択(図9で説明)によってもオン出力領域601を変化あるいは可変もしくは調整することができる。
(12)第6の変更例
露光時間の長さ、プリチャージ電圧Vprcの大きさ、比較電圧Vrefの大きさ、TFT62bの出力の取り込みタイミング、ソースドライバ回路14からの映像信号の大きさ/出力タイミング、表示画素26の画像表示状態、感度の異なるホトセンサ64の選択のうち、1つ以上を選択し、また複数を組み合わせて、オン出力領域601の範囲、大きさ、オン出力領域601の発生の有無などを調整あるいは可変してもよい。
(13)第7の変更例
ホトセンサ画素27のTFT62bがPチャンネルトランジスタの場合は、露光時間Tc、プリチャージ電圧Vprcの大きさ、比較電圧(コンパレータ電圧)Vrefの大きさなどの制御は、上記実施形態と逆の方向に制御すればよい。
(第2の実施形態)
図60(a1)のように、本来の指671にも、外光151の強弱分布がありオン出力領域601bが発生している場合は、キャリブレーションを実施し、図60(a2)のように、表示領域10に1つの孤立領域となるように、かつ孤立領域601aが略円状となるようにする。オン出力領域601aの中心座標602aはマイコン(図示せず)に指の検出座標として送出される。
図60(b1)も図60(a1)と同様に表示領域10に指671の影が発生している。しかし、表示領域10にはオン出力領域601はない。この原因は、露光時間Tcが長すぎること、プリチャージ電圧Vprcが低すぎることが主として考えられる。
(1)キャリブレーションとプリチャージ電圧
図60(b1)の場合は、オン出力領域601を発生させるために、キャリブレーションを実施する。図60(b1)において、プリチャージ電圧Vprcを上昇させる。露光時間は一定値を維持する。プリチャージ電圧Vprcは電子ボリウム261aにより、ホトセンサ処理回路18により制御する。プリチャージ電圧Vprcは0.1V刻みというように一定の刻みで変化させる。プリチャージ電圧Vprcを上昇させていくと、図60(b2)のようにオン出力領域601が出現する。プリチャージ電圧Vprcの刻み幅は、1刻みのプリチャージ電圧Vprcに対するオン出力領域601の面積の増大が大きいときは、変化するプリチャージ電圧Vprcは小刻みにする。1刻みのプリチャージ電圧Vprcに対するオン出力領域601の面積の増大が小さいときは、1度に変化させるプリチャージ電圧Vprcの変化は大きくする。
プリチャージ電圧Vprcを上昇することにより、表示領域10のホトセンサ画素27内におけるTFT62bのオン個数は増大していく。オン出力領域601の面積は、表示領域10内のホトセンサ画素27のTFT62bのオンしている個数である。オン個数の増大あるいは減少の割合(変化速度、変化比率)は、表示領域10内のホトセンサ画素27のTFT62bのオンしている個数を、プリチャージ電圧Vprcの変化に同期してカウントすることにより得ることができる。オンしている個数をカウントすることは容易である。各ホトセンサ出力信号線25のコンパレータ233の出力をカウントすればよいからである。以上の事項は図60(a)の実施形態においても適用できる。
オン個数の割合(変化速度、変化比率)の検出は、ホトセンサ出力信号線25に印加されたデータ信号がコンパレータ233により出力が2値化されているため、個数カウントが容易になる。なお、コンパレータ233の代わりにオペアンプを配置し、アナログデータを直接処理し、オン出力領域601を構成あるいは発生させてもよい。また、図9で説明したようにAD変換回路91で多値のデジタルデータとして処理してオン出力領域601を発生させてもよい。
プリチャージ電圧Vprcを上昇させて、オン出力領域601を測定する。プリチャージ電圧Vprcの上昇によりオン出力領域601の面積は拡大する。プリチャージ電圧Vprcの上昇は、オン出力領域601が複数になる直前か、オン出力領域601の面積が規定値の大きさとなるまで実施する。オン出力領域601が複数になれば、ホトセンサ処理回路18により容易に検出できる。オン出力領域601が複数になれば、プリチャージ電圧Vprcを低下させて、オン出力領域601が1つとなるプリチャージ電圧Vprcに設定しなおす。
(2)オン出力領域の面積
オン出力領域601の面積の最大面積は予め規定しておく。オン出力領域601の面積は、表示領域10内のホトセンサ画素27のTFT62bのオンしている個数である。オン個数をカウントし、カウント値と予め規定されたカウント値とを比較することにより、所定のオン出力領域601の面積が超えたかどうかを判断できる。オン出力領域601が最大面積を超えた場合は、プリチャージ電圧Vprcを低下させて、オン出力領域601が規定の面積以下となるようにする。
(3)中心座標
以上の動作により、図60(b2)に図示するように、オン出力領域601が単独孤立の略円状になるまで、プリチャージ電圧Vprcを低下させる。オン出力領域601の中心座標602aマイコン(図示せず)に指の検出座標として送出される。
(4)第1の変更例
上記実施形態は、プリチャージ電圧Vprcを変化させて、オン出力領域601の面積、大きさを可変するものであった。しかし、本実施形態のキャリブレーションは、図60(a)でも説明したように、露光時間Tcを変化させてもよい。例えば、図60(b1)の状態において、露光時間が100Hであるとする(水平走査期間(1H)の100倍)。
露光時間Tcを短縮し、オン出力領域601を測定する。露光時間Tcの短縮によりオン出力領域601の面積が発生あるいは増大する。露光時間Tcの短縮は、オン出力領域601bが消去するまで実施する。また、好ましくは、図60(b2)に図示するように、オン出力領域601が発生し、オン出力領域601が一定の面積を注する単独孤立の略円状になるまで、露光時間Tcを短縮させる。
(5)第2の変更例
オン出力領域601の変化あるいは変更は、露光時間Tc、プリチャージ電圧Vprc単独の変化だけでなく、露光時間Tcとプリチャージ電圧Vprcの両方を組み合わせて実施してもよい。その他、比較電圧(コンパレータ)Vrefを変化させてもオン出力領域601を変化あるいは調整できる。
(6)第3の変更例
TFT62bの出力の取り込みタイミング、ソースドライバ回路14からの映像信号の大きさ/出力タイミング、表示画素26の画像表示状態、感度の異なるホトセンサ64の選択(図9で説明)によってもオン出力領域601の出現あるいは面積の変化あるいは可変もしくは調整することができる。
(7)第4の変更例
また、露光時間の長さ、プリチャージ電圧Vprcの大きさ、比較電圧Vrefの大きさ、TFT62bの出力の取り込みタイミング、ソースドライバ回路14からの映像信号の大きさ/出力タイミング、表示画素26の画像表示状態、感度の異なるホトセンサ64の選択のうち、1つ以上を選択し、また複数を組み合わせて、オン出力領域601の範囲、大きさ、オン出力領域601の発生の有無などを調整あるいは可変もよい。
(8)第5の変更例
ホトセンサ画素27のTFT62bがPチャンネルトランジスタの場合は、露光時間Tc、プリチャージ電圧Vprcの大きさ、比較電圧(コンパレータ電圧)Vrefの大きさなどの制御は、上記実施形態と逆の方向に制御すればよい。
図60(b2)のように、表示領域10に1つの孤立領域となるように、かつ孤立領域のオン出力領域601が略円状となるようにする。オン出力領域601の中心座標602はマイコン(図示せず)に指の検出座標として送出される。
(9)第2の実施形態の効果
以上のように、本実施形態は、オン出力領域601を操作(調整あるいは可変)することを目的としてキャリブレーションを実施することを特徴とする。また、キャリブレーションは、表示領域10(あるいはホトセンサ画素27の形成領域、この領域を本実施形態において表示領域10と同一あるいは略一致するとしている)において、オン出力領域601が1つとなるようにすること、さらに好ましくは、オン出力領域601が単独の孤立領域となるように(図60(a2)、(b2)の状態)すること、さらに好ましくはオン出力領域601の単独の孤立状態の形状が略円状となり、前記略円状の中心座標(図60(a2)、(b2)の602)が1つに特定されるようにすることを特徴としている。
また、表示領域10においてホトセンサ64、TFT62bなどの特性バラツキに影響されないようにするため、表示領域10をマトリックス状に区分し、前記マトリックス状の区分内において平均値、あるいはオン出力数をカウントし一定以上のカウント数でオンまたはオフ状態のマトリックス区分と判定することにより、マトリックスの区分で1つの判断データとして処理と行う。この判断データでオン出力領域601を構成する。なお、マトリックスの区分とはホトセンサ画素27あるいは画素16が縦10個x横10個となるように区分して処理をすることを意味する。
(第3の実施形態)
上記実施形態は、入力対象物の位置座標を検出するとして説明しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、表示領域10に指が触れられたことを検出することも、本実施形態の目的である。
(1)指などが触れた位置の検出
指671で表示領域10を触れ、触れた位置を検出する場合は、指671の先端座標を検出することが重要になる。指671で表示画面10を触れた場合は、図63(a)に図示するように、指671が最も遮光状態が強くなる。したがって、指671の先端部のオン出力領域601を検出する。しかし、指671の部分の一部は遮光状態である。したがって、この部分にもオン出力領域601となりやすい。そのため、プリチャージ電圧Vprcなどを調整し、オン出力領域601が円状になるように、またオン出力領域601の面積が小さくなるようにすることが重要である。
また、図63(b)に図示するように、画面10の設定(配置)方向の情報も重要となる。図63(b)は携帯表示装置に本実施形態の表示パネル148を配置した構成である。図63(b1)は本実施形態の表示パネルを横長方向になるようにして、指671による入力を行った場合である。図63(b2)は本実施形態の表示パネルを縦長方向になるようにして、指671による入力を行った場合である。
(2)表示パネルの配置方向
図63(a)に図示するように、指671の根元のAの箇所は影になりやすい。したがって、オン出力領域601になりやすい。表示パネル148がどのような方向に配置されているかの情報を知ることができれば、指671の根元のAの箇所を判断することができ、このA箇所のオン出力領域601を除外して指671の先端部のオン出力領域601を抽出できる。以上のように、本実施形態は、表示パネルの配置方向の情報(図63(b1)(b2))を使用することにも特徴がある。
指671入力する箇所を表示領域10内で特定できれば、さらに指入力の座標位置あるいは指入力されたことを検出することが容易となる。図66はその実施形態である。
(第4の実施形態)
図66(a)では、表示パネル148の表示領域10に指671入力が可能な領域661を指定する表示部661を表示している。この表示部661のみが指入力が可能である。実際には、表示領域10全体に指入力が可能なホトセンサ画素27が形成されている。指671の影の検出は、図66の表示部661に対してのみ行う。以上のように表示部661を設けることにより、指入力の座標検出処理が容易になり、また、高速処理を実現できる。
(1)複数の表示部661
図66(a)は指671入力(対象物の入力)が可能な範囲(表示部)661が1つの場合であった。しかし、本実施形態はこれに限定するものではなく、図66(b)に図示するように、表示部661が複数形成あるいは配置してもよい。各表示部661に指671が触れた時に入力として判断あるいは処理される。他の領域に指が触れても入力として判断あるいは処理されない。入力は無効である。
(2)表示部661の形態
なお、表示部661は、黒表示、白表示など1色からなる表示とすることが好ましい。さらに好ましくは同一の色で、同一の階調で表示されることが好ましい。表示部661はバックライトからの放射された光が指などの対象物で反射し、反射される光をホトセンサ画素27で検出する場合は白表示とする。バックライトなどからの光を最も減衰することなく、対象物を照明するためである。表示部661は、太陽光など外光を、指などの対象物で遮光し、影をホトセンサ画素27で検出する場合は黒表示とする。バックライトからの光の影響を低減するためである。
なお、白表示、黒表示とは、完全な白ラスター、黒ラスター表示に限定するものではない。反射光を使用する場合はより白表示(液晶パネルの透過率が高い)の方がよい。外光の影を検出する場合は、より黒表示(液晶パネルの透過率が低い)の方がよい。また、白表示、黒表示とは行ってもアイコンなどの画像が表示されていてもよい。したがって、反射光を使用する場合は、検出する表示部661の平均輝度(照度)が最大輝度(照度)の1/2以上であればよい。外光の影を検出する場合は、検出する表示部661の平均輝度(照度)が最大輝度(照度)の1/2未満であればよい。
表示部661は、無地であることが好ましい。ホトセンサ64の出力は映像信号の影響も受けやすいからである。1色の均一表示とすることにより映像信号の影響がなくなる。ただし、1色の均一表示とは、全く無地の表示に限定されるものではない。また、階調が異なっていてもよい。例えば、表示部661に数字などが他の色あるいは階調で表示されていてもよい。アイコン表示されていてもよい。本実施形態では、表示部661の1色の部分が大半を占めるという条件にかなえばよい。大半とは少なくも表示部661の50%以上の部分が1色で占められていればよい。また、表示部661は、同一の階調が50%以上で構成されていればよい。
また、図66(b)に図示するように、表示部661が複数ある場合も、複数の表示部661が同一の色、好ましくは同一の階調で表示する。各表示部661の50%以上100%以下が同一の色であればよい。
(第5の実施形態)
図11、図28で説明したように、外光151の強度にあわせてキャリブレーションを実施し、露光時間Tc、プリチャージ電圧Vprcなどを適正に調整する必要がある。このキャリブレーションを容易にする方式を図67に図示している。
(1)表示領域10の表示部の構成
表示領域10は、表示部661a、表示部661bで構成されている。表示部661aには、この領域に指671を押し当てることの指示と、指671を押し当てる輪郭などが表示されている。表示部661bは、指671の押圧した状態とキャリブレーション状態を表示する。表示部661bの表示は、ソースドライバ回路14により行う。
(2)キャリブレーションとプリチャージ電圧
表示部661aに指671を触れると、キャリブレーションを実施する。キャリブレーションはキー542を押さえることにより開始する。もしくは、指671が触れたことを検出して開始する。キー542を押さえるか、表示部661aに指671が触れると、キャリブレーションが開始する。プリチャージ電圧Vprcを変化させ、オン出力領域601を検出する。検出されたオン出力領域601はオン出力画像672として、表示部661bに表示される。オン出力領域601のホトセンサ画素27のTFT62bのオン状態部は、表示部661bの黒で表示される。オフ状態部は表示部661bに白で表示される。
プリチャージ電圧Vprcを変化させると、プリチャージ電圧Vprcに応じてオン出力領域601の状態は変化する。プリチャージ電圧Vprcは低い電圧から高い電圧にゆっくりと変化し、また、プリチャージ電圧Vprcは高い電圧から低い電圧に変化する。つまり、プリチャージ電圧Vprcは所定の電圧範囲内で高低を繰り返す。
操作者は、表示領域661bの表示状態を見ながら、最もオン出力画像672が黒表示になる時点、表示部661bの白、黒(オン出力画像672)が最もはっきりと識別できる範囲で、指671を表示部661aから離す。指671を離すことにより、プリチャージ電圧Vprcの変化を停止、停止した時のプリチャージ電圧Vprcを記憶する。または、キー542を押圧して終了させる。キー542の押圧により、プリチャージ電圧Vprcの変化を停止、停止した時のプリチャージ電圧Vprcを記憶する。また、必要に応じて、このプリチャージ電圧Vprcから一定の電圧を加算あるいは減算した値と真のプリチャージ電圧Vprcとして記憶する。
このプリチャージ電圧Vprcが最も指671の影を良好に検出でき、指671が押さえられた座標位置を正確に検出できる値である。以降は、キャリブレーションを実施せずとも良好に指671の入力を良好に検出できる。もしくは、このプリチャージ電圧Vprcから、必要に応じて一定間隔でキャリブレーションを実施すればよい。
(3)変更例
なお、上記実施形態は、プリチャージ電圧Vprcを変化させてキャリブレーションを実施するとしたが、露光時間Tcを変化させてもよい。
また、図60で説明したように、比較電圧(コンパレータ電圧)Vrefを変化あるいは調整してもよいし、他の調整項目(TFT62bの出力の取り込みタイミング、ソースドライバ回路14からの映像信号の大きさ/出力タイミング、表示画素26の画像表示状態、感度の異なるホトセンサ64の選択など)を調整あるいは変化させて、キャリブレーションを実施してもよい。
また、組み合わせてキャリブレーションを実施してもよい。
以上の事項は本発明の他の実施形態にも適用できる。しかし、本明細書では説明を容易にするため、キャリブレーションはプリチャージ電圧Vprcを調整することを中心に説明する。露光時間Tcなどの調整によるキャリブレーションも容易に置き換えて実施できるからである。
(第6の実施形態)
図68は図67に加えて表示部661cを表示した実施形態である。表示部661cは、オン出力画像672の状態を示す。表示部661cはレベルメーターの表示である。中央部のbestが最良の状態である。highはプリチャージ電圧Vprcが高すぎ、表示部661aの全体がオン出力領域(TFT62bがオン状態)となっていることを示す。つまり、指671による影の領域を含め、外光が照射された領域までオン出力状態となっていることを示す。lowはプリチャージ電圧Vprcが低すぎ、表示部661aの全体のTFT62bがオフ状態となっていることを示す。つまり、指671による影の領域を含め、外光が照射された領域までTFT62bがオフ出力状態となっていることを示す。つまり、ホトセンサ64に印加するプリチャージ電圧VprcがTFT62bのオン電圧以下である。
(1)プリチャージ電圧とキャリブレーション
プリチャージ電圧Vprcはlowに該当する電圧から、highに該当する電圧間を変化する。プリチャージ電圧Vprcがlow電圧(最小プリチャージ電圧Vprc)の場合は、表示部661bの全体領域が白表示となる。プリチャージ電圧Vprcがhigh電圧(最大プリチャージ電圧Vprc)の場合は、表示部661bの全体領域が黒表示となる。bestは概略lowとhighの中間電位の場合が多い。best電圧の場合は、指671の影部分が黒表示となり、他の外光が照射された部分は白表示となる。
操作者が、表示部661aに指671を触れると、キャリブレーションを実施する。キャリブレーションはキー542を押さえることにより開始する。もしくは、指671が触れたことを検出して開始する。キー542を押さえるか、表示部661aに指671が触れると、キャリブレーションが開始する。プリチャージ電圧Vprcを変化させ、オン出力領域601を検出する。検出されたオン出力領域601はオン出力画像672として、表示部661bに表示される。また、表示部661cのレベルメーターを見ながら良好な位置(プリチャージ電圧Vprc)を探る。
また、操作者は、指671が表示部661bのA、B範囲に入るように指671の位置調整を行う。指の位置を規定範囲内に配置することにより、表示部661bのオン状態部(黒表示)と白状態部(白表示)との比率が一定以内に入る。したがって、レベルメーター661cによる調整が容易になる。
プリチャージ電圧Vprcを変化させると、プリチャージ電圧Vprcに応じてオン出力領域601の状態は変化し、レベルメーター表示661cも変化する。プリチャージ電圧Vprcは低い電圧から高い電圧にゆっくりと変化し、また、プリチャージ電圧Vprcは高い電圧から低い電圧に変化する。つまり、プリチャージ電圧Vprcはレベルメーター表示661cの上下の電圧範囲内で繰り返す。
操作者は、表示領域661cの表示状態を見ながら、best位置になった点で、指671を表示部661aから離す。指671を離すことにより、プリチャージ電圧Vprcの変化を停止、停止した時のプリチャージ電圧Vprcを記憶する。または、キー542を押圧して終了させる。キー542の押圧により、プリチャージ電圧Vprcの変化を停止、停止した時のプリチャージ電圧Vprcを記憶する。また、必要に応じて、このプリチャージ電圧Vprcから一定の電圧を加算あるいは減算した値と真のプリチャージ電圧Vprcとして記憶する。
(2)キャリブレーションの初期電圧
キャリブレーションの初期電圧を求めるには、図69のように表示装置を構成することがよい。筐体643に取り付けられて表示パネル148の一部に遮光部691を形成する。遮光部691は光を透過しない物体で構成される。例えば、金属板や、反射シートが例示される。光吸収部材で構成された樹脂フィルムなどでもよい。
(3)遮光部691
遮光部691のホトセンサ画素27には、外光151は入射しない。したがって、前記ホトセンサ画素27に印加されたプリチャージ電圧Vprcは、露光時間Tcに関わらず保持される。高いプリチャージ電圧Vprcから低いプリチャージ電圧Vprcに変化させていくと、TFT62bがオン状態からオフ状態に変化する。オン状態かオフ状態から変化する電圧を最低のプリチャージ電圧Vprcとする。このプリチャージ電圧Vprcが図68のlowに該当する。なお、露光時間Tcによりキャリブレーションを実施する場合も同様である。以上のように、本実施形態は、完全遮光あるいはほとんど光が照射されない状態でプリチャージ電圧Vprcあるいは露光時間Tcなどを調整し、TFT62bがオン状態からオフ状態に変化する、あるいはオフ状態からオン状態に変化するプリチャージ電圧Vprc、露光時間Tcなどを測定し、この値もしくはこの値から求められた値をキャリブレーションデータとして用いることを特徴とする。
(4)外光など強度の差異による制御
キャリブレーションには外光151の強度を把握することが重要である。外光151が弱い時は、例えば低いプリチャージ電圧Vprcからキャリブレーションを開始する。外光151が強い時は、例えば高いプリチャージ電圧Vprcからキャリブレーションを開始する。適正なプリチャージ電圧Vprcなどからキャリブレーションを開始することにより、対象物(指など)671を良好に検出できるようになり、また設定時間も短時間で実施できる。
(5)外光センサ701
図70は、外光151の強度を検出する外光センサ701を携帯電話の表示領域10近傍に配置した構成である。なお、符号702はスピーカ−である。外光センサとしてPINダイオードが例示される。外光センサは外光を電流信号に変換し、変換された電流信号はオペアンプ回路により電圧に変換される。外光センサは低い外光を検出する低外光センサ701bと強い外光を検出する高外光センサ701aが配置されている。
外光が強い時は、低外光センサ701bは出力が飽和するので、高外光センサ701aを使用する。外光が弱い時は、高外光センサ701aの出力レベルが低いので、低外光センサ701bを使用する。外光センサ701の出力によりプリチャージ電圧Vprcあるいは露光時間Tcなどの初期値を設定する。
外光センサ701は図71に図示するように、少なくとも携帯電話(平面表示装置)の使用を開始する際、外光151を受けるようにして使用する。一度、キャリブレーションを実施し、プリチャージ電圧Vprcなどを設定すれば、以降は外光センサ701を使用する必要がない場合が多い。
(第7の実施形態)
以下、指671などの対象物がフォースセンサ712によって表示領域10(ホトセンサ画素27の形成領域)に触れたか否かを検出する方法を説明する。
(1)フォースセンサ712による接触検出
対象物の検出は、図71に図示するように、フォースセンサ712を使用する。フォースセンサ712としては、例えば微小荷重を高精度で検出することができる。
なお、フォースセンサ712として、感圧導電ゴムなどでもよい。感圧導電ゴムは押圧されることにおり、抵抗値が低下し、押圧されたことを検出できる。その他、保護カバー711を触れた時に発生する振動、音によって動作するものであってもよい。例えば、振動センサ、小型マイクなどが例示される。また、光センサを具備し、対象物671が表示領域10に触れた時に必ず光センサの光入射光をさえぎるように構成してもよい。
したがって、フォースセンサ712とは、圧力センサだけでなく、外部からの信号(押圧、振動、音、光)などにより、対象物671が表示領域(保護カバーなどの間接物も含む)10に’触れた’ことを直接的にあるいは間接的に検出できるものであればいずれのものであってもよい。
以下の説明では説明を容易にするため、フォースセンサ712として説明するが、フォースセンサ712は検出手段としての広範囲なものが技術的範疇である。光の遮光により検出するホトセンサでもよいし、圧力導電ゴムなどを用いた接触センサでもよい。また、タッチパネルでもよい。
(2)接触検出方法
指671などの検出対象物は、表示パネル149の上方にあっても、その影が表示パネル148の表示領域10に投影されることがある。当然、指671などの対象物が表示領域10に触れられた時にも影が投影される。本実施形態で検出したいのは、指671などの対象物が表示領域10に触れた時であり、その指の座標位置である。指671などの対象物が表示領域10に触れた時を確実に検出するための方法を以下に説明する。
(2−1)押圧信号の検出
図72の断面図に示すように、本実施形態の表示パネル148の上には、所定間隔離して、アクリル板などからなる透明の保護カバー711が配置されている。保護カバー711と筐体543間には、フォースセンサ712とスポンジあるいはゴムなどからなる緩衝材721が配置されている。
保護カバー711が押圧されると、保護カバー711を介してフォースセンサ712が押される。フォースセンサ712は押圧されると、押圧信号をホトセンサ処理回路18に出力する。フォースセンサ712の押圧は、保護カバー711が押圧されると、押された位置に関わらず発生するように構成されている。
ホトセンサ処理回路18は、押圧信号を受信すると、表示パネル148に対してキャリブレーションを実施する。このキャリブレーションの方法は以前に説明したので説明を省略する。なお、キャリブレーションは表示パネルあるいは本実施形態の平面表示装置の電源オン時などに予め実施しておいてもよいことは言うまでもない。また、随時、一定間隔で実施してもよい。また、フォースセンサ712などが動作したとき、指などの対象物671が表示領域10(保護カバー711)を触れた時に実施してもよい。
(2−2)押圧位置の検出
次に、ホトセンサ処理回路18は、表示領域10のどの箇所に対象物(指)671が触れられているかを検出する。検出は図60などで説明したようにオン出力領域601を検出し、オン出力領域601から中心座標602を検出あるいは演算することにより求まる。
以上のように、対象物671が’触れたこと’という情報を入手し、一方で、オン出力領域601が発生し、かつ中心座標602が発生していることとの一致をとる。したがって、確実な対象物671の中心座標を入手できる。
(2−3)フォースセンサ712の配置
図72において、フォースセンサ712は1箇所であった。しかし、本実施形態はこれに限定するものではない。例えば、図73に図示するように、表示パネル148の左右の2箇所(712a、712b)に配置してもよい。2箇所にフォースセンサ712が配置され、保護カバー712に押圧された圧力が両方のホースセンサ(712a、712b)に伝達される。図74は図73の平面図及びAA’線での断面図である。図74(a)に図示するように、突起741を介してフォースセンサ712に保護カバー711に印加されて圧力が伝達される。
フォースセンサ712aの圧力値と、フォースセンサ712bの圧力値の差異から、保護カバー711のどの位置(A,B,C)に対象物671が触れたかを検出することができる。したがって、オン出力領域601による座標位置検出と組み合わせることにより高精度の座標を確定できる。なお、フォースセンサ712は図73の1、2位置にも配置してもよい。1、2位置に配置することにより、D、E位置に対象物671が触れたことのみならず、F、G、H、I位置に触れたことをも検出できる。
(第8の実施形態)
上記実施形態では、検出センサであるフォースセンサ712により、対象物(指)671が表示領域10に触れたことを検出するものであった。したがって、センサ712などが必要であった。以下の本実施形態は、センサ712を使用せず、対象物712が表示領域(保護カバー711などの間接物も含む)10に触れたことを検出する。
(1)クリックによる接触検出
以下の本実施形態は、ダブルクリック(トリプルクロック)など、特定の時間間隔あるいは特殊パターンを発生し、特定条件と一致あるいは合致することを検出することにより、外光や不要な影の影響を除外する。したがって、フォースセンサ712は不要である。
図75はダブルクリックで入力があったことを検出するものである。ダブルクリックは、1回目に表示画面10に指671が触れた後、一定間隔後、次に表示画面10に指671が触れたことを検出する。つまり、同一表示領域10の特定箇所に対して、1回目入力、特定間隔、2回目入力が一組をなり該当箇所に入力されたことを検出する。特定間隔は所定範囲を規定する。この所定範囲以外に2回目の入力があった場合は、入力とは判断されない。所定範囲(時間)は0.1秒以上1秒以下である。好ましくは所定範囲とは0.1秒以上0.5秒以下である。なお、キャリブレーションなどに関する事項は、以前に説明したので説明を省略する。
図75(a)は1回目の入力(クリック)であり、図75(b)は特定間隔での状態を示す。図75(c)は2回目の入力の状態を示している。つまり、ダブルクリック入力である。図75(a)のように、指671により保護カバー711(表示領域10)に指671の影751aができる。この影751aにより発生するオン出力領域601を検出する。図75(b)の特定間隔では、指671が保護カバー711(表示領域10)の上方にある(指671が保護カバー711(表示領域10)に触れられていない)。したがって、指671の影751bは、保護カバー711に投影される。しかし、影751bは図75(a)の影751aより薄くなる。
図75(a)(b)(c)でのキャリブレーションを同一にしておけば、図75(a)でのオン出力領域601の面積と、75(b)でのオン出力領域601の面積が異なる。基本的には図75(a)でのオン出力領域601の面積とよりも、75(b)でのオン出力領域601の面積の方が狭くなる。
図75(b)は2回目の入力(クリック)である。図75(b)のように、指671により保護カバー711(表示領域10)に指671の影751aができる。この影751aにより発生するオン出力領域601を検出する。図75(b)の特定間隔では、指671が保護カバー711(表示領域10)の上方にある。指671が保護カバー711(表示領域10)に触れられていない。したがって、指671の影751bは、保護カバー711に投影される。しかし、影751bは図75(a)の影751aより薄くなる。
図75(a)(b)(c)でのキャリブレーションを同一にしておけば、図75(a)でのオン出力領域601の面積と、75(b)でのオン出力領域601の面積が異なる。基本的には図75(a)でのオン出力領域601の面積よりも、75(b)でのオン出力領域601の面積の方が狭くなる。
(2)接触判断
以上のことから、図75(a)のオン出力領域601の面積・・・図75(b)の所定間隔後のオン出力領域601の面積・・・図75(c)の所定間隔後のオン出力領域601の面積をホトセンサ処理回路18で処理し、入力されたことを判断し、判断の結果、図75(a)、図75(c)のオン出力領域601から中心座標602を検出し、マイコン(図示せず)に座標602を送出する。
以上のように、オン出力領域601の面積は、図75(a)と図75(c)では一致し、図75(b)のオン出力領域601の面積は、図75(a)のオン出力領域601の面積よりも狭くなる(以下、第1の要件という)。
また、図75(a)と図75(c)とは一定の特定間隔(時間)があいている。この特定間隔(時間)は所定時間範囲である(以下、第2の要件という)。
対象物671で入力されたことは、第1の要件と第2の要件が整ったとき、判断される。
(第9の実施形態)
上記実施形態は、ダブルクリックで入力されたことを判断する実施形態であった。本実施形態は規定された特定パターンと一致するかを判定して入力されたことを判断するものである。したがって、複数のクリック入力であり、規定されたものであれば、いずれのパターンであってもよい。ホトセンサ処理回路18とマイコンにより規定された特定パターンとの一致性を判断し、入力されたと判定する。
(1)特定パターンによる判断
図76は特定パターンの実施形態である。図75(a)のように指671が表示領域10に触れている期間を斜線で示している。また、図75(b)のように、指671が表示領域10に触れていない期間を白枠で示している。
なお、指を用いてクリック入力するとしているが、本実施形態はこれに限定するものではなく、入力ペン、ステックなどを用いて入力してもよい。また、光ペン171を複数回点滅させ、この点灯時あるいは消灯時を1回のクリック入力として座標入力を実施してもよい。
また、入力したこと、あるいは入力していることを認識するために、入力した時に、図77(a)に図示するように、入力時に表示パネル148または保護カバー711が振動するように構成する。振動は、携帯電話のマナーモードのように振動を発生するモーターなどを制御することにより容易に実現できる。また、図77(b)に図示するように、入力した時に、発光するように制御することも有効である。これは、バックライト146を点滅させること、表示パネル148の印加映像信号を制御することにより容易に実現できる。
図76(a)は図75のダブルクリック入力の実施形態である。入力回数(入力番目)を1、2で示している。図76(a)のように、最初1のtaの期間が第1回目のクリック期間である(図75(a)の状態)。クリック入力期間にオン出力領域601を検出し、中心座標602を検出する。また、必要に応じてキャリブレーションを実施する。以上の事項は本実施形態の他の実施形態においても同様である。次に、t1の期間が特定間隔の期間である(図76(b)の状態)。次の2のtaの期間が第2回目のクリック期間である(図75(c)の状態)。なお、特定間隔の期間にキャリブレーションを実施してもよい。
図76(b)はトリプルクリック入力の実施形態である。表示領域10の同一入力箇所を3回指でクリックすることにより入力を行う。入力回数(入力番目)を1、2、3で示している。図76(b)のように、最初1のtaの期間が第1回目のクリック入力期間である。次に、t1の期間が特定間隔の期間である。次の2のtaの期間が第2回目のクリック入力期間である。また、次のt1の期間が特定間隔の期間である。最後の2のtaの期間が第3回目のクリック入力期間である。上記実施形態では、3回のクリック期間taと、2回の特定期間t1を検出あるいは一致あるいは略一致したとき、特定の表示領域10への入力として判断する。
図76(c)はクリックの時間を変化させたダブルクリック入力の実施形態である。入力回数(入力番目)を1、2で示している。図76(c)のように、最初の第1のtbのクリック期間が第2のtaのクリック期間よりも長くしている。最初の第1のtbの期間が第1回目のクリック期間である(図75(a)の状態)。クリック入力期間にオン出力領域601を検出し、中心座標602を検出する。また、必要に応じてキャリブレーションを実施する。キャリブレーションで決定したプリチャージ電圧Vprc、露光時間Tcなどは一連の入力検出期間は同一の値が用いられる。つまり第1番目のクリック期間と第2番目のクリック期間のキャリブレーション条件は同一である。
以上の事項は他の実施形態においても同様である。次に、t2の期間が特定間隔の期間である(図76(b)の状態)。特定間隔の期間は、クロックをカウントし、カウント値が予め設定された下限と上限の範囲に入っているかを判断する。次の2のtaの期間が第2回目のクリック期間である(図75(c)の状態)。上記実施形態では、2回のクリック期間tb、taと、1回の特定期間t2を検出あるいは一致あるいは略一致したとき、特定の表示領域10への入力として判断する。
図76(d)はダブルクリックを2回繰り返した場合に入力をして判断する実施形態である。入力回数(入力番目)を1、2で示している。1回目のダブルクリックと、2回目のダブルクリックとの間は、特定間隔t3あけている(特定間隔t3あけるように、入力する必要がある)。図76(d)のように、最初の1回目のダブルクリックと2回目のダブルクリックとは同一になるように入力する。最初の1回目のダブルクリックは、第1のtaの期間が第1回目のクリック期間である。クリック入力期間にオン出力領域601を検出し、中心座標602を検出する。また、必要に応じてキャリブレーションを実施する。キャリブレーションで決定したプリチャージ電圧Vprc、露光時間Tcなどは一連の入力検出期間は同一の値が用いられる。また、少なくとも1回目のダブルクリックと2回目のダブルクリックにおけるキャリブレーション条件は同一である。
t1の期間が特定間隔の期間である。特定間隔の期間は、クロックをカウントし、カウント値が予め設定された下限と上限の範囲に入っているかを判断する。次の2のtaの期間が第2回目のクリック期間である。次のダブルクリックまでの特定間隔期間はt3である。t3についても、クロックをカウントし、カウント値が予め設定された下限と上限の範囲に入っているかを判断する。
2回目のダブルクリックは、1回目のダブルクリックと同様である。第1のtaの期間が第1回目のクリック期間である。t1の期間が特定間隔の期間である。特定間隔の期間は、クロックをカウントし、カウント値が予め設定された下限と上限の範囲に入っているかを判断する。次の2のtaの期間が第2回目のクリック期間である。次のダブルクリックまでの特定間隔期間はt3である。t3についても、クロックをカウントし、カウント値が予め設定された下限と上限の範囲に入っているかを判断する。
上記実施形態では、2回のダブルクリックを実施し、2回のクリック期間などの期間ta、t1と、1回目のダブルクリックと2回目のダブルクリックの間の期間t3を検出あるいは一致あるいは略一致したとき、特定の表示領域10への入力として判断する。
また、図81(a)はトリプルクリックの例であり、図81(b)は特殊な4回入力クリックパターンである。
(第10の実施形態)
上記実施形態は入力パターンにより、入力を判断する実施形態であった。しかし、指入力を開始するという開始信号と、指入力が終了してという終了信号を特定できれば、その間隔間では、良好な指入力を実現できる場合が多い。つまり、指入力開始と終了を特定できればよい。
(1)入力開始及び終了判断
図80の実施形態では、表示領域10の表示部661aにダブルクリックを実施することにより、指入力開始を認識する(図80(b))。表示領域10の表示部661bにトリプルクリックを実施することにより、指入力終了を認識する(図80(c))。
本実施形態は特定パターンを実施することにより、入力したこと、入力されたこと、入力を開始すること、入力を終了することを判断する。したがって、特定パターンを実施することが重要である。また、特定パターンを入力する前または入力後にキャリブレーションを実施する。入力は指671などの遮光物、光ペン171のいずれでもよい。
(2)特殊パターン
特殊パターンは、図82に図示するように、表示領域10のW1からW2の方向に、指671をスライドさせ、また、光ペン171で線を描く。また、表示領域10のW3からW4の方向に、指671をスライドさせ、また、光ペン171で線を描く。また、図83に図示するように、表示領域10の斜め方向aからbの方向、cからd方向に、指671をスライドさせ、また、光ペン171で線を描く。また、図84に図示するように、上下、左右に複数の方向に指671をスライドさせ、また、光ペン171で線を描く。また、図85(a)に図示するように、表示領域10の端の上下、左右方向に指671をスライドさせ、また、光ペン171で線を描く。また、図85(b)の表示領域10の端の上下、左右方向に指671をジグザグにスライドさせ、または、光ペン171でジグザグに線を描く。
図75、図76、図81では多種多様な入力方法を説明した。以上のように本実施形態は、クリックの期間及びクリック間隔を特定すること、あるいは指定された特定間隔に入力することにより、外光あるいは対象物の不要な影などの外乱に左右されることなく、オン出力領域601あるいは中心座標602を精度よく取得するものである。
しかし、特定間隔(t1、t2、t3)、クリック期間(ta、tb)は操作者により個人差がある。この課題に対応するため、操作者に入力練習をさせて、この入力パターンを予め記憶し、記憶したパターンと、以降に入力する入力パターンとの一致性を判断する。
(3)練習モード
図78は練習モードの説明図である。図78(a)に図示するように、操作者は表示部661に指671でダブルクリックを行う。練習の開始時に、表示領域10に開始のランプ表示781が表示される。ランプ表示781を操作者が認識すると、表示部661にクリック入力を行う。また、練習は複数回行う。そのため、回数を表示する回数表示782が表示領域10に表示される。
図78(b)は入力されたパターンを図示している。3回の練習を実施している。第1回目の入力では、最初1のta1の期間が第1回目のクリック期間である。t1aの期間が特定間隔の期間である。次の2のta2の期間が第2回目のクリック期間である。第2回目の入力では、最初1のta3の期間が第1回目のクリック期間である。t1bの期間が特定間隔の期間である。次の2のta4の期間が第2回目のクリック期間である。第3回目の入力では、最初1のta5の期間が第1回目のクリック期間である。t1cの期間が特定間隔の期間である。次の2のta6の期間が第2回目のクリック期間である。
図78(c)は3回の練習を集約した結果である。1回目から3回目のクリック期間、間隔期間を平均する。結果は、最初1のtaaの期間が第1回目のクリック期間である。t11の期間が特定間隔の期間である。次の2のtabの期間が第2回目のクリック期間である。この期間と、以降の入力との一致性を判断する。また、この判断条件を記憶する。
上記実施形態は、複数回のダブルクリックを練習することにおり、ダブルクリックの入力判断を求めるものであったが、図79(a)に図示するように、1回目の練習では、ダブルクリックとし、2回目の練習はトリプルクリックとして、図79(b)に図示するように、ダブルクリックの条件を求めてもよい。
[3]適用例
以下、本発明の各実施形態の適用例について説明をする。以下の適用例は、以前に説明した本実施形態の装置または方法を実施する。
(1)携帯電話
図54は情報端末装置の一例としての携帯電話の平面図である。
筐体543にアンテナ541、テンキー542などが取り付けられている。542などが表示色切換キーあるいは電源オンオフ、フレームレート切り換えキーである。
キー542を1度押さえると表示色は8色モードに、つづいて同一キー542を押さえると表示色は4096色モード、さらにキー542を押さえると表示色は26万色モードとなるようにシーケンスを組んでもよい。キーは押さえる毎に表示色モードが変化するトグルスイッチとする。なお、別途表示色に対する変更キーを設けてもよい。この場合、キー542は3つ(以上)となる。
以上のキー542操作は、本実施形態の表示装置にあっては表示画面を指で触ることに実現できる。つまり、表示画面10にはキー、プッシュスイッチなどを表示し、このキー、スイッチ画像を指で押さえることにより同様の動作を実現できる。
また、表示されたキーなどを押さえる回数で切り替える、あるいはクリックボールのように回転あるいは方向を指で指示することにより切り替えるように構成あるいは制御してもよい。
(2)小型スキャナ
図55は、小型スキャナに適用した場合の断面図である。但し、説明を容易にするため模式的に描いている。また一部拡大あるいは縮小した箇所が存在し、また、省略した箇所もある。
筐体543の裏面は暗色あるいは黒色にされている。これは、表示パネル(表示装置)544から出射した迷光が筐体543の内面で乱反射し表示コントラストの低下を防止するためである。レンズ662側から入射した光は、レンズ552、正レンズ553で本実施形態の表示パネル544のホトセンサ64の形成面で結像する。レンズホルダー551には結像レンズ552が取り付けられている。操作者はレンズホルダー551を筐体543内での挿入位置を可変して、表示装置の表示画面10にピントがあうように調整する。
なお、本実施形態の表示装置において、アレイ基板11の面を光入射側に配置している。通常、対向基板側にはカラーフィルタなどが構成され、対向基板側からの光入射とすると、カラーフィルタなどにより入射光が遮光されてしまうからである。アレイ基板11に形成されたホトセンサ11に直接に光が照射されるように構成することにより、外光の結像画像の読み取りを良好にするためである。つまり、本実施形態は、取り込む光が入射する側にアレイ基板11を配置する。なお、取り込む画像が一定の強度を有する場合は、反対側にアレイ基板を配置してもよい。すなわち、取り込む光が入射する側に対向基板144を配置する。
なお、取り込みする光はパルス状に照射してもよい。また、ライン状に照射してもよい。ゲート信号線22bの選択を外光にあわせて制御すれば、対応するホトセンサ64を選択できるので容易に対応できる。また、ホトセンサ64は青色近傍にピーク感度を有する。したがって、使用する外光の波長は、400nm以上500nm以下に主波長を有するものを用いることが好ましい。以上の事項は他の本実施形態において同様である。
図55は、レンズなどの光学系を用いて本実施形態のホトセンサ64を有する表示装置に結像させて画像を読み取るものである。しかし、本実施形態はこれに限定するものではない。例えば、図59に示すように、密着型イメージスキャナも構成できる。
図59(a)では筐体543の本実施形態の表示装置(画像取り込み装置)544がアレイ基板11を上にして取り付けられている。図59に示すように本実施形態の表示装置のアレイ基板11面に、撮像データを取り込む画像読み取り対象(写真、画像あるいは文字などが表示された紙など)591を密着させて配置する。また、外光を遮光するため、ふた592を配置または構成する。ふた592は支点561を中心として移動あるいは回転できるように構成されている。
図59(a)ではバックライト146からの光は本実施形態の表示装置544を透過して、画像読み取り対象591に照射され、画像読み取り対象591から反射した光がアレイ基板11のホトセンサ64に入射する。
画像読み取り対象591が透過型(写真ネガフィルム、透過型スライドフィルムなど)の場合は、図59(b)のように構成(配置)する。図59(b)では筐体543の本実施形態の表示装置(画像取り込み装置)544がアレイ基板11面を上にして取り付けられている。図59に示すように本実施形態の表示装置のアレイ基板11面に、撮像データを取り込む画像読み取り対象(写真、画像あるいは文字などが表示された紙など)591を密着させて配置する。また、光は画像読み取り対象591の上方にバックライト146などを配置(かぶせる)する。バックライト146は外光を遮光する遮光物としても機能する。バックライトの端に支点561を形成し、図59(a)のように支点561を中心として移動あるいは回転できるように構成してもよい。図59(b)ではバックライト146からの光は画像読み取り対象591を透過して、透過した光がアレイ基板11のホトセンサ64に入射する。
(3)ビデオカメラ
図56はビデオカメラの斜視図である。ビデオカメラは撮影(撮像)レンズ部562とビデオかメラ本体543と具備し、撮影レンズ部562とビューファインダ部543とは背中合わせとなっている。本実施形態の表示パネルは表示モニターとしても使用されている。表示部64は支点561で角度を自由に調整できる。表示部64を使用しない時は、格納部563に格納される。
スイッチ564は以下の機能を実施する切り換えあるいは制御スイッチである。スイッチ564を操作することにより、表示画面10に指で触ることにより操作できる表示モードとなる。
本実施形態の表示装置などはビデオカメラだけでなく、図57に示すような電子カメラ、スチルカメラなどにも適用することができる。表示装置はカメラ本体571に付属されたモニターとして用いる。また、指入力装置として用いる。カメラ本体571にはシャッタ573の他、スイッチ564が取り付けられている。
(4)大型パネルの場合
以上は表示パネルの表示領域が比較的小型の場合であるが、30インチ以上と大型となると表示画面10がたわみやすい。その対策のため、本実施形態では図58に示すように表示パネルに外枠581をつけ、外枠581をつりさげられるように固定部材584で取り付けている。この固定部材584を用いて、壁などに取り付ける。
しかし、本実施形態の表示パネル544の画面サイズが大きくなると重量も重たくなる。そのため、表示パネルの下側に脚取り付け部583を配置し、複数の脚582で表示パネルの重量を保持できるようにしている。
脚582はAに示すように左右に移動でき、また、脚582はBに示すように収縮できるように構成されている。そのため、狭い場所であっても表示装置を容易に設置することができる。
図58のテレビでは、画面の表面を保護フィルム(保護板でもよい)で被覆している。これは、表示パネルの表面に物体があたって破損することを防止することが1つの目的である。保護フィルムの表面にはAIRコートが形成されており、また、表面をエンボス加工することにより表示パネルに外の状況(外光)が写り込むことを抑制している。
保護フィルムと表示パネル間にビーズなどを散布することにより、一定の空間が配置されるように構成されている。また、保護フィルムの裏面に微細な凸部を形成し、この凸部で表示パネルと保護フィルム間に空間を保持させる。このように空間を保持することにより保護フィルムからの衝撃が表示パネルに伝達することを抑制する。
また、保護フィルムと表示パネル間にアルコール、エチレングリコールなど液体あるいはゲル状のアクリル樹脂あるいはエポキシなどの固体樹脂などの光結合剤を配置または注入することも効果がある。界面反射を防止できるとともに、前記光結合剤が緩衝材として機能するからである。
保護フィルムをしては、ポリカーボネートフィルム(板)、ポリプロピレンフィルム(板)、アクリルフィルム(板)、ポリエステルフィルム(板)、PVAフィルム(板)などが例示される。その他エンジニアリング樹脂フィルム(ABSなど)を用いることができる。また、強化ガラスなど無機材料からなるものでもよい。保護フィルムを配置するかわりに、表示パネルの表面をエポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂で0.5mm以上2.0mm以下の厚みでコーティングすることも同様の効果がある。また、これらの樹脂表面にエンボス加工などをすることも有効である。
また、保護フィルムあるいはコーティング材料の表面をフッ素コートすることも効果がある。表面についた汚れを洗剤などで容易にふき落とすことができるからである。また、保護フィルムを厚く形成し、フロントライトと兼用してもよい。
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形・変更が可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施されてもよく、その場合は、その組み合わせによる特徴ある効果が得られる。