JP4550183B2 - 接合ウェーハの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、活性ウェーハとベースウェーハが接合して成る接合ウェーハの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2には接合ウェーハの一例が模式的な断面図により示されている。図2に示す接合ウェーハ1はSOI(Silicon On Insulation)ウェーハであり、活性ウェーハ2とベースウェーハ3が酸化層4を介して接合されているものである。
【0003】
この接合ウェーハ1は次に示すように製造される。例えば、まず、図3の(a)に示すように、活性ウェーハ2(シリコンウェーハ)と、ベースウェーハ3(シリコンウェーハ)とを用意し、図3の(b)に示すように、それら活性ウェーハ2とベースウェーハ3のうちの一方あるいは両方の表面に酸化層4を形成する。なお、図示の例では、活性ウェーハ2のみに酸化層4が形成されている。
【0004】
次に、上記活性ウェーハ2とベースウェーハ3の各表面をクリーニングし、その後に、図3の(c)に示すように、上記活性ウェーハ2とベースウェーハ3を密着させて結合させる。
【0005】
そして、上記活性ウェーハ2とベースウェーハ3の結合体を熱処理室(図示せず)の内部に配置し、上記結合体を例えば1000〜1200℃に加熱して熱処理を施す。この熱処理によって上記活性ウェーハ2とベースウェーハ3の結合強度が高められる。また、この熱処理工程では、上記熱処理室内には酸素ガスを含む雰囲気ガスが供給されており、図3の(d)に示すように、その雰囲気ガスによって上記結合体の表面には酸化膜5が形成される。
【0006】
上記熱処理工程が終了した後に、上記結合体を熱処理室から取り出す。
【0007】
ところで、図4のウェーハ2(3)の断面図に示されるように、活性ウェーハ2とベースウェーハ3の各側端面2a(3a)には丸みが付けられ、かつ、活性ウェーハ2とベースウェーハ3の各周端領域2b(3b)にはウェーハの厚みが薄くなる方向に非常に微小な傾きθが付いている(この微小な傾きが付いている部分をここでは「タレ」と呼ぶ)。このために、上記結合体における活性ウェーハ2とベースウェーハ3の間には、周端領域に、図5の(a)に示すような結合していない領域(未結合領域)Xが生じてしまう。
【0008】
このように、上記結合体の周端領域に未結合領域Xがあると、次に示すような問題が生じる虞がある。つまり、熱処理工程よりも後の工程において、研磨技術を利用して活性ウェーハ2を予め定められた厚みにまで薄くすることが行われるが、このときに、結合体の周端領域に上記未結合領域Xがあると、活性ウェーハ2を研磨している最中に、その未結合領域Xから活性ウェーハ2とベースウェーハ3の剥がれが生じたり、活性ウェーハ2の周端部分が欠けてしまう等の問題が生じる。
【0009】
そこで、上記熱処理が終了した後に、図3の(e)に示すように、活性ウェーハ2の未結合領域Xを研削およびエッチングによって除去してしまう。そのエッチング工程において、ベースウェーハ3の表面に形成された酸化膜5は、エッチング液からベースウェーハ3を保護する保護膜として機能する。
【0010】
然る後に、上記活性ウェーハ2を例えば仕様により定められた薄さにまで研磨し、その後、ポリッシングが行われて、図3の(f)に示すように、接合ウェーハ1が完成する。なお、ベースウェーハ3の表面に形成された酸化膜5は、取り除かれる場合と、形成されたままである場合とがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記熱処理工程でベースウェーハ3の表面に形成された酸化膜5の膜厚が薄いと、前記エッチング工程において、上記酸化膜5はベースウェーハ3の保護膜としての機能を果たすことができず、ベースウェーハ3の表面がエッチングされてしまい、図5の(b)に示すα部分のように、ベースウェーハ3の厚みが急激に変化する「段差」と呼ばれる形状異常が生じてしまう。
【0012】
この段差発生を防止するために、酸化膜5を厚く形成することが考えられるが、例えば、前記熱処理工程において、酸素ガス量を1とした場合に窒素ガス量が5となるような混合比でもって酸素ガスに窒素ガスを混合した雰囲気ガスを用いると、酸化膜5の形成速度(酸化レート)が非常に遅いために、酸化膜5の膜厚が所望の厚い膜厚に達するまでに、例えば、数十時間という非常に多くの時間を要するという問題が生じ、接合ウェーハの生産性を低下させてしまう。
【0013】
そこで、酸化レートが速いガスを利用することが考えられる。しかしながら、そのように、酸化レートが速いガスを利用すると、次に示すような問題が生じてしまう。
【0014】
前記したように、活性ウェーハ2やベースウェーハ3の各周端領域2b(3b)にはタレがある。このタレによって、図6の(a)に示すように、前記結合体における活性ウェーハ2とベースウェーハ3の間には隙間7が生じてしまう。この隙間7は活性ウェーハ2とベースウェーハ3間の間隔dが1μm以下という如く非常に狭い隙間である。
【0015】
このように隙間7は非常に狭いので、前記熱処理工程において、その隙間7に雰囲気ガスが入り難く、このために、上記酸化レートが速い雰囲気ガスを利用すると、上記隙間7に酸化膜5が形成される前に、図6の(a)に示すように、隙間7の入り口を塞ぐように酸化膜5が形成されてしまう。このために、隙間7には雰囲気ガスが入れなくなって酸化膜5が形成されないという問題が生じる。
【0016】
このように、隙間7に酸化膜5が形成されないと、前記エッチング工程において、ベースウェーハ3にはエッチング液に晒される部分が生じることとなり、図6の(b)に示すように、そのベースウェーハ3のエッチング液に晒された部分はエッチングされてしまい、ベースウェーハ3の周端領域3bに溝8が形成されてしまい、接合ウェーハ1の品質を低下させてしまうという問題が生じる。
【0017】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、エッチング工程においてベースウェーハを確実に保護することができる酸化膜を形成し、かつ、その酸化膜を形成するのに要する時間の短縮を図ることが可能な接合ウェーハの製造方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決する手段としている。すなわち、第1の発明は、活性ウェーハとベースウェーハが接合して成る接合ウェーハの製造方法において、熱処理室の内部に活性ウェーハとベースウェーハの結合体が配置されている状態で、第1の熱処理用雰囲気ガスを利用した第1段階目の熱処理を施して上記結合体の表面に酸化膜を形成し、次に、上記第1段階目の熱処理工程における上記酸化膜の形成速度よりも酸化膜の形成速度が速くなる第2の熱処理用雰囲気ガスを利用した第2段階目の熱処理を施して上記結合体の酸化膜を成長させるという如く、酸化レートが互いに異なる熱処理用雰囲気ガスを用いて少なくとも2段階で熱処理を行って上記結合体の表面に酸化膜を形成する構成と成し、前記第1の熱処理用雰囲気ガスは、酸素ガスのみのガスよりも酸化膜の形成速度が遅いガスであり、第2の熱処理用雰囲気ガスは、酸素ガスのみのガスよりも酸化膜の形成速度が速いガスである構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0020】
の発明は、上記第1の発明の構成を備え、第1の熱処理用雰囲気ガスは酸素ガスと不活性ガスの混合ガスであり、第2の熱処理用雰囲気ガスは酸素ガスと水素ガスの混合ガスであることを特徴として構成されている。
【0021】
の発明は、上記第の発明の構成を備え、第1段階目の熱処理と第2段階目の熱処理は連続的に行われ、第1段階目の熱処理から第2段階目の熱処理へ移行する際には、第1の熱処理用雰囲気ガスの酸素ガスに対する不活性ガスの混合比を連続的に又は段階的に減少させる方向に可変することを特徴として構成されている。
【0022】
の発明は、上記第1又は第2又は第3の発明の構成を備え、接合ウェーハは、活性ウェーハとベースウェーハが酸化層を介して接合して成るSOIウェーハであることを特徴として構成されている。
【0023】
上記構成の発明において、活性ウェーハとベースウェーハを結合した後の熱処理工程において、例えば、第1の熱処理用雰囲気ガスを利用した第1段階目の熱処理によって、活性ウェーハとベースウェーハの露出表面に酸化膜を形成する。
このとき、活性ウェーハとベースウェーハ間の非常に狭い隙間にも第1の熱処理用雰囲気ガスを入り込ませて酸化膜を確実に形成する。
【0024】
その後、第2の熱処理用雰囲気ガスを利用した第2段階目の熱処理を行う。第2の熱処理用雰囲気ガスは上記第1の熱処理用雰囲気ガスよりも酸化レートが速いガスであり、この第2段階目の熱処理では、上記第1段階目の熱処理よりも速い酸化レートでもって上記結合体の表面の酸化膜を成長させる。
【0025】
このように、酸化レートが異なる雰囲気ガスを利用して酸化膜を少なくとも2段階の熱処理によって形成することによって、活性ウェーハとベースウェーハとの間の非常に狭い隙間にも酸化膜を形成することができ、かつ、エッチング工程においてベースウェーハを確実に保護することができる膜厚を持つ酸化膜を短い時間で形成することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づき説明する。
【0027】
この実施形態例における接合ウェーハは前記図2に示す接合ウェーハと同様な構成を備え、前記した製造工程とほぼ同様な工程により製造されるものであるが、従来例と異なることは、製造工程の中の熱処理工程がこの実施形態例に特有な工程と成していることである。それ以外の構成は前記従来例と同様であり、従来例と同一構成部分には同一符号を付し、その重複説明は省略する。
【0028】
この実施形態例において特徴的な熱処理工程では、活性ウェーハ2とベースウェーハ3の結合体を2段階で熱処理している。すなわち、活性ウェーハ2とベースウェーハ3が結合一体化された後に、その結合体を熱処理室(図示せず)に配置し、まず、第1段階目の熱処理を行う。この第1段階目の熱処理では、上記結合体を例えば1000℃〜1200℃に加熱して活性ウェーハ2とベースウェーハ3の結合強度を高めると共に、第1の熱処理用雰囲気ガスを上記熱処理室に供給して活性ウェーハ2とベースウェーハ3の結合体の表面に酸化膜5を形成する。
【0029】
上記第1の熱処理用雰囲気ガスは、酸素ガスと不活性ガスである窒素ガスとを予め定めた混合比(例えば、酸素ガス量を1としたときに窒素ガス量が3となる混合比)でもって混合したガスであり、酸素ガスのみである場合よりも酸化レート(酸化膜5の形成速度)が遅くなるガスである。
【0030】
上記第1段階目の熱処理では、上記のように、酸素ガスのみである場合よりも酸化レートが遅い雰囲気ガスを用いて熱処理を行うことによって、前記図1の(a)に示すように、前記活性ウェーハ2とベースウェーハ3間の非常に狭い隙間7にも酸化膜5を確実に形成させることができる。つまり、酸化レートが遅いので、酸化膜5によって上記隙間7の入り口が塞がれるまでに時間が掛かることから、上記第1の熱処理用雰囲気ガスを上記隙間7の奥部にまで確実に入り込ませることができて上記隙間7にも酸化膜5を形成することができる。
【0031】
そして、このような第1段階目の熱処理を行っているときに、予め定めた切り換え条件が満たされたときには、上記第1段階目の熱処理から第2段階目の熱処理に切り換えられる。例えば、第1段階目の熱処理を開始してから前記隙間7が酸化膜5によって埋められるまでに要する時間が予め実験や演算等によって求められており、第1段階目の熱処理が開始されてから上記求めた時間(例えば、1時間半)が経過したときに切り換え条件が満たされたと判断されて、上記第1段階目から第2段階目の熱処理に切り換えられる。
【0032】
この実施形態例では、上記第1段階目の熱処理から引き続き結合体を1000℃〜1200℃に加熱したままで、熱処理室へ供給する雰囲気ガスを上記第1の熱処理用雰囲気ガスから第2の熱処理用雰囲気ガスに切り換えることによって、第1段階目の熱処理から第2段階目の熱処理に切り換えられる。
【0033】
上記第2の熱処理用雰囲気ガスは、酸素ガスと水素ガスを予め定めた混合比でもって混合したガスであり、酸素ガスと水素ガスを別々に熱処理室に供給する場合と、酸素ガスと水素ガスを予め加熱により反応させて水蒸気ガスにしてから上記熱処理室に供給する場合とがあり、それらのうちの何れの手法を採用してもよい。この第2の熱処理用雰囲気ガスは、酸素ガスのみである場合よりも酸化レートが速くなるガスであり、当然に、前記第1の熱処理用雰囲気ガスよりも酸化レートが速いガスである。
【0034】
この第2段階目の熱処理では、前記結合体の表面に形成された酸化膜5を上記第1段階目の熱処理よりも速い酸化レートでもって図1の(b)に示す如く成長させる。そして、予め定めた熱処理終了条件が満たされたときに第2段階目の熱処理を終了する。例えば、ベースウェーハ3の保護膜としての機能を果たすことが可能な酸化膜5の膜厚が実験等によって求められ、また、上記第2の熱処理用雰囲気ガスを利用してベースウェーハ3の酸化膜5を上記求めた膜厚に成長させるのに要する時間が実験等によって予め求められており、第2段階目の熱処理が開始されてから上記求めた時間(例えば、1時間半)が経過したときに、上記熱処理終了条件が満たされたと判断して、第2段階目の熱処理を終了する。
【0035】
上記のように、この実施形態例では、酸化レートの異なる2種の雰囲気ガスを利用して2段階で前記結合体の熱処理を行っている。
【0036】
この実施形態例によれば、第1段階目の熱処理では、第1の熱処理用雰囲気ガスを用い、遅い酸化レートでもって酸化膜5を前記結合体の表面に形成するので、活性ウェーハ2とベースウェーハ3間の非常に狭い隙間7の奥部にまで十分に雰囲気ガスを供給することができ、隙間7にも確実に酸化膜5を形成することができる。
【0037】
その上、上記隙間7に酸化膜5が形成された後には、第1段階目の熱処理から第2段階目の熱処理に移行させ、酸化レートを速めて酸化膜5を成長させることから、ベースウェーハ3の保護膜としての機能を果たすことができる膜厚にまで酸化膜5を成長させるのに要する時間の短縮を図ることができ、接合ウェーハ1の生産性を向上させることができる。
【0038】
上記のように、この実施形態例において特徴的な熱処理工程では、隙間7にも酸化膜5が形成され、かつ、ベースウェーハ3の表面に形成された酸化膜5の膜厚はエッチング液に対して十分にベースウェーハ3を保護することができる厚みであることから、熱処理工程よりも後のエッチング工程において、ベースウェーハ3の表面は酸化膜5によって確実に保護され、図1の(c)に示すように、前記段差や溝8等の形状異常が無い接合ウェーハ1を提供することができ、接合ウェーハ1の品質を向上させることが容易にできる。
【0039】
なお、この発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る
【0042】
例えば、上記実施形態例では、第1段階目と第2段階目の各熱処理における結合体の加熱温度は1000℃〜1200℃であったが、その加熱温度は適宜設定されるものであり、上記実施形態例に示した加熱温度に限定されるものではない。また、上記実施形態例では、第1段階目と第2段階目の各熱処理の加熱温度はほぼ等しかったが、上記の如く第1段階目と第2段階目の各熱処理の加熱温度はそれぞれ適宜設定されるものであり、異なっていてもよい。
【0043】
さらに、上記実施形態例では、第1段階目の熱処理と第2段階目の熱処理は同一の熱処理室で連続的に行われていたが、例えば、第1段階目の熱処理が終了すると共に上記結合体の加熱を一旦停止し、然る後に、第2段階目の熱処理を開始するという如く、第1段階目の熱処理と第2段階目の熱処理を不連続的に行ってもよい。また、第1段階目の熱処理を行う熱処理室と、第2段階目の熱処理を行う熱処理室とを別にすることによって、第1段階目の熱処理と第2段階目の熱処理を不連続的に行うようにしてもよい。
【0044】
さらに、上記実施形態例では、第1段階目の熱処理から第2段階目の熱処理に移行する際には、第1の熱処理用雰囲気ガスから第2の熱処理用雰囲気に急激に切り換えていたが、第1の熱処理用雰囲気ガスから第2の熱処理用雰囲気ガスに徐々に移行させていくようにしてもよい。例えば、第1段階目の熱処理から第2段階目の熱処理に移行する過渡期間中に、第1の熱処理用雰囲気ガスにおける酸素ガスに対する窒素ガスの混合比を減少させる方向に連続的に又は段階的に変化させていき、酸素ガスに対する窒素ガスの混合比が予め定められた値よりも小さくなったときに窒素ガスの供給を停止する。そして、この窒素ガスの供給停止と同時に、あるいは、窒素ガスの供給を停止した後に、酸素ガスに水素ガスを混合し始める。この酸素ガスに対する水素ガスの混合比は水素ガスの供給開始時から連続的に又は段階的に第2の熱処理用雰囲気ガスの設定混合比に向けて増加していく。このように、第1の熱処理用雰囲気ガスから第2の熱処理用雰囲気ガスに徐々に移行させてもよい。
【0045】
さらに、上記実施形態例では、上記結合体に2段階で熱処理を施していたが、例えば、結合体に3段階以上の熱処理を施してもよく、その熱処理の段階数は適宜設定されるものであり、各段階の熱処理毎に酸化レートが異なる熱処理用雰囲気ガスが用いられる。
【0046】
さらに、上記実施形態例では、活性ウェーハ2とベースウェーハ3の各周端領域2b(3b)にタレがあったが、この発明は、もちろん、活性ウェーハ2とベースウェーハ3の一方あるいは両方の周端領域にタレが無い場合にも適用することができる。
【0047】
さらに、上記実施形態例では、活性ウェーハ2とベースウェーハ3が酸化層4を介して接合されて成るSOIウェーハを例にして説明したが、この発明は、活性ウェーハ2とベースウェーハ3を直接的に結合する直接接合タイプの接合ウェーハにも適用することができ、この場合にも、上記実施形態例と同様の効果を奏することができる。
【0048】
【発明の効果】
この発明によれば、酸化レートが異なる雰囲気ガスを用いて少なくとも2段階で熱処理を行って活性ウェーハとベースウェーハの結合体の表面に酸化膜を形成するので、まず、第1段階目の熱処理によって、例えば、上記結合体の露出表面に酸化膜を形成すると共に、活性ウェーハとベースウェーハ間の周端領域における非常に狭い隙間にも酸化膜を形成し、その後、第2段階目の熱処理によって、上記形成した酸化膜を上記第1段階目の熱処理よりも速い酸化レートでもって成長させることができるので、熱処理工程よりも後のエッチング工程において、エッチング液からベースウェーハを確実に保護することが可能な膜厚にまで酸化膜を成長させるのに要する時間の短縮を図ることができ、このことにより、接合ウェーハの生産性を向上させることができる。
【0049】
その上、上記のように、活性ウェーハとベースウェーハ間の周端領域の狭い隙間にも確実に酸化膜が形成されるので、熱処理工程よりも後のエッチング工程において、上記酸化膜によってベースウェーハをエッチング液から確実に保護することができ、接合ウェーハの形状異常を防止することができ、接合ウェーハの品質向上を図ることができる。
【0050】
第1の熱処理用雰囲気ガスは酸素ガスのみのガスよりも酸化膜の形成速度が遅いガスであり、第2の熱処理用雰囲気ガスは酸素ガスのみのガスよりも酸化膜の形成速度が速いガスであるものや、第1の熱処理用雰囲気ガスは酸素ガスと不活性ガスの混合ガスであり、第2の熱処理用雰囲気ガスは酸素ガスと水素ガスの混合ガスであるものにあっては、第1段階目の熱処理で、活性ウェーハとベースウェーハ間の非常に狭い隙間に酸化膜をより一層確実に形成することができ、また、第2段階目の熱処理で、酸化膜の成長をより速めることができる。
【0051】
第1段階目の熱処理から第2段階目の熱処理に移行する際に、第1の熱処理用雰囲気ガスの酸素ガスに対する不活性ガスの混合比を連続的に又は段階的に減少させる方向に可変するものにあっては、第1の熱処理用雰囲気ガスと第2の熱処理用雰囲気ガスとを急激に切り換えた際に上記第1の熱処理用雰囲気ガスと第2の熱処理用雰囲気ガスとが過剰に反応してしまう場合に、第1の熱処理用雰囲気ガスから第2の熱処理用雰囲気ガスへ徐々に移行することによって、上記第1の熱処理用雰囲気ガスと第2の熱処理用雰囲気ガスの過剰な反応を防止することができる。
【0052】
接合ウェーハはSOIウェーハであるものにあっても、上記同様に、SOIウェーハの品質向上を図ることができ、かつ、SOIウェーハの生産性を高めることが容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態例を示す説明図である。
【図2】接合ウェーハの一例を模式的に示す断面図である。
【図3】接合ウェーハの製造工程の一例を示す説明図である。
【図4】ウェーハの周端部の一例を模式的に示す断面図である。
【図5】従来の課題を示す説明図である。
【図6】さらに、従来の課題を示す説明図である。
【符号の説明】
1 接合ウェーハ
2 活性ウェーハ
3 ベースウェーハ
4 酸化層
5 酸化膜
7 隙間

Claims (4)

  1. 活性ウェーハとベースウェーハが接合して成る接合ウェーハの製造方法において、熱処理室の内部に活性ウェーハとベースウェーハの結合体が配置されている状態で、第1の熱処理用雰囲気ガスを利用した第1段階目の熱処理を施して上記結合体の表面に酸化膜を形成し、次に、上記第1段階目の熱処理工程における上記酸化膜の形成速度よりも酸化膜の形成速度が速くなる第2の熱処理用雰囲気ガスを利用した第2段階目の熱処理を施して上記結合体の酸化膜を成長させるという如く、酸化レートが互いに異なる熱処理用雰囲気ガスを用いて少なくとも2段階で熱処理を行って上記結合体の表面に酸化膜を形成する構成と成し、前記第1の熱処理用雰囲気ガスは、酸素ガスのみのガスよりも酸化膜の形成速度が遅いガスであり、第2の熱処理用雰囲気ガスは、酸素ガスのみのガスよりも酸化膜の形成速度が速いガスであることを特徴とする接合ウェーハの製造方法。
  2. 第1の熱処理用雰囲気ガスは酸素ガスと不活性ガスの混合ガスであり、第2の熱処理用雰囲気ガスは酸素ガスと水素ガスの混合ガスであることを特徴とする請求項1記載の接合ウェーハの製造方法。
  3. 第1段階目の熱処理と第2段階目の熱処理は連続的に行われ、第1段階目の熱処理から第2段階目の熱処理へ移行する際には、第1の熱処理用雰囲気ガスの酸素ガスに対する不活性ガスの混合比を連続的に又は段階的に減少させる方向に可変することを特徴とする請求項記載の接合ウェーハの製造方法。
  4. 接合ウェーハは、活性ウェーハとベースウェーハが酸化層を介して接合して成るSOIウェーハであることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載の接合ウェーハの製造方法。
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