JP4548645B2 - 地図情報システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地図情報システムに係り、特にユーザ側の顧客データのセキュリティを確保し、ユーザが希望する主題の地図情報を迅速に表示させることができる地図情報システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、商圏関係の地図情報を表示させるには、地図データ、公的統計データ等を備え、それらのデータを用いて地図を表示するソフトウェアをパッケージで利用するようになっていた。
この場合、ユーザが独自に取得した商業のデータをその地図情報に表示させることも可能となる。
【0003】
また、クライアントサーバシステムの運用方法としては、クライアントコンピュータがサーバコンピュータに両コンピュータの利用情報の対応関係を登録し、クライアントアプリケーションからサーバアプリケーションに処理の依頼があると、上記対応関係を取得し、その対応関係に基づいて依頼された処理を実行するアプリケーションを起動するものがあった(特許文献1参照)。
【0004】
更に、地図上に情報を表示するものとしては、地図データと、公的な統計データとを備え、サーバが、ネットワークを介して接続されたユーザからの要求に応じて、目的にあった公的統計データを所望の地図に重ねて作成し、ユーザ端末に主題図を表示するシステムやサービスがある(特許文献2参照)。尚、このシステムにおいては、公的統計データの他に、ユーザが独自に取得した顧客住所データ等の私的統計データをサーバに登録しておき、地図上に公的統計データと共に私的統計データを重ねて主題図を作成することも可能となっている。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−295910号公報
【特許文献2】
特開2001−229186号公報(第3−5頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のパッケージを利用した地図情報表示のソフトウェアでは、ユーザ側でソフトウェアのインストール等を行わなければならないため、システム構築が面倒であり、またパッケージソフトが高額であってコストがかかるという問題点があった。
【0007】
また、上記特許文献1の例は、クライアントとサーバとの間で、事前に対応関係を登録し、その対応関係に基づいて依頼された特定処理を実行するだけのものであって、クライアントとサーバとの間で、予めユーザのデータの変換処理を行い、変換されたデータを用いて地図情報を表示するものとはなっていなかった。
【0008】
更に、上記特許文献2の例では、ユーザが独自に取得した私的統計データを公的統計データと共に地図上に表示する際には、例えば顧客の住所等の大事なデータをサービス側のサーバに渡して登録しておかなければならない。私的統計データは、個人情報を含むことが多いため、ハッキング等によってデータが漏洩する危険を考慮するとむやみに外部に出すことはユーザにとって抵抗が大きいという問題点があった。
【0009】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、ユーザ側のデータのセキュリティを確保すると共に、ユーザの顧客データに基づいて、ユーザが希望する地図情報を迅速に表示させることができる地図情報システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、ネットワークを介して接続されたクライアントから送信されたデータに基づいて地図情報を作成してクライアントに地図情報を出力するサーバを備えた地図情報システムであって、サーバが、地図データを記憶する地図データベースと、統計データを記憶する統計データベースと、クライアントから送信された顧客の識別番号と住所を受信して、住所を地図上に表示可能な位置データに変換してクライアントに識別番号に対応付けた位置データを返信するジオコーダと、顧客の位置データと共に、クライアントで記憶されている顧客の属性データと、属性データを絞り込む条件を受信すると、条件に従って顧客毎に属性データを集計して、集計結果が条件を満たす顧客の属性データを抽出して当該顧客属性データに対応する顧客の位置データを出力するデータ集計手段と、任意のクライアントから、指定された地域と、統計データを指定するデータとを受信して、指定された地域の地図データを地図データベースから読み出し、指定された統計データを統計データベースから読み出して、地図データ上に統計データを分布させると共に、地図データ上データ集計手段から出力された位置データを重ねて表示する地図情報を作成し、クライアントに作成された地図情報を出力する地図情報作成手段とを備えることを特徴とする地図情報システムとしており、変換された位置データを識別番号に対応付けてクライアントが記憶しておき、地図情報を表示したい場合にクライアントが位置データを読み出してサーバに送信すれば、選択した地域の地図上に、統計データと送信した位置データとが重なった地図情報が作成されてクライアントにおいて表示することができ、サーバが各クライアント毎に膨大な量の位置データを記憶する必要がなくなり、システム構築及び地図情報作成の処理を簡易にすることができると共に、クライアントが管理する住所のデータをサーバに記憶しなくて済むためクライアント側のデータの安全性を向上させることができ、また、クライアントで複雑な集計処理を行わなくても、処理能力の高いサーバで属性データを集計して所望の条件に合う顧客を抽出することができ、目的に応じてターゲットとなる顧客を絞り込んだ地図情報を迅速に表示することができる。
【0011】
また、本発明は、上記地図情報システムにおいて、位置データが、行政コードと緯度・経度データのいずれか又は両方を備えているものであり、位置データを地図上に直ちに反映させることができ、地図情報を迅速に表示させることができる。
【0012】
また、本発明は、上記地図情報システムにおいて、地図データベースが、メッシュ地図データと、町丁目地図データと、郵便番号地図データのいずれか又は全てを含んでいる地図データベースである地図情報システムとしており、所望の地域の地図の中から、利用者の用途、目的、好みに合わせて地図の形態を選択することができ、利用者のニーズに細かく対応した地図情報を作成することができる。
【0013】
また、本発明は、上記地図情報システムにおいて、統計データベースが、国勢調査のデータと、商業統計のデータとを備えたり、地図データベースが、行政界の変更履歴を記憶しており、統計データベースが、国勢調査のデータを調査年度毎に記憶している地図情報システムとしており、利用者のニーズに応じて統計データを選択可能とし、昔の統計データや行政界を用いた地図情報を作成することができ、過去から現在に至るまでの変遷を表した地図情報等の多様な地図情報を作成することができる。
【0014】
また、本発明は、上記地図情報システムにおいて、クライアントにおいて顧客の識別番号と当該顧客の住所が対応付けられて記憶されており、クライアントは、前記住所に基づいて前記ジオコーダが変換した位置データを前記識別番号に対応して記憶することを特徴とする地図情報システムとしており、顧客の個人情報である住所のデータや、住所を容易に特定できる位置データをサーバに渡さずに済み、顧客の個人情報の安全性を向上させることができ、また、顧客の住所を反映させた地図情報を表示させて、セールス情報の分析や販売促進戦略等に活用することができる。
【0016】
また、本発明は、上記地図情報システムにおいて、サーバのジオコーダが、クライアントから定期的に送信される、顧客の住所を位置データに変換する要求である位置データ変換要求を受信すると、前記位置データ変換要求に含まれる住所について前記変換する処理を行うことを特徴としており、位置データ変換要求に新しく登録された顧客の住所が含まれるようにすれば、利用者が特に操作を行わなくても、サーバが定期的に住所を位置データに変換する処理を行って、新しく登録された顧客に対応する位置データをクライアントに記憶させておくことができ、地図情報の作成に利用することができる。
【0017】
また、本発明は、上記地図情報システムにおいて、サーバの地図情報作成手段が、クライアントから随時送信される、地図情報の表示を要求する地図情報表示要求を受信すると、前記地図情報表示要求に含まれる顧客の位置データと、地域と、統計データに基づいて地図情報を作成する処理を行うことを特徴としており、サーバが、利用者の要求に応じて随時所望の地図情報を作成してタイムリーに表示させることができる。
【0021】
本発明は、前記クライアントは、顧客の識別番号と位置データとを対応付けて記憶する第1の記憶部と、顧客の識別番号と顧客の属性データとを対応付けて記憶する第2の記憶部と備え、顧客の属性データを絞り込む条件に従って前記第2の記憶部から該当する顧客の識別番号に対応する位置データを選択し、当該位置データをサーバに送信するクライアントであることを特徴としており、顧客の属性データを充分に分析した上で、地図情報の表示を行わせることができる。
また、本発明は、上記地図情報システムにおいて、サーバが、地図情報を作成すると、クライアントにセッション番号を付して地図情報を出力すると共に、地図情報とセッション番号とを対応付けて記憶しておき、任意のクライアントからセッション番号を付した地図情報表示要求を受信した場合に、当該セッション番号の付与から一定時間以内であればセッション番号に対応する地図情報をクライアントに出力するサーバである地図情報システムとしており、クライアント側の利用者は、一定時間内であれば同一の地図情報を表示させるための指示を何度も入力することなく、一旦作成された地図情報を何度でも迅速に表示させることができ、また、サーバ側にとっては地図情報作成の処理を軽減することができる。
また、本発明は、上記地図情報システムにおいて、サーバが、セッション番号の付与から一定時間が経過した場合に、セッション番号に対応して記憶されている地図情報を消去する地図情報システムとしており、地図情報の保存を一定時間のみとして、記憶装置の記憶エリアを有効に利用することができる。
【0022】
本発明は、上記地図情報システムにおいて、前記クライアントに複数の端末が接続する場合、当該クライアントが、地図情報表示要求を、前記地図情報表示要求を行った端末の情報と対応付けて記憶し、サーバから出力された地図情報を前記対応する端末に出力するクライアントであることを特徴としている。
また、本発明は、上記地図情報表示システムにおいて、前記クライアントに複数の端末が接続する場合、当該クライアントが、サーバから出力された地図情報とセッション番号を受信すると、当該地図情報に対する地図情報表示要求を行った端末の情報と対応付けて記憶すると共に、当該地図情報を当該端末に出力し、当該端末から前記地図情報に対する地図情報表示要求を受けると、当該地図情報表示要求に対応付けて記憶されるセッション番号を付して前記サーバに送信するクライアントであることを特徴としており、クライアントに複数の端末が接続されていても、サーバから出力された地図情報を対応する端末に誤りなく表示させることができる。
【0023】
本発明は、上記地図情報システムにおいて、クライアントが、特定の地図情報表示要求、地図の名称及びアクセス可能な端末を対応付けて記憶する対応テーブルを備え、端末から地図の名称の指定があると、対応テーブルを参照して当該端末が地図の名称に対応する地図情報にアクセス可能であるか否かを判断し、アクセス可能であれば対応する地図情報表示要求を対応テーブルから読み出してサーバに送信し、サーバから出力された当該地図情報表示要求に対応した地図情報を指定のあった端末に表示出力するものであり、アクセス可能な端末が地図の名称で地図情報の表示を容易に行うことができる。
【0024】
本発明は、上記地図情報システムにおいて、クライアントが、地図の名称で特定される地図情報表示要求をサーバに定期的に送信し、サーバから出力された当該地図情報表示要求に対応した地図情報とセッション番号を受信すると、セッション番号と地図の名称とを対応付けて記憶する記憶部を備え、端末から地図の名称の指定があると、記憶部に地図の名称に対応付けて端末の識別子を記憶させ、地図の名称に対応するセッション番号をサーバに送信し、サーバから受信した地図情報をセッション番号に対応する端末に表示出力するものであり、端末が地図の名称で地図情報の表示を容易に行うことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の地図情報システムは、クライアントから送信された住所を、サーバが地図上に表示可能な位置データに変換して一旦クライアントに返信し、クライアントにおいて当該位置データを記憶しておき、クライアントからサーバに位置データが送信され、更に地域と統計データが特定されると、サーバが特定された地域の地図上に特定された統計データと、位置データとを重ねて表示する地図情報を作成してクライアントに閲覧させるようにしており、サーバで位置データを記憶しておかなくて済むためサーバのシステム構築及び処理が簡略化でき、また、クライアント側では、例えば個人情報を含むような大事な情報をサーバ側に渡さずに済み、データの安全性を向上させることができるものである。
【0026】
また、本発明の地図情報システムは、サーバが、作成した地図情報にセッション番号を付して記憶しておき、クライアントに地図情報とそれに対応するセッション番号を出力し、クライアントからセッション番号が指定された場合に、一定時間内であれば、対応する地図情報を読み出して当該クライアントに出力するようにしており、クライアントは、一定時間内であれば、何度でも当該セッション番号に対応した地図情報を表示でき、サーバは、同じ地図情報を極めて迅速に表示出力することができるものである。
【0027】
本発明の実施の形態に係る地図情報システムについて説明する。
本発明の実施の形態に係る地図情報システム(本システム)は、ユーザがクライアントで管理している顧客データの中から、顧客IDと住所とがサーバに送信されると、サーバが受信した住所を行政コード及び緯度・経度に変換して顧客IDと対応付けてクライアントに返信し、クライアントが顧客IDと行政コード及び緯度・経度を記憶しておき、更に、地図情報を表示させたい場合に、ユーザが目的に沿った顧客を選択して、その顧客の行政コード及び緯度・経度をサーバに送信し、地域及び統計データを指定すると、サーバが、指定された地域の地図上に、指定された統計情報と顧客の住所を示す点を重ねて表示する地図情報を作成し、当該地図情報をクライアントで表示するものであり、ユーザは、顧客の個人情報をサーバ側に渡さずにデータの安全性を確保しつつ、所望の分析を行うための地図情報を得ることができ、また、サーバは、ユーザの顧客データを管理する必要が無くなるので、システムを簡略化し処理を容易にすることができるものである。
【0028】
まず、本発明の実施の形態に係る地図情報システムの概略システム構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る地図情報システム(本システム)の概略システム構成図である。
図1に示すように、本システムは、サーバ1と、インターネットを介してサーバ1に接続されたクライアント2とから構成される。尚、図1では説明を簡単にするためにサーバ1に接続するクライアント2を1台としているが、本来は複数台のクライアント2がサーバ1に接続するものである。
【0029】
クライアント2は、ユーザシステムのイントラサーバとして機能するものであり、処理部20と、顧客管理データベース(顧客管理DB)22とを備え、更にイントラネットのクライアントとしての複数のユーザ端末23が接続されている。処理部20には、サーバ1と通信を行って地図情報の作成に必要なデータの送受信を行うと共に、作成された地図情報を表示する地図情報表示プログラム21が設けられている。
【0030】
また、サーバ1は、処理部10と、地図データベース(地図DB)15と、統計データベース(統計DB)16とを備え、更に処理部10には、ジオコーダ11と、地図情報作成手段12と、地図色塗り手段13と、データ集計手段14とを備えている。
【0031】
尚、クライアント2は、予めサーバ1にユーザ登録しており、図示は省略するが、サーバ1では、ユーザ情報として、ユーザ登録しているクライアント2毎にユーザIDやデータ送受信に必要な各種データを記憶している。また、サーバ1は、送信された暗号データを解読する共通の又は各クライアント2に対応した暗号キーを記憶しているものである。ここで、暗号化方法はいかなる方法であっても構わない。
【0032】
各構成部分について具体的に説明する。
サーバ1の処理部10は、ユーザ情報の登録や地図情報作成、地図DB15及び統計DB16に対する入出力制御、クライアント2との通信制御等の処理を行うものであり、複数の機能手段を備えている。
【0033】
サーバ1のジオコーダ11は、クライアント2から送信された住所(住所データ)を行政コード(例えば11桁コード)と、緯度・経度データに変換するものである。
具体的には、ジオコーダ11は、住所データと行政コードとを対応付ける変換テーブル及び住所データと緯度・経度データとを対応付ける変換テーブルを備えており、クライアント2から送信された住所データを、変換テーブルを参照して行政コード及び緯度・経度データに変換するようになっている。
【0034】
地図情報作成手段12は、クライアント2からの指示に従って、指定された地域の地図データや統計データを読み出して、合成するものであり、更に、クライアントから送信された行政コード又は緯度・経度データを、統計データが合成された地図上に更に合成して、地図情報を作成するものである。
【0035】
地図色塗り手段13は、地図情報に、予め用意され、設定された色を塗るものである。例えば、地図の上に表示された統計データの区分毎に見易いように色分け表示を行うものである。
【0036】
データ集計手段14は、クライアントからの指示(抽出条件としての属性条件を含む)に応じて、クライアントから送信された位置データ(行政コード、緯度・経度データ)に付された属性データを集計し、更に、集計結果を抽出条件によって顧客を抽出するものである。尚、データ集計手段14の具体的な動作については後で説明する。
【0037】
地図DB15は、様々な地域の地図データを備えたデータベースである。
ここで、地図DB15について図2を用いて説明する。図2は、サーバ1に設けられた地図DB15の模式説明図である。
図2に示すように、地図DB15は、日本各地のメッシュ地図15a、町丁目地図15b、郵便番号地図15c等の形態の地図を予め記憶している。メッシュ地図15aは、地域を縦横のメッシュで区分した地図であり、町丁目地図15bは、地域を行政界で区分した地図であり、また、郵便番号地図15cは、地域を郵便番号毎に区分した地図である。
各地図データは、クライアント2から指定された地域に応じて様々な縮尺で表示可能となっている。
【0038】
統計DB16は、国勢調査等の公的な統計データを備えたデータベースである。
ここで、統計DB16について図3を用いて説明する。図3は、サーバ1に設けられた統計DB16の模式説明図である。
図3に示すように、統計DB16は、国勢調査のデータと商業統計のデータとを記憶している。
【0039】
国勢調査のデータは、地域毎の総人口、男女別、年齢別人口、世帯数といったデータを、調査の年度別に記憶しているものである。図3の例では、国勢調査○○年度版16a、国勢調査××年度版16b、国勢調査△△年度版16cが記憶されている。
また、商業統計16dのデータは、業種別、販売形態別(小売か卸か)、地域別に、商店数、従業員数、年間販売額、売場面積等の項目について調査した結果をまとめたものであり、商業活動の状況を表すものである。
また、国勢調査のデータ、商業統計のデータの他に、事業所統計、工業統計、消費支出統計等のデータを統計DB16に記憶し、それらデータを利用して地図を表示するようにしてもよい。
【0040】
クライアント2の地図情報表示プログラム21は、サーバ1との通信を行ってサーバ1で作成された地図情報を表示するための顧客データ読み出し及び格納や、表示制御を行うプログラムである。
【0041】
具体的には、地図情報表示プログラム21は、大きく2つの機能実現手段から構成されており、第1の処理は、顧客の住所データをサーバ1に送信して、行政コード及び緯度・経度データに変換させて、サーバ1から取得した変換結果のデータを顧客管理DB22の対応する部分に記憶する処理を行うプログラムである。行政コード及び緯度・経度データのことを、位置データと呼ぶ。
【0042】
第2の処理は、任意の主題の地図情報をサーバ1に作成させて、作成された地図情報を閲覧表示する処理を行うプログラムである。このとき、本発明の特徴として、利用者が、主題に応じて地図情報に表示させたい顧客を選択し、選択された顧客に対応して記憶されている、変換された行政コード及び緯度・経度のデータをサーバ1に送信するようになっている。これにより、一旦、顧客の住所を位置データに変換しておけば、地図情報を表示する際にクライアント2から顧客の住所をサーバ1に送信する必要がなく、更に、サーバ1側に顧客の個人情報を渡すこともないので、データのセキュリティを向上させることができるものである。
尚、本実施の形態では地図情報表示プログラム21に2つの機能実現手段を有するようにしているが、別々のプログラムで実現するようにしてもよい。
【0043】
顧客管理DB22は、ユーザが独自に取得した顧客のデータを記憶しているものであり、特に、本発明のシステムの特徴として、各顧客毎に、サーバ1において住所に基づいて変換した位置データとして、行政コード及び緯度・経度のデータを記憶しているものである。
【0044】
顧客管理DB22について図4を用いて説明する。図4は、顧客管理DB22の模式説明図である。
図4に示すように、顧客管理DB22は、ユーザが顧客のポイントカードやメンバーズカード等で取得した顧客の情報を蓄積しているものであり、顧客IDと、住所(住所データ)と、顧客に関連した属性データとを記憶しており、更に、本発明のシステムの特徴として、各顧客毎に、住所に対応した行政コード(11桁コード)と、緯度・経度のデータを記憶しているものである。
【0045】
行政コード及び緯度・経度のデータは、クライアント2がサーバ1に送信した顧客の住所を基に、サーバ1のジオコーダ11が変換して、返信されたものである。本システムの特徴として、顧客の住所に即結びつく行政コードや緯度・経度のデータはサービスを提供するサーバ1ではなく、ユーザが管理するクライアント2に蓄積しておき、必要に応じて行政コード及び緯度・経度のデータをサーバ1に送信して地図情報を作成させ、クライアント2において表示するようにしている。これにより、顧客の個人情報をサーバに渡すことなく、顧客の位置を反映させた地図情報を表示させて、所望の分析を行うことができ、更に地図作成に直接役立つ行政コード及び緯度・経度データを用いるため、地図の作成が速くなり、結果として地図表示の時間を短縮できるものである。
【0046】
また、属性データとしては、顧客の家族構成や所得、購入年月日、購入品名、購入金額等の情報が含まれる。
尚、図4では省略されているが、顧客管理データには、顧客IDに対応して、顧客の氏名や性別、年齢、既婚/未婚の区別、電話番号等のデータも含まれているものである。ここで、属性データとしての顧客の家族構成や所得等の個人情報は、顧客がメンバーズカード等に加入した際に登録事項として取得できるものであり、購入に関するデータは、POSデータから取得して顧客管理DB22に記憶するものである。
【0047】
クライアント2に接続されたユーザ端末23は、実際に業務を行う担当者(利用者)の操作に基づいて、地図情報作成の要求をイントラサーバ(クライアント2)に出力し、イントラサーバを介してサーバ1から提供された所望の主題の地図情報を表示するものである。尚、ユーザ端末23としては、利用者が指示を入力する操作部と、地図情報を表示する表示部とを備えているが、操作部と表示部とが別々の装置として構成されていても構わず、PDP(plasma display panel;プラズマディスプレイパネル)等の大型の表示部に地図情報を表示するようにしてもよい。
【0048】
このように、クライアント2に複数のユーザ端末23が接続する場合、クライアント2は、地図情報作成の要求とその要求を行った端末の情報と対応付けて記憶し、サーバ1から出力された地図情報を対応するユーザ端末23に出力するようになっている。
【0049】
次に、本システムの動作について図1〜図4を用いて説明する。
本システムでは、ユーザが取得した顧客データは、図4に示すようにクライアント2の顧客管理DB22に蓄積されている。そして、本システムにおけるサービスの処理は、大きく2つのステップから成り、サーバ1が、クライアント2から送信された顧客の住所データを、地図上に表すことができる行政コードや緯度・経度の座標データ(緯度・経度データ)に変換して、再びクライアント2に送り返し、クライアント2において記憶する第1のステップと、第1のステップで変換された行政コードや座標データをクライアント2から送信して、サーバ1が地図情報を作成し、クライアント2に表示する第2のステップである。このように、第1のステップと第2のステップに分かれて処理を行う点が本発明の特徴部分となっている。
【0050】
まず、第1のステップについて説明する。
クライアント2は、顧客管理DB22に蓄積された任意の顧客について、顧客IDと住所データをサーバ1に送信して、当該住所データを行政コード及び緯度・経度に変換するよう要求する。
【0051】
サーバ1では、クライアント2から受信した住所をジオコーダ11が行政コード及び緯度・経度データに変換し、変換した行政コード及び緯度・経度データをクライアント2に返送する。そして、クライアント2が、行政コード及び緯度・経度データを位置データとして顧客管理DB22の当該顧客IDに対応して記憶する。
【0052】
すなわち、これにより、本システムでは、顧客毎の行政コード及び緯度・経度データがクライアント2側に記憶されることになり、大事な個人情報をサーバ1に渡さなくて済むため、データの安全性を向上させることができるものである。
更に、サーバ1では、多くのクライアント2について顧客毎の大量の位置データ(行政コード及び緯度・経度データ)を記憶する必要がなくなり、システムの構築を容易にし、処理の負荷を軽減することができるものである。
【0053】
更にまた、第1のステップを地図情報を表示させる処理(第2のステップ)とは独立して行うことができるものである。つまり、第1のステップを朝一番等の定期的に行い、第2のステップはユーザ端末23からの要求に応じて随時行うことが可能となる。
クライアント2における顧客データの更新処理が1回/日程度であれば、第1のステップを一日の特定日時に定期的に行うのが効果的であり、顧客データの更新処理が一日に頻繁に行われるのであれば、第1のステップを地図情報表示要求の度に随時行うのが効果的である。
【0054】
次に、第2のステップについて説明する。
利用者が、ある主題に沿った地図情報を作成させたい場合には、まず、ユーザ端末23からイントラネットを介してイントラサーバ(クライアント2)にアクセスし、顧客管理DB22を検索して、地図上に位置を表示させたい顧客を選択する。更に、表示させたい地図及び統計データを選択して、地図情報表示要求をイントラサーバ(クライアント2)に出力する。
【0055】
クライアント2は、ユーザ端末23からの要求に応じて、顧客管理DB22から当該顧客の行政コード及び緯度・経度データを読み取ってサーバ1に送信し、更に地図で表示させる地域及び統計データを送信する。
【0056】
そして、サーバ1の地図情報作成手段12が、クライアント2からの要求に従って、指定された地域の地図上に統計データを重ね、更に選択された顧客の位置を地図上に重ねて示した地図情報を作成する。
【0057】
そして、サーバ1は、作成した地図情報をクライアント2に提供し、クライアント2は、当該地図情報をユーザ端末23に出力して表示部(図示せず)に表示するようになっている。
これにより、一旦顧客の住所データを行政コード及び緯度・経度データに変換しておけば、その後は住所データを送信しなくても地図上に当該顧客の位置を表示させることができ、地図情報の作成を要求する度に顧客の個人情報が何度もネット上を行き交うことがなくなり、個人情報の漏洩を防ぐことができるものである。
【0058】
次に、本システムにおける住所データを行政コード及び緯度・経度データに変換する第1のステップの手順について図5を用いて説明する。図5は、第1のステップにおける手順を示した説明図である。
図5に示すように、まず、クライアント2が、送信する顧客の住所データを行政コード及び緯度・経度に変換する要求である「位置データ変換要求」をサーバ1に出力する(100)。この際には、ユーザの真偽を判別するためにユーザ登録の際に登録したユーザID、暗証番号等を入力する。
【0059】
尚、位置データ変換要求は、地図情報表示プログラム21に従って送信されるものであり、例えば毎日朝一番に送信されるようになっている。また、これに加えて、ユーザ端末23からの指示に従って位置データ変換要求を送信してもよい。
【0060】
サーバ1では、位置データ変換要求に含まれるユーザIDを読み取り、登録されたユーザであれば暗証番号の入力を促し、クライアント2から送信された暗証番号がユーザIDに対応して登録されている暗証番号と一致するかどうかを判断することで認証を行い(102)、認証した場合に「認証OK」としてサービス利用を許可する。
【0061】
そして、クライアント2が、顧客管理DB22の中から、例えば新たに登録された顧客等、所望の顧客IDと、それに対応する住所データとを読み出し(104)、暗号化してサーバ1に送信する。住所データを送信する際には必ず暗号化しなければならないものではないが、暗号化することによって、万が一、送信時にデータが漏洩したとしてもデータの機密性を保持できるので、暗号化することが望ましい。暗号化する場合、暗号キーは予めサーバ1とクライアント2との間で取り決められているものである。
【0062】
サーバ1では、クライアント2から送信された住所データを復号し、ジオコーダ11が、住所データを対応する行政コードに変換し、更に住所データを対応する緯度・経度データに変換して(106)、顧客IDに対応付けてクライアント2に返信する。
尚、クライアント2から送信するのは住所データの代わりに郵便番号を用いてもよく、また、ある程度の位置の特定ができる他のデータを代わりに用いてもよい。郵便番号や他のデータを用いる場合には、サーバ1にそれらのデータと行政コード又は緯度・経度データとを対応付けるテーブルを備えておき、クライアントから送信された郵便番号や他のデータをテーブルを参照して行政コードと緯度・経度データに変換するものである。
【0063】
そして、クライアント2が、サーバ1から受信した行政コードと、緯度・経度データとを顧客管理DB22に顧客IDに対応して記憶する。
このようにして、本システムにおける住所データを行政コード及び緯度・経度データに変換する処理(第1のステップ)が行われるものである。
【0064】
次に、本システムにおいてクライアント2が地図情報を表示する第2のステップにおける手順について図6を用いて説明する。図6は、第2のステップにおける手順を示す説明図である。
図6に示すように、利用者が、ユーザ端末23から、地図情報表示の要求をイントラサーバ(クライアント2)に出力すると、本システムのクライアント2は、地図情報表示プログラム21を起動して、サーバ1に対して地図情報の表示を要求する「地図情報表示要求」を送信する(200)。
【0065】
サーバ1は、図5に示した場合と同様に、地図情報表示要求に含まれるユーザIDと暗証番号とを比較して、クライアント2を認証し(202)、認証した場合には「認証OK」をクライアント2に送信する。
【0066】
クライアント2は、ユーザ端末23に「顧客を選択してください」等のメッセージを表示する選択用の画面を出力して、利用者が顧客管理DB22から表示させたい顧客を選択するのを促す。このとき、選択された顧客のリストを一覧表示してもよい。
【0067】
利用者が、ユーザ端末23から顧客を選択して、「送信」等の特定操作を行うと、選択された顧客IDがクライアント2に出力され、クライアント2が、当該顧客に対応する行政コード及び緯度・経度データを読み取って、サーバ1に送信する(204)。本発明のシステムの特徴として、このとき、顧客IDを送信する必要はなく、必要以上に顧客に関する情報が流出するのを防ぐことができるものである。
【0068】
更に、クライアント2は、ユーザ端末23に対して、「地域を指定してください」等のメッセージを含む選択画面を出力し、利用者が目的に合わせて表示する地域を選択すると、クライアント2は、特定された地域をサーバ1に送信する(206)。また、このときに図2に示した地図データの中から地図の種類を選択することができる。地域の選択は、画面上に都道府県のボタンが表示され、いずれかを選択するとその下の市町村を選択するボタンが表示され、という具合に順次細かい地域になっており、用途に合わせて地域の範囲を指定できるようになっている。
【0069】
更に、クライアント2は、ユーザ端末23に「統計データを選択してください」といったメッセージを含む選択画面を出力し、利用者が地図に重ね合わせたい統計データを図3に示した統計DBの中から選択して指定すると、クライアント2が統計データを指定するデータをサーバ1に送信する(208)。統計データの選択も、画面上に総人口分布、年齢別人口分布、等のボタンが表示され、更にいずれかのボタンを選択すると、○○年度(版国勢調査)、××年度(版国勢調査)等所望の時期を選択できるようになっている。
【0070】
尚、顧客、地域、地図、統計データの各項目の選択処理は、地図情報表示要求をサーバ1送信する以前に、クライアント2とユーザ端末23との間のやり取りで行うようにし、地図情報作成に必要な項目の指定が全てそろってから、クライアント2がサーバ1に地図情報表示要求を送信するようにしてもよい。
【0071】
サーバ1の処理部10の地図情報作成手段12は、特定された地域及び地図のフォーマットに基づいて地図DB15から地図を読み出し、また、指定された統計データを統計データDB16の中から読み出す。そして、地図情報作成手段12は、統計データを編集して地図上に分布させ、読み出された地図に重ね合わせ、更に処理部10の地図色塗り手段13が、地図や統計データに応じて見易く彩色する。
【0072】
そして更に、地図情報作成手段12が、クライアント2から送信された顧客の行政コード及び緯度・経度のデータに基づいて、顧客を表す「点」等の印を地図上に重ねて表示し、地図色塗り手段13が、必要に応じて顧客の「点」を彩色する。このようにして、特定地域の地図に、統計データとユーザによって選択された顧客の位置が表示された地図情報が作成されるものである。
【0073】
そして、サーバ1で地図情報が作成されると、サーバ1は当該地図情報をクライアント2に出力し、クライアント2の処理部20が地図情報表示プログラムに従ってユーザ端末23に地図情報を表示出力する。これにより、本システムでは、特定の目的に沿った顧客及び地域を選択して、統計データと共に地図に重ねて表示させた地図情報を作成でき、利用者のニーズにきめ細かく合わせた地図情報を作成することができるものである。
【0074】
本システムでは、クライアント2の地図情報表示プログラム21に、ユーザ端末23から地図情報の作成を要求したり、編集するために必要な指示を入力する画面のデータを備えており、図6に示したシーケンスの中で適切な画面データを選択してユーザ端末23に出力するようにしている。
【0075】
更に、ユーザ端末23の表示部において地図情報が表示されている画面上に、「広域」「拡大」等のボタンや地図データの「タイプ変更」を指示するボタンを設け、ボタンが押下されるとクライアント2の地図情報表示プログラム21がサーバ1に、入力されたボタンに対応する指示を送信して、サーバ1の地図情報作成手段12が指示に応じて地図情報を編集するようにしてもよく、このようにすれば、ユーザの要求に応じて地図情報を随時編集可能とすることができるものである。
【0076】
次に、本システムにおける地図情報表示の具体的な例について説明する。
例えば、利用者が「30代独身女性」をターゲットとして折り込み公告やチラシを配布する場合には、利用者は、まず、ユーザ端末23からイントラサーバ(クライアント2)にアクセスして、「30代独身女性」の条件を出力すると、クライアント2が顧客管理DB22の年齢、性別、既婚/未婚の項目をチェックして、条件に合う顧客を抽出する。
【0077】
次に、利用者は、ユーザ端末23から、当該店舗に来るお客の多くが住む範囲を地域指定し、所望の地図のタイプを選択し、更に、人口分布等の統計データを選択してクライアント2に出力する。
そして、クライアント2から、抽出された顧客に対応して記憶されている行政コード及び緯度・経度データと、地域と、統計データの指示をサーバ1に送信すると、サーバ1の地図情報作成手段12が「選択された地域の人口分布と、30代独身女性の顧客の分布」が同一画面上で分かる地図情報を作成して、クライアント2に表示可能に出力する。
ここで、クライアント2からサーバ1に送信される位置データ(行政コード、緯度・経度データ)等は顧客ID(顧客の識別子)に対応付けられたものである。
【0078】
そして、利用者は、クライアント2を介してユーザ端末23の表示部に表示された地図情報に基づいて、折り込み広告やチラシを配布するエリアをどこにすれば30代独身女性の顧客の目に触れる確率が高く、更に潜在的な顧客を開拓する可能性が高いかを把握して、効率のよい宣伝を行うことができるものである。
【0079】
また、本システムでは、地図情報の作成を行う第2のステップにおいて、クライアント2から顧客の行政コードと緯度・経度データに加えて、顧客の属性データをサーバ1に送信し、サーバ1では属性データに基づいて集計処理を行って、その結果を用いて地図情報を作成することも可能としている。
【0080】
サーバ1における属性データの集計は、図1に示したデータ集計手段14によって行われるものであり、具体的には、データ集計手段14は、クライアント2から送信された様々な項目の属性データの中から、クライアント2から送信された条件に応じて必要なデータを読み出して集計し、更に、集計結果が条件を満たす顧客を抽出して、当該顧客に対応する行政コード及び緯度・経度データを地図情報作成手段12に出力するものである。
【0081】
例えば、属性データとして、商品購入日と、購入商品と、購入金額の情報が含まれている場合に、利用者がユーザ端末23からクライアント2にアクセスして「30代独身女性」を選択した段階で、クライアント2が、選択された顧客の行政コードと緯度・経度データ及び属性データをサーバ1に送信し、更にクライアント2から、「先月の購入金額が10万円以上」「服飾費の割合が70パーセント以上」といった条件をサーバ1に送信すると、サーバ1のデータ集計手段14が、顧客毎の属性データから年間購入金額を集計し、更に服飾費の割合を算出して、条件を満たす顧客を抽出していく。
【0082】
そして、データ集計手段14がクライアント2から送信された顧客全てについて集計して、抽出した顧客の行政コード及び緯度・経度データを地図情報作成手段12に出力すると、地図情報作成手段12が、抽出された顧客の行政コードと緯度・経度に基づいて、指定された地域で、指定された統計データが色分け表示された地図上に、「30代独身女性で、先月の購入金額が10万円以上で、服飾費の割合が70パーセント以上を占める顧客」の位置が重ねて表示された地図情報を作成するものである。
【0083】
また、「4/1〜4/10の間に1万円以上の買い物をした男性」について地図情報を表示させたい場合には、例えば、ユーザ端末23で「男性」又は「4/1〜4/10の間に買い物をした男性」を選択し、クライアント2から、選択された顧客の行政コード及び緯度・経度データ及び属性データをサーバ1に送信し、更に「4/1〜4/10の間に1万円以上買い物をした」という条件を送信すると、条件を満たす顧客のみが抽出されて、所望の地図情報が作成されるものである。
【0084】
また、顧客について集計し、抽出された顧客の位置データと統計DB16に記憶されている統計データとを用いて地図情報を作成するようにしてもよい。
具体的には、抽出された位置データに基づいて特定地域内の該当顧客数を算出し、当該算出した顧客数を統計データにおける当該特定地域内の人口数のデータで割ると、シェアを算出でき、そのシェアの状態を地図上に色分け表示(例えば、シェア0%以上10%未満なら緑色、10%以上20%未満なら黄色、20%以上なら赤色に色分け表示)することが考えられる。
【0085】
ここで、サーバ1で属性データの集計を行う場合の手順について図7を用いて説明する。図7は、サーバ1で属性データの集計を行う場合の処理手順を示す説明図である。
図7に示すように、利用者が地図情報を表示させたい場合には、図6の場合と同様に、ユーザ端末23からの要求に従ってクライアント2が地図情報表示要求をサーバ1に送信し(300)、サーバ1で認証されると(302)、クライアント2からの指示に応じて、利用者はユーザ端末23において顧客を選択してクライアント2に出力する(304)。
【0086】
ここで、クライアント2における顧客選択は、顧客管理DB22を検索する際に、顧客データや属性データの対象となる項目を単に参照して、入力された条件との単純な比較を行う程度の処理であり、複雑な集計や計算処理は行わない。例えば、上述した例では、クライアント2は、ユーザ端末23からの指示に従って、顧客管理DB22上で「年齢」「性別」「配偶者の有無」の項目をチェックして、「30代独身女性」を選択する。
【0087】
そして、クライアント2は、選択された顧客の行政コードと緯度・経度データと、属性データとをサーバ1に送信する。
更に、利用者が、ユーザ端末23から属性を絞り込むための属性条件を入力してクライアント2に出力すると、クライアント2がサーバ1に属性条件指定として出力し(306)、サーバ1のデータ集計手段14は、処理304で送信された全ての顧客の属性データについて集計を行い、属性条件を満たす顧客の位置データを抽出する(310)。上述した例では、ここで「先月の購入金額が10万円以上」及び「服飾費の割合が70パーセント以上」の条件によって顧客が抽出される。
【0088】
そして、クライアント2から地域が特定され(312)、統計データが指定される(314)と、サーバ1の地図情報作成手段12が、処理310で抽出した顧客の位置データと、地域と、統計データとに基づいて地図情報を作成し(316)、クライアント2に出力する。そして、クライアント2の処理部20が、ユーザ端末23に地図情報を出力して表示させるようになっている。
【0089】
これにより、ユーザ端末23の表示部に属性データの集計に基づいた地図情報が表示されるものであり、大量の属性データの集計処理を、クライアント2ではなく処理能力の高いサーバ1において行うことができ、迅速に所望の地図情報を表示させることができるものである。
【0090】
本発明の実施の形態に係る地図情報システムによれば、第1ステップで、クライアント2から送信された顧客IDと住所データとをサーバ1が行政コード及び緯度・経度データに変換して顧客IDと共にクライアント2に送信し、クライアント2が顧客管理DB22に顧客毎の行政コード及び緯度・経度データを記憶しておき、第2ステップで、クライアント2から、表示させたい顧客の行政コード及び緯度・経度をサーバ1に送信し、更に地域と統計データとを指定すると、サーバ1がそれに基づいて、指定された地域の地図に、指定された統計データの分布を色分け表示し、更に、選択された顧客の位置を重ねた地図情報を作成して、クライアント2が地図情報を表示するようにしているので、ユーザは、地図情報の作成を要求する度に顧客の個人情報を何度もインターネット経由でサーバに送信しなくて済み、顧客の個人情報の安全性を向上させることができる効果がある。
【0091】
また、本システムによれば、顧客の住所データを変換した行政コードと緯度・経度のデータをサーバ1側ではなく、クライアント2側において蓄積するようにしているので、サーバ1のデータベース及び検索処理を簡略化することができ、サーバの負荷を軽減することができる効果がある。
【0092】
また、本システムによれば、顧客の住所データを、緯度・経度データのみではなく行政コードにも変換しているので、クライアント2からの地図情報表示要求に応じて作成した地図情報の表示地域をもっと絞り込んでクローズアップする場合の顧客の抽出処理を簡便にすることができる効果がである。
【0093】
更に、本システムによれば、クライアント2で大まかに選択した顧客について、行政コード及び緯度・経度データの位置データに加えて、属性データと、属性条件とを送信すると、サーバ1のデータ集計手段14が顧客毎の属性データを集計して条件に合う顧客を絞り込んで当該顧客の位置データを地図情報作成手段12に出力し、地図情報作成手段12が、特定された地域及び統計データに基づいて、絞り込まれた顧客の位置を統計データと共に同一画面に重ねた地図情報を作成して、クライアント2に出力し、ユーザ端末23で地図情報を表示するようにしているので、クライアント2において複雑な集計処理を行わなくても、処理能力の高いサーバ1で目的の条件に合う顧客を抽出することができ、利用者のニーズに合わせて的を絞った地図情報を迅速に作成することができる効果がある。
【0094】
次に、本発明の別の実施の形態に係る地図情報システムについて説明する。
上述した地図情報システムでは、クライアントからの要求でサーバが地図情報を作成してそれをクライアントが表示しても、一旦クライアント−サーバ間のデータのやり取り(セッション)が途絶えた場合には、たとえ同じ条件の地図情報が欲しい場合でも、再度図6又は図7に示した手順に従ってサーバで地図情報を作成し、クライアント側で表示するようになっているが、本発明の別の実施の形態に係る地図情報システム(別の地図情報システム又は別のシステム)は、クライアントがサーバに依頼したタスクについて、作成した地図情報にセッション番号を付して記憶しておき、一定時間内であれば、クライアントは、セッション番号と共に地図情報を要求すれば何度でも当該セッション番号に対応した地図情報を表示できるようにしたものであり、これにより同じ地図情報を極めて迅速に表示することができるものである。
【0095】
別の地図情報システムの構成は、図1に示した地図情報システムの構成とほぼ同様であるため図示は省略するが、サーバ1に、セッション番号と、それに対応する地図情報とを対応付けるセッション管理テーブルと、作成した地図情報を記憶するデータベースを備えている。更に、サーバ1の処理部10にセッション管理を行う手段を設けている。
【0096】
ここで、別の地図情報システムにおけるサーバ1のセッション管理テーブルについて図8を用いて説明する。図8は、別の地図情報システムにおけるサーバのセッション管理テーブルを示す説明図である。
図8に示すように、セッション管理テーブルは、セッション番号と、それに対応する地図情報の番号(地図情報番号)及び当該セッション番号がセッション管理テーブルに登録された登録時刻とを記憶しているものである。セッション番号は、新たに地図情報を作成した場合に当該地図情報に対応して付与される番号である。
【0097】
登録時刻は、各セッション番号が登録された時刻であり、登録時刻から一定時間(例えば1時間)の間はセッション番号を記憶しておき、期限が切れると、当該セッション番号をセッション管理テーブルから消去して、当該セッション番号を無効とするものである。
【0098】
そして、サーバ1は、地図情報を作成すると地図情報に番号を付して地図情報データベースに記憶し、更に対応するセッション番号を付与してセッション管理テーブルにセッション番号と、地図情報番号と、登録時刻とを対応付けて記憶する。そして、クライアント2に地図情報を出力する際に、対応するセッション番号及び登録時刻(又は有効期限)を付して出力する。
【0099】
そして、クライアント2に複数のユーザ端末23が接続する場合、クライアント3は、サーバ1から出力された地図情報とセッション番号を受信すると、当該地図情報に対する地図情報表示要求を行ったユーザ端末23の識別番号と対応付けて記憶すると共に、当該地図情報をユーザ端末23に出力し、ユーザ端末23から受信した地図情報に対する地図情報表示要求を受けると、当該地図情報表示要求に対応付けて記憶されるセッション番号を付してサーバ1に送信するようになっている。
【0100】
具体的には、クライアント2では、サーバ1から地図情報を受信すると、クライアント2において地図情報を管理するための管理番号を付して、当該管理番号とセッション番号と登録時刻(又は有効期限)と要求元のユーザ端末23の識別番号とを記憶しておき、受信した地図情報を要求元のユーザ端末23に表示する。このとき、管理番号と登録時刻(又は有効期限)の情報をユーザ端末23に出力しておく。
【0101】
更に、ユーザ端末23において表示された地図情報に、利用者が独自に名前をつけられるようにしてもよい。この場合には、クライアント2が地図情報をユーザ端末23に出力する際に、「名前を入力してください」等のメッセージと名前を入力するエリアを備えた画面又はウィンドウを表示し、利用者に名前の入力を促す。そして、名前が入力され、クライアント2が受信すると、クライアント2は、当該地図情報のセッション番号を記憶するテーブルに、管理番号や登録時刻と共に入力された名前を記憶しておく。例えば「A地域40代男性」等地図情報の特性を端的に表す名前を付けておくと、後で分かり易いものである。
【0102】
そして、ユーザ端末23を操作する利用者が、当該地図情報の表示を一旦やめて別の地図情報の表示や顧客の検索等を行った後に、再び先ほどの地図情報を表示させたくなった場合には、登録時刻から一定時間以内であれば、利用者はユーザ端末23からセッション番号を付して地図情報表示要求を出力する。
【0103】
具体的には、利用者が、ユーザ端末23からクライアント2にアクセスして地図情報表示要求を送信すると、クライアント2が、「表示する地図情報の管理番号(又は名前)を入力してください」といったメッセージをユーザ端末23に表示して、利用者が、ユーザ端末23に記憶している管理番号又は名前を入力する。
又は、クライアント2が、クライアント2において当該ユーザ端末23に対応して記憶している管理番号(又は名前)と登録時刻を、要求元のユーザ端末23に表示して、その中からの選択を促すようにしてもよい。
【0104】
管理番号又は名前が入力され、クライアント2が受け取ると、クライアント2は、ユーザ端末23から入力された番号又は名前に対応するセッション番号を読み取り、当該セッション番号を付して地図情報表示要求をサーバ1に送信する。
【0105】
そして、サーバ1がセッション番号の付された地図情報表示要求を受信すると、サーバ1は、セッション管理テーブルを参照して、対応する地図情報を読み出してクライアント2に出力する。
【0106】
これにより、クライアント2側にとっては、一定時間以内であれば、同じ地図情報を表示させるために何度も同じ操作を行わずに済み、迅速に所望の地図情報を表示させることができ、また、サーバ1側にとっても地図情報作成の処理を軽減することができるものである。更に、サービス提供者は、新規地図情報作成から一定時間内(セッション管理を行う間)は、何度表示させても定額料金にするといったサービスを行ってもよい。
【0107】
尚、別のシステムでは、処理部10にセッション管理テーブルを監視する手段を備えており、当該手段が、セッション管理テーブルの登録時刻(又は有効期限)を監視して、期限切れになったセッション番号をセッション管理テーブルから削除すると共に、それに対応してデータベースに記憶されている地図情報を削除するようにしている。
これにより、作成した地図情報のうち、セッション番号が無効になったものは削除することができ、作成した地図情報を記憶する装置の記憶容量を有効に活用できるものである。
【0108】
次に、別の地図情報システムにおけるサーバ1のセッション管理の処理について図9を用いて説明する。図9は、別の地図情報システムにおけるサーバ1の処理を示すフローチャート図である。
図9に示すように、サーバ1の処理部10は、クライアント2から地図情報表示要求を受信すると(400)、暗証番号等で認証を行い(402)、認証OKならば、セッション番号を受信したかどうかを判断する(404)。尚、処理402において、認証NGならば予め設定された「認証できませんでした」といったメッセージを返信して、処理を終わる。
【0109】
セッション番号を受信して、且つセッション管理テーブルに当該セッション番号が記憶されている場合には(Yesの場合)、サーバ1は、セッション管理テーブルを参照して、当該セッション番号に対応する地図情報番号を読み取り、データベースから当該地図情報番号の地図情報を読み出して(410)、クライアント2に出力する(412)。
【0110】
また、処理404でセッション番号を受信しなかった場合又はセッション番号がセッション管理テーブルに記憶されておらず無効の場合(Noの場合)には、サーバ1は、クライアント2からの指示に従って、図6又は図7に示した手順で地図情報を作成する(420)。
【0111】
地図情報を作成すると、サーバ1は、作成した地図情報に番号を付与して、データベースに記憶する(422)。更に、サーバ1は、セッション管理テーブルに、付与したセッション番号と地図情報番号とを対応付けて記憶し、登録時刻又は登録時刻に一定時間を加えた有効期限を記憶する。
【0112】
そして、サーバ1は、クライアント2に地図情報とセッション番号と登録時刻(有効期限)とを出力する(426)。このようにして、サーバ1におけるセッション管理が行われるものである。
【0113】
本発明の別の実施の形態に係る地図情報システムによれば、サーバ1が新たに地図情報を作成した場合に、セッション番号と地図情報と登録時刻とを対応付けて一定時間記憶しておくセッション管理テーブルを備え、クライアント2からセッション番号を付した地図情報表示要求を受信すると、セッション管理テーブルを参照して、当該セッション番号が記憶されていれば、受信したセッション番号に対応する地図情報を読み出して、要求元のクライアント2に地図情報を出力するようにしているので、クライアント2側の利用者は、一定時間内であれば、同じ地図情報を表示するのに何度も同じ入力操作を行わなくて済み、利用者の使い勝手を向上させることができ、また、サーバ1における地図情報作成の処理を軽減し、指定された地図情報を迅速に出力することができる効果がある。
【0114】
また、セッション管理の別の方法として、セッション管理テーブルにおいて、セッション番号を地図情報そのものに対応付けるのではなく、地図情報を作成するのに必要な各項目の指示(タスク)に対応付けて記憶するようにしてもよい。
ここで、タスクとは、特定の地図情報を作成するのに必要な、顧客・地域・地図・統計データ(必要ならば属性データも)を指定するデータの組み合わせであり、地図情報を作成する際にクライアント2を介してユーザ端末23から入力されているものである。
【0115】
そして、別のセッション管理を行う場合には、サーバ1は、初めにあるタスクで地図情報を作成する際に、クライアント2から送信されたタスクに識別番号を付して記憶しておく。そして、セッション管理テーブルにおいて、セッション番号とタスクの識別番号と、登録時刻(有効期限)とを対応付けて記憶しておく。
【0116】
そして、サーバ1が、クライアント2からセッション番号を付した地図情報表示要求を受信すると、セッション管理テーブルを参照して、当該セッション番号に対応するタスクの識別番号を読み取り、当該識別番号に対応して記憶されているタスクで指定される顧客、地域、地図、統計データ、属性データに従って再度地図情報を作成する。
【0117】
これにより、サーバ1に、作成した地図情報そのものを記憶しておくためのデータベースが不要となり、地図情報の記憶や検索に関する処理を軽減することができる効果がある。また、地図情報そのものを記憶しておく場合と同様に、クライアント2側の利用者は、何度も同じタスクを入力しなくてすみ、利用者の使い勝手を向上させることができる効果がある。
【0118】
また、上記別のシステムでは、ユーザ端末23が地図情報表示要求をクライアント2に出力し、クライアント2がサーバ1に対してその地図情報表示要求を送信し、更にサーバ1で作成された地図情報を、クライアント2を介して対応するユーザ端末23に出力し、クライアント2でセッション番号と対応のユーザ端末23の識別子とを記憶するものとなってはいるが、クライアント2が特定名称に対応する地図情報表示要求を定期的にサーバ1に送信し、受信したセッション番号を当該特定名称と対応付けて記憶しておき、ユーザ端末23から当該特定名称の指定があると、その指定があったユーザ端末23の識別子を記憶し、更に記憶するセッション番号を再度サーバ1に送信して、サーバ1からの地図情報を対応するユーザ端末23に表示出力するようにしてもよい。
【0119】
クライアント2は、地図情報表示要求に対応する名称、サーバ1から送信されたセッション番号、名称を指定したユーザ端末23の識別子を記憶部(図1に図示せず)に記憶するようになっている。
また、クライアント2の地図情報表示プログラムは、特定条件で地図を表示させるための地図情報表示要求を定期的にサーバ1に送信し、サーバ1から受信したセッション番号を記憶部に記憶させ、ユーザ端末23から名称が指定されると、そのユーザ端末23の識別子を記憶部に対応付けて記憶させ、セッション番号をサーバ1に送信し、サーバ1から受信した地図情報をセッション番号に対応するユーザ端末23に表示出力する。
【0120】
また、クライアント2は、例えば、店舗Aに関する地図、店舗Bに関する地図といった店舗毎の地図情報表示要求とその名称(例えば、「店舗Aの地図」といった名称)を対応付けてテーブル等で記憶しておき、更にそれら地図情報にアクセス可能なユーザ端末23もテーブル等で記憶しておく。
【0121】
そして、あるユーザ端末23から「店舗Aの地図」の指定があると、テーブル等を参照して当該地図情報にアクセス可能なユーザ端末23であるのかを判断し、アクセス可能なユーザ端末23であれば、対応する地図情報表示要求をテーブルから読み出してサーバ1に送信し、その地図情報表示要求に対応した地図情報を指定のあったユーザ端末23に表示出力することもできる。
【0122】
この場合、別のユーザ端末23から「店舗Aの地図」の指定があっても、当該別のユーザ端末23がアクセス可能な端末であれば許可するが、アクセス可能な端末でなければ、地図情報の表示処理は行わない。
また、そのテーブル等で、店舗Aの地図と店舗Bの地図との関連性を記憶しておき、あるユーザ端末23が店舗Aの地図情報にアクセス可能であれば、店舗Bの地図情報にアクセス可能とすることもできる。
【0123】
更に、上記クライアント2の構成において、セッション番号の管理を行い、クライアント2が自発的に店舗Aの地図情報表示要求、店舗Bの地図情報表示要求をサーバ1に送信しておき、テーブル等に地図情報表示要求とその名称、アクセス可能なユーザ端末及び返信された地図情報のセッション番号を記憶しておき、アクセス可能なユーザ端末23から特定の地図情報表示要求があると、クライアント2は対応するセッション番号をサーバ1に送信して、サーバ1で保持する地図情報を受信し、対応するユーザ端末23に表示出力するようにしてもよい。
【0124】
また、本システム又は別のシステムにおいて、クライアント2における顧客管理DB22では、図4に示すように、顧客管理データとして「属性データ」を記憶するようになっているが、顧客の性別、生年月日等の静的なデータは図4のテーブル形式(第1の記憶部)で保持するようにし、その顧客の特定日における購入商品、購入額等の動的なデータ(履歴)は日時に対応付けて別の記憶部(顧客購入履歴記憶部:第2の記憶部)に長期間記憶させるようにすると、顧客の購入分析等に役立てることが可能となる。
【0125】
例えば、上記顧客購入履歴記憶部から、今週のある顧客の購入状況、先週のその顧客の購入状況、先々週のその顧客の購入状況、若しくは、本年度のある顧客の購入状況、昨年度のその顧客の購入状況、一昨年のその顧客の購入状況等を反映させた地図情報が表示可能となる。
【0126】
この場合、クライアント2に顧客購入履歴記憶部を備えるようにしているので、サーバ1で行わせていた集計処理をクライアント2の処理部20に行わせる。
つまり、クライアント2の処理部20にユーザ端末23から顧客の購入に関する条件が設定入力されると、その条件に適合する顧客を顧客購入履歴記憶部から検索し、該当する顧客を抽出する。
そして、処理部20は、抽出された顧客に対応する位置データ及び地図情報表示要求をサーバ1に送信し、サーバ1で作成された地図情報を受信すると、対応するユーザ端末23に表示出力する。
【0127】
尚、本システム及び別のシステムにおいて、クライアント2にネットワークを介してユーザ端末23を接続するようにしているが、クライアント2にユーザ端末23が接続されていない状態であってもよい。この場合、クライアント2では処理部20に情報を入力するための入力部と、地図情報を表示するための表示部とを備え、ユーザ端末23から行われていた指示等を当該入力部から行うようにし、それら指示等に従って地図情報表示プログラム21を動作させ、サーバ1で作成された地図情報を表示部に表示するものとなる。
【0128】
【発明の効果】
本発明によれば、サーバが、地図データを記憶する地図データベースと、統計データを記憶する統計データベースと、クライアントから送信された顧客の識別番号と住所を受信して、住所を地図上に表示可能な位置データに変換してクライアントに識別番号に対応付けた位置データを返信するジオコーダと、顧客の位置データと共に、クライアントで記憶されている顧客の属性データと、属性データを絞り込む条件を受信すると、条件に従って顧客毎に属性データを集計して、集計結果が条件を満たす顧客の属性データを抽出して当該顧客属性データに対応する顧客の位置データを出力するデータ集計手段と、任意のクライアントから、指定された地域と、統計データを指定するデータとを受信して、指定された地域の地図データを地図データベースから読み出し、指定された統計データを統計データベースから読み出して、地図データ上に統計データを分布させると共に、地図データ上データ集計手段から出力された位置データを重ねて表示する地図情報を作成し、クライアントに作成された地図情報を出力する地図情報作成手段とを備えることを特徴とする地図情報システムとしており、変換された位置データを識別番号に対応付けてクライアントが記憶しておき、地図情報を表示したい場合にクライアントが位置データを読み出してサーバに送信すれば、選択した地域の地図上に、統計データと送信した位置データとが重なった地図情報が作成されてクライアントにおいて表示することができ、サーバが各クライアント毎に膨大な量の位置データを記憶する必要がなくなり、システム構築及び地図情報作成の処理を簡易にすることができると共に、クライアントが管理する住所のデータをサーバに記憶しなくて済むためクライアント側のデータの安全性を向上させることができ、また、クライアントで複雑な集計処理を行わなくても、処理能力の高いサーバで属性データを集計して所望の条件に合う顧客を抽出することができ、目的に応じてターゲットとなる顧客を絞り込んだ地図情報を迅速に表示することができる効果がある。
【0129】
また、本発明によれば、上記地図情報システムにおいて、位置データが、行政コードと緯度・経度データのいずれか又は両方を備えているものであり、位置データを地図上に直ちに反映させることができ、地図情報を迅速に表示させることができる効果がある。
【0130】
また、本発明によれば、上記地図情報システムにおいて、地図データベースが、メッシュ地図データと、町丁目地図データと、郵便番号地図データのいずれか又は全てを含んでいる地図データベースである地図情報システムとしているので、所望の地域の地図の中から、利用者の用途、目的、好みに合わせて地図の形態を選択することができ、利用者のニーズに細かく対応した地図情報を作成することができる効果がある。
【0131】
また、本発明によれば、上記地図情報システムにおいて、統計データベースが、国勢調査のデータと、商業統計のデータとを備えたり、地図データベースが、行政界の変更履歴を記憶しており、統計データベースが、国勢調査のデータを調査年度毎に記憶している地図情報システムとしているので、利用者のニーズに応じて統計データを選択可能とし、昔の統計データや行政界を用いた地図情報を作成することができ、過去から現在に至るまでの変遷を表した地図情報等の多様な地図情報を作成することができる効果がある。
【0132】
また、本発明によれば、上記地図情報システムにおいて、クライアントにおいて顧客の識別番号と当該顧客の住所が対応付けられて記憶されており、クライアントは、前記住所に基づいて前記ジオコーダが変換した位置データを前記識別番号に対応して記憶することを特徴とする地図情報システムとしており、顧客の個人情報である住所のデータや、住所を容易に特定できる位置データをサーバに渡さずに済み、顧客の個人情報の安全性を向上させることができ、また、顧客の住所を反映させた地図情報を表示させて、セールス情報の分析や販売促進戦略等に活用することができる効果がある。
【0134】
また、本発明によれば、上記地図情報システムにおいて、サーバのジオコーダが、クライアントから定期的に送信される、顧客の住所を位置データに変換する要求である位置データ変換要求を受信すると、前記位置データ変換要求に含まれる住所について前記変換する処理を行う地図情報システムとしているので、位置データ変換要求に新しく登録された顧客の住所が含まれるようにすれば、利用者が特に操作を行わなくても、サーバが定期的に住所を位置データに変換する処理を行って、新しく登録された顧客に対応する位置データをクライアントに記憶させておくことができ、地図情報の作成に利用することができる効果がある。
【0135】
また、本発明によれば、上記地図情報システムにおいて、サーバの地図情報作成手段が、クライアントから随時送信される、地図情報の表示を要求する地図情報表示要求を受信すると、前記地図情報表示要求に含まれる顧客の位置データと、地域と、統計データに基づいて地図情報を作成する処理を行う地図情報システムとしているので、サーバが、利用者の要求に応じて随時所望の地図情報を作成してタイムリーに表示させることができる効果がある。
【0139】
本発明によれば、前記クライアントは、顧客の識別番号と位置データとを対応付けて記憶する第1の記憶部と、顧客の識別番号と顧客の属性データとを対応付けて記憶する第2の記憶部と備え、顧客の属性データを絞り込む条件に従って前記第2の記憶部から該当する顧客の識別番号に対応する位置データを選択し、当該位置データをサーバに送信するクライアントである上記地図情報システムとしているので、顧客の購入情報の属性データを充分に分析した上で、地図情報の表示を行わせることができる効果がある。
また、本発明によれば、サーバが、地図情報を作成すると、クライアントにセッション番号を付して地図情報を出力すると共に、地図情報とセッション番号とを対応付けて記憶しておき、任意のクライアントからセッション番号を付した地図情報表示要求を受信した場合に、当該セッション番号の付与から一定時間以内であればセッション番号に対応する地図情報をクライアントに出力するサーバである上記地図情報システムとしているので、クライアント側の利用者は、一定時間内であれば同一の地図情報を表示させるための指示を何度も入力することなく、一旦作成された地図情報を何度でも迅速に表示させることができ、また、サーバ側にとっては地図情報作成の処理を軽減することができる効果がある。
また、本発明によれば、サーバが、セッション番号の付与から一定時間が経過した場合に、セッション番号に対応して記憶されている地図情報を消去する上記地図情報システムとしているので、地図情報の保存を一定時間のみとして、記憶装置の記憶エリアを有効に利用することができる効果がある。
【0140】
本発明によれば、前記クライアントに複数の端末が接続する場合、当該クライアントが、地図情報表示要求を、前記地図情報表示要求を行った端末の情報と対応付けて記憶し、サーバから出力された地図情報を前記対応する端末に出力するクライアントである上記地図情報システムとしているので、クライアントに複数の端末が接続されていても、サーバから出力された地図情報を対応する端末に誤りなく表示させることができる効果がある。
また、本発明によれば、前記クライアントに複数の端末が接続する場合、当該クライアントが、サーバから出力された地図情報とセッション番号を受信すると、当該地図情報に対する地図情報表示要求を行った端末の情報と対応付けて記憶すると共に、当該地図情報を当該端末に出力し、当該端末から前記地図情報に対する地図情報表示要求を受けると、当該地図情報表示要求に対応付けて記憶されるセッション番号を付して前記サーバに送信するクライアントである上記地図情報表示システムとしているので、クライアントに複数の端末が接続されていても、サーバから出力された地図情報を対応する端末に誤りなく表示させることができる効果がある。
【0141】
本発明によれば、クライアントが、特定の地図情報表示要求、地図の名称及びアクセス可能な端末を対応付けて記憶する対応テーブルを備え、端末から地図の名称の指定があると、対応テーブルを参照して当該端末が地図の名称に対応する地図情報にアクセス可能であるか否かを判断し、アクセス可能であれば対応する地図情報表示要求を対応テーブルから読み出してサーバに送信し、サーバから出力された当該地図情報表示要求に対応した地図情報を指定のあった端末に表示出力する上記地図情報システムとしているので、アクセス可能な端末が地図の名称で地図情報の表示を容易に行うことができる効果がある。
【0142】
本発明によれば、クライアントが、地図の名称で特定される地図情報表示要求をサーバに定期的に送信し、サーバから出力された当該地図情報表示要求に対応した地図情報とセッション番号を受信すると、セッション番号と地図の名称とを対応付けて記憶する記憶部を備え、端末から地図の名称の指定があると、記憶部に地図の名称に対応付けて端末の識別子を記憶させ、地図の名称に対応するセッション番号をサーバに送信し、サーバから受信した地図情報をセッション番号に対応する端末に表示出力する上記地図情報システムとしているので、端末が地図の名称で地図情報の表示を容易に行うことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る地図情報システムの概略システム構成図である。
【図2】サーバ1に設けられた地図DB15の模式説明図である。
【図3】サーバ1に設けられた統計DB16の模式説明図である。
【図4】顧客管理データベース22の模式説明図である。
【図5】第1のステップにおける手順を示した説明図である。
【図6】第2のステップにおける手順を示す説明図である。
【図7】サーバ1で属性データの集計を行う場合の処理手順を示す説明図である。
【図8】別の地図情報システムにおけるサーバのセッション管理テーブルを示す説明図である。
【図9】別の地図情報システムにおけるサーバの処理を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1…サーバ、 2…クライアント、 10…処理部、 11…ジオコーダ、 12…地図情報作成手段、 13…地図色塗り手段、 14…データ集計手段、15…地図データベース、 16…統計データベース、 20…処理部、 21…地図情報表示プログラム、 22…顧客管理データベース、 23…ユーザ端末

Claims (15)

  1. ネットワークを介して接続されたクライアントから送信されたデータに基づいて地図情報を作成して前記クライアントに前記地図情報を出力するサーバを備えた地図情報システムであって、
    前記サーバが、地図データを記憶する地図データベースと、統計データを記憶する統計データベースと、
    ライアントから送信された顧客の識別番号と住所を受信して、前記住所を地図上に表示可能な位置データに変換して前記クライアントに前記識別番号に対応付けた前記位置データを返信するジオコーダと、
    顧客の位置データと共に、クライアントで記憶されている前記顧客の属性データと、前記属性データを絞り込む条件を受信すると、前記条件に従って前記顧客毎に前記属性データを集計して、集計結果が前記条件を満たす顧客の属性データを抽出して当該顧客属性データに対応する顧客の位置データを出力するデータ集計手段と、
    意のクライアントから、指定された地域と、統計データを指定するデータとを受信して、前記指定された地域の地図データを前記地図データベースから読み出し、前記指定された統計データを前記統計データベースから読み出して、前記地図データ上に前記統計データを分布させると共に、前記地図データ上に前記データ集計手段から出力された位置データを重ねて表示する地図情報を作成し、前記クライアントに前記作成された地図情報を出力する地図情報作成手段とを備えることを特徴とする地図情報システム。
  2. 位置データが、行政コードと緯度・経度データのいずれか又は両方を備えていることを特徴とする請求項1記載の地図情報システム。
  3. 地図データベースが、メッシュ地図データと、町丁目地図データと、郵便番号地図データのいずれか又は全てを含んでいる地図データベースであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の地図情報システム。
  4. 統計データベースが、国勢調査のデータと、商業統計のデータとを備えている統計データベースであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか記載の地図情報システム。
  5. 地図データベースが、行政界の変更履歴を記憶しており、統計データベースが、国勢調査のデータを調査年度毎に記憶していることを特徴とする請求項4記載の地図情報システム。
  6. クライアントにおいて顧客の識別番号と前記顧客の住所が対応付けられて記憶されており、
    前記クライアントは、前記住所に基づいて前記ジオコーダが変換した位置データを前記識別番号に対応して記憶することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか記載の地図情報システム。
  7. サーバのジオコーダが、クライアントから定期的に送信される、顧客の住所を位置データに変換する要求である位置データ変換要求を受信すると、前記位置データ変換要求に含まれる住所について前記変換する処理を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか記載の地図情報システム。
  8. サーバの地図情報作成手段が、クライアントから随時送信される、地図情報の表示を要求する地図情報表示要求を受信すると、前記地図情報表示要求に含まれる顧客の位置データと、地域と、統計データに基づいて地図情報を作成する処理を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか記載の地図情報システム。
  9. 前記クライアントは、顧客の識別番号と位置データとを対応付けて記憶する第1の記憶部と、顧客の識別番号と顧客の属性データとを対応付けて記憶する第2の記憶部と備え、顧客の属性データを絞り込む条件に従って前記第2の記憶部から該当する顧客の識別番号に対応する位置データを選択し、当該位置データをサーバに送信するクライアントであることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか記載の地図情報システム。
  10. サーバが、地図情報を作成すると、クライアントにセッション番号を付して前記地図情報を出力すると共に、前記地図情報とセッション番号とを対応付けて記憶しておき、任意のクライアントからセッション番号を付した地図情報表示要求を受信した場合に、前記セッション番号の付与から一定時間以内であれば前記セッション番号に対応する地図情報を前記クライアントに出力するサーバであることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか記載の地図情報システム。
  11. サーバが、セッション番号の付与から一定時間が経過した場合に、前記セッション番号に対応して記憶されている地図情報を消去することを特徴とする請求項10記載の地図情報システム。
  12. 前記クライアントに複数の端末が接続する場合、当該クライアントが、地図情報表示要求を、前記地図情報表示要求を行った端末の情報と対応付けて記憶し、サーバから出力された地図情報を前記対応する端末に出力するクライアントであることを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれか記載の地図情報システム。
  13. 前記クライアントに複数の端末が接続する場合、当該クライアントが、サーバから出力された地図情報とセッション番号を受信すると、当該地図情報に対する地図情報表示要求を行った端末の情報と対応付けて記憶すると共に、当該地図情報を前記端末に出力し、前記端末から前記地図情報に対する地図情報表示要求を受けると、当該地図情報表示要求に対応付けて記憶されるセッション番号を付して前記サーバに送信するクライアントであることを特徴とする請求項10記載の地図情報システム。
  14. クライアントが、特定の地図情報表示要求、地図の名称及びアクセス可能な端末を対応付けて記憶する対応テーブルを備え、端末から地図の名称の指定があると、前記対応テーブルを参照して当該端末が前記地図の名称に対応する地図情報にアクセス可能であるか否かを判断し、アクセス可能であれば対応する地図情報表示要求を前記対応テーブルから読み出してサーバに送信し、前記サーバから出力された当該地図情報表示要求に対応した地図情報を指定のあった端末に表示出力するクライアントであることを特徴とする請求項12又は13記載の地図情報システム。
  15. クライアントが、地図の名称で特定される地図情報表示要求をサーバに定期的に送信し、前記サーバから出力された当該地図情報表示要求に対応した地図情報とセッション番号を受信すると、前記セッション番号と地図の名称とを対応付けて記憶する記憶部を備え、
    端末から地図の名称の指定があると、前記記憶部に前記地図の名称に対応付けて前記端末の識別子を記憶させ、前記地図の名称に対応するセッション番号を前記サーバに送信し、前記サーバから受信した地図情報を前記セッション番号に対応する端末に表示出力するクライアントであることを特徴とする請求項13記載の地図情報システム。
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