JP4548384B2 - 非可逆回路素子及び通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、非可逆回路素子、特に、マイクロ波帯で使用される2ポート型アイソレータとして使用される非可逆回路素子、及び、該非可逆回路素子を備えた通信装置に関する。
従来より、アイソレータやサーキュレータなどの非可逆回路素子は、予め定められた特定方向にのみ信号を伝送し、逆方向には伝送しない特性を有し、自動車電話、携帯電話などの移動体通信機器の送信回路部に使用されている。この種の非可逆回路素子として2ポート型のものが、例えば、特許文献1,2に記載されている。
特許文献1には、図13に示す等価回路を備えた2ポート型アイソレータが開示されている。即ち、フェライト331によって磁気的に結合された第1及び第2中心電極335,336を備え、入力ポートP1と出力ポートP2との間に、第1整合用コンデンサC1と抵抗Rとからなる並列回路を、第1中心電極335と並列に電気的に接続したもので、さらに、出力ポートP2とグランドポートP3との間に第2中心電極336と第2整合用コンデンサC2とからなる並列共振回路及びインダクタンス337を直列に接続している。
この2ポート型アイソレータは、信号が入力ポートP1から出力ポートP2に伝搬する際、第1中心電極335と第1整合用コンデンサC1とからなる共振回路が共振することがないので、挿入損失特性が良好になる。また、LC並列共振回路と直列インダクタンス337からなる回路はトラップ回路を形成しており、減衰極が2倍波と3倍波の間に形成される。これにより、挿入損失を劣化させることなく、第1中心電極335を伝搬する使用周波数の2倍波や3倍波の減衰量を大きくすることができる。図14にこのトラップ回路による電気特性のグラフを示す。基本波周波数帯は800MHzであり、S21が入力信号の減衰特性を示している。
しかしながら、このアイソレータにあっては、高調波の減衰は可能であるが、第2中心電極336がフェライト331の1面にしか設けられていないので、大型のフェライトを用いている割に第2中心電極336のインダクタンス値が小さく、Qも低くなり、結果として動作帯域が狭く挿入損失が満足できるものではなかった。また、トラップ用インダクタンス337を設けるために部品点数が増加するという問題点をも有していた。
一方、特許文献2に記載のアイソレータは、第2中心電極336をフェライトに複数ターン巻き回すことで、小さなフェライトを用いながら第2中心電極336のインダクタンス値を大きくでき、Q値も高く、広帯域で挿入損失を低くできる。しかしながら、第2中心電極336のインダクタンス値が大きいために第2整合用コンデンサC2の容量値が小さくなり、その分、トラップ用インダクタンス337の値を大きくする必要がある。インダクタンス337の値を大きくすると、減衰させることのできる減衰量、減衰幅ともに小さくなってしまう。
特開2004−88744号公報 国際公開2006/11382号パンフレット
そこで、本発明の目的は、良好な挿入損失特性を得ることができ、かつ、トラップ用のインダクタンスを用いることなく高調波(2倍波、3倍波)を効果的に抑圧できる非可逆回路素子、及び、該非可逆回路素子を備えた通信装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、第1の発明に係る非可逆回路素子は、
永久磁石と、
前記永久磁石により直流磁界が印加されるフェライトと、
前記フェライトに配置され、一端が入力ポートに電気的に接続された第1中心電極と、
前記第1中心電極と電気的絶縁状態で交差して前記フェライトに1ターン以上巻き回して配置され、一端が第1中心電極の他端に電気的に接続され、他端がグランドに電気的に接続された第2中心電極と、
前記第2中心電極の所定箇所に電気的に接続されるとともに出力ポートに電気的に接続されたタップ電極と、
前記入力ポートと前記第1及び第2中心電極の接続点との間に電気的に接続された第1整合用コンデンサと抵抗とからなる並列回路と、
前記第1及び第2中心電極の接続点とグランドとの間に電気的に接続された第2整合用コンデンサと、
を備えたことを特徴とする。
第2の発明に係る非可逆回路素子は、
直方体からなる永久磁石と、
前記永久磁石により直流磁界が印加される直方体からなるフェライトと、
前記フェライトに電極膜によって形成され、一端が入力ポートに電気的に接続された第1中心電極と、
前記第1中心電極と電気的絶縁状態で交差して前記フェライトに電極膜によって該フェライトの長辺と平行な軸に対して1ターン以上巻き回して形成され、一端が第1中心電極の他端に電気的に接続され、他端がグランドに電気的に接続された第2中心電極と、
前記フェライトに電極膜によって形成され、前記第2中心電極の所定箇所に電気的に接続されるとともに出力ポートに電気的に接続されたタップ電極と、
前記入力ポートと前記第1及び第2中心電極の接続点との間に電気的に接続された第1整合用コンデンサと抵抗とからなる並列回路と、
前記第1及び第2中心電極の接続点とグランドとの間に電気的に接続された第2整合用コンデンサと、
前記第1中心電極、前記第2中心電極及び前記タップ電極と電気的に接続するための接続用電極を有し、前記永久磁石及び前記フェライトを保持する回路基板と、
を備えたことを特徴とする。
第1及び第2の発明に係る非可逆回路素子においては、第2中心電極の所定箇所に接続されたタップ電極を出力端子に接続したため、第2中心電極の一部が信号伝搬経路となり、この一部のインダクタンスにより、2倍波や3倍波の高調波を効果的に抑圧することができ、かつ、タップ電極の第2中心電極に対する接続位置を調整することでインピーダンスのマッチングをとることも可能である。また、信号が入力ポートから出力ポートに伝搬する際、フェライトと中心電極からなる非可逆移相器の働きにより、第1中心電極と第1整合用コンデンサとからなる共振回路の両端には電位差が生ずることがなく、共振電流が流れることがないので、挿入損失特性が良好になることは勿論である。
第1及び第2の発明に係る非可逆回路素子において、タップ電極と出力ポートとの間にインダクタンスを電気的に接続してもよい。このインダクタンスによってインピーダンスのマッチングをとることが可能であると同時に高域の周波数における不要波をより減衰させることができる。
また、第2中心電極とグランドとの間にインダクタンスを電気的に接続してもよい。このインダクタンスを第2整合用コンデンサとともに高調波を減衰させるトラップとして動作させる。
また、入力ポートと第1中心電極との間にいま一つの整合用コンデンサを電気的に接続してもよい。いま一つの整合用コンデンサによって本非可逆回路素子に接続される機器とのインピーダンスマッチングをとることができる。加えて、これらの整合用コンデンサよりフェライト寄りの主要回路部の動作インピーダンスが上昇することにより、直列共振トラップによる不要信号減衰の効果を一層高めることができる。
第2の発明に係る非可逆回路素子においては、永久磁石及びフェライトはそれらの主面が回路基板の表面に対して垂直に配置されていてもよい。永久磁石及びフェライトを回路基板上に垂直配置することにより、厚い(磁力の強い)永久磁石を用いても低背化が可能であり、非可逆回路素子を小型化することができる。
また、回路基板は多層基板からなり、第1整合用コンデンサ、抵抗及び第2整合用コンデンサが電極膜によって多層基板に内蔵されていることが好ましい。各素子を多層基板に内蔵すれば、各素子を半田などで接続する手間が省けて組立が容易で、接続信頼性がよく、かつ、低背化、小型化を達成できる。
本発明に係る通信装置は、前記非可逆回路素子を備えたことを特徴とし、該非可逆回路素子の利点である良好な挿入損失特性及び高調波減衰特性を利用した通信装置を得ることができる。
本発明によれば、第2中心電極の所定箇所に接続されたタップ電極を出力ポートに接続したため、インダクタンスである第2中心電極の一部が信号伝搬経路となり、このインダクタンスによって2倍波や3倍波の高調波を効果的に抑圧することができ、特別なインダクタを用いる必要がなくなる。また、信号が入力ポートから出力ポートに伝搬する際、第1中心電極と第1整合容量とからなる共振回路が共振することがないので、挿入損失特性が良好になる。アイソレータにおける中心電極は、非常に高いインダクタであるので、通過させたい帯域内信号の挿入損失を抑えつつ、不要波の減衰を得られるのである。
以下に、本発明に係る非可逆回路素子及び通信装置の実施例について添付図面を参照して説明する。
(非可逆回路素子の第1実施例、図1〜図6参照)
図1に、本発明の第1実施例である非可逆回路素子を示す。この非可逆回路素子は2ポート型の集中定数型アイソレータであり、概略、シールド板10と、ヨーク20と、フェライト・磁石組立体30と、回路基板40とで構成されている。
フェライト・磁石組立体30は、直方体からなる永久磁石31,31と、該永久磁石から直流磁界が付与される直方体からなるフェライト32とを接着剤層33,33で貼り合わせたもので、フェライト32の表面には第1中心電極35及び第2中心電極36が電極膜によって形成されている。このフェライト・磁石組立体30は回路基板40上に以下に説明するような接続状態で搭載され、ヨーク20とシールド板10とで囲われる。
フェライト32には、表裏の主面32a,32bに互いに電気的に絶縁された第1中心電極35及び第2中心電極36が形成されている。フェライト32は互いに平行な第1主面32a及び第2主面32bを有する直方体形状をなしている。また、永久磁石31,31はフェライト32の主面32a,32bに対して磁界を該主面32a,32bに垂直方向に印加するようにその主面31aを対向させて接着剤層33を介して一体化されている。
図2に示すように、第1中心電極35はフェライト32の主面32aにおいて右下から立ち上がって2本に分岐した状態で左上方向に延在し、上面32c上の中継用電極35aを介して主面32bに回り込み、主面32bにおいて主面32aと透視状態で重なるように2本に分岐してその一端は下面32dに形成された接続用電極35bに接続されている。また、第1中心電極35の他端は下面32dに形成された接続用電極35cに接続されている。このように、第1中心電極35はフェライト32に1ターン巻回されている。
第2中心電極36は、フェライト32にその長辺と平行な軸に対して4ターン巻き回されている。即ち、0.5ターン目36aが主面32aにおいて下辺から左上方向に第1中心電極35と交差して延在し、上面32c上の中継用電極36bを介して主面32bに回り込み、この1ターン目36cが主面32bにおいて垂直に下方に延在して第1中心電極35と交差している。1ターン目36cの下端部は下面32dの中継用電極36dを介して主面32aに回り込み、この1.5ターン目36eが主面32aにおいて第1中心電極35と交差して上方に延在し、上面32c上の中継用電極36fを介して主面32bに回り込んでいる。以下同様に、2ターン目36g、中継用電極36h、2.5ターン目36i、中継用電極36j、3ターン目36k、中継用電極36l、3.5ターン目36m、中継用電極36n、4ターン目36oがフェライト32の表面にそれぞれ形成されている。また、第2中心電極36の一端は前記接続用電極35cに接続され、他端はフェライト32の下面に形成された接続用電極36pに接続されている。
さらに、第2中心電極36の中継用電極36hは、以下に説明するようにタップ電極37として機能する。
第1及び第2中心電極35,36は、フェライト32の表面に銀ペーストをスクリーン印刷、転写、フォトリソグラフを用いて導体膜にて形成されている。フェライト32を多層にしてその内部に導体膜にて形成してもよい。なお、銅箔を用いてフェライト32に巻きつけてもよい。導体膜にて形成したほうが中心電極35,36の位置精度が高いので、回路基板40との接続性が安定し、接続の信頼性、作業性がよい。そして、第1中心電極35と第2中心電極36とは、間にガラスなどからなる絶縁膜が形成されて互いに絶縁されている。
永久磁石31としてはフェライトマグネットが用いられ、フェライト32を永久磁石31,31で挟着することにより、フェライト32を保護している。
回路基板40は、複数枚の誘電体シートに所定の電極を形成して積層し、焼結した多層基板であり、その内部には、図3に示すように、整合用コンデンサC1,C2,CS1,CP1、終端抵抗R、インダクタンスL3が内蔵されている。また、上面には端子電極45a〜45eが、下面には外部接続用端子電極46,47,48がそれぞれ形成されている。
回路基板40の誘電体シートには、回路素子を構成する各種電極との同時焼成が可能なガラスとアルミナなどのセラミック粉からなる誘電体が原料として用いられている。ガラスエポキシ樹脂、ガラスBT樹脂などの樹脂基板や、樹脂材料にセラミックなどの誘電体粉を添加した材料を用いることも可能である。電極には銅箔を用いてもよい。端子電極45a〜45eや外部接続用端子電極46,47,48にはニッケルメッキや金フラッシュメッキが施されている。
前記整合用回路素子と第1及び第2中心電極35,36との接続関係を図4、図5及び図6を参照して説明する。なお、図3には図6に示す第3回路例の構成が示されている。
即ち、回路基板40の下面に形成された外部接続用端子電極46が入力ポートP1として機能し、外部接続用端子電極47が出力ポートP2として機能し、外部接続用端子電極48がグランドポートP3として機能する。そして、第1中心電極35の一端である接続用電極35bが回路基板40の上面に形成された端子電極45aと接続される。第1中心電極35の他端及び第2中心電極36の一端である接続用電極35cが回路基板40の上面に形成された端子電極45bと接続される。第2中心電極36の他端である接続用電極36pが回路基板40の上面に形成された端子電極45cと接続される。また、第2中心電極36の中継用電極36h(タップ電極37)は回路基板40の上面に形成された端子電極45dと接続される。なお、タップ電極37は必ずしも中継用電極36hである必要はなく、中継用電極36l,36dであってもよい。タップ電極37を中継用電極36lとすると第2中心電極36の1ターン目に接続され、中継用電極36hとすると2ターン目に接続され、中継用電極36dとすると3ターン目に接続されることになる。この接続点の差異による作用効果は以下の回路例で説明する。
(第1回路例、図4及び図9参照)
第1回路例は、図4に示すように、第1中心電極35はその一端が整合用コンデンサCS1を介して入力ポートP1に接続され、他端が第2中心電極36の一端に接続されている。第2中心電極36はその一端が第1中心電極35の他端に接続され、他端がグランドポートP3に接続されている。また、整合用コンデンサC1と抵抗Rとからなる並列回路が第1中心電極35と並列に接続されている。
タップ電極37は第2中心電極36の所定箇所(中継用電極36l,36h,36dのいずれか)に接続されるとともに出力ポートP2に接続されている。また、第2中心電極36と並列に整合用コンデンサC2が接続されている。さらに、入力ポートP1にはグランドポートP3に接続された整合用コンデンサCP1が接続されている。
以上の構成からなる第1回路例においては、第1及び第2中心電極35,36がフェライト32によって磁気的に結合されたインダクタンスL1,L2を形成し、信号(基本波周波数帯:800MHz)が入力ポートP1から出力ポートP2に伝搬する際、インダクタンスL2とコンデンサC2が並列共振し、インダクタンスL2がトランスとして動作する。即ち、基本波信号は第2中心電極36のタップ電極37にインピーダンス変換された状態で誘起し、出力ポートP2から出力される。そして、フェライト32の非可逆移相器としての動作によって、ポートP1からポートP2への順方向電力ではインダクタンスL1には電流が流れず、インダクタンスL1の両端間に電位差もないため、インダクタンスL1とコンデンサC1とからなる共振回路には電流が流れることがなく、挿入損失が大幅に低減される。また、抵抗Rによって逆方向に対するアイソレーション特性も良好となる。
第2中心電極36に対するタップ電極37が接続される箇所、具体的には、中継用電極36l,36h,36dのいずれかによって、出力インピーダンスが変化する。この点は以下に説明する第2及び第3回路例においても同様である。また、入力ポートP1に接続される機器とのインピーダンスマッチングは整合用コンデンサCS1によってとられる。
高調波周波数帯においては、インダクタンスL2とコンデンサC2は並列共振しないので、インダクタンスL2はトランスとして動作しない。高調波信号は、第2中心電極36のB電極からタップ電極37を通り、出力ポートP2へ至る。この経路によって周波数の高い高調波周波数帯の信号が減衰を受け、抑圧される。即ち、第2中心電極36のB電極からタップ電極37の間のインダクタンスは低域通過フィルタ的な動作を生じる。
この第1回路例による電気特性を図9に示す。従来のインダクタンスを用いたトラップ回路による減衰特性(図14参照)と比較すると、S21(透過特性)は2倍高調波帯で1dB程度優れており、3倍高調波帯で3dB強程度大きな減衰が得られている。
(第2回路例、図5及び図10参照)
第2回路例は、図5に示すように、基本的には前記第1回路例と同様であり、タップ電極37とグランドポートP3との間にインダクタンスL4が接続され、かつ、インダクタンスL4及び出力ポートP3の接続点とグランドポートP3との間に整合用コンデンサCP2が接続されている。
基本波周波数帯(800MHz)での動作は第1回路例と同様である。インダクタンスL2による出力信号のインピーダンス変換は、大きな変換比を広帯域に得られる利点がある。但し、第2中心電極36に対するタップ電極37の接続位置は段階的(中継用電極36l,36h,36dのいずれか)にしか変更できないので、出力インピーダンスは飛び飛びの値に変換されることになる。本第2回路例では、インダクタンスL4とコンデンサCP2による共振回路によって出力インピーダンスを微調整することができる。インダクタンスL4とコンデンサCP2によるインピーダンス調整回路は、インピーダンス変換比が小さいので広帯域な動作が可能である。
高調波周波数帯においては、インダクタンスL2とコンデンサC2は並列共振しないので、インダクタンスL2はトランスとして動作しない。高調波信号は、第2中心電極36のB電極からタップ電極37を通り、インダクタンスL4を経由して出力ポートP2へ至る。第2中心電極36のB電極からタップ電極37の間のインダクタンス及びインダクタンスL4とコンデンサCP2からなる回路は、低域通過フィルタとしても動作するので、高調波信号はこの低域通過フィルタ回路を通過する際に減衰を受け、抑圧される。
この第2回路例による電気特性を図10に示す。従来のインダクタンスを用いたトラップ回路による減衰特性(図14参照)と比較すると、S21(透過特性)は2倍高調波帯では同等であるが、3倍高調波帯では3dB強程度大きな減衰が得られている。
(第3回路例、図6及び図11参照)
第3回路例は、図6に示すように、基本的には前記第1回路例と同様であり、第2中心電極36とグランドポートP3との間にインダクタンスL3を接続したものである。基本波周波数帯(800MHz)での動作は第1回路例と同様である。インダクタンスL3はインダクタンスL2と比較して十分に小さい値(1/10以下)が選択されるため、出力インピーダンスの変換動作及び変換比にほとんど影響を与えない。
高調波周波数帯においては、所望の周波数でインダクタンスL3とコンデンサC2が直列共振する。高調波信号は、直列共振によるB電極のグランドへの短絡で全反射され、大きな減衰を受ける。また、高調波周波数帯において、インダクタンスL2とコンデンサC2は並列共振しないので、インダクタンスL2はトランスとして動作しない。その結果、前記全反射される以外の周波数の高調波信号は、以下の二つの経路を通る。一つは、インダクタンスL2のB電極からタップ電極37を通る経路であり、周波数の高い高調波信号がこの経路を通り、減衰を受けて抑圧される。いま一つは、インダクタンスL2のB電極からコンデンサC2を経由してインダクタンスL2のC電極からタップ電極37へと経由する経路であり、周波数の高い高調波信号がこの経路を通り、減衰を受けて抑圧される。加えて、インダクタンスL2のC電極も小さなインダクタンス値のインダクタンスL3を介してグランドに接続されているため、反射されて減衰を受け、結果として高調波信号が抑圧される。インダクタンスL3により高調波信号を減衰させるトラップ周波数を自由に設計することもできる。
この第3回路例による電気特性を図11に示す。従来のインダクタンスを用いたトラップ回路による減衰特性(図14参照)と比較すると、S21(透過特性)は2倍高調波帯では1.5dB程度優れており、3倍高調波帯では12dB程度大きな減衰が得られている。
(非可逆回路素子の第2実施例、図7及び図8参照)
図7に、本発明の第2実施例である非可逆回路素子を示す。この非可逆回路素子は、前記第1実施例と同様に、2ポート型の集中定数型アイソレータであり、概略、上ヨーク11と、永久磁石31’と、中心電極組立体30’と、回路基板40’と、下ヨーク12とで構成されている。
中心電極組立体30’は、直方体からなるフェライト32’に第1中心電極35’及び第2中心電極36’を導体膜にて形成したもので、第2中心電極36’は第1実施例とは異なって2ターン巻き回されている。
中心電極組立体30’は回路基板40’の表面に主面が平行状態で配置され、その上に永久磁石31’が積み重ねられている。回路基板40’は第1実施例と同様の多層基板であり、図8に示すように種々の整合用素子が内蔵されている。また、終端抵抗Rはチップ部品が使用され、回路基板40’の表面に搭載されている。即ち、回路基板40’の表面に形成した端子電極49aが第1中心電極35’の一端である接続用電極35a’と接続され、端子電極49bが第1中心電極35’の他端である接続用電極35b’と接続されている。また、端子電極49cが第2中心電極36’の一端である接続用電極36a’と接続され、端子電極49dが第2中心電極36’の他端である接続用電極36b’と接続されている。さらに、第2中心電極36’の所定箇所がタップ電極37’とされ、回路基板40’の表面に形成した端子電極49eと接続されている。
この第2実施例においても、アイソレータとしての回路構成は、図4〜図6に示した第1〜第3回路例を採用することができ、それぞれの回路例における動作は第1実施例で説明したとおりである。図8には図6に示した第3回路例の構成が示されている。
(通信装置、図12参照)
次に、本発明に係る通信装置として、携帯電話を例にして説明する。図12は携帯電話220のRF部分の電気回路を示し、222はアンテナ素子、223はデュプレクサ、231は送信側アイソレータ、232は送信側増幅器、233は送信側段間用帯域通過フィルタ、234は送信側ミキサ、235は受信側増幅器、236は受信側段間用帯域通過フィルタ、237は受信側ミキサ、238は電圧制御発振器(VCO)、239はローカル用帯域通過フィルタである。
ここに、送信側アイソレータ231として、前記2ポート型の集中定数型アイソレータを使用することができる。このアイソレータを実装することにより、アイソレータ自体の良好な挿入損失特性、アイソレーション特性を利用した携帯電話を実現することができ、携帯電話の小型化、低背化にも寄与する。
(他の実施形態)
なお、本発明に係る非可逆回路素子及び通信装置は前記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
例えば、フェライト・磁石組立体30や回路基板40などの詳細な構成は任意である。また、第2実施例で示したように抵抗をチップ部品で構成する以外に、各種整合用コンデンサもチップ部品で構成してもよい。
本発明に係る非可逆回路素子(2ポート型アイソレータ)の第1実施例を示す分解斜視図である。 第1実施例である2ポート型アイソレータを構成するフェライトを示す斜視図である。 第1実施例である2ポート型アイソレータを構成する回路基板の一例を示す分解斜視図である。 第1実施例である2ポート型アイソレータの第1回路例を示す等価回路図である。 第1実施例である2ポート型アイソレータの第2回路例を示す等価回路図である。 第1実施例である2ポート型アイソレータの第3回路例を示す等価回路図である。 本発明に係る非可逆回路素子(2ポート型アイソレータ)の第2実施例を示す分解斜視図である。 第2実施例である2ポート型アイソレータを構成する回路基板の一例を示す分解斜視図である。 図4に示した第1回路例の電気特性を示すグラフである。 図5に示した第2回路例の電気特性を示すグラフである。 図6に示した第3回路例の電気特性を示すグラフである。 本発明に係る通信装置の電気回路を示すブロック図である。 従来の2ポート型アイソレータの等価回路図である。 従来の2ポート型アイソレータにおけるトラップ回路による電気特性を示すグラフである。
符号の説明
30…フェライト・磁石組立体
31…永久磁石
32…フェライト
35…第1中心電極
36…第2中心電極
37…タップ電極
40…回路基板
220…携帯電話
C1,C2,CP2,CS1…整合用コンデンサ
L1,L2,L3,L4…インダクタンス
R…抵抗
P1…入力ポート
P2…出力ポート
P3…グランドポート

Claims (8)

  1. 永久磁石と、
    前記永久磁石により直流磁界が印加されるフェライトと、
    前記フェライトに配置され、一端が入力ポートに電気的に接続された第1中心電極と、
    前記第1中心電極と電気的絶縁状態で交差して前記フェライトに1ターン以上巻き回して配置され、一端が第1中心電極の他端に電気的に接続され、他端がグランドに電気的に接続された第2中心電極と、
    前記第2中心電極の所定箇所に電気的に接続されるとともに出力ポートに電気的に接続されたタップ電極と、
    前記入力ポートと前記第1及び第2中心電極の接続点との間に電気的に接続された第1整合用コンデンサと抵抗とからなる並列回路と、
    前記第1及び第2中心電極の接続点とグランドとの間に電気的に接続された第2整合用コンデンサと、
    を備えたことを特徴とする非可逆回路素子。
  2. 直方体からなる永久磁石と、
    前記永久磁石により直流磁界が印加される直方体からなるフェライトと、
    前記フェライトに電極膜によって形成され、一端が入力ポートに電気的に接続された第1中心電極と、
    前記第1中心電極と電気的絶縁状態で交差して前記フェライトに電極膜によって該フェライトの長辺と平行な軸に対して1ターン以上巻き回して形成され、一端が第1中心電極の他端に電気的に接続され、他端がグランドに電気的に接続された第2中心電極と、
    前記フェライトに電極膜によって形成され、前記第2中心電極の所定箇所に電気的に接続されるとともに出力ポートに電気的に接続されたタップ電極と、
    前記入力ポートと前記第1及び第2中心電極の接続点との間に電気的に接続された第1整合用コンデンサと抵抗とからなる並列回路と、
    前記第1及び第2中心電極の接続点とグランドとの間に電気的に接続された第2整合用コンデンサと、
    前記第1中心電極、前記第2中心電極及び前記タップ電極と電気的に接続するための接続用電極を有し、前記永久磁石及び前記フェライトを保持する回路基板と、
    を備えたことを特徴とする非可逆回路素子。
  3. 前記タップ電極と前記出力ポートとの間にインダクタンスを電気的に接続したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非可逆回路素子。
  4. 前記第2中心電極とグランドとの間にインダクタンスを電気的に接続したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非可逆回路素子。
  5. 前記入力ポートと前記第1中心電極との間にいま一つの整合用コンデンサを電気的に接続したことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の非可逆回路素子。
  6. 前記永久磁石及び前記フェライトはそれらの主面が前記回路基板の表面に対して垂直に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の非可逆回路素子。
  7. 前記回路基板は多層基板からなり、前記第1整合用コンデンサ、前記抵抗及び前記第2整合用コンデンサが電極膜によって多層基板に内蔵されていることを特徴とする請求項2又は請求項6に記載の非可逆回路素子。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の非可逆回路素子を備えたことを特徴とする通信装置。
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