JP4548003B2 - 現像装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、現像装置等に関し、より詳しくは例えば電子写真方式を利用した画像形成装置において静電潜像を現像する現像装置等に関する。
電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置では、例えばドラム状に形成された感光体(感光体ドラム)を一様に帯電し、この感光体ドラムを画像情報に基づいて制御された光で露光して感光体ドラム上に静電潜像を形成する。そして、この静電潜像を現像装置によって可視像(トナー像)とし、さらにこのトナー像を記録紙に転写し、これを定着して画像形成を行っている。
かかる画像形成装置に用いられる現像装置では、磁性トナーを使用する一成分現像方式や、トナーと磁性キャリアとが混合された二成分現像剤を使用する二成分現像方式が用いられているが、特にカラー画像形成装置においては、鮮明なカラー画像を形成するためには磁性体粒子を含まないカラートナーを使用する必要があることから、二成分現像方式が主流となっている。この二成分現像方式を用いた現像装置(二成分現像装置)では、トナーと磁性キャリアとを混合した現像剤を現像剤担持体によって感光体ドラムまで搬送し、感光体ドラムに現像剤を接触させることで、帯電したトナーを静電潜像に付着させて現像を行なう。
かかる二成分現像装置においては、高品質な画像を形成するために、トナーを充分に帯電させ、かつトナー濃度(トナー/磁性キャリア)を所定の範囲に維持しておく必要がある。そのために、二成分現像装置では、現像剤担持体が1回転する間に、静電潜像の現像に供した後の現像剤は現像剤担持体から離脱させ、その後直ちに新たな現像剤が供給されるように構成して、現像剤の入れ替えを行なっている。そして、現像剤担持体から離脱させた現像剤は、機械的な攪拌手段によってトナーと磁性キャリアとが新たに攪拌混合されて、トナー濃度の適正化や、トナーへの充分な摩擦帯電が行なわれ、その後、再度現像剤担持体への供給が行なわれる。このような現像剤の循環サイクルによって、静電潜像の現像は、常に所定のトナー濃度および帯電量をもった現像剤により行なわれるように構成されている。その際、現像剤の循環サイクルに伴って、現像剤担持体に対する現像剤の離脱・供給や、トナーと磁性キャリアとの攪拌混合が行なわれるので、現像装置の内部では、トナー粒子が内部空間に浮遊して、トナークラウドが発生している。
一方、二成分現像装置では、現像剤担持体が回転することにより、二成分現像装置の内部へ流れる空気流が発生し、二成分現像装置の内部は外気圧よりも高い気圧状態が形成されている。そのため、二成分現像装置の内部から例えば現像剤担持体の周囲等にある現像装置の僅かな隙間を通って空気が漏出している。その際に、二成分現像装置内部に発生したトナークラウドも、この漏出する空気とともに漏れ出て、画像形成装置の内部を汚染したり、記録紙に汚れを生じさせる場合がある。
そこで、現像装置内部からトナークラウドの漏出を防ぐための技術として、現像ロール上に形成された現像剤の穂の踊りを規制するために、現像ロールの外周面に近接して規制部材を配設する技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。かかる技術では、現像ロールの回転により容器内部の圧力が高くなることによって現像部開口に生じる吹き出し流等を抑えて、容器内の遊離したトナーが外部へ飛散することを防いでいる。
また、トナークラウドの漏出を防ぐための他の技術として、現像スリーブ内に設けた磁気ロール外周部に、軸方向に延在するN、S極を周方向に順次着磁するとともに、隣接する磁極が同極の同極着磁部を少なくとも一箇所設け、この同極着磁部の少なくとも現像スリーブ回転方向上流側に位置する磁極を、現像領域から現像スリーブと現像剤攪拌ロールとの対向部に至る間で、現像装置のケーシングと対向して設けた構成とした技術が存在する(例えば、特許文献2参照)。かかる技術では、同極着磁部の現像スリーブ回転方向上流側に位置する磁極によって、現像スリーブとケーシングとの間には現像剤溜りが形成され、これによってケーシング内のトナーが外部に飛散するのが防止される。
特開昭62−103677号公報(第2-3頁) 特開昭62−083778号公報(第2-3頁)
しかしながら、トナークラウドの漏出抑制効果を得るために、特許文献1および特許文献2に記載された技術のように、現像剤担持体(現像ロール、現像スリーブ)とケーシング(容器)との間に現像剤溜りを形成して、現像容器内部と外部とを現像剤によって遮蔽する構成では、現像剤担持体における現像剤の入れ替えを行う領域が狭くなることから、現像剤の入れ替えが充分に行えず、画像に前回の画像形成時の履歴が残り易いという不都合があった。特に、現像剤を現像剤担持体から離脱させるために隣り合わせて配置した同じ極性の2つの磁極(同極反発極)のうちの一方をケーシングと対向して配置する構成では、現像剤の循環が起こりにくく、画像に前回の履歴が残る傾向が強くなる。
また、二成分現像装置の内部においては、現像剤担持体の回転により外気圧よりも高い気圧状態が形成されているため、上記した技術のように現像剤溜りを形成するだけでは、空気とともに漏出するトナークラウドを抑制することは難しい。さらには、磁極が配設されていない現像剤担持体の長手方向両端部の領域では、トナークラウドの漏出を抑制することはできない。そのために、トナークラウドが画像形成装置内部に漏出して、画像形成装置の内部の汚染や、記録紙への汚れが発生する場合があった。
そこで本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、現像装置内部でのトナークラウドの発生量を減少させて、画像形成装置内部に漏出するトナークラウド量を低減することにある。
さらに他の目的は、画像形成に際し、画像履歴のない高品質の画像を長期に亘り維持することにある。
かかる目的のもと、本発明の現像装置は、現像剤を担持して回動する現像剤担持体と、現像剤担持体に内包され、現像剤担持体の回動方向上流側から順に隣り合って配置された、同極性の第1反発磁極と第2反発磁極とを有する現像マグネットと、現像マグネットの第1反発磁極によって現像剤担持体上に形成された現像剤の穂立ちに対し、現像剤担持体の回動方向上流側への倒れを規制する穂倒れ規制部材とを備えたことを特徴としている。
ここで、穂倒れ規制部材は、穂倒れ規制部材の現像剤担持体の回転方向下流側の側面が、現像剤担持体の法線方向と略同方向に向けて形成されたことを特徴とすることができる。
また、穂倒れ規制部材は、穂倒れ規制部材の現像剤担持体の回転方向下流側の側面が、現像マグネットの第1反発磁極における磁束密度の垂直成分ピーク位置よりも現像剤担持体の回動方向上流側に位置することを特徴とすることもできる。特に、穂倒れ規制部材の現像剤担持体の回転方向下流側の側面が、現像マグネットの第1反発磁極における磁束密度の垂直成分半値位置よりも現像剤担持体の回動方向下流側に位置する構成とすることもできる。また、穂倒れ規制部材の現像剤担持体の回転方向下流側の側面が、現像マグネットの第1反発磁極における磁束密度の垂直成分が水平成分よりも大きい領域に位置する構成とすることもできる。
さらに、穂倒れ規制部材は、現像剤担持体との間隙が0.5mm以上に設定されたことを特徴とすることができる。また、穂倒れ規制部材は、非磁性材料で形成されたことを特徴とすることもできる。
また、本発明を画像形成装置と捉え、本発明の画像形成装置は、静電潜像が形成される像担持体と、像担持体に形成された静電潜像を現像する現像装置とを有し、現像装置は、現像剤を担持して回動する現像剤担持体と、現像剤担持体に内包され、現像剤担持体の回動方向上流側から順に隣り合って配置された、同極性の第1反発磁極と第2反発磁極とを有する現像マグネットと、現像マグネットの第1反発磁極によって現像剤担持体上に形成された現像剤の穂立ちに対し、現像剤担持体の回動方向上流側への倒れを規制する穂倒れ規制部材とを備えたことを特徴としている。
ここで、現像装置は、現像剤担持体が像担持体との対向部で鉛直方向上方に回動することを特徴とすることができる。
本発明の効果として、現像装置から漏出するトナークラウド量を低減して、画像形成装置の内部の汚染や、記録紙への汚れを抑えることが可能となった。それと同時に、画像形成に際し、画像履歴のない高品質の画像を長期に亘り維持することが可能となった。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置を示した概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、像担持体ユニットの一例として電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の感光体ユニット1Y,1M,1C,1K、各感光体ユニット1Y,1M,1C,1Kに静電潜像を書込む露光ユニット3Y,3M,3C,3K、各感光体ユニット1Y,1M,1C,1Kに形成された各色静電潜像を現像する現像装置としての現像器ユニット4Y,4M,4C,4K、各感光体ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録材(記録紙)である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置60を備えている。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
本実施の形態の画像形成装置において、各感光体ユニット1Y,1M,1C,1Kには、矢印A方向に回転する感光体ドラム11の周囲に、これらの感光体ドラム11を帯電する帯電器の一例としての帯電ロール12、感光体ドラム11上の残留トナーを除去するクリーニング部材の一例としてのドラムクリーナ17が配設されている。これらの感光体ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に、略直線状に配置されている。そして、各感光体ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10において中間転写ベルト15に転写するように、感光体ドラム11が中間転写ベルト15を介して一次転写ロール16に当接するように配置されている。
本実施の形態の各感光体ユニット1Y,1M,1C,1Kは、画像形成装置に対して着脱自在に構成され、それぞれの感光体ドラム11の寿命に合わせて、容易に交換することが可能なように構成されている。
また、各露光ユニット3Y,3M,3C,3Kには、LEDプリントヘッド(LPH)13が配設されている。そして、各露光ユニット3Y,3M,3C,3Kは、それぞれが各感光体ユニット1Y,1M,1C,1Kに対応して配置され、LEDプリントヘッド(LPH)13から照射した光を感光体ドラム11表面に結像させ、感光体ドラム11表面上に静電潜像を形成する。
さらに、各現像器ユニット4Y,4M,4C,4Kも、同様にそれぞれが各感光体ユニット1Y,1M,1C,1Kに対応して配置され、感光体ドラム11上に形成された静電潜像を、収容された各色トナーによって可視像化する。
中間転写体である中間転写ベルト15は、ポリイミドあるいはポリアミド等の樹脂にカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたフィルム状の無端ベルトで構成されている。そして、その体積抵抗率は106〜1014Ωcmとなるように形成されており、その厚みは例えば0.1mm程度に構成されている。中間転写ベルト15は、各種ロールによって図1に示すB方向に所定の速度で循環駆動(回動)されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモータ(図示せず)により駆動されて中間転写ベルト15を回動させる駆動ロール31、各感光体ドラム11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32、中間転写ベルト15に対して一定の張力を与えるとともに中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロールとして機能するテンションロール33、二次転写部20に設けられるバックアップロール25、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニングバックアップロール34を有している。
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に対向して配置される転写器の一例としての一次転写ロール16で構成されている。一次転写ロール16は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が10〜10Ωcmのスポンジ状の円筒ロールである。そして、一次転写ロール16は中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に圧接配置され、さらに一次転写ロール16にはトナーの帯電極性(マイナス極性とする。以下同様。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上において重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
二次転写部20は、中間転写ベルト15のトナー像担持面側に配置される転写器の一例としての二次転写ロール22と、バックアップロール25とによって構成される。バックアップロール25は、表面がカーボンを分散したEPDMとNBRとのブレンドゴムのチューブ、内部がEPDMゴムで構成されている。そして、その表面抵抗率が10〜1010Ω/□となるように形成され、硬度は例えば70°(アスカーC)に設定される。このバックアップロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写ロール22の対向電極をなし、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール26が当接配置されている。
一方、二次転写ロール22は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が10〜10Ωcmのスポンジ状の円筒ロールである。そして、二次転写ロール22は中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール25に圧接配置され、さらに二次転写ロール22は接地されてバックアップロール25との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部20に搬送される用紙P上にトナー像を二次転写する。
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が接離自在に設けられている。一方、イエローの感光体ユニット1Yの上流側には、各感光体ユニット1Y,1M,1C,1Kにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)38が配設されている。基準センサ38は、中間転写ベルト15の裏側に設けられた所定のマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各感光体ユニット1Y,1M,1C,1K、各露光ユニット3Y,3M,3C,3K、および各現像器ユニット4Y,4M,4C,4Kは画像形成を開始するように構成されている。さらに、ブラックの感光体ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ39が配設されている。
加えて、本実施の形態の画像形成装置では、用紙搬送系として、用紙Pを収容する用紙トレイ50、この用紙トレイ50に集積された用紙Pを所定のタイミングで取り出して搬送するピックアップロール51、ピックアップロール51により繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Pを二次転写部20へと送り込む搬送シュート53、二次転写ロール22により二次転写された後に搬送される用紙Pを内部に配設されたファンで吸引しながら定着装置60へと搬送する搬送ベルト55、用紙Pを定着装置60に導く定着入口ガイド56を備えている。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。図1に示すような画像形成装置では、図示しない画像読取装置(IIT)や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置(IPS)により所定の画像処理が施された後、感光体ユニット1Y,1M,1C,1K、露光ユニット3Y,3M,3C,3Kおよび現像器ユニット4Y,4M,4C,4Kによって作像作業が実行される。画像処理装置(IPS)では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、露光ユニット3Y,3M,3C,3Kに出力される。
感光体ユニット1Y,1M,1C,1Kの各感光体ドラム11では、帯電ロール12によって表面が一様に帯電されている。そして、各露光ユニット3Y,3M,3C,3Kでは、入力された色材階調データに応じて、LPH13から各々の感光体ドラム11に対して露光光を出射する。すなわち、LPH13は、LPH駆動部、発光ダイオードアレイ(LEDアレイ)、セルフォックレンズ(登録商標)アレイによって主要部が構成され、色材階調データに基づいて制御された信号をLPH駆動部からLEDアレイに出力し、LEDアレイはLPH駆動部からの信号に基づいた光を照射して、セルフォックレンズ(登録商標)アレイによって感光体ドラム11表面に結像している。
感光体ユニット1Y,1M,1C,1Kの各感光体ドラム11では、このLPH13によって表面が露光されることで静電潜像が形成される。その後、形成された静電潜像は、各々の現像器ユニット4Y,4M,4C,4Kによって、Y、M、C、Kの各色トナーにより現像され、トナー像が形成される。
感光体ユニット1Y,1M,1C,1Kの各感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが当接する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部10において、一次転写ロール16により中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー像を中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせて一次転写が行われる。
トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次一次転写された後、中間転写ベルト15は移動してトナー像が二次転写部20に搬送される。トナー像が二次転写部20に搬送されると、用紙搬送系では、トナー像が二次転写部20に搬送されるタイミングに合わせてピックアップロール51が回転し、用紙トレイ50から所定サイズの用紙Pが供給される。ピックアップロール51により供給された用紙Pは、搬送ロール52により搬送され、搬送シュート53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Pは一旦停止され、トナー像が担持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、用紙Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
二次転写部20では、中間転写ベルト15を介して、二次転写ロール22がバックアップロール25に押圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Pは、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。その際に、給電ロール26からトナーの帯電極性(マイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)が印加されると、二次転写ロール22とバックアップロール25との間に転写電界が形成される。そして、中間転写ベルト15上に担持された未定着トナー像は、二次転写ロール22とバックアップロール25とによって押圧される二次転写部20において、用紙P上に一括して静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Pは、二次転写ロール22によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写ロール22の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55へと搬送される。搬送ベルト55では、定着装置60における最適な搬送速度に合わせて、用紙Pを吸引しながら定着装置60まで搬送する。定着装置60に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着装置60によって熱および圧力で定着処理を受けることで用紙P上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙載置部に搬送される。
一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回動に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニングバックアップロール34および中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
次に、本実施の形態の画像形成装置に用いられる現像器ユニット4Y,4M,4C,4Kについて説明する。以下では、イエロー(Y)トナーを現像する現像器ユニット4Yを例に説明するが、現像器ユニット4M,4C,4Kも同様に構成され、それぞれマゼンタ(M)トナー、シアン(C)トナー、ブラック(K)トナーにより現像し、M、C、Kのトナー像を形成する。
図2は、現像器ユニット4Yの概略断面図である。図2に示すように、現像器ユニット4Yは、現像剤を収容する現像剤保持容器および現像器ユニット4Yの筺体としての支持容器41、現像剤担持体としての現像スリーブ42、現像剤を現像スリーブ42に吸着させる現像マグネット43、現像剤の層厚(塗布量)を規制するブレード44、現像剤を攪拌しながら現像器ユニット4Yの長手方向に循環移動させる現像剤供給オーガー45および現像剤攪拌オーガー46、トナーを支持容器41へ供給するトナー供給路47を備えている。
支持容器41は、感光体ドラム11側に向けて開口を有し、内部にはトナーと磁性粒子であるキャリアとを混合させた現像剤を収容する現像剤収容部が設けられている。現像剤収容部は、現像器ユニット4Yの長手方向に設けられた収容部壁41aによって第1現像剤収容部41bと第2現像剤収容部41cとに分けられている。
そして、第1現像剤収容部41bには現像剤供給オーガー45が配置され、第2現像剤収容部41cには現像剤攪拌オーガー46が配置されている。収容部壁41aは現像器ユニット4Yの長手方向の両端部には設けられておらず、第1現像剤収容部41bと第2現像剤収容部41cとはこの両端部で連結されて、現像剤が互いに流通するように構成されている。
現像スリーブ42は、アルミニウム、SUS等の非磁性材料で構成され、図示しない駆動手段によって矢印C方向に回転する。現像スリーブ42には、図示しない電源から直流電圧からなる現像バイアス、または交流電圧に直流電圧が重畳された現像バイアスが印加され、感光体ドラム11との間に現像電界を形成している。
また、現像スリーブ42の内部には、現像マグネット43が内包されている。現像マグネット43には、感光体ドラム11と略対向して設けられた現像極N1、ブレード44と略対向して設けられ、現像剤の塗布量を規制するトリミング極S1、現像された現像剤を支持容器41内に搬送する搬送極S2、現像スリーブ42に担持された現像剤を離脱させるために反発磁界を形成するべく、現像スリーブ42の回転方向上流側から順に隣り合って配置された同極性(同極反発極)の磁極N2(第1反発磁極)と磁極N3(第2反発磁極)とが円周方向に配置されている。
ブレード44は、非磁性材料または磁性材料で構成され、現像マグネット43のトリミング極S1とともに現像スリーブ42に担持される現像剤の層厚を一定量に規制する。これにより、感光体ドラム11へは現像スリーブ42の軸方向に亘って所定量の現像剤が均一に供給され、現像電界の作用の下で感光体ドラム11上に形成された静電潜像を現像する。
かかる現像マグネット43を内包した現像スリーブ42では、同極反発極の下流側の第2反発磁極N3によって第1現像剤収容部41bに保持されている現像剤を現像スリーブ42に吸着させた後、現像スリーブ42上の現像剤量(塗布量)をトリミング極S1とブレード44とによって所定量に規制する。そして、現像スリーブ42が回転することによって現像剤を感光体ドラム11に搬送し、現像電界の下、現像極N1によって現像剤を穂立ちさせて感光体ドラム11に接触させ、感光体ドラム11上の静電潜像を現像する。現像を終えた現像剤は、搬送極S2によって支持容器41内に搬送され、第1反発磁極N2および第2反発磁極N3の反発磁界によって現像スリーブ42から離脱される。さらに現像スリーブ42から離脱した現像剤は、第1現像剤収容部41bに回収される。
一方、第1現像剤収容部41bの現像剤供給オーガー45および第2現像剤収容部41cの現像剤攪拌オーガー46はそれぞれ軸の周囲にスクリューが設けられている。そして現像剤供給オーガー45と現像剤攪拌オーガー46とは、図示しない駆動手段によって互いに反対方向に回転して、トナーとキャリアとを攪拌しながら互いに反対方向に搬送する。第1現像剤収容部41bと第2現像剤収容部41cとは現像器ユニット4Yの両端部で連結されているために現像剤が互いに流れ込み、現像剤供給オーガー45と現像剤攪拌オーガー46とによって第1現像剤収容部41bと第2現像剤収容部41cとの間を循環するように構成されている。したがって、現像スリーブ42から離脱して第1現像剤収容部41bに回収された現像剤は、現像剤供給オーガー45と現像剤攪拌オーガー46とによって、第2現像剤収容部41cに搬送される。
また、支持容器41には、第2現像剤収容部41cの長手方向中央部の上部に、第2現像剤収容部41cへトナーを供給するトナー供給路47が形成されている。トナー供給路47は現像器ユニット4Yの上部に配置されたトナー容器5Yと連結されている。そしてトナー容器5Yにはイエロー(Y)トナーが貯蔵され、トナー容器5Yからトナー供給路47を通ってトナーを落下させることで、現像器ユニット4Yの第2現像剤収容部41cにトナーを供給している。なお、それぞれ現像器ユニット4M,4C,4Kには、マゼンタ(M)トナーが貯蔵されたトナー容器5M、シアン(C)トナーが貯蔵されたトナー容器5C、ブラック(K)トナーが貯蔵されたトナー容器5Kがトナー供給路47を介して連結され、各色トナーを第2現像剤収容部41cに供給している。
第2現像剤収容部41cにおいて現像剤にトナー容器5Yから新たにトナーが供給される際には、図示しないトナー濃度検知センサによってトナー濃度が所定の範囲に制御されるようにトナー供給量が調整される。そして、新たにトナーが供給された現像剤は、現像剤攪拌オーガー46によってトナーと磁性キャリアとが充分に攪拌混合され、現像剤供給オーガー45と現像剤攪拌オーガー46とによる第1現像剤収容部41bと第2現像剤収容部41cとの間の循環によって、第1現像剤収容部41bに再び搬送される。そして、第1現像剤収容部41bから、トナー濃度が所定の範囲に調整され、トナーに充分な帯電が付与された現像剤が現像スリーブ42に供給される。このようにして、現像剤の循環が行なわれている。
ここで、本実施の形態の現像器ユニット4Yでは、現像スリーブ42の上部であって、現像マグネット43に配置された搬送極S2と同極反発極の上流側の第1反発磁極N2との間において、穂倒れ規制部材48が支持容器41内壁に固設されていることを特徴としている。
穂倒れ規制部材48は、感光体ドラム11上の静電潜像を現像した後の現像剤が搬送極S2によって第1現像剤収容部41bに搬送され、第1反発磁極N2および第2反発磁極N3によって現像スリーブ42から離脱させる際に、第1反発磁極N2によって穂立ちしている現像剤が搬送極S2側に倒れるのを防ぐ機能を有している。
以下に、穂倒れ規制部材48の機能について詳細に説明する。まず、図3は穂倒れ規制部材48を配設しない場合における搬送極S2から第1反発磁極N2、第2反発磁極N3に至る現像スリーブ42上での現像剤の搬送状態を概略的に示した図である。図3に示したように、搬送極S2によって同極反発極の上流側の第1反発磁極N2まで搬送された現像剤は、第1反発磁極N2および第2反発磁極N3の相互間に形成された反発磁界によって現像スリーブ42上での搬送が妨げられ、第1反発磁極N2の周辺部に現像剤溜まりを形成する。この現像剤溜まりには、搬送極S2によって現像剤が順次搬送されてくるため、第1反発磁極N2によって形成される穂立ちは、現像極N1や搬送極S2によって形成されるものに比べて数倍の大きさとなる。そして、この現像剤溜まりにおいて現像剤は徐々に下流側に押し出され、現像剤溜まりの下流側の現像剤は第1反発磁極N2および第2反発磁極N3の反発磁界によって第1現像剤収容部41bへと順次剥離されていく。
他方、現像剤溜まりの上流側では、現像剤溜まりの現像スリーブ42に沿った移動が現像スリーブ42の移動に比べて遅いために、堆積している現像剤の一部が上流側(搬送極S2側)に向けて倒れ込み、新たに搬送されてくる現像剤と混ざり合っている。その際に、この現像剤同士が混ざり合う領域(現像剤混合領域)では、その現像剤混合領域を中心としてトナークラウドが大量に発生しているのが観察される。これは、搬送されてくる現像剤に現像剤溜まりの現像剤が倒れ込むことで、現像剤同士の衝突が起こり、それによって現像剤中のトナーが磁性キャリアから離脱してトナークラウドを発生させているものと考えられる。
その一方で、現像器ユニット4Y内部における現像剤混合領域以外の領域を観察すると、現像剤混合領域に比べてトナークラウドの発生は極めて少量であることが認められる。すなわち、第1反発磁極N2上流側の現像剤混合領域が現像器ユニット4Y内部においてトナークラウドの主たる発生源となっていることが、本発明者の観察により確認されている。
特に、本実施の形態の現像器ユニット4Yのように、搬送極S2から第1反発磁極N2、第2反発磁極N3に至る領域が現像スリーブ42の鉛直方向上部に配置された構成では、現像剤溜まりの現像剤が上流側(搬送極S2側)に向けて倒れ込む方向と重力の方向とは一致するので、倒れ込む現像剤が新たに搬送されてくる現像剤と強く衝突し易く、トナークラウドの発生量が多くなる傾向が強い。
そして、現像器ユニット4Yにおいては、現像スリーブ42の回転(矢印C)によって現像ニップ(現像スリーブ42上の現像剤が感光体ドラム11と接触する領域)から第1現像剤収容部41b内に現像剤を収容する際に、同時に第1現像剤収容部41bには空気が流入する。それにより、支持容器41内の空気圧が高まるために、現像器ユニット4Yの例えば現像スリーブ42周り等の隙間から支持容器41内の空気が漏出するという現象が発生する。その際に、空気とともにかかる現像剤混合領域において発生したトナークラウドも一緒に漏れ出て、それが用紙P上の画像を汚したり、機内汚染を引き起こす場合が生じる。
そこで、本実施の形態の現像器ユニット4Yでは、現像マグネット43に配置された搬送極S2と同極反発極の上流側の第1反発磁極N2との間に、穂倒れ規制部材48を配設している。図4は、穂倒れ規制部材48を配設した場合における搬送極S2から第1反発磁極N2、第2反発磁極N3に至る現像スリーブ42上での現像剤の搬送状態を概略的に示した図である。図4に示したように、穂倒れ規制部材48は、第1反発磁極N2の上流側において堆積している現像剤が上流側(搬送極S2側)に倒れるのを抑え、新たに搬送されてくる現像剤と混ざり合うことを防いでいる。それによって、搬送されてくる現像剤と現像剤溜まりの現像剤との衝突が生じることを抑制することができ、トナークラウドの発生を極めて少量とすることが可能となる。
このように穂倒れ規制部材48を配設することにより、現像器ユニット4Y内部の主たるトナークラウドの発生源である現像剤混合領域において、トナークラウドの発生量を大幅に低減させることができるので、現像器ユニット4Yの隙間からのトナークラウドの漏出量も極めて少なく抑えることができ、用紙P上の画像の汚れの発生や、機内汚染の発生を許容レベルに低下させることが可能となる。
また、トナークラウドが現像器ユニット4Yの隙間から漏出することを抑えるために、穂倒れ規制部材48に加えて、現像器ユニット4Yの支持容器41に圧抜き孔を設け、この圧抜き孔からフィルタを介して支持容器41内の空気を排出することにより支持容器41内の空気圧を外気圧まで減圧する構成も同時に採用することもできるが、その場合においても、フィルタがトナーで目詰まりを生じることにより交換が必要となるまでの期間を長くすることができる。そのため、フィルタの交換作業の回数を減らすことができ、経済的にも安価なものとすることができる。
続いて、穂倒れ規制部材48の構成および配置位置について述べる。穂倒れ規制部材48は、第1反発磁極N2の上流側において堆積している現像剤が上流側(搬送極S2側)に倒れるのを抑える機能を果たすために、上流側に倒れようとする現像剤を支えるべく、現像スリーブ42の法線方向に略一致する方向を向く、現像スリーブ42の長手方向に沿った側面48aを有している。ただし、現像剤の倒れを抑えることができれば、側面48aの向きは現像スリーブ42の法線方向に対して、上流側または下流側に傾斜角を持って配置することもできる。
また、穂倒れ規制部材48の側面48aが配置される現像スリーブ42の円周方向における位置は、現像剤の倒れを抑えるために、第1反発磁極N2によって形成される現像剤の穂立ちの中で、搬送極S2側に傾く方向を向く穂立ちが形成される領域、すなわち第1反発磁極N2から発生する磁力線が現像スリーブ42の上流側に傾く領域が適している。より具体的には、穂倒れ規制部材48の側面48aは、第1反発磁極N2の磁界の垂直成分がピークを示す位置(水平成分が0となる位置)よりも現像スリーブ42の上流側の領域に配置するのが好適である。
図5は、現像マグネット43が発生する現像スリーブ42表面上での磁界(磁束密度)を示した図である。図5において、実線が磁束密度の垂直成分を表し、破線が水平成分を表している。穂倒れ規制部材48の側面48aは、図5に示した第1反発磁極N2の磁束密度の垂直成分がピークを示す位置(水平成分が0となる位置)P1よりも上流側に配置される。
また、現像剤の穂立ちの方向は、垂直方向成分が第1反発磁極N2による磁束密度の垂直成分に比例し、水平方向成分が第1反発磁極N2による磁束密度の水平成分に比例して大きくなるので、穂倒れ規制部材48の側面48aは、現像剤の穂立ちの水平方向(倒れ方向)成分が大きくなろうとするが未だ垂直方向が大きい領域に配置することが好ましい。したがって、側面48aの配置位置としては、第1反発磁極N2による磁束密度の垂直成分が未だ大きな領域、すなわち磁束密度の垂直成分のピークに対する半値以上の領域(半値幅領域)内に配置することが好ましい。図5においては半値幅の上流側位置をP2で示しているが、具体的には、側面48aは半値幅領域内となるP2の下流側であって、P1の上流側に配置するのが好ましい。
さらには、側面48aの配置位置は、現像剤の穂立ちの倒れが大きくなろうとするが未だ小さい領域として、現像剤の穂立ちの垂直方向成分が水平方向成分よりも大きな領域、すなわち第1反発磁極N2による磁束密度の垂直成分が水平成分よりも大きな領域であることがさらに好ましい。図5においては第1反発磁極N2による磁束密度の垂直成分と水平成分とが等しくなる位置をP3で示しているが、具体的には、側面48aは、磁束密度の垂直成分が水平成分よりも大きいP3の下流側であって、P1の上流側に配置するのがさらに好ましい。
このように穂倒れ規制部材48を配置することにより、現像器ユニット4Y内部のトナークラウドの発生源である現像剤混合領域において、トナークラウドの発生量を大幅に低減させることができる。それと同時に、第1反発磁極N2の下流側領域では、穂倒れ規制部材48を配設していないので、現像剤溜まりにおいて徐々に下流側に押し出された現像剤に対し、第1反発磁極N2および第2反発磁極N3による反発磁界の作用を充分に及ぼすことが可能であり、搬送された現像剤は現像スリーブ42から第1現像剤収容部41bへと効果的に剥離させることができる。そのため、第1反発磁極N2および第2反発磁極N3が配置された領域において現像スリーブ42に対する現像剤の剥離と吸引とが充分に行なわれ、現像剤の循環サイクルが形成されるので、現像に際し、画像に前回の画像形成時の履歴が残ることが抑制され、高品質な画像形成を長期に亘り維持することができる。
なお、穂倒れ規制部材48を構成する材質としては、第1反発磁極N2や搬送極S2といった磁極との間で磁力線を集めて現像剤の滞留を生じさせないように、アクリル樹脂等の非磁性の材質で形成するのが好適である。
また、穂倒れ規制部材48と現像スリーブ42との間隙は、現像スリーブ42上を搬送される現像剤が通過し難くなり、現像剤の詰まり(ジャミング)が生じないように、0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上に設定するのが好適である。
次に、現像器ユニット4Y内部におけるトナークラウド濃度に関して、本実施の形態の穂倒れ規制部材48を配設した現像器ユニット4Yと、穂倒れ規制部材48を配設していない従来の現像器ユニットとを比較した実験を行なった。その結果を図6に示す。本実験では、穂倒れ規制部材48として厚さ1mm、幅4mm、長さ300mmのアクリル樹脂の直方体を用い、穂倒れ規制部材48の側面48aの配置位置は、第1反発磁極N2による磁界の垂直成分と水平成分とが等しくなる位置P3(図5参照)に設定した。また、穂倒れ規制部材48と現像スリーブ42との間隙は1.0mmとした。そして、トナークラウド濃度の測定は、現像器ユニット4Yの支持容器41の上部壁を取り外し、ダストトラック エアロゾルモニター(MODEL 3451)(カノマックス(株)製)を用いて測定した。
図6に示したように、本実施の形態の現像器ユニット4Yでは、発生するトナークラウド濃度は、従来の現像器ユニットに比べて50%程度減少し、現像器ユニット4Y内のトナークラウド濃度を充分に抑えることが可能となることが確認できた。
さらには、本実施の形態の現像器ユニット4Y,4M,4C,4Kを搭載した画像形成装置を用いて画像形成した際の画像の目視テストでは、従来の画像形成装置においては約80kPV(kilo Print Volume)において画像汚れが発生したが、本実施の形態の画像形成装置では、画像汚れの発生は認められなかった。
以上説明したように、本実施の形態の現像器ユニット4Y,4M,4C,4Kでは、第1反発磁極N2によって穂立ちしている現像剤が搬送極S2側に倒れるのを防ぐ穂倒れ規制部材48を配設したので、現像器ユニット4Y,4M,4C,4K内でのトナークラウドの発生量を大幅に低減させることができる。そのため、現像器ユニット4Y,4M,4C,4Kの隙間からのトナークラウドの漏出量も極めて少なく抑えることができ、用紙P上の画像の汚れの発生や、機内汚染の発生を許容レベルに低下させることが可能となる。
また、第1反発磁極N2および第2反発磁極N3が配置された領域において現像スリーブ42に対する現像剤の循環サイクルが妨げられることがないので、現像に際し、画像に前回の画像形成時の履歴が残ることが抑制され、画像形成に際し、高品質な画像を長期に亘り維持することができる。
本発明の活用例として、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、ファックス等の画像形成装置への適用がある。
本発明の画像形成装置を示した概略構成図である。 現像器ユニットの概略断面図である。 穂倒れ規制部材を配設しない場合における搬送極S2から第1反発磁極N2、第2反発磁極N3に至る現像スリーブ上での現像剤の搬送状態を概略的に示した図である。 穂倒れ規制部材を配設した場合における搬送極S2から第1反発磁極N2、第2反発磁極N3に至る現像スリーブ上での現像剤の搬送状態を概略的に示した図である。 現像マグネットが発生する現像スリーブ表面上での磁界(磁束密度)を示した図である。 現像器ユニット内部におけるトナークラウド濃度を比較した結果を示した図である。
符号の説明
1Y,1M,1C,1K…感光体ユニット、3Y,3M,3C,3K…露光ユニット、4Y,4M,4C,4K…現像器ユニット、5Y,5M,5C,5K…トナー容器、11…感光体ドラム、12…帯電ロール、13…LEDプリントヘッド(LPH)、15…中間転写ベルト、16…一次転写ロール、17…ドラムクリーナ、20…二次転写部、41…支持容器、42…現像スリーブ、43…現像マグネット、44…ブレード、45…現像剤供給オーガー、46…現像剤攪拌オーガー、47…トナー供給路、48…穂倒れ規制部材、48a…側面

Claims (8)

  1. 感光体に対向し、現像剤を担持して回動する現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体に内包され、当該現像剤担持体の回動方向上流側から順に隣り合って配置された、同極性の第1反発磁極と第2反発磁極とを有する現像マグネットと、
    前記現像剤担持体の回動方向下流側に面するとともに、対向する当該現像剤担持体の表面での法線と略同方向に向けて形成された側面を有し、当該側面により、前記現像マグネットの前記第1反発磁極によって当該現像剤担持体上に形成された前記感光体上を現像した後の現像剤の穂立ちに対し、当該現像剤担持体の回動方向上流側への倒れを規制する、前記現像剤担持体の鉛直方向上部に配置された穂倒れ規制部材と
    を備えたことを特徴とする現像装置。
  2. 前記穂倒れ規制部材は、前記側面が、前記現像マグネットの前記第1反発磁極における磁束密度の垂直成分ピーク位置よりも当該現像剤担持体の回動方向上流側に位置することを特徴とする請求項1記載の現像装置。
  3. 前記穂倒れ規制部材は、前記側面が、前記現像マグネットの前記第1反発磁極における磁束密度の垂直成分半値位置よりも前記現像剤担持体の回動方向下流側に位置することを特徴とする請求項2記載の現像装置。
  4. 前記穂倒れ規制部材は、前記側面が、前記現像マグネットの前記第1反発磁極における磁束密度の垂直成分が水平成分よりも大きい領域に位置することを特徴とする請求項2記載の現像装置。
  5. 前記穂倒れ規制部材は、前記現像剤担持体との間隙が0.5mm以上に設定されたことを特徴とする請求項1記載の現像装置。
  6. 前記穂倒れ規制部材は、非磁性材料で形成されたことを特徴とする請求項1記載の現像装置。
  7. 静電潜像が形成される像担持体と、
    前記像担持体に形成された静電潜像を現像する現像装置とを有し、
    前記現像装置は、
    感光体に対向し、現像剤を担持して回動する現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体に内包され、当該現像剤担持体の回動方向上流側から順に隣り合って配置された、同極性の第1反発磁極と第2反発磁極とを有する現像マグネットと、
    前記現像剤担持体の回動方向下流側に面するとともに、対向する当該現像剤担持体の表面での法線と略同方向に向けて形成された側面を有し、当該側面により、前記現像マグネットの前記第1反発磁極によって当該現像剤担持体上に形成された前記感光体上を現像した後の現像剤の穂立ちに対し、当該現像剤担持体の回動方向上流側への倒れを規制する、前記現像剤担持体の鉛直方向上部に配置された穂倒れ規制部材と
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  8. 前記現像装置は、前記現像剤担持体が前記像担持体との対向部で鉛直方向上方に回動することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
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