JP4547772B2 - 汚泥脱水処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排水(廃水)処理系等から発生する汚泥液の脱水濃縮技術に関し、詳細には、多数枚の円板が所定間隔を保って回転軸方向に配列された回転濾過体が交接列をなして複数配列された脱水処理室に供給されて来る汚泥液(原液)を、前記回転濾過体の回転により濾過脱水しながら、汚泥液中の懸濁固形物(以下「SS」という。)を濃縮・搬送し、脱水処理室外へ脱水ケーキとして排出する濾体回転型(多重円板型)の汚泥脱水処理装置の改良技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
活性汚泥法を利用した排水(廃水)処理系等から発生する(分離)汚泥液は、最終的には、真空脱水、遠心脱水、加圧脱水、ロール脱水(ベルトプレスなど)などの技術により物理的に脱水濃縮され、得られた脱水ケーキは、炭化処理等されて肥料等に再利用されている。
【0003】
この汚泥液の脱水濃縮処理技術の一つとして、特開平10−137795号報等に開示された「濾体回転型汚泥脱水処理装置」を利用した公知の方法がある。
以下、この濾体回転型汚泥脱水処理装置の構成を簡略に説明する。
【0004】
まず、所定の厚み及び口径を有するリング状の円板が、円板間に間隙をつくって、回転軸に多数枚配列された略法輪状の「回転濾過体」を設けられる。この「回転濾過体」が、処理対象の汚泥液が供給されて来る脱水処理室内に、交接列をなして複数配設されている。
【0005】
より具体的には、隣接する回転濾過体は、互いに、円板の外周縁の一部領域が、相手の円板間の間隙に嵌入されている交接列をなして、噛み合っている。この交接列が、前記脱水処理室内部に汚泥供給口から排出口側に向かって徐々に間隔が狭まるように、上下2段に配列されている。
【0006】
そして、汚泥供給口から脱水処理室内に供給されてきた汚泥液は、各回転濾過体を一斉に回転させることによって、上下両交接列の間の領域を排出口側に向かって移動する。
【0007】
この移動の過程で、外周面同士が対向している円板間に形成される隙間に流入する汚泥液は、圧縮されて水分が濾し取られて(脱水されて)、次第に濃縮される。そして、脱水処理室の後端部に設けられた排出口から、濃縮された懸濁固形物(以下、「SS」という。)成分からなる、含水率80%程度のいわゆる「脱水ケーキ」が吐出される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の濾体回転型汚泥脱水処理装置では、回転濾過体の回転作用によって濃縮SSを排出口側に搬送する作業を行う場合において、次の技術的課題を有していた。
【0009】
脱水処理室の相対向する交接列面(複数の回転濾過体が交接することによって得られる凸凹な面)と、回転濾過体の回転軸が回転可能に軸支される(脱水処理室の)左右側壁と、によって囲まれた領域(以下、「搬送路」という。)では、回転する円板により汚泥液から水分が濾し取られながら、SS成分が濃縮搬送されることになるが、この際、左右側壁近傍領域では、脱水処理室の側壁面にSSが接触、付着等することによって、SSが徐々に滞留しやすくなる。
【0010】
換言すれば、自搬送作用の無い左右側壁の近傍領域を進行するSS成分の搬送速度が、左右側壁面とは全く接触がなく、自搬送作用のある交接列面にのみ接触する回転軸中央部領域のSSの搬送速度よりも小さくなる。
【0011】
このように、回転軸の軸方向で搬送速度に差異が生じると、場合によっては、上記搬送路を徐々に濃縮されながら移動するSSに、排出口に連通するような裂け目が生じ、その裂け目部分を、汚泥液(原液)が脱水濃縮されることなく通過して、そのまま排出されてしまうという事態が発生してしまう。
【0012】
この事態を防止するために従来においては、回転濾過体の回転速度(搬送速度)を全体に低下させて、SSの搬送速度を回転軸方向に均等化するという対策が講じられてきた。しかし、この対策法では、装置全体の処理能力が低下してしまうという問題や搬送速度の低下に伴う汚泥濃縮力の脆弱化などの問題があった。
【0013】
また、処理対象となる汚泥液が、固形物の多い無機汚泥や油分を多量に含む高含油スカム等の場合は、搬送過程で汚泥が固化しやすいから、搬送力の大きい円板配列構成を回転軸方向のすべてに設けた構成で回転濾過体の回転速度を上げ、処理能力を高めようとすると、回転濾過体にかかる負荷が過剰となって、駆動系に支障を来たすおそれがあった。即ち、従来の回転濾過体の円板配列構成では、汚泥液の性状に応じた搬送力の調整及び制御が難しかった。
【0014】
そこで、本発明の目的は、回転濾過体を構成する円板の配列構成を工夫するという新規な着想によって、
(1)脱水処理室の搬送路における左右両側壁近傍領域のSSの搬送力を、中央領域の搬送力に比して大きくできる。
(2)回転軸方向にSSの搬送量を均等化できる。
(3)固形物の多い無機汚泥や油分を多量に含む高含油スカム等の脱水濃縮にも的確に対処できる。
等を達成できる「汚泥脱水処理装置」を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、濾体回転型の汚泥脱水処理装置において、以下の手段を採用する。
本発明では、まず、多数枚の円板を、回転軸方向に所定間隔を保って配列させた構成の回転濾過体を、互いに交接列をなすように脱水処理室内に複数配列し、この脱水処理室に供給される汚泥液を前記回転濾過体の回転により濾過脱水しながら搬送し、排出する構成とする。
そして、前記円板の配列構成だけを変える手段によって、前記回転軸を(回転可能に)軸支する(前記脱水処理室の)左右側壁近傍領域の汚泥搬送力を、前記回転軸の(軸方向の)中央領域の汚泥搬送力よりも大きくなるように構成した。ここで、汚泥の搬送力は、隣り合う回転濾過体の口径の異なる円板が交接することによって形成される交接列面の多数箇所にわたって形成されるポケット状の凹部へ入り込んでくる汚泥を、(回転濾過体の)円板の回転によって、排出口側に順次掻き出していく作用によって得られる。
そこで、上記手段では、脱水処理室の左右両側壁近傍領域(回転軸の両端領域)と回転軸の中央領域とで、回転濾過体を構成している所定形状の円板の配列構成を変えることによって、左右両側壁近傍領域と回転軸の中央領域とで、汚泥が入り込む凹部(又は搬送力の大きい円板列)の密度(出現頻度)を変化させるようにした。
この簡易手段によって、脱水処理室に形成された搬送路における、左右両側壁近傍領域のSSの搬送力は、回転軸中央領域の搬送力に比して、確実に大きくなる。
その結果、側壁に対するSSの接触や付着等によって引き起こされる左右両側壁近傍領域SSの搬送力を高めて、一定以上の汚泥の搬送速度を確保する。一方、回転軸中央領域のSSの搬送速度が緩和されるので、無機汚泥や高含油スカムなどの固化しやすい汚泥の搬送を、円滑に行うことができるようになる。
左右両側壁近傍の領域の搬送速度と中央領域の搬送速度を合わせるために、回転濾過体の回転速度を遅くするという従来の方法によらなくても、回転濾過体のもつ搬送特性に基づいて、回転軸方向の搬送速度を均等化できる。
即ち、本発明では、回転濾過体に一般に汎用される複数種の円板を選択して、回転軸に対する配列構成(並べ方)だけを変えるという簡易な手段により、SSの搬送速度を調整又は制御することが可能となる。
【0016】
更に本発明では、左右側壁近傍領域では、大口径の大円板と小口径の小円板を前記回転軸に交互に挿着するとともに、同項記載の中央領域では、前記大円板と前記小円板の間に、大円板の口径よりも小さく小円板の口径よりも大きな口径の中円板を介装させるようにする。
この手段では、まず、口径の大きい順番に、「大円板」、「中円板」、「小円板」の3種類の円板を用意し、これらの円板の「配列構成」だけを変化させることにより、SSの搬送速度を調整又は制御する。
まず、SSが滞留しやすく、搬送速度が遅くなる傾向にある前記左右側壁近傍領域では、大円板と小円板を前記回転軸に交互に挿着するようにする。この配列構成では、小円板は、大円板と大円板の間に隙間を形成するためのスペーサ部材として機能しており、各隙間部分に対して、隣接する回転濾過体の大円板周縁の一部領域がそれぞれ嵌入し、回転濾過体は互いに交接列を形成することになる。一方、側壁抵抗に影響されない回転軸中央領域では、大円板と小円板の間に中円板を介装するように配列構成し、この中円板に対しては、隣接する回転濾過体の中円板が必ず対向するようにする。
この中円板がその外周面を対向させて並ぶ円板列部分は、凸凹の度合いが小さく、加えて、回転軸の回転に伴う円板の周速度が全く同じである。このため、凸凹の度合いが大きく、周速度の異なる、大円板と小円板がその外周面を対向させて並ぶ円板列部分よりも、搬送力が極めて弱くなる。
従って、回転軸中央領域では、大円板と小円板によって形成される円板列の間に、中円板のみによって形成される円板列部分を介在させることによって、汚泥搬送力を緩和することができる。
【0017】
以上説明したように、脱水処理室の左右側壁の内壁面では、できるだけ汚泥を滞留させないようにすることが望ましいから、少なくとも左右側壁の内壁面部分は、従来採用されてきたステンレス製よりも、表面平滑性に優れた材質を選択して形成することが望ましい。例えば、基板に合成樹脂によって表面コートを施したような材質が考えられる。
側壁抵抗を少なくする手段と側壁近傍領域の搬送力を高める上記手段を併用することにより、側壁近傍領域における搬送速度の低下を相乗的に防止することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る汚泥脱水処理装置の好適な実施形態について、添付図面に基づき説明する。
<汚泥脱水処理装置の全体構成>
まず、本発明に係る汚泥脱水処理装置の脱水処理室内部の構成を示す簡略図である図1に基づいて、同装置1の全体構成を説明する。
【0019】
本発明に係る汚泥脱水処理装置1(以下、「装置1」という。)は、四方を壁面で囲まれた、略箱型の脱水処理室2を備える。この脱水処理室2の前方壁面201には、所定の調質工程を経て移送されてくる汚泥液(原液)5を脱水処理室2に供給(導入)するための汚泥供給口3が設けらている。相対する後方壁面202には、脱水濃縮された脱水ケーキ13を排出するための排出口4が設けられている。
【0020】
この排出口4には、やや下方に傾斜するシュート21が取り付けられており、このシュート21の上方には、重錘板18の加重作用によって前記排出口4を閉塞するように構成された抵抗板19が、軸17に、上方側に付勢されて、回動可能に支持されている。この抵抗板19は、脱水処理室2における汚泥の圧力(加圧脱水)を調節する作用を発揮し、この圧力を大きくする程、汚泥の脱水率を高めることができる。
【0021】
脱水処理室2内部には、処理室2の左右側壁204,205方向に横架され、該左右側壁204,205に軸端部が回転可能に軸支されている回転軸8,8,8…が、大別すると、上下2段に配列されている。これらの回転軸8は、図示しないモータの駆動により、側壁204,205外壁領域に配設された歯車等を介し、一斉に回転するようにされており、回転数を全体的に調整又は制御できる構成とされている。図1の符号9a,9bは、主に、後述する交接列7によって濾し取られた水分15を排出するための、濾液取出口である。
【0022】
<回転濾過体の円板の配列構成>
ここで、脱水処理室2の下方側の回転軸8周辺を上方から見た部分省略平面図である図2、回転軸8に挿着される円板の配列構成図である図3に示すように、各回転軸8,8,…には、口径を異にする3種のリング状の円板10,11,12が、所定の配列になるように挿着されている。
【0023】
具体的に説明すると、例えば、予め大口径(例、φ120mm、厚み1.2mm)の大円板10、中口径(例、φ111.6mm、厚み1.2mm)の中円板11、小口径(例、φ103mm、厚み1.5mm)の小円板12を用意する。
【0024】
そして、脱水処理室2の左右側壁204,205の近傍領域Wa、Wbには、図3(A)及び図6に示すように、大円板10と小円板12を交互に所定長配列する(「配列例1」とする)。
【0025】
一方、回転軸8の略中央領域C(近傍領域Wa、Wbを除く領域)には、図3(B)及び図7に示すように、大円板10→中円板11→小円板12→中円板11→大円板10→中円板11→小円板12…の順に回転軸8方向に配列する(「配列例2」とする)。
【0026】
または、図8に示すように、小円板12→中円板11→大円板10→小円板12→中円板11→大円板10…の順に回転軸8方向に配列する(「配列例3」とする)。更に、中央領域Cで、とくに採用可能な配列例を挙げれば、中円板11が二枚重なる部分を設けて、大円板10→中円板11→中円板11→小円板12→大円板10→中円板11→中円板11→小円板12…の順に回転軸8方向に配列することもできる(「配列例4」、図示せず)。
【0027】
従来、回転濾過体における円板の配列構成は、回転軸8方向に一律同じ構成であったから、上記配列例1のように、回転軸8の軸方向に対して、所定の円板を使用し、円板の配列順序(並べ方)を変えた部分を形成するという技術的思想は、全く新規なものである。
【0028】
ここで、円板10,11,12の配列構成は、上記配列例に限定されるものではなく、汚泥の搬送力に強弱をつけることができる配列構成であれば、適宜選択又は組み合わせ可能である。
【0029】
例えば、上記配列例1と配列例2を組み合わせ、側壁近傍領域Wa,Wbでは、上記同様に大円板10と小円板12を交互に所定長配列し、中央領域Cでは、大円板10→中円板11→小円板12→中円板11→大円板10→中円板11→小円板12…の順に回転軸8方向に配列することもできる。
【0030】
また、上記配列例1と配列例2を組み合わせ、側壁近傍領域Wa,Wbでは、上記同様に大円板10と小円板12を交互に所定長配列し、中央領域Cでは、小円板12→中円板11→大円板10→小円板12→中円板11→大円…の順に回転軸8方向に配列することもできる。
【0031】
このようにして、左右側壁204,205の近傍領域Wa,Wbと回転軸8の略中央領域Cとで、円板10,11,12の配列構成を変化させる構成とされている回転軸8は、回転濾過体6a〜6e,7a〜7jとしての役割を果たすようになる。
【0032】
即ち、この回転濾過体6a〜6e,7a〜7jは、互いに交接して対向する多数の円板10,11,12間に形成される隙間Y(図4参照)中に、汚泥液5を毛細管作用及び圧力差によって入り込ませ、円板10,11,12の回転作用によって水分15を濾し取る作用を発揮する。濾し取られた水分15は、脱水処理室2の底部203に設けられた濾液取出口9a,9bから図示しない集水槽に排出されることになる(図1等参照)。
【0033】
ここで、回転濾過体6a〜6eは、脱水処理室2の上方領域に、排出口4側に向けて次第に上方側へ傾斜する交接列6をなすように配列されている。一方、回転濾過体7a〜7jは、脱水処理室2の下方領域に、交接列7をなして配列されている。
【0034】
回転濾過体6a〜6eの略下方に配置される回転濾過体7f〜7j部分は、交接列6(回転濾過体6a〜6e)よりやや急勾配で傾斜して排出口4側に向け配列されている。この構成により、回転濾過体6a〜6eと回転濾過体7f〜7jで挟まれた搬送路20は、排出口4に近づくにつれて次第に間隔が狭まるように形成されている。
【0035】
回転濾過体6a〜6e,7a〜7jの回転によって、圧縮脱水され、徐々に水分を失いながら強制的に搬送されていく汚泥を、更に、搬送路20前方のより狭い領域に押し込めていくことによって、汚泥の濃縮を更に効果的に促進せしめている。
【0036】
ここで図4は、側壁近傍領域Wの搬送路20の一部を上下方向に切り落とし、真横から見た図で、主に汚泥Sの移動及び脱水濃縮状態を簡略に表している。
この図4に示すように、汚泥Sは、徐々に狭まる搬送路20を、回転濾過体6b,6c,6d及び回転濾過体7g,7h,7iの回転作用により移動するとともに、汚泥Sからは水分15が濾し取られ,円板10,11,12のそれぞれの隙間から、落下する。
【0037】
<交接列の構成>
ここで、交接列6,7の構成を、主に図5〜図9に基づいて詳しく説明する。
まず、交接列6の回転濾過体6aと6bの交接部分を一部省略して示す拡大図である図5に示されているように、回転濾過体6aの回転軸8の周方向に突出するように多数枚配列された各円板の間に形成される間隙T(図2参照)に、隣接する回転濾過体6bの円板周縁の一部領域が嵌入することによって、円板同士が噛み合っている。
【0038】
具体的には、隣接する回転濾過体6a〜6e,7a〜7jの一方側の大円板10は、他方側の小円板12と対向し、一方の中円板11は、他方の中円板11と対向するという規則性をもって、噛み合っている。
【0039】
ここで、図6は、側壁近傍領域Wa(又はWb)の交接列状態(配列例1)を表す外観斜視図(円板の厚みと口径差は理解を容易にするため強調している)である。図7、図8は、回転軸8の中央領域Cの交接列状態を表す外観斜視図(円板の厚みと口径差は理解を容易にするため強調している)である。尚、図7、図8は、上記配列例2、配列例3に対応するものである。
【0040】
まず、図6に示されているように、側壁近傍領域Wa(又はWb)の交接列では、回転軸8と直行する方向に、大円板10→小円板12→大円板→小円板12…の円板列L1が、隣接して密に並列される。
【0041】
ここで、この円板列L1を一列だけ取り出して、横方向から見た図である図9(A)に示されているように、円板列L1は、対向する円板10,12の口径差が大きいことに起因して、汚泥Sが入り込む大きなポケット領域Xが形成され、凸凹度合いが大きくなる。このため、汚泥Sに対する食い込みが大きい。
【0042】
加えて、小円板12の周速度vと大円板10の周速度Vに差異が生じるため、ポケットXに送り込まれた汚泥Sを、次のポケット領域Xにかき出して送り込む作用が効果的に発揮されるので、汚泥の搬送力(搬送速度)P1が大きい。
【0043】
一方、上記配列例2〜4等を備える中央領域Cにおける円板の交接列領域には、上記円板列L1の間に、回転軸8と直行する方向に、中円板11→中円板11→中円板11…の円板列L2が所定の頻度で介在することになる(図6、図7参照)。
【0044】
この円板列L2一列だけ取り出して横方向から見た図である図9(B)に示されているように、円板列L2は、同一口径の中円板11だけで形成されているから、対向する大円板10と小円板12によって形成される円板列L1の如き、大きなポケット領域X(図9(A)参照)が形成されない。
【0045】
このため、円板列L2は、円板列L1と比較して凸凹度合いが小さく、汚泥に対する食い込みも少ない。加えて、隣り合う中円板11の周速度V’は同じであるため、汚泥Sの搬送力(搬送速度)P2が小さい(P2<P1)。
【0046】
従って、搬送力P1の大きい円板列L1を、回転軸8方向に密に形成すればする程、側壁近傍領域Wa(又はWb)の交接列領域における汚泥Sの搬送力を効果的に高めることができる。一方、搬送力P2が小さい円板列L2を、回転軸8方向に介在させればさせる程、搬送力は小さくなる。
【0047】
例えば、図7に示す「配列例2」では、回転軸8の軸方向で見たときに、円板列L1と円板列L2が交互に並んでいるが、図8に示す「配列例3」では、3列に対して1列の頻度で、円板列L2が形成される。従って、配列例2よりも配列例3の方が、搬送力の大きい円板列L1の出現頻度が多いので、汚泥搬送力Pが大きくなる。
【0048】
これにより、汚泥液(原液)5の固形分等の性状に応じて、配列構成の異なる回転濾過体を使い分けて、搬送力(搬送速度)Pを調整又は制御するようにすれば、その汚泥液5に適した脱水濃縮を確実に実施することができる。
【0049】
<実験例>
本願発明者らは、横幅500mmの脱水処理室2を用いて、側壁近傍領域Wa,Wbでは上記配列例1(図6参照)を側壁204,205から長さ25〜60mm設け、残りの中央領域Cにおいては上記配列例2(図3参照)を採用した配列構成のもの(「実験例1」)と、回転軸8方向のすべてを上記配列例1で統一した配列構成のもの(「比較実験例2」)を使用して、高含油スカムを同一の回転条件下で脱水を試みた。なお、使用した高含油スカムの固形分は、7.3%、油分は、6.5%であった。
【0050】
その結果、実験例1では、処理量が50〜150Kg・DS/m・hrを得るとともに、脱水ケーキ13の含水率は75〜80%であった。一方、比較実験例2では、処理量が50〜100Kg・DS/m・hrを得るとともに、脱水ケーキ13の含水率は78〜82%であった。
このことから、本願発明に係る上記脱水処理装置1は、処理量の上限が高く、脱水ケーキ13の含水率を、約3%低く抑えることができることがわかった。
【0051】
【発明の効果】
本発明に係る汚泥脱水処理装置によれば、まず、回転濾過体を構成する円板の配列構成を、側壁近傍領域と中央領域とで変えるという簡易な手段によって、脱水処理室の搬送路の左右両側壁近傍領域における汚泥の搬送力を、中央領域の搬送力に比して大きくすることができる。
これにより、回転軸の回転速度を大きく調整しなくても、回転軸方向の汚泥の搬送量を均等化できるので、装置として扱いやすい。また、回転軸方向の搬送速度がことなると発生する裂け目を汚泥に生じさせないので、脱水濃縮されない汚泥液(原液)がそのまま排出されることはない。
また、固形物の多い無機汚泥等の脱水濃縮にあった搬送力の回転濾過体を、円板の配列構成を種々変えることによって提供できるので、運転中において回転濾過体に過剰な負荷をかけてしまうようなこともない。
更には、処理量の上限を高くするとともに、得られる脱水ケーキの含水率を低く抑えることができる。
以上のように、本発明に係る汚泥脱水処理装置は、排水処理系などから発生する汚泥の最終処理工程である脱水濃縮処理を、円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る汚泥脱水処理装置の脱水処理室内部の構成を示す簡略図
【図2】同脱水処理室の下方側の回転濾過体周辺を上方から見た部分省略平面図
【図3】(A)回転軸に挿着される円板の配列構成図(配列例1に対応)
(B)同配列構成図(配列例2に対応)
【図4】側壁近傍領域の搬送路の一部を上下方向に切り落として真横から見た図
【図5】隣接する回転濾過体の交接部分を一部省略して示す拡大図
【図6】側壁近傍領域の交接列状態(配列例1)を表す外観斜視図
【図7】回転軸の中央領域の交接列状態(配列例2)を表す外観斜視図
【図8】回転軸の中央領域の交接列状態(配列例3)を表す外観斜視図
【図9】(A)円板列L1を一列だけ取り出して、横方向から見た図
(B)円板列L1を一列だけ取り出して、横方向から見た図
【符号の説明】
1 脱水処理装置
2 脱水処理室
5 汚泥液
6a〜6e (上段)回転濾過体
7a〜7j (下段)回転濾過体
8 回転軸
10 大円板
11 中円板
12 小円板
C 回転軸の中央領域
S 汚泥
Wa,Wb 左右側壁近傍領域

Claims (2)

  1. 多数枚の円板が所定間隔を保って回転軸方向に配列された回転濾過体が、交接列をなすように脱水処理室内に複数配列され、前記脱水処理室に供給される汚泥液を前記回転濾過体の回転により濾過脱水しながら搬送し、排出する構成であって、
    前記脱水処理室の前記回転軸を軸支する左右側壁近傍領域は、大口径の大円板と小口径の小円板が前記回転軸に対して交互に装着された配列構成であり、
    かつ、前記回転軸の中央領域は、前記大円板、該大円板の口径よりも小さく前記小円板の口径よりも大きな口径の中円板、前記小円板、前記中円板の順に複数回繰り返し装着された配列構成となっており、
    隣接する回転濾過体を、一方側の大円板が他方側の小円板と対向し、一方の中円板が他方の中円板と対向するように配置することにより、前記左右側壁近傍領域の汚泥搬送力が、前記中央領域の汚泥搬送力よりも大きくなるようにしたことを特徴とする汚泥脱水処理装置。
  2. 多数枚の円板が所定間隔を保って回転軸方向に配列された回転濾過体が、交接列をなすように脱水処理室内に複数配列され、前記脱水処理室に供給される汚泥液を前記回転濾過体の回転により濾過脱水しながら搬送し、排出する構成であって、
    前記脱水処理室の前記回転軸を軸支する左右側壁近傍領域は、大口径の大円板と小口径の小円板が前記回転軸に対して交互に装着された配列構成であり、
    かつ、前記回転軸の中央領域は、前記小円板、該小円板の口径よりも大きく前記大円板の口径よりも小さい口径の1又は2枚の中円板、前記大円板の順に複数回繰り返し装着された配列構成となっており、
    隣接する回転濾過体を、一方側の大円板が他方側の小円板と対向し、一方の中円板が他方の中円板と対向するように配置することにより、前記左右側壁近傍領域の汚泥搬送力が、前記中央領域の汚泥搬送力よりも大きくなるようにしたことを特徴とする汚泥脱水処理装置。
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