JP4547767B2 - 包装体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、胴筒の開放端部に蓋を取付けた筒状の包装体の技術分野に属し、開封後も開封された蓋にて再封可能な包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】
前記包装体として、図7に示すように、被包装物10を収容した胴筒72の開放端部に、外周に側壁部77を形成した凹状の蓋73を取付けたものが知られている。この包装体7は、開封側の開放端部に外巻きのカール部75を形成し、この外巻きカール部75に対して凹状の蓋73を外嵌させて上蓋を構成している。
前記外巻きカール部75の弾力によって蓋73の側壁部77との嵌合が強固となるので、この蓋73は胴筒72の開放端部に安定して取付けられる。また、胴筒72の底側の開放端部は内巻きのカール部75aを形成し、この内巻きカール部75aに円板状の底板73aを係止させて底蓋を構成している。
【0003】
そして、前記包装体7を開封するには、前記凹状の蓋73を引き抜いて胴筒72から取り外せばよい。また、再封するには、この取り外した蓋73を前記開放端部の外巻きカール部75に再び外嵌させればよい。このように前記包装体7は、胴筒72の開放端部に外巻きカール部75を形成しこの外巻きカール部75に凹状の蓋73を外嵌させることで、開封後も開封された蓋73にて再封可能とする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成の包装体7では、図7からも明らかなように凹状の蓋73の側壁部77が胴筒72の外周面よりも出張っている。そのため、この包装体7が他の物と接触した拍子に蓋73が外れてしまうことがある。これでは収容する被包装物10が外に飛び出してしまい包装体としての役目を果たせなくなる。また、蓋75の側壁部77が胴筒72外周面よりも出張った態様では、その見栄えもよくない。
【0005】
本発明は、『被包装物を収容した胴筒の開放端部に、外周に側壁部を形成した凹状の蓋を取付けた包装体』において、簡易に再封でき、しかも蓋が胴筒の外周面よりも出張らないようにすることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために講じた技術的手段は、次のようである。
本発明の1番目の技術的手段は、『前記蓋は、前記胴筒の開放端部に側壁部を内嵌させると共に前記開放端部の先端部で前記側壁部の一部が接合されており、前記胴筒には、前記蓋の側壁部の外周域を含む一定範囲を胴筒の全周にわたって切除可能とする開封部を設けた』ことである。
【0007】
前記技術的手段は、次のように作用する。
前記開封部を引き剥がすと、この開封部を境に蓋が胴筒から切り放されて包装体が開封される。この切り放された蓋の側壁部は、前記胴筒の先端部に相当する切り放し片の残存部分と、前記開封部の切除による露出部分とができる。前記蓋の側壁部の外形寸法は前記胴筒の内径寸法と一致するから、前記側壁部の露出部分を開封後の胴筒の二次開放端部に圧入すると、前記蓋により前記胴筒が再封される。また、前記側壁部に残存する切り放し片が蓋の再封時に胴筒の二次開放端部に当接しストッパの役目を果たすから、蓋が胴筒の奥の方に押し込まれることもない。よって、再封後の蓋の取り外しも容易である。
なお、前記開封部は、端部で内側にハ字状に屈曲した平行な切り込みを所定ピッチに配設したジッパー部により構成される。
【0008】
本発明の2番目の技術的手段は、『前記蓋は、前記胴筒の開放端部に側壁部を内嵌させると共に接合されており、
前記胴筒には、前記開放端部よりも真ん中寄りの位置に所定幅のガイド筒を内周面に配置し、このガイド筒を配置した一定範囲を胴筒の全周にわたって切除可能とする開封部を設け、
前記ガイド筒は、前記開封部よりも真ん中寄りの部分を前記胴筒内周面と接合させた』ことである。
【0009】
前記技術的手段は、次のように作用する。
前記開封部を引き剥がすと、この開封部を境に蓋が胴筒から切り放されて包装体が開封される。前記開封部は前記胴筒のガイド筒の配置位置に設けられているから、切り放された蓋には胴筒の切り放し片が蓋の底面部から突出した突出片となって残存する。しかも、開封後の胴筒には前記ガイド筒の一部が開封により形成された二次開放端部から突出したガイド片となっている。よって、切り放された蓋の前記突出片を開封後の胴筒の前記ガイド片に外嵌させると、前記蓋により前記胴筒が再封される。
【0010】
本発明の3番目の技術的手段は、『前記胴筒には、前記開放端部内周面に所定幅のガイド筒を配置させると共に前記開放端部の先端部で前記ガイド筒の一部が接合されており、且つ、前記ガイド筒を配置した一定範囲を胴筒の全周にわたって切除可能とする開封部を設け、
前記蓋は、前記ガイド筒に側壁部を内嵌させると共に接合させた』ことである。
【0011】
前記技術的手段は、次のように作用する。
前記開封部を引き剥がすと、この開封部を境に蓋が胴筒から切り放されて包装体が開封される。この切り放された蓋に前記ガイド筒が接合状態にあり、このガイド筒の一部が蓋の底面部から突出した突出片となる。よって、前記蓋の突出片を開封後の胴筒の二次開放端部に圧入すると、前記蓋により前記胴筒が再封される。また、前記ガイド筒の先端部には前記胴筒の先端部に相当する切り放し片が残存するから、蓋の再封時に胴筒の二次開放端部に当接しストッパの役目を果たす。よって、再封時に蓋が胴筒の奥の方に押し込まれることもなく、再封後の蓋の取り外しも容易となる。
本発明の4番目の技術的手段は、『前記蓋は、凹状の内側面が外方を向いた状態で前記胴筒の開放端部に側壁部を内嵌させると共に取り外し可能に接合されており、且つ、前記側壁部の上端の一部に舌片を延長形成した』ことである。
【0012】
前記技術的手段は、次のように作用する。
前記舌片を引っ張ると蓋が胴筒から取り外され、包装体が開封される。また、前記蓋は前記舌片を有した状態で凹状形態を維持しているので、この蓋を再び前記開封後の胴筒の開放端部に取付けて再封できる。
【0013】
【発明の効果】
以上のように、本発明の包装体によると、包装体が開封された後の蓋を、開封によりできた胴筒の二次開放端部に嵌め込むことで簡単に再封できる。しかも、開封前後とも蓋が胴筒外周面よりも出張ることもない。
すなわち、前記1番目の技術的手段によると、前記開封部を引き剥がすことで包装体が開封され、また、切り放された蓋を開封後の胴筒の二次開放端部に圧入して前記胴筒を再封できる。しかも、再封後も開封前と同様に蓋は胴筒に内嵌されるから、蓋が胴筒の外周面よりも出張ることもない。また、蓋に残存する切り放し片がストッパの役目を果たし、再封時に蓋が胴筒の奥の方に押し込まれることもないから、再封後の蓋の取り外しも容易である。
【0014】
前記2番目の技術的手段によると、前記開封部を引き剥がすことで包装体が開封され、また、切り放された蓋の前記突出片を開封後の胴筒の前記ガイド片に外嵌させると前記胴筒を再封できる。しかも、前記突出片は胴筒の切り放し片で構成されるから、再封後の蓋が胴筒の外周面よりも出張ることもない。
【0015】
前記3番目の技術的手段によると、前記開封部を引き剥がすことで包装体が開封され、また、切り放された蓋の前記突出片を開封後の胴筒の二次開放端部に圧入して前記胴筒を再封できる。しかも、前記ガイド筒からなる突出片は胴筒に内嵌され、且つ、ガイド筒の先端部に残存する切り放し片は前記胴筒の一部であるから、再封後の蓋が胴筒外周面よりも出張ることもない。また、前記ガイド筒の先端部に残存する胴筒の切り放し片がストッパの役目を果たし、再封時に蓋が胴筒の奥の方に押し込まれることもないから、再封後の蓋の取り外しも容易である。
【0016】
前記4番目の技術的手段によると、蓋に形成する舌片を引っ張ることで簡単に開封でき、この舌片を有した状態で再封できるから、蓋の取り外しが簡易である。しかも、包装体は再封後も開封前と同様の形態にあるから蓋が胴筒から出張ることもない。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態1による包装体の構成を示す模式図であり、図1(a)は開封前の包装体を、図1(b)は開封時の包装体を、図1(c)は再封後の包装体をそれぞれ示す。
【0018】
図1(a)に示すように、この包装体1は、全体が円筒形状をなし、被包装物10を収容した胴筒12の上下の開放端部15,15aに凹状の蓋13.13aを取付けたものである。
【0019】
前記蓋13は、円板状の底面部130と、この底面部130の外縁から起立させた側壁部17とから構成され、全体が紙または可撓性のプラスチックから形成されている。前記底面部130の外径寸法は、前記胴筒12の内径寸法よりも小さく設定されている。一方、前記側壁部17の外径寸法は、前記胴筒12の内径寸法と一致している。すなわち、この側壁部17は、前記底面部130との境界部分で底面部130に向かって徐々に縮径されている。
【0020】
前記胴筒12は、上下に開放した円筒形状をなし、全体が紙または可撓性のプラスチックで形成されている。そして、上側の開放端部15には前記凹状の蓋13をその底面部130側を内方に向けて取付けられている。つまり、蓋13は前記開放端部15に側壁部17を内嵌させると共にこの開放端部15の先端部14で糊付けにより接合部18となって前記側壁部17の一部が接合されている。この蓋13は前記包装体1の上蓋となる。また、前記胴筒12は、蓋13を取付けた上側の開放端部15にこの胴筒12の全周にわたって切除可能な開封部16が設けられている。この開封部16は、例えば胴筒12に端部で内側にハ字状に屈曲した平行な切り込みを所定ピッチに配設したジッパー部を付すことにより形成される。また、開封部16は、前記蓋13の接合部18に隣接しこの接合部から胴筒12の内方へ向けた一定範囲に形成されている。従って、この開封部16の形成位置において前記蓋13の側壁部17の一部が被さった状態にある。また、前記開封部16には縦の切り込み27が形成されており(図2(d)を参照。)、この切り込み27を外側から摘んで切り起こせるようになっている。一方、胴筒12の下側の開放端部15aにも前記同様の蓋13aが取付けられており、この蓋13aは前記包装体1の底蓋となる。なお、この下側の開放端部15aには前記開封部16は設けられていない。
【0021】
次に、前記包装体1の開封方法および開封後の再封方法を説明する。
まず、この包装体1を開封するには、図1(a)に示す開封前の包装体1において前記開封部16に形成した切り込み27を摘んで切り起こす。続いてこの切り起こした部分を引っ張って開封部16を胴筒12の全周にわたって引き剥がす。すると、図1(b)に示すように、開封部16が除去されて当該部分を境に蓋13が胴筒12から切り放される。これにより、包装体1が開封される。この切り放された蓋13の側壁部17には前記胴筒12の先端部14に相当する切り放し片141が残存する部分と、前記開封部16の切除によって側壁部17の露出した部分171とが形成される(図1(b))。
【0022】
次に、開封された包装体1を再封するには、図1(c)に示すように、前記切り放された蓋13を開封後の胴筒12の二次開放端部161に圧入する。すなわち、前記蓋13の側壁部17の外径寸法は前記胴筒12の内径寸法と一致するから、前記側壁部17の露出部分171を開封後の胴筒12の二次開放端部161に圧入すると、この蓋13により前記胴筒12が塞がれる。このとき、切り放された蓋13の側壁部17に残存する切り放し片141が蓋13の再封時に胴筒12の二次開放端部161に当接しストッパの役目を果たす。よって、再封時に蓋13は前記切り放し片141によって胴筒12の奥の方に押し込まれることがない。つまり、再封後の包装体1は、切り放された蓋13が開封後の胴筒12の二次開放端部161に内嵌された状態になる。よって、再封後も開封前と同様に蓋13が胴筒12の外周面よりも出張ることはない。また、この再封後の蓋13の取り外しも容易である。さらに、この包装体1の廃棄時には、蓋13,13aを取り外して胴筒12部分を扁平につぶせばかさ張らずに小さくでき、しかも、蓋13,13aと胴筒12の材質が異なっていても分別できるのでリサイクルも容易となる。
【0023】
次に、前記包装体1の製造方法を説明する。
図2は、その製造方法の一例を示した概略図である。
まず、図2(a)に示す矩形シート22と、図2(c)に示すキャップシート23とを用意する。
前記矩形シート22は、紙製または可撓性のあるプラスチック製であり、複数の平行な折り曲げ線222と、これら折り曲げ線222に直行するジッパー部26とが形成されている。このジッパー部26は、端部で内側にハ字状に屈曲した平行な切り込みを所定ピッチに配設した構成のものである。このジッパー部26は、矩形シート22の一辺の近傍に形成されており、包装体1としたときに前記開封部16となる。また、このジッパー部26の所定箇所に前記折り曲げ線222と平行な切り込み27が設けられている。この切り込み27が包装体1を開封する際に前記開封部16を引き剥がすときの起点となる。
【0024】
一方、前記キャップシート23は、紙製または可撓性のあるプラスチック製であり、円板状に形成されている。このキャップシート23は、その外縁部に同心円状の外側線231と内側線232との二条の折り曲げ線が形成されている。外側線231は胴筒12の内径寸法と一致するように形成されている。よって、内側線232は胴筒12の内径寸法よりも小さくなっている。また、外側線231から外周端に至って複数の折り曲げ線233が放射状に形成されている。そして、このキャップシート23の各折り曲げ線231〜233を起点に折り曲げて行くと、凹状の蓋13となる。すなわち、内側線232で囲まれた底面部130と、二条の折り曲げ線231,232で囲まれた部分よりなる縮径部の形成された側壁部17とを有する。
【0025】
そして、包装体1を製造するには、まず、前記矩形シート22をその両辺部223a,223bを重合接合すると共に折り畳んで扁平化し、図2(b)に示すようなフラット筒221とする。次いで、このフラット筒221の両側の折り曲げ部224a,224bを内側に押し込んで円筒状にし、図2(c)に示すような胴筒12とする。このとき、フラット筒221の両側の折り曲げ部224a,224bを内側に押し込むと、複数の折り曲げ線222により前記フラット筒221が内側に湾曲しようとする応力が働き、これによって簡単に且つ確実に上下に開放端部15,15aを有した胴筒12が形成される。
【0026】
そして、この胴筒12の上下の開放端部15,15aのいずれかから被包装物10を挿入する。なお、被包装物10は、後述の蓋13,13aの取付けと同時に挿入してもよい。また、前記胴筒12の開放端部15,15aの内周面に線引き状あるいは点打ち状に糊を塗布する。この糊付けは、前記開放端部15,15aの先端部になされる。
【0027】
次いで、図2(c)に示すように、前記円板状のキャップシート23を凹状に整形すると共にこの凹状の蓋13,13aを前記胴筒12の上下の開放端部15,15aに挿入する。前記凹状の蓋13,13aを底面部130側を向けて前記胴筒12の開放端部15,15a内に挿入するが、このとき凹状の蓋13,13aは前記側壁部17の縮径部に案内されて前記胴筒12の開放端部15,15aに円滑に導入される。開放端部15,15aに圧入された凹状の蓋13,13aは、側壁部17において放射状の折り曲げ線に沿った折れ曲がりにより形成されているので、外側に広がろうとする応力が働き、これにより凹状の蓋13,13aが前記胴筒12の開放端部15,15aに安定的に保持される。
【0028】
最後に、前記蓋13,13aの側壁部17と前記胴筒12の開放端部15,15aとを挟圧してカシメを行う。すると、蓋13,13aの側壁部17と胴筒12の開放端部15,15aとが密着し、両者間に介在した糊によって強固に固定される。
以上の工程により、図1(a)に示す包装体が出来上がる。
【0029】
(変形例)
図3は、この実施の形態1による包装体の他の例を示す模式図であり、図3(a)は開封前の包装体を、図3(b)は開封時の包装体を、図3(c)は再封後の包装体をそれぞれ示す。この包装体3は、図3(a)に示すように、凹状の蓋33を取付けた向きが図1に示す前記包装体1と逆向きになっている。すなわち、蓋33は、凹状の内側面を胴筒32の内方側に向けて底面部330を外方にして胴筒32の開放端部35に側壁部37を内嵌させると共に前記開放端部35の先端部34で糊付けにより接合部38となって前記側壁部35の一部が接合されている。なお、蓋33の側壁部37は、図1に示すものと比べて長くなっているが、図1に示す蓋13と同じであってもよい。その他の構成については図1に示す包装体1と同様である。なお、図3(a)中、33aは底蓋となる蓋であり、35aは胴筒32の下側の開放端部であり、36は開封部である。
【0030】
そして、胴筒32の開封部36を引き剥がすと、図3(b)に示すように、この開封部36を境に蓋33が胴筒32から切り放されて包装体3が開封される。
この切り放された蓋33の側壁部37には、前記胴筒32の先端部34に相当する切り放し片341の残存部分と、前記開封部36の切除による露出部分371とができる(図3(b))。
【0031】
一方、前記蓋33の側壁部37の外形寸法は前記胴筒32の内径寸法と一致するから、前記側壁部37の露出部分371を開封後の胴筒32の二次開放端部361に圧入すると、図3(c)に示すように、前記蓋33により前記胴筒32が再封される。また、前記側壁部37に残存する切り放し片341が蓋33の再封時に胴筒32の二次開放端部361に当接しストッパの役目を果たすから、蓋33が胴筒32の奥の方に押し込まれることもない。よって、再封後の蓋33の取り外しも容易である。
【0032】
なお、この包装体33の製造するには、基本的には図2に示す製造方法に従うが、図2(c)に示す蓋の取付け工程は次のようにする。すなわち、前記円板状のキャップシート23を凹状に整形し胴部32(12)の下側の開放端部35a(15a)から挿入し、上側の開放端部35(15)に達するまで押し込む。蓋33を上側の開放端部35aまで押し込んだ状態で胴筒32の外側から押圧し蓋33のカシメを行う。次いで、同様に下側の開放端部35aから凹状に整形した蓋33aを圧入しこの下側の開放端部35aで接合させカシメを行うと、図3(a)に示す包装体3が出来上がる。
実施の形態2
図4は、本発明の実施の形態2による包装体の構成を示す模式図であり、図4(a)は開封前の包装体を、図4(b)は開封時の包装体を、図4(c)は再封後の包装体をそれぞれ示す。
【0033】
図4(a)に示すように、この包装体3が図1に示す包装体1と異なる点として、蓋43は、胴筒42の上側の開放端部45において側壁部47の全体が糊付けにより接合部48となって接合されている。一方、胴筒42は、上側の開放端部45よりも真ん中寄りの位置に所定幅のガイド筒420を内周面に配置する。
そして、このガイド筒420を配置した一定範囲を胴筒42の全周にわたって切除可能とする開封部46が設けられている。また、前記ガイド筒42は、前記開封部46の隣接領域においてこの開封部46よりも真ん中寄りの部分を前記胴筒42内周面と糊付けにより接合部49となって接合されている。その他の構成については図1に示す包装体1と同様である。なお、図4(a)中、43aは底蓋となる蓋であり、45aは胴筒の下側の開放端部である。
【0034】
次に、前記包装体4の開封方法および開封後の再封方法を説明する。
まず、この包装体4を開封するには、図4(a)に示す開封前の包装体4において前記開封部46に形成した切り込み(図示せず)を摘んで切り起こす。続いてこの切り起こした部分を引っ張って開封部46を胴筒42の全周にわたって引き剥がす。すると、図4(b)に示すように、開封部46が除去されて当該部分を境に蓋43が胴筒42から切り放される。これにより、包装体3が開封される。この切り放された蓋43の側壁部47には前記胴筒42の開放端部45に相当する切り放し片441が蓋43の底面部430から突出した突出片441となって残存する(図4(b))。また、開封後の胴筒42には前記ガイド筒420の一部が開封により形成された二次開放端部461から突出したガイド片421となっている(図4(b))。
【0035】
次に、開封された包装体3を再封するには、図4(c)に示すように、前記切り放された蓋43の前記突出片441を開封後の胴筒42の前記ガイド片421に外嵌させる。すなわち、前記蓋43の側壁部47に接合された突出片441は前記胴筒42の一部であって、前記開封後の二次開放端部461から突出するガイド片421の外形寸法が前記胴筒420の内径寸法と一致するから、前記蓋43の突出片441を開封後の胴筒42の二次開放端部461から突出するガイド片421に外嵌させると、この蓋43により前記胴筒42が塞がれる。このとき、前記突出片441の先端が前記二次開放端部461の先端に当接するまで前記蓋43を押し込むことができる。すなわち、前記突出片441の蓋43の底面部430から延びる長さが、前記胴筒42の二次開放端部461から延びるガイド片421の長さよりも長いからである。そのため、図4(c)に示すように、切り放した蓋43の再封状態において前記ガイド片421が蓋43の底面部430に当たることなく、蓋43を再封できる。この包装体4においても、前記突出片441は胴筒42の開放端部45からなる切り放し片441で構成されるから、再封後の蓋43が胴筒42の外周面よりも出張ることがない。また、この再封後の蓋43の取り外しも容易である。さらに、この包装体4の廃棄時には、蓋43,43aを取り外して胴筒42部分を扁平につぶせばかさ張らずに小さくでき、しかも、蓋43,43aと胴筒42の材質が異なっていても分別できるのでリサイクルも容易となる。
【0036】
次に、前記包装体4の製造方法を説明する。
この包装体4の製造については、基本的には図2に示す製造方法に従うが、図2(a)に示す矩形シート22においてジッパー部26は図1の包装体1を製造する場合よりも真ん中寄りに形成しておく。また、この矩形シート22において前記ガイド筒420を形成するための帯状シートをその矩形シート22の一辺よりも真ん中寄りで前記ジッパー部26を覆い隠すように配置する。そして、この帯状シートを前記ジッパー部26よりも真ん中寄りの隣接領域で前記矩形シート22に糊付けして接合させておく。なお、前記帯状シートには矩形シート22と同方向に複数の折り曲げ線を形成しておくことが好ましい。このような矩形シート22を予め用意しておいて、その後の製造工程については前記実施の形態1で説明したとおりに行う。すると、図4(a)に示す包装体4が出来上がる。
【0037】
なお、この実施の形態2において、図4に示す包装体4として、蓋43の底面部430が胴筒42の内方側を向くように開放端部45に取付けているが、蓋43の底面部430が胴筒42の外方側を向いて凹状の内側面が胴筒42の内方側を向くように開放端部45に取付けてもよい。
実施の形態3
図5は、本発明の実施の形態3による包装体の構成を示す模式図であり、図5(a)は開封前の包装体を、図5(b)は開封時の包装体を、図5(c)は再封後の包装体をそれぞれ示す。
【0038】
図5(a)に示すように、この包装体5が図1に示す包装体1と異なる点として、蓋53と胴筒52との間にガイド筒520が介在されている。すなわち、前記胴筒52は、開放端部55の内周面に先端部を揃えた状態で所定幅のガイド筒520を配置させると共に前記開放端部55の先端部54で前記ガイド筒520の一部が糊付けにより接合部59となって接合されている。前記胴筒52の上側の開放端部55において前記ガイド筒520を配置した一定範囲を胴筒52の全周にわたって切除可能とする開封部56が設けられている。この開封部56は、前記前記ガイド筒520の接合部59よりも真ん中寄りの隣接する領域に形成されている。一方、蓋53は、前記ガイド筒520において側壁部57の全体が糊付けにより接合部58となって接合されている。その他の構成については図1に示す包装体1と同様である。なお、図5(a)中、53aは底蓋となる蓋であり、55aは胴筒の下側の開放端部である。
【0039】
次に、前記包装体5の開封方法および開封後の再封方法を説明する。
まず、この包装体5を開封するには、図5(a)に示す開封前の包装体5において前記開封部56に形成した切り込み(図示せず)を摘んで切り起こす。続いてこの切り起こした部分を引っ張って開封部56を胴筒52の全周にわたって引き剥がす。すると、図5(b)に示すように、開封部56が除去されて当該部分を境に蓋53が胴筒52から切り放される。これにより、包装体5が開封される。この切り放された蓋53の側壁部57には前記ガイド筒520が接合状態で取り外される。これは、ガイド筒520が開封部56から奥側には胴筒52と接合されておらず、先端部54の接合部59にのみ接合されているからである。そして、この蓋53に接合状態にあるガイド筒520の一部が蓋53の底面部530から突出した突出片521となる。また、このガイド筒520の外周面には前記開封部56の切除により前記胴筒52の先端部54に相当する切り放し片541が残存する。
【0040】
次に、開封された包装体5を再封するには、図5(c)に示すように、前記切り放された蓋53の前記突出片521を開封後の胴筒52の二次開放端部561に圧入する。すなわち、前記ガイド筒520の外径寸法は前記胴筒52の内径寸法と一致するから、前記ガイド筒520からなる突出片521を開封後の胴筒52の二次開放端部561に圧入すると、この蓋53により前記胴筒52が塞がれる。このとき、ガイド筒520に残存する切り放し片541が蓋53の再封時に胴筒52の二次開放端部561に当接しストッパの役目を果たす。よって、再封時に蓋53は前記切り放し片541によって胴筒52の奥の方に押し込まれることがない。つまり、再封後の包装体5は、切り放された蓋53が開封後の胴筒52の二次開放端部561に取付けられた状態になる。よって、再封後も開封前と同様に蓋53が胴筒52の外周面よりも出張ることはない。また、この再封後の蓋53の取り外しも容易である。さらに、この包装体5の廃棄時には、蓋53,53aを取り外して胴筒52部分を扁平につぶせばかさ張らずに小さくでき、しかも、蓋53,53aと胴筒52の材質が異なっていても分別できるのでリサイクルも容易となる。
【0041】
次に、前記包装体5の製造方法を説明する。
この包装体5の製造については、基本的には図2に示す製造方法に従うが、図2(a)に示す矩形シート22において前記ガイド筒520を形成するための帯状シートをその矩形シート22の一辺に揃えてジッパー部26を覆い隠すように配置する。なお、前記帯状シートには矩形シート22と同方向に複数の折り曲げ線を形成しておくことが好ましい。このような矩形シート22を予め用意しておいて、その後の製造工程については前記実施の形態1で説明したとおりに行う。
すると、図5(a)に示す包装体が出来上がる。
【0042】
なお、この実施の形態3において、図5に示す包装体5として、蓋53の底面部530が胴筒52の内方側を向くように開放端部55に取付けているが、蓋53の底面部530が胴筒52の外方側を向いて凹状の内側面が胴筒52の内方側を向くように開放端部55に取付けてもよい。
実施の形態4
図6は、本発明の実施の形態4による包装体の構成を示す模式図であり、図6(a)は開封前の包装体を、図6(b)は開封時の包装体を、図6(c)は再封後の包装体をそれぞれ示す。
【0043】
図6(a)に示すように、この包装体6が図1に示す包装体1と異なる点として、蓋63は、側壁部67の上端の一部に舌片631が延長形成されている。また、この蓋63は胴筒62の開放端部65に側壁部67を内嵌させると共に取り外し可能に糊付けにより接合部68となって側壁部68が接合されている。この接合部68における糊付けを点状にすることで蓋63が胴筒62の開放端部に弱く接合され、その結果、簡単に取り外せるようになる。よって、この包装体6では、前記各実施の形態1〜3のもののような開封部16,36,46,56は形成されていない。その他の構成については図1に示す包装体1と同様である。なお、図6(a)中、63aは底蓋となる蓋であり、65aは胴筒の下側の開放端部である。
【0044】
次に、前記包装体6の開封方法および開封後の再封方法を説明する。
まず、この包装体6を開封するには、図6(a)に示す開封前の包装体6において蓋63に形成した舌片631を引っ張る。すると、この蓋63は上述のように胴筒62の開放端部65に弱く接合されているので、図6(b)に示すように、蓋63が取り外される。この取り外された蓋63は前記舌片631を有した状態で凹状形態を維持している(図6(b))。
【0045】
そして、開封された包装体6を再封するには、この取り外した蓋63を再び前記開封後の胴筒62の開放端部に取付けると、図6(a)に示すように元の形態に再封できる。このように、前記包装体6は、蓋63に形成する舌片631を引っ張ることで簡単に開封でき、しかも、この舌片631を有した状態の蓋63で再封できる。よって、再封後も蓋63の取り外しが簡易である。また、この包装体6は再封後も開封前と同様の形態にあるから蓋63が胴筒62から出張ることもない。さらに、この包装体6の廃棄時には、蓋63,63aを取り外して胴筒62部分を扁平につぶせばかさ張らずに小さくでき、しかも、蓋63,63aと胴筒62の材質が異なっていても分別できるのでリサイクルも容易となる。
【0046】
次に、前記包装体62の製造方法を説明する。
この包装体6の製造については、基本的には図2に示す製造方法に従うが、図2(a)に示す矩形シート22においてジッパー部26は形成されない。また、図2(c)に示すキャップシート23には外周縁の所定箇所に前記舌片631を形成するための延長片を形成しておく。このような矩形シート22およびキャップシート23を予め用意しておいて、その後の製造工程については前記実施の形態1で説明したとおりに行う。すると、図6(a)に示す包装体6が出来上がる。
【0047】
なお、前記各実施の形態1〜4においては、下側の開放端部15a,35a,45a,55a,65aに取付けた蓋13a,33a,43a,53a,63aは底面部が胴筒12,32,42,52,62の内方側を向くように取付けられているが、蓋13a,33a,43a,53a,63aの底面部が胴筒12,32,42,52,62の外方側を向いて凹状の内側面が胴筒胴筒12,32,42,52,62の内方側を向くようにこの下側の開放端部15a,35a,45a,55a,65aに取付けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1による包装体を示す模式図である。
【図2】包装体の製造方法を説明する斜視図である。
【図3】実施の形態1の変形例による包装体を示す模式図である。
【図4】実施の形態2による包装体を示す模式図である。
【図5】実施の形態3による包装体を示す模式図である。
【図6】実施の形態4による包装体を示す模式図である。
【図7】従来の包装体を示す断面図である。
【符号の説明】
1,3,4,5,6 包装体
10 被包装物
12,32,42,52,62 胴筒
13,33,43,53,63 蓋
13a,33a,43a,53a,63a 蓋(底蓋)
14,34,44,54,64 先端部
15,35,45,55,65 上側の開放端部
15a,35a,45a,55a,65a 下側の開放端部
16,36,46,56,66 開封部
17,37,47,57,67 蓋の側壁部
18,38,48,58,68 接合部
22 矩形シート
23 キャップシート
26 ジッパー部
27 切り込み
49,59 ガイド筒との接合部
130,330,430,530 蓋の底面部
141,341,441,541 切り放し片
161,361,461,561 二次開放端部
171,371 側壁部の露出部分
420,520 ガイド筒
421 ガイド片
521(441) 突出片
631 舌片

Claims (4)

  1. 被包装物を収容した胴筒の開放端部に、外周に側壁部を形成した凹状の蓋を取付けた包装体において、
    前記蓋は、前記胴筒の開放端部に側壁部を内嵌させると共に前記開放端部の先端部で前記側壁部の一部が接合されており、
    前記胴筒には、前記蓋の側壁部の外周域を含む一定範囲を胴筒の全周にわたって切除可能とする開封部を設け、
    前記凹状の蓋は、円板状のキャップシートから形成されており、
    前記円板状のキャップシートは、その外縁部に同心円状であり前記胴筒の内径寸法と同寸法である外側線と、前記外縁部に同心円状であり前記胴筒の内径寸法より小さい内側線とを有して、この外側線から内側線に向かって縮径されており、
    かつ、前記外側線から外周端に至って放射状に形成された複数の折り曲げ線とを有する、
    ことを特徴とする包装体。
  2. 被包装物を収容した胴筒の開放端部に、外周に側壁部を形成した凹状の蓋を取付けた包装体において、
    前記蓋は、前記胴筒の開放端部に側壁部を内嵌させると共に接合されており、
    前記胴筒には、前記開放端部よりも真ん中寄りの位置に所定幅のガイド筒を内周面に配置し、このガイド筒を配置した一定範囲を胴筒の全周にわたって切除可能とする開封部を設け、
    前記ガイド筒は、前記開封部よりも真ん中寄りの部分を前記胴筒内周面と接合させており、
    前記凹状の蓋は、円板状のキャップシートから形成されており、
    前記円板状のキャップシートは、その外縁部に同心円状であり前記胴筒の内径寸法と同寸法である外側線と、前記外縁部に同心円状であり前記胴筒の内径寸法より小さい内側線とを有して、この外側線から内側線に向かって縮径されており、
    かつ、前記外側線から外周端に至って放射状に形成された複数の折り曲げ線とを有する、
    ことを特徴とする包装体。
  3. 被包装物を収容した胴筒の開放端部に、外周に側壁部を形成した凹状の蓋を取付けた包装体において、
    前記胴筒には、前記開放端部内周面に所定幅のガイド筒を配置させると共に前記開放端部の先端部で前記ガイド筒の一部が接合されており、且つ、前記ガイド筒を配置した一定範囲を胴筒の全周にわたって切除可能とする開封部を設け、
    前記蓋は、前記ガイド筒に側壁部を内嵌させると共に接合させており、
    前記凹状の蓋は、円板状のキャップシートから形成されており、
    前記円板状のキャップシートは、その外縁部に同心円状であり前記胴筒の内径寸法と同寸法である外側線と、前記外縁部に同心円状であり前記胴筒の内径寸法より小さい内側線とを有して、この外側線から内側線に向かって縮径されており、
    かつ、前記外側線から外周端に至って放射状に形成された複数の折り曲げ線とを有する、
    ことを特徴とする包装体。
  4. 被包装物を収容した胴筒の開放端部に、外周に側壁部を形成した凹状の蓋を取付けた包装体において、
    前記蓋は、凹状の内側面が外方を向いた状態で前記胴筒の開放端部に側壁部を内嵌させると共に取り外し可能に接合されており、且つ、前記側壁部の上端の一部に舌片を延長形成しており、
    前記凹状の蓋は、円板状のキャップシートから形成されており、
    前記円板状のキャップシートは、その外縁部に同心円状であり前記胴筒の内径寸法と同寸法である外側線と、前記外縁部に同心円状であり前記胴筒の内径寸法より小さい内側線とを有して、この外側線から内側線に向かって縮径されており、
    かつ、前記外側線から外周端に至って放射状に形成された複数の折り曲げ線とを有する、
    ことを特徴とする包装体。
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