JP4547219B2 - カラー画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザビームプリンタ、デジタル複写機、レーザFAXなどの画像形成装置に関し、特に、走査線曲がり/傾き補正機構がそれぞれ独立して動作できると共に該機構を光学ハウジング内にシンプルな構成で配置でき、コストの低減も可能な画像形成装置に関する。
レーザビームプリンタ、デジタル複写機、レーザFAXなどの画像形成装置は、光源からの光ビームを偏向走査する正多角形に形成されたポリゴンミラーと、該ポリゴンミラーによって走査された光ビームを感光体面上に結像するための光学素子(走査レンズ)とを備え、書込み開始位置を決定するために、有効露光領域外の走査開始側に光検知器が設けられている。
このような画像形成装置では、光学素子の像面湾曲特性、光学ハウジングのねじれ、ポリゴンモータの発熱による熱変形、本体内での別Unitを熱源とする熱変形、感光体の取付け時のねじれなどによって、レーザ走査線に曲がり/傾きが発生するといった問題がある。走査線曲がり/傾きが発生することによって、特に、カラー画像形成装置では、3ないし4本の走査線が、重ならないために、色ずれの原因となる。
このような問題に対して、例えば特許文献1の技術では、光学ハウジング内に、走査方向に沿って長く形成された板状のガラスを配置するもので、このガラス板を断面内で傾けて光学ハウジングに配置したり、ガラスの厚みを変えたりすることによって、走査線傾曲がりを調整することができるとしている。
また、特許文献2の技術には、光学ハウジング内の折り返しミラーを光軸方向に対して、垂直な方向に傾けることによって、走査線傾きを調整するという技術が示されている。
また、特許文献3では、複数のLDユニットから出射されたレーザビームに、それぞれ対応する副走査方向へのパワーを持つ光学素子に、走査線曲がりを補正するために、強制的に副走査方向に光学素子をたわませる機構と、走査線傾きを補正する機構を備えた技術が開示されている。
特開平11−287966号公報 特開2001−100135公報 特開2002−182145公報
しかしながら、特許文献1の技術では、走査線曲がりの湾曲量は変化することができるものの、走査線傾きは調整することができない。そのため、それぞれの光路における走査線曲がり量が調整できたとしても、走査線傾きは調整することができず、結果として色むら、色ずれといった画像品質の劣化を招いてしまう。
また、特許文献2の技術では、走査線傾きは補正できるものの、傾き調整を行うことによって、走査線曲がりが変化してしまう。そのため、調整後にさらに、再調整が必要となり、補正値の収束性が悪い。また、走査線曲がり/傾き補正後に、各像高間の倍率が変化してしまう(折返しミラーを回転することによって、各像高での光路長が変化する)。
また、特許文献3の場合は、各レーザに対応するそれぞれの長尺レンズに、走査線曲がり/傾き調整機構を備え、それぞれの調整を独立して行うことができるため、前述のような不具合がないものの、調整機構自身が大掛かりであり、光学ハウジング内での配置が困難であるとともに、コストも非常にかかってしまう。
そこで、本発明は、前述した実情を考慮してなされたもので、光走査部の走査線曲がり/傾き補正機構がそれぞれ独立して動作できると共に該機構を光学ハウジング内にシンプルな構成で配置でき、コストの低減も可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、複数個の感光体を光走査して夫々に潜像を形成するために形成される複数個の光路と、各光路に沿った走査線の位置を副走査対応方向に補正する主なるパワーを有し且つ光学ハウジングに長手方向が主走査方向に沿って配置された長尺レンズと、前記長尺レンズを副走査方向に変形させて走査線曲がりを調整し、前記長尺レンズを主走査方向と直角かつ副走査方向と直角である軸を中心として回動させることにより走査線傾きを調整する走査線曲がり/走査線傾き調整機構と、を備えた光走査装置、を有するカラー画像形成装置において、
前記走査線曲がり/傾き調整機構は、
前記長尺レンズよりも剛性が強い材質で作られ、前記長尺レンズの上部に配置されて前記長尺レンズが固定されるブラケットと、
前記長尺レンズ前記ブラケットとを固定する複数の板バネと、
前記ブラケットにおける前記長尺レンズの中央部上部に対応する位置に配置され、前記ブラケットの上面から前記ブラケットを貫通して前記長尺レンズの天面と当接する走査線曲がり調整ネジと、
前記ブラケットの主走査方向での一端部を副走査方向に進退移動させることにより前記ブラケットとともに前記長尺レンズ副走査方向に傾かせて前記長尺レンズの走査線傾きを自動調整する駆動モータと、
前記光学ハウジング面に設けられた支点と、
前記長尺レンズの前記中央部での底面が前記支点に当接するように前記ブラケット端部の天面を前記長尺レンズの配置面である前記光学ハウジング面に向けて付勢するブラケット付勢板ばねとを備え、
前記複数の板バネは中央の板ばねと複数の端部板ばねからなり、
前記端部板ばねは、前記長尺レンズの主走査方向での両端部をそれぞれ前記ブラケット両端部に固定し、
前記中央の板ばねは、前記ブラケットの主走査方向での中央部と、前記長尺レンズの主走査方向での中央部に設けた突起、との間を係止してなり、
長尺レンズは、主走査方向での前記両端部に対して前記中央部が前記ブラケットに近づくように前記中央板ばね及び前記端部板ばねによって強制的に撓められた状態で前記ブラケットに固定されていて、この強制的に撓められた状態を初期状態とし、前記走査線曲がり調整ネジを前記光学ハウジング面に向けて下方へ打ち込んでいくことによって、前記長尺レンズは、初期状態と反対側であって前記ブラケットから離れる方向へと撓んで走査線曲がりが調整され
記走査線傾き調整機構の前記駆動モータは、前記ブラケットの前記一端部を前記ブラケット付勢板ばねの付勢力に抗して押すことで前記長尺レンズの中央部の前記支点を中心に、前記ブラケットを傾かせて前記長尺レンズの走査線傾きを自動調整することを主要な特徴とする。
ここで、上記のカラー画像形成装置について、前記駆動モータの出力軸に連結され、前記ブラケットの前記一端部を押したり引いたりして副走査方向へ進退するアジャスタを更に備え、前記走査線傾き調整機構の前記駆動モータに連結された前記アジャスタは、前記長尺レンズの中央部を支点として前記ブラケットの前記一端部を他端側に対して副走査方向に押したり引いたりすることで前記ブラケットを傾かせて前記長尺レンズの走査線傾きを自動調整することができる。
本発明によれば、走査線曲がり調整と、走査線傾き調整を独立に行なうことができると共に、長尺レンズの底面が支点に直接当接するので長尺レンズの副走査方向の位置精度を正確に保つことができる。また、長尺レンズがブラケットに固定され一体になって移動するため長尺レンズの走査線曲がりの調整が完了した状態で長尺レンズの湾曲量を変えずにそのまま走査線傾きを調整することができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。図1は本発明の画像形成装置を実施するための最良の形態であるデジタルカラー機20の光走査部周辺の断面図である。図1に示すように、光走査部は、正多角形の側面に反射ミラーを有し、高速回転によりレーザ光を偏向・走査するポリゴンミラー1a、1b、ポリゴンモータの防音効果を持たせた防音ガラス2a、2b、ポリゴンミラーによりビーム走査の等角度運動を等速直線運動へと変えるfθレンズ3a、3b、像担持体(後述する感光体)へとレーザ光を導くミラー(第1〜第3)4a、4b、4c、4d、6a、6b、6c、6d、7a、7b、7c、7d、ポリゴンミラーの面倒れを補正する長尺レンズ5a、5b、5c、5d、光学ハウジング内への塵などの落下を防止する防塵ガラス8a、8b、8c、8d、各色による像を形成する感光体9a、9b、9c、9d、上記光学素子(光学部材)が配置される光学ハウジング壁面13a、光学素子を配置する光学ハウジング配置面13b、光学ハウジングを密閉するための上段蓋11、下段蓋12、ポリゴンミラー部分の蓋10で構成されている(それぞれの光路を、14a、14b、14c、14dとする)。
図2はデジタルカラー機20の概略断面図である。図2に示すように、デジタルカラー機20は中間転写ベルト18、給紙部19を有し、中間転写ベルト18の下部に前述の光走査部の光学ハウジング15が配されている。各感光体9a〜9dから中間転写ベルト18上にトナー像が重ね転写されて搬送される。給紙部19から取り出された転写紙は搬送路に沿って移動し、その途中で中間転写ベルト18から画像を転写され、図示しない定着工程等を経て機外へ排出されるようになっている。矢印Aは、転写ベルトの駆動方向を示す。
次に、図3、図4に走査線曲がり/傾き調整機構の例を示す。走査線曲がり/傾き調整機構は、ポリゴンミラーの面倒れを補正する長尺レンズ5、走査線曲がり/傾き調整するためのブラケット21、長尺レンズ5とブラケット21を固定する板バネ22〜24、走査線曲がり調整ネジ25、走査線傾きを自動調整する駆動モータ(ステッピングモータ)26、駆動モータホルダー27、アジャスタ28、光学ハウジングの受け部29、ブラケット21と長尺レンズ5を走査面に対して垂直方向(直交方向)へ規制する板バネ30〜33で構成されている。
図3、図4のように、走査線の位置を副走査方向に補正するパワーをもった光学素子(長尺レンズ5)と、長尺レンズ5よりも剛性が強い材質で作られているブラケット21とを、板バネ22〜24で固定する。ブラケット21に長尺レンズの受け面34を設け(図5)、中央の板バネ22によって、長尺レンズは、強制的に撓んだ状態で、ブラケットに固定される(図6)。即ち、中央の板バネ22は、ブラケット21と長尺レンズ5の中央部上部に設けた突起との間を係止する一方で、板バネ23、24はハウジング側に長尺レンズ5の両端部を固定する。
この状態を初期状態とし、走査線曲がり調整ネジ25を長尺レンズの配置面である光学ハウジング面15(図7)の方向に打ち込んでいくことによって、長尺レンズは、徐々に初期状態と反対側へと撓んでいく。この長尺レンズの撓み量に応じて、走査線曲がりは、図8のように調整することができる。この時、ブラケットが該光学素子に対して十分剛性を持つ材質であることが重要である。ブラケットの剛性が十分でない場合、曲がり調整ねじを打ち込んでいっても、長尺レンズが撓むより先にブラケットが撓んでしまい、調整精度が落ちてしまう。
走査線傾き調整機構は、曲がり調整のためのブラケットと同じ筐体に備え、長尺レンズ中央を支点(図7)として、ブラケット21の端部を、アジャスタ28で押すような構成となるように、駆動モータ26を設ける。アジャスタ28は、ステッピングモータ26の図示しない出力軸に連結されることにより、ブラケット21の一端部を押したり引いたりして副走査方向へ進退させるように構成されている。駆動モータ26を駆動させることによって、アジャスタ28が、図3の矢印の方向へと移動する。ブラケット端部の板バネ30、31は、ブラケット21と長尺レンズ5を走査面に対して垂直方向(直交方向)へ規制するためのものであるが、板バネのバネ強度は、駆動モータ26側の板バネ30の方が、もう一方の板バネ31よりも強いバネであることが重要である。
この駆動モータ26の動きに連動して、ブラケット21が傾き、走査線傾きが調整できる。この時も前述したように、ブラケットの剛性が十分でない場合、駆動モータ26の動きに対してブラケットが撓んでしまい、走査線傾き量が狙い通り調整できず、調整精度が低下してしまう。
このように、本発明に係るデジタルカラー機20では、走査線曲がり調整と、走査線傾き調整を独立に行なうことができる走査線曲がり/傾き調整機構が、該光学素子の光学ハウジング配置面の対向面に備えられていることにより、光学素子の配置誤差などによる光学特性の劣化を少なくし、手動で調整する際に、走査線曲がり/傾き調整を容易に調整できる。また、光学ハウジング内にシンプルな構成で配置でき、コストの低減も可能になる。
また、走査線曲がり/傾き調整機構が一つの筐体に備えられていることにより、それぞれ独立して調整が可能となり、組付け時の公差ばらつきによる光学特性への影響を少なくすることができる。また、走査線曲がり/傾き調整機構の筐体が、取付けられる該光学素子よりも剛性を持つことにより、調整精度を向上させることができる。
本発明の画像形成装置を実施するための最良の形態であるデジタルカラー機20の光走査部周辺の断面図。 デジタルカラー機20の概略断面図。 走査線曲がり/傾き調整機構の斜視図(その1)。 走査線曲がり/傾き調整機構の斜視図(その2)。 長尺レンズの受け面部を示すブラケットの斜視図。 長尺レンズのブラケットに対する撓みの向きを示す説明図。 ブラケットと光学ハウジング面13の断面図。 長尺レンズの撓み量に応じて走査線曲がりを調整した後のたわみの状態を示す説明図。
符号の説明
1a、1b ポリゴンミラー、2a、2b 防音ガラス、3a、3b fθレンズ、4a、4b、4c、4d ミラー、5a、5b、5c、5d 長尺レンズ、6a、6b、6c、6d ミラー、7a、7b、7c、7d ミラー、8a、8b、8c、8d 防塵ガラス、9a、9b、9c、9d 感光体、10 蓋、11 上段蓋、12 下段蓋、13a 光学ハウジング壁面、13b 光学ハウジング配置面、14a、14b、14c、14d 光路、15 光学ハウジング、18 中間転写ベルト、19 給紙部、20 デジタルカラー機、21 ブラケット、22、23、24、30、31、32、33 板バネ、25 走査線曲がり調整ネジ、26 駆動モータ、27 駆動モータホルダー、28 アジャスタ、29 受け部

Claims (1)

  1. 複数個の感光体を光走査して夫々に潜像を形成するために形成される複数個の光路と、各光路に沿った走査線の位置を副走査対応方向に補正する主なるパワーを有し且つ光学ハウジングに長手方向が主走査方向に沿って配置された長尺レンズと、前記長尺レンズを副走査方向に変形させて走査線曲がりを調整し、前記長尺レンズを主走査方向と直角かつ副走査方向と直角である軸を中心として回動させることにより走査線傾きを調整する走査線曲がり/走査線傾き調整機構と、を備えた光走査装置、を有するカラー画像形成装置において、
    前記走査線曲がり/傾き調整機構は、
    前記長尺レンズよりも剛性が強い材質で作られ、前記長尺レンズの上部に配置されて前記長尺レンズが固定されるブラケットと、
    前記長尺レンズ前記ブラケットとを固定する複数の板バネと、
    前記ブラケットにおける前記長尺レンズの中央部上部に対応する位置に配置され、前記ブラケットの上面から前記ブラケットを貫通して前記長尺レンズの天面と当接する走査線曲がり調整ネジと、
    前記ブラケットの主走査方向での一端部を副走査方向に進退移動させることにより前記ブラケットとともに前記長尺レンズ副走査方向に傾かせて前記長尺レンズの走査線傾きを自動調整する駆動モータと、
    前記光学ハウジング面に設けられた支点と、
    前記長尺レンズの前記中央部での底面が前記支点に当接するように前記ブラケット端部の天面を前記長尺レンズの配置面である前記光学ハウジング面に向けて付勢するブラケット付勢板ばねとを備え、
    前記複数の板バネは中央の板ばねと複数の端部板ばねからなり、
    前記端部板ばねは、前記長尺レンズの主走査方向での両端部をそれぞれ前記ブラケット両端部に固定し、
    前記中央の板ばねは、前記ブラケットの主走査方向での中央部と、前記長尺レンズの主走査方向での中央部に設けた突起、との間を係止してなり、
    長尺レンズは、主走査方向での前記両端部に対して前記中央部が前記ブラケットに近づくように前記中央板ばね及び前記端部板ばねによって強制的に撓められた状態で前記ブラケットに固定されていて、この強制的に撓められた状態を初期状態とし、前記走査線曲がり調整ネジを前記光学ハウジング面に向けて下方へ打ち込んでいくことによって、前記長尺レンズは、初期状態と反対側であって前記ブラケットから離れる方向へと撓んで走査線曲がりが調整され
    記走査線傾き調整機構の前記駆動モータは、前記ブラケットの前記一端部を前記ブラケット付勢板ばねの付勢力に抗して押すことで前記長尺レンズの中央部の前記支点を中心に、前記ブラケットを傾かせて前記長尺レンズの走査線傾きを自動調整することを特徴とするカラー画像形成装置
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